Cisco Unified Mobile Agent アーキテクチャ
Cisco Unified Mobile Agent は、モバイル エージェントの電話(エンドポイント)および発信者の電話(エンドポイント)のプロキシとして機能する CTI ポートのペアを使用します。ログインしたすべてのモバイル エージェントには 2 つの Computer Telephony Integration(CTI; コンピュータ テレフォニー インテグレーション)ポート(ローカルおよびリモート)が必要です。この 2 つの CTI ポートは、Unified CM JTAPI がモニタリングおよび制御する Cisco IP Phone の代わりになります。ログイン時にローカル CTI ポートの Directory Number(DN; ディレクトリ番号)がエージェントによって使用され、このエージェントが選択されると、発信者がこのポートにルーティングされます。リモート CTI ポートは、ネイルドアップの場合はログイン時、コールバイコール接続の場合は選択されたときにエージェントにコールします。その後、メディア リダイレクションを介して、CTI ポートは 2 つの Voice over IP(VoIP; ボイス オーバー IP)エンドポイントに対して Real-Time Transport Protocol(RTP; リアルタイム トランスポート プロトコル)パケットを直接ストリーム化するよう指示します。さらにコール制御(転送、会議、保留、復帰、リリース)が要求されるまで、CTI ポートからは何も行われません。後続のすべてのコール制御は、エージェント デスクトップ アプリケーションから実行する必要があります。次に、Peripheral Gateway(PG; ペリフェラル ゲートウェイ)は必要な後続のコール制御を JTAPI 経由で 2 つの CTI ポートの Unified CM に転送し、コールのメディアに必要な処理を実行します(図 6-1 を参照)。
図 6-1 Cisco Unified Mobile Agent アーキテクチャ
2 つの CTI ポート(ローカルおよびリモート)は、必要な文書化された命名規則をとおして論理的および静的に PG ソフトウェアにリンクされます。CTI ポートは PG の初期化時に登録されます。モバイル エージェントがこれらの 2 つの CTI ポートを使用してログインすると、これらの CTI ポートにコール オブザーバが追加されます。CTI ポートのコール制御(およびコール)は、PG によって提供されます。以前に説明したように、音声パスは 2 つの音声ゲートウェイ間にあります。
モバイル エージェントがオフィスにある場合、エージェントは JTAPI がモニタリングおよび制御している電話から、同じエージェント ID を使用して非モバイル エージェントとしてログインできます(このマニュアルでは、これらの非モバイル エージェントをローカル エージェントと呼びます)。履歴コール レポートでは、モバイル エージェントとして処理されるコールと、ローカル エージェントとして処理されるコールは区別されません。
Unified CCE 7.1 およびモバイル エージェント機能は、Unified CM 4.1(3)または 4. x リリース以降および Unified CM 5.0(2)または 5. x リリース以降でサポートされます。
モバイル エージェント機能は、System PG と Generic PG の両方でサポートされます。
モバイル エージェントに対するコールのキューイングは、Cisco Unified IP Interactive Voice Response(Unified IP IVR; Cisco Unified IP 音声自動応答装置)および Cisco Unified Customer Voice Portal(Unified CVP)の両方でサポートされます。
接続モード
Cisco Unified Mobile Agent では、管理者は、コールバイコール ダイヤリングまたは固定接続のいずれかを使用するようにエージェントを設定できます。また、ログイン時に選択するようエージェントを設定することもできます。
[Call-by-Call] 接続モード
コールバイコール ダイヤリング設定では、着信コールのたびにエージェントのリモート電話がダイヤルされます。コールが終了すると、エージェントが次のコールに応答可能になる前にエージェントの電話が切断されます。
このタイプのダイヤリングの基本的なコール フローは次のとおりです。
1. ログイン時に、モバイル エージェントはそのログイン名またはエージェント ID、パスワード、機器(CTI OS)または拡張(Cisco Agent Desktop)としてのローカル CTI ポート DN 、またはコールする際の電話番号を指定します。この CTI ポート DN は、エージェントのロケーションに基づいて管理者が慎重に選択する必要があります。エージェントのロケーションの詳細については、「エージェント ロケーションとコール アドミッション コントロールの設計」を参照してください。
2. 顧客コールがシステムに届くと、標準の ICM 設定およびスクリプティングを使ってスキル グループまたはエージェントのキューに入れられます。この処理はローカル エージェントの場合と同じです。
3. コールに対してエージェントが選択され、エージェントがモバイル エージェントである場合は、モバイル エージェントの新しい処理が開始されます。ルータはエージェントのローカル CTI ポートのディレクトリ番号をルーティング ラベルとして使用します。
4. エージェントのローカル CTI ポートで、着信コールの呼び出し音が鳴ります。ICM Agent PG にはローカル CTI ポートの呼び出し音が鳴っていることが通知されますが、ICM Agent PG はすぐにコールに応答しません。発信者は、この時点で呼び出し音を聞きます。
