この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
ROM モニタ ファームウェアは、ルータの電源投入時またはリセット時に実行され、プロセッサ ハードウェアの初期設定およびオペレーティング システム ソフトウェアの起動を補助します。ROM モニタを使用すると、忘れたパスワードの回復、コンソール ポートを介したソフトウェアのダウンロードなど、特定の設定作業を実行することができます。ルータに Cisco IOS ソフトウェア イメージがロードされていない場合、ルータは ROM モニタによって稼動されます。
ROM モニタを使用するには、コンソール ポートを介してルータに接続された端末または PC を使用する必要があります。
次の再起動時に、ROM モニタ モードで起動するようにルータを設定する手順は、次のとおりです。
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新しいコンフィギュレーション レジスタ値を使用して、ルータを再起動します。ルータでは引き続き ROM モニタが稼動します。Cisco IOS ソフトウェアは起動されません。 設定値が 0x0 の場合は、コンソールから手動でオペレーティング システムを起動する必要があります。この付録のコマンドの説明の boot コマンドを参照してください。 |
ワンポイント アドバイス ルータを再起動してから 60 秒間は、コンフィギュレーション レジスタで Break(システム割り込み)がオフに設定されていても、Break が常に有効となります。再起動から 60 秒間のあいだに Break キーを押すと、ROM モニタのプロンプトに割り込むことができます。
ROM モニタ プロンプトに ? または help を入力すると、ROM モニタに、次のように、使用できるコマンドとオプションのリストが表示されます。
コマンドは、大文字と小文字が区別されます。端末の Break キーを押すことにより、コマンドを中止することができます。PC 上で一般的な端末エミュレーション プログラムを使用している場合は、Ctrl キーと Break キーを同時に押すと、コマンドが中止します。別のタイプの端末エミュレータまたは端末エミュレーション ソフトウェアを使用している場合は、製品のマニュアルに記載された Break コマンドの送信方法を参照してください。
表 C-1 に、最も一般的な ROM モニタ コマンドを示します。
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このコマンドの出力は、 xmodem ダウンロード コマンドの出力とわずかに異なります。 |
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指定したデバイス(フラッシュ メモリ ファイルなど)上のファイルがリストされます。 |
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ROM モニタの boot コマンドを詳細については、『 Cisco IOS Configuration Fundamentals and Network Management Guide』を参照してください。 |
フラッシュ メモリの最初のパーティションからイメージを直接ブートします。ファイル名を入力しないと、フラッシュ メモリ内の最初のイメージがブートされます。 |
ルータに新しいソフトウェアをロードするには、通常、Cisco IOS ソフトウェアの Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)から copy tftp flash 特権 EXEC コマンドを実行します。ただし、ルータが Cisco IOS ソフトウェアをブートできない場合は、ROM モニタ モード中に新しいソフトウェアをロードすることができます。
ここでは、リモート TFTP サーバからルータのフラッシュ メモリに Cisco IOS ソフトウェア イメージをロードする方法について説明します。 tftpdnld コマンドを実行すると、ルータに新しいソフトウェア イメージをダウンロードする前にフラッシュ メモリ内のすべての既存データが消去されるため、このコマンドは障害回復の場合にだけ使用してください。
ここでは、ROM モニタ モードで設定できるシステム変数、および TFTP ダウンロード プロセス中に使用されるシステム変数について説明します。必須変数とオプション変数があります。
(注) ここに記載されたコマンドは大文字と小文字の区別があり、表記どおり正確に入力する必要があります。
tftpdnld コマンドを使用する前に、次のコマンドを使用して、次に示す変数を設定する必要があります。
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tftpdnld コマンドを使用する前に、次のコマンドを使用して、次に示す変数を設定します。
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1:ファイル ダウンロードが進行中であることを示す感嘆符(!!!)が表示されます。これがデフォルトの設定です。 2:ファイル ダウンロード プロセス中に、次のような詳細な進行状況が表示されます。 • ARP reply for 1.4.0.1 received.MAC address 00:00:0c:07:ac:01 |
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TFTP を使用してファイルをダウンロードするには、ROM モニタ モードで次の手順を実行します。
