BGP のネイバーごとの SoO の設定に関する情報
BGP ネイバーの SoO 値を設定する前に、次の概念を理解しておく必要があります。
• 「Site of Origin BGP コミュニティ アトリビュート」
• 「4 バイト自律システム番号に対する BGP サポート」
• 「BGP によるネイバーごとの Site of Origin の設定」
• 「BGP のネイバーごとの Site of Origin の利点」
Site of Origin BGP コミュニティ アトリビュート
Site-of-Origin(SoO)拡張コミュニティは、サイトを発信元とするルートを識別し、そのプレフィクスの再アドバタイズメントが送信元のサイトに戻されることを防ぐために使用される BGP 拡張コミュニティ アトリビュートです。この SoO 拡張コミュニティは、ルータがルートを学んだサイトを一意に識別します。BGP は、ルートに関連付けられた SoO 値を使用し、ルーティング ループを防止できます。
4 バイト自律システム番号に対する BGP サポート
Cisco IOS Release 12.4(24)T では、RFC 5396 の『 Textual Representation of Autonomous System (AS) Numbers 』で説明されているとおり、4 バイト自律システム番号のサポートが追加されました。Cisco IOS Release 12.4(24)T では、4 バイト自律システム番号の Cisco による実装は、設定形式、正規表現一致、および出力表示として asdot 表記(1.2 など)だけを使用し、asplain 形式はサポートしません。
Cisco IOS Release 12.2(33)SRE、12.2(33)XNE、およびこれら以降のリリースでは、デフォルト形式として asplain 形式を使用する 4 オクテット(4 バイト)自律システム番号に対する BGP サポートが導入されました。デフォルトの asplain 形式は、65536 などの 10 進数値を使用しますが、4 バイト自律システム番号を asplain 形式と asdot 形式の両方で設定できます。デフォルトの show コマンド出力で、4 バイト自律システム番号が asdot 形式で表示されるように変更する場合は、ルータ コンフィギュレーション モードで bgp asnotation dot コマンドを使用します。
4 バイト自律システム番号に関する設定例については、「BGP ピア ポリシー テンプレートを使用し、4 バイト自律システム番号を使用したネイバーごとの SoO 値の設定:例」または「BGP ネイバー コマンドおよび 4 バイト自律システム番号を使用したネイバーごとの SoO 値の設定:例」を参照してください。
BGP 自律システム番号形式の Cisco による実装の詳細については、「 Cisco BGP Overview 」モジュールを参照してください。
BGP によるネイバーごとの Site of Origin の設定
BGP ネイバーに SoO 値を設定するには 3 つの方法があります。
• BGP ピア ポリシー テンプレート:ピア ポリシー テンプレートが作成され、SoO 値がこのピア ポリシーの一部として設定されます。アドレス ファミリ IPv4 Virtual Routing and Forwarding(VRF; 仮想ルーティング/転送)の下で、ネイバーが特定され、SoO 値を含むピア ポリシーを継承するように設定されます。
• BGP neighbor コマンド:アドレス ファミリ IPv4 VRF の下で、ネイバーが特定され、SoO 値がこのネイバーに設定されます。
• BGP ピア グループ:アドレス ファミリ IPv4 VRF の下で、BGP ピア グループが設定され、SoO 値がそのピア グループに設定され、ネイバーが特定され、このネイバーがこのピア グループのメンバとして設定されます。
BGP ネイバーに対する SoO 値の設定は、Virtual Private Network(VPN; バーチャル プライベート ネットワーク)の入り口である Provider Edge(PE; プロバイダー エッジ)ルータで実行されます。SoO がイネーブルになると、プレフィクスの SoO タグが Customer Premises Equipment(CPE; 顧客宅内機器)用に設定された SoO タグと一致しない場合だけ PE ルータがプレフィクスを CPE に転送します。たとえば、図 1 では、SoO タグは、自律システム番号 65000 のルータ CPE1 と CPE2 を含むお客様のサイトに対して 65000:1 に設定されています。CPE1 がプレフィクスを PE1 に送信すると、PE1 は、このプレフィクスに CPE1 および CPE2 の SoO タグである 65000:1 をタグ付けします。PE1 がタグを付けられたプレフィクスを PE2 に送信すると、PE2 は、CPE2 から SoO タグに対する一致処理を実行します。タグ値が 65000:1 であるすべてのプレフィクスは、SoO タグが CPE2 の SoO タグと一致するため、CPE2 には送信されず、ルーティング ループが回避されます。
図 1 SoO に対するネットワーク ダイアグラム例
BGP のネイバーごとの Site of Origin の利点
Cisco IOS Release 12.4(11)T、12.2(33)SRB、および 12.2(33)SB 以前のリリースでは、SoO 拡張コミュニティ アトリビュートは、アップデート プロセス中に SoO 値を設定するインバウンド ルート マップを使用して設定されます。ルータ コンフィギュレーション モードの下のサブモードで設定される 2 つの新しいコマンドの導入により、SoO 値の設定が簡素化されます。
BGP のネイバーごとの SoO の設定方法