5. 同時に、エージェントに対するコールは、選択されたエージェントのリモート CTI ポートから開始されます。接続時間によっては、このプロセスの完了まで時間がかかる場合があります。エージェントが設定された時間内に応答しない場合、RONA 処理が開始されます。
6. エージェントがオフフックにして電話に応答すると、この 2 番目のコールは一時的に保留になります。その時点で、最初の顧客コールが応答されて、コールはエージェント コール メディア アドレスに転送されます。このエージェント コールは保留が解除されて、顧客コール メディア アドレスに転送されます。結果として、2 つの VoIP エンドポイント間に直接 RTP ストリームが生成されます。
7. コールが終了すると、両方の接続が切断されて、エージェントは、エージェント設定およびエージェント デスクトップ入力に応じて、受信可能、受信不可、またはラップアップに設定されます。
エージェント電話が音声メールで設定されている場合、音声メールを無効にして、RONA コール処理が行われるようにする必要があります。
コールバイコール接続では、エージェントはオフフックにして電話に応答する必要があります。エージェント デスクトップの [Answer] ボタンは有効化されません。
モバイル エージェント電話をオフフックにするコール制御メカニズムはないため、コールバイコール接続では自動応答は実行できません。
[Nailed Connection] モード
ネイルドアップ モードでは、エージェントはログイン時に一度呼び出され、複数の顧客コールの回線は接続されたまま維持されます。
この接続タイプの基本的なコール フローは次のとおりです。
1. モバイル エージェントは、ログイン時に、自身のエージェント ID、パスワード、ローカル CTI ポート DN(CTI OS の場合は [Instrument] フィールド、Cisco Agent Desktop の場合は [Extension] フィールドに入力)、およびコールする際の電話番号を指定します。この CTI ポート DN は、管理者がエージェントのロケーションに基づいてあらかじめ選択します。
2. モバイル エージェントがログイン時に指定したローカル CTI ポートに(PG によって)静的に関連付けられたリモート CTI ポートから、ログイン時に入力された電話番号へのコールが開始されます。エージェントが応答すると、コールはただちに保留状態になります。このプロセスが完了するまで、エージェントはログインして受信可能な状態にあるとは見なされません。
3. 顧客コールがシステムに届くと、標準の ICM 設定およびスクリプティングを使ってスキル グループまたはエージェントのキューに入れられます。この処理はローカル エージェントの場合と同じです。
4. コールに対してエージェントが選択され、エージェントがモバイル エージェントである場合は、モバイル エージェントの新しい処理が開始されます。
5. エージェントがログイン時に指定したローカル CTI ポートにコールが着信します。JTAPI ゲートウェイは、CTI ポートに着信があり、そのコールがただちに応答されていないことを検出します。発信者は、この時点で呼び出し音を聞きます。
6. エージェントのデスクトップはコールが着信していることを示しますが、エージェントの電話はすでに受話器が外れているので、着信音は鳴りません。エージェントが設定された時間内に応答しない場合、RONA 処理が開始されます。
7. エージェントが [Answer] ボタンを押してコールを受けると、顧客コールは応答状態になり、エージェント コール メディア アドレスに顧客コールが向けられます。このエージェント コールは保留が解除されて、顧客コール メディア アドレスに転送されます。
8. コールが終了すると、顧客接続は切断され、エージェント接続は保留状態に戻ります。エージェントの状態は、エージェント設定とエージェント デスクトップへの入力に応じて、受信可能、受信不可、ラップアップのいずれかに設定されます。
ネイルドアップ モバイル エージェントがログオフするには、デスクトップを使用するか、単に受話器を置きます。
ネイルドアップでは自動応答が可能です。
モバイル エージェントのネイルドアップ コールは次の 2 種類の Unified CCM タイマーによって終了可能で、このタイマーによってネイルドアップ モバイル エージェントをログアウトさせることができます。
• Maximum Call Duration タイマー(デフォルト値は 720 分)
• Maximum Call Hold タイマー(デフォルト値は 360 分)
モバイル エージェントをログインしたままにしておくには、両方のタイマーの値を 0 に設定して、タイマーが終了しないようにします。これらのタイマーを設定するには、Unified CCM 管理 Web ページから Cisco CallManager サービスのサービス パラメータを編集します。
ファイアウォールを含む展開では、ファイアウォールの H.323 タイムアウト値(通常は 5 分)よりも長い間、ネイルドアップ モード エージェントのアイドル状態が続くと、ファイアウォールの H.323 タイムアウトが経過したときにメディア ストリームがファイアウォールによってブロックされる場合があります。これを防ぐには、ファイアウォールの H.323 タイムアウト値を大きくします。
ネイルドアップ モバイル エージェント用のモバイル エージェント接続トーン
Cisco Unified Mobile Agent の接続トーンは、ネイルドアップ モバイル エージェントにコールが配信されたときに音で知らせます。この接続トーンは 2 回のビープ音で、ネイルドアップ モバイル エージェントがコールの応答中のときに聞こえます。この機能はデフォルトではオフになっています。モバイル エージェントの接続トーンを有効にする方法については、『 Cisco Unified Contact Center Enterprise Release Notes 』を参照してください。この資料は次の URL から入手できます。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/custcosw/ps1844/prod_release_notes_list.html
