CDP の設定
この章では、アクセス ポイントに Cisco Discovery Protocol(CDP)を設定する方法について説明します。
(注) この章で使用されるコマンドの構文と使用方法の詳細については、このリリースの『Cisco Aironet IOS Command Reference for Access Points and Bridges』、およびリリース 12.2 の『Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference』を参照してください。
CDP の概要
Cisco Discovery Protocol(CDP)は、すべてのシスコ製ネットワーク機器で実行されるデバイス検出プロトコルです。各デバイスはマルチキャスト アドレスに識別メッセージを送信し、他のデバイスから送信されたメッセージをモニタします。CDP パケット内の情報は、Cisco Prime Infrastructure2000 などのネットワーク管理ソフトウェアで使用されます。
CDP は、特定のネットワーク デバイスのネイバーについて確認するために、ネットワーク管理で使用されます。アクセス ポイントの無線ポートでは、無線がアクセス ポイントやブリッジなどの他の無線インフラストラクチャ デバイスにアソシエートされている場合だけ CDP が有効です。CDP は、アクセス ポイントに設定された最小の VLAN 番号に送信されます。無線ネットワークで複数の VLAN が使用される場合、設定された最小の VLAN 番号をネイティブ VLAN として使用することを推奨します。
(注) 無線 LAN で最大限のパフォーマンスを得るために、VLAN がアクセス ポイントで有効になっている場合は、すべての無線インターフェイスおよびサブインターフェイスで CDP を無効にします。
CDP の設定
この項では、CDP の設定情報と設定の手順を説明します。
CDP のデフォルト設定
表 17-1 は、デフォルトの CDP 設定を示しています。
表 17-1 CDP のデフォルト設定
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CDP グローバル ステート |
イネーブル |
CDP インターフェイス ステート |
イネーブル |
CDP 保持時間(パケットの保持時間、秒) |
180 |
CDP タイマー(パケットの送信間隔、秒) |
60 |
CDP 特性の設定
CDP 保持時間(アクセス ポイントが CDP パケットを廃棄するまでの秒数)と CDP タイマー(アクセス ポイントが次の CDP パケットを送信するまでの秒数)を設定できます。
特権 EXEC モードから、次の手順に従って CDP 保持時間と CDP タイマーを設定します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
cdp holdtime seconds |
(任意)デバイスから送信された情報を受信側デバイスが廃棄するまで保持する期間を指定します。 有効範囲は 10 ~ 255 秒で、デフォルトは 180 秒です。 |
ステップ 3 |
cdp timer seconds |
(任意)CDP 更新の送信頻度(秒)を設定します。 有効範囲は 5 ~ 254 秒で、デフォルトは 60 秒です。 |
ステップ 4 |
cdp advertise-v2 |
(任意)CDP がバージョン 2 アドバタイズを送信するように設定します。 |
ステップ 5 |
cdp log mismatch duplex |
(任意)CDP によって生成されたデュプレックス ミスマッチを記録します。 |
ステップ 6 |
cdp source-interface BVI1 |
(任意)すべての CDP メッセージで BVI1 インターフェイス IP アドレスを挿入します。 |
ステップ 7 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
デフォルト設定に戻すには、CDP コマンドの no 形式を使用します。
次の例は、CDP 特性を設定し、確認する方法を示しています。
AP(config)# cdp holdtime 120
Sending a holdtime value of 120 seconds
Sending CDP packets every 50 seconds
その他の CDP show コマンドについては、“CDP のモニタおよびメンテナンス” sectionを参照してください。
CDP のディセーブル化およびイネーブル化
CDP はデフォルトで有効になっています。特権 EXEC モードから、次の手順に従って CDP デバイス検出機能を無効にします。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no cdp run |
CDP をディセーブルにします。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
特権 EXEC モードから、次の手順に従って CDP を有効にします。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
cdp run |
ディセーブル化されている CDP をイネーブルにします。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
次の例は CDP を有効にする方法を示しています。
インターフェイス上での CDP のディセーブル化およびイネーブル化
デフォルトでは、CDP は CDP 情報の送受信がサポートされるすべてのインターフェイスで有効になっています。
特権 EXEC モードから、次の手順に従ってインターフェイス上の CDP を無効にします。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、CDP をディセーブルにするインターフェイスを入力します。 |
ステップ 3 |
no cdp enable |
インターフェイスの CDP をディセーブルにします。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
特権 EXEC モードから、次の手順に従ってインターフェイス上の CDP を有効にします。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、CDP をイネーブルにするインターフェイスを入力します。 |
ステップ 3 |
cdp enable |
ディセーブルになっているインターフェイスの CDP をイネーブルにします。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
次の例はインターフェイスで CDP を有効にする方法を示しています。
AP(config-if)# cdp enable
CDP のモニタおよびメンテナンス
デバイス上の CDP をモニタおよびメンテナンスするには、特権 EXEC モードで次の手順を 1 つまたは複数実行します。
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clear cdp counters |
トラフィック カウンタをゼロにリセットします。 |
clear cdp table |
ネイバーに関する情報を格納する CDP テーブルを削除します。 |
show cdp |
送信の頻度、送信されたパケットのホールドタイムなど、グローバルな情報を表示します。 |
show cdp entry entry-name [ protocol | version ] |
特定のネイバーに関する情報を表示します。 アスタリスク(*)を入力してすべての CDP ネイバーを表示することも、情報が必要なネイバーの名前を入力することもできます。 また、指定されたネイバー上でイネーブルになっているプロトコルの情報や、デバイス上で稼働しているソフトウェアのバージョン情報が表示されるように、表示内容を制限することもできます。 |
show cdp interface [ type number ] |
