電話機から設定可能なオプションの概要
電話機で変更できる設定値は、 表4-1 に示したいくつかのカテゴリに分類されます。それぞれの設定値の詳細および変更手順については、「Network Configuration メニュー」を参照してください。
(注) Network Configuration メニューと Device Configuration メニューに表示されるオプションのいくつかは、表示のみ可能です。これらのオプションの一部は、Cisco Unified CallManager から設定できます。これらのオプションについては、「Network Configuration メニュー」および 「Device Configuration メニュー」で説明します。
表4-1 Network Configuration メニューの設定可能な設定値
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Network Configuration メニューのオプション
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DHCP の設定値 |
Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)は、デバイスをネットワークに接続したときに、IP アドレスをデバイスに自動的に割り当てるものです。Cisco Unified IP Phone では、デフォルトで DHCP が有効になっています。 |
DHCP Enabled |
IP の設定値 |
ネットワークで DHCP を使用していない場合は、IP の設定値を手動で設定できます。 |
Domain Name |
IP Address |
Subnet Mask |
Default Router |
DNS Server 1 ~ DNS Server 5 |
TFTP の設定値 |
DHCP を使用して電話機に TFTP サーバを通知しない場合は、手動で TFTP サーバを割り当てる必要があります。DHCP で割り当てられる TFTP サーバの代わりに、代替 TFTP サーバを割り当てて使用することもできます。 |
TFTP Server 1 |
Alternate TFTP |
TFTP Server 2 |
VLAN の設定値 |
VLAN 設定値を使用すると、電話機が使用する管理 VLAN を変更できます。 |
Admin. VLAN ID |
ポートの設定値 |
ポートの設定値を使用すると、ネットワーク ポートおよびアクセス ポートの速度と二重化方式を設定できます。 |
SW Port Configuration |
PC Port Configuration |
関連項目
• 「設定メニューの表示」
• 「オプションのロック解除とロック」
• 「値の編集」
• 「Network Configuration メニュー」
• 「Device Configuration メニュー」
Network Configuration メニュー
Network Configuration メニューには、各種のネットワーク設定値を表示および設定するためのオプションがあります。表4-2 で、これらのオプションについて説明し、変更可能なものについては変更方法を示します。
Network Configuration メニューにアクセスする方法については、「設定メニューの表示」を参照してください。
このメニューのオプションを変更するには、オプションのロックを解除しておく必要があります(「オプションのロック解除とロック」を参照)。ネットワーク設定のオプションを変更するための Edit 、 Yes 、または No ソフトキーが表示されるのは、オプションのロックが解除されている場合のみです。
オプションの編集に使用できるキーについては、「値の編集」を参照してください。
表4-2 Network Configuration メニューのオプション
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DHCP Server |
電話機にとって IP アドレスの取得元になる Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)サーバの IP アドレス。 |
表示のみ(変更不可) |
MAC Address |
電話機の一意のメディア アクセス制御(MAC)アドレス。 |
表示のみ(変更不可) |
Host Name |
DHCP サーバが電話機に割り当てた一意のホスト名。 |
表示のみ(変更不可) |
Domain Name |
電話機が配置されているドメイン ネーム システム(DNS)ドメインの名前。 |
1. ネットワーク設定のオプションのロックを解除します。 2. DHCP Enabled オプションを No に設定します。 3. Domain Name オプションまでスクロールし、 Edit を押して、新しいドメイン名を入力します。 4. Validate を押し、 Save を押します。 |
IP Address |
電話機のインターネット プロトコル(IP)アドレス。 このオプションを使用して IP アドレスを割り当てる場合は、サブネット マスクとデフォルト ルータも割り当てる必要があります。この表の IP Subnet Mask オプションと Default Router オプションを参照してください。 |
1. ネットワーク設定のオプションのロックを解除します。 2. DHCP Enabled オプションを No に設定します。 3. IP Address オプションまでスクロールし、 Edit を押して、新しい IP アドレスを入力します。 4. Validate を押し、 Save を押します。 |
IP Subnet Mask |
電話機が使用するサブネット マスク。 |
1. ネットワーク設定のオプションのロックを解除します。 2. DHCP Enabled オプションを No に設定します。 3. Subnet Mask オプションまでスクロールし、 Edit を押して、新しいサブネット マスクを入力します。 4. Validate を押し、 Save を押します。 |
