セカンダリ コール カバレッジの設定
この章では、IP Phone ユーザにコールをルーティングする方法を選択して制御するための各機能について説明します。この機能により、Cisco CallManager Express(Cisco CME)システムにプライマリ アテンダントがない場合に、またはプライマリ アテンダントがあってもそれに追加する場合に着信コール カバレッジを確保できます。
コール カバレッジの設定について
コール カバレッジとは、元のダイヤル先の番号が通話中の場合や無応答の場合でも、すべての着信コールに誰かが応答することを保証する機能です。コール カバレッジは、着信コールに対して適切な ephone-dn(仮想音声ポート)の番号を確保し、使用可能な ephone-dn を検索して着信コールが応答されるようにします。Cisco CME を使用し、それぞれのニーズに応じてコール カバレッジを設定する方法は多数あります。この章では、コール カバレッジの設定に使用できる Cisco CME オプションのいくつかについて説明します。
たとえば、ephone-dn オーバーレイは、回線ボタンより多くの回線(ephone-dn)を電話機に割り当てる手段です。1 つのボタンにオーバーレイされた複数の ephone-dn をその他の電話機で共有することにより、コールに応答できる可能性を高めることができます。さまざまなコール カバレッジに使用できる ephone-dn のタイプについては、「Cisco CallManager Express の概要」の ephone-dnの項を参照してください。
ephone ダイヤルピア プリファレンスという機能を使用すると、ephone-dn をハントする順序を指定できます。また、 huntstop コマンドを使用すると、ダイヤルされた番号が通話中または無応答の場合にコールがハントを続行するかどうかを制御できます。さらに、指定した ephone-dn のセットだけを指定した順序でハントするために、特定の ephone ハント グループを作成することもできます。
コール ピックアップ グループを使用すると、別の電話機で呼び出されているコールに容易に応答できます。これらの機能を共有回線やセカンダリ番号と自由に組み合せて使用することで、それぞれのニーズに最適なコール カバレッジを設定できます。
ephone-dn オーバーレイ
ephone-dn オーバーレイを使用すると、1 台の IP Phone 上の同一の物理回線ボタンを複数の ephone-dn で共有できます。オーバーレイされた ephone-dn は、着信コールの受信と発信コールの送信に使用できます。
オーバーレイ セット内の複数の ephone-dn が同時に呼び出されると、最初に発信されたコールが電話機によって選択され、回線ボタンに表示されます。このコールが共有回線に着信し(他の電話機にも表示され)、別の電話機で応答された場合や、応答される前に発信者がコールを終了した場合は、 button で入力したオーバーレイ セット内の ephone-dn が左から右へ確認され、最初に検出された着信コールがこの回線ボタンの新規着信コールとして表示されます。そして発信者 ID 表示が更新され、現在表示されているコールの発信者 ID が示されます。
オーバーレイ ephone-dn に着信したコールが応答されると、オーバーレイ モードでその ephone-dn を共有する別の電話機ではその ephone-dn にアクセスできなくなります。たとえば、オーバーレイ ephone-dn へのコールを保留にした場合、そのコールは別の電話機に共有回線として表示されません。ephone-dn をオーバーレイとして使用する別の電話機で、単純な共有回線ピックアップを使用して保留中のコールを直接ピックアップすることはできません。
ephone-dn オーバーレイ セットに関連付けられている ephone-dn よりも電話機の数の方が多い場合は、オーバーレイ セット内の ephone-dn がすべて他の電話機によって使用されているために、一部の電話機で ephone-dn が使用できない状態になることがあります。たとえば、ephone-dn が 3 つしかないオーバーレイ セットを 5 台の電話機の回線ボタンで共有している場合、5 台の電話機のうち 3 台がオーバーレイ セット内の 3 つの ephone-dn をすべて使用している状態になることがあります。その場合、残りの 2 台の電話機は、このオーバーレイ セット内の ephone-dn を使用できません。オーバーレイ セット内のすべての ephone-dn が使用中である場合、このオーバーレイ セットが設定された電話機では、対応する回線ボタンについて remote-line-in-use アイコン(電話機に X が点滅しているアイコン)が表示されます。オーバーレイ セット内で少なくとも 1 つの ephone-dn が使用可能になると(つまり、その ephone-dn がアイドル状態または呼び出し中になると)、電話機のディスプレイに使用可能な ephone-dn の状態(アイドル状態または呼び出し中)が再び表示されます。
