Unified CCE のサイジングに関する考慮事項
この項では、Unified CCE のサイジングに関する次の考慮事項について説明します。
• 「Unified CCE のコア コンポーネント」
• 「操作条件」
• 「HDS および WebView レポーティング付きの AW ディストリビュータ」
• 「その他のサイジング要因」
Unified CCE のコア コンポーネント
Unified CCE の展開のサイジングを行う場合、Cisco Unified Communications コンポーネントはキャパシティ計画での重要な要素です。多量のコール負荷をサポートするには、複数の Cisco Unified Communications Manager およびクラスタなどを適切に設計する必要があります。Cisco Unified Communications コンポーネントのサイジングの詳細については、「Cisco Unified Communications Manager サーバのサイジング」および次の URL にある『 Cisco Unified Communications Solution Reference Network Design (SRND) 』ガイドの最新版を参照してください。
http://www.cisco.com/go/designzone
また、さまざまなエージェントおよびスキル グループ キャパシティがあるため、CTI OS および Cisco Agent Desktop サーバを含む Agent PG の適切なサイジングは、Cisco Unified Communications コンポーネントと組み合わせて検討する必要があります。
最後に、残りの Unified ICM コンポーネントは、高度なスケーラビリティを実現する一方、システム リソースにも作用する特定の設定要素のサイジング変数の影響を受けます。この項に記載されているこれらの要因は、どのような展開計画においても必ず考慮して計画に反映する必要があります。
(注) 明示的に記述されている場合を除き、図 10-1、図 10-2、および表 10-2 に示されているキャパシティ情報は、インバウンド コールに対するキャパシティだけを表します。
図 10-1、図 10-2、および 表 10-2 に示されている情報は、Unified CCE のすべての実装に等しく適用されるわけではありません。このデータは、特定のシナリオでのテストに基づいており、最大許容設定を表しています。このデータと、この章のサイジング変数の情報は、単なるガイドです。サイジングは常に慎重に行い、拡張に備えた計画を立てる必要があります。
(注) サイジングに関する考慮事項は、キャパシティおよびスケーラビリティのテスト データに基づいています。主要な Unified ICM ソフトウェア プロセスは各サーバ上で動作し、それぞれの CPU、メモリ、およびその他の内部システム リソースの利用状況を計測しました。共存するソフトウェア プロセスおよび複数の CPU サーバのキャパシティを算出する場合は、合理的な推論が使用されていました。この情報は、どのような場合には単一サーバ内に複数の Unified ICM ソフトウェア プロセスを共存させることができ、どのような場合には特定のプロセスに専用サーバが必要かを判別するのに役立ちます。表 10-2 では、二重化して展開されている 2 つの完全冗長サーバを含む展開シナリオを想定しています。
(注) Cisco Unified Contact Center ソリューションには、現時点でクワッドプロセッサを備えた Cisco MCS Unified CM アプライアンスは含まれていません。最新のサーバ仕様については、http://www.cisco.com/en/US/products/sw/custcosw/ps1844/products_implementation_design_guides_list.html にある『Hardware & System Software Specification (Bill of Materials) for Cisco ICM/IPCC Enterprise & Hosted Editions』の最新版を参照してください。
操作条件
この章で説明するサイジング情報は、次の操作条件に基づいています。
• エージェントあたり最大 30 の Busy Hour Call Attempts(BHCA; 最頻時発呼数)
• エージェントあたり 5 スキル グループ
• スーパーバイザの総数はエージェント総数の 10 %
• スーパーバイザはコールを扱わない
• チームの総数はエージェントの総数の 10 %
• チーム メンバーはエージェントが 90 % とスーパーバイザが 10 % で構成
• コール タイプは、直通が 85 %、コンサルテイティブ転送が 10 %、およびコンサルテイティブ会議が 5 % で構成
• スキル グループのデフォルト更新間隔は 10 秒
• CTI OS サーバに設定するスキル グループ統計情報カラムのデフォルト数は 17 カラム
• [Agent Statistics] はオン
• CTI OS サーバに設定する統計情報エージェント カラムのデフォルト数は 6 カラム
• IVR コールごとに平均 5 つの実行 Voice Response Unit(VRU; 音声応答装置)スクリプトを Unified ICM スクリプト内で連続動作
• 5 つの Extended Call Context(ECC; 拡張コール コンテキスト)スカラ
• CTI OS の [Transport Layer Security (TLS)] はオフ
• 0 % のモバイル エージェント
• 1 つのオールイベント CTI サーバ クライアント
この章のすべての図および表には、次の注が適用されます。
• エージェント数は、ログインしたエージェント数を示しています。
• サーバ タイプは、次のとおりです。
– APG = Agent Peripheral Gateway
– HDS = Historical Data Server
– PGR = Progger
– RGR = Rogger
