デスクトップ コンポーネント
デスクトップ アプリケーション自体は、通常、エージェント ワークステーション、スーパーバイザ ワークステーション、またはアドミン ワークステーションで実行します。デスクトップ アプリケーションをサポートするサービスは、通常、CCE Peripheral Gateway(PG; ペリフェラル ゲートウェイ)サーバで実行します。CCE の展開には、1 つまたは複数の PG システムが存在し、PG ごとに 1 セットのアクティブ デスクトップ サービス一式があります。アクティブ デスクトップ サービスには、CTI Object Server(CTI OS)と Cisco Agent Desktop 基本サービス(Cisco Agent Desktop の展開の場合)が含まれます。図 4-1 に、さまざまなデスクトップ アプリケーションをサポートする CCEの 展開内のコンポーネントを示します。
図 4-1 一般的な Unified CCE デスクトップ コンポーネント
Unified CCE ソリューションでは、ペリフェラル ゲートウェイはシンプレックス設定またはデュプレックス設定で展開できます。デュプレックス設定は、フェールオーバー リカバリ サポート用に冗長デスクトップ サービスを提供します。これらのシステムは、通常、プライマリまたは A サイドおよびバックアップ、または B サイドと呼ばれます。本稼動の展開の場合は、デュプレックス設定が必要です。
CTI Object Server
CTI Object Server(CTI OS)は、耐障害性を持つ高性能でスケーラブルなサーバベースのソリューションで、CTI アプリケーションの導入に使用されます。CTI OS は、CTI Toolkit デスクトップ ソリューションおよび Cisco Agent Desktop(CAD)ソリューションの必須コンポーネントであり、シスコの CTI 実装の最新バージョンです。
エージェントの状態変更要求やコール制御など、デスクトップ アプリケーションからの通信は、Cisco Unified ペリフェラル ゲートウェイで実行している CTI OS サーバに送られます。CTI OS を利用すれば、CAD デスクトップ、CTI Toolkit デスクトップ、および Customer Relationship Management(CRM; カスタマー リレーションシップ マネジメント)システム、データ マイニング ソリューション、ワークフロー ソリューションなどのサードパーティ アプリケーションを 1 か所に統合できます。
CTI Object Server は TCP/IP を介して CTI サーバ に接続し、コール制御要求やエージェント要求を CTI Server に転送します。CTI Server は要求をさらに Open Peripheral Controller(OPC; オープン ペリフェラル コントローラ)に転送します。OPC は、要求のタイプに応じて、要求を CCM Peripheral Interface Manager(PIM; ペリフェラル インターフェイス マネージャ)または CCE セントラル コントローラに転送します。
デスクトップ アプリケーションから送信されて、エージェントの状態に影響を与える要求は、CCE セントラル コントローラに送信されます。一方、デスクトップ アプリケーションから送信されて、コール制御に影響を与える要求は、CCM PIM に送信されます。Unified CCE セントラル コントローラはエージェントの状態をモニタリングして、そのエージェントにコールをルーティングできるかどうか、およびそのエージェントのアクティビティに関するレポーティングを実行できる時を判断します。
コール制御は、エージェント デスクトップ アプリケーションから Cisco Unified Communications Manager(Unified CM; Unified コミュニケーション マネージャ)へ送られます。Unified CM は、要求されたコールやデバイスの制御を実行します。PG 上のデスクトップ サービスは、エージェント デスクトップ アプリケーションとエージェントの IP 電話の状態の同期を維持します。
CTI Toolkit デスクトップの設定および動作の情報も CTI OS サーバで管理されるため、カスタマイゼーション、アップデート、メンテナンス、およびリモート管理のサポートが容易になります。
CTI Object Server のサービス
• デスクトップ セキュリティ:PG 上の CTI Object Server とエージェント、スーパーバイザ、または管理者のデスクトップ PC の間のセキュアなソケット接続をサポートします。CTI Toolkit C++ Client Interface Library(CIL)Software Development Kit(SDK; ソフトウェア開発キット)を使用して構築された CTI アプリケーションは、デスクトップ セキュリティ機能を利用できます。
(注) 現在、デスクトップ セキュリティは .NET および Java の CIL では利用できません。
• Quality of Service(QoS; クオリティ オブ サービス):デスクトップ コール制御メッセージに対するネットワークでのパケット優先順位付けをサポートします。
(注) 現在、QoS は .NET および Java の CIL では利用できません。
• フェールオーバー リカバリ:フェールオーバー時のエージェントの自動ログインをサポートします。
• チャット:エージェントとスーパーバイザの間のメッセージ受け渡しおよびテキスト チャット機能をサポートします。
• サイレント モニタリング:アクティブ コールの VoIP モニタリングをサポートします。CTI Object Server は Silent Monitor Service(SMS)と通信して、VoIP パケット ストリーム転送を開始/終了します。
CTI Object Server は通常デュプレックス モードでインストールされ、冗長性を確保するため PG サイド A と PG サイド B の 2 つの CTI OS サーバが並行して実行されます。CTI Toolkit Desktop アプリケーションはいずれか一方のサーバにランダムに接続し、その後当初の接続が切断されると、代替サーバに自動的にフェールオーバーします。CTI OS はまた、単一のサーバに接続しているあらゆるクライアントとともにシンプレックス モードで実行することも可能ですが、シスコではこの設定はお勧めしていません。
PG のエージェント キャパシティのサイジングについては、「Unified CCE のコンポーネントとサーバのサイジング」を参照してください。
(注) CTI OS サーバは、CTI Desktop Toolkit Software Development Kit を使用して構築されたすべてのデスクトップ アプリケーションへのインターフェイスを処理します。Cisco Agent Desktop(リリース 6.0 以降)は、C++ CIL Toolkit SDK を基に構築されているので、CTI OS との間にインターフェイスがあります。Cisco Agent Desktop リリース 7.0(0)からは、単一の CTI OS サーバが CAD と CTI Toolkit デスクトップの両方の使用を同時にサポートできます。ただし、エージェントとスーパーバイザはこれらのデスクトップ タイプの間では混合できません。
CAD 基本サービス
Cisco Agent Desktop(CAD)は、豊富な機能のパッケージ ソリューションを提供するソフトウェア スイートです。CAD は、ユーザ アプリケーションと CAD 基本サービスで構成されます。これらは Unified CCE 展開内のペリフェラル ゲートウェイ上に共存して実行でき、CAD の展開の場合にだけ必要になります。CAD 基本サービスは冗長機能とウォーム スタンバイ機能を提供します。
CAD 基本サービス
• Cisco チャット サービス:メッセージの受け渡しおよびテキスト チャット機能をサポートします。
• Cisco エンタープライズ サービス:Unified CCE コンポーネントと通信してユーザ アプリケーションにコール データを提供します。
• Cisco ブラウザおよび IP Phone エージェント サービス:CAD-BE および IPPA エージェント アプリケーション用のサービスを提供します。
• Cisco 同期サービス:Unified CCE と CAD 固有の設定データを同期します。
• Cisco LDAP 監視サービス:CAD 設定データの保存と取得を管理します。
• Cisco 録音と統計サービス:通話録音、エージェント コール、およびレポートで使用されるエージェントの状態変更データの保存と取得を管理します。
• Cisco ライセンスとリソース マネージャ サービス:ユーザ ライセンスを管理し、フェールオーバー動作を制御します。
• Cisco 録音再生サービス:通話の録音と再生の機能を提供します。
• Cisco VoIP モニタ サービス:サーバベースのモニタリングが使用されている場合、通話録音とサイレント モニタリングの機能に対する音声ストリームを提供します。
CAD の詳細については、次の URL にある製品ドキュメントを参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/custcosw/ps427/tsd_products_support_series_home.html
Cisco Unified Contact Center Enterprise(CCE)は、次の項で説明するように、エージェントとスーパーバイザに対してさまざまなデスクトップ アプリケーションの選択肢をサポートします。
エージェント デスクトップ
エージェント デスクトップ アプリケーションは、Unified CCE を展開する際の必須コンポーネントです。コンタクト センターのエージェントはこのアプリケーションを使用して、エージェントの状態の制御(ログイン、ログアウト、受信可、受信不可、ラップアップなど)およびコール制御(応答、切断、保留、復帰、発信、転送、会議など)を行います。これらの必須機能に加え、このアプリケーションはコンタクト センター環境で役立つ高度な機能を提供します。
次に示すように、使用可能な Unified CCE エージェント デスクトップ アプリケーションには、主に次の 7 種類があります。
シスコから提供されるエージェント デスクトップ アプリケーション
• Cisco Agent Desktop(CAD):組み込みブラウザとスクリプトされたワークフローの自動化をサポートするエージェント デスクトップ ソリューションのパッケージです。
• CTI デスクトップ ツールキット:エージェント デスクトップ アプリケーションを提供し、アプリケーションの完全なカスタマイゼーション、および他のアプリケーション、カスタマー データベース、Customer Relationship Management(CRM)アプリケーションとの統合をサポートする開発ツールキットです。
• CTI Driver for Siebel:Siebel Communication Server 用の CTI ドライバです。
• Cisco Unified IP Phone Agent:Cisco Unified IP Phone の画面を介して提供されるエージェント デスクトップ ソリューションです。
• Cisco Agent Desktop Browser Edition(CAD-BE):CAD の Windows ベース エージェント アプリケーションの機能の多くを、より少ないプラットフォーム要件でサポートする、ブラウザベースのエージェント アプリケーションです。
シスコのパートナーから提供されるエージェント デスクトップ アプリケーション
• パートナー エージェント デスクトップ:カスタム エージェント デスクトップ アプリケーションは、Cisco テクノロジー パートナー企業によって提供されています。パートナー エージェント デスクトップ アプリケーションは CTI デスクトップ ツールキットを基に開発されており、このマニュアルでは個別製品について説明していません。
• CRM 製品との統合パッケージ:CRM 統合製品は、Cisco Unified CRM テクノロジー パートナー企業によって提供されているものです。統合製品は CTI デスクトップ ツールキットを基に開発されており、このマニュアルでは個別製品について説明していません。
エージェントのモビリティ
Unified CCE の展開では、エージェント デスクトップ アプリケーションはいずれのエージェントないし IP 電話の内線番号とも静的に関連付けられていません。エージェントおよび電話の内線番号(デバイス ターゲット)は Unified CCE 構成内で設定する必要があり、特定の Unified CM クラスタに関連付けられます。
エージェント デスクトップ アプリケーションからログインすると、このセッションで使用するエージェント ID またはログイン名、パスワード、および電話の内線番号の入力を要求するダイアログボックスがエージェントに表示されます。この時点で、エージェント ID、電話の内線番号、およびエージェント デスクトップの IP アドレスが動的に関連付けられます。この関連付けは、エージェントがログアウトすると解放されます。
このメカニズムにより、一人のエージェントが任意のワークステーションで作業する(ホットデスク(複数のワークステーションを切り替えて利用する))ことができます。またエージェントが自分のラップトップを Cisco Unified IP Phone の場所に移動して、そのデバイスからログインすることも可能です(その電話が Unified CCE の展開で使用される Unified ICM や Unified CM 内で設定されている場合)。Cisco Extension Mobility 機能を使用して他の電話にログインすることもできます。Extension Mobility の詳細については、次の場所にある『 Cisco Unified Communications Manager Features and Services Guide 』の Extension Mobility に関する項を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps556/prod_maintenance_guides_list.html
スーパーバイザ デスクトップ
エージェント デスクトップ アプリケーションに加え、スーパーバイザ デスクトップ アプリケーションも使用できます。コンタクト センターのスーパーバイザはこのアプリケーションを使用して、チーム内のメンバーのエージェントの状態を監視します。スーパーバイザ デスクトップは、アクティブ コールの間のエージェントのサイレント モニタリングも有効にします。
使用可能な Unified CCE スーパーバイザ デスクトップ アプリケーションのタイプは次のとおりです。
シスコから提供されるスーパーバイザ デスクトップ アプリケーション
• Cisco Supervisor Desktop(CSD):スーパーバイザ デスクトップ ソリューションのパッケージです。
• CTI デスクトップ ツールキット:スーパーバイザ デスクトップ アプリケーションを提供し、アプリケーションのカスタマイゼーション、および他のアプリケーション、カスタマー データベース、Customer Relationship Management(CRM)アプリケーションとの統合をサポートする開発ツールキットです。
シスコのパートナーから提供されるスーパーバイザ デスクトップ アプリケーション
• CRM 製品との統合パッケージ:CRM 統合製品は、Cisco Unified CRM テクノロジー パートナー企業によって提供されているものです。統合製品は CTI デスクトップ ツールキットを基に開発されており、このマニュアルでは個別製品について説明していません。
デスクトップ ソリューション
コンタクト センターの要件により、ソリューションに適したデスクトップのタイプが異なる場合があります。 表 4-2 では、さまざまなデスクトップ アプリケーションで使用できる機能の一覧を示します。この一覧は、特定のソリューション要件を満たす最善のデスクトップを決定するときの起点として使用できるように作られています。シスコの各デスクトップの詳細については、以降の各項、および http://www.cisco.com で各製品の仕様を参照してください。
表 4-2 シスコのデスクトップ ソリューションでサポートされる機能
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Cisco Agent Desktop Browser Edition
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ターンキー デスクトップ アプリケーション |