ephone-dn オーバーレイを使用すると、単一の物理回線ボタンに複数の ephone-dn を割り当てることができます。この機能は、複数のコールを同時に接続できるように、いくつかの電話機で複数の同等の電話回線を共有する場合に便利です。単一の ephone-dn を複数の電話機で共有する単純な共有回線の配置では、共有回線への着信コールにどの電話機からでも応答できます。ただし、この配置では一度に 1 つのコールしかサポートされません。一方、ephone-dn オーバーレイを使用すれば、共有回線の複数インスタンスを作成し、電話機ごとに 1 つのボタンを使用していくつかの電話機に複数の共有回線を割り当てることができます。このオプションを使用することにより、すべての電話機からすべてのコールに応答できるという共有回線の利点を残したまま、複数のコールを同時にサポートできます。また、これは、電話機上の回線ボタンすべてを使用しなくても実行できます。
要約手順
1. ephone phone-tag
2. mac-address mac-address
3. button button-number { o } dn-tag, dn-tag ...[[ button-number { o } dn-tag, dn-tag ...]...]
4. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
ephone phone-tag
Router(config)# ephone 4 |
ephone(Ethernet Phone)設定モードを開始します。 • phone-tag :オーバーレイ セットの追加対象となる電話機を識別する固有のシーケンス番号。 |
ステップ 2 |
mac-address mac-address
Router(config-ephone)# mac-address 1234.5678.abcd |
登録する電話機の MAC アドレスを指定します。 |
ステップ 3 |
button button-number { o } dn-tag, dn-tag ... [[ button-number { o } dn-tag, dn-tag ...]...]
Router(config-ephone)# button 1o14,15,16 |
単一のボタンにオーバーレイする ephone-dn のセットを作成します。 • o :オーバーレイ ボタン。複数の ephone-dn でこのボタンを共有します。単一のボタンに対して最大 10 個の ephone-dn を指定できます。各 ephone-dn はコンマで区切って指定します。 • dn-tag :このオーバーレイ セットに追加する ephone-dn の固有の ID。 ephone-dn コマンドですでに定義しています。 その他のキーワードについては、「Cisco CME システムでの電話機の設定」の 初期の内線番号と電話機の設定の項を参照してください。 |
ステップ 4 |
exit
Router(config-ephone)# exit |
ephone 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、内線番号 1001 の共有回線の 3 つのインスタンスを示します。この内線番号は、3 台の電話機のそれぞれで単一のボタンにオーバーレイされています。最初のコールは ephone-dn 1 に着信し、3 台の電話機すべてのボタン 1 で呼び出されます。このコールは ephone 1 で応答されます。内線番号 1001 への 2 番目のコールは ephone-dn 2 をハントし、残りの 2 つの ephone 11 および 12 で呼び出され、ephone 12 で応答されます。そして内線番号 1001 への 3 番目のコールは ephone-dn 3 をハントし、ephone 11 で呼び出され、そこで応答されます。この設定によって、3 台の IP Phone に 3 通りの共有回線が作成され、同じ電話番号への 3 つのコールを同時に処理できるようになります。
ephone-dn ダイヤルピア プリファレンス
Cisco CME ルータのダイヤルピアは、コールをルーティングするために特定のコール マッチング基準を使用します。着信コールのコール マッチング基準の 1 つとして宛先パターンがあります。これは、ダイヤル先の番号を ephone-dn に関連付けるというものです。複数の ephone-dn が宛先パターンに一致する場合は(ワイルドカードも使用できます)、一致する ephone-dn のそれぞれに ephone-dn ダイヤルピア プリファレンスを設定して、一致する各 ephone-dn に着信コールをルーティングする順序を指定できます。 preference (ephone-dn) コマンドを使用して、一致する各 ephone-dn にプリファレンス値 0 ~ 10 を割り当てます。最も高い優先順位は 0 です。プリファレンス値を割り当てない場合、デフォルトは 0 になります。