サポートされているモバイル エージェントおよび発信者の VoIP エンドポイント
Cisco Unified Mobile Agent は、Cisco Voice Gateway にルーティングされる任意の PSTN 電話を使用して Unified CCE にログインできます。その音声ゲートウェイは、関連付けられた ICM Agent PG と同じ Unified CM クラスタに登録することも、別の Unified CM クラスタに登録することも可能です。電話に加えて、Cisco Unified Mobile Agent ではエージェント デスクトップ アプリケーションも使用する必要があります。
モバイル エージェントのために、Unified CM および Unified CCE でサポートされている任意の音声ゲートウェイがサポートされています。発信者(入力)およびモバイル エージェント(出力)音声ゲートウェイでは、H.323、Media Gateway Control Protocol(MGCP; メディア ゲートウェイ コントロール プロトコル)、Session Initiation Protocol(SIP; セッション開始プロトコル)のいずれかを設定でき、音声ゲートウェイ タイプの組み合せもサポートされます。スーパーバイザ向けサイレント モニタリングが不要な場合、入力音声ゲートウェイと出力音声ゲートウェイは同じ音声ゲートウェイにできます。
Cisco Unified Mobile Agent のログインには Cisco IP Phone も使用できます。SIP または Skinny Client Control Protocol(SCCP; Skinny クライアント コントロール プロトコル)用に設定された IP Phone がサポートされており、その両方のプロトコルを組み合せることもできます。この IP Phone は、関連付けられた ICM Agent PG と同じ Unified CM クラスタに登録することも、別の Unified CM クラスタに登録することも可能です。モバイル エージェントへのコールの発信にも、SIP または SCCP IP Phone を使用できます。
エージェントの使用する IP Phone がその関連付けられた ICM Agent PG と同じクラスタに登録されている場合は、エージェントがモバイル エージェント機能の代わりに Extension Mobility を利用すると、Unified CM のパフォーマンスの面で有利です。ただし、その IP Phone デバイスは ICM JTAPI ユーザに関連付ける必要があり、その関連付けを行うために Unified CM にわずかに余計な負荷がかかります。
図 6-2 では、音声ゲートウェイ 1A と 1B はどちらもクラスタ 1 に登録されており、音声ゲートウェイ 2 はクラスタ 2 に登録されています。入力音声ゲートウェイ 1A に到達したコールは、4 名のエージェントのいずれにもルーティングできます。モバイル エージェント 4 の IP 電話(JTAPI によってモニタリングも制御もされていない)はクラスタ 2 に登録されており、クラスタ 2 には PG はありません。モバイル エージェント 3 のサイレント モニタリングが必要な場合は、音声ゲートウェイ 2 を通じて接続するエージェントのためにサイレント モニタリング サーバを配置する必要があります。
図 6-2 モバイル エージェントのコール シナリオ
Mobile Agent ソリューションを設計する際は次の要素について考慮してください。
• ある PG 上のモバイル エージェントが別の PG 上の別のモバイル エージェントにコールする場合に、両方の PG が同じ Unified CM クラスタに接続されているときは、ブラインド転送とブラインド会議だけがサポートされます。
• Mobile Agent デバイスとして SCCP IP Phone を使用している場合に、Mobile Agent のローカル CTI ポートとリモート CTI ポートが互いに異なるクラスタ上にあり、それらのクラスタが SIP トランクで接続されているときは、Mobile Agent コールがクラスタ間で機能するように、SIP トランクの少なくとも一方の側で [MTP required] をオンにする必要があります。H.323 トランクの場合は、Mobile Agent コールのために Media Termination Point(MTP; メディア ターミネーション ポイント)は必要ではありません。
• 複数のクラスタでモバイル エージェント機能を使用する場合、異なるクラスタ上の Mobile Agent 間のコールには MTP の使用が必要です。クラスタ間トランクで MTP の使用を有効にすると、そのトランクを通過するすべてのコール(コンタクト センター以外のコールも含む)が影響を受けます。トランクを通過するコールの数に十分対応できる数の MTP を使用できるようにしてください。
エージェント ロケーションとコール アドミッション コントロールの設計
モバイル エージェントが使用する CTI ポートのペアは、エージェントの VoIP エンドポイントと同じロケーションにある Unified CM で設定する必要があります。CTI ポートは仮想タイプのエンドポイントなので、任意の場所に配置できます。システム管理者は、モバイル エージェントの CTI ポートのロケーションを決定する際、正しいロケーションを選ぶように注意する必要があります。また、コール センターのスーパーバイザも、モバイル エージェントに割り当てられた CTI ポートのペアが、そのエージェントをコールする音声ゲートウェイ(または VoIP エンドポイント)と同じロケーションにあることを確認する必要があります。CTI ポートのロケーションが間違って設定されている場合、またはモバイル エージェントに割り当てられた CTI ポートのペアが、そのモバイル エージェントをコールする音声ゲートウェイとは異なるロケーションにある場合、コール アドミッションは正しく評価されません。
