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この章では、Cisco 880 シリーズ Integrated Services Routers(ISR; サービス統合型ルータ)での音声機能の設定について説明します。次の ISR には音声ゲートウェイの機能があります。
• C881SRST および C888SRST:4 基の FXS ポートと 1 基の音声バックアップ ポート
– C881SRST ISR には 1 基の FXO 音声バックアップ ポートが装備されています。
– C888SRST ISR には 1 基の BRI 音声バックアップ ポートが装備されています。
アナログ音声ポート(Foreign Exchange Station(FXS)ポート)は、パケットベース ネットワークのルータを 2 線式または 4 線式のテレフォニー ネットワークに接続します。2 線式ではアナログ電話または FAX デバイスに、4 線式では PBX にそれぞれ接続します。
デジタル音声ポートは、ISDN Basic Rate Interface(BRI; 基本速度インターフェイス)ポートです。
アナログおよびデジタルの音声ポートの割り当ては型番によって異なります。 表 7-1 に、Cisco 880 シリーズ ISR およびその音声ポートの割り当ての一覧を示します。
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アナログおよびデジタルの音声ポートを設定するには、次の資料を参照してください。
Cisco 880 シリーズ ISR 音声ゲートウェイ モデルでは、次のコール制御プロトコルをサポートしています。
• 「Session Initiation Protocol(SIP)」
• 「Media Gateway Control Protocol(MGCP)」
• 「H.323」
Session Initiation Protocol(SIP)は、Internet Engineering Task Force(IETF; インターネット技術特別調査委員会)(IETF RFC 2543)が規定した、ピアツーピアのマルチメディア シグナリング プロトコルです。Session Initiation Protocol は、ASCII ベースです。このプロトコルは HTTP と同様、既存の IP プロトコル(DNS や SDP)を再利用してメディアのセットアップとティアダウンを提供します。詳細については、『 Cisco IOS SIP Configuration Guide, Release 4T 』を参照してください。
SIP を使用したルータ設定の詳細は、『 Cisco IOS SIP Configuration Guide, Release 4T 』の「 Basic SIP Configuration 」の章を参照してください。
Cisco 880 シリーズ ISR 音声ゲートウェイでは、Cisco IOS ファイアウォール内で SIP の機能を拡張することで音声セキュリティを提供しています。プロトコルの適合性およびアプリケーション保護の機能に加え、SIP 検査機能(SIP パケット検査およびピンホールの開きの検出)が提供されます。ユーザは、ポリシーをより詳細に制御したり、SIP トラフィックにセキュリティ チェックを適用したりできます。また、不要なメッセージをフィルタリングで除去することもできます。詳細については、http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/security/configuration/guide/sec_sip_alg_aic.html で、「 Cisco IOS Firewall: SIP Enhancements: ALG and AIC 」を参照してください。
Media Gateway Control Protocol(MGCP)RFC 2705 は、Voice over IP(VoIP)を含むマルチメディア アプリケーションを作成する集中型のアーキテクチャを定義しています。詳細については、『 Cisco IOS MGCP and Related Protocols Configuration Guide 』を参照してください。
Cisco 880 シリーズ音声ゲートウェイ ISR は、主に、MGCP を使用する Residential Gateway(RGW; レジデンシャル ゲートウェイ)として設定されます。レジデンシャル ゲートウェイの設定情報については、『 Cisco IOS MGCP and Related Protocols Configuration Guide 』の章「 Basic MGCP Configuration 」の「 Configuring an RGW 」のセクションを参照してください。
国際電気通信連合勧告 H.323 では、Voice over IP(VoIP)を含むマルチメディア アプリケーションの作成用の分散アーキテクチャについて定義しています。H.323 の詳細については、『 Cisco IOS H.323 Configuration Guide, Release 12.4T 』を参照してください。
ルータ設定の詳細については、『 Cisco IOS H.323 Configuration Guide, Release 12.4T 』の「 Configuring H.323 Gateways 」の章を参照してください。
ダイヤル ピアの設定は、ダイヤル プランの実装と IP ネットワークを通じた音声サービスの提供において非常に重要です。ダイヤル ピアを使用することで、コールの発信元と宛先のエンドポイントを識別し、コール接続の各コール レッグに適用される特性を定義します。ルータの設定情報については、『 Dial Peer Configuration on Voice Gateway Routers 』を参照してください。
Cisco 880 シリーズの音声ゲートウェイ ISR では、次の音声機能をサポートしています。
• 「Real-Time Transport Protocol」
• 「CODEC」
Real-Time Transport Protocol(RTP)は、リアルタイムでデータを伝送するアプリケーションにエンドツーエンドのネットワーク転送機能を提供します。
Cisco Real-Time Transport Protocol(cRTP)は RTP プロトコルを使用してシスコ特有のペイロード タイプを転送します。
Secure Real-Time Transport Protocol(SRTP)は、暗号化、認証、再送保護を提供する RTP プロファイルを定義します。
RTP は主に DTMF リレーで使用され、ダイヤル ピア構成で設定されます。RTP ペイロード タイプの設定については、『 Dial Peer Configuration on Voice Gateway Routers 』の「 Dual-Tone Multifrequency Relay 」のセクションを参照してください。
SIP 制御下のプラットフォームでの SRTP 設定については、『 Cisco IOS SIP Configuration Guide, Release 4T 』の「 Configuring SIP Support for SRTP 」の章を参照してください。
MGCP 制御下のプラットフォームでの RTP 設定については、『 Cisco IOS MGCP and Related Protocols Configuration Guide 』の章「 Basic MGCP Configuration 」の「 Configuring an RGW 」のセクションを参照してください。
