システム日時の管理
Network Time Protocol(NTP)などの自動設定方式、または手動設定方式を使用して、スイッチのシステム日時を管理します。
(注) ここで使用するコマンドの構文および使用方法の詳細については、『Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference, Release 12.4』を参照してください。
ここでは、次の設定について説明します。
• 「システム クロックの概要」
• 「NTP の概要」
• 「NTP バージョン 4」
• 「手動での日時の設定」
システム クロックの概要
時刻サービスの中核となるのはシステム クロックです。このクロックはシステムがスタートアップした瞬間から稼働し、日時を常時トラッキングします。
システム クロックは、次のソースにより設定できます。
• NTP
• 手動設定
システム クロックは、次のサービスに時刻を提供します。
• ユーザの show コマンド
• ログおよびデバッグ メッセージ
システム クロックは、Universal Time Coordinated(UTC; 協定世界時)(別名 GMT(グリニッジ標準時))に基づいてシステム内部の時刻を常時トラッキングします。ローカルのタイム ゾーンおよび夏時間に関する情報を設定することにより、時刻がローカルのタイム ゾーンに応じて正確に表示されるようにできます。
システム クロックは、時刻に 信頼性がある かどうか(つまり、信頼できると見なされるタイム ソースによって時刻が設定されているか)を常時トラッキングします。信頼性のない場合は、時刻は表示目的でのみ使用され、再配信されません。設定の詳細については、「手動での日時の設定」を参照してください。
NTP の概要
NTP は、ネットワーク上のデバイス間の時刻の同期化を目的に設計されています。NTP は UDP で稼働し、UDP は IP 上で稼働します。NTP は RFC 1305 に規定されています。
NTP ネットワークは通常、ラジオ クロックやタイム サーバに接続された原子時計など、信頼できるタイム ソースからその時刻を取得します。NTP はネットワークにこの時刻を配信します。NTP はきわめて効率的で、1 分間に 1 パケットを使用するだけで、2 台のデバイスを 1 ミリ秒以内に同期化できます。
NTP は、 ストラタム(階層) という概念を使用して、信頼できるタイム ソースとデバイスが離れている NTP ホップを記述します。ストラタム 1 タイム サーバには、ラジオ クロックまたは原子時計が直接接続されており、ストラタム 2 タイム サーバは、NTP を使用してストラタム 1 タイム サーバから時刻を取得します(以降のストラタムも同様です)。NTP が稼働するデバイスは、タイム ソースとして、NTP を使用して通信するストラタム番号が最小のデバイスを自動的に選択します。この方法によって、NTP 時刻配信の自動編成型ツリーが効率的に構築されます。
NTP では、同期化されていないデバイスと同期化しないことによって、時刻が正確でないデバイスとの同期化を防ぎます。また、NTP では、複数のデバイスから報告される時刻を比較して、ストラタムの番号が小さくても、時刻が他のデバイスと大幅に異なるデバイスとは同期化しません。
NTP が稼働するデバイス間の通信( アソシエーション )は、通常静的に設定されます。各デバイスには、アソシエーションを作成すべきすべてのデバイスの IP アドレスが与えられます。アソシエーションのペアとなるデバイス間で NTP メッセージを交換することによって、正確な時刻の維持が可能になります。ただし、LAN 環境では、代わりに IP ブロードキャスト メッセージを使用するように NTP を設定できます。各デバイスを、単にブロードキャスト メッセージを送受信するように設定すればよいので、この代替手段によって設定の複雑さが緩和されます。ただし、情報の流れは一方向に限られます。
デバイス上で維持される時刻は、重要なリソースです。NTP のセキュリティ機能を使用して、不正確な時刻が誤ってあるいは意図的に設定されることを防止してください。アクセス リストを使用して制限する方式および暗号化認証メカニズムの、2 種類のメカニズムを使用できます。
シスコの NTP ではストラタム 1 サービスをサポートしていないので、ラジオ クロックまたは原子時計に接続できません。ネットワークの時刻サービスは、IP インターネット上のパブリック NTP サーバから取得することを推奨します。
図 7-1 に、NTP を使用する一般的なネットワーク例を示します。スイッチ A は、NTP サーバ モードで設定したスイッチ B、C、D の NTP マスターです。スイッチ B、C、D とスイッチ A との間にはサーバ アソシエーションが設定されています。スイッチ E は、アップストリーム スイッチ(スイッチ B)およびダウンストリーム スイッチ(スイッチ F)の NTP ピアとして設定されています。
図 7-1 一般的な NTP ネットワークの構成
ネットワークがインターネットから切り離されている場合、シスコの NTP によって、実際には、他の方法で時刻を学習しているにもかかわらず、デバイスが NTP を使用して同期化しているように動作を設定できます。他のデバイスは、NTP によりこのデバイスと同期化されます。
複数のタイム ソースがある場合は、NTP は常に、より信頼性があると見なされます。NTP の時刻は、他の方法による時刻に優先します。
自社のホスト システムに NTP ソフトウェアを組み込んでいるメーカーが数社あり、また、UNIX システム用のバージョンやその派生ソフトウェアも一般に入手できます。このソフトウェアによって、ホスト システムも時間が同期化されます。
手動での日時の設定
他のタイム ソースが使用できない場合は、システムの再起動後、手動で日時を設定できます。時刻は、次にシステムを再起動するまで正確です。手動設定は最後の手段としてのみ使用することを推奨します。スイッチを同期化できる外部ソースがある場合は、手動でシステム クロックを設定する必要はありません。
(注) システム クロックを手動で設定し、スタック マスターに障害が生じて別のスタック メンバがスタック マスターの役割を再開した場合は、この設定をリセットする必要があります。
ここでは、次の設定について説明します。
• 「システム クロックの設定」
• 「日時設定の表示」
• 「タイム ゾーンの設定」
• 「夏時間の設定」
システム クロックの設定
ネットワーク上に、NTP サーバなどの時刻サービスを提供する外部ソースがある場合、手動でシステム クロックを設定する必要はありません。
システム クロックを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
clock set hh : mm : ss day month year または clock set hh : mm : ss month day year |
次のいずれかの書式で、手動でシステム クロックを設定します。 • hh : mm : ss には、時刻を時間(24 時間形式)、分、秒で指定します。指定された時刻は、設定されたタイム ゾーンに基づきます。 • day には、当月の日付で日を指定します。 • month には、月を名前で指定します。 • year には、年を指定します(常に 4 桁で指定)。 |
次に、システム クロックを手動で 2001 年 7 月 23 日午後 1 時 32 分に設定する例を示します。
Switch# clock set 13:32:00 23 July 2001
日時設定の表示
日時の設定を表示するには、 show clock [ detail ] 特権 EXEC コマンドを使用します。
システム クロックは、信頼性がある(正確であると信じられる)かどうかを示す authoritative フラグを維持します。システム クロックがタイミング ソースによって設定されている場合は、フラグを設定します。時刻が信頼性のないものである場合は、表示目的でのみ使用されます。クロックが信頼できず、 authoritative フラグも設定されていなければ、ピアの時刻が無効でも、フラグはピアがクロックと同期しないようにします。