たとえば、図 6-2 のモバイル エージェント 3 の番号は 972-2003 で、Unified CM クラスタ 1 および 2 のダイヤル プランは、音声ゲートウェイ 2 を介してコールを 972-2003 にルーティングするように設定されているものとします。通常の動作では、エージェント 3 は、クラスタ 1 からクラスタ 2 へのクラスタ間トランクと同じ場所に設定されている CTI ポートのペアを使用してログインする必要があります。このように設定すると、コール アドミッション コントロールは VoIP WAN 2 を経由したこのモバイル エージェントへのコールを正しく処理できます。エージェント 3 が音声ゲートウェイ 1B と同じ場所の CTI ポート ペアを使用してログインした場合、コール アドミッション コントロールは、コールが VoIP WAN 2 ではなく VoIP WAN 1 を経由したものと誤って判断します。
コール アドミッション コントロールは、このモバイル エージェントのコールを完全に異なる 2 つのコールとして認識します。call leg 1 は発信者からエージェントのローカル CTI ポートへのコールであり、call leg 2 はリモート CTI ポートからエージェントへのコールです。CTI ポートはエージェントのエンドポイントと同じ場所にあるので、コール アドミッション コントロールは(通常のコールとまったく同じように)発信者の場所からエージェントの場所へのコールだけを処理します。そのため、エージェントが現在の場所の CTI ポートを使用することが重要になります。
モバイル エージェントの CTI ポートに対するコール アドミッション コントロールの場所の観点からは、3 種類の展開シナリオがあります。図 6-2 では、エージェント 1 は、エージェントを呼び出す出力音声ゲートウェイ(音声ゲートウェイ 1B)と同じ場所で設定された CTI ポートを使用する必要があります。エージェント 2 は、入力音声ゲートウェイ(音声ゲートウェイ 1A)と同じ場所に設定された CTI ポートを使用する必要があります。エージェント 3 と 4 はどちらも、クラスタ 1 からクラスタ 2 へのクラスタ間トランクと同じ場所の CTI ポートを使用する必要があります。各場所はモバイル エージェントによって使用される可能性があるので、ローカルおよびリモートの CTI ポートのプールが必要です。図 6-2 で示されている CTI ポートの 3 つのプールは、エージェントの VoIP エンドポイントの種類(音声ゲートウェイまたは IP 電話)と共存するように図示されています。
発信者とエージェントは、別の Unified CM クラスタ上の VoIP エンドポイントを使用することもできます。図 6-2 で示されているように、この構成では、リモートの場所のエージェントを、異なる Unified CM クラスタと関連付けられているローカル音声ゲートウェイから呼び出すことができます。ただし、サイレント モニタリングが必要な場合は、リモート サイトにエージェントの(出力)音声ゲートウェイだけでなくモニタリング サーバも必要です。サイレント モニタリングの詳細については、「CTI OS サイレント モニタリング」を参照してください。
コール アドミッション コントロールの設計の詳細については、次の URL にある『 Cisco Unified Communications SRND 』の「 Call Admission Control 」の章を参照してください。
http://www.cisco.com/go/designzone
ダイヤル プランの設計
前の項で説明したように、モバイル エージェントがログイン時に指定した電話番号をリモート CTI ポートが呼び出したときは、モバイル エージェントの CTI ポートと同じ場所にある音声ゲートウェイにルーティングするよう、Unified CM のダイヤル プランを設定する必要があります。そうでないと、コール アドミッション コントロールのアカウンティングが正しく動作しません。
Unified CM ダイヤル プランのもう 1 つの可能な設計は、呼び出されている電話番号に関係なく CTI ポートからのすべてのコールが特定のゲートウェイを通過するように設定する方法です。モバイル エージェント用に専用のゲートウェイを用意する場合は、これが適切な設定です。この設定は、管理は簡単ですが、PSTN トランクの利用率の観点からは必ずしも最も効率的な設定とはいえません。
ダイヤル プランの設計の詳細については、 http://www.cisco.com/go/designzone にある『 Cisco Unified Communications SRND 』の「 Dial Plan 」の章を参照してください。
保留音の設計
エージェントが通話を保留するときに発信者のために音楽を流す場合は、ローカル CTI ポートで Music on Hold(MoH; 保留音)を設定する必要があります。MoH が WAN リンク上を不必要に流れないよう、VoIP エンドポイントと共存する音源を CTI ポートに設定することが重要です。リモート CTI ポートの場合は、保留音を無効(オフ)にすることをお勧めします。
ネイルドアップ モバイル エージェントのリモート コールは、エージェントに対してアクティブなコールがないときは保留されます。一般に、ネイルドアップのコールに対しては MoH を有効にすることをお勧めします。MoH リソースが問題である場合は、マルチキャスト MoH サービスを検討する必要があります。