BGP ネイバーに SoO 値を設定するには、次のリストの最初の作業およびその次の 3 つの作業のいずれかを実行する必要があります。最後の 3 つの作業は、相互に排他的な関係です。これらのうち 1 つだけを実行する必要があります。
• 「CEF の確認および VRF インスタンスの設定」
• 「BGP ピア ポリシー テンプレートを使用したネイバーごとの SoO 値の設定」
• 「BGP ネイバー コマンドを使用したネイバーごとの SoO 値の設定」
• 「BGP ピア グループを使用したネイバーごとの SoO 値の設定」
CEF の確認および VRF インスタンスの設定
次の作業を図 1 の両方の PE ルータで実行し、仮想ルーティング/転送(VRF)インスタンスを VRF 割り当てごとの作業とともに使用されるように設定します。この作業では、CEF がイネーブルであることが確認された後、SOO_VRF という名前の VRF インスタンスが設定されます。この VRF を機能させるために、ルート識別子が作成され、この VRF はインターフェイスに関連付けられます。ルート識別子が作成されると、SOO_VRF という名前の VRF インスタンスにルーティング テーブルおよびフォワーディング テーブルが作成されます。VRF をインターフェイスと関連付けた後、インターフェイスは、IP アドレスによって設定されます。
ルート識別子
Route Distinguisher(RD; ルート識別子)はルーティング テーブルとフォワーディング テーブルを作成し、VPN のデフォルトのルート識別子を指定します。IPv4 プレフィクスをグローバルに固有の VPN-IPv4 プレフィクスに変更するために、RD が IPv4 プレフィクスの先頭に追加されます。RD は、自律システム番号と任意番号、または IP アドレスと任意番号のいずれかで構成できます。
RD は、次のいずれかの形式で入力できます。
• 16 ビット自律システム番号、コロン、32 ビット番号を入力します。次に例を示します。
45000:3
• 32 ビット IP アドレス、コロン、16 ビット番号を入力します。次に例を示します。
192.168.10.15:1
手順の概要
1. enable
2. show ip cef
3. configure terminal
4. ip vrf vrf-name
5. rd route-distinguisher
6. route-target { import | both } route-target-ext-community
7. route-target { export | both } route-target-ext-community
8. exit
9. interface type number
10. ip vrf forwarding vrf-name [ downstream vrf-name2 ]
11. ip address ip-address mask [ secondary ]
12. end
13. show ip vrf [ brief | detail | interfaces | id ] [ vrf-name ] [ output-modifiers ]
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
show ip cef
Router# show ip cef |
CEF がイネーブルであることを確認します。 • CEF は、ほとんどの Cisco IOS リリースで、デフォルトでイネーブルになっています。 • CEF がイネーブルでない場合、 ip cef コマンドをグローバル コンフィギュレーション モードで入力します。一部のプラットフォームでは、このコマンドとともに追加のキーワードが必要です。詳細については、『 Cisco IOS IP Switching Command Reference 』を参照してください。 |
ステップ 3 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
ip vrf vrf-name
Router(config)# ip vrf SOO_VRF |
VRF インスタンスを定義し、VRF コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 5 |
rd route-distinguisher
Router(config-vrf)# rd 1:1 |
VRF にルーティング テーブルとフォワーディング テーブルを作成し、VPN にデフォルト RD を指定します。 • VPN にデフォルト RD を指定するには、 route-distinguisher 引数を使用します。次の 2 つの形式を使用して RD を指定できます。 – 16 ビットの自律システム番号、コロン、および 32 ビットの数字(例:65000:3)。 – 32 ビットの IP アドレス、コロン、および 16 ビットの数字 (例:192.168.1.2:51) • この例では、RD は自律システム番号とコロンの後に数字 1 を使用しています。 |
ステップ 6 |
route-target { export | both } route-target-ext-community
Router(config-vrf)# route-target export 1:1 |
VRF 用にルート ターゲット拡張コミュニティを作成します。 • ターゲット VPN 拡張コミュニティにルーティング情報をエクスポートするには、 export キーワードを使用します。 • ターゲット VPN 拡張コミュニティからルーティング情報をインポートするとともに、ルーティング情報を拡張コミュニティにエクスポートするには、 both キーワードを使用します。 • VPN 拡張コミュニティを指定するには、 route-target-ext-community 引数を使用します。 (注) この手順に適用される構文だけが表示されます。この構文の別の使用方法については、ステップ 7 を参照してください。 |
ステップ 7 |