show clock の表示の前にある記号は、次の意味があります。
• *:時刻は信頼できません。
• (空白):時刻は信頼できます。
• .:時刻は信頼できますが、NTP は同期していません。
タイム ゾーンの設定
手動でタイム ゾーンを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
clock timezone zone hours-offset [ minutes-offset ] |
タイム ゾーンを設定します。 スイッチは内部時刻を UTC で管理するので、このコマンドは表示目的の場合および手動で時刻を設定した場合に限って使用します。 • zone には、標準時間が施行されているときに表示されるタイムゾーンの名前を入力します。デフォルトの設定は UTC です。 • hours-offset には、UTC からの時差を入力します。 • (任意) minutes-offset には、UTC からの分差を入力します。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
clock timezone グローバル コンフィギュレーション コマンドの minutes-offset 変数は、現地のタイム ゾーンと UTC との時差が分単位である場合に使用できます。たとえば、カナダ大西洋沿岸のある区域のタイム ゾーン(Atlantic Standard Time(AST; 大西洋標準時))は UTC-3.5 です。この場合、3 は 3 時間、.5 は 50 % を意味します。この場合、必要なコマンドは clock timezone AST -3 30 です。
時刻を UTC に設定するには、 no clock timezone グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
夏時間の設定
毎年特定の曜日に夏時間が開始して終了する地域に夏時間を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
clock summer-time zone recurring [ week day month hh : mm week day month hh : mm [ offset ]] |
毎年指定した日に開始および終了するように夏時間を設定します。 夏時間はデフォルトでディセーブルに設定されています。パラメータなしで clock summer-time zone recurring を指定すると、夏時間のルールは米国のルールをデフォルトにします。 • zone には、夏時間が施行されているときに表示されるタイム ゾーンの名前(たとえば PDT)を入力します。 • (任意) week には、月の何週目かを指定します(1 ~ 5、または last )。 • (任意) day には、曜日を指定します(Sunday、Monday など)。 • (任意) month には、月を指定します(January、February など)。 • (任意) hh : mm には、時刻を時間(24 時間形式)と分で指定します。 • (任意) offset には、夏時間の間、追加する分の数を指定します。デフォルトは 60 です。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
clock summer-time グローバル コンフィギュレーション コマンドの最初の部分では夏時間の開始時期を、2 番めの部分では終了時期を指定します。すべての時刻は、現地のタイム ゾーンを基準にしています。開始時間は標準時を基準にしています。終了時間は夏時間を基準にしています。開始月が終了月より後の場合は、システムでは南半球にいると見なされます。
次に、夏時間が 4 月の第一日曜の 2 時に始まり、10 月の最終日曜の 2 時に終わるように指定する例を示します。
Switch(config)# clock summer-time PDT recurring 1 Sunday April 2:00 last Sunday October 2:00
ユーザの居住地域の夏時間が定期的なパターンに従わない(次の夏時間のイベントの正確な日時を設定する)場合は、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
clock summer-time zone date [ month date year hh : mm month date year hh : mm [ offset ]] または clock summer-time zone date [ date month year hh : mm date month year hh : mm [ offset ]] |
最初の日付で夏時間開始の日付を、2 番めの日付で終了の日付を設定します。 夏時間はデフォルトでディセーブルに設定されています。 • zone には、夏時間が施行されているときに表示されるタイム ゾーンの名前(たとえば PDT)を入力します。 • (任意) week には、月の何週目かを指定します(1 ~ 5、または last )。 • (任意) day には、曜日を指定します(Sunday、Monday など)。 • (任意) month には、月を指定します(January、February など)。 • (任意) hh : mm には、時刻を時間(24 時間形式)と分で指定します。 • (任意) offset には、夏時間の間、追加する分の数を指定します。デフォルトは 60 です。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
clock summer-time グローバル コンフィギュレーション コマンドの最初の部分では夏時間の開始時期を、2 番めの部分では終了時期を指定します。すべての時刻は、現地のタイム ゾーンを基準にしています。開始時間は標準時を基準にしています。終了時間は夏時間を基準にしています。開始月が終了月より後の場合は、システムでは南半球にいると見なされます。
夏時間をディセーブルにするには、 no clock summer-time グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、夏時間が 2000 年 10 月 12 日の 02:00 に始まり、2001 年 4 月 26 日の 02:00 に終わるように設定する例を示します。
Switch(config)# clock summer-time pdt date 12 October 2000 2:00 26 April 2001 2:00
システム名およびプロンプトの設定
スイッチにシステム名を設定して特定します。デフォルトでは、システム名およびプロンプトは Switch です。
システム プロンプトを設定していない場合は、システム名の最初の 20 文字をシステム プロンプトとして使用します。大なり記号(>)が付加されます。システム名が変更されると、プロンプトは更新されます。
ユーザがスタック マスターを介してスタック メンバにアクセスしている場合、 session stack-member-number 特権 EXEC コマンドを使用する必要があります。スタック メンバ番号の有効範囲は 1 ~ 9 です。このコマンドを使用すると、スタック メンバの番号がシステム プロンプトの末尾に追加されます。たとえば、 Switch-2#
はスタック メンバ 2 の特権 EXEC モードのプロンプトであり、スイッチ スタックのシステム プロンプトは Switch
です。
ここで使用するコマンドの構文および使用方法の詳細については、『 Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference, Release 12.4 』および『 Cisco IOS IP Command Reference, Volume 2 of 3: Routing Protocols, Release 12.4 』を参照してください。
ここでは、次の設定について説明します。
• 「デフォルトのシステム名およびプロンプトの設定」
• 「システム名の設定」