TFTP Server 1 |
電話機が使用するプライマリの Trivial File Transfer Protocol(TFTP)サーバ。デフォルトでは、このサーバは CiscoCM1 です。ネットワークで DHCP を使用していない場合、このデフォルト サーバを変更するには、TFTP Server 1 オプションを使用する必要があります。 Alternate TFTP オプションを Yes に設定した場合は、TFTP Server 1 オプションに 0 以外の値を入力する必要があります。 |
1. DHCP が有効になっている場合は、 Alternate TFTP オプションを Yes に設定します。 2. TFTP Server 1 オプションまでスクロールし、 Edit を押して、新しい TFTP サーバの IP アドレスを入力します。 3. Validate を押し、 Save を押します。 |
TFTP Server 2 |
プライマリの TFTP サーバが使用不能の場合に、電話機が使用するオプションのバックアップ TFTP サーバ。 |
1. ネットワーク設定のオプションのロックを解除します。 2. TFTP Server 1 オプションに IP アドレスを入力します。 3. TFTP Server 2 オプションまでスクロールし、 Edit を押して、新しいバックアップ TFTP サーバの IP アドレスを入力します。 4. Validate を押し、 Save を押します。 |
Default Router |
電話機が使用するデフォルト ルータ。 |
1. ネットワーク設定のオプションのロックを解除します。 2. DHCP Enabled オプションを No に設定します。 3. 目的の Default Router オプションまでスクロールし、 Edit を押して、新しいルータの IP アドレスを入力します。 4. Validate を押します。 5. Save を押します。 |
DNS Server 1 DNS Server 2 DNS Server 3 DNS Server 4 DNS Server 5 |
プライマリのドメイン ネーム システム(DNS)サーバ(DNS Server 1)とオプションのバックアップ DNS サーバ(DNS Server 2 ~ DNS Server 5)。 |
1. ネットワーク設定のオプションのロックを解除します。 2. DHCP Enabled オプションを No に設定します。 3. 目的の DNS Server オプションまでスクロールし、 Edit を押して、新しい DNS サーバの IP アドレスを入力します。 4. Validate を押します。 5. 必要に応じてステップ 3 と 4 を繰り返し、バックアップ DNS サーバを割り当てます。 6. Save を押します。 |
Operational VLAN ID |
Cisco Catalyst スイッチ上に設定され、電話機がメンバーになっている補助バーチャル ローカルエリア ネットワーク(VLAN)。 電話機が補助 VLAN を受け取っていない場合、このオプションは管理 VLAN を示しています。 補助 VLAN と管理 VLAN のどちらも設定されていない場合、このオプションはブランクのままです。 |
電話機は、シスコ検出プロトコル(CDP)を通じて、電話機が接続されているスイッチから Operational VLAN ID を取得します。VLAN ID を手動で割り当てるには、Admin. VLAN ID オプションを使用します。 |
Admin. VLAN ID |
電話機がメンバーになっている補助 VLAN。 このオプションが使用されるのは、電話機がスイッチから補助 VLAN を受信していない場合のみです。それ以外の場合、このオプションは無視されます。 このオプションは、Operational VLAN ID オプションで指定されている値を上書きします。 |
1. ネットワーク設定のオプションのロックを解除します。 2. Admin. VLAN ID オプションまでスクロールし、 Edit を押して、新しい管理 VLAN の設定値を入力します。 3. Validate を押し、 Save を押します。 |
DHCP Enabled |
電話機で DHCP が使用されているかどうかを示します。 |
1. ネットワーク設定のオプションのロックを解除します。 2. DHCP Enabled オプションまでスクロールし、 No ソフトキーを押して DHCP を無効にします。または、 Yes ソフトキーを押して DHCP を有効にします。 3. Save を押します。 |
Alternate TFTP |
電話機で代替 TFTP サーバを使用しているかどうかを示します。 |
1. ネットワーク設定のオプションのロックを解除します。 2. DHCP Enabled オプションまでスクロールし、Yes ソフトキーを押します。 3. Alternate TFTP オプションまでスクロールし、電話機で代替 TFTP サーバを使用する場合は Yes を押します。使用していない場合は、 No を押します。 4. Save を押します。 |
SW Port Configuration |
ネットワーク ポート(10/100 SW というラベルが付いています)の速度と二重化方式。有効な値は、次のとおりです。 • Auto Negotiate • 10 Half:10 BaseT/半二重 • 10 Full:10 BaseT/全二重 • 100 Half:100 BaseT/半二重 • 100 Full:100 BaseT/全二重 電話機がスイッチに接続されている場合は、スイッチ上のポートを電話機と同じ速度、二重化方式に設定するか、両方を自動ネゴシエーションに設定します。 |
1. ネットワーク設定のオプションのロックを解除します。 2. SW Port Configuration オプションまでスクロールし、 Edit を押します。 3. 目的の設定値までスクロールし、 Select を押します。 4. Save を押します。 |