図 10-1 Release 7.5(x)の Unified CCE の展開に必要な最小限のサーバ(CTI OS Desktop の場合)
図 10-1 には、次の注が適用されます。
• サイジングは、「操作条件」 にリストされている情報を前提としています。
• Voice Response Unit(VRU; 音声応答装置)、Historical Data Server(HDS)、および Unified CM の各コンポーネントは表示していません。
• 詳細は、「ペリフェラル ゲートウェイおよびサーバ オプション」を参照してください。
(注) この章では、Rogger とセントラル コントローラの 2 つの用語を同じ意味で使用しています。
図 10-2 Release 7.5(x)以降の Unified CCE の展開に必要な最小限のサーバ(Cisco Agent Desktop の場合)
図 10-2 には、次の注が適用されます。
• サイジングは、「操作条件」 にリストされている情報を前提としています。
• Voice Response Unit(VRU; 音声応答装置)、Historical Data Server(HDS)、および Unified CM の各コンポーネントは表示していません。
• 詳細は、「ペリフェラル ゲートウェイおよびサーバ オプション」を参照してください。
(注) Cisco Agent Desktop(CAD)のキャパシティ数はデスクトップ エージェントだけを前提としています。CAD Unified IP Phone Agent および CAD Browser Edition Agent のキャパシティは、表 10-5 にリストされています。
表 10-2 Unified CCE のコンポーネントとサーバのサイジング情報
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ペリフェラル ゲートウェイ、Router、および Logger
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アドミン ワークステーション(AW)または Historical Data Server(HDS)と共存できません。また、Progger は追加のエージェント ペリフェラル ゲートウェイを備えることができません。 Logger データベースの履歴データの期限は 14 日です。 |
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MCS-30-004-Class |
100 |
不可能 |
MCS-30-004-Class サーバの場合: • 同時にキューに入れられるコールの最大数は、エージェント数の半分と等価です。 • アウトバウンド: (Progger の最大エージェント キャパシティ)- 4 ×(ダイヤラ ポートの数) (注) これはプラットフォーム キャパシティの指標です。展開のダイヤラ ポート数によって使用できるエージェントの数を示すもので、アウトバウンド リソースの指標にはなりません。簡単に概算すると、アウトバウンド エージェントごとに 2 つのポートが必要です。ただし、アウトバウンド リソースは、展開のキャンペーンのヒット率、放棄の上限、通話時間に応じて変わる可能性があります。サイジング ツールを使用して、キャンペーンに必要なアウトバウンド リソースを判断します。 • Progger の最大エージェント キャパシティを判断するには、この表の Progger のインバウンド エージェントの項目を参照してください。キャパシティは、使用している ICM ソフトウェアのリリースによって異なります。 |
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MCS-40-005-Class |
450 |
297 |
MCS-40-005-Class サーバの場合: • 同時にキューに入れられるコールの最大数は、エージェント数の半分と等価です。 • アウトバウンド: (Progger の最大エージェント キャパシティ)- 4 ×(ダイヤラ ポートの数) (注) これはプラットフォーム キャパシティの指標です。展開のダイヤラ ポート数によって使用できるエージェントの数を示すもので、アウトバウンド リソースの指標にはなりません。簡単に概算すると、アウトバウンド エージェントごとに 2 つのポートが必要です。ただし、アウトバウンド リソースは、展開のキャンペーンのヒット率、放棄の上限、通話時間に応じて変わる可能性があります。サイジング ツールを使用して、キャンペーンに必要なアウトバウンド リソースを判断します。 • Progger の最大エージェント キャパシティを判断するには、この表の Progger のインバウンド エージェントの項目を参照してください。キャパシティは、使用している ICM ソフトウェアのリリースによって異なります。 |
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MCS-30-004-Class MCS-40-005-Class |
500 4,000 |
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MCS-40-006-Class |
6,000 |
MCS-30-00 x -Class サーバはサポートされません。 |
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MCS-40-005-Class |
8,000 |
MCS-30-00 x -Class サーバはサポートされません。 |
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GEN-50-005-Class |
8,000 |
MCS-30-00 x -Class サーバはサポートされません。 |
アドミン ワークステーション(AW)と Historical Data Server(HDS)
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「HDS および WebView レポーティング付きの AW ディストリビュータ」を参照してください。 |