route-target { import | both } route-target-ext-community
Router(config-vrf)# route-target import 1:1 |
VRF 用にルート ターゲット拡張コミュニティを作成します。 • ターゲット VPN 拡張コミュニティからルーティング情報をインポートするには、 import キーワードを使用します。 • ターゲット VPN 拡張コミュニティからルーティング情報をインポートするとともに、ルーティング情報を拡張コミュニティにエクスポートするには、 both キーワードを使用します。 • VPN 拡張コミュニティを指定するには、 route-target-ext-community 引数を使用します。 |
ステップ 8 |
exit
Router(config-vrf)# exit |
VRF コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 9 |
interface type number
Router(config)# interface Ethernet 1/0 |
インターフェイス タイプを設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 • この例では、イーサネット インターフェイス 1/0 が設定されます。 |
ステップ 10 |
ip vrf forwarding vrf-name [ downstream vrf-name2 ]
Router(config-if)# ip vrf forwarding SOO_VRF |
VRF をインターフェイスまたはサブインターフェイスと関連付けます。 • この例では、SOO_VRF という名前の VRF がイーサネット インターフェイス 1/0 と関連付けられます。 (注) このコマンドをインターフェイス上で実行すると、IP アドレスが削除されるため、IP アドレスを再設定する必要があります。 |
ステップ 11 |
ip address ip-address mask [ secondary ]
Router(config-if)# ip address 192.168.1.2 255.255.255.0 |
IP アドレスを設定します。 • この例では、イーサネット インターフェイス 1/0 が IP アドレス 192.168.1.2 によって設定されます。 |
ステップ 12 |
end
Router(config-if)# end |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 13 |
show ip vrf [ brief | detail | interfaces | id ] [ vrf-name ] [ output-modifiers ]
Router# show ip vrf |
設定された VRF を表示します。 • このコマンドを使用して、この作業の設定を確認します。 |
例
show ip vrf コマンドの次の出力は、この作業で設定された SOO_VRF という名前の VRF を表示します。
Name Default RD Interfaces
BGP ピア ポリシー テンプレートを使用したネイバーごとの SoO 値の設定
次の作業を図 1 のルータ PE1 で実行し、ピア ポリシー テンプレートを使用して、図 1 のルータ CPE1 で BGP ネイバーに SoO 値を設定します。この作業では、ピア ポリシー テンプレートが作成され、SoO 値がピア ポリシーに対して設定されます。アドレス ファミリ IPv4 仮想ルーティング/転送(VRF)の下で、ネイバーが特定され、SoO 値を含むピア ポリシーを継承するように設定されます。
4 バイト自律システム番号に関する設定例については、「BGP ピア ポリシー テンプレートを使用し、4 バイト自律システム番号を使用したネイバーごとの SoO 値の設定:例」を参照してください。
(注) BGP ピアが異なる SoO 値を指定する複数のピア ポリシー テンプレートから継承される場合、最後に適用されたテンプレートの SoO 値が優先され、ピアに適用されます。ただし、BGP ネイバーで SoO 値を直接設定すると、SoO 値の、継承されたあらゆるテンプレート設定が上書きされます。
BGP ピア ポリシー テンプレート
ピア ポリシー テンプレートは、特定のアドレス ファミリに属するネイバーに設定される BGP ポリシー コマンドの設定に使用されます。ピア ポリシー テンプレートは、1 回設定され、その後、ピア ポリシー テンプレートを直接適用するか、またはピア ポリシー テンプレートから継承することによって、多くのネイバーに適用されます。ピア ポリシー テンプレートの設定により、自律システム内のすべてのネイバーに適用される BGP ポリシー コマンドの設定が簡略化されます。
ピア ポリシー テンプレートは継承をサポートします。直接適用されたピア ポリシー テンプレートは、最大 7 つのピア ポリシー テンプレートから設定を直接的または間接的に継承できます。したがって、合計 8 つのピア ポリシー テンプレートをネイバーまたはネイバー グループに適用できます。
ピア ポリシー テンプレートの設定により、BGP 設定が簡略化され、柔軟性が向上します。特定のポリシーを 1 回設定すれば、何回も参照できます。ピア ポリシーは最大 8 レベルの継承をサポートするため、非常に具体的で複雑な BGP ポリシーを作成できます。
BGP ピア ポリシー テンプレートの詳細については、「 Configuring a Basic BGP Network 」モジュールを参照してください。
制約事項
BGP ピアは、ピア ポリシー テンプレートまたはピア セッション テンプレートからの継承と、ピア グループ メンバとしての設定を同時に行うことはできません。BGP テンプレートと BGP ピア グループは同時に使用できません。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. router bgp autonomous-system-number