たとえば、同じ内線番号 2680 を持つ ephone-dn が 2 つあるとします。これら 2 つの ephone-dn は、同じ内線番号を持つため、いずれも同じ宛先パターンに一致します。一方の ephone-dn は電話機のボタン 1 に、もう一方はボタン 2 に割り当てられています。ボタン 1 の ephone-dn にはプリファレンス値 0(最高値であり、このコマンドを使用しない場合の場合のデフォルトでもある)が、ボタン 2 の ephone-dn にはプリファレンス値 1 が割り当てられています。すると、ボタン 1 の ephone-dn のプリファレンス値の方が高いので、内線番号 2680 への最初のコールはボタン 1 にルーティングされます。ボタン 1 が空いている限り、着信コールは常にボタン 1 にルーティングされます。内線番号 2680 への 2 番目のコールが Cisco CME システムによって受信されたときにボタン 1 の ephone-dn が使用中である場合には、この 2 番目のコールはボタン 2 にルーティングされます。
要約手順
1. ephone-dn dn-tag
2. preference preference-order [ secondary secondary-order ]
3. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
ephone-dn dn-tag
Router(config)# ephone-dn 33 |
ephone-dn 設定モードを開始します。 • dn-tag :ダイヤルピア プリファレンスの設定対象となる ephone-dn を識別する固有のシーケンス番号。 |
ステップ 2 |
preference preference-order [ secondary secondary-order ]
Router(config-ephone-dn)# preference 2 |
ダイヤルピアが関連付けられている ephone-dn に対してプリファレンス値を設定します。 • preference-order :ephone-dn のプライマリ番号のプリファレンス値。値の範囲は 0 ~ 10 です。優先順位が最も高いのは 0、最も低いのは 10 です。デフォルトは 0 です。 • secondary secondary-order :(オプション)ephone-dn のセカンダリ番号のプリファレンス値。値の範囲は 0 ~ 10 です。優先順位が最も高いのは 0、最も低いのは 10 です。デフォルトは 0 です。 |
ステップ 3 |
exit
Router(config-ephone-dn)# exit |
ephone-dn 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、dn-tag が 3 の ephone-dn のプライマリ番号に ephone-dn プリファレンス値 2 を設定します。
ハントストップ
ハントストップは、着信コールのあった ephone-dn が通話中または無応答の場合に、その着信コールが別の ephone-dn に転送されるのを防ぐ機能です。このハントストップの機能を使用することで、通話中のハントによって電話機への着信コールが、一般的なデフォルトの宛先が設定されたダイヤルピアにリダイレクトされるのを防ぐことができます。
ephone-dn 設定モードでは、ハントストップがデフォルトで設定されています。 no huntstop コマンドを使用すると、ハントストップが無効になり、空いている ephone-dn へのハントが可能になります。
チャネル ハントストップは、二重回線 ephone-dn の 2 つのチャネルに対して同様の方法で機能するものです。チャネル ハントストップを有効にすると、最初のチャネルが通話中または無応答の場合に、着信コールが 2 番目のチャネルをハントするのを防ぎます。着信コールにハントされるのを防ぐことにより、2 番目のチャネルをコール転送、コール ウェイティング、または 3 者間会議のために空けておくことができます。また、チャネル ハントストップを使用することで、コールが最初の回線チャネルで 30 秒間呼び出し音を鳴らし、そこで応答がないと次は 2 番目のチャネルでまた 30 秒間呼び出し音を鳴らし、さらに別の回線へ転送されるといった状況の発生を防ぐこともできます。
ハントストップを使用しないコール リダイレクションは、Cisco IOS 音声ゲートウェイ ルーティングの標準メカニズムに基づいています。
要約手順
1. ephone-dn dn-tag
2. no huntstop
3. huntstop channel
4. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
ephone-dn dn-tag
Router(config)# ephone-dn 4 |
ephone-dn 設定モードを開始します。 • dn-tag :ハントストップ ステータスの変更対象となる ephone-dn を識別する固有のシーケンス番号。 |
ステップ 2 |
no huntstop
Router(config-ephone-dn)# no huntstop |
(オプション)ハントストップを無効にし、この ephone-dn が通話中または無応答の場合に、コールが次の ephone-dn をハントするように設定します。デフォルトでは、ハントストップは有効になっています。ハントストップを有効に戻すには、 huntstop コマンドを使用します。 |