PC Port Configuration |
アクセス ポート(10/100 PC)の速度と二重化方式。有効な値は、次のとおりです。 • Auto Negotiate • 10 Half:10 BaseT/半二重 • 10 Full:10 BaseT/全二重 • 100 Half:100 BaseT/半二重 • 100 Full:100 BaseT/全二重 電話機が PC または別のホストに接続されている場合は、スイッチ上のポートを電話機と同じ速度、二重化方式に設定するか、両方を自動ネゴシエーションに設定します。 |
1. ネットワーク設定のオプションのロックを解除します。 2. PC Port Configuration オプションまでスクロールし、 Edit を押します。 3. 目的の設定値までスクロールし、 Select を押します。 4. Save を押します。 |
SSH Server |
SSH サーバを有効または無効にします。 |
1. ネットワーク設定のオプションのロックを解除します。 2. SSH Server オプションまでスクロールし、Edit を押します。 3. 設定値を変更し、Save を押します。 |
SSH Password |
SSH パスワードを入力できます。 |
1. ネットワーク設定のオプションのロックを解除します。 2. SSH Password オプションまでスクロールし、Edit を押します。 3. パスワードを入力し、Save を押します。 |
関連項目
• 「設定メニューの表示」
• 「オプションのロック解除とロック」
• 「値の編集」
• 「電話機から設定可能なオプションの概要」
• 「Device Configuration メニュー」
Device Configuration メニュー
Device Configuration メニューからは、ネットワークに関係しない各種の設定値を表示するための 6 つのサブメニューにアクセスできます。
• Media Configuration
• Ethernet Configuration
• Security Configuration
• QoS Configuration
これらのサブメニューは、次のメニューに表示されます。
• 「CallManager Configuration メニュー」
• 「HTTP Configuration メニュー」
Device Configuration メニュー、およびこのメニューのサブメニューにアクセスする方法については、「設定メニューの表示」を参照してください。
CallManager Configuration メニュー
CallManager Configuration には、CallManager 1、CallManager 2、CallManager 3、CallManager 4、および CallManager 5 の各オプションがあります。これらのオプションは、電話機からのコールの処理に使用できる Cisco Unified CallManager サーバを優先順位の順に示しています。
これらのオプションを変更するには、Cisco Unified CallManager Administration を使用します。
使用可能な Cisco Unified CallManager サーバについては、CallManager Configuration メニューのオプションに Cisco Unified CallManager サーバの IP アドレスまたは名前、および次のいずれかの状態が表示されます。
• Active:電話機が現在コール処理サービスを受けている Cisco Unified CallManager サーバ。
• Standby:現在のサーバが使用不能になった場合に、切り替えて使用される Cisco Unified CallManager サーバ。
• Trying:Cisco Unified CallManager との接続が失われています。
• (ブランク):現在、この Cisco Unified CallManager サーバへの接続がありません。
オプションには、次の指定またはオプションも 1 つ以上表示されることがあります。
• SRST:Cisco Unified CallManager の限定機能セットを提供できる、Survivable Remote Site Telephony ルータであることを示します。このルータは、他の Cisco Unified CallManager サーバがすべて到達不能になった場合に、コール処理の制御を引き受けます。SRST Cisco Unified CallManager は、アクティブな場合でも常にサーバ リストの末尾に表示されます。
(注) SRST ルータのアドレスは、Cisco Unified CallManager Administration の SRST Reference Configuration ウィンドウ(System > SRST を選択)で設定します。SRST 参照先は、Device Pool Configuration ウィンドウ(System > Device Pool を選択)で設定します。
• TFTP:設定ファイルにリストされている Cisco Unified CallManager に電話機を登録できず、代わりに TFTP サーバに登録したことを示します。
HTTP Configuration メニュー
HTTP Configuration メニューは、電話機にとってさまざまな情報の取得元になるサーバの URL を表示します。また、電話機のアイドル表示に関する情報も表示します。
表4-3 に、HTTP Configuration メニューのオプションの説明を示します。
表4-3 HTTP Configuration メニューのオプション
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Directories URL |
電話機にとってディレクトリ情報の取得元になるサーバの URL。 |