可能 |
可能 |
可能 |
可能 |
可能 |
C++、.NET、および Java を使用したカスタム デスクトップ開発 |
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可能 |
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デスクトップ セキュリティ |
可能 |
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可能 |
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ワークフローの自動化 |
可能 |
可能 |
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モバイル(リモート)エージェント |
可能 |
可能 |
可能 |
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Siebel の統合 |
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可能 |
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サイレント モニタリング |
可能 |
可能 |
可能 |
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可能 |
統合録音機能 |
可能 |
可能 |
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可能 |
モニタ モード アプリケーション |
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可能 |
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アウトバウンド コール |
可能 |
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可能 |
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Microsoft Terminal Services のサポート |
可能 |
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可能 |
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Citrix Presentation Server のサポート |
可能 |
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可能 |
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エージェントのモビリティ |
可能 |
可能 |
可能 |
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可能 |
IP Phone ソリューション(ソフト デスクトップなし) |
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可能 |
シスコが提供しない特定の機能または統合 |
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Cisco Agent Desktop ソリューション
Cisco Agent Desktop(CAD)ソリューションは、一連のデスクトップ アプリケーションおよびサービスが同梱されたパッケージです。CAD ソリューションは、コンタクト センター環境に対応する次のような豊富な機能のセットを提供します。
• ライトウェイト エージェント デスクトップ
Cisco Agent Desktop Browser Edition(CAD-BE)は、エージェントのデスクトップのブラウザ ウィンドウで動作する Java ベースのエージェント アプリケーションです。このアプリケーションは、Cisco Agent Desktop アプリケーションと外観が似ており、同じ機能を多数備えています。CAD-BE は、サポートされるオペレーティング システム上のサポートされるどのブラウザでも実行できます。
• ワークフローの自動化
ワークフローの自動化機能を使用すると、管理者はエージェント環境およびその環境とユーザ アプリケーションとの対話方法をカスタマイズできます。ワークフローの自動化機能では、データ処理アクションをテレフォニー イベントに基づいてスケジュールできます(たとえば、応答時にサードパーティ製アプリケーション内にデータを表示したり、切断時に電子メールを送信するなどの処理が可能です)。ワークフローの自動化機能は、Microsoft Windows 用のブラウザやターミナル エミュレータ向けに作成されたアプリケーションとインターフェイスの互換性があります。一部のカスタマイズ作業は、キーストローク マクロを使用してポップアップ画面を表示するくらい簡単です。
• オンデマンド録音
スーパーバイザ(および有効になっている場合はエージェント)は、お客様の電話を録音しておき、後でスーパーバイザが確認できます。
• Unified IP Phone Agent
このサービスでは、XML サービスを備えた Cisco Unified IP Phone を使用しているエージェントが、ログインし、各自の電話を使用して、エージェント デスクトップ アプリケーションにあるエージェント機能のほとんどを実行できます。
• コラボレーション
スーパーバイザはエージェントまたはエージェント チームと直接テキストでチャットできます。エージェントはスーパーバイザまたは他のチーム メンバー(有効な場合)とテキストでチャットできます。スーパーバイザは Web ページをエージェントに送信したり、チーム メッセージをエージェント デスクトップに送信したりできます。インタラクティブ コラボレーションにより、コンタクト センターでは、通信の向上、生産性の拡大、顧客レスポンスの改善、およびエージェントの訓練や指導を行うことができます。
• タスクの自動化
電子メール、知識労働者への相談、他のアプリケーションの起動、優先順位の高いチャットなどの日常的なエージェント タスクを、エージェントのツールバーにタスク ボタンとして設定することで、コール継続時間を短縮し、お客様への対応を改善できます。
• サイレント モニタリング
スーパーバイザはチーム内のエージェントとのサイレント モニタ セッションを開始できます。
CAD ユーザ アプリケーション
CAD ユーザ アプリケーションとしては、コール センターのエージェント、スーパーバイザ、および管理者用の次のアプリケーションがあります。CAD スイートには、3 種類のエージェント アプリケーションが用意されています(図 4-2 を参照)。
• Cisco Agent Desktop(CAD):Windows エージェント アプリケーション
• Cisco Agent Desktop Browser Edition(CAD-BE):Java ベースのエージェント アプリケーション
• Cisco IP Phone Agent(IPPA):IP Phone サービス エージェント アプリケーション
• Cisco Supervisor Desktop(CSD):Windows スーパーバイザ アプリケーション
• Cisco Desktop Administrator(CDA):エージェント アプリケーションおよびスーパーバイザ アプリケーションを設定できる Windows アプリケーション
• Cisco Services Management Console(SMC):管理者が CAD ベース サービスの状態を監視するために使用できる Java ベースのアプレット
図 4-2 Cisco Agent Desktop システムの構成とコンポーネント
CAD アプリケーションの機能
表 4-3 は、CAD の重要な機能の一部を比較しており、特定の展開に最適なエージェント アプリケーションを選ぶ際に使用できます。
表 4-3 CAD ユーザ アプリケーションでサポートされる機能
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コール制御 |
可能 |
可能 |
該当なし |
VPN/リモート エージェントのサポート |
可能 |
可能 |
可能 |
Cisco IP Communicator のサポート |
可能 |
可能 |
該当なし |
モバイル エージェントのサポート |
可能 |
可能 |
該当なし |
アウトバウンド オプション |
可能 |
不可能 |
該当なし |
統合ブラウザ |
可能 |
可能 |
該当なし |
コール イベントのワークフロー自動化 |
可能 |
可能 |
該当なし |
Citrix/Terminal Services のサポート |
可能 |
該当なし |
該当なし |
エージェント状態のワークフロー自動化 |
可能 |
該当なし |
該当なし |
デスクトップ モニタリング |
可能 |
該当なし |
該当なし |
CAD エージェント アプリケーションの詳細については、次の URL にある該当のユーザ ガイドを参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/custcosw/ps427/tsd_products_support_series_home.html
Cisco Agent Desktop
Cisco Agent Desktop はエージェントの PC 上で実行される Microsoft Windows アプリケーションで、ハードウェアの IP Phone か Cisco IP Communicator ソフトウェア電話のいずれかで機能します。Cisco Agent Desktop は、コール制御およびエージェントの状態変更イベントについて CTI OS サービスと連動します。他のすべての機能については、CAD サービスと直接通信します。Cisco Agent Desktop には、デスクトップ モニタリングのサポートが含まれています。デスクトップ モニタリングはエージェントの IP Phone の音声ストリームをキャプチャして、サイレント モニタリングおよび通話録音機能をサポートします。図 4-3 に、サポートされる CAD エージェントのタイプを示します。
図 4-3 CAD エージェントとコンポーネント
図 4-3 のエージェント A は、ハードウェア IP Phone を使用する CAD エージェントを示しています。IP Phone は、ネットワーク ケーブルを使ってエージェントの PC に直接接続されている状態で示されます。これは、デスクトップ モニタリングに必要な構成です。VPN ラベルは、CAD がエージェントの PC とコール センター ネットワーク間の VPN 接続をサポートすることを示しています。
エージェント B は、Cisco IP Communicator ソフトフォンを使用する CAD エージェントを示しています。この構成は、コール センター ネットワークへの VPN 接続もサポートします。これは、リモート エージェントの最も一般的な構成です。
エージェント C は、新しいモバイル エージェント機能で使用される CAD を示しています。モバイル エージェントは、その電話が Unified CM によって直接制御されないエージェントです。エージェントは、エージェント デバイスとして自宅にある電話または携帯電話を使用する場合があります。この場合、エージェントは、ログイン時にリモート電話に関連付ける CTI ポートを提供します。ログインしたエージェントの ACD コールは CTI ポートに送信されます。それによりコールはモバイル エージェントのデバイスに表示されます。CAD エージェントとモバイル電話間には論理関係があります(破線で表示されています)。VPN ラベルは、CAD がコール センター ネットワークへの VPN 接続をサポートすることを示しています。CAD モバイル エージェントはサイレントに監視または録音できません。
Cisco Agent Desktop の詳細については、次の URL にある『 Cisco Agent Desktop User Guide 』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/custcosw/ps427/products_user_guide_list.html
Cisco Agent Desktop Browser Edition
Cisco Agent Desktop Browser Edition(CAD-BE)は、エージェントの PC の Microsoft Internet Explorer で実行される Java アプレットです。CAD-BE は、エージェントの状態およびコール制御のすべてについて IP Phone エージェント サービスと連携するという点で IP Phone エージェントと関連します。ただし、IP Phone のディスプレイのサイズやグラフィック機能が原因で、IPPA サービスの機能は制限されますが、CAD-BE は Java アプレットの機能を利用できます。これにより、CAD-BE はエージェントのデスクトップに小さいフットプリントを持ち、CAD エージェント Windows アプリケーションの機能も提供できます。
CAD-BE の制限と機能
CAD-BE は、CAD のすべての機能をサポートするわけではありません。その制限の一部は、IPPA アプリケーションの制限に関連します。主要な機能のいくつかを以下に示します。
• ハードウェアおよびソフトウェア両方の IP Phone のサポート
• モバイル エージェントのサポート
いくつかの制限を以下に示します。
• デスクトップ モニタリングはサポートされません。サイレント モニタリングと録音機能には VoIP モニタ サービスを使用する必要があります。
• CAD-BE エージェントは、Citrix/MTS 環境から実行できません。
• 高度なレポート機能とワークフローは、現時点ではサポートされません。
• アウトバウンド オプションは、CAD-BE ではサポートされません。
Cisco Unified IP Phone Agent
Cisco Unified IP Phone Agent(IPPA)は、IP Phone XML サービスとして実行され、エージェントは PC を持つ必要がありません。IPPA アプリケーションでは、コール センター エージェントに必要なすべての基本機能に加え、理由コードや通話録音などの高度な機能を使用できます。
IPPA アプリケーションは、CAD ベースのエージェント インターフェイスで、CTI OS サービスと通信しません。したがって、IP Phone Agent は、CTI OS ベースのエージェントのバックアップ エージェント インターフェイスとしては使用できません。IP Phone Agent では、エージェントの状態の制御(ログイン、ログアウト、受信可、受信不可)は、Cisco IP Phone を実行している IP Phone Agent XML アプリケーションを通じて実行されます。IP Phone Agent のコール制御は、IP Phone で標準のコール制御機能を使用して実行されます。
IPPA エージェントのコールをサイレントに監視または録音するには、VoIP モニタ サービスを使用する必要があります。
図 4-4 に、IP Phone エージェントが使用するコンポーネントを示します。
図 4-4 Cisco Unified IP Phone Agent のコンポーネント
IP Phone Agent の詳細については、次の URL にある『 Cisco Unified IP Phone Agent User Guide 』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/custcosw/ps427/products_user_guide_list.html
Cisco Supervisor Desktop
Cisco Supervisor Desktop では、スーパーバイザの管理するエージェント チームが視覚的に表示されます。Windows Explorer ライクな展開可能のナビゲーション ツリー コントロールを使用して、チームのメンバーのナビゲートや管理を行えます。
スーパーバイザはチーム内のエージェントに関するリアルタイム情報を表示したり、エージェントと対話できます。状態を変更するエージェントの選択、そのエージェントに固有の情報の表示、エージェントのコールのサイレント モニタや録音、エージェントのコールの介入や代行受信、エージェントとのチャット、エージェントのデスクトップへの Web ページの送信ができます。