4. template peer-policy policy-template-name
5. soo extended-community-value
6. exit-peer-policy
7. address-family ipv4 [ unicast | multicast | vrf vrf-name ]
8. neighbor ip-address remote-as autonomous-system-number
9. neighbor ip-address activate
10. neighbor ip-address inherit peer-policy policy-template-name
11. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
router bgp autonomous-system-number
Router(config)# router bgp 50000 |
指定されたルーティング プロセスでルータ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
template peer-policy policy-template-name
Router(config-router)# template peer-policy SOO_POLICY |
ピア ポリシー テンプレートを作成し、ポリシー テンプレート コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 5 |
soo extended-community-value
Router(config-router-ptmp)# soo 65000:1 |
SoO 値を BGP ピア ポリシー テンプレートに設定します。 • extended-community-value 引数を使用して、VPN 拡張コミュニティ値を指定します。この値は、次のいずれかの形式です。 – 16 ビットの自律システム番号、コロン、および 32 ビットの数字(例:45000:3)。 – 32 ビットの IP アドレス、コロン、および 16 ビットの数字(例:192.168.10.2:51) • この例では、SoO 値は、65000:1 に設定されます。 |
ステップ 6 |
exit-peer-policy
Router(config-router-pmtp)# exit-peer-policy |
ポリシー テンプレート コンフィギュレーション モードを終了し、ルータ コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
address-family ipv4 [ unicast | multicast | vrf vrf-name ]
Router(config-router)# address-family ipv4 vrf SOO_VRF |
IPv4 アドレス ファミリを指定し、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。 • IPv4 ユニキャスト アドレス ファミリを指定するには、キーワード unicast を使用します。デフォルトでは、 address-family ipv4 コマンドに unicast キーワードが指定されていない場合、ルータは IPv4 ユニキャスト アドレス ファミリのコンフィギュレーション モードになります。 • IPv4 マルチキャスト アドレス プレフィクス を指定するには、 multicast キーワードを使用します。 • 後続する IPv4 アドレス ファミリ コンフィギュレーション モード コマンドに関連付ける VRF インスタンス名を指定するには、 vrf キーワードと vrf-name 引数を使用します。 |
ステップ 8 |
neighbor ip-address remote-as autonomous-system-number
Router(config-router-af)# neighbor 192.168.1.1 remote-as 65000 |
指定された自律システムのネイバーの IP アドレスを、ローカル ルータの IPv4 マルチプロトコル BGP ネイバー テーブルに追加します。 |
ステップ 9 |
neighbor ip-address activate
Router(config-router-af)# neighbor 192.168.1.1 activate |
このネイバーをイネーブルにして、IPv4 VRF アドレス ファミリのプレフィクスをローカル ルータと交換します。 |
ステップ 10 |
neighbor ip-address inherit peer-policy policy-template-name
Router(config-router-af)# neighbor 192.168.1.1 inherit peer-policy SOO_POLICY |
ネイバーが設定を継承できるように、ピア ポリシー テンプレートをこのネイバーに送信します。 • この例では、このルータは、SOO_POLICY という名前のピア ポリシー テンプレートを 192.168.1.1 ネイバーに送信して継承するように設定されます。別のピア ポリシー テンプレートが間接的に SOO_POLICY から継承される場合、間接的に継承された設定も適用されます。最大 7 つの追加ピア ポリシー テンプレートを SOO_POLICY から間接的に継承できます。 |
ステップ 11 |
end
Router(config-router-af)# end |
アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを終了して、特権 EXEC モードに戻ります。 |