Dual Tone Multi Frequency(DTMF; デュアル トーン多重周波数)リレーでは、ローカルの VoIP ゲートウェイが DTMF ディジットを待ち受け、受信したディジットを RTP パケットまたは H.245 パケットのいずれかによって未圧縮でリモートの VoIP ゲートウェイに送信します。受信したリモートの VoIP ゲートウェイはこの DTMF ディジットを再生成します。この方法により、圧縮によるディジットの欠落を防ぐことができます。DTMF リレーの設定については、『 Dial Peer Configuration on Voice Gateway Routers 』の「 Dual-Tone Multifrequency Relay 」のセクションを参照してください。
コール制御プロトコルに特定の DTMF の設定については、次の各トピックを参照してください。
• 「Configuring SIP DTMF Features」
• 「 Configuring DTMF Relay (H.323)」
Cisco 880 シリーズ音声ゲートウェイ ルータでは、次の CODEC がサポートされています。
CODEC の詳細については、次のマニュアルを参照してください。
• 『 Dial Peer Configuration on Voice Gateway Routers 』の付録「 Dial Peer Configuration Examples 」
• 『Cisco IOS SIP Configuration Guide, Release 4T』
Cisco 880 シリーズ音声ゲートウェイ ISR では、Cisco Skinny Client Control Protocol(SCCP)をサポートします。このプロトコルは、Cisco Unified Communications Manager または Cisco Unified Communications Manager Express システムで制御されるアナログ音声ポートの補助機能を提供します。次の機能がサポートされます。
サポートされる機能とその設定の詳細については、「 SCCP Controlled Analog (FXS) Ports with Supplementary Features in Cisco IOS Gateways 」を参照してください。
Cisco 880 シリーズの音声ゲートウェイ ISR では、次の FAX サービスをサポートしています。
FAX パススルーは、IP を介して FAX を送信する最もシンプルな方法ですが、Cisco FAX リレーほどは信頼性が高くありません。詳細については、『Cisco IOS Fax and Modem Services over IP Application Guide』の「 Configuring Fax Pass-Through 」の章を参照してください。
Cisco FAX リレーは、シスコ独自の FAX 方式であり、デフォルトでオンになります。Cisco FAX リレーは、T.30 変調信号を IP ゲートウェイを通じて H.323 ネットワークまたは SIP ネットワークでリアルタイムにリレーできます。詳細については、『Cisco IOS Fax and Modem Services over IP Application Guide』の「Configuring Cisco Fax Relay」の章を参照してください。
T.37 ストアアンドフォワード FAX メカニズムでは、FAX メッセージを H.323 ネットワークまたは SIP ネットワークで保管および転送できます。詳細については、『Cisco IOS Fax and Modem Services over IP Application Guide』の「Configuring T.37 Store-and-Forward Fax」の章を参照してください。
T.38 FAX リレーは、FAX 信号のリアルタイムのリレーに対し、ITU 仕様に準拠したメカニズムを提供します。MGCP ネットワークでは、ゲートウェイ制御による T.38 FAX リレーを実行できます。詳細については、『Cisco IOS Fax and Modem Services over IP Application Guide』の「Configuring T.38 Fax Relay」の章を参照してください。
Unified Survival Remote Site Telephony(Unified SRST)機能を持つ Cisco 880 シリーズ音声ゲートウェイ ISR には、次のものがあります。
Unified SRST は、ネットワーク障害を自動検出し、ルータの自動設定処理を開始します。Unified SRST は、IP 電話と FXS 電話に冗長性を提供して、電話システムの操作性を確保します。
在宅勤務者のサイトに接続するすべての IP 電話とアナログ電話は、Cisco Unified Communications Manager を使用する本社オフィスのコール制御システムで制御されます。WAN の障害時は、すべての電話が在宅勤務者のルータにより本社に SRST モードで登録され、すべての着信ダイヤルと発信ダイヤルは PSTN(バックアップ Foreign Exchange Office(FXO)または BRI ポート)に経路選択されます。WAN 接続が復旧すると、プライマリ Cisco Unified Communications Manager クラスタへの通信に自動的に戻ります。
Cisco 880 シリーズ SRST 音声ゲートウェイ ISR では、Direct Inward Dialing(DID; ダイヤルイン)がサポートされています。
Unified SRST に関する全般的な説明については、『 Cisco Unified SRST System Administrator Guide 』を参照してください。Cisco Unified SRST については、「 Overview 」の章で説明しています。
• H.323 および MGCP のコール制御プロトコルと SRST との関連付けの方法については、『 Cisco Unified SRST System Administrator Guide 』の「 Overview 」の章で、次の各トピックを参照してください 。
– H.323 の場合:「 Cisco Unified SRST Description 」
– MGCP の場合:「 MGCP Gateways and SRST 」
• 主な SRST 機能の設定については、『 Cisco Unified SRST System Administrator Guide 』の次の各章に説明があります。
– 「Setting Up Cisco Unified IP Phones」
– 「Configuring Additional Call Features」
– 「Integrating Voice Mail with Cisco Unified SRST」
SIP 特有の SRST については、『 Cisco Unified SIP SRST System Administrator Guide 』を参照してください。SIP SRST 機能を設定するには、「 Cisco Unified SIP SRST 4.1 」の章を参照してください。
• 『Cisco IOS Voice Port Configuration Guide』 の 「Verifying Analog and Digital Voice Port Configurations」
• 『Cisco IOS Voice Port Configuration Guide』 の 「Verify BRI Interfaces」
SRST を確認、監視、および管理する場合は、「 Monitoring and Maintaining Cisco Unified SRST 」を参照してください。