コールに関連付けられたネイルドアップ モバイル エージェントのリモート電話デバイスに対して MoH が無効になっている場合、モバイル エージェントのリモート電話を制御するコール処理エージェントを使用して、保留中のエージェントの電話に保留音を再生できます。Unified CM の場合、保留音はデフォルトで有効になっており、モバイル エージェント接続トーンとよく似ています。Unified CM の保留音が有効になっている場合、エージェントがモバイル エージェント接続トーンを聴いてコールの着信かどうかを識別するのは非常に困難です。したがって、Unified CM で [Tone on Hold Timer] サービス パラメータの設定を変更し、Unified CM の保留音を無効にすることをお勧めします。このパラメータの設定の詳細については、 http://www.cisco.com で Unified CM の製品ドキュメントを参照してください。
MoH の設計の詳細については、 http://www.cisco.com/go/designzone にある『 Cisco Unified Communications SRND 』の「 Music on Hold 」の章を参照してください。
コーデックの設計
入力と出力の音声ゲートウェイ間のメディア ストリームには G.711 または G.729 を使用できますが、1 つの PG に対するすべての CTI ポートが同じコーデック タイプをアドバタイズする必要があるため、G.711 と G.729 を混在させることはできません。この要件のため、(G.729 ではなく)G.711 のコールが WAN 上を送信されることになります。ほとんどのコールが入力音声ゲートウェイと同じ場所のエージェントにルーティングされる場合は、若干の G.711 コールを WAN 経由で送信しても問題にはなりません。代わりの方法としては、すべてのモバイル エージェント コールを G.729 にします。Unified CCE コール全体のうち WAN セグメントを常に通過する部分が非常に大きい場合は、すべての CTI ポートを G.729 に設定すると効果があります。ただし、一部のモバイル エージェント コールに G.711 を使用し、他のコールに G.729 を使用することはできません。CTI ポートには、出入りするすべてのコールが同じ符号化フォーマットを使用するように、専用のリージョンが必要です。
サイレント モニタリングについては、CTI OS Supervisor Desktop は G.711 または G.729 をサイレント モニタできます。すべてのモバイル エージェントは同じコーデックを使用する必要がありますが、スーパーバイザのチームのローカル エージェントはコーデックを混合して使用できます。サイレント モニタリングの詳細については、「CTI OS サイレント モニタリング」を参照してください。
コーデックの設計上の注意点に関する詳細については、 http://www.cisco.com/go/designzone にある『 Cisco Unified Communications SRND 』の「 Media Resources 」の章を参照してください。
モバイル エージェントの DTMF に関する考慮事項
ナビゲートに DTMF が必要な IVR などのネットワーク コンポーネントに対してモバイル エージェントがコンサルト コールを送信する場合、MTP リソースが必要になることがあります。モバイル エージェント機能は Cisco Unified CM CTI ポートに依存していますが、このポートはインバンド DTMF(RFC 2833)をサポートしません。モバイル エージェントが使用するエンドポイントでインバンド DTMF だけがサポートされている場合(または、RFC 2833 に従ってインバンド DTMF を使用するように設定されている場合)、Unified CM は、機能のミスマッチにより MTP リソースを自動的に挿入します。インバンド DTMF(RFC 2833)がモバイル エージェントのコール フローに必要な場合は、十分な数の MTP リソースを使用できるようにする必要があります。
モバイル エージェントを使用した Cisco Unified Border Element に関する考慮事項
Cisco Unified Border Element やその他のセッション ボーダー コントローラなどの SIP デバイスには、コール中にメディア ポートを動的に変更できるものがあります。この場合、モバイル エージェント機能を使用するならば、エージェントのエンドポイントに接続する SIP トランク上に MTP リソースが必要になります。
Cisco Unified Mobile Agent のインターフェイス
IP Phone Agent(IPPA)はモバイル エージェントに適用可能なエージェント インターフェイスではありません。IPPA は、JTAPI によって監視および制御された、XML アプリケーションをサポートする電話からのみ使用できます。
Cisco Agent Desktop
Cisco Agent Desktop 7.1 はモバイル エージェントをサポートします。エージェントのログイン時に、モバイル エージェント モードが選択されている場合は、モバイル エージェントのログイン ダイアログ ボックスがエージェントに対して表示されます。モバイル エージェントは、ローカル CTI ポート拡張、コール モード、およびダイヤル可能な電話番号を指定する必要があります(図 6-3 を参照)。
図 6-3 モバイル エージェントのログイン
(注) 指定する電話番号は、エージェントによって使用される CTI ポート ペアと同じ場所の VoIP エンドポイント(音声ゲートウェイ、IP Phone、またはクラスタ間トランク)にルーティングする必要があります。そうでないと、コール アドミッション コントロールが正しく動作しません。