BGP ネイバー コマンドを使用したネイバーごとの SoO 値の設定
次の作業を図 1 のルータ PE2 で実行し、 neighbor コマンドを使用して、図 1 のルータ CPE2 で BGP ネイバーに SoO 値を設定します。アドレス ファミリ IPv4 VRF の下で、ネイバーが特定され、SoO 値がこのネイバーに設定されます。
4 バイト自律システム番号に関する設定例については、「BGP ネイバー コマンドおよび 4 バイト自律システム番号を使用したネイバーごとの SoO 値の設定:例」を参照してください。
(注) BGP ネイバーで SoO 値を直接設定すると、継承されたあらゆる SoO 値のピア ポリシー テンプレート設定が上書きされます。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. router bgp autonomous-system-number
4. address-family ipv4 [ unicast | multicast | vrf vrf-name ]
5. neighbor { ip-address | peer-group-name } remote-as autonomous-system-number
6. neighbor ip-address activate
7. neighbor { ip-address | peer-group-name } soo extended-community-value
8. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
router bgp autonomous-system-number
Router(config)# router bgp 50000 |
指定されたルーティング プロセスでルータ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
address-family ipv4 [ unicast | multicast | vrf vrf-name ]
Router(config-router)# address-family ipv4 vrf SOO_VRF |
IPv4 アドレス ファミリを指定し、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。 • IPv4 ユニキャスト アドレス ファミリを指定するには、キーワード unicast を使用します。デフォルトでは、 address-family ipv4 コマンドに unicast キーワードが指定されていない場合、ルータは IPv4 ユニキャスト アドレス ファミリのコンフィギュレーション モードになります。 • IPv4 マルチキャスト アドレス プレフィクス を指定するには、 multicast キーワードを使用します。 • 後続する IPv4 アドレス ファミリ コンフィギュレーション モード コマンドに関連付ける VRF インスタンス名を指定するには、 vrf キーワードと vrf-name 引数を使用します。 |
ステップ 5 |
neighbor { ip-address | peer-group-name } remote-as autonomous-system-number
Router(config-router-af)# neighbor 192.168.2.1 remote-as 65000 |
指定された自律システムのネイバーの IP アドレスを、ローカル ルータの IPv4 マルチプロトコル BGP ネイバー テーブルに追加します。 |
ステップ 6 |
neighbor ip-address activate
Router(config-router-af)# neighbor 192.168.2.1 activate |
このネイバーをイネーブルにして、IPv4 VRF アドレス ファミリのプレフィクスをローカル ルータと交換します。 • この例では、外部 BGP ピア 192.168.2.1 がアクティブ化されます。 コマンドを使用して SoO 値が設定されるときにアクティブになります。 |
ステップ 7 |
neighbor { ip-address | peer-group-name } soo extended-community-value
Router(config-router-af)# neighbor 192.168.2.1 soo 65000:1 |
BGP ネイバーまたはピア グループの Site-of-Origin(SoO)値を設定します。 • この例では、ネイバー 192.168.2.1 が SoO 値 65000:1 とともに設定されます。 |
ステップ 8 |
end
Router(config-router-af)# end |
アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを終了して、特権 EXEC モードに戻ります。 |
BGP ピア グループを使用したネイバーごとの SoO 値の設定
この作業を図 1 のルータ PE1 で実行し、 neighbor コマンドと BGP ピア グループ使用して、図 1 のルータ CPE1 で BGP ネイバーに SoO 値を設定します。アドレス ファミリ IPv4 VRF の下に BGP ピア グループが作成され、BGP neighbor コマンドを使用して SoO 値が設定され、その後ネイバーが特定され、ピア グループ メンバとして追加されます。BGP ピア グループ メンバは、ピア グループに関連付けられた設定を継承します。この例では、ピア グループには SoO 値が含まれます。
(注) BGP ネイバーで SoO 値を直接設定すると、継承されたあらゆる SoO 値のピア グループ設定が上書きされます。
制約事項