Cisco Supervisor Desktop をインストールすると、Cisco Agent Desktop のインスタンスもインストールされます。スーパーバイザのコールの受信、介入、代行受信、スキル グループの統計情報の取得を行うには、Cisco Agent Desktop が必要です。
Cisco Supervisor Desktop 内のスーパーバイザ ワークフロー モジュールを使用すると、コンタクト センターで特定のイベントが発生した時に、指定した処理を開始できます。たとえば、特定のスキル グループのキューに 10 以上のコールがたまると、アラート音が鳴り、スキル グループの名前がスーパーバイザのデスクトップ上で赤色で強調表示されるように、スーパーバイザのワークフローを設定できます。このモジュールによって、コンタクト センターでは個々のニーズを満たすように CAD インストールを設定できます。
このバージョンの CAD では、スーパーバイザ ワークフローに対する電子メール アラート アクションが追加されています。このアクションは、スキル グループ イベント(キュー内のコールの数またはキュー内の最長コール)によって開始できます。このアクションでは電子メールを 1 つまたは複数の設定された電子メール アドレスに送信します。電子メールにはイベントを発生させる条件に関連する情報とカスタム テキストも含まれます。
Cisco Supervisor Desktop には、Web ページをチーム内の特定のエージェントに送信する機能をスーパーバイザに提供する統合 Web ブラウザが含まれるようになりました。
Cisco Supervisor Desktop の詳細については、次の URL にある『 Cisco Supervisor Desktop User Guide 』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/custcosw/ps427/products_user_guide_list.html
Cisco Desktop Administrator
Cisco Desktop Administrator によって、管理者は CAD サービス、Cisco Supervisor Desktop、および CAD エージェント アプリケーションを設定できます。エージェントとスーパーバイザを含んでいる個々のワークフロー グループを別々に設定して、各エージェントのグループに特定の機能を提供できます。
Cisco Desktop Administrator を使用して管理者は次の項目を設定できます。
• エンタープライズ データ フィールドおよびレイアウト
• デスクトップおよびサーバ モニタリング
• ダイヤル ストリング
• エージェントが利用可能な電話帳
• 理由コードとラップアップ データ
• CAD および CAD-BE エージェントのツールバー ボタン
• CAD および CAD-BE 統合ブラウザの外観と動作
• ワークフロー グループ
• 各エージェント タイプのワークフロー
• ブラウザ タブの数と、統合ブラウザがサポートする CAD および CAD-BE エージェントの各タブのデフォルト ページ
Cisco Desktop Administrator の詳細については、次の URL にある『 Cisco Desktop Administrator User's Guide 』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/custcosw/ps427/products_user_guide_list.html
Cisco Desktop Monitoring Console
Cisco Desktop Monitoring Console は CAD サービスの状態をモニタリングする Java アプリケーションです。管理者が CAD システムに関するリアルタイム情報を取得するための、使いやすいインターフェイスを提供します。
CTI デスクトップ ツールキット ソリューション
CTI デスクトップ ツールキットは、デスクトップ アプリケーションのカスタム開発を行うための Software Development Kit(SDK; ソフトウェア開発キット)を提供します。CTI デスクトップ ツールキットは、C++、Java、および .NET 開発 Client Interface Libraries(CIL)をサポートし、カスタマイズ用のサンプル アプリケーションを提供します。
また、CTI デスクトップ ツールキットには、ビルド済みですぐに実行できるエージェント デスクトップ、スーパーバイザ デスクトップ、およびコール センター モニタリング アプリケーションがすべて備わっています。これらのアプリケーションはそのまま使用することも、コール センターの特定のニーズに合わせてさらにカスタマイズすることもできます。
CTI デスクトップ ツールキットは、デスクトップ アプリケーションをデータベースと統合するための高度なツール、Customer Relation Management(CRM)アプリケーション、またはその他のコンタクト センター アプリケーションも提供します。
CTI Toolkit Desktop ソリューションは、コンタクト センター環境に対応する次のような豊富な機能のセットを提供します。
• コラボレーション:スーパーバイザはエージェントと直接テキストでチャットすることができます。また、エージェントはスーパーバイザまたはその他のチーム メンバー(有効な場合)とテキストでチャットできます。インタラクティブ コラボレーションにより、コンタクト センターでは、通信の向上、生産性の拡大、顧客レスポンスの改善、およびエージェントの訓練や指導を行うことができます。
• 安全なデスクトップ接続:エージェント デスクトップと CTI OS サーバ間にデスクトップ セキュリティが提供されます。
• サイレント モニタリング:スーパーバイザはチーム内のエージェントとのサイレント モニタ セッションを開始できます。
CTI Toolkit Software Development Kit とユーザ アプリケーション
CTI デスクトップ ツールキットは、次のユーザ ツールとアプリケーションを提供します。
• C++ CIL API:C++ CTI アプリケーションを開発するための Windows ソフトウェア開発キット
• Java CIL API:Java CTI アプリケーションを開発するためのクロスプラットフォーム ライブラリ
• .NET CIL API:カスタムの .NET Framework CTI アプリケーションを開発するための Windows ソフトウェア開発キット
• COM CIL API:Visual Basic 6.0 CTI アプリケーションを構築するための COM Dynamic Link Libraries(COM DLL)のセット
• ActiveX コントロール:Microsoft Visual Basic 6.0 を使用してカスタムのデスクトップ開発を行うための Windows GUI コントロールのセット
• CTI OS ランタイム呼び出しラッパー:ネイティブの .NET アプリケーションで COM CIL と ActiveX コントロールを使用するための .NET アセンブリのセット
• CTI Toolkit Agent Desktop:エージェント デスクトップ機能を提供する、COM CIL および Active-X コントロール上に作成される Windows Visual Basic アプリケーション
• CTI Toolkit Supervisor Desktop:スーパーバイザ デスクトップ機能を提供する、COM CIL および Active-X コントロール上に作成される Windows Visual Basic アプリケーション
• CTI Toolkit Outbound Desktop:標準のエージェント デスクトップ機能に加えてアウトバウンド コール センター キャンペーンをサポートする、COM CIL および Active-X コントロール上に作成される Windows Visual Basic アプリケーション
• CTI Toolkit Combo Desktop:エージェント機能、スーパーバイザ機能、およびアウトバウンド機能に対するサポートを組み合わせる、.NET CIL に基づいた Windows エージェントおよびスーパーバイザ アプリケーション
• CTI Toolkit All-Agents Monitor:コール センター エージェントの状態をモニタリングする機能を提供する、C++ CIL に基づいた Windows Admin アプリケーション
• CTI Toolkit All-Calls Monitor:コール センターのコールの状態をモニタリングする機能を提供する、C++ CIL に基づいた Windows Admin アプリケーション
図 4-5 に CTI デスクトップ ツールキットのアーキテクチャを示します。CTI デスクトップ ツールキットの詳細については、次の URL にある『 CTI OS Developer's Guide for Cisco ICM/IPCC Enterprise and Hosted Editions 』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/custcosw/ps14/products_programming_reference_guides_list.html
図 4-5 CTI デスクトップ ツールキット アーキテクチャ
C++ CIL API
CTI デスクトップ ツールキット C++ CIL は、Microsoft Visual Studio .NET を使用して C++ CTI アプリケーションを作成するためのヘッダー ファイルとスタティック ライブラリのセットを提供します。C++ CIL は、エージェント PC と PG 上にある CTI オブジェクト サーバの間のセキュア デスクトップ接続もサポートします。
Java CIL API
CTI デスクトップ ツールキット Java CIL は、Java CTI アプリケーションを開発するための強力なクロスプラットフォーム ライブラリを提供します。
.NET CIL API
CTI Desktop Toolkit .NET CIL は、ネイティブ .NET Framework アプリケーションを開発するためのネイティブ .NET クラス ライブラリを提供します。.NET Combo Desktop は、.NET CIL を使用して作成されたサンプル アプリケーションとして提供されます。
COM CIL API
CTI デスクトップ ツールキット COM CIL は、Visual Basic 6.0 CTI アプリケーションを作成するための COM Dynamic Link Libraries のセットを提供します。CTI Toolkit Agent Desktop および Supervisor Desktop は、Visual Basic 6.0 で COM CIL を使用して作成されたサンプル アプリケーションとして提供されます。
ActiveX コントロール
CTI Toolkit には、迅速なアプリケーションの開発を可能にする ActiveX コントロールのセットが含まれます。ActiveX コントロールとは、さまざまなコンテナ アプリケーションでカスタム CTI アプリケーションを簡単なドラッグ アンド ドロップで作成できるようにする UI コンポーネントです。コンテナ アプリケーションには、Microsoft Visual Basic 6.0、Microsoft Internet Explorer、Microsoft Visual C++ 7.0、Borland Delphi、Sybase Powerbuilder、および OC96 ActiveX 標準をサポートするその他のアプリケーションが含まれます。
ActiveX コントロールには、次のものが含まれています。
• [Agent State] コントロール
• [Chat] コントロール
• [Emergency Assist] コントロール
• [Alternate] コントロール
• [Answer] コントロール
• [Bad Line] コントロール
• [Call Appearance] コントロール
• [Conference] コントロール
• [Hold] コントロール
• [Make Call] コントロール
• [Reconnect] コントロール
• [Status Bar] コントロール
• [Record] コントロール
• [Transfer] コントロール
• [Agent Statistics] コントロール
• [Skill Group Statistics] コントロール
• [Agent Select] コントロール
• [Supervisor] コントロール
• [Silent Monitor] コントロール
CTI Toolkit Agent Desktop
CTI Toolkit Agent Desktop は、エージェントのデスクトップ PC で実行され、ハードウェアの IP Phone か Cisco IP Communicator ソフトウェア電話のいずれかで機能する Microsoft Windows アプリケーションです。CTI Toolkit Agent Desktop は、コール制御イベントおよびエージェントの状態変更イベントに使用される CTI OS サーバのインターフェイスとして機能します。
CTI Toolkit Agent Desktop には、デスクトップ モニタリングのサポートが含まれています。デスクトップ モニタリングはエージェントの IP Phone の音声ストリームをキャプチャして、サイレント モニタリングおよび通話録音機能をサポートします。
CTI Toolkit Supervisor Desktop
CTI Toolkit Supervisor Desktop はスーパーバイザのデスクトップ PC で実行される Microsoft Windows アプリケーションです。CTI Toolkit Supervisor Desktop は、エージェントの状態変更イベントとリアルタイム統計の更新に使用される CTI OS サーバのインターフェイスとして機能します。CTI Toolkit Supervisor Desktop は、コンタクト センターのスーパーバイザがエージェントのチームを管理できるようにします。スーパーバイザはチーム内のエージェントに関するリアルタイム情報を表示したり、エージェントと対話できます。スーパーバイザは、エージェントを選択し、そのエージェントの状態の変更、そのエージェントに固有の情報の表示、そのエージェントのコールのサイレント モニタ、そのエージェントのコールに対する介入または代行受信、またはそのエージェントとのチャットを行うことができます。
スーパーバイザは、スーパーバイザ デスクトップを通して、エージェントからそのエージェントのチームについての緊急事態支援の要求を受信することもできます。
Unified CCE では、スーパーバイザはエージェントとして行動するように設定することもできます。このように設定された場合は、エージェントの電話制御の標準セットを Supervisor Desktop で使用できます。
CTI Toolkit Outbound Desktop
CTI Toolkit Outbound Desktop は、エージェントのデスクトップ PC で実行され、ハードウェアの IP Phone か Cisco IP Communicator ソフトウェア電話のいずれかで機能する Microsoft Windows アプリケーションです。CTI Toolkit Outbound Desktop は、コール制御イベントおよびエージェントの状態変更イベントに使用される CTI OS サーバのインターフェイスとして機能します。CTI Toolkit Agent Desktop に存在するエージェント制御の標準セットに加えて、Outbound Desktop は、アウトバウンド コール キャンペーンを管理するためのコントロール セットを提供します。アウトバウンド コールは、Unified CCE によって自動的に管理され、エージェントは追加コントロールを使用して次のアウトバウンド コールを受け入れます。
CTI Toolkit Combo Desktop
CTI Toolkit Combo Desktop は、エージェントのデスクトップ PC で実行され、ハードウェアの IP Phone か Cisco IP Communicator ソフトウェア電話のいずれかで機能する Microsoft Windows アプリケーションです。CTI Toolkit Combo Desktop は、コール制御イベントおよびエージェントの状態変更イベントに使用される CTI OS サーバのインターフェイスとして機能します。