Cisco Supervisor Desktop(CSD)を使用するスーパーバイザは、Cisco Agent Desktop(CAD)を使用するモバイル エージェントの状態およびリアルタイムの統計情報を表示できます。また、Cisco Supervisor Desktop を使用するスーパーバイザは、Cisco Agent Desktop を使用するモバイル エージェントの通話に介入したり代行受信したりすることもできます。CSD を使用するスーパーバイザは、CTI-OS ツールキット アプリケーションを使用するエージェントを管理できません(統計情報の表示、サイレント モニタ、録音、介入、代行受信)。
CAD のサイレント モニタリングおよび録音
CAD 7.1(2)以降、Cisco Supervisor Desktop(CSD)は、モバイル エージェント音声ゲートウェイの CAD Switched Port Analyzer(SPAN; スイッチド ポート アナライザ)ポート モニタリングを使用するモバイル エージェントのサイレント モニタリングおよび録音を行うことができます。ただし、Cisco Unified Mobile Agent は、Cisco Unified Communications Manager 6.0 で導入された Unified CM サイレント モニタリングの使用をサポートしていません。
CAD SPAN ポート モニタ サーバは、デスクトップ モニタリングが不可能な場合に、エージェントの RTP ストリームにアクセスするメカニズムを提供します(主に、CAD モバイル エージェント、CAD IP Phone エージェント、またはエージェント ワークステーションへの接続用のデータ ポートを持たないローエンドの IP Phone を使用するエージェントの場合)。スーパーバイザが CSD アプリケーションの [Silent Monitor] ボタンをクリックすると、CSD アプリケーションは、そのエージェントの SPAN ポート モニタ サーバに、そのエージェントに対する両方の RTP ストリームのコピーを CSD アプリケーションに転送するように要求します。その後、CSD アプリケーションは、2 つの RTP ストリームを混合し、結果の音声ストリームをスーパーバイザ ワークステーションのスピーカーを通して再生します。サイレント モニタリングは、SPAN ポート モニタ サーバから CSD ワークステーションに送られる 2 つの一方向 RTP ストリームを使用します。
CSD を使用するスーパーバイザが CAD を使用するエージェントを録音する場合、[Record] ボタンをクリックすると、CSD アプリケーションは、ディスクに保存する両方の RTP ストリームのコピーを CAD 録音サーバに転送するよう適切な SPAN ポート モニタ サーバに要求するよう、録音サーバに要求します。エージェントも、CAD アプリケーションの [Record] ボタン(有効な場合)をクリックすることで通話が録音されるように要求できます。このボタンをクリックしても、ディスクに保存するため両方の RTP ストリームのコピーを録音サーバに転送する適切な SPAN ポート モニタ サーバを要求するよう、録音サーバに要求が送信されます。録音時には、SPAN ポート モニタ サーバから CAD 録音サーバに 2 つの一方向 RTP ストリームが送られます。
エージェントの音声ゲートウェイの CAD SPAN ポート モニタリングは、ローカル エージェントの Cisco IP Phone の CAD SPAN ポート モニタリングとは若干異なります。Unified CCE ローカル エージェントによって使用されている、JTAPI でモニタリングおよび制御された Cisco IP Phone の Local Area Network(LAN; ローカル エリア ネットワーク)セグメントの SPAN を実行するとき、CAD SPAN ポート モニタリング ソフトウェアは、ローカル エージェントの Cisco IP Phone の Media Access Control(MAC; メディア アクセス制御)アドレスを持つ RTP パケットを検索します。モバイル エージェントの音声ゲートウェイの LAN セグメントの SPAN を実行するときは、CAD SPAN ポート モニタリング ソフトウェアは、エージェントの音声ゲートウェイの IP アドレスおよびポートと送受信される RTP パケットを検索します。
単一の CAD SPAN ポート モニタ サーバで、ローカル エージェントの Cisco IP Phone とモバイル エージェントの複数の音声ゲートウェイの両方を含むネットワーク セグメントの SPAN を実行できます。CAD SPAN ポート モニタ サーバは十分にインテリジェントであり、Cisco IP Phone を使用するローカル エージェントでも、エージェントの音声ゲートウェイを介して接続されているモバイル エージェントでも、エージェントの RTP ストリームを検出できます。CAD では、PG インスタンスに対する 1 つの CAD の展開で、最大 5 つの CAD SPAN ポート モニタ サーバをサポートできます。音声ゲートウェイは特定の SPAN ポート モニタ サーバに静的に対応付けられ、複数のエージェント音声ゲートウェイを同じ SPAN ポート モニタ サーバに対応付けることができます(ネットワーク SPAN がそのように設定されている場合)。CAD 管理で SPAN ポート モニタ サーバに静的に関連付けられるローカル CAD エージェントとは異なり、モバイル CAD エージェントは特定の SPAN ポート モニタ サーバには対応付けられません。したがって、(デスクトップ モニタリングを使用していない)CAD エージェントがローカル エージェントの場合、その CAD エージェントは、関連付けられた SPAN ポート モニタ サーバによって SPAN を実行されている適切な LAN セグメント上の IP Phone を使用する必要があります。ただし、同じエージェントがモバイル エージェントとしてログインしている場合は、RTP ストリームにアクセスするためにどの音声ゲートウェイまたは SPAN ポート モニタ サーバが使用されるのかを気にする必要はありません。