BGP ピアは、ピア ポリシー テンプレートまたはピア セッション テンプレートからの継承と、ピア グループ メンバとしての設定を同時に行うことはできません。BGP テンプレートと BGP ピア グループは同時に使用できません。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. router bgp autonomous-system-number
4. address-family ipv4 [ unicast | multicast | vrf vrf-name ]
5. neighbor peer-group-name peer-group
6. neighbor { ip-address | peer-group-name } soo extended-community-value
7. neighbor ip-address remote-as autonomous-system-number
8. neighbor ip-address activate
9. neighbor ip-address peer-group peer-group-name
10. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
router bgp autonomous-system-number
Router(config)# router bgp 50000 |
指定されたルーティング プロセスでルータ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
address-family ipv4 [ unicast | multicast | vrf vrf-name ]
Router(config-router)# address-family ipv4 vrf SOO_VRF |
IPv4 アドレス ファミリを指定し、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。 • IPv4 ユニキャスト アドレス ファミリを指定するには、キーワード unicast を使用します。デフォルトでは、 address-family ipv4 コマンドに unicast キーワードが指定されていない場合、ルータは IPv4 ユニキャスト アドレス ファミリのコンフィギュレーション モードになります。 • IPv4 マルチキャスト アドレス プレフィクス を指定するには、 multicast キーワードを使用します。 • 後続する IPv4 アドレス ファミリ コンフィギュレーション モード コマンドに関連付ける VRF インスタンス名を指定するには、 vrf キーワードと vrf-name 引数を使用します。 |
ステップ 5 |
neighbor peer-group-name peer-group
Router(config-router-af)# neighbor SOO_group peer-group |
BGP ピア グループを作成します。 |
ステップ 6 |
neighbor { ip-address | peer-group-name } soo extended-community-value
Router(config-router-af)# neighbor SOO_group soo 65000:1 |
BGP ネイバーまたはピア グループの Site-of-Origin(SoO)値を設定します。 • この例では、BGP ピア グループである SOO_group が SoO 値 65000:1 を使用して設定されます。 |
ステップ 7 |
neighbor ip-address remote-as autonomous-system-number
Router(config-router-af)# neighbor 192.168.1.1 remote-as 65000 |
指定された自律システムのネイバーの IP アドレスを、ローカル ルータの IPv4 マルチプロトコル BGP ネイバー テーブルに追加します。 |
ステップ 8 |
neighbor ip-address activate
Router(config-router-af)# neighbor 192.168.1.1 activate |
このネイバーをイネーブルにして、IPv4 VRF アドレス ファミリのプレフィクスをローカル ルータと交換します。 |
ステップ 9 |
neighbor ip-address peer-group peer-group-name
Router(config-router-af)# neighbor 192.168.1.1 peer-group SOO_group |
BGP ネイバーの IP アドレスをピア グループに割り当てます。 |
ステップ 10 |
end
Router(config-router-af)# end |
アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを終了して、特権 EXEC モードに戻ります。 |
BGP のネイバーごとの SoO 設定の設定例
ここでは、次の設定例について説明します。
• 「BGP ピア ポリシー テンプレートを使用したネイバーごとの SoO 値の設定:例」
• 「BGP ピア ポリシー テンプレートを使用し、4 バイト自律システム番号を使用したネイバーごとの SoO 値の設定:例」
• 「BGP ネイバー コマンドを使用したネイバーごとの SoO 値の設定:例」
• 「BGP ネイバー コマンドおよび 4 バイト自律システム番号を使用したネイバーごとの SoO 値の設定:例」
• 「BGP ピア グループを使用したネイバーごとの SoO 値の設定:例」
BGP ピア ポリシー テンプレートを使用したネイバーごとの SoO 値の設定:例
次に、ピア ポリシー テンプレートを作成し、SoO 値をピア ポリシーの一部として設定する方法の例を示します。CEF がイネーブルであることを確認し、SOO_VRF という名前の VRF インスタンスを設定した後、ピア ポリシー テンプレートが作成され、SoO 値がピア ポリシーの一部として設定されます。アドレス ファミリ IPv4 VRF の下で、ネイバーが特定され、SoO 値を含むピア ポリシーを継承するように設定されます。
