イーサネット インターフェイスの前提条件
イーサネット インターフェイスを設定する前に、次のタスクと条件を満たしていることを確認します。
• この設定作業を行うには、Cisco IOS XR ソフトウェアのシステム管理者が、対応するコマンド タスク ID を含むタスク グループに関連付けられたユーザ グループにユーザを割り当てる必要があります。 すべてのコマンド タスク ID は、各コマンド リファレンスおよび『 Cisco IOS XR Task ID Reference Guide 』に記載されています。
タスク グループの割り当てについてサポートが必要な場合は、システム管理者に連絡してください。 ユーザ グループおよびタスク ID の詳細については、『 Cisco IOS XR Software System Security Configuration Guide 』の「 Configuring AAA Services on Cisco IOS XR Software 」モジュールを参照してください。
• Cisco CRS-1 ルータの場合、次のカードの 1 枚以上がルータに装着されていることを確認します。
– 8 ポート 10 ギガビット イーサネット(8×10 GE)物理レイヤ インターフェイス モジュール(PLIM)
– 8 ポート 1 ギガビット イーサネット共有ポート アダプタ(SPA)
• Cisco XR 12000 シリーズ ルータの場合、次のカードの 1 枚以上がルータに装着されていることを確認します。
– 4 ポート 1 ギガビット イーサネット PLIM
– 2 ポート ギガビット イーサネット SPA
– 5 ポート 1 ギガビット イーサネット SPA
– 10 ポート ギガビット イーサネット SPA
– 1 ポート 10 ギガビット イーサネット SPA
– 1 ポート 10 ギガビット イーサネット WAN SPA
– 8 ポート ギガビット イーサネット SPA
– 8 ポート ファスト イーサネット SPA
• インターフェイスの IP アドレスを知っています。
• 汎用インターフェイス名に汎用表記法の rack/slot/module/port を適用する方法を理解しています。
• 10-GE DWDM PLIM で 10 ギガビット イーサネット インターフェイスを設定する場合、このマニュアルの 「 Cisco IOS XR ソフトウェアでの高密度波長分割多重コントローラの設定 」モジュールの説明に従って、DWDM コントローラの設定が完了している必要があります。
イーサネット インターフェイスの設定に関する情報
イーサネット インターフェイスを設定するには、次の概念について理解している必要があります。
• 「イーサネット テクノロジーの概要」
• 「ギガビット イーサネットおよび 10 ギガビット イーサネットのデフォルト設定値」
• 「ギガビット イーサネット プロトコル規格の概要」
• 「MAC アドレス」
• 「MAC アカウンティング」
• 「イーサネット MTU」
• 「イーサネット インターフェイスでのフロー制御」
• 「802.1Q VLAN」
• 「VRRP」
• 「HSRP」
• 「ファスト イーサネット インターフェイスでのデュプレックス モード」
• 「ファスト イーサネット インターフェイスの速度」
• 「イーサネット インターフェイスでのリンクのオートネゴシエーション」
• 「イーサネット インターフェイスでのキャリア遅延」
イーサネット テクノロジーの概要
イーサネットは IEEE 802.3 国際規格によって定義されています。イーサネットによって、同軸ケーブル、ツイストペアケーブル、または光ファイバケーブルで、最大 1024 ノードの接続が可能になります。
Cisco CRS-1 ルータは、ギガビット イーサネット(1000 Mbps)インターフェイスおよび 10 ギガビット イーサネット(10 Gbps)インターフェイスをサポートしています。
Cisco XR 12000 シリーズ ルータは、ファスト イーサネット(100 Mbps)インターフェイス、ギガビット イーサネット(1000 Mbps)インターフェイス、および 10 ギガビット イーサネット(10 Gbps)インターフェイスをサポートしています。
ギガビット イーサネットおよび 10 ギガビット イーサネットのデフォルト設定値
表 4 は、ギガビット イーサネットまたは 10 ギガビット イーサネットのモジュラ サービス カードおよびPC の脅威対策 PLIM でインターフェイスをイネーブルにしたときに表示される、デフォルトのインターフェイス設定パラメータを示します。
(注) インターフェイスを管理上のダウン状態にするには、shutdown コマンドを使用する必要があります。インターフェイスのデフォルトは no shutdown です。ルータにモジュラ サービス カードを初めて挿入したときに、プリコンフィギュレーションが行われていない場合、設定マネージャによって shutdown 項目が設定に追加されます。この shutdown を削除できるのは、no shutdown コマンドを入力している場合のみです。
表 4 ギガビット イーサネットおよび 10 ギガビット イーサネット モジュラ サービス カードのデフォルト設定値
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MAC accounting |
mac-accounting |
off |
Flow control |
flow-control |
egress on ingress off |
MTU |
MTU |
通常フレームの場合は 1514 bytes 802.1Q タグ付きフレームの場合は 1518 bytes Q-in-Q フレームの場合は 1522 bytes |
MAC address |
mac address |
Hardware burned-in address (BIA 1 ) |
1. 組み込みのアドレス
ファスト イーサネットのデフォルト設定値
表 5 は、ファスト イーサネット SPA カードおよびその関連 PLIM でインターフェイスをイネーブルにしたときに表示されるデフォルトのインターフェイス設定パラメータを示します。
(注) インターフェイスを管理上のダウン状態にするには、shutdown コマンドを指定する必要があります。インターフェイスのデフォルトは no shutdown です。ルータにモジュラ サービス カードを初めて挿入したときに、プリコンフィギュレーションが行われていない場合、設定マネージャによって shutdown 項目が設定に追加されます。この shutdown を削除できるのは、no shutdown コマンドを入力している場合のみです。
表 5 ファスト イーサネットのデフォルト設定値
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MAC accounting |
mac-accounting |
off |
Duplex operation |
duplex full duplex half |
Auto-negotiates duplex operation |
MTU |
mtu |
1500 bytes |
Interface speed |
speed |
100 Mbps |
Auto-negotiation |
negotiation auto |