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「HDS および WebView レポーティング付きの AW ディストリビュータ」を参照してください。 |
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MCS-30-004-Class MCS-40-005-Class |
450 2,000 4,000 |
297 1000 |
各 Agent PG 展開オプションの詳細については、「ペリフェラル ゲートウェイおよびサーバ オプション」を参照してください。
VRU ポート数は、[Maximum Agents] カラムに示されるサポートされているエージェントの最大数の半数以下である必要があります。追加の VRU PG を展開すると、収容できる VRU ポート数を増やすことができます。
モバイル エージェントのキャパシティを判断するには、次の計算を使用します。 • 固定接続(固定設定)用の各モバイル エージェント: – Release 7.5( x )の 1.73 ローカル エージェントと等価 • コールごとのモバイル エージェント: – Release 7.5( x )の 2.4 ローカル エージェントと等価 4,000 エージェントのサポートは、複数の Unified CM PIM および複数の CTI OS に限定されます。 • 2 ~ 10 の Unified CM PIM • 2 ~ 10 の CTI OS(CTI OS の数は、Unified CM PIM の数と等価である必要があります) • VRU PIM なし |
Voice Response Unit(VRU; 音声応答装置)PG
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MCS-30-004-Class MCS-40-005-Class |
1,200 ポート 9,600 ポート |
エージェント数でなく、ポート数を使用します。 コールごとに平均 5 つの VRU スクリプト実行ノード。 最大 4 PIM、最大 10 cps。 最大 10 PIM、最大 40 cps。 |
Agent PG およびアウトバウンド音声(ダイヤラおよび Media Routing PG を含む)
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(最大インバウンド エージェント キャパシティ)- 4 ×(ダイヤラ ポートの数) |
最大インバウンド エージェント キャパシティを判断するには、この表のインバウンド Agent PG の項目を参照してください。キャパシティは、使用している ICM ソフトウェアのリリース、ハードウェア サーバ クラス、およびエージェント デスクトップのタイプによって異なります。 (注) 式(最大インバウンド エージェント キャパシティ)- 4 ×(ダイヤラ ポートの数)は、プラットフォーム キャパシティの指標です。展開のダイヤラ ポート数によって使用できるエージェントの数を示すもので、アウトバウンド リソースの指標にはなりません。簡単に概算すると、アウトバウンド エージェントごとに 2 つのポートが必要です。ただし、アウトバウンド リソースは、展開のキャンペーンのヒット率、放棄の上限、通話時間に応じて変わる可能性があります。サイジング ツールを使用して、キャンペーンに必要なアウトバウンド リソースを判断します。 例:Agent PG および CAD と 10 個のダイヤラ ポート。 使用可能なインバウンド CAD エージェント = 1000 - (4×10) = 960 |
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MCS-30-004-Class MCS-40-005-Class |
20(同時録音セッション) 40(同時録音セッション) |
Unified CCE Release 7.1( x )以降 |
Agent PG および Media Blender(コラボレーションには Media Routing PG を含む)
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MCS-40-005-Class |
250(すべてのメディア) |
Media Routing(MR; メディア ルーティング)PG を共存させるには、MCS-40-005-Class サーバが必要です。キャパシティ値については、この表の以下の行を参照してください。 |
Media Blender(MR PG のオプション)
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MCS-40-005-Class |
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MCS-30-00 x -Class はサポートされません。 MCS-40-005-Class サーバでは、この表の Web Collaboration Server の行を参照してください。 |
Unified Expert Advisor PG
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MCS-30-004-Class MCS-40-005-Class |
3,000 Expert Advisor または 6,000 BHCA 6,000 Expert Advisor または 12,000 BHCA |
操作条件: • Expert Advisor(EA)ごとに 1 時間あたり 2 コール。 • EA ごとに平均で最大 10 の割り当てキュー。 • 10 エキスパートの平均並行ブロードキャスト サイズ。 • EA PG と Unified CM PG が共存する場合、各 EA は 0.5 ローカル Unified CCE エージェントと等価です。サポートされるリリースは、7.2(3)以降です。 |
Unified Expert Advisor ランタイム サーバ Release 7.6.