Combo Desktop は、Toolkit の Agent Desktop、Supervisor Desktop、および Outbound Desktop の機能を 1 つの .NET アプリケーションに統合します。Combo Desktop のソース コードは、Microsoft .NET Framework を使用したカスタムのデスクトップ開発を開始するための起点としても提供されています。
CTI Toolkit All-Agents Monitor
CTI デスクトップ ツールキットには、すぐに実行できる All-Agents Monitor アプリケーションが完備されています。このアプリケーションは、コール センター内のエージェントのログインと状態のアクティビティをコール センターの管理者が監視できるようにします。
CTI Toolkit All-Calls Monitor
CTI デスクトップ ツールキットには、すぐに実行できる All-Calls Monitor アプリケーションが完備されています。このアプリケーションは、コール センター内のコール アクティビティをコール センターの管理者が監視できるようにします。
CTI Driver for Siebel ソリューション
Cisco CTI Driver for Siebel は、シスコによって開発されたインストール可能なコンポーネントであり、Cisco Unified CCE と Siebel CRM 環境の統合を可能にします。このソリューションでは、Siebel Agent Desktop がエージェントの状態とコール制御インターフェイスを提供します。Siebel Desktop では、CTI Object Server と通信するために CTI デスクトップ ツールキット C++ CIL の上で構築される Cisco CTI Driver for Siebel が使用されます。
Siebel eBusiness ソリューションの機能の詳細については、次の URL にある Siebel 社の Web サイトを参照してください。
http://www.siebel.com/index.shtm
展開に関する考慮事項
この項では、次の展開に関する考慮事項について説明します。
• 「Citrix および Microsoft Terminal Services(MTS)」
• 「サイレント モニタリング」
• 「NAT およびファイアウォール」
• 「PG における CTI OS と CAD サービスの共存」
• 「同一 PG における CAD エージェントと CTI OS エージェントの混在のサポート」
• 「IP 電話と IP Communicator のサポート」
• 「展開に関するその他の考慮事項」
Citrix および Microsoft Terminal Services(MTS)
この項では、Citrix または Microsoft Terminal Services(MTS)環境での Cisco Agent Desktop と Cisco Toolkit Desktop の展開について説明します。
Cisco Agent Desktop
Cisco Unified CCE は、Citrix ターミナル サービス環境での Cisco Agent Desktop の実行をサポートします。CAD に対して Citrix ターミナル サービスを使用することを計画している場合は、次の考慮事項について注意してください。
• Cisco Supervisor Desktop(CSD)と Cisco Desktop Administrator(CDA)は、Citrix ターミナル サービス環境ではサポートされません。
• デスクトップ モニタリング(サイレント モニタリングと録音に対応)は、Citrix ターミナル サービスではサポートされません。代わりに、SPAN ポート モニタリングを使用する必要があります。
• マクロは、マクロがクライアント PC 上で実行されているアプリケーションではなく Citrix サーバ上で実行されているアプリケーションに関連している場合にだけ機能します。
• CAD アプリケーションのログインごとにサポートされる Citrix ユーザ名は 1 つだけです。
• CAD が起動されたときにログイン ダイアログ ボックスにデフォルトで表示されるログイン ID と内線番号は、任意のユーザによる前回のログインに関連付けられたものです。
• Citrix Web クライアントはサポートされません。
• Windows 2000 Server または Windows 2003 Server で実行されている Citrix 4.0 と 4.5 だけがサポートされます。
実装の詳細については、次の URL にある『 Integrating CAD into a Citrix MetaFrame Presentation Server or Microsoft Terminal Services Environment 』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/custcosw/ps427/products_implementation_design_guides_list.html
Cisco Toolkit Desktop
Cisco Unified CCE は Citrix ターミナル サービスおよび Microsoft Terminal Service(MTS)環境での CTI Toolkit Desktop の実行をサポートします。Citrix ターミナル サービスを CTI Toolkit Desktop と共に使用することを計画している場合は、次の考慮事項について注意してください。
• Version 4.0 または 4.5 よりも前の Citrix MetaFrame Presentation Server のバージョンはサポートされません。以前のバージョンでは、Microsoft .NET アプリケーションのパブリッシングが制限されます。
• CTI OS Java CIL クライアント アプリケーションは Windows プラットフォーム対応の Citrix MetaFrame Presentation Server 4.0 および 4.5 上だけでサポートされます。UNIX 対応の Citrix MetaFrame Presentation Server 4.0 または 4.5 に対するサポートは予定されていません。
• サイレント モニタリングは Citrix または MTS 環境内でサポートされます。
• ダイヤル トーンや DTMF トーンなどの CTI OS Client Desktop 音声は聞こえません。
実装の詳細については、次の URL にある『 Integrating CAD into a Citrix MetaFrame Presentation Server or Microsoft Terminal Services Environment 』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/custcosw/ps427/products_implementation_design_guides_list.html
サイレント モニタリング
サイレント モニタリングは、スーパーバイザがチーム内のエージェントの会話を監視できるようにします。スーパーバイザは、会話に積極的には参加できませんが、1 人以上のエージェントと 1 人以上の発信者は自分たちが監視されていることに気付きません。Cisco Agent Desktop と CTI デスクトップ ツールキットの両方は、サイレント モニタリングのためのサポートをソリューションに提供します。CAD Server ベースのモニタリングは、Agent Desktop、IP Phone Agent、Mobile Agent をサポートします。デスクトップ モニタリングは、デスクトップ エージェントだけをサポートします。CTI OS リリース 7.2 以降は、CTI OS サイレント モニタと Unified CM サイレント モニタの 2 種類のサイレント モニタをサポートします。
CTI OS サイレント モニタリングは、エージェントのデスクトップ(デスクトップ モニタリング)または離れた場所にある VoIP モニタリング サーバ(サーバ ベースのモニタリング)のどちらかに配置された 1 つ以上の VoIP モニタリング サービスを介して実行されます。CTI OS は、サーバ ベースのサイレント モニタリングを使用してモバイル エージェントをサポートし、デスクトップ ベースのサイレント モニタリングを使用して従来の(非モバイル)Unified CCE エージェントをサポートします。
Unified CM は、スーパーバイザの(モニタリングを行っている)デバイスとエージェントの(モニタリングの対象となる)デバイスの間で行われているコールに対してサイレント モニタリングを実行します。エージェントの電話は、スーパーバイザの電話にエージェントの会話を混ぜて送信します。スーパーバイザの電話では、その会話がスーパーバイザに対して再生されます。Unified CM サイレント モニタリングは、任意の(すぐに使用できる Java または .NET の)CTI OS スーパーバイザ デスクトップで開始できます。Siebel を含め、どの Unified CCE エージェント デスクトップでも、次の要件を満たす場合は、Unified CM サイレント モニタリングを使用したサイレント モニタリングの対象にすることができます。
• サイレント モニタリングの対象となるエージェントが Cisco Unified IP Phone 7941、7961、または 7971 を使用していること。
• コンタクト センターが Cisco Unified CM 6.0 以上を使用していること。
• 電話が RTP ストリームを使用するように設定されていること(SRTP ストリームはサイレント モニタリングの対象にはできません)。
Unified CM サイレント モニタリングはモバイル エージェントをサポートしません。
Unified CM サイレント モニタリングでは、同じエージェントの電話に対して、最大 1 つのサイレント モニタリング セッションと 1 つの録音セッションをサポートします。
スーパーバイザは Cisco IP Communicator を含む任意の Cisco IP Phone をサイレント モニタリングに使用できます。
(注) G.722 は Unified CM 5.1 以降、G.722 をサポートするデバイス上で G.711 に設定されている地域のデフォルト コーデックとして使用されています。ただし、CAD、CTI OS、または Unified CM に基づいたサイレント モニタリングと通話録音では G.722 はサポートされません。Unified CM Administration でこのデフォルト設定を無効にするには、[Enterprise Parameters] に移動し、[Advertise G.722 Codec] を [disable] に設定します。
Unified CM サイレント モニタ
この項では、CTI OS サーバが Unified CM サイレント モニタを使用するように設定されている場合に CTI OS でサイレント モニタリングが行われるしくみについて説明します。
Unified CCE 7.2(1)には、Unified CM 6.0 以上で使用できるサイレント モニタリング機能のサポートが追加されています。図 4-6 は、スーパーバイザ デスクトップによって Unified CM サイレント モニタが開始されたときに発生する次のメッセージ フローを表しています。
1. スーパーバイザが Unified CCE に Agent.SuperviseCall() メッセージを送信してサイレント モニタリングを開始します。
2. Unified CCE が Unified CM に Call.startMonitor() メッセージを送信します。
3. Unified CM がスーパーバイザの電話に、エージェントの電話の組み込みブリッジにコールを発信するように指示します。
4. スーパーバイザの電話がエージェントの電話の組み込みブリッジにコールを発信します。
5. エージェントの電話がエージェントの音声ストリームと顧客の音声ストリームをまとめて転送します。
6. サイレント モニタ対象コールのコール イベントが Unified CM から Unified CCE に送信されます。
7. CTI OS がスーパーバイザ デスクトップに SilentMonitorStarted イベントを送信します。
8. CTI OS がエージェント デスクトップに SilentMonitorStarted イベントを送信します。
9. CTI OS がスーパーバイザ デスクトップにサイレント モニタ対象コールのコール イベントを送信します。
図 4-6 Unified CCE の Unified CM サイレント モニタリング
Unified CM サイレント モニタリングは、Unified CM が提供するその他のコール制御機能(会議、転送など)と同じように動作します。サイレント モニタリングに Unified CM を使用する場合は、デスクトップから送信されたメッセージが、Unified CCE および Unified CM を経由して、サイレント モニタリングが実行される電話に送信されます。
Unified CCE および Unified CM を経由するこのメッセージングは、Unified CCE のパフォーマンスに影響を与えます。Unified CM サイレント モニタリングが Unified CCE のサイジングに与える影響の詳細については、「Unified CCE のコンポーネントとサーバのサイジング」の章を参照してください。
Unified CM サイレント モニタリングがサポートされるのは、LAN 上の Unified CCE に接続されるエージェントだけです。モバイル エージェントやリモート エージェント(WAN 経由で Unified CCE に接続されるエージェント)はサポートされません。
CTI OS サイレント モニタ
この項では、CTI OS サーバが CTI OS サイレント モニタを使用するように設定されている場合に CTI OS でサイレント モニタリングが行われるしくみについて説明します。
Release 7.0 以前の CTI ツールキットで提供されていたサイレント モニタリング ソリューションは、CIL に統合されていました。音声パケットをキャプチャして転送するためのコンポーネントや、転送された音声パケットのストリームをスーパーバイザのサウンド カードで再生するためのコンポーネントが、CIL に用意されていました。この機能では、サイレント モニタリングのサポートが、Cisco IP Phone の背後に展開された IPCC エージェント デスクトップと、スーパーバイザのデスクトップに展開された IPCC スーパーバイザ デスクトップに制限されます。
CTI OS の Release 7.1 では、Citrix とモバイル エージェントの 2 つの展開タイプが新たに導入されました。この 2 つの展開では、音声ストリームにアクセスできる場所に CIL が展開されません。Citrix では、CIL は Citrix サーバに配置されます。エージェントとスーパーバイザは、Citrix クライアントを使用してデスクトップを実行します。そうすると、デスクトップが Citrix サーバ上で実行されます。Citrix クライアントは、デスクトップの UI を表示するだけです。IP 電話の背後に展開されているのはエージェントの Citrix クライアントなので、CIL は音声パスにアクセスできません。同様に、サウンド カードがあるのはスーパーバイザの Citrix クライアントなので、Citrix サーバで実行されている CIL はサウンド カードにアクセスできません。
モバイル エージェント展開では、CIL はエージェントのリモート PC に展開されます。エージェントがアナログ電話を使用している場合は、CIL は音声ストリームにアクセスできません。
この 2 つの展開モデルをサポートするためには、サイレント モニタ コンポーネントを独立したサービスとして CIL から分離する必要がありました。そうすれば、そのサービスを、エージェントの音声ストリームやスーパーバイザのサウンド カードにアクセスできる場所に展開できるようになります。
次の図は、各展開モデルでサイレント モニタリング サービスを展開する必要がある場所を示しています。図の赤い線は、監視される音声ストリームのパスを表しています。
図 4-7 と図 4-8 は、エージェントが IP 電話を使用する展開を表しています。これらの展開では、エージェントがモバイルかどうかに関係なく、サイレント モニタリングは同じように設定されます。
図 4-7 エージェント(モバイルまたはローカル)が IP 電話を使用する場合の Cisco Unified CCE のサイレント モニタリング
