インターフェイス タイプ
ここでは、スイッチによってサポートされる各種インターフェイス タイプについて説明するとともに、これらのインターフェイス タイプの設定に関する詳細情報が記載された章についても言及します。また、インターフェイスの物理特性に応じた設定手順についても説明します。
(注) Catalyst 3750-X スイッチ背面のスタック ポートは、イーサネット ポートではないため設定できません。
ここでは、次のようなインターフェイス タイプについて説明します。
• 「ポートベースの VLAN」
• 「スイッチ ポート」
• 「ルーテッド ポート」
• 「スイッチ仮想インターフェイス」
• 「EtherChannel ポート グループ」
• 「10 ギガビット イーサネット インターフェイス」
• 「Power over Ethernet(PoE)ポート」
• 「ネットワーク モジュール インターフェイス」
• 「インターフェイスの接続」
ポートベースの VLAN
VLAN は、ユーザの物理的な位置に関係なく、機能、チーム、またはアプリケーションなどで論理的に分割された、スイッチによるネットワークです。 VLAN の詳細については、「VLAN の設定」を参照してください。ポートで受信したパケットが転送されるのは、その受信ポートと同じ VLAN に属するポートに限られます。異なる VLAN 上のネットワーク デバイスは、VLAN 間でトラフィックをルーティングするレイヤ 3 デバイスがなければ、互いに通信できません。
VLAN に分割することにより、VLAN 内でトラフィック用の堅固なファイアウォールを実現します。また、各 VLAN には固有の MAC アドレス テーブルがあります。VLAN が認識されるのは、ローカル ポートが VLAN に対応するように設定されたとき、VLAN トランキング プロトコル(VTP)トランク上のネイバーからその存在を学習したとき、またはユーザが VLAN を作成したときです。スタック全体のポートを使用して VLAN を形成できます。
VLAN を設定するには、 vlan vlan-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、VLAN コンフィギュレーション モードを開始します。標準範囲 VLAN(VLAN ID 1 ~ 1005)の VLAN 設定は、VLAN データベースに保存されます。VTP がバージョン 1 または 2 の場合に、拡張範囲 VLAN(VLAN ID が 1006 ~ 4094)を設定するには、最初に VTP モードをトランスペアレントに設定する必要があります。トランスペアレント モードで作成された拡張範囲 VLAN は、VLAN データベースには追加されませんが、スイッチの実行コンフィギュレーションに保存されます。VTP バージョン 3 では、クライアントまたはサーバ モードで拡張範囲 VLAN を作成できます。これらの VLAN は VLAN データベースに格納されます。
スイッチ スタックでは、VLAN データベースはスタック内のすべてのスイッチにダウンロードされ、スタック内のすべてのスイッチによって同じ VLAN データベースが構築されます。スタックのすべてのスイッチで実行コンフィギュレーションおよび保存済みコンフィギュレーションが同一です。
switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用すると、VLAN にポートが追加されます。
• インターフェイスを特定します。
• トランク ポートには、トランク特性を設定し、必要に応じて所属できる VLAN を定義します。
• アクセス ポートには、所属する VLAN を設定して定義します。
• トンネル ポートの場合は、カスタマー固有の VLAN タグ用に VLAN ID の設定と定義を行います。を参照してください。
スイッチ ポート
スイッチ ポートは、物理ポートに対応付けられたレイヤ 2 専用インターフェイスです。スイッチ ポートは 1 つまたは複数の VLAN に所属します。スイッチ ポートは、アクセス ポート、トランク ポート、またはトンネル ポートのいずれかに設定できます。ポートは、アクセス ポートまたはトランク ポートに設定できます。また、ポート単位で Dynamic Trunking Protocol(DTP)を稼働させ、リンクのもう一端のポートとネゴシエートすることで、スイッチ ポート モードも設定できます。IEEE 802.1Q トランク ポートに接続した非対称リンクの一部として、トンネル ポートを手動で設定する必要があります。スイッチ ポートは物理インターフェイスおよび対応レイヤ 2 プロトコルの管理に使用します。ルーティングやブリッジングは処理しません。