ステップ 3 |
huntstop channel
Router(config-ephone-dn)# huntstop channel |
(オプション)二重回線の ephone-dn でチャネル ハントストップを有効にします。チャネル ハントストップを有効にすると、最初のチャネルが通話中または無応答であっても、コールは ephone-dn の次のチャネルをハントしません。デフォルトは、 no huntstop channel です。 |
ステップ 4 |
exit
Router(config-ephone-dn)# exit |
ephone-dn 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、ハントストップが望ましくないため、明示的に無効にするインスタンスを示します。この例では、ephone 4 に 2 つの回線が設定され、いずれの回線にも同じ内線番号 5001 が割り当てられています。これは、最初の回線が使用中のときに 2 番目の回線が内線番号 5001 へのコール ウェイティング通知を提供できるようにするためです。最初の回線(ephone-dn 1)で no huntstop を設定すると、ephone-dn 1 回線が通話中の場合に、着信コールは同じ電話機の 2 番目の回線(ephone-dn 2)をハントします。
ephone-dn 2 では内線番号 6000 へのコール転送が設定されています。内線番号 6000 は、Foreign Exchange Station(FXS)音声ポートに接続されたローカルの留守番電話に対応しています。内線番号 6000 の POTS ダイヤルピアでも、ハントを防ぐためにダイヤルピア ハントストップのアトリビュートが明示的に設定されています。
mac-address 0030.94c3.8724
dial-peer voice 6000 pots
description answering-machine
次に、 huntstop channel コマンドの使用例を示します。この dual-line ephone-dn 設定では、コールは ephone-dn の 2 番目のチャネルをハントしませんが、各 ephone-dn のチャネル 1 では、ephone-dn 10、ephone-dn 11、ephone-dn 12 の順にハントします。
ephone ハント グループ
ephone ハント グループを使用すると、特定の番号(ephone ハント グループ パイロット番号)への着信コールを ephone-dn の定義済みグループへ転送できます。着信コールは、最初の番号が通話中または無応答の場合、応答されるか最終番号として定義された番号に達するまで、リスト内の ephone-dn から ephone-dn へリダイレクトされます。リダイレクトの最大数は、 max-redirect コマンドを使用して指定できます。値の範囲は 5 ~ 20 です。デフォルトのリダイレクト回数は 5 回です。リダイレクトの最大数に達すると、コールは廃棄されます。次のタイプの ephone ハント グループを定義できます。
• シーケンシャル ephone ハント グループ:ハント グループを定義する際に指定したリストの左から右への順序で ephone-dn が呼び出されます。
• ピア ephone ハント グループ:最初に呼び出される ephone-dn は、前回パイロット番号に着信コールがあったときに最後に呼び出された ephone-dn の右側にある番号です。呼び出しは、ephone ハント グループを定義したときに指定したホップの数だけ、左から右へ循環して行われます。
ハント グループ リスト内の最後の要素を別のハント グループのパイロット番号にすることもできます(ただし、無限ループが発生しないように十分な注意が必要です)。最終番号を 2 番目のハント グループのパイロット番号として割り当てる場合、最初のハント グループのパイロット番号を他のハント グループ内の最終番号として設定することはできません。
図 12-1 にシーケンシャル ephone ハント グループを、図 12-2 にピア ephone ハント グループを示します。
ephone ハント グループを作成するには、次の項で説明する作業を実行します。
• 「シーケンシャル ephone ハント グループの設定」
• 「ピア ephone ハント グループの設定」
図 12-1 シーケンシャル ephone ハント グループ
図 12-2 ピア ephone ハント グループ
シーケンシャル ephone ハント グループの設定
シーケンシャル ephone ハント グループでは、ハント グループを定義する際に指定したリストの左から右への順序で ephone-dn が呼び出されます。最初に呼び出される番号は常に、リストの左端にある番号です。
要約手順
1. ephone-hunt hunt-tag sequential
2. pilot pilot-number
3. list dn-number , dn-number [ , dn-number ...]
