このマニュアルについて
ここでは、この文書の目的、構成、および表記法について取り挙げています。 さらに、関連するドキュメントの情報やシスコシステムズのテクニカル サポートに関する情報も提供しています。
本書の目的
この文書は、Cisco CallManager Express(Cisco CME) を設定し、運用するために必要なタスクおよびコマンドについて記述しています。
対象読者
この文書は、主に Cisco CME を設定して運用するシステム管理者の中で、個々のタスクやタスク間の関係、および特別なタスクの実行に必須となる Cisco IOS ソフトウェア コマンドについて慣れていない方を対象にしています。この設定用ガイドは、Cisco CME を扱った経験があるシステム管理者で、新しい機能、新しい設定オプション、および現在リリースされている Cisco IOS ソフトウェアの新しい特徴について習得する必要がある方を対象としています。
Cisco CME システムをセットアップするシステム管理者は、次の内容に精通している必要があります。
• TCP/IP の基本事項:IP アドレッシング、ルーティング、DHCP、HTTP、NTP、TFTP。
• Cisco IOS の基本事項:CLI オペレーション、VLAN 構成、フラッシュ メモリおよび TFTP ファイル管理。
• VoIP 基本事項:ダイヤル ピアおよびボイス ポートの設定と検証。
マニュアルの構成
このマニュアルは、次の項で構成されています。
• 「Cisco CallManager Express の概要」では、Cisco CME のハイレベルな解説をしています。
• 「Cisco CME システムの設定」では、Cisco CME の必須要件を記載し、Cisco CME をサポートするためのルータのセットアップ方法について説明しています。
• 「Cisco CME システムでの電話機の設定」では、Cisco CME システムで IP Phone をセットアップするための基本的な手順を説明しています。
• 「コール転送の設定」では、Cisco CME システムで使用するコール転送タイプおよび各転送タイプを有効にする方法について説明しています。
• 「自動転送の設定」では、Cisco CME システムで使用する自動転送タイプおよび各転送タイプを有効にする方法について説明しています。
• 「Cisco CME GUI の設定」では、Cisco CME の Graphical User Interface(GUI; グラフィカル ユーザ インターフェイス)のセットアップ方法を説明しています。ここでは、Web ブラウザベースのインターフェイスを提供することで、管理者が電話機の設定を有効にしたり変更できるように、電話機のユーザが、ディレクトリを検索し各ユーザの短縮ダイヤル情報を変更できるようにしています。
• 「オプションの Cisco CME システム機能のセットアップ」では、すべての Cisco CME ユーザが使用する全システムに影響を及ぼす次の機能について説明しています。
–セカンダリ ダイヤル トーン
–ビジー タイムアウト
–数字間タイムアウト
–呼び出しタイムアウト
–保留音楽(MOH)
• 「Cisco CME Phone 機能の設定」では、ユーザが自分の電話機で使用または表示するためのオプション機能について説明しています。
–自動回線選択
–オンフック ダイヤル
–G.711 での 3 者間電話会議
–発信コールに関する発信者 ID のブロック
–コールごとの発信者 ID のブロック
–通話中のユーザに対するコールバック
–短縮ダイヤル機能
–設定可能な電話機の表示
• 「ボイスメールと Cisco CME の統合」では、Cisco CME システムを既存のボイスメール システムと統合する方法について説明しています。
• 「プライマリ コール カバレッジ用のアテンダントの設定」では、着信の際に使用する 1 つの番号を持つシステムを拡張するために設計された次の機能について説明しています。
–ラベル サポート
–モニタ ランプおよびダイレクト ステーション選択
–サイレント呼び出し
–保留コール通知
–夜間サービス
–IVR 自動アテンダント
• 「コール ブロッキングの設定」では、発信コールを選択して規制する手法について説明しています。
• 「セカンダリ コール カバレッジの設定」では、着信コールをルーティングすることで提供されたコール カバレッジを使用できる次の機能について説明しています。
–ephone-dn オーバーレイ
–ephone-dn ダイヤルピア プリファレンス
–ハントストップ
–ephone ハント グループ
–コール ピックアップ グループ
• 「ディレクトリの設定」では、Cisco CME システムで保守される番号のディレクトリに関連した機能について説明しています。
• 「生産性ツールの設定」では、従業員の作業負担を軽減する次の機能について説明しています。
–フックフラッシュ機能用の Flash ソフトキー
–インターコム
–ページング
–ユーザによるアカウント コードの入力
–アプリケーションの統合
–XML アプリケーション プログラミング インターフェイス
• 「Cisco CME システムのモニタリングと管理」では、管理者が Cisco CME システムの機能を監視するのに役立つコマンドを説明しています。
• 「Cisco CME システムのトラブルシューティング」では、Cisco CME の設定および運用上の問題を診断するための提案事項やコマンドについて説明しています。