• 「DNS の概要」
デフォルトのシステム名およびプロンプトの設定
デフォルトのスイッチのシステム名およびプロンプトは Switch です。
システム名の設定
手動でシステム名を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
hostname name |
手動でシステム名を設定します。 デフォルト設定は switch です。 名前は ARPANET ホスト名のルールに従う必要があります。このルールではホスト名は文字で始まり、文字または数字で終わり、その間には文字、数字、またはハイフンしか使用できません。名前には 63 文字まで使用できます。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
システム名を設定すると、システム プロンプトとしても使用されます。
デフォルトのホスト名に戻すには、 no hostname グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
DNS の概要
Domain Name System(DNS; ドメイン ネーム システム)プロトコルは、分散型データベース DNS を制御し、これによりホスト名を IP アドレスにマッピングできます。スイッチ上に DNS を設定すると、 ping 、 telnet 、 connect などのすべての IP コマンドや、関連する Telnet サポート操作時に、IP アドレスの代わりにホスト名を使用できます。
IP によって定義される階層型の命名方式では、デバイスを場所またはドメインで特定できます。ドメイン名は、ピリオド(.)を区切り文字として使用して構成されています。たとえば、シスコは、IP で com というドメイン名に分類される商業組織なので、ドメイン名は cisco.com となります。このドメイン内の特定のデバイス、たとえば FTP(ファイル転送プロトコル)システムは、 ftp.cisco.com で表されます。
IP ではドメイン名をトラッキングするために、ドメイン ネーム サーバという概念が定義されています。ドメイン ネーム サーバの役割は、名前から IP アドレスへのマッピングをキャッシュ(またはデータベース)に保存することです。ドメイン名を IP アドレスにマッピングするには、まず、ホスト名を明示し、ネットワーク上に存在するネーム サーバを指定し、DNS をイネーブルにします。
ここでは、次の設定について説明します。
• 「DNS のデフォルト設定」
• 「DNS の設定」
• 「DNS の設定の表示」
DNS のデフォルト設定
表 7-1 に、DNS のデフォルト設定を示します。
表 7-1 DNS のデフォルト設定
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DNS イネーブル ステート |
イネーブル |
DNS デフォルト ドメイン名 |
未設定 |
DNS サーバ |
ネーム サーバのアドレスが未設定 |
DNS の設定
DNS を使用するようにスイッチを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
ip domain-name name |
未修飾のホスト名(ドット付き 10 進表記ドメイン名のない名前)を完成させるためにソフトウェアが使用する、デフォルトのドメイン名を定義します。 ドメイン名を未修飾の名前から区切るために使用される最初のピリオドは入れないでください。 起動時にはドメイン名は設定されていませんが、BOOTP または Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)サーバからスイッチ コンフィギュレーションを取得している場合は、BOOTP または DHCP サーバによってデフォルトのドメイン名が設定されることがあります(サーバにこの情報が設定されている場合)。 |
ステップ 3 |
ip name-server server-address1 [ server-address2 ... server-address6 ] |
1 つまたは複数のネーム サーバのアドレスを指定して、名前およびアドレスの解決に使用します。 最大 6 つのネーム サーバを指定できます。各サーバ アドレスはスペースで区切ります。最初に指定されたサーバが、プライマリ サーバです。スイッチは、最初にプライマリ サーバに DNS クエリーを送信します。そのクエリーが失敗した場合は、バックアップ サーバにクエリーが送信されます。 |
ステップ 4 |
ip domain-lookup |
(任意)スイッチ上で、DNS ベースのホスト名のアドレスへの変換をイネーブルにします。この機能は、デフォルトでイネーブルにされています。 ユーザのネットワークデバイスが、名前の割り当てを制御できないネットワーク内のデバイスと接続する必要がある場合、グローバルなインターネットのネーミング方式(DNS)を使用して、ユーザのデバイスを一意に識別するデバイス名を動的に割り当てることができます。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
スイッチの IP アドレスをそのホスト名として使用する場合は、IP アドレスが使用され、DNS クエリーは発生しません。ピリオド(.)なしでホスト名を設定すると、ピリオドと、それに続くデフォルトのドメイン名がホスト名に追加され、その後で DNS クエリーが行われ、名前を IP アドレスにマッピングします。デフォルトのドメイン名は、 ip domain-name グローバル コンフィギュレーション コマンドによって設定される値です。ホスト名にピリオド(.)がある場合は、Cisco IOS ソフトウェアは、ホスト名にデフォルトのドメイン名を追加せずに IP アドレスを検索します。
ドメイン名を削除するには、 no ip domain-name name グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。ネームサーバのアドレスを削除するには、 no ip name-server server-address グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。スイッチ上の DNS をディセーブルにするには、 no ip domain-lookup グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
DNS の設定の表示
DNS 設定情報を表示するには、 show running-config 特権 EXEC コマンドを使用します。
MAC アドレス テーブルの管理
MAC アドレス テーブルには、スイッチがポート間のトラフィック転送に使用するアドレス情報が含まれています。このアドレス テーブルに登録されたすべての MAC アドレスは、1 つまたは複数のポートに対応しています。アドレス テーブルに含まれるアドレス タイプには、次のものがあります。
• ダイナミック アドレス:スイッチが学習し、使用されなくなった時点で期限切れとなる送信元 MAC アドレス
• スタティック アドレス:手動で入力され、期限切れにならず、スイッチのリセット時にも消去されないユニキャストまたはマルチキャスト アドレス
アドレス テーブルは、宛先 MAC アドレス、対応する VLAN(仮想 LAN)ID、アドレスに対応付けられたポート番号、およびタイプ(スタティックまたはダイナミック)のリストです。
(注) ここで使用するコマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースに対応するコマンド リファレンスを参照してください。
ここでは、次の設定について説明します。
• 「アドレス テーブルの作成」
• 「MAC アドレスおよび VLAN」
• 「MAC アドレスとスイッチ スタック」
• 「MAC アドレス テーブルのデフォルト設定」
• 「アドレス エージング タイムの変更」
• 「ダイナミック アドレス エントリの削除」
• 「MAC アドレス変更通知トラップの設定」
• 「MAC アドレス移動通知トラップの設定」