CAD SPAN ポート モニタ サーバはエージェントの PG とは別に動作する必要があり、RTP ストリームを取得するには、1 つの Network Interface Controller(NIC; ネットワーク インターフェイス コントローラ)が Cisco Catalyst スイッチの SPAN ポートに接続されている必要があります。CSD や CAD 録音サーバなどの他の Unified CCE コンポーネントと通信するには、SPAN ポート モニタ サーバ上にもう 1 つの NIC インターフェイスも必要です。SPAN ポート モニタ サーバには冗長性はありません。
CAD SPAN ポート モニタ サーバは G.711 と G.729 の両方の RTP ストリームをサポートしますが、暗号化された RTP ストリームはサポートできません。
入力(またはカスタマー)音声ゲートウェイの CAD SPAN ポート モニタリングはサポートされません。Cisco IP Phone を使用するモバイル エージェントの CAD SPAN ポート モニタリングもサポートされません。SPAN ポート モニタリングが動作するためには、コールが出力(またはエージェント)音声ゲートウェイを通過する必要があり、出力音声ゲートウェイが入力音声ゲートウェイとは異なる音声ゲートウェイである必要があります。
CAD のスーパーバイザ向けサイレント モニタリングと録音の詳細については、「Unified Contact Center Enterprise Desktop」を参照してください。
CTI OS
CTI OS 7.1 以降のリリースはモバイル エージェントをサポートします。モバイル エージェント機能を使用するには、システム管理者は、インストール中またはインストール後、CTI OS のセットアップ プログラムを実行している間に、モバイル エージェントを有効にする必要があります。CTI OS エージェント デスクトップには、モバイル エージェントを有効にした後にだけ [Mobile Agent] チェックボックスが表示されます。
エージェントのログイン時に、モバイル エージェント モードが選択されている場合は、モバイル エージェントのログイン ダイアログ ボックスがエージェントに対して表示されます。モバイル エージェントは、機器としてローカル CTI ポート拡張を指定し、コール モードを選択し、ダイヤル可能な電話番号を指定する必要があります(図 6-4 を参照)。
図 6-4 CTI OS ログイン
(注) 指定する電話番号は、エージェントによって使用される CTI ポート ペアと同じ場所の VoIP エンドポイント(音声ゲートウェイ、IP Phone、またはクラスタ間トランク)にルーティングする必要があります。そうでないと、コール アドミッション コントロールが正しく動作しません。
CTI OS スーパーバイザ デスクトップを使用するスーパーバイザは、CTI OS エージェント デスクトップを使用するモバイル エージェントの状態およびリアルタイムの統計情報を表示できます。また、CTI OS スーパーバイザ デスクトップを使用するスーパーバイザは、CTI OS エージェント デスクトップを使用するモバイル エージェントの通話の介入、代行受信、およびサイレント モニタを行うこともできます。CTI OS ではエージェント コールを録音できません。
CTI OS サイレント モニタリング
CTI OS 7.1 以降のリリースでは、CTI OS エージェント デスクトップを使用してモバイル エージェントをサイレント モニタする手段がスーパーバイザ向けに提供されています。CTI OS には、別のサーバで実行するサイレント モニタリング サービスが含まれます。モバイル エージェント向けのサイレント モニタリング サービスを使用するには、Cisco Catalyst スイッチの SPAN ポートに接続される物理的な CTI OS サイレント モニタ サーバ上に NIC インターフェイスが必要です。Catalyst スイッチは、複数の入力音声ゲートウェイまたは出力音声ゲートウェイのどちらか一方を含む Virtual Local Area Network(VLAN; バーチャル ローカルエリア ネットワーク)セグメントを SPAN できますが、両方が含まれる場合はできません。
SPAN ポートに接続されたサーバの NIC インターフェイスはスーパーバイザ デスクトップおよび他の Unified CCE コンポーネントとの通信に使用できないので、NIC インターフェイスは SPAN ポートへの接続専用にする必要があります。本稼動の展開に必要なデュプレックス Unified CCE のインストールでは、第 2 のサーバの NIC インターフェイスはプライベート WAN 接続に使用されるので、サイレント モニタリングには使用できません。したがって、デュプレックス Unified CCE のインストールでは、図 6-2 に示されているように、別のサーバを展開してサイレント モニタ サービスを実行する必要があります。1 つの NIC インターフェイスはスーパーバイザ デスクトップと通信し、もう 1 つの NIC インターフェイスは Cisco Catalyst スイッチの SPAN ポートへの接続に使用されます。サイレント モニタリング サービスは複数の入力音声ゲートウェイまたは出力音声ゲートウェイの(両方ではなく)どちらか一方をモニタでき、1 つの CTI OS インスタンスで動作できるモニタリング サービスは 2 つだけです。ただし、Unified CM クラスタでは、さらに多くのモニタリング サーバが必要な場合は複数の PG をサポートできます。
IP Phone を使用するモバイル エージェントは、デスクトップ モニタリングを使用して RTP ストリームを取得できます。
