音声ゲートウェイ上の FXS 電話に補足 IP Centrex 類似サービスを、SIP ベースのソフトスイッチとインターワーキングするように設定するには、ゲートウェイ アプリケーション コンフィギュレーション モードで service dsapp コマンドを使用します。フックフラッシュでは、コールの現在の状態に基づいて補足機能がトリガーされます。デフォルトにリセットするには、このコマンドの no 形式を使用します。
service dsapp [paramspace dialpeer dial-peer tag] [paramspace disc-toggle-time seconds] [paramspace callWaiting TRUE | FALSE] [paramspace callConference TRUE | FALSE] [paramspace blind-xfer-wait-time seconds] [paramspace callTransfer TRUE | FALSE]
no service dsapp
構文の説明
paramspace
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ゲートウェイ上のパッケージまたはサービスを定義します。この引数を使用すると、指定したパッケージまたはサービスの各種パラメータが設定できるようになります。
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dialpeer dial-peer tag
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(任意)SIP サーバー(トランク)側へのコールのセットアップに使用する固定ダイヤルピアを指定します。
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disc-toggle-time seconds
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(任意)アクティブコールが切断された場合に、保留中のコールに切り替えるまでの待機時間を秒数で指定します。10 ~ 30 秒の範囲で指定できます。
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callWaiting TRUE | FALSE
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コール待機のサポートを切り替えます。
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callConference TRUE | FALSE
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3 人の参加者全員が一緒に通話できるようにするための 1 つの接続で 2 つのコールを確立する電話会議サポートを切り替えます。
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blind-xfer-wait-time seconds
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ブラインドコール転送をトリガーする前の待機時間を秒数で指定します。0 ~ 10 秒の範囲で指定できます。0 秒を指定した場合、ブラインド転送コールは発生しません。
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callTransfer TRUE | FALSE
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コール転送サポートを切り替えます。
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コマンド デフォルト
補足機能が定義されていない場合、デフォルトは次のようになります。
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dialpeer : -1
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disc-toggle-time : 10 seconds
-
callWaiting : TRUE(有効)
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callConference : TRUE(有効)
-
blind-xfer-wait-time : 0 seconds
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callTransfer : TRUE(有効)
コマンド モード
ゲートウェイ アプリケーション コンフィギュレーション(config-app-param)
コマンド履歴
リリース
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変更内容
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12.4(11)T
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このコマンドが導入されました。
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使用上のガイドライン
service dsapp コマンドを使用すると、FXS 電話に補足 Centrex 類似機能を SIP ベースのソフトスイッチとインターワーキングするよう設定できます。フックフラッシュでは、コールの現在の状態に基づいて次の補足機能がトリガーされます。
コール保留
コールを非アクティブ状態(メディア交換がない状態)にすることを許可します。次の表に、コール保留のフックフラッシュ機能サポートについての要約を示します。
表 1. コール保留フックフラッシュサービス
状態
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操作
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結果
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FXS 回線への応答
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アクティブコール
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フックフラッシュ
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リモート側へのコールが保留される。
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FXS 電話への 2 つ目のダイヤルトーン。
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保留中のコール
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フックフラッシュ
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アクティブコール。
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FXS 回線がコールに接続される。
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保留中のコールおよびアクティブコール
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フックフラッシュ
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アクティブコールと保留中のコールがスワップされる。
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FXS 回線が、保留中だったコールに接続される。
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オンフック
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アクティブコールがドロップされる。
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FXS 回線へのリマインダリング。
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保留中のコールがオンフックになる
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保留中のコールがドロップされる。
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なし。
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アクティブコールがオンフックになる
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アクティブコールがドロップされる。
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無音。
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コール待機
電話機にすでにコールがありアクティブになっている間に、2 つ目のコールを受信できるようにします。次の表に、コール待機のフックフラッシュ機能サポートについての要約を示します。
表 2. コール待機フックフラッシュサービス
状態
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操作
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結果
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FXS 回線への応答
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アクティブコールおよび待機中のコール
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フックフラッシュ。
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アクティブコールと待機中のコールがスワップされる。
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FXS 回線が待機中のコールに接続される。
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アクティブコールがオンフックになる。
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アクティブコールの接続が解除される。