disable |
イーサネット インターフェイスでのレイヤ 2 VPN
L2VPN 接続は、IP または MPLS 対応 IP ネットワーク間の LAN の動作をエミュレートすることで、イーサネット デバイス間が共通の LAN セグメントに接続した場合と同様に通信できるようになります。
L2VPN の機能によって、サービス プロバイダ(SP)は地理的に離れたカスタマー サイトにもレイヤ 2 サービスを提供できるようになります。通常、SP はアクセス ネットワークを使用して、カスタマーをコア ネットワークに接続します。このアクセス ネットワークでは、イーサネット、ATM、フレームリレーなどのレイヤ 2 テクノロジーが併用される場合があります。カスタマー サイトと近接した SP エッジ ルータ間の接続は、接続回路(AC)と呼ばれます。カスタマーからのトラフィックは、このリンク上で SP コア ネットワークのエッジへ伝送されます。次に、SP コア ネットワーク上の疑似接続のトンネルを介して、別のエッジ ルータへ伝送されます。このトラフィックはエッジ ルータによって別の AC へと伝送され、そこからカスタマーのリモート サイトへ伝送されます。
L2VPN の機能によって、異なる種類のレイヤ 2 接続回路と疑似接続間の接続が可能になります。その結果、ユーザはさまざまなエンドツーエンド サービスを実装できるようになります。
Cisco IOS XR ソフトウェアは、ポイントツーポイント エンドツーエンド サービスをサポートしています。つまり、2 つのイーサネット回路が相互に接続されます。L2VPN イーサネット ポートは、次の 2 モードのいずれかで動作します。
• Port Mode - このモードでは、ポートに到達するすべてのパケットは、パケットに指定されている VLAN タグに関係なく、疑似接続上で送信されます。VLAN モードでは、l2transport コンフィギュレーション モードで設定が実行されます。
• VLAN Mode - PE リンクに対する CE またはアクセス ネットワーク上の各 VLAN は、(VC タイプ 4 または VC タイプ 5 を使用して)個別の L2VPN 接続として設定できます。VLAN 上で L2VPN を設定する方法については、このマニュアルで後述する 「 Cisco IOS XR ソフトウェアでの 802.1Q VLAN インターフェイスの設定 」モジュールを参照してください。VLAN モードでは、個別のサブインターフェイスで設定を実行します。
切り替えは次の 3 つの方法で実行できます。
• AC-to-PW:Provider Edge(PE; プロバイダー エッジ)に到達したトラフィックは 疑似接続(PW)を介してトンネリングされます。また、それとは反対に疑似接続(PW)を介して到達したトラフィックは AC を介して送信されます。これが最も一般的なシナリオです。
• ローカルの切り替え - 1 つの AC 上で到達するトラフィックは、疑似接続を介さずに別の AC へ送出されます。
• PW 切り替え - PW に到達するトラフィックは AC へ送信されませんが、別の PW 上でコアに返信されます。
イーサネット インターフェイスで L2VPN を設定する場合、次の点に気を付けてください。
• L2VPN リンクは QoS および MTU の設定をサポートしています。
• ネットワークでパケットを透過的に伝送することを必須にしている場合、必要に応じて、SP ネットワークのエッジでパケットの宛先 MAC アドレスを変更します。こうすることで、SP ネットワークのデバイスによるパケットの消費が回避されます。
• Cisco IOS XR ソフトウェアは、ラインカードごとに最大 4,000 AC をサポートしています。ただし、4,000 AC をサポートしていないラインカードもあります。サポートされる最大 AC 数の詳細については、個々のラインカードの仕様を参照してください。
AC および疑似接続の情報を表示するには、 show interfaces コマンドを使用します。
(注) L2VPN ネットワークの設定の詳細については、『Cisco IOS XR Multiprotocol Label Switching Configuration Guide』の「Implementing MPLS Layer 2 VPNs」モジュールを参照してください。
IEEE 802.3 物理イーサネット インフラストラクチャ
IEEE 802.3 プロトコル規格では、接続するイーサネットの物理層とデータリンク層の MAC 下位層が定義されています。IEEE 802.3 では、多様な物理メディアで、また多様な速度で Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection(CSMA/CD; キャリア検知多重アクセス/衝突検出)アクセスを使用します。IEEE 802.3 規格は 10 Mbps イーサネットに対応します。IEEE 802.3 規格の拡張では、ギガビット イーサネット、10 ギガビット イーサネット、およびファスト イーサネットの実装を規定しています。
IEEE 802.3ab 1000BASE-T ギガビット イーサネット
IEEE 802.3ab プロトコル規格、つまり銅線上のギガビット イーサネット(別名 1000BaseT)は、既存のファスト イーサネット規格の拡張です。この拡張は、すでに設置されているカテゴリ 5e/6 ケーブル配線システム上のギガビット イーサネットの動作を規定しており、費用有効性の高いソリューションを実現できます。結果として、ファスト イーサネットを実行する銅線ベースの環境では既存のインフラストラクチャ上でギガビット イーサネットも実行できるため、要求の厳しいアプリケーションでもネットワークのパフォーマンスが大幅に向上します。
IEEE 802.3z 1000 Mbps ギガビット イーサネット
ギガビット イーサネットはイーサネット プロトコルの上で構築されますが、速度はファスト イーサネットの 10 倍で、1000 Mbps(1 Gbps)に上がります。ギガビット イーサネットを使用すると、デスクトップで 10 Mbps または 100 Mbps、データセンターで最高 1000 Mbps までイーサネットを拡張できます。ギガビット イーサネットは IEEE 802.3z プロトコル規格に準拠します。
ネットワーク管理者は、現在のイーサネット規格と、すでに設置されているイーサネットおよびファスト イーサネットのスイッチおよびルータのベースを利用することで、ギガビット イーサネットをサポートするために新しいテクノロジーのトレーニングや学習をし直す必要はなくなります。
IEEE 802.3ae 10 Gbps イーサネット
国際標準化組織の Open Systems Interconnection(OSI; 開放型システム間相互接続)モデルでは、イーサネットは基本的にレイヤ 2 プロトコルです。10 ギガビット イーサネットでは、IEEE 802.3 イーサネット MAC プロトコル、IEEE 802.3 イーサネット フレーム形式、およびIEEE 802.3 の最小および最大フレーム サイズを使用します。10 Gbps イーサネットは IEEE 802.3ae プロトコル規格に準拠します。