図 4-7 の展開は、CTI OS Release 7.0 以前の展開とよく似ています。唯一の違いは、サイレント モニタリング機能を提供するためにサイレント モニタリング サービスが CIL と一緒に実行されていることです。
図 4-8 エージェント(モバイルまたはローカル)が IP 電話を使用する場合の Citrix を含む Cisco Unified CCE のサイレント モニタリング
図 4-8 の展開モデルでは、エージェントの音声ストリームやスーパーバイザのサウンド カードにアクセスできる Citrix クライアントにサイレント モニタリング サービスが展開されています。CIL は、サイレント モニタリング サービスに接続して TCP 接続経由で命令を送信することにより、サイレント モニタリング セッションを開始および終了します。
図 4-9 PSTN 電話を使用するモバイル エージェントのサイレント モニタリング
図 4-9 の展開モデルでは、エージェント ゲートウェイを通過する音声トラフィックにアクセスできるようにするために、スイッチの SPAN ポートにサイレント モニタリング サービスが 1 つ展開されています。このサイレント モニタリング サービスがエージェントによって使用されて、エージェントの音声ストリームがスーパーバイザのサイレント モニタリング サービスに転送されます。
ローカルで実行されるスーパーバイザは、IPCC スーパーバイザと同じように展開されます。リモートで実行されるスーパーバイザも IPCC スーパーバイザと同じように展開されますが、エージェントの音声ストリームを受信できるようにするために、Cisco 800 シリーズ ルータとハードウェア ベースの VPN が必要になります。
図 4-10 Citrix または Microsoft Terminal Services を含む、PSTN 電話を使用するモバイル エージェントのサイレント モニタリング
図 4-10 の展開モデルでは、エージェント ゲートウェイを通過する音声トラフィックにアクセスできるようにするために、スイッチの SPAN ポートにサイレント モニタリング サービスが 1 つ展開されています。このサイレント モニタリング サービスがエージェントによって使用されて、エージェントの音声ストリームがスーパーバイザのサイレント モニタリング サービスに転送されます。モバイル エージェントが実行するのは Citrix クライアントだけです。Citrix サーバで実行されるエージェント デスクトップがサイレント モニタリング サーバに接続します。
ローカルで実行されるスーパーバイザは、Citrix IPCC スーパーバイザと同じように展開されます。リモートで実行されるスーパーバイザも Citrix IPCC スーパーバイザと同じように展開されますが、エージェントの音声ストリームを受信できるようにするために、Cisco 800 シリーズ ルータとハードウェア ベースの VPN が必要になります。
前述した 2 つのモバイル エージェント展開(図 4-9 と図 4-10)では、音声トラフィックがエージェント ゲートウェイを離れないコールのサイレント モニタは実行できません。これには、エージェント間のコールや、エージェントから他のエージェントへの相談が含まれます。このケースで確実に監視できるのは、エージェントと顧客の間のコールだけです。これは、モバイル エージェント ソリューションで音声トラフィックをネットワークに取り込むためには発信者用とエージェント用に別々のゲートウェイが必要なためです。
クラスタ
モバイル エージェントのログインを 2 つのゲートウェイのいずれかで処理できれば、2 つのサイレント モニタリング サーバをクラスタ化して、コールを処理するゲートウェイに関係なくサイレント モニタリング機能を提供することができます。サイレント モニタリング サーバは、エージェント デスクトップからエージェントのサイレント モニタの要求を受信すると、その要求をピアに転送します。これにより、両方のサイレント モニタリング サーバがストリームを検出するようになります。検出されたエージェントの音声ストリームは、検出したサイレント モニタリング サーバにより、スーパーバイザのサイレント モニタリング サービスに転送されます。
サイレント モニタリング サービスの展開および設定の詳細については、Release 7.1 の『 CTI OS System Manager's Guide 』( http://www.cisco.com )を参照してください。
メッセージ フロー
サイレント モニタ セッションが開始されると、デスクトップ、CIT OS サーバ、およびサイレント モニタリング サービスの間で、図 4-11 のメッセージングが行われます。デスクトップと CTI OS サーバの間のメッセージングは CTI OS Release 7.0 から変更されていません。
図 4-11 デスクトップ、CTI OS サーバ、およびサイレント モニタリング サービスの間のメッセージ フロー
接続プロファイル
モバイル エージェント展開でエージェント デスクトップがサイレント モニタリング サーバの場所と接続方法を特定するためには、CTI OS 接続プロファイルが使用されます。エージェントがログインすると、エージェント デスクトップは、次のアルゴリズムを使用してサイレント モニタリング サービスの場所を特定します。
1. 接続プロファイルにサイレント モニタリング サービスが存在する場合は、そのサービスに接続します。
2. サイレント モニタリング サービスが存在しない場合は、デスクトップが Citrix で実行されているかどうかを特定します。
3. デスクトップが Citrix で実行されている場合は、Citrix クライアントの IP アドレスで実行されているサイレント モニタリング サービスに接続します。
4. デスクトップが Citrix で実行されていない場合は、 localhost で実行されているサイレント モニタリング サービスに接続します。
スーパーバイザ デスクトップは、次のアルゴリズムを使用してサイレント モニタリング サービスを検索します。
1. デスクトップが Citrix で実行されている場合は、Citrix クライアントの IP アドレスで実行されているサイレント モニタリング サービスに接続します。
2. デスクトップが Citrix で実行されていない場合は、 localhost で実行されているサイレント モニタリング サービスに接続します。
接続プロファイルで IPCCSilentMonitorEnabled キーが 0 に設定されている場合は、サイレント モニタリング サービスへの接続は行われません。
CAD のサイレント モニタリングおよび録音
この項では、Cisco Agent Desktop(CAD)のサイレント モニタリングについて説明します。
デスクトップ モニタリング
デスクトップ モニタリングでは、エージェントのデスクトップで実行されるソフトウェア(Cisco Agent Desktop)を使用して、エージェントの電話(ハードウェアまたはソフトウェアの電話)で送受信されるネットワーク トラフィックで RTP パケットをスニファします。RTP パケットは、ネットワーク経由で適切なソフトウェアに送信されて復号化されます。デスクトップ モニタリングは、一部の Cisco IP Phone の 2 つの機能に依存しています。1 つは、ネットワーク接続によってエージェントの PC とデイジーチェーン接続する機能、もう 1 つは、その接続を使用して電話のすべてのネットワーク トラフィックを PC で実行されているソフトウェアに送信する機能です。これにより、エージェントの電話で送受信される音声トラフィックをパケット スニフィング ソフトウェアで監視できるようになります。そのトラフィックはコピーされて、エージェントを監視しているスーパーバイザや、コールを保存して後で聞けるようにするための録音サービスに送信されます。デスクトップ モニタリングは、(少なくとも Service Control Manager から見た場合)本当の意味でのサービスではありません。Dynamic-Link Library(DLL; ダイナミックリンク ライブラリ)という、Cisco Agent Desktop の一部である実行可能モジュールです。
サーバ モニタリング
サーバ モニタリングでは、1 つ以上の Cisco Desktop VoIP モニタ サービスを使用して、Cisco Catalyst スイッチを流れるネットワークで音声ストリームをスニファします。Cisco Desktop VoIP モニタ サービスは、監視または録音の対象となる電話で送受信される特定のストリームを検出します。検出された音声パケットは、モニタリングを実行しているスーパーバイザ デスクトップか、保存のための録音サービスに送信されます。
Cisco Desktop VoIP モニタ サービスは、一部の Cisco Catalyst スイッチのモニタリング機能である Switched Port Analyzer(SPAN)または Remote SPAN(RSPAN; リモート SPAN)を使用して、ネットワークをスニファします。このモニタリング機能により、スイッチで 1 つ以上のソースのネットワーク トラフィックが宛先ポートにコピーされます。ソースには、ポートを使用することも、Virtual LAN(VLAN)を使用することもできます。RSPAN を使用すると、リモート スイッチのポートをソース ポートにすることもできます。Cisco VoIP モニタ サービスは、宛先ポート経由でスイッチに接続します。これにより、IP 電話で送受信される音声トラフィックを監視できるようになります。
モバイル エージェント モニタリング
Cisco Agent Desktop 7.1(2)には、モバイル エージェントの RTP セッションを監視および録音する機能が導入されています。これは、エージェント音声ゲートウェイからのトラフィックを監視できる Cisco VoIP モニタ サービスを展開することによって実行されます(この場合も SPAN 機能が使用されます)。
詳細については、 http://www.cisco.com で Cisco Agent Desktop の製品マニュアルを参照してください。
CAD ベースのモニタリングと録音の耐障害性
デスクトップ モニタリング
デスクトップ モニタリングでは、設計に耐障害性が組み込まれています。エージェントのデスクトップに障害が発生しても、モニタリングと録音が実行できなくなるのはそのエージェントだけです。
サーバ モニタリングとモバイル エージェント モニタリング
サーバ モニタリングとモバイル エージェント モニタリングには耐障害性はありません。Cisco Desktop VoIP モニタ サービスに障害が発生すると、そのサービスに関連付けられているすべてのエージェント電話とモバイル エージェント音声ゲートウェイでモニタリングと録音を実行できなくなります。バックアップ サービスを指定することもできません。他の Cisco Desktop VoIP モニタ サービスに関連付けられているデバイスでは引き続きモニタリングと録音を実行できます。
録音
録音には耐障害性があります。ハイ アベイラビリティ展開で録音サービスに障害が発生すると、もう一方の録音サービスですべての録音が行われるようになります。
録音の再生
録音の再生には耐障害性はありません。録音は、その録音をキャプチャした録音サービスに関連付けられています。録音サービスに障害が発生すると、そのサービスに関連付けられているすべての録音が、サービスが復旧するまで利用できなくなります。
CAD ベースのモニタリングと録音のロード バランシング
デスクトップ モニタリング
デスクトップ モニタリングでは、設計にロード バランシングが組み込まれています。モニタリングの負荷は、エージェント デスクトップの間で分散されます。
サーバ モニタリングとモバイル エージェント モニタリング
Cisco Desktop VoIP モニタ サービスの SPAN ポートを設定して、デバイスをサービスに関連付けることにより、ロード バランシングを実現できます。ロード バランシングを実現するには、各 VoIP モニタ サービスで監視されるエージェント電話の数が等しくなるようにします。
録音
録音サービスは、実行時にラウンドロビン方式でデスクトップによって選択されますが、録音サービス間の負荷の調整は行われません。
Cisco Remote Silent Monitoring
この項では、Cisco Remote Silent Monitoring について説明します。Remote Silent Monitoring(RSM; リモート サイレント モニタリング)は Cisco Unified Contact Center Enterprise Release 7.2 以降で使用できる新機能です。この機能を使うと、ダイヤルイン サービスとしてエージェントのリアルタイム モニタリングを実行できます。
RSM ソリューションは、次の 3 つのコンポーネントで構成されています。
• VLEngine
• PhoneSim
• Unified CVP および IP IVR のコールフロー スクリプト
これらのコンポーネントの詳細については、『 Cisco Remote Silent Monitoring Installation and Administration Guide 』( http://www.cisco.com で入手可能)を参照してください。
ハードウェアの考慮事項
RSM ソリューションは、Cisco Unified Contact Center Enterprise 環境に高度に統合されています。このため、RSM が機能するためには、プラットフォーム全体のその他のさまざまなコンポーネントのリソースが必要です。RSM を正しく統合するためには、キャパシティを正しく計画、準備、および管理できるように環境内の他の要素との連携を理解する必要があります。
プラットフォームの考慮事項
特に、RSM は環境内の次のコンポーネントと主に連携します。
Unified CM クラスタ
RSM サーバは、使用するように設定されている環境内の各 Unified CM クラスタと 2 つの関係をもちます。
シミュレートされる電話 :RSM の PhoneSim コンポーネントでは、管理するように設定されている各シミュレートされる電話(「simphone」)に対する Cisco Unified IP Phone 7941 デバイス エントリを、Unified CM クラスタに作成する必要があります。たとえば、特定の Unified CM クラスタでエージェントをモニタリングするダイヤルインしたスーパーバイザを最大 100 まで処理するように設定されている RSM システムには、これらの simphone が少なくとも 100 必要です。Unified CM クラスタそのものには、これらの simphone は標準の Cisco Unified IP Phone 7941 SIP 電話として表示されます。ただし実際には、simphone は実際の物理的な電話デバイスではなく、PhoneSim に登録されて PhoneSim で管理されます。
標準の電話の使用状況プロファイルと比較して、通常 simphone が Unified CM クラスタにかける負荷は軽めです。これは、simphone が次のような動作の小さいセットだけを公開するからです。
• PhoneSim 起動時の Unified CM クラスタへの登録。
• ダイヤルインしたスーパーバイザがそのエージェントのモニタリングを要求した場合のエージェントの電話に対する「モニタリング コール」。エージェントの電話は、エージェントがもっている会話のコピーを simphone に分割します。
JTAPI :RSM が環境に統合されている場合、JTAPI ユーザが作成され、モニタリング可能な各エージェント電話デバイス、およびクラスタに作成された各 simphone デバイスに関連付けられます。
エージェントがモニタリングされる場合、RSM サーバからエージェントの電話を管理する Unified CM クラスタへ JTAPI モニタ要求コールが作成されます。また、RSM が使用されている間、JTAPI CallObserver は各 simphone デバイスに接続されたままになります。JTAPI CallObserver はエージェント電話デバイスにも接続されますが、JTAPI モニタ要求がそのデバイスに対して発行されている間だけです。
JTAPI 接続は暗号化することもできます。ただし、暗号化した場合、エージェントの負荷が高くなると、サーバ自体のパフォーマンスが若干低下します。JTAPI 接続セキュリティの有効化の詳細については、『 Cisco Remote Silent Monitoring Installation and Administration Guide 』( http://www.cisco.com で入手可能)を参照してください。