• 「MAC しきい値通知トラップの設定」
• 「スタティック アドレス エントリの追加および削除」
• 「ユニキャスト MAC アドレス フィルタリングの設定」
• 「VLAN の MAC アドレス ラーニングのディセーブル化」
• 「アドレス テーブル エントリの表示」
アドレス テーブルの作成
すべてのポートでサポートされる複数の MAC アドレスによって、スイッチの任意のポートを各ワークステーション、リピータ、スイッチ、ルータ、あるいはその他のネットワークデバイスに接続できます。各ポートで受信するパケットの送信元アドレスを取得し、アドレス テーブルにアドレスとその対応するポート番号を追加することによって、スイッチは動的なアドレス指定を行います。ネットワークでステーションの増設または取り外しが行われると、スイッチはアドレス テーブルを更新し、新しいダイナミック アドレスを追加し、使用されていないアドレスは期限切れにします。
経過インターバルは、スタンドアロン スイッチまたはスイッチ スタックでグローバルに設定されています。ただし、スイッチは VLAN ごとにアドレス テーブルを維持し、STP(スパニングツリー プロトコル)によって VLAN 単位で有効期間を短縮できます。
スイッチは、受信したパケットの宛先アドレスに基づいて、任意の組み合わせのポート間でパケットを送信します。MAC アドレス テーブルを使用することによって、スイッチは、宛先アドレスに対応付けられたポート(複数可)に限定してパケットを転送します。宛先アドレスがパケットを送信したポート上にある場合は、パケットはフィルタリング処理され、転送されません。スイッチは、常にストア アンド フォワード方式を使用します。このため、完全なパケットをいったん保存してエラーがないか検査してから伝送します。
MAC アドレスおよび VLAN
アドレスはすべて、VLAN と対応付けられます。1 つのアドレスを複数の VLAN に対応付け、それぞれで異なる宛先を設定できます。たとえば、ユニキャスト アドレスを VLAN 1 のポート 1 および VLAN 5 のポート 9、10、1 に転送するといったことが可能です。
VLAN ごとに、独自の論理アドレス テーブルが維持されます。ある VLAN で認識されているアドレスが別の VLAN で認識されるには、別の VLAN 内のポートによって学習されるか、または別の VLAN 内のポートにスタティックに対応付けられる必要があります。
プライベート VLAN が設定されている場合、アドレス学習は次のように MAC アドレスのタイプに左右されます。
• プライベート VLAN の 1 つの VLAN で学習したダイナミック MAC アドレスは、関連 VLAN で複製されます。たとえば、プライベート VLAN のセカンダリ VLAN で学習された MAC アドレスはプライマリ VLAN に複製されます。
• プライマリまたはセカンダリ VLAN に設定されたスタティック MAC アドレスは関連 VLAN には複製されません。プライベート VLAN のプライマリまたはセカンダリ VLAN 内にスタティック MAC アドレスを設定した場合、同じスタティック MAC アドレスをすべての関連 VLAN に設定する必要があります。
プライベート VLAN の詳細については、「プライベート VLAN の設定」を参照してください。
MAC アドレスとスイッチ スタック
すべてのスタック メンバにある MAC アドレス テーブルでは、同期が取られます。いかなる時点でも、各スタック メンバには、各 VLAN のアドレス テーブルの同じコピーがあります。アドレスがエージング アウトすると、アドレスは、すべてのスタック メンバにあるアドレス テーブルから削除されます。スイッチがスイッチ スタックに参加すると、そのスイッチでは、他のスタック メンバでラーニングされた各 VLAN のアドレスを受信します。スタック メンバがスイッチ スタックに残っているときには、残りのスタック メンバは、エージング アウトするか、前のスタック メンバによってラーニングされたすべてのアドレスが削除されます。
MAC アドレス テーブルのデフォルト設定
表 7-2 に、MAC アドレス テーブルのデフォルト設定を示します。
表 7-2 MAC アドレス テーブルのデフォルト設定
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エージング タイム |
300 秒 |
ダイナミック アドレス |
自動学習 |
スタティック アドレス |
未設定 |
アドレス エージング タイムの変更
ダイナミック アドレスは、スイッチが学習し、使用されなくなると期限切れになる送信元 MAC アドレスです。すべての VLAN または指定された VLAN に対して、エージング タイムの設定を変更できます。
エージング タイムを短く設定しすぎると、アドレスが活用されないままテーブルから削除される可能性があります。その場合、スイッチは宛先が不明のパケットを受信すると、受信ポートと同じ VLAN 内のすべてのポートに、そのパケットをフラッディングさせます。この不必要なフラッディングによって、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。また、エージング タイムを長く設定しすぎると、アドレス テーブルが未使用のアドレスでいっぱいになり、これによって新しいアドレスを学習できなくなります。この結果フラッディングとなり、スイッチのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
ダイナミック アドレス テーブルのエージング タイムを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
mac address-table aging-time [ 0 | 10-1000000 ] [ vlan vlan-id ] |
ダイナミック エントリが使用または更新された後、MAC アドレス テーブル内に保持される時間を設定します。 指定できる範囲は 10 ~ 1000000 秒です。デフォルト値は 300 です。0 を入力して期限切れをディセーブルにすることもできます。スタティック アドレスは、期限切れになることもテーブルから削除されることもありません。 vlan-id の有効範囲は、1 ~ 4094 です。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show mac address-table aging-time |
設定を確認します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
デフォルト値に戻すには、 no mac address-table aging-time グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
ダイナミック アドレス エントリの削除
ダイナミック エントリをすべて削除するには、特権 EXEC モードで clear mac address-table dynamic コマンドを使用します。特定の MAC アドレス( clear mac address-table dynamic address mac-address )、指定された物理ポートまたはポートチャネル上のすべてのアドレス( clear mac address-table dynamic interface interface-id )、または指定された VLAN 上のすべてのアドレス( clear mac address-table dynamic vlan vlan-id )の削除もできます。
ダイナミック エントリが削除されたことを確認するには、 show mac address-table dynamic 特権 EXEC コマンドを使用します。
MAC アドレス変更通知トラップの設定