イーサネット モデルに忠実だった 1000BASE-X と 1000BASE-T(ギガビット イーサネット)と同様に、10 ギガビット イーサネットも速度と距離の点でイーサネットが自然に発展した結果です。10 ギガビット イーサネットは全二重方式でファイバのみのテクノロジーなので、低速で半二重方式のイーサネット テクノロジーを定義する CSMA/CD プロトコルを使用した、通信事業者に影響される多重アクセスは必要ありません。他のどの点でも、10 ギガビット イーサネットは元のイーサネット モデルに忠実です。
MAC アドレス
MAC アドレスは、レイヤ 2 のインターフェイスを識別する固有の 6 バイト アドレスです。
MAC アカウンティング
MAC アドレス アカウンティング機能を使用すると、LAN インターフェイスの発信元および宛先の MAC アドレスに基づいた IP トラフィックのアカウンティング情報がわかります。この機能では、LAN インターフェイスが固有の MAC アドレスとの間で 送受信する IP パケットの合計パケット数および合計バイト数が計算されます。また、最終受信または最終送信のタイム スタンプも記録されます。
イーサネット MTU
イーサネットの最大伝送ユニット(MTU)は、最大フレームのサイズから 4 バイトの Frame Check Sequence(FCS; フレーム チェック シーケンス)を引いた値です。この MTU がイーサネット ネットワークで伝送できるサイズです。パケットの宛先に到達するまでに経由する各物理ネットワークは、MTU が異なる可能性があります。
Cisco IOS XR ソフトウェアは、2 種類のフレーム転送プロセスをサポートしています。
• IPV4 パケットのフラグメンテーション。このプロセスでは、次ホップの物理ネットワークの MTU 内に収まるように、必要に応じて IPv4 パケットが分割されます。
(注) IPv6 はフラグメンテーションをサポートしません。
• MTU の検出プロセスによる最大パケット サイズの決定。このプロセスは、すべての IPv6 デバイスと発信側の IPv4 デバイスに使用できます。このプロセスでは、分割せずに送信できる IPv6 または IPv4 パケットの最大サイズを、発信側の IP デバイスが決定します。最大パケットは、IP 発信元デバイスおよび IP 宛先デバイス間にあるすべてのネットワークの中で、最小 MTU と等値です。このパス内にあるすべてのネットワークの最小 MTU よりもパケットが大きい場合、そのパケットは必要に応じて分割されます。このプロセスによって、発信側のデバイスから大きすぎる IP パケットが送信されなくなります。
標準フレーム サイズを超えるフレームの場合、ジャンボ フレームのサポートが自動的にイネーブルになります。デフォルト値は標準フレームの場合は 1514、802.1Q タグ付きフレームの場合は 1518 です。この数値に 4 バイトの FCS は含まれません。
イーサネット インターフェイスでのフロー制御
10 ギガビット イーサネット インターフェイスでのフロー制御は、フロー制御ポーズ フレームを定期的に送信する処理で構成されます。この処理は、標準の管理インターフェイスで使用される通常の全二重および半二重のフロー制御とは根本的に異なります。フロー制御は、入トラフィックについてのみアクティブ化または非アクティブ化することができます。出トラフィックについては自動的に実装されます。
802.1Q VLAN
VLAN とは、実際は異なる LAN セグメント上のデバイスでも、同じセグメントで接続している場合と同様に通信できるように設定された、1 つまたは複数の LAN 上にあるデバイスのグループです。VLAN は、物理接続ではなく論理接続に基づいているため、ユーザ管理、ホスト管理、帯域割り当て、およびリソースの最適化がとても柔軟です。
IEEE の 802.1Q プロトコル規格では、ブロードキャストおよびマルチキャストのトラフィックが必要以上の帯域を消費しないように、大規模なネットワークを小規模なパーツに分割することで問題に対処しています。また、内部ネットワークのセグメント間に、より高レベルのセキュリティを実現できます。
802.1Q 仕様は、イーサネット フレームに VLAN メンバーシップ情報を挿入する標準方式を確立します。
VLAN 設定については、このマニュアルの 「 Cisco IOS XR ソフトウェアでの 802.1Q VLAN インターフェイスの設定 」モジュールを参照してください。
VRRP
Virtual Router Redundancy Protocol(VRRP; 仮想ルータ冗長プロトコル)によって、静的なデフォルトのルーティング環境に固有の単一障害点が除外されます。VRRP は、仮想ルータの役割を LAN 上の VPN コンセントレータの 1 つに動的に割り当てるという、選択プロトコルを規定します。仮想ルータに割り当てる IP アドレスを制御する VRRP VPN コンセントレータはマスターと呼ばれ、送信されたパケットをその IP アドレスに転送します。マスターが使用不可になると、バックアップ VPN コンセントレータがマスターの役割を引き継ぎます。
VRRP の詳細については、『 Cisco IOS XR IP Addresses and Services Configuration Guide 』の「 Implementing VRRP on Cisco IOS XR Software 」モジュールを参照してください。
HSRP
Hot Standby Routing Protocol(HSRP)はシスコの独自プロトコルです。HSRP は障害の発生時にルータのバックアップを用意するルーティング プロトコルです。複数のルータが同じセグメントのイーサネット、FDDI、またはトークンリング ネットワークに接続し、LAN 上にある単一の仮想ルータとして連携します。これらのルータは同じ IP アドレスおよび MAC アドレスを共有するため、ルータのいずれかに障害が発生した場合でも、LAN 上のホストはそのまま同じ IP アドレスおよび MAC アドレスにパケットを転送できます。ルーティングの担当デバイスの切り替えは、ユーザには検知されません。
HSRP は、特定の状況で IP トラフィックを中断しない切り替えをサポートし、ホストからは単一のルータを使用しているように見え、使用している第 1 ホップのルータに障害が発生した場合でも接続を維持できるように設計されています。つまり、HSRP は、発信元のホストが第 1 ホップのルータの IP アドレスを動的に取得できない場合でも、第 1 ホップのルータの障害に対処できます。複数のルータが HSRP に参加し、連携して単一の仮想ルータであるように見せます。HSRP によって、確実に単一のルータが仮想ルータの代わりにパケットを転送します。エンド ホストがそのパケットを仮想ルータに転送します。
パケットを転送するルータは、 アクティブ ルータ と呼ばれます。アクティブ ルータに障害が発生した場合、代わりになるスタンバイ ルータが選択されます。HSRP には、参加するルータの IP アドレスを使用して、アクティブ ルータとスタンバイ ルータを決定するメカニズムがあります。アクティブ ルータに障害が発生した場合、スタンバイ ルータが引き継ぐことができます。ホストの接続が長く切断することはありません。
HSRP は User Datagram Protocol(UDP; ユーザ データグラム プロトコル)上で実行され、ポート番号 1985 を使用します。ルータは、プロトコル パケットの発信元アドレスとして仮想アドレスではなく実際の IP アドレスを使用するため、HSRP ルータは相互を識別できます。