• 付録A「ループバック コール ルーティング」 では、ボイスコールのためのループバック コールルーティング パスを提供するために、back-to-back フィジカル ボイスポートのソフトウェアベース制限付きエミュレーションについて説明しています。
• 用語集 では、Cisco CME で使用する専門用語および頭字語を定義しています。
• 索引 は、テキスト内にある主要な用語およびコマンドへのリンクを提供しています。
(注) 関連ドキュメントの一覧については、「Cisco CallManager Express の概要」の その他の資料の項を参照してください。
マニュアルの表記法
Cisco IOS ソフトウェアのドキュメントでは、「ルータ」という用語は、さまざまなシスコ製品に対して使用しています(ルータ、アクセス サーバ、およびスイッチなど)。Cisco IOS ソフトウェアをサポートするルータ、アクセス サーバ、および他のネットワーク デバイスは、ドキュメント内で交互に例示されています。これらの製品は、図示する場合にのみ使用します。つまり、ある製品が他の製品をサポートしていないことを必ずしも例示しません。
Cisco IOS のドキュメント セットは、次の表記法を使用します。
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^ および Ctrl |
^ および Ctrl 記号は、Control キーを表します。たとえば、^D または Ctrl-D は、Control キーを押しながら D キーを押すことを意味します。キーは大文字で表記されますが、大文字と小文字は区別しません。 |
string |
string は、イタリック体で示された引用符を含まない文字列です。たとえば、SNMP community という文字列を設定する場合、この文字列の前後または文字列そのものに、引用符を挿入しないでください。 |
コマンド構文の説明には、次の表記法を使用します。
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boldface |
記載されているとおりに入力するコマンドおよびキーワードは、Boldface フォントで示しています。 |
italics |
ユーザが値を指定する引数は、Italics フォントで示しています。 |
[x] |
オプション要素は、角カッコで示しています(キーワードまたは引数)。 |
| |
オプションまたは必須のキーワードや引数は、縦線で区切って表します。 |
[x | y] |
オプションでどれかを選択できるキーワードや引数は、角カッコで囲み縦線で区切って表します。 |
{x | y} |
どれかを選択するキーワードや引数は、波カッコで囲み縦線で区切って表します。 |
オプション要素または必須要素内に、オプションまたは必須を選択させる場合は、角カッコと波カッコを入れ子にします。次の例を参考にしてください。
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|
[x {y | z}] |
オプション要素内に必須の選択要素を示すには、波カッコと縦線を角カッコで囲みます。 |
例を挙げて説明する場合は、次の表記法を使用しています。
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|
|
画面に表示される情報を例示する場合は、Courier フォントを使用します。 |
|
入力する必要があるテキストを例示する場合は、Courier bold フォントを使用します。 |
< > |
パスワードなどの画面に表示されないテキストは、山カッコで囲みます。 |
! |
コメント行を入力するには、行の先頭に感嘆符を付加します(感嘆符は、Cisco IOS ソフトウェアの特定のプロセスでも表示されます)。 |
[ ] |
システムが表示したプロンプトに対するデフォルトのレスポンスは、角カッコで囲みます。 |
読者の注意をひきつけるために、次の表記法を使用しています。
注意
注意が必要であることを意味します。この記号がある場合、装置の故障またはデータの消失につながることがありますので、注意して作業してください。
(注) 注釈です。役立つ情報や、このマニュアル以外の参照資料などを紹介しています。
ワンポイント・アドバイス 時間を節約する方法です。ここに紹介している方法で作業を行うと、時間を短縮できます。
マニュアルの入手
マニュアルやその他の技術リソースを入手したり、テクニカル サポートを受けたりするには、いくつか方法があります。ここでは、シスコシステムズから技術情報を入手する方法を紹介します。
テクニカル サポート
シスコと正式なサービス契約を交わしているすべてのお客様、パートナー、および代理店は、Cisco Technical Assistance Center(TAC)の 24 時間テクニカル サポートを、オンラインと電話で利用することができます。Cisco.com は、オンラインのテクニカル サポートの最初の窓口として、Cisco TAC Web サイトを運営しています。
TAC の検索
オンラインの TAC Case Open ツール( http://www.cisco.com/tac/caseopen )は P3 および P4 の問題に迅速に対応します (ご使用のネットワークには障害がほとんどないこと、または製品情報が必要)。状況を説明した後に、TAC Case Open ツールは自動的に迅速な解決策を提示します。 この解決策で問題が解決しなかった場合、Cisco TAC の担当者が対応します。