x
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MCS-30-004-Class MCS-40-005-Class |
Cisco Unified Presence または Microsoft Office Communications: 650 Expert Advisor または 1,300 BHCA Cisco Unified Presence: 3,000 Expert Advisor または 6,000 BHCA Microsoft Office Communications: 2,000 Expert Advisor または 6,000 BHCA |
操作条件: • Expert Advisor ごとに 1 時間あたり 2 コール。 • EA ごとに平均で最大 10 の割り当てキュー。 • 10 エキスパートの平均並行ブロードキャスト サイズ。 |
Unified Expert Advisor レポーティング サーバ
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MCS-40-005-Class |
公称 8 日分のデータ。 注: コール レート、デューティ サイクル、またはブロードキャスト サイズの違いは、データ保持期間に大きく影響します。 |
操作条件: • Expert Advisor ごとに 1 時間あたり 2 コール(レポーティング サーバごとに 6,000 BHCA)。 • 1 日 24 時間の完全なコール負荷(100 % のデューティ サイクル)。 • EA ごとに平均で最大 10 の割り当てキュー。 MCS-40-005-Class だけがサポートされます。 |
Cisco Unified Web および E-Mail Interaction Manager
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Cisco Unified Web および E-Mail Interaction Manager の最新のサーバ仕様およびサイジング ガイドについては、 http://www.cisco.com/en/US/products/ps7236/products_implementation_design_guides_list.html の最新のマニュアルを参照してください。 |
Cisco Unified Customer Voice Portal(Unified CVP)アプリケーション サーバおよび音声ブラウザ
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Unified CVP の最新のサーバ仕様については、以下の URL にある『 Hardware and System Software Specification for Cisco Unified CVP 』の最新版を参照してください。 http://www.cisco.com/en/US/products/sw/custcosw/ps1006/prod_technical_reference_list.html |
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最新の Unified IP IVR サーバ仕様については、以下の URL で有効なシスコの従業員またはパートナーのログインを使用して閲覧できるマニュアルを参照してください。 http://www.cisco.com/en/US/partner/prod/voicesw/networking_solutions_products_genericcontent0900aecd80710427.html |
HDS および WebView レポーティング付きの AW ディストリビュータ
HDS および WebView レポーティング付きの AW ディストリビュータをサイジングするときは、次の制限を確認する必要があります。
• 各 Router/Logger のペアで最大 4 つの HDS 付き AW ディストリビュータをサポートできます。
• WebView は個別のサーバに展開するか、または HDS 付き AW ディストリビュータと共存できます。
• WebView を個別のサーバに展開した場合、構成によっては、HDS 付き AW ディストリビュータごとに最大 4 台の WebView サーバをサポートします。
• 適切なハードウェアおよび構成では、各 WebView サーバで最大 50 のレポーティング ユーザをサポートできます。
• レポーティング ユーザは、次のことを実行するユーザとして定義されます。
– 20 秒間隔でリフレッシュする 2 つのリアルタイム レポート
各レポートは 50 以下の行を返す
モニタリング スクリプトの実行と同等
– 1 時間あたり 1 つの履歴レポート
8 時間間隔で 30 分履歴レポートを実行
40 時間間隔で日次履歴を実行
必要な WebView および HDS サーバの数の計算
次の表は、レポーティング ユーザをサポートするために必要な HDS 付き AW ディストリビュータの最低数を示します。レポートの展開によっては、リソースの割り当てを変更すると性能が向上することがあります。
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1 ~ 5 |
1 ~ 20 |
1 ~ 50 |
50 ~ 100 |
100 ~ 150 |
150 ~ 200 |
200 ~ 250 |
250 ~ 300 |
300 ~ 350 |
350 ~ 400 |
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1 HDS/WV |
1 HDS/WV |