スイッチ ポートの設定には、 switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。レイヤ 3 モードのインターフェイスをレイヤ 2 モードにするには、 switchport コマンドと no キーワードを使用します。
(注) レイヤ 3 モードのインターフェイスをレイヤ 2 モードにした場合、影響のあるインターフェイスに関連する以前の設定情報が消失する可能性があり、インターフェイスはデフォルト設定に戻ります。
アクセス ポート特性およびトランク ポート特性の詳細については、「VLAN の設定」を参照してください。トンネル ポートの詳細については、を参照してください。
アクセス ポート
アクセス ポートは(音声 VLAN ポートとして設定されている場合を除き)1 つの VLAN だけに所属し、その VLAN のトラフィックだけを伝送します。トラフィックは、VLAN タグが付いていないネイティブ形式で送受信されます。アクセス ポートに着信したトラフィックは、ポートに割り当てられている VLAN に所属すると見なされます。アクセス ポートがタグ付きパケット(スイッチ間リンク(ISL)またはタグ付き IEEE 802.1Q)を受信した場合、そのパケットはドロップされ、送信元アドレスは学習されません。
2 種類のアクセス ポートがサポートされています。
• スタティック アクセス ポート。このポートは、手動で VLAN に割り当てます(IEEE 802.1x で使用する場合は RADIUS サーバを使用します。詳細については、を参照してください)。
• ダイナミック アクセス ポートの VLAN メンバーシップは、着信パケットを通じて学習されます。デフォルトでは、ダイナミック アクセス ポートはどの VLAN のメンバーでもなく、ポートとの伝送はポートの VLAN メンバーシップが検出されたときにだけイネーブルになります。スイッチ上のダイナミック アクセス ポートは、VLAN メンバーシップ ポリシー サーバ(VMPS)によって VLAN に割り当てられます。Catalyst 6500 シリーズ スイッチは VMPS にはできますが、Catalyst 3750-X および 3560-X スイッチは、VMPS サーバにはできません。
また、Cisco IP Phone と接続するアクセス ポートを、1 つの VLAN は音声トラフィック用に、もう 1 つの VLAN は Cisco IP Phone に接続しているデバイスからのデータ トラフィック用に使用するように設定できます。音声 VLAN ポートの詳細については、「音声 VLAN の設定」を参照してください。
トランク ポート
トランク ポートは複数の VLAN のトラフィックを伝送し、デフォルトで VLAN データベース内のすべての VLAN のメンバとなります。次のトランク ポート タイプはサポートされています。
• ISL トランク ポートでは、受信パケットはすべて ISL ヘッダーを使用してカプセル化されているものと見なされ、送信パケットはすべて ISL ヘッダーとともに送信されます。ISL トランク ポートから受信したネイティブ(タグなし)フレームはドロップされます。
• IEEE 802.1Q トランク ポートは、タグ付きとタグなしの両方のトラフィックを同時にサポートします。IEEE 802.1Q トランク ポートは、デフォルトのポート VLAN ID(PVID)に割り当てられ、すべてのタグなしトラフィックはポートのデフォルト PVID 上を流れます。NULL VLAN ID を備えたすべてのタグなしおよびタグ付きトラフィックは、ポートのデフォルト PVID に所属するものと見なされます。発信ポートのデフォルト PVID と等しい VLAN ID を持つパケットは、タグなしで送信されます。残りのトラフィックはすべて、VLAN タグ付きで送信されます。