ip vrf forwarding SOO_VRF
ip address 192.168.1.2 255.255.255.0
template peer-policy SOO_POLICY
address-family ipv4 vrf SOO_VRF
neighbor 192.168.1.1 remote-as 65000
neighbor 192.168.1.1 activate
neighbor 192.168.1.1 inherit peer-policy SOO_POLICY
BGP ピア ポリシー テンプレートを使用し、4 バイト自律システム番号を使用したネイバーごとの SoO 値の設定:例
次に、ピア ポリシー テンプレートを作成し、4 バイト自律システム番号(asdot 形式の 1.2)を使用して SoO 値をピア ポリシーの一部として設定する方法の例を示します。アドレス ファミリ IPv4 VRF の下で、ネイバーが特定され、SoO 値を含むピア ポリシーを継承するように設定されます。この例では、Cisco IOS Release 12.4(24)T、または以降のリリースが必要です。
template peer-policy SOO_POLICY
address-family ipv4 vrf SOO_VRF
neighbor 192.168.3.2 remote-as 1.14
neighbor 192.168.3.2 activate
neighbor 192.168.3.2 inherit peer-policy SOO_POLICY
次に、ピア ポリシー テンプレートを作成し、4 バイト自律システム番号(asplain 形式の 65538)を使用して SoO 値をピア ポリシーの一部として設定する方法の例を示します。アドレス ファミリ IPv4 VRF の下で、ネイバーが特定され、SoO 値を含むピア ポリシーを継承するように設定されます。この例では、Cisco IOS Release 12.2(33)SRE、12.2(33)XNE、または以降のリリースが必要です。
template peer-policy SOO_POLICY
address-family ipv4 vrf SOO_VRF
neighbor 192.168.3.2 remote-as 65550
neighbor 192.168.3.2 activate
neighbor 192.168.3.2 inherit peer-policy SOO_POLICY
BGP ネイバー コマンドを使用したネイバーごとの SoO 値の設定:例
次に、BGP ネイバーに SoO 値を設定する方法の例を示します。CEF がイネーブルであることを確認後、SOO_VRF という名前の VRF インスタンスが設定され、ネイバーがアドレス ファミリ IPv4 VRF の下で特定され、SoO 値がこのネイバーに設定されます。
ip vrf forwarding SOO_VRF
ip address 192.168.2.2 255.255.255.0
address-family ipv4 vrf SOO_VRF
neighbor 192.168.2.1 remote-as 65000
neighbor 192.168.2.1 activate
neighbor 192.168.2.1 soo 65000:1
BGP ネイバー コマンドおよび 4 バイト自律システム番号を使用したネイバーごとの SoO 値の設定:例
次に、BGP ネイバーに SoO 値を設定する方法の例を示します。この例では、すべての BGP ネイバー、ルート ターゲット、および SoO 値が 4 バイト自律システム番号を asplain 形式で使用します。CEF がイネーブルであることが確認された後、SOO_VRF という名前の VRF インスタンスがルート ターゲットによって設定されます。BGP ルータ セッションでネイバーがアドレス ファミリ IPv4 VRF の下で特定され、SoO 値がこのネイバーに設定されます。この例では、Cisco IOS Release 12.4(24)T、または以降のリリースが必要です。
route-target export 1.14:1
route-target import 1.14:1
ip vrf forwarding SOO_VRF
ip address 192.168.2.2 255.255.255.0
address-family ipv4 vrf SOO_VRF
neighbor 192.168.2.1 remote-as 1.14
neighbor 192.168.2.1 activate
neighbor 192.168.2.1 soo 1.14:1
BGP ピア グループを使用したネイバーごとの SoO 値の設定:例
次に、BGP ピア グループに SoO 値を設定する方法の例を示します。CEF がイネーブルであることを確認後、SOO_VRF という名前の VRF インスタンスが設定され、BGP ピア グループがアドレス ファミリ IPv4 VRF の下に設定され、SoO 値がピア グループに設定され、ネイバーが特定され、このネイバーがピア グループのメンバとして設定されます。
ip vrf forwarding SOO_VRF
ip address 192.168.1.2 255.255.255.0
address-family ipv4 vrf SOO_VRF
neighbor SOO_GROUP peer-group
neighbor SOO_GROUP soo 65000:65
neighbor 192.168.1.1 remote-as 65000
neighbor 192.168.1.1 activate
neighbor 192.168.1.1 peer-group SOO_GROUP