HSRP の詳細については、『 Cisco IOS XR IP Addresses and Services Configuration Guide 』の「 Implementing HSRP on Cisco IOS XR Software 」モジュールを参照してください。
ファスト イーサネット インターフェイスでのデュプレックス モード
ファスト イーサネット ポートはデュプレックス伝送タイプをサポートしています。全二重モードでは、送信側ステーションと受信側ステーション間で同時にデータ伝送が可能ですが、半二重モードでは、同時に 1 方向のみのデータ伝送が可能です。
ファスト イーサネット インターフェイスでデュプレックス モードを設定する場合、次の点に注意してください。
• インターフェイスでオートネゴシエーションがイネーブルの場合、デフォルトではデュプレックス モードがネゴシエーションされます。
• インターフェイスでオートネゴシエーションがディセーブルの場合、デフォルトは全二重モードです。
(注) デュプレックス モードを設定できるのはファスト イーサネット インターフェイスのみです。ギガビット イーサネットおよび 10 ギガビット イーサネットは常に全二重モードで実行されます。
ファスト イーサネット インターフェイスの速度
ファスト イーサネット インターフェイスではインターフェイス速度を設定できます。ファスト イーサネット インターフェイスの速度を設定する場合、次の点に注意してください。
• オートネゴシエーションがインターフェイスでイネーブルの場合、デフォルトでは速度がネゴシエーションされます。
• オートネゴシエーションがインターフェイスでディセーブルの場合、デフォルトの速度はそのインターフェイスに可能な最高速度です。
(注) リンクの両エンドは、同じインターフェイス速度にする必要があります。手動で設定したインターフェイス速度は、オートネゴシエーションされた速度よりも優先されます。そのため、リンクの一方のエンドで設定したインターフェイス速度が、もう一方のエンドのインターフェイス速度と異なる場合、リンク速度の上昇を防ぐことができます。
イーサネット インターフェイスでのリンクのオートネゴシエーション
リンクのオートネゴシエーションによって、リンク セグメントを共有するデバイスは、最高のパフォーマンス モードの相互運用で自動的に設定されます。イーサネット インターフェイスでリンクのオートネゴシエーションをイネーブルにするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで negotiation auto コマンドを使用します。ラインカードのイーサネット インターフェイスでは、リンクのオートネゴシエーションはデフォルトでディセーブルです。
(注) negotiation auto コマンドを使用できるのは、ギガビット イーサネットおよびファスト イーサネットのインターフェイスのみです。
表 6 は、デュプレックス モードおよび速度モードのさまざまな組み合わせに関するシステムのパフォーマンスです。インターフェイスでオートネゴシエーションが設定されているという前提で、指定した duplex コマンドと指定した speed コマンドによって結果のシステム処理が実行されます。
表 6 duplex コマンドと speed コマンドの関係
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no duplex |
no speed |
速度モードとデュプレックス モードの両方がオートネゴシエーションされます。 |
no duplex |
speed 1000 |
デュプレックス モードがオートネゴシエーションされ、強制的に 1000 Mbps が指定されます。 |
no duplex |
speed 100 |
デュプレックス モードがオートネゴシエーションされ、強制的に 100 Mbps が指定されます。 |
no duplex |
speed 10 |
デュプレックス モードがオートネゴシエーションされ、強制的に 10 Mbps が指定されます。 |
full-duplex |
no speed |
強制的に全二重モードが指定され、速度はオートネゴシエーションされます。 |
full-duplex |
speed 1000 |
強制的に全二重モードと 1000 Mbps が指定されます。 |
full-duplex |
speed 100 |
強制的に全二重モードと 100 Mbps が指定されます。 |
full-duplex |
speed 10 |
強制的に全二重モードと 10 Mbps が指定されます。 |
half-duplex |
no speed |
強制的に半二重モードが指定され、速度はオートネゴシエーションされます。 |
half-duplex |
speed 1000 |
強制的に半二重モードと 1000 Mbps が指定されます。 |
half-duplex |
speed 100 |
強制的に半二重モードと 100 Mbps が指定されます。 |
half-duplex |
speed 10 |
強制的に半二重モードと 10 Mbps が指定されます。 |
イーサネット インターフェイスでのキャリア遅延
イーサネット インターフェイスでキャリア遅延機能をイネーブルにすると、リンク アップ イベントまたはリンク ダウン イベントに応じてシステムの応答速度が遅くなります。インターフェイスでキャリア遅延のアップとキャリア遅延のダウンを同時に設定できます。
リンクがダウンした後、回復し、再度ダウンする場合、キャリア遅延のアップによって、短期のリンク フラップを抑制できます。過去にダウンしたリンクが carrier-delay up コマンドに指定した期間よりも長くアップ状態が継続してから、インターフェイスが回復したことをシステムに通知します。 carrier-delay up コマンドに指定した期間よりも短いフラップは、すべて抑制されます。
キャリア遅延のアップを設定すると、リンクが十分に安定してから、リンクが回復し、トラフィックを転送する準備が整ったことをシステムに通知することができます。
キャリア遅延のダウンによって、リンクがアップした後にダウンし、再度アップした場合、短期のリンク フラップを抑制できます。過去にアップしたリンクが carrier-delay down コマンドに指定した期間よりも長くダウン状態が継続してから、インターフェイスがダウンしたことをシステムに通知します。 carrier-delay down コマンドに指定した値よりも短いフラップは、すべて抑制されます。
キャリア遅延のダウンの設定は、非常に短期のリンク フラップを抑制し、結果的にインターフェイス フラップを防ぐことに役立ちます。また、この機能を設定することで、他のリンク保護機器が介入する時間的な余裕ができるという利点もあります。
イーサネット インターフェイスの設定方法
ここでは、次のタスクについて説明します。
• 「ギガビット イーサネット インターフェイスまたは 10 ギガビット イーサネット インターフェイスの設定」
• 「ファスト イーサネット インターフェイスの設定」
• 「イーサネット インターフェイスでの MAC アカウンティングの設定」
ギガビット イーサネット インターフェイスまたは 10 ギガビット イーサネット インターフェイスの設定