MAC アドレス変更通知は、MAC アドレス変更アクティビティを保存することでネットワーク上のユーザを追跡できます。スイッチが MAC アドレスを学習または削除すると、SNMP 通知トラップを NMS に送信させることができます。ネットワークから多数のユーザの出入りがある場合は、トラップ インターバル タイムを設定して通知トラップを組み込み、ネットワーク トラフィックを削減できます。MAC 通知履歴テーブルは、トラップが設定されたポートごとの MAC アドレス アクティビティを保存します。MAC アドレス変更通知は、ダイナミックまたはセキュア MAC アドレスに対してだけ生成されます。自アドレス、マルチキャスト アドレス、または他のスタティック アドレスについては、通知は生成されません。
NMS ホストに MAC アドレス変更通知トラップを送信するようにスイッチを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
snmp-server host host-addr { traps | informs } { version { 1 | 2c | 3 }} community-string notification-type |
トラップ メッセージの受信側を指定します。 • host-addr には、NMS の名前または IP アドレスを指定します。 • SNMP トラップをホストに送信するには、 traps (デフォルト)を指定します。SNMP 情報をホストに送信するには、 informs を指定します。 • サポートする SNMP バージョンを指定します。informs にはバージョン 1(デフォルト)を使用できません。 • community-string には、通知動作時に送信するストリングを指定します。 snmp-server host コマンドを使用してこのストリングを設定できますが、このストリングを定義するには、 snmp-server community コマンドを使用し、次に snmp-server host コマンドを使用することを推奨します。 • notification-type には、 mac-notification キーワードを使用します。 |
ステップ 3 |
snmp-server enable traps mac-notification change |
スイッチが MAC アドレス変更通知を NMS に送信できるようにします。 |
ステップ 4 |
mac address-table notification change |
MAC アドレス変更通知機能をイネーブルにします。 |
ステップ 5 |
mac address-table notification change [ interval value ] [ history-size value ] |
トラップ インターバル タイムと履歴テーブルのサイズを入力します。 • (任意) interval value には、NMS に対して生成される各トラップ セット間の通知トラップ インターバルを秒単位で指定します。指定できる範囲は 0 ~ 2147483647 秒です。デフォルトは 1 秒です。 • (任意) history-size value には、MAC 通知履歴テーブルの最大エントリ数を指定します。指定できる範囲は 0 ~ 500 です。デフォルトは 1 です。 |
ステップ 6 |
interface interface-id |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、SNMP MAC アドレス通知トラップをイネーブルにするレイヤ 2 インターフェイスを指定します。 |
ステップ 7 |
snmp trap mac-notification change { added | removed } |
インターフェイス上で MAC アドレス変更通知トラップをイネーブルにします。 • MAC アドレスがインターフェイスに 追加された 場合にトラップをイネーブルにします。 • MAC アドレスがインターフェイスから 削除された 場合に MAC 通知トラップをイネーブルにします。 |
ステップ 8 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 9 |
show mac address-table notification change interface show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 10 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
MAC アドレス変更通知トラップをディセーブルにするには、 no snmp-server enable traps mac-notification change グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。特定のインターフェイス上で MAC アドレス変更通知トラップをディセーブルにするには、 no snmp trap mac-notification change { added | removed } インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。MAC アドレス変更通知機能をディセーブルにするには、 no mac address-table notification change グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、NMS として 172.20.10.10 を指定し、スイッチによる NMS への MAC アドレス通知トラップの送信をイネーブルにし、MAC アドレス変更通知機能をイネーブルにし、インターバル タイムを 123 秒に設定し、履歴サイズを 100 エントリに設定し、特定のポートで MAC アドレスが追加された場合のトラップをイネーブルにする例を示します。
Switch(config)# snmp-server host 172.20.10.10 traps private mac-notification
Switch(config)# snmp-server enable traps mac-notification change
Switch(config)# mac address-table notification change
Switch(config)# mac address-table notification change interval 123
Switch(config)# mac address-table notification change history-size 100
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/2
Switch(config-if)# snmp trap mac-notification change added
設定を確認するには、 show mac address-table notification change interface および show mac address-table notification change 特権 EXEC コマンドを入力します。
MAC アドレス移動通知トラップの設定
MAC 移動通知を設定する場合は、MAC アドレスが、同じ VLAN 内のあるポートから別のポートに移動すると常に、SNMP 通知が生成されてネットワーク管理システムに送信されます。
NMS ホストに MAC アドレス移動通知トラップを送信するようにスイッチを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
snmp-server host host-addr { traps | informs } { version { 1 | 2c | 3 }} community-string notification-type |