1 HDS/WV |
1 HDS 2 WV |
1 HDS 3 WV |
1 HDS 4 WV |
2 HDS 5 WV |
2 HDS 6 WV |
2 HDS 7 WV |
2 HDS 8 WV |
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MCS-30- 004-Class |
MCS-40- 007-Class |
GEN-50- 005-Class |
GEN- 50-005 -Class |
GEN- 50-005 -Class |
GEN- 50-005 -Class |
GEN- 50-005 -Class |
GEN- 50-005 -Class |
GEN- 50-005 -Class |
GEN- 50-005 -Class |
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MCS- 40-005 |
MCS- 40-005 |
MCS- 40-005 |
MCS- 40-005 |
MCS- 40-005 |
MCS- 40-005 |
MCS- 40-005 |
(注) Unified System CCE は、共存する WebView サーバを有する Historical Data Server(HDS)だけをサポートします。
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400 ~ 450 |
450 ~ 500 |
500 ~ 550 |
550 ~ 600 |
600 ~ 650 |
650 ~ 700 |
700 ~ 750 |
750 ~ 800 |
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3 HDS 9 WV |
3 HDS 10 WV |
3 HDS 11 WV |
3 HDS 12 WV |
4 HDS 13 WV |
4 HDS 14 WV |
4 HDS 15 WV |
4 HDS 16 WV |
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GEN- 50-005 -Class |
GEN- 50-005 -Class |
GEN- 50-005 -Class |
GEN- 50-005 -Class |
GEN- 50-005 -Class |
GEN- 50-005 -Class |
GEN- 50-005 -Class |
GEN- 50-005 -Class |
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MCS- 40-005 |
MCS- 40-005 |
MCS- 40-005 |
MCS- 40-005 |
MCS- 40-005 |
MCS- 40-005 |
MCS- 40-005 |
MCS- 40-005 |
WebView および HDS サーバの最新のハードウェア仕様については、次の URL にある『 Hardware & System Software Specification (Bill of Materials) for Cisco ICM/IPCC Enterprise & Hosted Editions 』の最新バージョンを参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/custcosw/ps1844/products_implementation_design_guides_list.html
その他のサイジング要因
ハードウェア要件およびキャパシティは、Unified CCE 構成の数多くの変数および展開オプションによる影響を受けます。この項では、主要なサイジング変数と、それが各 Unified CCE コンポーネントのキャパシティへ及ぼす影響について説明します。また 表 10-4 には、サイジング変数およびその影響が要約されています。
最頻時発呼数(BHCA)
最頻時発呼数は重要なメトリックです。BHCA が増加するとすべての Unified CCE コンポーネントの負荷も増加し、特に Unified CM、Unified IP IVR、および Unified CM PG ではこの負荷が著しく増大します。エージェントのキャパシティ値では、各エージェントの 1 時間ごとの最大コール数を 30 と想定しています。エージェントごとに 1 時間あたり 30 を超えるスキル グループが必要な場合は Agent PG がサポートするエージェントの最大数も減少するため、ケースバイケースで対処する必要があります。
エージェント
Unified CM クラスタを含むほとんどの Unified CCE サーバ コンポーネントのパフォーマンスに影響を与える重要なもう 1 つのメトリックは、エージェントの数です。Unified CM コンポーネントのパフォーマンスに関するエージェントの影響については、「Cisco Unified Communications Manager サーバのサイジング」を参照してください。
エージェントあたりの平均スキル グループ
エージェントごとのスキル グループ数(システムあたりのスキルの総数とは無関係です)は、CTI OS サーバ、Agent PG、および Unified ICM Router や Logger に重大な影響を与えます。エージェントごとのスキル グループ数は可能な限り 5 以下に制限し、未使用のスキル グループがもしあれば定期的に削除してシステム パフォーマンスの低下を防いでください。また、統計情報の更新頻度の値を増やして、CTI OS サーバへの影響を管理することもできます。 表 10-3 は、エージェントあたりのスキル グループ数が Unified CCE システムのキャパシティに与える影響の例を示します。 表 10-3 の値は、「操作条件」の項に示す情報に基づいており、CTI OS インスタンスごとのキャパシティを示しています。