基本的なギガビット イーサネット インターフェイスまたは 10 ギガビット イーサネット インターフェイスの設定を作成するには、次の手順で操作します。
手順の概要
1. show version
2. show interfaces [ GigabitEthernet | TenGigE ] interface-path-id
3. configure
4. interface [ GigabitEthernet | TenGigE ] interface-path-id
5. ipv4 address ip address mask
6. flow-control { bidirectional | egress | ingress }
7. mtu bytes
8. mac-address value1.value2.value3
9. negotiation auto (ギガビット イーサネット インターフェイスのみ)
10. no shutdown
11. end
または
commit
12. show interfaces [ GigabitEthernet | TenGigE ] interface-path-id
詳細手順
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ステップ 1 |
show version
RP/0/RP0/CPU0:router# show version |
(任意)現在のソフトウェア バージョンを表示します。また、ルータがモジュラ サービス カードを認識していることを確認する場合にも使用できます。 |
ステップ 2 |
show interfaces [ GigabitEthernet | TenGigE ] interface-path-id
RP/0/RP0/CPU0:router# show interfaces TenGigE 0/1/0/0 |
(任意)設定済みのインターフェイスを表示し、各インターフェイス ポートのステータスを確認します。 このステップで使用できるインターフェイスの種類は次のとおりです。 • GigabitEthernet • TenGigE |
ステップ 3 |
configure
RP/0/RP0/CPU0:router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
interface [ GigabitEthernet | TenGigE ] interface-path-id
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface TenGigE 0/1/0/0 |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、イーサネット インターフェイス名と rack/slot/module/port 表記を指定します。このステップで使用できるインターフェイスの種類は次のとおりです。 • GigabitEthernet • TenGigE (注) この例は、モジュラ サービス カード スロット 1 の 8 ポート 10 ギガビット イーサネット インターフェイスです。 |
ステップ 5 |
ipv4 address ip-address mask
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# ipv4 address 172.18.189.38 255.255.255.224 |
インターフェイスに IP アドレスおよびサブネット マスクを割り当てます。 • ip-address をインターフェイスのプライマリ IPv4 アドレスに置き換えます。 • mask を関連付けられた IP サブネットのマスクに置き換えます。ネットワーク マスクを指定するには、次の 2 つの方法があります。 – ネットワーク マスクには、4 パートのドット付き 10 進アドレスを指定できます。たとえば、255.0.0.0 は、値が 1 の各ビットは、対応するアドレスのビットがそのネットワーク アドレスに属することを示します。 – ネットワーク マスクはスラッシュ(/)と数字で指定できます。たとえば、/8 は、マスクの先頭 8 ビットが 1 で、アドレスの対応するビットがネットワーク アドレスであることを示します。 |
ステップ 6 |
flow-control { bidirectional | egress | ingress }
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# flow control ingress |
(任意)フロー制御のポーズ フレームの送信および処理をイネーブルにします。 • egress - 送信時にフロー制御のポーズ フレームをイネーブルにします。 • ingress - 受信時に受信したポーズ フレームの処理をイネーブルにします。 • bidirectional - 送信時のフロー制御のポーズ フレームと受信時の受信したポーズ フレームの処理をイネーブルにします。 |
ステップ 7 |
mtu bytes
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# mtu 1448 |
(任意)インターフェイスの MTU 値を設定します。 • 通常フレームのデフォルトは 1514 バイト、802.1Q タグ付き フレームのデフォルトは 1518 バイトです。 • ギガビット イーサネットおよび 10 ギガビット イーサネットの mtu 値の範囲は 64 ~ 65535 バイトです。 |
ステップ 8 |
mac-address value1.value2.value3
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# mac address 0001.2468.ABCD |
(任意)[Management Ethernet] インターフェイスの MAC レイヤ アドレスを設定します。 • 値は、それぞれMAC アドレスの上位、中間、および下位の 2 バイト(16 進)です。各 2 バイト値の範囲は 0 ~ ffff です。 |
ステップ 9 |
negotiation auto
RP/0/0/CPU0:router(config-if)# negotiation auto |
(任意)ギガビット イーサネット インターフェイスでのオートネゴシエーションをイネーブルにします。 • オートネゴシエーションは接続の両エンドで明示的にイネーブルにするか、接続の両エンドで速度とデュプレックス モードを手動設定する必要があります。 • オートネゴシエーションがイネーブルの場合、手動で設定した速度またはデュプレックス モードの設定の方が優先されます。 コマンドを使用できるのは、ギガビット イーサネットおよびファスト イーサネットのインターフェイスのみです。 |
ステップ 10 |
no shutdown
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# no shutdown |
shutdown 設定を削除します。こうすることでインターフェイスが強制的に管理上のダウン状態になります。 |
ステップ 11 |
end または commit