トラップ メッセージの受信側を指定します。 • host-addr には、NMS の名前または IP アドレスを指定します。 • SNMP トラップをホストに送信するには、 traps (デフォルト)を指定します。SNMP 情報をホストに送信するには、 informs を指定します。 • サポートする SNMP バージョンを指定します。informs にはバージョン 1(デフォルト)を使用できません。 • community-string には、通知動作時に送信するストリングを指定します。 snmp-server host コマンドを使用してこのストリングを設定できますが、このストリングを定義するには、 snmp-server community コマンドを使用し、次に snmp-server host コマンドを使用することを推奨します。 • notification-type には、 mac-notification キーワードを使用します。 |
ステップ 3 |
snmp-server enable traps mac-notification move |
スイッチが MAC アドレス移動通知トラップを NMS に送信できるようにします。 |
ステップ 4 |
mac address-table notification mac-move |
MAC アドレス移動通知機能をイネーブルにします。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show mac address-table notification mac-move show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
スイッチによる MAC アドレス移動通知トラップの送信をディセーブルにするには、 no snmp-server enable traps mac-notification move グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。MAC アドレス変更通知機能をディセーブルにするには、 no mac address-table notification mac-move グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、NMS として 172.20.10.10 を指定し、スイッチによる NMS への MAC アドレス移動通知トラップの送信をイネーブルにし、MAC アドレス移動通知機能をイネーブルにし、あるポートから別のポートに MAC アドレスが移動した場合にトラップをイネーブルにする例を示します。
Switch(config)# snmp-server host 172.20.10.10 traps private mac-notification
Switch(config)# snmp-server enable traps mac-notification move
Switch(config)# mac address-table notification mac-move
show mac address-table notification mac-move 特権 EXEC コマンドを入力すれば、設定を確認することができます。
MAC しきい値通知トラップの設定
MAC しきい値通知を設定する場合は、MAC アドレス テーブルのしきい値の制限値に達するか、その値を超えると、SNMP 通知が生成されてネットワーク管理システムに送信されます。
NMS ホストに MAC アドレステーブルのしきい値通知トラップを送信するようにスイッチを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
snmp-server host host-addr { traps | informs } { version { 1 | 2c | 3 }} community-string notification-type |
トラップ メッセージの受信側を指定します。 • host-addr には、NMS の名前または IP アドレスを指定します。 • SNMP トラップをホストに送信するには、 traps (デフォルト)を指定します。SNMP 情報をホストに送信するには、 informs を指定します。 • サポートする SNMP バージョンを指定します。informs にはバージョン 1(デフォルト)を使用できません。 • community-string には、通知動作時に送信するストリングを指定します。 snmp-server host コマンドを使用してこのストリングを設定できますが、このストリングを定義するには、 snmp-server community コマンドを使用し、次に snmp-server host コマンドを使用することを推奨します。 • notification-type には、 mac-notification キーワードを使用します。 |
ステップ 3 |
snmp-server enable traps mac-notification threshold |
スイッチが MAC しきい値通知トラップを NMS に送信できるようにします。 |
ステップ 4 |
mac address-table notification threshold |
MAC アドレスしきい値通知機能をイネーブルにします。 |
ステップ 5 |
mac address-table notification threshold [ limit percentage ] | [ interval time ] |
MAC アドレスしきい値の使用状況モニタのしきい値を入力します。 • (任意)limit percentage に、MAC アドレス テーブルの使用率を指定します。有効値は 1 ~ 100% です。デフォルト値は 50% です。 • (任意)interval time に、通知の間隔を指定します。有効値は 120 秒以上です。デフォルト値は 120 秒です。 |
ステップ 6 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show mac address-table notification threshold show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
MAC アドレスしきい値通知トラップをディセーブルにするには、 no snmp-server enable traps mac-notification threshold グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。MAC アドレス変更通知機能をディセーブルにするには、 no mac address-table notification threshold グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、NMS として 172.20.10.10 を指定し、MAC アドレスしきい値通知機能をイネーブルにし、インターバル タイムを 123 秒に設定し、制限を 78% に設定する例を示します。
Switch(config)# snmp-server host 172.20.10.10 traps private mac-notification
Switch(config)# snmp-server enable traps mac-notification threshold
Switch(config)# mac address-table notification threshold
Switch(config)# mac address-table notification threshold interval 123
Switch(config)# mac address-table notification threshold limit 78
show mac address-table notification threshold 特権 EXEC コマンドを入力すれば、設定を確認することができます。
スタティック アドレス エントリの追加および削除
スタティック アドレスには、次の特性があります。
• アドレス テーブルへの追加およびアドレス テーブルからの削除は、手動で行う必要があります。
• ユニキャストまたはマルチキャスト アドレスとして設定できます。
• 期限切れになることはなく、スイッチが再起動しても維持されます。