4. final final-number
5. preference preference-order
6. timeout seconds
7. exit
8. telephony-service
9. max-redirect number
10. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
ephone-hunt hunt-tag sequential
Router(config)# ephone-hunt 5 sequential |
ephone-hunt 設定モードを開始し、シーケンシャル ephone ハント グループを定義します。 • hunt-tag :このハント グループをすべての設定作業時に識別する固有のシーケンス番号。値の範囲は 1 ~ 10 です。 |
ステップ 2 |
pilot pilot-number
Router(config-ephone-hunt)# pilot 5601 |
パイロット番号を定義します。このパイロット番号をダイヤルすると、発信者は ephone ハント グループに転送されます。 • pilot-number :E.164 番号。最大長は 27 文字です。ダイヤル プラン パターンをパイロット番号に適用できます。 |
ステップ 3 |
list dn-number , dn-number [ , dn-number ...]
Router(config-ephone-hunt)# list 5001, 5002, 5017, 5028 |
パイロット番号への着信コールを ephone ハント グループがリダイレクトする宛先の番号リストを定義します。リストには 2 ~ 10 個の番号を含める必要があります。 • dn-number :ephone-dn のプライマリ番号またはセカンダリ番号。 |
ステップ 4 |
final final-number
Router(config-ephone-hunt)# final 6000 |
ephone ハント グループ内の最終番号を定義します。この番号に達すると、コールはそれ以上リダイレクトされません。この番号には、ephone-dn のプライマリ番号またはセカンダリ番号、ボイスメール パイロット番号、別のハント グループのパイロット番号、または FXS 番号を指定できます。
(注) 最終番号を別のハント グループのパイロット番号として定義したら、最初のハント グループのパイロット番号を他のハント グループ内の最終番号として設定することはできません。
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ステップ 5 |
preference preference-order
Router(config-ephone-hunt)# preference 1 |
ハント グループのパイロット番号に関連付けられている ephone-dn の優先順位を設定します。 • preference-order :プリファレンス値で、値の範囲は 0 ~ 10 です。優先順位が最も高いのは 0、最も低いのは 10 です。 |
ステップ 6 |
timeout seconds
Router(config-ephone-hunt)# timeout 30 |
コールに対して応答がない場合、何秒後にハント グループ リスト内の次の番号へコールがリダイレクトされるかを設定します。 • seconds :秒数。値の範囲は 3 ~ 60000 です。デフォルトは 180 です。 |
ステップ 7 |
exit
Router(config-ephone-hunt)# exit |
ephone-hunt 設定モードを終了します。 |
ステップ 8 |
telephony-service
Router(config)# telephony-service |
telephony-service 設定モードを開始します。 |
ステップ 9 |
max-redirect number
Router(config-telephony-service)# max-redirect 8 |
Cisco CME システム内でコールをリダイレクトできる回数を設定します。 • number :値の範囲は 5 ~ 20 です。デフォルトは 5 です。 |
ステップ 10 |
exit
Router(config-telephony-service)# exit |
telephony-service 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、パイロット番号に 5601、最終番号に 6000 を指定し、パイロット番号に応答する電話機のリストに 4 つの番号を指定して、シーケンシャル ephone ハント グループを定義します。
list 5001, 5002, 5017, 5028
ピア ephone ハント グループの設定
ピア ephone ハント グループでは、最初に呼び出される ephone-dn は、前回パイロット番号に着信コールがあったときに最後に呼び出された ephone-dn の右側にある番号です。呼び出しは、ephone ハント グループを定義したときに指定したホップの数だけ、左から右へ循環して行われます。
要約手順
1. ephone-hunt hunt-tag peer
2. pilot pilot-number
3. list dn-number , dn-number [ , dn-number ...]