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# end または RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# commit |
設定変更を保存します。 • end コマンドを発行すると、変更のコミットを求めるプロンプトが表示されます。
Uncommitted changes found, commit them before exiting(yes/no/cancel)?
– yes と入力すると、実行コンフィギュレーション ファイルに設定変更が保存され、コンフィギュレーション セッションが終了し、ルータが EXEC モードに戻ります。 – no と入力すると、設定変更をコミットせずにコンフィギュレーション セッションが終了し、ルータが EXEC モードに戻ります。 – cancel と入力すると、コンフィギュレーション セッションの終了や設定変更のコミットは行われず、ルータでは現在のコンフィギュレーション セッションが継続されます。 • 設定変更を実行コンフィギュレーション ファイルに保存し、コンフィギュレーション セッションを継続するには、 commit コマンドを使用します。 |
ステップ 12 |
show interfaces [ GigabitEthernet | TenGigE ] interface-path-id
RP/0/RP0/CPU0:router# show interfaces TenGigE 0/3/0/0 |
(任意)ルータ上のインターフェイスに関する統計情報を表示します。 |
次に行う作業
• イーサネット インターフェイスで MAC アカウンティングを設定する方法については、このモジュールで後述する「イーサネット インターフェイスでの MAC アカウンティングの設定」を参照してください。
• イーサネット インターフェイスで 802.1Q VLAN サブインターフェイスを設定する方法については、このマニュアルで後述する 「 Cisco IOS XR ソフトウェアでの 802.1Q VLAN インターフェイスの設定 」モジュールを参照してください。
• レイヤ 2 VPN 実装のイーサネット ポートで AC を設定する方法については、このモジュールで後述する「イーサネット ポートでの接続回路の設定」を参照してください。
• マルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)やサービス品質(QoS)など、レイヤ 3 サービス ポリシーをイーサネット インターフェイスに付加する方法については、該当するCisco IOS XR ソフトウェアのコンフィギュレーション ガイドを参照してください。
ファスト イーサネット インターフェイスの設定
基本的なファスト イーサネット インターフェイス設定を作成するには、次の手順で操作します。
(注) ファスト イーサネットは Cisco XR 12000 シリーズ ルータでのみサポートされています。
手順の概要
1. configure
2. interface fastethernet interface-path-id
3. ipv4 address ip-address mask
4. mtu bytes
5. duplex full
6. speed speed
7. negotiation auto
8. no shutdown
9. end
または
commit
10. show interfaces fastethernet interface-path-id
詳細手順
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ステップ 1 |
configure
RP/0/0/CPU0:router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface fastethernet interface-path-id
RP/0/0/CPU0:router(config)# interface fastethernet 0/0/2/1 |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、イーサネット インターフェイス名と rack / slot / module / port 表記を指定します。 • この例は、スロット 0 の 8 ポート ファスト イーサネット SPA のセカンド インターフェイスと、SPA サブスロット 2 です。 |
ステップ 3 |
ipv4 address ip-address mask
RP/0/0/CPU0:router(config-if)# ipv4 address 172.18.189.38 255.255.255.224 |
インターフェイスに IP アドレスおよびサブネット マスクを割り当てます。 • ip-address をインターフェイスのプライマリ IPv4 アドレスに置き換えます。 • mask を関連付けられた IP サブネットのマスクに置き換えます。ネットワーク マスクを指定するには、次の 2 つの方法があります。 – ネットワーク マスクには、4 パートのドット付き 10 進アドレスを指定できます。たとえば、255.0.0.0 は、値が 1 の各ビットは、対応するアドレスのビットがそのネットワーク アドレスに属することを示します。 – ネットワーク マスクはスラッシュ(/)と数字で指定できます。たとえば、/8 は、マスクの先頭 8 ビットが 1 で、アドレスの対応するビットがネットワーク アドレスであることを示します。 |
ステップ 4 |
mtu bytes
RP/0/0/CPU0:router(config-if# mtu 1448 |
(任意)インターフェイスの MTU 値を設定します。 • デフォルトは 1500 バイトです。 • ファスト イーサネットの mtu 値の範囲は 0 ~ 10240 バイトです。 |
ステップ 5 |
duplex full
RP/0/0/CPU0:router(config-if)# duplex full |
(任意)全二重モードをイネーブルにします。半二重モードをイネーブルにするには、 duplex half コマンドを使用します。 • デュプレックス操作はデフォルトでオートネゴシエーションされます。 • オートネゴシエーションがイネーブルの場合、ユーザ定義の duplex 値はすべて無視されます。 |
ステップ 6 |
speed speed
RP/0/0/CPU0:router(config-if)# speed 100 |
(任意)インターフェイスの速度を設定します。有効なオプションは 10 Mbps または 100 Mbps です。 • デフォルトは 100 Mbps です。 • オートネゴシエーションがイネーブルの場合、ユーザ定義の speed 値はすべて無視されます。 |
ステップ 7 |
negotiation auto
RP/0/0/CPU0:router(config-if)# negotiation auto |
(任意)インターフェイスでオートネゴシエーションをイネーブルにします。 • オートネゴシエーションは接続の両エンドで明示的にイネーブルにするか、接続の両エンドで速度とデュプレックス モードを手動設定する必要があります。 • オートネゴシエーションがイネーブルの場合、手動で設定した速度またはデュプレックス モードの設定の方が優先されます。 |
ステップ 8 |