スタティック アドレスを追加および削除でき、また、スタティック アドレスの転送動作を定義できます。転送動作は、パケットを受信したポートが、別のポートにパケットを転送する動作を決定します。ポートは必ず少なくとも 1 つの VLAN と対応しているので、スイッチは指定されたポートから、アドレスに対応する VLAN ID を取得します。送信元ポートごとに、宛先ポートのリストを別々に指定できます。
特定のアドレスがスタティックとして入力されていない VLAN に、そのスタティック アドレスを持つパケットが到着すると、すべてのポートにパケットがフラッディングされ、学習されません。
アドレス テーブルにスタティック アドレスを追加するには、宛先 MAC ユニキャスト アドレスと、その送信元 VLAN を指定します。この宛先アドレスで受信したパケットは、 interface-id オプションで指定されたインターフェイスに転送されます。
プライベート VLAN のプライマリまたはセカンダリ VLAN 内にスタティック MAC アドレスを設定した場合、同じスタティック MAC アドレスをすべての関連 VLAN に設定する必要があります。プライベート VLAN のプライマリまたはセカンダリ VLAN に設定されたスタティック MAC アドレスは関連 VLAN には複製されません。プライベート VLAN の詳細については、「プライベート VLAN の設定」を参照してください。
スタティック アドレスを追加するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
mac address-table static mac-addr vlan vlan-id interface interface-id |
MAC アドレス テーブルにスタティック アドレスを追加します。 • mac-addr には、アドレス テーブルに追加する宛先 MAC ユニキャスト アドレスを指定します。この宛先アドレスを持つパケットが指定した VLAN に着信すると、指定したインターフェイスに転送されます。 • vlan-id には、指定した MAC アドレスを持つパケットを受信する VLAN を指定します。指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 4094 です。 • interface-id には、受信したパケットの転送先インターフェイスを指定します。有効なインターフェイスは、物理ポートまたはポート チャネルです。スタティック マルチキャスト アドレスの場合、複数のインターフェイス ID を入力できます。スタティック ユニキャスト アドレスの場合、インターフェイスは同時に 1 つしか入力できません。ただし、同じ MAC アドレスおよび VLAN ID を指定すると、コマンドを複数回入力できます。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show mac address-table static |
設定を確認します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
アドレス テーブルからスタティック エントリを削除するには、no mac address-table static mac-addr vlan vlan-id [ interface interface-id ] グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次の例では、MAC アドレス テーブルにスタティック アドレス c2f3.220a.12f4 を追加する方法を示します。VLAN 4 でこの MAC アドレスを宛先アドレスとしてパケットを受信すると、パケットは指定されたポートに転送されます。
Switch(config)# mac address-table static c2f3.220a.12f4 vlan 4 interface gigabitethernet0/1
ユニキャスト MAC アドレス フィルタリングの設定
ユニキャスト MAC アドレス フィルタリングがイネーブルの場合、スイッチは、特定の送信元 MAC アドレスまたは宛先 MAC アドレスを持つパケットをドロップします。この機能はデフォルトではディセーブルで、ユニキャスト スタティック アドレスだけをサポートしています。
この機能を使用する場合は、次の注意事項に従ってください。
• マルチキャスト MAC アドレス、ブロードキャスト MAC アドレス、およびルータ MAC アドレスはサポートされません。 mac address-table static mac-addr vlan vlan-id drop グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力するときに、これらのアドレスのいずれかを指定すると、次のいずれかのメッセージが表示されます。
% Only unicast addresses can be configured to be dropped
% CPU destined address cannot be configured as drop address
• CPU に転送されるパケットもサポートされません。
• ユニキャスト MAC アドレスをスタティック アドレスとして追加し、ユニキャスト MAC アドレス フィルタリングを設定する場合は、最後に入力されたコマンドに応じて、スイッチは MAC アドレスをスタティック アドレスとして追加するか、またはその MAC アドレスを持つパケットをドロップします。2 番めに入力したコマンドは、最初のコマンドを上書きします。
たとえば、 mac address-table static mac-addr vlan vlan-id interface interface-id グローバル コンフィギュレーション コマンドの後に mac address-table static mac-addr vlan vlan-id drop コマンドを入力した場合は、スイッチは送信元または宛先として指定された MAC アドレスを持つパケットをドロップします。
mac address-table static mac-addr vlan vlan-id drop グローバル コンフィギュレーション コマンドの後に mac address-table static mac-addr vlan vlan-id interface interface-id コマンドを入力した場合は、スイッチがその MAC アドレスをスタティック アドレスとして追加します。
ユニキャスト MAC アドレス フィルタリングをイネーブルにして、スイッチが特定のアドレスを持つパケットをドロップするように設定するには、送信元または宛先ユニキャスト MAC アドレスおよび受信側の VLAN を指定します。
スイッチが送信元または宛先ユニキャスト スタティック アドレスをドロップするよう設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
mac address-table static mac-addr vlan vlan-id drop |
ユニキャスト MAC アドレス フィルタリングをイネーブルにし、スイッチが指定した送信元または宛先ユニキャスト スタティック アドレスを持つパケットをドロップするように設定します。 • mac-addr には、送信元または宛先ユニキャスト MAC アドレスを指定します。この MAC アドレスを持つパケットはドロップされます。 • vlan-id には、指定した MAC アドレスを持つパケットを受信する VLAN を指定します。指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 4094 です。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show mac address-table static |
設定を確認します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