AXL :AXL を使用すると、負荷は比較的軽く済みます。AXL は、発信者がエージェントのモニタリングを要求するたびに RSM でエージェントの DN を関連のデバイス名に解決するためにだけ使用されます。すべての AXL 通信は(HTTPS 上で実行されることで)暗号化されます。
CTI OS サーバ
RSM は、使用するよう設定されている各 CTI OS サーバに対して永続的な「モニタ モード」接続を確立します。この接続を通じて、コールの開始、コールの終了、エージェントの保留などの特定のプラットフォーム イベントがリアルタイムでストリーム化されます。
これに加え、RSM は、スーパーバイザがダイヤルインおよび認証するときに、各 CTI OS サーバに対して短期間の「エージェント モード」接続を追加で確立します。この接続の目的は、CTI OS への対応するログインを実行してスーパーバイザの入力した資格情報を検証することです。RSM コールフローの組み込み認証メカニズム(checkCredentials API コールなど)が使用されていない場合、この接続は確立されません。ログインに成功すると、そのスーパーバイザのチーム メンバーシップが RSM サーバによって要求されます。返送されると、ログアウトがコールされて、接続が終了します。
Unified CCE のスーパーバイザの合計数は CTI OS デスクトップ ユーザと RSM に分散される必要があります。たとえば、2000 エージェント構成の場合、最大 200 人のエージェントがスーパーバイザになることができます。つまり、CTI OS と RSM 間のスーパーバイザの合計数は 200 以内にする必要があります。
CTI OS 接続は(IP Sec 設定を使用して)暗号化することもできます。ただし、暗号化した場合、エージェントの負荷が高くなると、サーバ自体のパフォーマンスが大幅に低下します。CTI OS 接続セキュリティの有効化の詳細については、『 Cisco Remote Silent Monitoring Installation and Administration Guide 』( http://www.cisco.com で入手可能)を参照してください。
VRU
RSM プラットフォームはインバウンド コールを直接メディア終端しません。代わりに、スーパーバイザは Unified CVP または IP IVR ベースの VRU システムにダイヤルします。これによって、RSM サーバでホストされるサービスと HTTP 経由で対話するコール フロー スクリプト ロジックが実行されます。したがって、指定された RSM インストールが 40 までのダイヤルインしたスーパーバイザをサポートする場合は、この同じレベルのサポートを提供できる VRU(および必要な PRI/ネットワーク リソース)が存在している必要があります。
また、RSM にアクセスしている発信者は、従来の IVR タイプのコールフローにアクセスしている発信者よりも、VRU のプロセッサとメモリに高い負荷をかけることが多くなります。これは、従来の IVR コールフローでは、期間が短く、頻度が高いキャッシュまたはストリーム化されていないプロンプトが、発信者の入力収集およびサイレンスの期間で区切られて再生されるからです。RSM を使用すると、発信者のアクティビティの中で、エージェントのコールのモニタリングが優先されます。これは VRU にとって、長いストリーミング音声プロンプトを再生するようなもので、比較的高いレベルの VRU プロセッサを必要とするアクティビティになります。
Unified CVP の展開でサポートされる VXML ゲートウェイ モデルについては、『 Hardware and System Software Specification for Cisco Unified Customer Voice Portal (Unified CVP) 』または『Unified CVP Bill of Materials (BOM)』( http://www.cisco.com で入手可能)にリストされています。
RSM で VRU を使用できるように準備する場合は、各 RSM コールを 1.3 倍の非 RSM コール数としてプロセッサ/メモリ使用状況単位でカウントするのが目安になります。したがって、通常 40 の同時実行コールを処理できる VRU の場合は、30 の RSM コールだけを処理できるように計画します。((40 × 1.3) = 30)
また、RSM は Unified CVP と IP IVR の両方で VXML 音声ブラウザ機能を過剰に使用する点にも注意してください。
エージェント電話
RSM を使用してエージェントをモニタリングするには、エージェントの電話が新しい Cisco Unified IP Phone 79 x 1、79 x 2、79 x 5、7970 またはそれ以降の第三世代であることが必要です。これらの電話には、Built-in-Bridge(BiB; 組み込みブリッジ)形式の追加の DSP リソースが含まれているからです。BiB を使用すると、電話は現在の会話ストリームのコピーを RSM サーバに分割できます。
Cisco Unified Contact Manager は、エージェントあたり最大 1 つのアクティブ モニタリング セッションを提供します。エージェントの電話は、特定の時間に 1 つのアクティブ モニタリング セッションと 1 つのアクティブ レコーディング セッションしか処理できないからです。
そのため、サードパーティのレコーダがエージェントの会話を録音している場合でも、スーパーバイザはスーパーバイザ デスクトップまたは RSM を使用してエージェントをモニタリングできます。ただし、RSM ベースのスーパーバイザとスーパーバイザ デスクトップ ベースのスーパーバイザがどちらも同じ期間中にエージェントをモニタリングしようとした場合、要求は最後の 1 回の試行で失敗します。これは、前述したモニタリングの制限を超えているからです。
RSM は、2 人以上の RSM ユーザがエージェントのコールのモニタリングを同時に要求している場合であっても、単一のモニタリング対象エージェントに対して Unified CM を通じて 1 つのモニタリング セッションだけを設定します。この場合、RSM はストリームを分割してすべての RSM ユーザに対応します。これにより、たとえば、RSM ベースの 2 人以上のスーパーバイザが同じエージェントをモニタリングできます。ただし、同じエージェントをモニタリングする RSM サーバが複数存在する場合、RSM サーバはそのエージェントに対してそれぞれ個別にモニタリング コールを発信します。
特定のエージェントでモニタリング コールの制限に達し、ダイヤルインしたスーパ-バイザがこの同じエージェントをモニタリングしようとすると、スーパーバイザの要求は、エージェントをモニタリングできない旨を示すシステムからの音声プロンプト フィードバックによって拒否されます。
RSM ハードウェアの考慮事項
RSM は、エンタープライズ内のエージェントの数が 8,000 未満およびシステムを使用する最大同時スーパーバイザの数が 80 未満のインストールでサポートされます。サポートされるすべての RSM 構成で、VLEngine および PhoneSim コンポーネントが同じ物理サーバにインストールされます。
詳細については、『 Cisco Remote Silent Monitoring Installation and Administration Guide 』( http://www.cisco.com で入手可能)の「RSM Requirements」を参照してください。
RSM コンポーネントの連携
図 4-12 は、スーパーバイザが RSM 対応プラットフォームにダイヤルインし、エージェントをモニタリングするときに行われる連携のタイプを示しています。
図 4-12 Remote Silent Monitoring 対応のコール フロー
RSM コール フロー
図 4-12 は、次のコール フロー手順を示しています。
1. スーパーバイザがコール インし、そのコールは VRU(Unified CVP または IP IVR)でメディア終端します。VRU は RSM コールフロー スクリプトを実行して、コールを処理します。コールは、認証を要求されているユーザによって開始されます。ユーザは自分の資格情報を入力します。
2. ユーザが資格情報を入力すると、VRU は HTTP 経由で RSM に長い要求を作成します。
3. RSM の VLEngine コンポーネントは CTI OS サーバと連携して、認証資格情報を検証します。
4. VLEngine は HTTP 経由で [VRU] ノードに認証結果を返答します。
5. スーパーバイザの認証が成功すると、VRU のスクリプトはメイン メニューのプロンプトを再生します。ここから、スーパーバイザはエージェントのモニタリングが許可されます。
6. スーパーバイザはメイン メニューから単一のエージェントのモニタリングを選択し、モニタリングするエージェントの Directory Number(DN; ディレクトリ番号)を入力します。
7. VRU は、指定されたエージェントがモニタリング可能かどうかを VLEngine でチェックします。VLEngine は、その DN をもつエージェントがログインしているか、通話状態であるか、およびスーパーバイザのチームに含まれているかどうかを、以前 CTI OS サーバからキャッシュされたイベント フィード情報を使用してチェックします。該当する場合は、[VRU] ノードに返答します。
8. 次に、[VRU] ノードはモニタ要求を PhoneSim に送信して入力された DN をモニタリングします。
9. VLEngine は HTTP を使用して内部で動作します。
10. VLEngine は、Unified CM に対する AXL 要求を使用して、入力された Directory Number(DN)からエージェント電話のデバイス名を解決し、応答を取得します。
11. その後、VLEngine はエージェントの電話をモニタリングするための JTAPI 要求を Unified CM に送信し、JTAPI 成功応答を取得します。
12. PhoneSim コンポーネントは、管理しているシミュレートされる電話について Unified CM から SIP ベースの指示を受信して、エージェントの電話とモニタリング コールを確立します。
13. 選択されたシミュレートされる電話は、Unified CM の上記の要求に基づいてエージェントの電話とモニタリング コールを確立します。
14. RSM サーバからエージェントへのモニタリング コールが確立した後に、エージェント電話の Built-in-Bridge(BiB)がコールの会話を RTP パケットのフォームで PhoneSim に転送します。
15. 次に、PhoneSim は RTP ヘッダーを削除して、このデータを手順 8 で作成した要求に対する応答として HTTP 経由で [VRU] ノードに送ります。
16. VRU は、受信したデータを、ストリーミング音声プロンプトであるかのようにスーパーバイザに対して再生します。
展開モデル
この項では、サポートされる基本の RSM 展開をいくつか示します。
単一サイト
図 4-13 は、標準の単一サイト構成内に展開された RSM の基本ネットワーク接続を示しています。
図 4-13 標準の RSM VLAN 構成
図 4-13 に示されているように、スーパーバイザは VoIP 電話および PSTN を通じてダイヤルインできます。この例では、スーパーバイザのコールを処理する VRU は IP IVR です。
図 4-13 は、システムの他の要素に対して RSM がもっている次のさまざまプロトコル インターフェイスも示しています。
• HTTP(S) :前述したように、HTTP は RSM システムへの VRU ベース要求のキャリア プロトコルとして使用されます。要求は標準の URL フォームで表され、次のいずれかの URL のようになります。
http://rsmserver:8080/vlengine/checkUserCredentials?supervisorID=1101&pin=1234&outputFormat=plain
http://rsmserver:8080/vlengine/canMonitorAgentID?supervisorID=1101&agentID=1001&outputFormat=vxml
最初の要求は、checkUserCredentials API コールに関するもので、2 つ目の要求は canMonitorAgentID API コールに関するものです。これらの要求に対するパラメータは GET メソッドを使って渡されます。HTTP 応答として返送されるデータは、使用されている API コールと outputFormat パラメータの値(そのコールで使用可能な場合)に応じて、テキストか、VoiceXML にカプセル化されます。
• SOAP(AXL) :Unified CM AXL インターフェイスを使用して、RSM は、ダイヤルインしたスーパーバイザがエージェントのモニタリングを要求するたびにエージェントの DN を関連するデバイス名に解決します。AXL API は SOAP メッセージにカプセル化され、SOAP メッセージ自身は HTTP(S)にカプセル化されます。
• CTI OS :RSM サーバは CTI OS との複数の接続を確立します。これらの接続の 1 つはプラットフォーム イベントの受信に使用されます(CTI OS の言語では、これはモニタ モード接続と呼ばれます)。他の接続は、CTI OS コール エージェント モード接続で、標準の認証機能が利用されている場合はログインしているスーパーバイザの認証に使用されます。
• JTAPI :エージェントの電話のモニタリングを開始するための要求は JTAPI を使って行われます。これを行うには、環境内の各 Unified CM クラスタで JTAPI アプリケーションを定義し、すべてのエージェント電話と関連付ける必要があります。
• RTP :ダイヤルインしたスーパーバイザがエージェントをモニタリングしている間、そのエージェント電話の BiB(built-in-bridge)から RSM サーバへモニタリング コールが進行中になります。このコールのシグナリング データが(他のコールと同様に)Unified CM を使って実行される場合、RTP トラフィックはエージェント電話と RSM サーバ間をフローします。
複数サイト WAN
次に示すシナリオは、複数サイトの展開で RSM 製品に対してサポートされる基本構成を表しています。
単一のクラスタ、単一の VRU
図 4-14 は、単一の Unified CM クラスタと単一の VRU を含む単純な複数サイトのセットアップを表しています。
図 4-14 単一の UCM クラスタと単一の VRU を含む複数サイトの展開
この例では、Unified CM と Unified CE 環境が Atlanta に共存し、エンド ユーザは全員 Austin ロケーションに存在します。VRU は Atlanta の VXML ゲートウェイ/音声ゲートウェイで、同じく Atlanta にある Unified CVP コール サーバで制御されます。
Austin のスーパーバイザは、次の 2 つの方法で RSM システムにダイヤルできます。
• PSTN を使用する:ここでは、スーパーバイザは E.164 の番号にダイヤルし、コールは音声ゲートウェイを通じてヘアピン処理されます。Unified CVP RSM コールフロー アプリケーションは、そのポイントから通常どおりにコールを処理します。
• VoIP 拡張として:この場合、Unified CM では、VRU に対してトランク構成が設定されます。コールは VoIP を最後まで残し、コールは Unified CVP RSM コールフロー アプリケーションによって同様に処理されます。
このシナリオでは、次を除くすべての RSM トラフィックが Atlanta サイトに限定されます。
• モニタリング中のエージェントの RTP トラフィック(赤の点線で示されている)
• プラットフォームへの実際のスーパーバイザ コール
単一のクラスタ、複数の VRU
図 4-15 は、単一の Unified CM クラスタと複数の VRU を含む複数サイトの展開を表しています。
図 4-15 単一の Unified CM クラスタと複数の VRU を含む複数サイトの展開
このシナリオは前のシナリオと似ていますが、Austin サイトでの PSTN のアクセスが追加されています。このシナリオでは、Atlanta サイトに担当者も追加されています。
Austin に PSTN 出口ポイントが追加されると、Austin ロケーションにいるスーパーバイザから RSM システムへのコールは WAN 上でバックホールされるか(VoIP エンドツーエンドの場合)、RSM アプリケーションに関連付けられている Atlanta DID がダイヤルされた場合には PSTN 上で送信できます。