変更するには、Cisco Unified CallManager Administration を使用します。 |
Services URL |
電話機が Cisco Unified IP Phone サービスを受けるサーバの URL。 |
変更するには、Cisco Unified CallManager Administration を使用します。 |
Messages URL |
電話機がメッセージ サービスを受けるサーバの URL。 |
変更するには、Cisco Unified CallManager Administration を使用します。 |
Information URL |
電話機に表示されるヘルプ テキストの URL。 |
変更するには、Cisco Unified CallManager Administration を使用します。 |
Media Configuration メニュー
Media Configuration メニューは、ヘッドセット、スピーカフォン、およびビデオ機能が電話機で有効になっているかどうかを表示します。 表4-4 に、このメニューのオプションの説明を示します。
表4-4 Media Configuration メニューのオプション
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Headset Enabled |
電話機の ヘッドセット ボタンが有効になっているかどうかを示します。 |
変更するには、Cisco Unified CallManager Administration を使用します。 |
Speaker Enabled |
電話機のスピーカフォンが有効になっているかどうかを示します。 |
変更するには、Cisco Unified CallManager Administration を使用します。 |
Ethernet Configuration メニュー
Ethernet Configuration メニューには、Span to PC Port オプションがあります。このオプションは、ネットワーク ポートで送受信されたパケットを電話機がアクセス ポートに転送するかどうかを示します。電話機のトラフィックをモニタする必要のあるアプリケーションがアクセス ポート上で動作している場合は、このオプションを有効にします。このようなアプリケーションには、(コール センター環境でよく利用される)モニタリング アプリケーションや記録アプリケーション、診断に使用されるネットワーク パケット キャプチャ ツールがあります。このオプションを変更するには、Cisco Unified CallManager Administration を使用します。
Security Configuration メニュー
Security Configuration メニューは、電話機のセキュリティに関係する設定値を表示します。
電話機の Security Configuration 画面では、セキュリティに関する追加情報を表示し、CTL ファイルのロックを解除することができます。
表4-5 に、Security Configuration メニューのオプションの説明を示します。
表4-5 Security Configuration メニューのオプション
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PC Port Disabled |
電話機のアクセス ポートが有効(No)と無効(Yes)のどちらになっているかを示します。 |
変更するには、Cisco Unified CallManager Administration を使用します。 |
Voice VLAN Enabled |
アクセス ポートに接続されているデバイスがボイス VLAN にアクセスすることを、電話機で許可するかどうかを示します。このオプションを No(無効)に設定した場合、接続されている PC は、ボイス VLAN 上でデータを送受信できなくなります。また、電話機で送受信されるデータを PC が受信できなくなります。電話機のトラフィックをモニタする必要のあるアプリケーションが PC 上で動作している場合は、この設定値を Yes(有効)に設定します。このようなアプリケーションには、モニタリング アプリケーションや記録アプリケーション、およびネットワーク モニタリング ソフトウェアがあります。 |
変更するには、Cisco Unified CallManager Administration を使用します。 |
Web Access Enabled |
電話機の Web アクセスが有効(Yes)と無効(No)のどちらになっているかを示します。 |
変更するには、Cisco Unified CallManager Administration を使用します。 |
QoS Configuration メニュー
QoS Configuration メニューは、電話機の QoS(Quality of Service)に関係する情報を表示します。 表4-6 に、このメニューのオプションの説明を示します。
表4-6 QoS Configuration メニューのオプション
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DSCP For Services |
電話機ベースのサービスの DSCP IP 分類。 |
変更するには、Cisco Unified CallManager Administration を使用します。 |
DSCP For Configuration |
電話機の設定を転送するための DSCP IP 分類。 |
変更するには、Cisco Unified CallManager Administration を使用します。 |
DSCP For Call Control |
コール制御シグナリングのための DSCP IP 分類。 |
変更するには、Cisco Unified CallManager Administration を使用します。 |
関連項目
• 「設定メニューの表示」
• 「Network Configuration メニュー」