CDP がイネーブルに設定されているインターフェイスに関する情報を表示します。 表示対象を、インターフェイスのタイプまたは情報が必要なインターフェイスの番号に限定できます(たとえば、 gigabitethernet 0/1 と入力すると、ギガビット イーサネット ポート 1 に関する情報だけが表示されます)。 |
show cdp neighbors [ type number ] [ detail ] |
デバイス タイプ、インターフェイスのタイプや番号、ホールドタイム設定、機能、プラットフォーム、ポート ID など、ネイバーに関する情報を表示します。 表示対象を特定のタイプのネイバーやインターフェイスの番号に限定することも、表示対象を拡大してより詳細な情報を得ることもできます。 |
show cdp traffic |
CDP カウンタ(送受信されたパケット数、チェックサム エラーなど)を表示します。 |
次に、CDP の show 特権 EXEC コマンドの 6 つの出力例を示します。
AP# show cdp
Sending CDP packets every 50 seconds
Sending a holdtime value of 120 seconds
-------------------------
Platform: cisco WS-C3550-12T, Capabilities: Switch IGMP
Interface: GigabitEthernet0/2, Port ID (outgoing port): GigabitEthernet0/2
Cisco Internetwork Operating System Software
IOS (tm) C3550 Software (C3550-I5Q3L2-M), Experimental Version 12.1(20010612:021
Copyright (c) 1986-2001 by cisco Systems, Inc.
Compiled Fri 06-Jul-01 18:18 by jang
Protocol Hello: OUI=0x00000C, Protocol ID=0x0112; payload len=27, value=0000000
0FFFFFFFF010221FF00000000000000024B293A00FF0000
VTP Management Domain: ''
-------------------------
Device ID: idf2-1-lab-l3.cisco.com
Platform: cisco WS-C3524-XL, Capabilities: Trans-Bridge Switch
Interface: GigabitEthernet0/1, Port ID (outgoing port): FastEthernet0/10
Cisco Internetwork Operating System Software
IOS (tm) C3500XL Software (C3500XL-C3H2S-M), Version 12.0(5.1)XP, MAINTENANCE IN
Copyright (c) 1986-1999 by cisco Systems, Inc.
Compiled Fri 10-Dec-99 11:16 by cchang
Protocol Hello: OUI=0x00000C, Protocol ID=0x0112; payload len=25, value=0000000
0FFFFFFFF010101FF000000000000000142EFA400FF
VTP Management Domain: ''
AP# show cdp entry * protocol
Protocol information for talSwitch14 :
IP address: 172.20.135.194
Protocol information for tstswitch2 :
IP address: 172.20.135.204
IP address: 172.20.135.202
Protocol information for tstswitch2 :
IP address: 172.20.135.204
IP address: 172.20.135.202
GigabitEthernet0/1 is up, line protocol is up
Sending CDP packets every 60 seconds
GigabitEthernet0/2 is up, line protocol is down
Sending CDP packets every 60 seconds
GigabitEthernet0/3 is administratively down, line protocol is down
Sending CDP packets every 60 seconds
GigabitEthernet0/4 is up, line protocol is down
Sending CDP packets every 60 seconds
GigabitEthernet0/5 is up, line protocol is up
Sending CDP packets every 60 seconds
GigabitEthernet0/6 is up, line protocol is up
Sending CDP packets every 60 seconds
GigabitEthernet0/7 is up, line protocol is down
Sending CDP packets every 60 seconds
GigabitEthernet0/8 is up, line protocol is down
Sending CDP packets every 60 seconds
Capability Codes: R - Router, T - Trans Bridge, B - Source Route Bridge
S - Switch, H - Host, I - IGMP, r - Repeater
Device ID Local Interface Holdtme Capability Platform Port ID
Perdido2 Gig 0/6 125 R S I WS-C3550-1Gig 0/6
Perdido2 Gig 0/5 125 R S I WS-C3550-1Gig 0/5
Total packets output: 50882, Input: 52510
Hdr syntax: 0, Chksum error: 0, Encaps failed: 0
No memory: 0, Invalid packet: 0, Fragmented: 0
CDP version 1 advertisements output: 0, Input: 0
CDP version 2 advertisements output: 50882, Input: 52510
CDP ロギングのイネーブル化
CDP ロギングをイネーブルにできます。CDP で特定されたデュプレックス ミスマッチに関連するエラーをログに記録するには、グローバル コンフィギュレーション コマンド cdp log mismatch duplex を使用します。特定のインターフェイスで CDP によって報告されたデュプレックス ミスマッチに関連するエラーをログに記録するには、インターフェイス レベルで同じコマンドを使用します。
次の例では、ギガビット イーサネットのインターフェイスで CDP によって特定されたデュプレックス ミスマッチに関連するエラーのロギングをイネーブルにしますが、無線 0 インターフェイスで CDP によって特定されたデュプレックス ミスマッチに関連するエラーのロギングはディセーブルにします。
ap(config)# int gigabitEthernet 0
ap(config-if)# cdp log mismatch duplex
ap(config)# interface dot11Radio 0
ap(config-if)# no cdp log mismatch duplex