この例では、Unified CVP コール センターに加えて Unified CVP も使用されます。ただし、各サイトに 1 つずつ、2 つの VXML ゲートウェイが存在します。この環境は、Austin からのスーバーバイザのダイヤリング RSM は Austin VXML ゲートウェイの RSM コールフロー アプリケーションにルーティングされ、Atlanta からのスーパーバイザのダイヤリング インは Atlanta VXML ゲートウェイにルーティングされるよう設定されています。
Atlanta のサイトに Unified CM と Unified CE 環境が含まれているため、RSM 関連の JTAPI、CTI OS、および SOAP(AXL)トラフィックはすべて Atlanta に限定されます。ただし、Autstin に VXML ゲートウェイが追加されると、WAN 上のサイト間で HTTP ベースのトラフィックがストリーム化されます。このトラフィックは、ゲートウェイから RSM サーバへの比較的小さいサービス リクエストと、RSM サーバの応答で構成されています。応答そのものは、特にモニタリングされた会話のデータである場合、サイズを変更できます。
また、Austin のエージェントがモニタリングされている場合、その会話の RTP データは WAN 経由で RSM サーバにも返送されます。
複数のクラスタ、単一の VRU
図 4-16 は、複数の Unified CM クラスタと単一の VRU を含む複数サイトの展開を表しています。
図 4-16 複数の Unified CM クラスタと単一の VRU を含む複数サイトの展開
この構成では、Atlanta と Austin の両方のサイトに Unified CM クラスタ、および Atlanta に単一の IP IVR VRU が含まれています。クラスタ 1は Atlanta サイトにある電話機に対応し、クラスタ 2 は Austin サイトにある電話機に対応します。RSM サーバは、エンタープライズ内のすべてのエージェントを追跡するために両方のクラスタの CTI OS サーバにリンクされます。
IP IVR は使用中であるため、RSM コールフローに対するスーパーバイザ コールは、(以前説明したように)PSTN または IP WAN 経由でこの IP IVR システムにルーティングされ、これがメディアの終端になります。この構成には VXML ゲートウェイは含まれず、RSM 関連のすべての HTTP インタラクションは、RSM および IP IVR システム間の Atlanta サイトに限定されます。
Unified CM クラスタが Austin サイトに存在するため、RSM が環境の状態の追跡とエージェントのモニタリング要求(CTI OS、AXL/SOAP、および JTAPI トラフィック)の開始に使用するいくつかのデータ クラスは、IP WAN を介して送信されます。
複数のクラスタ、複数の VRU
図 4-17 は、複数の Unified CM クラスタと複数の VRU を含む複数サイトの展開を表しています。
図 4-17 複数の Unified CM クラスタと複数の VRU を含む複数サイトの展開
図 4-17 に、各サイトにある Unified CM クラスタおよび Unified CVP VXML ゲートウェイ/音声ゲートウェイを示します。これは、前の展開モデルを組み合わせたもので、次の特徴があります。
• Unified CVP コール サーバは各サイトで VXML ゲートウェイを制御します。
• 両方のサイトにエージェント電話があるため、RTP データは Atlanta の LAN 内(モニタリング対象の要求されたエージェントが Atlanta にある場合)または WAN 経由(要求されたエージェントが Austin にある場合)でストリーム化できます。
• 前に示した複数サイト、複数クラスタの展開と同様に、RSM はエンタープライズ全体の状態を追跡します。つまり、スーパーバイザはいずれかのサイトから(または PSTN を介して世界中の任意の場所から)ダイヤルして、Atlanta または Austin のエージェントをリッスンできます。
帯域幅の要件
RSM ソリューションの展開前に行うネットワーク計画の一部として、ネットワーク インフラストラクチャで RSM の帯域幅要件をサポートできるかどうかを検証する必要があります。
RSM ソリューションは、大規模な Cisco 環境内の複数のコンポーネントと接続できます(前の項の図を参照)。 表 4-4 に、これらのコンポーネントと、交換されるデータの特性およびそのデータの相対的な帯域幅要件を示します。RSM が特定のコンポーネントと複数の種類のデータを交換すると、RSM は何度もリストされます。
表 4-4 帯域幅の要件
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VRU |
サービス リクエスト/応答 |
TCP(HTTP) |
テキスト |
最小 |
平均 500 ミリ秒未満 |
VRU |
PhoneSim から VRU へ要求された音声データ |
TCP(HTTP) |
G711、チャンク転送モードのエンコード |
高 (67 ~ 87 kbps/セッション) |
平均 400 ミリ秒未満 |
Unified CM |
電話 DN からデバイス ID へ変換するための AXL |
TCP(HTTP、SOAP) |
テキスト(XML) |
最小 |
平均 500 ミリ秒未満 |
Unified CM |
エージェント電話モニタリングの発行 |
TCP(JTAPI) |
バイナリ(JTAPI ストリーム) |
最小 |
平均 300 ミリ秒未満 |
CTI OS サーバ(PG) |
環境イベント/スーパーバイザ ログイン |
TCP(CTI OS) |
バイナリ(CTI OS ストリーム) |
最小 (1000 エージェント未満) 中 (1000 エージェント超) (2000 エージェントで、約 100 kbps) |
平均 300 ミリ秒未満 |
エージェント電話 |
シミュレートされる電話シグナリング |
TCP または UDP(SIP) |
テキスト |
最小 |
平均 400 ミリ秒未満 |
エージェント電話 |
モニタリング対象の電話音声データ |
UDP(RTP) |
バイナリ(G.711) |
高 (67 ~ 87 kbps/セッション) |
平均 400 ミリ秒未満 |
フェールオーバー冗長性とロード バランシング
ロード バランシングのサポートは、着信要求の負荷が RSM サーバ間で分散されるように 1 つのまとまりとして関連付けられる複数の RSM サーバの動作として定義されます。フェールオーバーの定義は、1 台の RSM サーバに障害が発生した場合に他の RSM サーバがその代わりとして機能できるように 1 つのまとまりとして関連付けられる複数の RSM サーバです。今後、RSM では、Unified CVP と IP IVR VRU の両方を使用してロード バランシングとフェールオーバーをサポートする予定です。現在、このサポートは RSM 1.0 では利用できません。ただし、RSM 1.0 では、1 つの Unified CCE 環境内における複数のスタンドアロン RSM サーバの展開をサポートしています。この概念は、このマニュアルで説明されている高度な展開計画に示されています。
表 4-5 は、各種コンポーネントの障害がライブ スーパーバイザ コールにどのように影響するかを示しています。
表 4-5 スーパーバイザ コールに対する障害の影響
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[VRU] ノード(IP IVR、Unified CVP) |
VRU フェールオーバーが発生すると(未完了)、スーパーバイザのコールが終了します。VRU フェールオーバーが完了するか、元の障害が発生した VRU が動作を再開すると、スーパーバイザはダイヤルし直して再度ログインすることができます。 |
RSM サーバ(ハードウェア障害) |
障害が発生したサーバからの音声ストリームを聞いている発信者は、音声ストリームが終了し、メイン メニューに戻されます。その発信者が障害が発生したサーバにサービス リクエストを再度行った場合(または、新しい発信者が同様のリクエストを初めて行った場合)、3 ~ 5 秒程度の指定した遅延が発生し、リクエストはタイムアウトしてエラー メッセージが再生されます。また、RSM コールフローは [VRU] ノードでホストされているので引き続き応答されますが、RSM サーバと通信しようとするアクション(ログイン、エージェントの監視など)はすべて失敗します。 |
VLEngine または PhoneSIM のソフトウェア障害 |
サービスがサービス ラッパー経由で自動的に再始動します。要求を実行中のスーパーバイザは、エラー メッセージを受け取りますが、最後のアクションを再試行することもできます。どちらかのサービスが機能していない間、RSM コールフローは [VRU] ノードでホストされているので引き続き応答されますが、RSM サーバと通信しようとするアクション(ログイン、エージェントの監視など)はすべて失敗します。 |
Unified CCE で障害発生(CTI OS) |
PG で障害が発生した場合や、PG の電源が入れ直された場合、RSM は CTI OS サーバに接続できなくなります。クラスタの CTI サーバの両方に接続できなくなった場合、RSM は両方への接続の再試行を続け、使用可能となった最初のサーバに接続します(CIL のフェールオーバー コードはこの目的に使用されます)。CTI サーバまで接続が再開できるようになると、エージェントおよびコールのリストが消去され、更新されます(エージェントが「古い状態」にならないようにするため)。この間、新しいコール イベントは受け付けられず、システムは「古い状態」のエージェントおよびコールのリストを使用して動作します。したがって、一部のモニタリング要求は、エージェントが実際には会話中であるのに会話中でないと認識されるために失敗し、一部のモニタリング要求は、エージェントが実際には会話中でないのに会話中であると認識されるために失敗します。この動作は、サーバに障害が発生した場合はキャッシュされているデータがすべて削除されるシナリオに適していると考えられますが、モニタリングは機能しません。 |
Unified CM で障害発生(JTAPI / AXL) |
1 つまたは複数の JTAPI プロバイダーに接続できなくなります。RSM は、クラスタごとに最大 2 つの JTAPI プロバイダーに接続できるように設定できます。このような場合に、どちらかのプロバイダーに接続できなくなると、VLEngine は必要に応じてもう一方のプロバイダーにフェールオーバーし、そのプロバイダーをアクティブなプロバイダーにして、アクティブなプロバイダーを通じて要求を行います。両方のプロバイダーに接続できなくなった場合は、VLEngine は両方への接続を定期的に再試行し、最初に使用できるようになったプロバイダーと接続を再確立します。この間にエージェントを監視しようとすると(monitorAgent 呼び出しなど)、JTAPI の接続が再確立されるまでは失敗します。 |
ホストレベルのセキュリティ
Windows Server OS に組み込まれているホストベースの Access Control List(ACL; アクセス コントロール リスト)機能を使用して、RSM サーバへの着信アクセスを必要なコンポーネントだけに制限できます。最も安全な設定では、VRU システムから RSM システムへの着信アクセスを許可します。組み込みのホストベースのアクセス コントロールを使用すると、必要に応じて、Windows リモート デスクトップや VNC などのリモート管理メカニズムなど、その他のサービスについてもアクセスを制限できます。
必須ではありませんが、RSM の単一サーバ構成の ACL は、次のように設定することをお勧めします。
すべてのコンポーネントに対する着信アクセスを拒否する
環境内の各 [VRU] ノードに対するポート 8080 上の着信 TCP を許可する(VLEngine HTTP API アクセス)
環境内の各 [VRU] ノードに対するポート 29001 上の着信 TCP を許可する(PhoneSim HTTP API アクセス)
<リモート管理(RDP/VNC)接続を許可するその他のルール>
Cisco Security Agent
インストール手順の一部として、Cisco Security Agent(CSA)ソフトウェアを RSM システムにインストールすることを強くお勧めします。このトピックについては、『 Cisco Remote Silent Monitoring Installation and Administration Guide 』( http://www.cisco.com で入手可能)の「Security Settings」の章を参照してください。
トランスポートまたはセッション レベルのセキュリティ
大規模な Cisco Contact Center 環境では RSM は多数のコンポーネントへの複数の接続を管理するので、トランスポートまたはセッション レベルのセキュリティがサポートされるかどうかは一概に言えません。ここでは、プロトコルの種類別に、この機能に対する RSM のサポートについて説明します。
RSM to VRU(HTTP) :現在、RSM と [VRU] ノードの間における HTTP ベースのデータ交換の暗号化はサポートされていません。このサポートは、VLEngine コンポーネントの将来のバージョンにだけ追加される予定です。これにより、HTTPS チャネルを介して行われる RSM の HTTP ベースの API 呼び出しの 1 つを除くすべてが可能になります。monitorAgent.jsp API 要求、および応答として返信される監視対象のエージェントの音声データは、PhoneSim コンポーネントで実装されます。また、パフォーマンス上の問題により PhoneSim については HTTPS のサポートは予定されていません(monitorAgent.jsp API コールについては、API リファレンスの項で説明されています)。
RSM to PG/CTI OS サーバ(CTI) :RSM では Java CIL を利用するので、使用されるすべての CTI OS サーバはセキュリティを無効にして設定する必要があります。CTI OS トラフィックは、IPSec トランスポート モードの暗号化を使用して暗号化される場合があります。詳細については、『 Remote Silent Monitoring Configuration and Administration Guide 』( http://www.cisco.com で入手可能)の「Security Settings」を参照してください。
RSM to UCM(JTAPI) :CTI OS トラフィックと同様に、JTAPI トラフィックも IPSec トランスポート モードの暗号化を使用して暗号化される場合があります。詳細については、『 Remote Silent Monitoring Configuration and Administration Guide 』( http://www.cisco.com で入手可能)の「Security Settings」を参照してください。
RSM to UCM(AXL/SOAP) :Unified CM の AXL サービスへの接続には、常に HTTPS が使用されます。
RSM to Agent Phone(RTP) :Unified CM 6. x および 7.0 のコール モニタリングの実装では、現在、暗号化された音声ストリームのモニタリングがサポートされていません。将来、これがサポートされた場合は、RSM でもデフォルトでサポートされるようになります。
Mobile Agent、IP Communicator、およびその他のエンドポイントのサポート
現在、基礎となる Unified CM 6. x および 7.0 のモニタリング機能では、次のいずれかを使用するエンドポイントのモニタリングがサポートされていません。
• Cisco Mobile Agent
• Cisco IP Communicator
• Cisco Unified IP Phone 7940 または 7960 などの、第 2 世代以前の電話機
• メディア終端の CTI OS Agent Desktop
• 暗号化された通話のモニタリング
したがって、これらの製品は RSM でもサポートされません。この制約事項の詳細については、「サイレント モニタリング」を参照してください。
Cisco Agent Desktop と Presence の統合