4. final final-number
5. preference preference-order
6. hops number
7. timeout seconds
8. no-reg
9. exit
10. telephony-service
11. max-redirect number
12. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
ephone-hunt hunt-tag peer
Router(config)# ephone-hunt 5 peer |
ephone-hunt 設定モードを開始し、ピア ephone ハント グループを定義します。 • hunt-tag :このハント グループをすべての設定作業時に識別する固有のシーケンス番号。値の範囲は 1 ~ 10 です。 |
ステップ 2 |
pilot pilot-number
Router(config-ephone-hunt)# pilot 5601 |
パイロット番号を定義します。このパイロット番号をダイヤルすると、発信者はハント グループに転送されます。 • pilot-number :E.164 番号。最大長は 27 文字です。ダイヤル プラン パターンをパイロット番号に適用できます。 |
ステップ 3 |
list dn-number , dn-number [ , dn-number ...]
Router(config-ephone-hunt)# list 5001, 5002, 5017, 5028 |
パイロット番号への着信コールを ephone ハント グループがリダイレクトする宛先の番号リストを定義します。リストには 2 ~ 10 個の番号を含める必要があります。 • dn-number :ephone-dn のプライマリ番号またはセカンダリ番号。 |
ステップ 4 |
final final-number
Router(config-ephone-hunt)# final 6000 |
ephone ハント グループ内の最終番号を定義します。この番号に達すると、コールはそれ以上リダイレクトされません。この番号には、ephone-dn のプライマリ番号またはセカンダリ番号、ボイスメール パイロット番号、別のハント グループのパイロット番号、または FXS 発信者 ID 番号を指定できます。
(注) 最終番号を 2 番目のハント グループのパイロット番号として定義したら、最初のハント グループのパイロット番号を他のハント グループ内の最終番号として設定することはできません。
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ステップ 5 |
preference preference-order
Router(config-ephone-hunt)# preference 1 |
ハント グループのパイロット番号に関連付けられている ephone-dn の優先順位を設定します。 • preference-order :プリファレンス値で、値の範囲は 0 ~ 10 です。優先順位が最も高いのは 0、最も低いのは 10 です。 |
ステップ 6 |
hops number
Router(config-ephone-hunt)# hops 7 |
コールが最終番号に達するまでのホップの回数を設定します。値の範囲は 2 ~ 10 です。 |
ステップ 7 |
timeout seconds
Router(config-ephone-hunt)# timeout 30 |
コールに対して応答がない場合、何秒後にハント グループ リスト内の次の番号へコールがリダイレクトされるかを設定します。 • seconds :秒数。値の範囲は 3 ~ 60000 です。デフォルトは 180 です。 |
ステップ 8 |
no-reg
Router(config-ephone-hunt)# no-reg |
ハント グループのパイロット番号を H.323 ゲートキーパーに登録しないように指定します。 |
ステップ 9 |
exit
Router(config-ephone-hunt)# exit |
ephone-hunt 設定モードを終了します。 |
ステップ 10 |
telephony-service
Router(config)# telephony-service |
telephony-service 設定モードを開始します。 |
ステップ 11 |
max-redirect number
Router(config-telephony-service)# max-redirect 8 |
Cisco CME システム内でコールをリダイレクトできる回数を設定します。 • number :値の範囲は 5 ~ 20 です。デフォルトは 5 です。 |