ユニキャスト MAC アドレス フィルタリングをディセーブルにするには、no mac address -table static mac-addr vlan vlan-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次の例では、ユニキャスト MAC アドレス フィルタリングをイネーブルにし、c2f3.220a.12f4 の送信元または宛先アドレスを持つパケットをドロップするようにスイッチを設定する方法を示します。送信元または宛先としてこの MAC アドレスを持つパケットが VLAN4 上で受信された場合、パケットがドロップされます。
Switch(config)# mac address-table static c2f3.220a.12f4 vlan 4 drop
VLAN の MAC アドレス ラーニングのディセーブル化
デフォルトでは、MAC アドレス ラーニングは、スイッチのすべての VLAN でイネーブルです。VLAN で MAC アドレス ラーニングを制御すると、MAC アドレスを学習できる VLAN、さらにポートを制御することで、利用可能な MAC アドレス テーブル スペースを管理できます。MAC アドレス学習をディセーブルにする前に、ネットワーク トポロジとスイッチ システム設定に詳しいことを確認してください。VLAN で MAC アドレス学習をディセーブルにすると、ネットワークでフラッディングを引き起こす可能性があります。
VLAN の MAC アドレス ラーニングをディセーブルにするときは、次の注意事項に従ってください。
• Switch Virtual Interface(SVI; スイッチ仮想インターフェイス)スイッチを設定済みの VLAN で MAC アドレス ラーニングをディセーブルにする場合は、十分注意してください。この場合、スイッチはレイヤ 2 ドメインにすべての IP パケットをフラッディングします。
• 1 つの VLAN ID(たとえば、 no mac address-table learning vlan 223 )または VLAN ID の範囲(たとえば、 no mac address-table learning vlan 1-20, 15 )での MAC アドレス学習をディセーブルにすることができます。
• MAC アドレス ラーニングのディセーブル化は、ポートを 2 つ含む VLAN だけで行うことを推奨します。3 つ以上のポートを含む VLAN で MAC アドレス ラーニングをディセーブルにした場合は、スイッチに着信するすべてのパケットは、その VLAN ドメインでフラッディングします。
• スイッチが内部的に使用する VLAN では、MAC アドレス ラーニングをディセーブルにできません。入力した VLAN ID が内部 VLAN である場合は、スイッチはエラーメッセージを生成してコマンドを拒否します。使用している内部 VLAN を表示するには、 show vlan internal usage 特権 EXEC コマンドを入力します。
• プライベート VLAN のプライマリ VLAN として設定された VLAN で MAC アドレス ラーニングをディセーブルにすると、MAC アドレスは、そのプライベート VLAN に属するセカンダリ VLAN 上で引き続き学習された後、プライマリ VLAN 上で複製されます。プライベート VLAN のプライマリ VLAN でなく、セカンダリ VLAN で MAC アドレス ラーニングをディセーブルにすると、MAC アドレス ラーニングはプライマリ VLAN 上で実行されてセカンダリ VLAN 上で複製されます。
• RSPAN VLAN で MAC アドレス学習はディセーブルにできません。設定すること自体できません。
• セキュア ポートを含む VLAN で MAC アドレス ラーニングをディセーブルにする場合、そのポートで MAC アドレス ラーニングはディセーブルになりません。ポート セキュリティをディセーブルにすると、設定された MAC アドレス ラーニングの状態がイネーブルになります。
VLAN で MAC アドレス ラーニングをディセーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no mac address-table learning vlan vlan-id |
指定された 1 つまたは複数の VLAN で MAC アドレス ラーニングをディセーブルにします。1 つの VLAN ID を指定、または VLAN ID の範囲をハイフンまたはカンマで区切って指定できます。有効な VLAN ID は 1 ~ 4094 です。この VLAN を内部 VLAN にはできません。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show mac address-table learning [ vlan vlan-id ] |
設定を確認します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
VLAN で MAC アドレス ラーニングを再びイネーブルにするには、 default mac address -table learning vlan vlan-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。 mac address -table learning vlan vlan-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用しても、VLAN で MAC アドレス ラーニングを再びイネーブルにできます。最初の( default )コマンドを使用するとデフォルト状態に戻るため、 show running-config コマンドからの出力に設定が表示されません。2 番めのコマンドを使用すると、 show running-config 特権 EXEC コマンド出力に設定が表示されます。
次に、VLAN 200 で MAC アドレス ラーニングをディセーブルにする例を示します。
Switch(config)# no mac address-table learning vlan 200
show mac-address-table learning [ vlan vlan-id ] 特権 EXEC コマンドを入力すると、すべての VLAN、または指定した VLAN の MAC アドレス ラーニングのステータスを表示できます。
アドレス テーブル エントリの表示
表 7-3 に示す 1 つまたは複数の特権 EXEC コマンドを使用すると、MAC アドレス テーブルを表示できます。
表 7-3 MAC アドレス テーブル表示用のコマンド
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show ip igmp snooping groups |
すべての VLAN または指定された VLAN に対するレイヤ 2 マルチキャスト エントリを表示します。 |
show mac address-table address |
指定された MAC アドレスの MAC アドレス テーブル情報を表示します。 |
show mac address-table aging-time |
すべての VLAN または指定された VLAN のエージング タイムを表示します。 |
show mac address-table count |
すべての VLAN または指定された VLAN で存在しているアドレス数を表示します。 |
show mac address-table dynamic |
ダイナミック MAC アドレス テーブル エントリのみを表示します。 |
show mac address-table interface |
指定されたインターフェイスの MAC アドレス テーブル情報を表示します。 |
show mac address-table notification |
MAC 通知パラメータおよび履歴テーブルを表示します。 |
show mac address-table static |
スタティック MAC アドレス テーブル エントリだけを表示します。 |
show mac address-table vlan |
指定された VLAN の MAC アドレス テーブル情報を表示します。 |