表 10-3 エージェントあたりスキル グループ数によるサイジングの影響
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CTI OS のキャパシティ:
Unified CCE Release 7.5(
x )
(TLS オフ)
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CTI OS のキャパシティ:
Unified CCE Release 7.5(
x )
(TLS オン)
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5 |
2,000 |
1,500 |
10 |
1,765 |
1,320 |
15 |
1,600 |
1,200 |
20 |
1,490 |
1,115 |
30 |
1158 |
868 |
40 |
821 |
616 |
50 |
484 |
363 |
スーパーバイザとチーム
スーパーバイサとチーム メンバーの数も、CTI OS サーバのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。エージェントとスーパーバイザを複数のチームに配布し、各スーパーバイザ モニタには少数のエージェントだけを展開することをお勧めします。
(注) スーパーバイザは、すべて同じペリフェラルで構成されている自分のチーム内のエージェントだけをモニタできます。
(注) チームあたりの最大スーパーバイザ数は 10 です。
Unified CCE 7. x システムでは、スーパーバイザごとに最大で 50 エージェントをサポートできます。特定の環境でスーパーバイザごとに 50 を超えるエージェントが必要な場合、次の式を使用して、CTI OS サーバおよびスーパーバイザ デスクトップに影響が及ばないことを確認する必要があります。この計算で最も重要な要素は、毎秒のアップデート数です。
X = (Y × (N + 1) / R) + ((Z × N × A) / 3600)、小数点以下は切り上げ
各記号は次の内容を表します。
X = CTI OS スーパーバイザ デスクトップが受信する毎秒のアップデート数。
Y = エージェントあたりのスキル グループ数(注:CTI OS サーバ内の構成済み統計情報の数は 17 です)。
Z = エージェントあたりの毎時のコール数。
A = エージェント状態の数(コール フローによって変化します。平均は 10 です)。
N = スーパーバイザあたりのエージェント数。
R = CTI OS サーバで構成されるスキル グループ更新間隔(デフォルトは 10 秒です)。
(Y × (N + 1) / R) = スキル グループに基づく毎秒のアップデート数。
(Z × N × A) / 3600 = コールに基づく毎秒のアップデート数。
アップデートが毎秒 31 回未満であれば、CTI OS スーパーバイザ デスクトップに影響は及びません。このしきい値は、上記の式を使用して、スーパーバイザごとのエージェント数が 50 の場合のアップデート率を次のように計算した結果です。
X = (5 × (50 + 1) / 10) + ((30 × 50 × 10) / 3600) = 25.5 + 5 = 毎秒 31 回のアップデート
(注) スーパーバイザごとの最大エージェント数は、あらゆる構成で 200 以下である必要があります。
CTI OS モニタ モード アプリケーション
CTI OS モニタ モード アプリケーションが CTI OS サーバのパフォーマンスに影響を与えることがあります。CTI OS がサポートするサーバ ペアあたりのモニタ モード アプリケーションは 2 つだけです。指定されたフィルタによっては、CPU 使用率への影響によって Agent PG のパフォーマンスが低下する場合があります。
Unified CM サイレント モニタ
サイレント モニタ対象となる各コールが増えるたびに、Unified CM だけでなく PG の処理も増えます。サイレント モニタ対象となる各コールは、エージェントへのモニタリングがされない 2 つのコールに相当します。モニタ対象コールの割合が PG のスケーラビリティの能力内に収まるようにしてください。
CTI OS スキル グループ統計の更新間隔
スキル グループ統計の更新間隔が、CTI OS サーバのパフォーマンスに影響を与えることもあります。更新間隔に、デフォルト値の 10 秒より低い値を設定しないでください。
コール タイプ
ほとんどの Unified CCE サーバ コンポーネントのパフォーマンスに影響を与える重要なもう 1 つのメトリックは、コール タイプです。転送および会議の数が増加するとシステムの負荷も増加し、キャパシティの合計は減少します。
キューイング
Unified IP IVR および Unified Customer Voice Portal(CVP)は、コールをキューに格納し、エージェントがコールに応答するまでアナウンスによる応答を行います。サイジングを行う場合は、IVR がすべてのコールを最初に処理(コール処理)してから短いキューイング期間後に発信者をエージェントに転送するのか、またはエージェントがコールを最初に処理し、すべてのエージェントが使用中の場合の未応答のコールだけを IVR のキューに格納するのかの選択が重要になります。この質問に対する回答に応じてさまざまな IVR サイジング要件が決定され、Unified ICM Router/Logger と Voice Response Unit(VRU; 音声応答装置)PG のパフォーマンスに影響が生じます。必要な VRU ポート数を判断するには、Cisco Unified CCE Resource Calculator を使用します(詳細については、「Cisco Unified CCE Resource Calculator」を参照してください)。