CTI OS スーパーバイザ デスクトップは、G.711 と G.729 の両方のメディア ストリームのサイレント モニタリングをサポートします。エージェント コールでどの符号化フォーマットが使用されていても、スーパーバイザ デスクトップにはそのコピーが送信されます。モニタリング サーバからスーパーバイザ デスクトップには 2 つの単方向メディア ストリームがあり、これはエージェント コールの双方向メディア ストリームを表すことに注意してください。スーパーバイザ デスクトップは、これらのメディア ストリームを混合し、混合結果のメディア ストリームをスーパーバイザ ワークステーションのサウンド リソースを通して再生します。
CTI OS スーパーバイザ デスクトップを使用すると、同じ CTI OS インスタンス上の CTI OS サイレント モニタリング サービスによって SPAN されている任意の音声ゲートウェイに接続されたモバイル CTI OS エージェントをサイレント モニタできます。スーパーバイザの CTI OS スーパーバイザ デスクトップでは、デスクトップ モニタリングを使用して、ローカル CTI OS エージェントのサイレント モニタリングを実行することもできます。デスクトップ モニタリングの詳細については、「Unified Contact Center Enterprise Desktop」の章を参照してください。
CAD の SPAN ポート モニタリングとは異なり、CTI OS の SPAN ポート モニタリングでは、エージェントと特定の SPAN ポート モニタリング サービスとを静的に関連付けることはありません。
カスタマー リレーションシップ マネジメント(CRM)の統合
Customer Relationship Management(CRM)アプリケーションは、CTI OS を通して Unified CCE に統合できます。これらを統合すると、エージェントは CRM アプリケーション経由でログインできるようになります。また、エージェントが [Mobile Agent] チェックブック オプションを使用して、コール モードと電話番号を提供できるように拡張することもできます。ただし、統合した CRM インターフェイスでモバイル エージェントを使用できるようにするには、機能拡張が必要です。多くの場合、モバイル エージェントから CTI OS エージェント デスクトップ経由でログインし、統合された CRM エージェント インターフェイスを通常どおり使用してコール制御やエージェントの状態制御を実行できます。しかし、この機能を使用できるかどうかは、CRM 統合環境ごとに検証する必要があります。
エージェント デスクトップ オプションの詳細については、「Unified Contact Center Enterprise Desktop」の章を参照してください。
Cisco Unified Mobile Agent と Unified Outbound Option
(注) モバイル エージェントはアウトバウンド キャンペーンに参加できますが、すべてのアウトバウンド ダイヤリング モードにネイルドアップ モードを使用する必要があります。
プレディクティブ モードまたはプログレッシブ モードのダイヤリングのコール フローは次のとおりです。
1. モバイル エージェントは、エージェントの電話番号としてローカル CTI ポート DN を使用してログインします。
2. 選択するエージェントがローカル エージェントかモバイル エージェントかを認識することなく、Dialer プロセスは、CTI サーバからのペリフェラル スキル グループに関する統計情報を継続的に監視して、受信可能なエージェントを探します。同時に、Campaign Manager は、顧客レコードのデータベースを監視して、アクティブなレコードをダイヤラに転送します。ダイヤラは、アウトバウンド キャンペーンに使用できる受信可能なエージェントを見つけると、メディア ルーティング(MR)PIM にルーティング要求を送信します。
3. MR PIM は、そのルーティング要求をルータに転送します。
4. ICM ルータは、ルーティング スクリプトを実行し、受信可能なエージェントを選択してそのエージェントを予約してから、予約したエージェントを示すルーティング ラベル(内線番号)を返します。
5. MR PG は、受信可能なエージェントのラベル(ローカル CTI ポート DN)をダイヤラに返します。
6. 次に、ダイヤラは、そのローカル CTI ポート DN に予約コールを発信します。ダイヤラは、そのエージェントに対する予約コールを CTI サーバ経由で自動応答し、その予約コールを自動的に保留状態にします。この時点で、ダイヤラ ポートからローカル CTI ポートへのコールによってモバイル エージェントが予約され、CTI ポートでそのコールが保留状態になりました。
7. ダイヤラは、キャンペーン用に構成されたレートで、Unified CM から顧客コールを開始します。
8. 人が応答したことがわかれば、ダイヤラは、ダイヤラ自身が保持しているリスト内の次の予約済みエージェントの内線に、(画面ポップアップに表示するためのコール コンテキストとともに)コールの転送をすぐに開始します。モバイル エージェントを選択した場合は、エージェントの内線が、モバイル エージェントのログイン時にローカル CTI ポートとして使用されます。
9. ダイヤラは、CTI サーバ経由でエージェントに転送されたコールに自動応答して、顧客とエージェントの間の音声パスがすばやく確立され、顧客をコールするために使用されたダイヤラ ポートが開放されるようにします。次に、ダイヤラは、このエージェントに対する予約コールを切断します。また、ダイヤラは Campaign Manager を更新して、このコールで人による応答が検出されたことを示します。エージェントがアウトバウンド コールを処理し終わると、同じメッセージ フローを使用して、そのエージェントを別のアウトバウンド コールに予約できます。
Unified Outbound Option の詳細については、「Cisco Unified Outbound Option」の章を参照してください。