Cisco Agent Desktop(CAD)のエージェントとスーパーバイザの間では、従来から、デスクトップ アプリケーションに組み込まれているチャット サービスによる通信が可能でした。使用環境に Cisco Unified Presence を展開すると、エージェントとスーパーバイザは従来と同じデスクトップ アプリケーションを使用して、社内の Subject Matter Expert(SME; 専門分野のエキスパート)やその他の重要メンバーのプレゼンス状態を確認し、チャット セッションを開始できます。専門分野のエキスパートは、使い慣れた Cisco Unified Personal Communicator や IP Phone Messenger(IPPM)を使用して、Unified Presence のユーザとして設定されているエージェントとのチャット セッションを開始したり、エージェントからのチャット要求に応答したりできます。Cisco Unified Presence が連合ユーザをサポートするように設定されている場合、専門分野のエキスパートは Microsoft Office Communicator を使用することもできます。
たとえば、Cisco Unified Presence と CAD とが統合された Cisco Unified Contact Center に、顧客からコールがあったとします。顧客のコールは応答可能なエージェントにルーティングされます。発信者のニーズに対応するために支援を必要とする場合、エージェントは、[Agent Desktop] ツールバーから [contact selection] ウィンドウを起動できます。[contact selection] ウィンドウには、他のエージェント、スーパーバイザ、およびエージェントのワークフロー グループに割り当てられている専門分野のエキスパートのプレゼンス状態が表示されます。エージェントはその中から応答可能なコンタクトを選択し、チャット セッションを開始できます。エージェントが [contact selection] ウィンドウを使用すると、必要に応じて、コンタクトを含めた会議を行ったり、顧客のコールをコンタクトに転送したりもできます。
図 4-18 および次の説明で、CAD のさまざまなコンポーネントと Cisco Unified Presence の間のインターフェイスについて説明します。
図 4-18 CAD と Cisco Unified Presence の間のインターフェイス
図 4-18 の示す一連のイベントは次のとおりです。
1. Cisco Desktop Administrator が、SOAP インターフェイス経由で LDAP 設定プロファイルを取得します。
2. Cisco Desktop Administrator が、SME の検索と情報(名前、電話番号など)を使用するために、LDAP サーバにバインドします。
3. Administrator が SME を、コンタクト リストと呼ばれる論理グループに配置し、特定のワーク フロー グループに割り当てます。これにより、管理者はコンタクト リストをセグメント化し、特定のワーク フロー グループに割り当てられたエージェントだけに適切なコンタクト リストが表示されるようにできます。この設定は CAD LDAP ディレクトリに保存されるため、接続数やその他のパラメータの制約を受ける Cisco Unified Presence LDAP サーバに、各エージェントやスーパーバイザがアクセスする必要はありません。管理者は、SME がエージェントのプレゼンス状態を表示できるかどうかも制御できます。
4. CAD が、エージェントのワークフロー グループに関連付けられたコンタクト リストを取得します。
5. CAD が、SOAP インターフェイス経由でさまざまな設定プロファイルを取得します(Cisco Unified Presence サーバ情報など)。
6. CAD が、Cisco Unified Presence に登録するための SIP REGISTER メッセージを送信し、さらにコンタクト リスト内のユーザごとに SIP SUBSCRIBE メッセージを送信します。CAD は、Cisco Unified Presence で設定されたコンタクトを表す "user-contacts" についても、SIP SUBSCRIBE メッセージを送信します。コンタクト リスト内のコンタクトの状態が変更されるたびに、SIP NOTIFY メッセージを受信します。CAD では、エージェントは自分のプレゼンス状態を変更できません。エージェントがログインすると、CAD は 1 つの SIP PUBLISH メッセージを Cisco Unified Presence に送信するだけです。
コール制御は、CAD の既存のメイン ウィンドウ コール制御経由で CTI を使用して行われます。
CAD と Cisco Unified Presence の間でやり取りされるすべての SIP トラフィックとプレゼンス情報は、暗号化されずに、TCP または UDP 経由で送信されます。
Cisco Unified Presence 7. x では、登録されたユーザを、Cisco Unified Presence クラスタ内のすべてのノードに均等に割り当てることができます。自分が割り当てられていないノードにユーザが接続しようとすると、CAD は、パブリッシャからのリダイレクト メッセージに指定されている SOAP および Cisco Unified Presence サーバに接続します。
設計上の注意点
CAD エージェントと SME の間の通信は、すべて Cisco Unified Presence サーバ経由で行われます。CAD サーバ経由でルーティングされることはありません。展開のガイドラインについては、 http://www.cisco.com/go/designzone にある『 Cisco Unified Communications SRND 』の Cisco Unified Presence に関する情報を参照してください。
NAT およびファイアウォール
この項では、2 つ以上の別個のネットワークが Network Address Translation(NAT; ネットワーク アドレス変換)で相互接続されている環境における、Cisco Agent Desktop(CAD)および CTI Toolkit Desktop の展開について説明します。
NAT およびファイアウォールの詳細については、「Unified CCE のセキュリティ管理」の章を参照してください。
Cisco Agent Desktop と NAT
2 つ以上の別個のネットワークが NAT で相互接続されているネットワーク環境に CAD デスクトップを展開する場合、すべての CAD 基本サービスを同じネットワーク上に配置する必要があります。CAD 基本サービス サーバ間では、ネットワーク アドレス変換(NAT)も Port Address Translation(PAT; ポート アドレス変換)もサポートされていません。CAD、CAD-BE、および Cisco Supervisor Desktop(CSD)アプリケーションでは、VPN 接続経由でだけ、NAT と PAT がサポートされています。Cisco Desktop Administrator(CDA)および Services Management Console(SMC)では NAT も PAT もサポートされていないため、CAD 基本サービスの場合と同様に、同じネットワーク上にインストールする必要があります。
CAD サービスとデスクトップ アプリケーションの間、およびデスクトップ アプリケーションどうしの間では、ファイアウォールがサポートされています。ただし、ファイアウォールが必要なトラフィック タイプをスルーさせ、適切なポートが開かれている必要があります。図 4-19 に、CAD のコンポーネント間で使用されるトラフィック タイプを示します。
ポート情報の詳細については、次の URL にある『 Port Utilization Guide for Cisco ICM/IPCC Enterprise and Hosted Editions 』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/custcosw/ps1844/products_installation_and_configuration_guides_list.html
図 4-19 CAD のコンポーネント間の通信
図 4-19 は、VoIP プロバイダー(CAD、VoIP モニタ サービス、および録音再生サービス)と VoIP 要求者(CSD および録音再生サービス)の間の IP 音声ストリームの交換を示しています。
CTI およびコール制御のデータ(エージェント状態、スキル情報、およびコール イベント)は、CTI OS サービスから(CAD の場合)、または CTI サーバと直接通信する 1 つ以上の CAD 基本サービスから(CAD-BE、CSD、および IPPA エージェントの場合)流れます。
IP Phone Agent XML サービスの場合、交換された CTI 情報は、エージェントが IPPA アプリケーションで要求したエージェント状態の変更と、電話機に表示されるスキル情報だけに適用されます。ただし、コール制御メッセージは、電話機と Unified CM の間でも交換されます。
CAD 基本サービス マシン上で実行される SMC アプレットと SMC servlet の間では、HTTP 通信が行われます。IPPA サービスおよび CAD-BE アプレットがブラウザや IP Phone Agent サービスと通信する際にも、HTTP プロトコルが使用されます。
図に示された UDP/TCP トラフィックは、サーバとクライアントの間のメッセージ交換に使用されるソケット接続を表しています。これには、大多数のクライアントでサーバに対するサービスや情報の要求に使用する CORBA 接続も含まれます。
CAD 基本サービス マシン上で実行される SMC servlet は、インストールに含まれるすべての CAD サービスにあるステータス情報の収集に、SNMP を使用します。
CTI Toolkit Desktop と NAT
2 つ以上の別個のネットワークが NAT で相互接続されているネットワーク環境に Cisco CTI Toolkit Desktop を展開する場合、Unified CM、物理的な IP Phone、Cisco CTI OS サーバ、Cisco CTI Toolkit Desktop、および Cisco CTI OS IPCC Supervisor Desktop を同じネットワーク上に配置する必要があります。
PG における CTI OS と CAD サービスの共存
Cisco Unified CCE Release 7.0(0)以降では、CTI OS と CAD サービス(VoIP モニタ サービスと録音サービスを含む)を PG にインストールすることをお勧めします。これによって、PG でサポートされるエージェントの最大キャパシティは低下します。PG でサポートされるエージェント キャパシティ数(「Unified CCE のコンポーネントとサーバのサイジング」の章を参照)が十分でないために、上記のソフトウェア コンポーネントを別のサーバで実行して PG のエージェント キャパシティを増やす場合は、Unified CCE 製品管理チームの事前承認が必要です。
CTI OS または CAD サービスがすでに別のサーバにインストールされているレガシー展開も、引き続きサポートされます。ただし、CTI OS および CAD サービスを PG 上に移行することをお勧めします。展開の構成の詳細については、「展開モデル」の章を参照してください。
同一 PG における CAD エージェントと CTI OS エージェントの混在のサポート
Unified CCE の展開では、CAD エージェントと CTI OS エージェントの同じ PG 上の混在をサポートできます。これらが混在する展開には、CAD のサイジング制限が適用されます。Cisco Supervisor Desktop(CSD)で監視できるのは CAD エージェントだけ、CTI OS スーパーバイザ アプリケーションで監視できるのは CTI OS エージェントだけです。
IP 電話と IP Communicator のサポート
CAD、CAD-BE、および CTI Toolkit Desktop では、ハードウェアの Cisco IP 電話または Cisco IP Communicator ソフトウェア電話、あるいはその両方の使用がサポートされます。
一部の CAD エージェント アプリケーション機能(CAD、CAD-BE、および IPPA)には、特定の電話モデルが必要です。また、一部のインストールでは、ハードウェアの電話かソフトウェア電話のどちらか一方だけがサポートされます。サポートされている正確な電話モデルと IP Communicator のバージョンについては、 http://www.cisco.com にある CAD のドキュメントを参照してください。
IP Phone とサイレント モニタリング
エージェントのサイレント モニタリングは、ハードウェア IP Phone または Cisco IP Communicator の使用時にサポートされています。
IP Phone とモバイル エージェント
モバイル エージェント機能には、特定のタイプの電話は必要ありません。この機能にはアナログ電話機も使用できます。
IP Phone と Citrix または MTS
Citrix または MTS と CAD または CTI Toolkit デスクトップの使用時には、Cisco ハードウェア IP Phone と Cisco IP Communicator がどちらもサポートされています。これらの環境では、Cisco IP Communicator はエージェントのデスクトップ PC にインストールする必要があります。Citrix または MTS サーバには配置できません。
IP Phone Agent
IP Phone XML サービス エージェント アプリケーションは、ハードウェア IP Phone だけをサポートします。このアプリケーションのデスクトップ版はありません。
展開に関するその他の考慮事項
この項では、次のような展開に関する追加の考慮事項について簡単に説明します。
レイヤ 3 デバイス
エージェントの電話デバイス(ハードウェアまたはソフトウェア電話)と、VoIP モニタ サービスによって使用される、サイレント モニタリングおよび録音用の音声パケットをキャプチャするよう設定されたスイッチ ポートとの間にレイヤ 3 ネットワーク デバイス(ルータおよびゲートウェイ)を配置することはできません。この制限が適用されるのは、VoIP モニタが音声ストリームをキャプチャするためのプライマリまたはバックアップ サービスとして設定されている場合だけです。プライマリ サービスとしてデスクトップ モニタリングが設定されていて、セカンダリ サービスが設定されていない場合、この情報は適用されません。
ネットワーク ハブ
エージェントに対してデスクトップ モニタリングが設定されている場合、エージェントのハードウェア電話と PC の間にネットワーク ハブ(「スマート」ハブを含む)を配置することはできません。
デイジーチェーン接続された複数のハードウェア電話
エージェントに対してデスクトップ モニタリングが設定されている場合、エージェントの PC とスイッチの間にはハードウェア電話を 1 台だけ直列で接続できます。
NIC の ネットワーク ドライバ インターフェイス仕様(NDIS)への準拠
VoIP モニタ サービスおよびエージェントの PC(デスクトップ モニタリングが設定されている場合)で使用されるネットワーク インターフェイス カード(NIC)は、プロミスキャス モードのパケット スニフィングを規定どおりにサポートしている必要があります。NIC カードまたはドライバが NDIS インターフェイスを通じてこの機能をサポートしていない場合、モニタリングおよび録音機能は動作しません。
暗号化音声ストリーム
音声ストリームが SRTP を使用して暗号化されている場合、サイレント モニタリングおよび録音機能は正しく動作しません。音声ストリームをキャプチャすることは可能ですが、キャプチャしても正しく復号化されません。その結果、音声は不明瞭になります。
デスクトップ遅延
Agent Desktop および Supervisor Desktop はエージェント PG からリモートに配置できます。技術的には、CTI OS サーバと CTI OS クライアント間の遅延、および CAD サーバと CAD/CSD デスクトップ間の遅延は、タイムアウト値が大きいため、非常に長くなる可能性があります。しかし、遅延が長いとユーザの操作性に影響が生じ、混乱の元となるため、長い遅延はユーザの観点からは容認できません。そのため、サーバとエージェント デスクトップ間の遅延は、CTI OS では往復 400 ミリ秒(往復 200 ミリ秒未満を推奨)、CAD では往復 200 ミリ秒(往復 100 ミリ秒未満を推奨)に制限することをお勧めします。それより長い遅延は、最大 1 秒までは技術的にサポートされますが、エージェントの操作性に悪影響を与えます(たとえば、電話の呼び出し音は鳴っているのに、デスクトップは 1 秒経たないと更新されないなど)。