トランスレーション ルート プール
トランスレーション ルート プールのサイジングは、予想されるコールの着信レートに左右されます。トランスレーション ルート プールをサイジングするには、次の式を使用します。
トランスレーション ルート プール = 20 × (毎秒のコール数)
この計算は、Unified CCE に固有のものです。より一般的な Unified ICM 展開については、シスコのアカウント チームまたはパートナーにお問い合せください。
Unified ICM スクリプトの複雑さ
Unified ICM スクリプトが複雑になったり個数が増えたりすると、Unified ICM Router および VRU PG のプロセッサやメモリのオーバーヘッドが著しく増加します。この場合、実行 VRU スクリプトの再生間の遅延時間も影響を受けます。
レポーティング
リアルタイム レポーティングはデータベース アクセスを引き起こすため、Logger、Progger、および Rogger 処理に重大な影響を与えることがあります。Logger、Progger、および Rogger のレポーティング オーバーヘッドを軽減するには、アドミン ワークステーション(AW)または Historical Data Server(HDS)にそれぞれ個別のサーバを提供する必要があります。
IVR スクリプトの複雑さ
データベース クエリーなどの機能によって IVR スクリプトの複雑さが増すと、IVR サーバおよび Router の負荷も増大します。Unified IP IVR で複雑なスクリプト、複雑なデータベース クエリー、またはトランザクションベース処理を使用する場合、パフォーマンスを特徴付ける有効な方法またはベンチマークは存在しません。複雑な IVR 構成はラボまたはパイロット展開でテストし、さまざまな BHCA におけるデータベース クエリー応答時間、IVR サーバ、PG、Router のプロセッサおよびメモリに対する影響を判別することをお勧めします。
Unified IP IVR セルフサービス アプリケーション
展開された Unified IP IVR がセルフサービス アプリケーションにも使用される場合は、セルフサービス アプリケーションの負荷が Unified CCE の負荷に追加されるため、 表 10-2 に記載されているサイジング要件として考慮する必要があります。
サードパーティ データベースおよび Cisco Resource Manager の接続
すべての Unified CCE ソリューション コンポーネントと外部デバイスまたはソフトウェアとの接続を慎重に調べて、ソリューションに対する全体的な影響を判別します。Cisco Unified CCE ソリューションは柔軟性が高くカスタマイズ可能ですが、複雑になる場合があります。コンタクト センターは、ミッション クリティカルで収益に直結する、顧客と直接に対話するオペレーションとなることがしばしばです。したがって、適切な経験および Unified CCE に関する認定を取得しているシスコ パートナー(または Cisco Advanced Services)と、Unified CCE ソリューションを設計することをお勧めします。
拡張コール コンテキスト(ECC)
ECC を使用すると、PG、Router、Logger、およびネットワーク帯域幅に影響を与えます。ECC は、さまざまな方法で設定および使用できます。キャパシティに関する影響は設定した ECC によって異なるため、ケースバイケースで処理する必要があります。
Cisco Agent Desktop コンポーネントのサイジング
Cisco Agent Desktop のコンポーネントおよびアーキテクチャの詳細については、「Unified Contact Center Enterprise Desktop」を参照してください。
Cisco Agent Desktop CTI オプションのサーバ キャパシティは、エージェントの総数、Switched Port Analyzer(SPAN; スイッチド ポート アナライザ)のモニタリングおよびレコーディングを使用するかどうか、および同時レコーディング数によって変わります。
この項では、次のインストール可能な Cisco Agent Desktop Server コンポーネントのサイジングに関するガイドラインについて説明します。
• 「Cisco Agent Desktop 基本サービス」
• 「Cisco Agent Desktop VoIP モニタ サービス」
• 「Cisco Agent Desktop 録音再生サービス」
Cisco Agent Desktop 基本サービス
Cisco Agent Desktop 基本サービスは、Microsoft Windows サービスとして動作する一連のアプリケーション サーバで構成されています。この基本サービスには、チャット サービス、ディレクトリ サービス、エンタープライズ サービス、Unified IP Phone エージェント サービス、LDAP 監視サービス、ライセンスとリソース マネージャ サービス、録音と統計サービス、同期サービスが含まれます。また、この基本サービスのサーバと同じコンピュータまたは異なるコンピュータに配置できるアプリケーション サーバもあります。これらの追加アプリケーションは、VoIP モニタ サービス、録音再生サービスなどです。