P1 または P2 の問題(使用中のネットワークが停止したか著しく性能が低下している)の場合、またはインターネットにアクセスできない場合、お電話で Cisco TAC にご連絡ください。 Cisco TAC の担当者がすぐに P1 および P2 の問題に対応し、業務をスムーズに遂行できるようにサポートします。
電話で問い合せるには、次の電話番号のいずれかをご使用ください。
アジア太平洋地域:+61 2 8446 7411(オーストラリア:1 800 805 227)
欧州、中東、アフリカ地域:+32 2 704 55 55
米国:1 800 553-2447
Cisco TAC の連絡先一覧は、次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/warp/public/687/Directory/DirTAC.shtml
TAC 優先レベルの定義
すべての事例が標準形式で報告されるように、事例の優先レベルを定義しています。
優先レベル 1(P1):ネットワークがダウンし、業務に致命的な影響がある。シスコとお客様の双方が、必要なリソースをすべて投入し、24 時間体制で状況を解決します。
優先レベル 2(P2):既存のネットワークのパフォーマンスが著しく低下したため、またはシスコ製品の不備により、業務に悪影響がある。シスコとお客様の双方がフルタイムでリソースを投入し、通常業務時間に状況を解決します。
優先レベル 3(P3):ネットワークのパフォーマンスが十分に機能していないが、ほとんどの業務運用を継続できる。シスコとお客様の双方のリソースを投入して、通常業務時間に満足いただけるレベルまでサービスを回復します。
優先レベル 4(P4):シスコ製品の機能、インストレーション、基本的なコンフィギュレーションについて、情報または支援が必要である。業務にほとんど影響しない、またはまったく影響しない。
その他の資料および情報の入手
シスコ製品、テクノロジー、およびネットワーク ソリューションに関する情報は、各種オンライン ソースおよび印刷ソースから入手できます。
• 『Cisco Product Catalog』 は、シスコシステムズが提供するネットワーク製品とその発注方法、およびカスタマー サポート サービスについて説明しています。 『Cisco Product Catalog』 には、次の URL からアクセスしてください。
http://www.cisco.com/en/US/products/products_catalog_links_launch.html
• Cisco Press は、ネットワークに関する書籍を広範囲にわたって出版しています。初心者のユーザおよび熟練したユーザに次の書籍をお勧めします:『Internetworking Terms and Acronyms Dictionary』、『Internetworking Technology Handbook』、『Internetworking Troubleshooting Guide』、『Internetworking Design Guide』。最新の Cisco Press のタイトルとその他の情報については、Cisco Press online の次の URL を参照してください。
http://www.ciscopress.com
• 『Packet』は、シスコが 3 ヶ月に 1 回発行している出版物です。ネットワーク分野の最新動向、技術的な進展、シスコ製品、およびソリューションを提供することで、業界のプロフェッショナルがネットワーク事業への投資を最大限に活かすための情報を記載しています。ネットワークの配置、トラブルシューティングのヒント、コンフィギュレーション例、お客様のケース スタディ、トレーニング、認証情報、および多数のオンライン リソースをカバーしています。『Packet』には、次の URL からアクセスできます。
http://www.cisco.com/go/packet
• 『iQ Magazine』は、シスコが 2 ヶ月に 1 回発行している出版物で、インターネット ビジネス戦略に関する最新情報を企業の経営者に提供しています。『iQ Magazine』には、次の URL からアクセスできます。
http://www.cisco.com/go/iqmagazine
• 『Internet Protocol Journal』は、シスコシステムズが 3 ヶ月ごとに発行している雑誌で、パブリック インターネットおよびプライベート インターネット、パブリック イントラネットおよびプライベート イントラネットの設計、開発、運用に携わるエンジニアリングのプロフェッショナルを対象としています。『Internet Protocol Journal』には、次の URL からアクセスできます。
http://www.cisco.com/en/US/about/ac123/ac147/about_cisco_the_internet_protocol_journal.html
• トレーニング:シスコは、ワールドクラスのネットワーク トレーニングを提供しています。ネットワーク トレーニングの最新内容は、次の URL にリストされています。
http://www.cisco.com/en/US/learning/index.html