no shutdown
RP/0/0/CPU0:router(config-if)# no shutdown |
shutdown 設定を削除します。その結果、インターフェイスに強制されていた管理上のダウン状態が解除され、アップ状態またはダウン状態に移行できるようになります。 |
ステップ 9 |
end または commit
RP/0/0/CPU0:router(config-if)# end または RP/0/0/CPU0:router(config-if)# commit |
設定変更を保存します。 • end コマンドを発行すると、変更のコミットを求めるプロンプトが表示されます。
Uncommitted changes found, commit them before exiting(yes/no/cancel)?
– yes と入力すると、実行コンフィギュレーション ファイルに設定変更が保存され、コンフィギュレーション セッションが終了し、ルータが EXEC モードに戻ります。 – no と入力すると、設定変更をコミットせずにコンフィギュレーション セッションが終了し、ルータが EXEC モードに戻ります。 – cancel と入力すると、コンフィギュレーション セッションの終了や設定変更のコミットは行われず、ルータでは現在のコンフィギュレーション セッションが継続されます。 • 設定変更を実行コンフィギュレーション ファイルに保存し、コンフィギュレーション セッションを継続するには、 commit コマンドを使用します。 |
ステップ 10 |
show interfaces fastethernet interface-path-id
RP/0/0/CPU0:router# show interfaces fastethernet 0/0/1/1 |
(任意)ルータ上のインターフェイスに関する統計情報を表示します。 |
次に行う作業
• ファスト イーサネット インターフェイスで MAC アカウンティングを設定する方法については、このモジュールで後述する「イーサネット インターフェイスでの MAC アカウンティングの設定」を参照してください。
• ファスト イーサネット インターフェイスで 802.1Q VLAN サブインターフェイスを設定する方法については、このマニュアルで後述する 「 Cisco IOS XR ソフトウェアでの 802.1Q VLAN インターフェイスの設定 」モジュールを参照してください。
• レイヤ 2 VPN 実装のファスト イーサネット ポートで AC を設定する方法については、このモジュールで後述する「イーサネット ポートでの接続回路の設定」を参照してください。
• MPLS や QoS など、レイヤ 3 サービス ポリシーをファスト イーサネット インターフェイスに付加する方法については、該当するCisco IOS XR ソフトウェアのコンフィギュレーション ガイドを参照してください。
イーサネット インターフェイスでの MAC アカウンティングの設定
このタスクでは、イーサネット インターフェイスでの MAC アカウンティングの設定方法について説明します。MAC アカウントには、この手順で説明する特殊な show コマンドがあります。show コマンド以外は、基本的なイーサネット インターフェイスの設定と同じなので、手順を 1 回のコンフィギュレーション セッションにまとめることができます。イーサネット インターフェイスの他の一般的なパラメータの設定方法については、このモジュールの「 ギガビット イーサネット インターフェイスまたは 10 ギガビット イーサネット インターフェイスの設定 」を参照してください。
手順の概要
1. configure
2. interface [ GigabitEthernet | TenGigE | fastethernet ] interface-path-id
3. ipv4 address ip-address mask
4. mac-accounting { egress | ingress }
5. end
または
commit
6. show mac-accounting type location instance
詳細手順
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ステップ 1 |
configure
RP/0/RP0/CPU0:router# configure |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface [ GigabitEthernet | TenGigE | fastethernet ] interface-path-id
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface TenGigE 0/1/0/0 |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、イーサネット インターフェイス名と rack/slot/module/port 表記の interface-path-id を指定します。 • この例は、モジュラ サービス カード スロット 1 の 8 ポート 10 ギガビット イーサネット インターフェイスです。 |
ステップ 3 |
ipv4 address ip-address mask
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# ipv4 address 172.18.189.38 255.255.255.224 |
インターフェイスに IP アドレスおよびサブネット マスクを割り当てます。 • ip-address をインターフェイスのプライマリ IPv4 アドレスに置き換えます。 • mask を関連付けられた IP サブネットのマスクに置き換えます。ネットワーク マスクを指定するには、次の 2 つの方法があります。 – ネットワーク マスクには、4 パートのドット付き 10 進アドレスを指定できます。たとえば、255.0.0.0 は、値が 1 の各ビットは、対応するアドレスのビットがそのネットワーク アドレスに属することを示します。 – ネットワーク マスクはスラッシュ(/)と数字で指定できます。たとえば、/8 は、マスクの先頭 8 ビットが 1 で、アドレスの対応するビットがネットワーク アドレスであることを示します。 |
ステップ 4 |
mac-accounting { egress | ingress }
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# mac-accounting egress
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LAN インターフェイス上の発信元 MAC アドレスと宛先 MAC アドレスに基づいて、IP トラフィックのアカウンティング情報を生成します。 • MAC アカウンティングをディセーブルにするには、このコマンドの no フォームを使用します。 |
ステップ 5 |
end または commit
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# end または RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# commit |