単一インストールの場合も冗長インストールの場合も、Cisco Agent Desktop 基本サービスと追加アプリケーション サーバの組み合わせは、Logical Call Center(LCC; 論理コール センター)に相当し、1 つの PG ペアに関連付けられています。 表 10-5 に、さまざまな規模の企業に対して単一の LCC がサポートできるエージェントの最大数を示します。示されているよりも多くのエージェントをサポートするには、追加の CAD サービス(LCC)をインストールして PG ペアを追加できます。
表 10-5 論理コール センター(LCC)でサポートされる最大エージェント数
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CAD Browser Edition Agent
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小規模 |
150 |
150 |
150 |
150 |
中 |
500 |
500 |
500 |
500 |
大規模 |
1000 |
1000 |
10001 |
1000 |
Cisco Agent Desktop VoIP モニタ サービス
VoIP モニタ サービスでは、サイレント モニタリングおよび録音機能を使用できます。デスクトップ モニタリングの場合、VoIP モニタ サービスは Agent PG のスケーラビリティに関する設計ガイダンスに影響を与えません。Switched Port Analyzer(SPAN)モニタリングを使用した場合は、最大 100 のエージェント電話に対して VoIP モニタ サービスを Agent PG と共存させることができます。100 を超える電話に対して SPAN モニタリングおよび録音を使用する必要がある場合は、VoIP モニタ サービスを専用サーバ(MCS-30-003-Class サーバまたは同等のサーバ)に展開する必要があります。100 メガビット Network Interface Controller(NIC; ネットワーク インターフェイス コントローラ)を使用してスイッチに接続する場合、それぞれの専用 VoIP モニタ サービスでは、最大で 400 台の電話をサポートできます。ギガビット NIC を使用する場合は 1,000 台の電話をサポートできます。
Cisco Agent Desktop 録音再生サービス
録音再生サービスは、会話の録音データを保存して Supervisor Log Viewer アプリケーションで使用できるようにするものです。
CAD サーバと共存させる場合の録音再生サービスでは、最大で 32 本の会話の同時レコーディングが可能です。専用の場合の録音再生サービス(プレミアム提供時に使用可能)では、最大で 80 本の会話の同時レコーディングが可能です。録音再生サービスのキャパシティは使用するコーデックに依存 しません 。
表 10-6 に、録音再生サービスのキャパシティの概要を示します。
表 10-6 録音再生サービスのキャパシティ
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共存 |
32 |
専用 |
80 |
システム パフォーマンス モニタリング
エンタープライズ ソリューションのサポートおよび保守には、多くの手順と手続きを必要とします。お客様の環境によって、サポートの手続きも変わります。システム パフォーマンス モニタリングは、システムの保守に役立つ手続きの 1 つです。この項では、システムが許容性の範囲内で実行されていることを確認するための Unified CCE のモニタリングについて説明します。システム モニタリングは、システムを拡張またはアップグレードする場合は特に重要です。多くのアクティビティを実行する時間には、システムをモニタリングする必要があります。
モニタリングには、次のシステム コンポーネントが不可欠です。
• CPU
• メモリ
• ディスク
• ネットワーク
次のリストは、不可欠なシステム コンポーネントの重要なカウンタのいくつかと、そのしきい値を強調表示します。
• CPU のモニタリング
– %ProcessorTime。このカウンタのしきい値は 60 % です。
– ProcessorQueueLength。この値は(2 ×(システムの CPU の総数))以下にする必要があります。
• メモリのモニタリング
– % Committed Bytes。この値は(0.8 ×(物理メモリの総量))未満を維持する必要があります。
– Memory¥Available MByte。この値は 16MB 以上であることが必要です。
– Page File %usage。このカウンタのしきい値は 80 % です。
• ディスク リソースのモニタリング
– AverageDiskQueueLength。この値は(1.5 ×(アレイのディスク総数))未満を維持する必要があります。
– %Disktime。この値は 60 % 未満を維持する必要があります。
• ネットワーク リソースのモニタリング
– NIC¥bytes total/sec。この値は(0.3 × (NIC の物理サイズ))未満を維持する必要があります。
– NIC¥Output Queue Length。このカウンタのしきい値は 1 です。
• Unified CCE アプリケーションのモニタリング
– Cisco Unified ICM Router(_Total)¥Agents Logged On
– Cisco Unified ICM Router(_Total)¥Calls in Progress
– Cisco Unified ICM Router(_Total)¥calls /sec
(注) 上記の CPU、メモリ、ディスク、およびネットワークのパフォーマンス カウンタは、展開内のすべてのサーバに適用されます。推奨するサンプル レートは 15 秒です。