ステップ 12 |
exit
Router(config-telephony-service)# exit |
telephony-service 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、パイロット番号に 5601、最終番号に 6000 を指定し、リストに 8 つの番号を指定して、ピア ephone ハント グループ 1 を定義します。コールは、4 回リダイレクトされると(つまり 4 回ホップすると)最終番号に送信されます。
list 5001, 5002, 5017, 5028, 5066, 5067, 5077, 5085
コール ピックアップ グループ
Cisco CME では、別の ephone-dn で呼び出されているコールへの応答(ピックアップ)を容易にするために、管理者がピックアップ グループを個々の ephone-dn エントリに関連付けることができます。両方の ephone-dn が同じピックアップ グループ内にあれば、電話機ユーザはより少ないキー操作でコールをピックアップできます。
コール ピックアップには次の種類があります。
• 内線番号を明示的に指定したコール ピックアップ:電話機ユーザは PickUp ソフトキーを押してから、コールが着信している電話機の ephone-dn をダイヤルします。この方式は、別の ephone-dn で保留中のコールをピックアップする場合にも使用できます。
• グループ番号を明示的に指定したコール ピックアップ:電話機ユーザは GPickUp ソフトキーを押してから、コールが着信している電話機のグループ番号をダイヤルします。Cisco CME システム全体で定義されているピックアップ グループが 1 つしかない場合は、ユーザは GPickUp ソフトキーを押すだけで済みます。
• ローカル グループ番号を使用したコール ピックアップ:コールが着信している電話機とユーザの電話機が同じピックアップ グループ内にある場合、電話機ユーザは GPickUp ソフトキーを押してからアスタリスク(*)キーを押し、着信コールをピックアップします。
管理者は、各 ephone-dn をそれぞれ最大 1 つのピックアップ グループに割り当てることができます。ピックアップ グループに属していない ephone-dn でも、コールが着信している ephone-dn をダイヤルするか、その ephone-dn のピックアップ グループ番号をダイヤルすることによって、着信コールをピックアップできます。
ピックアップ グループ番号の長さはそれぞれ異なっていてもかまいませんが、先頭番号は固有である必要があります。たとえば、同じ Cisco CME システムにピックアップ グループ 17 とピックアップ グループ 177 を定義することはできません。これは、ユーザが 177 の最後の 7 を入力する前に、グループ 17 のピックアップが起動してしまうためです。
単一のピックアップ グループに割り当てることができる ephone-dn の数には制限がありません。また、Cisco CME システム内で定義できるピックアップ グループの数にも制限はありません。
図 12-3 に、4 つのコール ピックアップ シナリオを示します。
図 12-3 コール ピックアップ
要約手順
1. ephone-dn dn-tag
2. pickup-group number
3. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
ephone-dn dn-tag
Router(config)# ephone-dn 55 |
ephone-dn 設定モードを開始します。 • dn-tag :ピックアップ グループに追加する ephone-dn(内線番号)の固有の ID。 |
ステップ 2 |
pickup-group number
Router(config-ephone-dn)# pickup-group 2345 |
この ephone-dn をピックアップ グループに割り当てます。 • number :最大 32 桁の数字列。Cisco CME システムのグループ番号の長さはそれぞれ異なっていてもかまいませんが、先頭番号は固有である必要があります。たとえば、グループ番号 17 がある場合、グループ番号 177 を指定することはできません。 |
ステップ 3 |
exit
Router(config-ephone-dn)# exit |
ephone-dn 設定モードを終了します。 |
例
次の例では、ephone-dn タグが 55 の回線をピックアップ グループ 2345 に割り当てます。