設定変更を保存します。 • end コマンドを発行すると、変更のコミットを求めるプロンプトが表示されます。
Uncommitted changes found, commit them before
– yes と入力すると、実行コンフィギュレーション ファイルに設定変更が保存され、コンフィギュレーション セッションが終了し、ルータが EXEC モードに戻ります。 – no と入力すると、設定変更をコミットせずにコンフィギュレーション セッションが終了し、ルータが EXEC モードに戻ります。 – cancel と入力すると、コンフィギュレーション セッションの終了や設定変更のコミットは行われず、ルータでは現在のコンフィギュレーション セッションが継続されます。 • 設定変更を実行コンフィギュレーション ファイルに保存し、コンフィギュレーション セッションを継続するには、 commit コマンドを使用します。 |
ステップ 6 |
show mac-accounting type location instance
RP/0/RP0/CPU0:router# show mac-accounting TenGigE location 0/2/0/4 |
インターフェイスの MAC アカウンティングの統計情報を表示します。 |
イーサネット ポートでの接続回路の設定
ギガビット イーサネット、10 ギガビット イーサネット、またはファスト イーサネット ポートで接続回路を設定するには、次の手順で操作します。
(注) この手順の各操作では、ポート モードで操作する L2VPN イーサネット ポートを設定します。
手順の概要
1. configure
2. interface [ GigabitEthernet | TenGigE ] interface-path-id
3. l2transport
4. l2protocol { cdp | pvst | stp | vtp } {[ tunnel ] experimental bits | drop }
5. end
または
commit
6. show interfaces [ GigabitEthernet | TenGigE ] interface-path-id
詳細手順
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ステップ 1 |
configure
RP/0/RP0/CPU0:router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface [ GigabitEthernet | TenGigE ] interface-path-id
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface TenGigE 0/1/0/0 |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、イーサネット インターフェイス名と rack/slot/module/port 表記を指定します。このステップで使用できるインターフェイスの種類は次のとおりです。 • GigabitEthernet • TenGigE |
ステップ 3 |
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# l2transport |
ポートでレイヤ 2 トランスポート モードをイネーブルにし、レイヤ 2 トランスポート コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
l2protocol
{
cdp |
pvst |
stp |
vtp } {[
tunnel ]
experimental
bits |
drop }
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if-l2)#
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インターフェイスでレイヤ 2 プロトコルのトンネリングおよびデータ ユニットのパラメータを設定します。 使用できるプロトコルは次のとおりです。 • cdp :Cisco Discovery Protocol(CDP; シスコ検出プロトコル)のトンネリングおよびデータ ユニットのパラメータ。 • pvst :VLAN スパニング ツリー プロトコルのトンネリングおよびデータ ユニットのパラメータを設定します。 • stp :スパニング ツリー プロトコルのトンネリングおよびデータ ユニットのパラメータ。 • vtp :VLAN Trunk Protocol のトンネリングおよびデータ ユニットのパラメータ。 指定したプロトコルに関連するパケットをトンネル処理するには、 tunnel オプションを含めます。 指定したプロトコルの MPLS EXP ビットを変更するには、 experimental bits キーワードの引数を含めます。 指定したプロトコルに関連するパケットをドロップするには、 drop キーワードを含めます。 |
ステップ 5 |
end または commit
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if-l2)# end または RP/0/RP0/CPU0:router(config-if-l2)# commit |
設定変更を保存します。 • end コマンドを発行すると、変更のコミットを求めるプロンプトが表示されます。
Uncommitted changes found, commit them before exiting(yes/no/cancel)?
– yes と入力すると、実行コンフィギュレーション ファイルに設定変更が保存され、コンフィギュレーション セッションが終了し、ルータが EXEC モードに戻ります。 – no と入力すると、設定変更をコミットせずにコンフィギュレーション セッションが終了し、ルータが EXEC モードに戻ります。 – cancel と入力すると、コンフィギュレーション セッションの終了や設定変更のコミットは行われず、ルータでは現在のコンフィギュレーション セッションが継続されます。 • 設定変更を実行コンフィギュレーション ファイルに保存し、コンフィギュレーション セッションを継続するには、 commit コマンドを使用します。 |
ステップ 6 |
show interfaces [ GigabitEthernet | TenGigE ] interface-path-id
RP/0/RP0/CPU0:router# show interfaces TenGigE 0/3/0/0 |
(任意)ルータ上のインターフェイスに関する統計情報を表示します。 |
次に行う作業
• AC でポイントツーポイントの疑似接続 XConnect を設定する方法については、『 Cisco IOS XR Multiprotocol Label Switching Configuration Guide 』の「 Implementing MPLS Layer 2 VPNs 」モジュールを参照してください。
• QoS など、レイヤ 2 サービス ポリシーをイーサネット インターフェイスに付加する方法については、該当するCisco IOS XR ソフトウェアのコンフィギュレーション ガイドを参照してください。