ステップ 1 適切なコマンドを使用して、上記のすべての必須変数およびオプション変数を入力します。
ステップ 2 次のように、 tftpdnld コマンドを入力します。
(注) -r 変数はオプションです。この変数を入力すると、新しいソフトウェアがダウンロードされ、ブートされますが、ソフトウェアはフラッシュ メモリに保存されません。次回に reload を入力した場合は、フラッシュ メモリ内のイメージを使用することができます。
ステップ 3 継続する場合は、出力内の質問に対して y を入力します。
誤って y を入力した場合、 Ctrl+C または Break を入力するとフラッシュ メモリを消去する前に転送を止めることができます。
仮想コンフィギュレーション レジスタは Nonvolatile RAM(NVRAM; 不揮発性 RAM)内にあり、他のシスコ製ルータと同じ機能を持ちます。仮想コンフィギュレーション レジスタの設定は、ROM モニタまたはオペレーティングシステム ソフトウェアから表示したり、変更することができます。ROM モニタ内でコンフィギュレーション レジスタを変更するには、レジスタ値を 16 進形式で入力するか、ROM モニタ プロンプトを使用して各ビットを設定します。
ROM モニタから仮想コンフィギュレーション レジスタを手動で変更するには、 confreg コマンドを入力し、続けて新しいレジスタ値を 16 進数で入力します(次の例を参照)。
指定値は、常に 16 進数として解釈されます。新しい仮想コンフィギュレーション レジスタ値は NVRAM に書き込まれますが、ルータをリセットするか再起動しない限り有効になりません。
引数を指定しないで confreg コマンドを入力すると、仮想コンフィギュレーション レジスタの内容が表示され、各ビットの意味と、設定を変更するかどうかを問い合せるプロンプトが表示されます。
いずれの場合も、新しい仮想コンフィギュレーション レジスタ値は NVRAM に書き込まれますが、ルータをリセットするか再起動しない限り有効になりません。
ROM モニタ機能の 1 つであるコンソール ダウンロードを使用すると、ルータ コンソール ポートを介して、ソフトウェア イメージまたはコンフィギュレーション ファイルをダウンロードすることができます。ダウンロードされたファイルは、ミニフラッシュ メモリ モジュールまたはメイン メモリに保存されて実行されます(イメージ ファイルの場合だけ)。
TFTP サーバにアクセスできない場合は、コンソール ダウンロードを使用してください。
(注) コンソール ポートを介してソフトウェア イメージまたはコンフィギュレーション ファイルをルータにダウンロードする場合は、ROM モニタの dnld コマンドを使用する必要があります。
(注) PC を使用して、ルータ コンソール ポートを介して 115,200 bps の速度で Cisco IOS イメージをダウンロードする場合は、PC のシリアル ポートに 16550 Universal Asynchronous Transmitter/Receiver(UART)が使用されていることを確認してください。PC のシリアル ポートに 16550 UART が使用されていない場合は、コンソール ポートを介して Cisco IOS イメージをダウンロードするときに、38,400 bps 以下の速度を使用することを推奨します。
xmodem コンソール ダウンロード コマンドの構文および説明を、次に示します。
xmodem [ -cyrx ] destination_file_name
ステップ 1 Xmodem を実行するローカル ドライブに、イメージ ファイルを移動します。
ROM モニタのコンソール ダウンロードは、コンソールを使用してデータ転送を行うため、データ転送中にエラーが発生した場合、エラー メッセージがコンソール上に表示されるのはデータ転送が終了してからです。
ボーレートがデフォルト レートから変更されている場合は、エラー メッセージの後に、コンフィギュレーション レジスタで指定されたボーレートに端末を戻すように伝えるメッセージが表示されます。
ROM モニタ デバッグ コマンドを使用するのは、通常、Cisco IOS ソフトウェアがクラッシュしたり、中断された場合だけです。デバッグ コマンドの入力時に Cisco IOS クラッシュ情報が得られない場合は、次のエラーメッセージが表示されます。
• stack または k :スタック トレースが生成されます。次に例を示します。
• context :プロセッサのコンテキストが表示されます。次に例を示します。
• sysret :最後に起動したシステム イメージからの戻り情報が表示されます。この情報には、イメージの停止理由、8 フレームまでのスタックダンプ、例外が生じている場合の例外発生アドレスが含まれています。次に例を示します。
• meminfo :メイン メモリのサイズ(バイト)、開始アドレス、および使用可能範囲、パケット メモリの開始ポイントとサイズ、NVRAM のサイズが表示されます。次に例を示します
ルータの起動時または再ロード時に Cisco IOS イメージをフラッシュ メモリから起動させるには、コンフィギュレーション レジスタ値を 0x2 ~ 0xF に設定する必要があります。
次に、コンフィギュレーション レジスタをリセットして、ルータがフラッシュ メモリに格納された Cisco IOS イメージを起動するように設定する例を示します。
新しい設定を有効にするには、リセットまたは電源のオフ/オンを行う必要があります。
ルータは、フラッシュ メモリ内の Cisco IOS イメージを起動します。次回にルータをリセットするか、またはいったん電源を切ってから再投入すると、コンフィギュレーション レジスタは 0x2101 に変更されます。