デフォルトでは、トランク ポートは、VTP に認識されているすべての VLAN のメンバですが、トランク ポートごとに VLAN の許可リストを設定して、VLAN メンバーシップを制限できます。許可 VLAN のリストは、その他のポートには影響を与えませんが、対応トランク ポートには影響を与えます。デフォルトでは、使用可能なすべての VLAN(VLAN ID 1 ~ 4094)が許可リストに含まれます。トランク ポートは、VTP が VLAN を認識し、VLAN がイネーブル状態にある場合に限り、VLAN のメンバーになることができます。VTP が新しいイネーブル VLAN を認識し、その VLAN がトランク ポートの許可リストに登録されている場合、トランク ポートは自動的にその VLAN のメンバになり、トラフィックはその VLAN のトランク ポート間で転送されます。VTP が、VLAN のトランク ポートの許可リストに登録されていない、新しいイネーブル VLAN を認識した場合、ポートはその VLAN のメンバーにはならず、その VLAN のトラフィックはそのポート間で転送されません。
トランク ポートの詳細については、「VLAN の設定」を参照してください。
トンネル ポート
トンネル ポートは IEEE 802.1Q トンネリングで使用され、サービスプロバイダー ネットワークのカスタマーのトラフィックを、同じ VLAN 番号を使用するその他のカスタマーから分離します。サービスプロバイダー エッジ スイッチのトンネル ポートからカスタマーのスイッチの IEEE 802.1Q トランク ポートに、非対称リンクを設定します。エッジ スイッチのトンネル ポートに入るパケットには、カスタマーの VLAN ですでに IEEE802.1Q タグが付いており、カスタマーごとに IEEE 802.1Q タグの別のレイヤ(メトロ タグと呼ばれる)でカプセル化され、サービスプロバイダー ネットワークで一意の VLAN ID が含まれます。タグが二重に付いたパケットは、その他のカスタマーのものとは異なる、元のカスタマーの VLAN が維持されてサービスプロバイダー ネットワークを通過します。発信インターフェイス、およびトンネル ポートでは、メトロ タグが削除されてカスタマーのネットワークのオリジナル VLAN 番号が取得されます。
トンネル ポートは、トランク ポートまたはアクセス ポートにすることができず、それぞれのカスタマーに固有の VLAN に属する必要があります。
トンネル ポートの詳細については、を参照してください。
ルーテッド ポート
ルーテッド ポートは物理ポートであり、ルータ上にあるポートのように動作しますが、ルータに接続されている必要はありません。ルーテッド ポートは、アクセス ポートとは異なり、特定の VLAN に対応付けられていません。VLAN サブインターフェイスをサポートしない点を除けば、通常のルータ インターフェイスのように動作します。ルーテッド ポートは、レイヤ 3 ルーティング プロトコルで設定できます。ルーテッド ポートはレイヤ 3 インターフェイス専用で、DTP や STP などのレイヤ 2 プロトコルはサポートしません。
(注) ルータ ポートは、LAN ベース フィーチャ セットを実行しているスイッチではサポートされません。ただし、Cisco ICO Release 12.2(58) SE 以降のリリースでは、SVI で 16 までのスタティック ルートを設定できます。
ルーテッド ポートを設定するには、 no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドでインターフェイスをレイヤ 3 モードにします。次に、ポートに IP アドレスを割り当て、ルーティングをイネーブルにし、ip routing および router protocol グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してルーティング プロトコルの特性を指定します。
(注) no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを実行すると、インターフェイスがいったんシャットダウンしてから再度イネーブルになります。これにより、インターフェイスが接続しているデバイスに関するメッセージが表示されることがあります。レイヤ 2 モードのインターフェイスをレイヤ 3 モードにした場合、影響のあるインターフェイスに関連する以前の設定が消失する可能性があります。
ソフトウェアに、設定できるルーテッド ポートの個数制限はありません。ただし、ハードウェアには限界があるため、この個数と設定されている他の機能の数との相互関係によって CPU パフォーマンスに影響が及ぶことがあります。ハードウェアのリソース制限に達したときに何が発生するかについては、「レイヤ 3 インターフェイスの設定」を参照してください。
IP ユニキャストおよびマルチキャストのルーティングおよびルーティング プロトコルの詳細については、「IP ユニキャスト ルーティングの設定」および「IP マルチキャスト ルーティングの設定」を参照してください。
