Cisco CallManager Express 3.0 システム アドミニストレータ ガイド

自動転送の設定

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この章では、Cisco CallManager Express（Cisco CME）システムの自動転送の設定について説明します。

（注） バージョン 3.0 以前の Cisco CallManager Express は、Cisco IOS Telephony Services （Cisco ITS）と呼ばれていました。

内容

• 「自動転送の設定について」

• 「IP Phone に対する H.450.3 標準の自動転送の設定」

• 「シスコ独自の自動転送の設定」

• 「次の作業」

自動転送の設定について

Cisco IOS Telephony Services V2.1 以前では、自動転送はシスコ独自の方式を使用して実行されていました。Cisco IOS Telephony Services V2.1 からは、ITU-T H.450.3 標準を使用した IP Phone の自動転送がサポートされました。また、Cisco CME 3.0 では、簡単な方法で H.450.3 自動転送を設定できるようになりました。設定手順については、「IP Phone に対する H.450.3 標準の自動転送の設定」を参照してください。

Voice over Frame Relay（VoFR）ネットワークを使用する場合、または Cisco IOS Telephony Services V2.02 およびそれ以前のバージョンとの下位互換性を保つ場合は、シスコ独自の方式が必要です。設定手順については、「シスコ独自の自動転送の設定」を参照してください。

アナログ電話機が FXS ポートに接続されているシステムで H.450.3 自動転送を使用する場合は、Cisco IOS Telephony Services V2.1 のアプリケーション ガイドに記載されている自動転送の設定方法を使用する必要があります。操作手順については、『 Cisco IOS Telephony Services V2.1 』の第 8 章「 Configuring Call Forwarding 」を参照してください。

（注） Cisco IOS Release 12.2(15)ZJ3 以降では、H.450 コール転送および自動転送をサポートできないネットワークに対するオプションとして、ローカルヘアピン コール ルーティングがサポートされています。この機能を使用するには、Tool Command Language（TCL）スクリプトの
app_h450_transfer.2.0.0.8.tcl またはそれ以降のバージョンをインストールする必要があります。このスクリプトは、http://www.cisco.com/cgi-bin/tablebuild.pl/ip-iostsp からダウンロード可能です。このスクリプトをすべてのダイヤルピアにグローバルに適用するには、グローバル設定モードで call application global コマンドを使用します。このコマンドの詳細については、Cisco IOS Release 12.2(15)ZJ の『Default Session Application Enhancements』を参照してください。この TCL スクリプトを使用して H.450 コール転送または自動転送を有効にする場合は、BRI および PRI テレフォニー インターフェイスでオーバーラップ シグナリングが一部サポートされなくなることに注意してください。これは、現在の TCL コール転送および自動転送の実装インフラストラクチャでは、オーバーラップ シグナリングを処理できないためです。

IP Phone に対する H.450.3 標準の自動転送の設定

Cisco CME 3.0 では、デフォルト セッション アプリケーションを使用することで、ITU-T H.450.3 プロトコルを使用する自動転送を IP Phone から起動できるようになりました。このアプリケーションは、ネイティブで H450.3 をサポートするため、Cisco IOS Telephony Services V2.1 の場合のように TCL スクリプトを手動でダウンロードしてインストールする必要はありません。デフォルト セッション アプリケーションの詳細については、『 Default Session Application Enhancements 』を参照してください。

H.450.3 標準を使用した自動転送は、通話中、無応答、およびすべての状況に対して使用できます。この機能を使用するには、自動転送が設定された内線番号（ephone-dn）に着信するコールも H.450.3 標準をサポートする必要があります。新しい Cisco IOS コマンドである call-forward pattern を使用すると、H.450.3 標準をサポートする発信側番号のパターンを指定できます。

内線番号（phone-dn）へのコールが自動転送され、その ephone-dn に対応する着信コールをルータが受信すると、ルータは H.450.3 応答を発信側に送り返し、自動転送先を使用してコールを発信し直すよう要求します。このコマンドで定義されたパターンに一致しない発信側番号の自動転送では、旧バージョンの Cisco IOS Telephony Services と下位互換性のあるシスコ独自の自動転送が使用されます。

Cisco CME は、SIP ネットワーク上での自動転送をサポートします。詳細については、『 Cisco IOS SIP Configuration Guide 』を参照してください。

詳細手順

 

	コマンドまたはアクション	目的
ステップ 1	telephony-service   Router(config)# telephony-service	telephony-service 設定モードを開始します。
ステップ 2	call-forward pattern pattern   Router(config-telephony-service)# call-forward pattern 4...	H.450.3 標準の自動転送を指定します。このコマンドで定義されたパターンに一致しない発信側番号の自動転送では、下位互換性を保つためにシスコ独自の自動転送が使用されます（『Cisco IOS Telephony Services V2.0』を参照）。 • pattern ：H.450.3 標準を使用した自動転送に一致する番号。発信側番号がパターンと一致すれば、H.450.3 標準を使用して自動転送できます。パターンが .T の場合は、H.450.3 標準を使用してすべての発信側を自動転送します。
ステップ 3	calling-number local   Router(config-telephony-service)# calling-number local	（オプション）発信側番号および名前を、自動転送側番号および名前（ローカル番号および名前）で置き換えます。 （注） このコマンドはヘアピン自動転送コールにだけ適用されます。ただし、app-h450-transfer.2.0.0.8.tcl スクリプトまたはそれ以降のバージョンをインストールする必要があります。ローカル ヘアピン AV のペアは 1 に設定する必要があります。
ステップ 4	exit   Router(config-telephony-service)# exit	telephony-service 設定モードを終了します。
ステップ 5	voice service voip   Router(config) # voice service voip	（オプション）voice service 設定モードを開始します。
ステップ 6	h323   Router(conf-voi-serv)# h323	（オプション）H.323 voice service 設定モードを開始します。
ステップ 7	h450 h450-3 timeout T1 milliseconds   Router(conf-serv-h323)# h450 h450-3 timeout T1 750	（オプション）補足サービス タイマーのタイムアウト（ミリ秒）を設定します。この値は、このタイマーのデフォルト設定がネットワークの遅延パラメータと一致しない場合に優先的に使用されます。このタイマーの詳細については、ITU-T H.450.3 仕様を参照してください。 • T1 milliseconds ：再ルーティングの応答があるまで待機するときのタイムアウト値（ミリ秒）。値の範囲は 500 ～ 60000 です。デフォルトは 5000 です。
ステップ 8	exit   Router(conf-serv-h323)# exit	（オプション）H.323 voice service 設定モードを終了します。
ステップ 9	exit   Router(conf-voi-serv)# exit	（オプション）voice service 設定モードを終了します。

シスコ独自の自動転送の設定

この作業では、他の Cisco IP Phone への自動転送を設定します。

次の作業

次に、Cisco CME GUI を設定し、GUI またはルータ CLI を使用して Cisco CME の残りの機能を指定できます。GUI の設定手順については、「Cisco CME GUI の設定」を参照してください。