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無音。
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待機中のコールがオンフックになる。
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アクティブコールの接続が維持される。
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なし。
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オンフック。
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アクティブコールがドロップされる。
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FXS 回線へのリマインダリング。
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コール転送
コール転送では、次のことができます。
次の表に、コール転送のフックフラッシュ機能サポートについての要約を示します。
表 3. コール転送フックフラッシュサービス
状態
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操作
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結果
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FXS 回線への応答
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アクティブコール
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フックフラッシュ。
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コールが保留状態になる。
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2 つ目のダイヤルトーン。
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保留中のコール、ダイヤル発信コールかアラートコール、またはアクティブコール
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オンフック。
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保留中のコールおよびアクティブコール。
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保留中のコールおよびアクティブ発信コール
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アクティブコールがオンフックになる。
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保留中のコールが維持され、アクティブコールがドロップされる。
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無音。
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保留中のコールおよびアクティブ発信コール
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保留中のコールがオンフックになる。
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アクティブコールが維持され、保留中のコールがドロップされる。
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なし。
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保留中のコールと発信アラートコール
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フックフラッシュ。
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ドロップされたアクティブコール。
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FXS 回線が、保留中だったコールに接続される。
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3 者会議
3 人の参加者全員が一緒に通話できるよう、1 つの接続で 2 つのコールを確立します。次の表に、3 者会議のフックフラッシュ機能サポートについての要約を示します。
表 4. 3 者会議フックフラッシュサービス
状態
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操作
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結果
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FXS 回線への応答
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アクティブコール
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フックフラッシュ
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保留中のコール。
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2 つ目のダイヤルトーン。
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保留中のコールおよびアクティブコール
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保留中のコールとアクティブコールに参加する。
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両コールのメディア混合。
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例
DSApp サービスは、特定のダイヤルピアに設定することも、すべてのダイヤルピアにグローバルに設定することもできます。次の例は、特定のダイヤルピアで DSApp を有効に設定したものです。
Gateway#
configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Gateway(conf)#
application
Gateway(conf-app)#
dial-peer voice 1000 pots
Gateway(config-app)#
service dsapp
次の例は、すべてのダイヤルピアで DSApp をグローバルに有効に設定したものです。
Gateway#
configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Gateway(conf)#
application
Gateway(config-app)# global
Gateway(config-app-global)#
service default dsapp
例
次の例は、コール保留機能を有効に設定したものです。
Gateway#
configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Gateway(conf)#
application
Gateway(config-app)#
service dsapp
Gateway
(config-app-param)#
param callHold TRUE
例
次の例は、コール待機機能を有効に設定したものです。
Gateway#
configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Gateway(conf)#
application
Gateway(config-app)#
service
dsapp
Gateway
(config-app-param)#
param callWaiting TRUE
例
次の例は、コール転送機能を有効に設定したものです。
Gateway#
configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Gateway(conf)#
application
Gateway(config-app)#
service dsapp
Gateway
(config-app-param)#
param callTransfer TRUE
例
次の例は、3 者会議機能を有効に設定したものです。
Gateway#
configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Gateway(conf)#
application
Gateway(config-app)#
service dsapp
Gateway
(config-app-param)#
param callConference TRUE
例
この例は、接続解除切り替え時間を設定したものです。この接続解除切り替え時間には、発信コールがオンフックになってから、システムがコール転送を実行する前に待機する時間を秒単位で指定します。
Gateway#
configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Gateway(conf)#
application
Gateway(config-app)#
service dsapp
Gateway(config-app-param)#
param disc-toggle-time 10
例
この例は、ブラインド転送待機時間を設定したものです。このブラインド転送待機時間には、発信コールがオンフックになってから、システムがコール転送を実行する前に待機する時間を秒単位で指定します。
Gateway#
configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Gateway(conf)#
application
Gateway(config-app)#
service dsapp
Gateway(config-app-param)#
param blind-xfer-wait-time 10
例
この例は、SIP サーバー(トランク)側へのコールをセットアップするための固定ダイヤルピアを設定したものです。
Gateway#
configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Gateway(conf)#
application
Gateway(config-app)#
service dsapp
Gateway(config-app-param)#
param dialpeer 5000