(注) IP ベース フィーチャ セットは、スタティック ルーティングおよび Routing Information Protocol(RIP)をサポートしています。Cisco IOS Release 12.2(58) E 以降、LAN ベース フィーチャ セットでは SVI で 16 のユーザ設定のスタティック ルートをサポートします。完全なレイヤ 3 ルーティングまたはフォールバック ブリッジングを実行するには、スタンドアロン スイッチまたはアクティブ スイッチに設定された IP サービス フィーチャ セットをイネーブルにする必要があります。
スイッチ仮想インターフェイス
スイッチ仮想インターフェイス(SVI)は、スイッチ ポートの VLAN を、システムのルーティング機能またはブリッジング機能に対する 1 つのインターフェイスとして表します。1 つの VLAN に対応付けできるのは 1 つの SVI だけですが、VLAN に SVI を設定する必要があるのは、VLAN 間でルーティングできないプロトコルをフォールバック ブリッジングするために、またはスイッチで IP ホストとの接続を行うために、VLAN 間でルーティングを行う場合だけです。デフォルトでは、SVI はデフォルト VLAN(VLAN 1)用に作成され、リモート スイッチの管理を可能にします。追加の SVI は明示的に設定する必要があります。
(注) インターフェイス VLAN 1 は削除できません。
SVI はシステムにしか IP ホスト接続を行いません。レイヤ 3 モードでは、SVI 全体にルーティングを設定できます。
スイッチ スタックまたはスイッチは合計 1005 個の VLAN および SVI をサポートしますが(スイッチで LAN ベース フィーチャ セットが動作している場合は 255)、ハードウェアの制限のため、SVI およびルーテッド ポートの数と設定されている他の機能の数との相互関係によって、CPU のパフォーマンスに影響が及ぶことがあります。ハードウェアのリソース制限に達したときに何が発生するかについては、「レイヤ 3 インターフェイスの設定」を参照してください。
SVI は、VLAN インターフェイスに対して vlan インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを実行したときに初めて作成されます。VLAN は、ISL または IEEE802.1Q カプセル化トランク上のデータ フレームに関連付けられた VLAN タグ、あるいはアクセス ポート用に設定された VLAN ID に対応します。トラフィックをルーティングするそれぞれの VLAN に対して VLAN インターフェイスを設定し、IP アドレスを割り当ててください。詳細については、を参照してください。
(注) 物理ポートと関連付けられていない場合、SVI を作成してもアクティブにはなりません。
SVI は、ルーティング プロトコルとブリッジング設定をサポートします。IP ルーティング設定の詳細については、「IP ユニキャスト ルーティングの設定」、「IP マルチキャスト ルーティングの設定」および「フォールバック ブリッジングの設定」を参照してください。
(注) LAN ベース フィーチャ セットでは SVI のスタティック ルーティングだけをサポートします。IP ベース フィーチャ セットは、スタティック ルーティングおよび RIP をサポートしています。より高度なルーティングまたはフォールバック ブリッジングを実行するには、スタンドアロン スイッチまたはアクティブ スイッチに設定された IP サービス フィーチャ セットをイネーブルにします。ソフトウェア アクティベーション機能を使用して、特定のフィーチャー セットのソフトウェア ライセンスをインストールする方法については、『Cisco IOS Software Activation』を参照してください。
SVI 自動ステート除外
VLAN 上の複数のポートを装備した SVI のライン ステートは、次の条件を満たしたときには アップ 状態になります。
• VLAN が存在し、スイッチの VLAN データベースでアクティブです。
• VLAN インターフェイスが存在し、管理上のダウン状態ではありません。
• 少なくとも 1 つのレイヤ 2(アクセスまたはトランク)ポートが存在し、この VLAN のリンクが アップ 状態であり、ポートが VLAN でスパニングツリー フォワーディング ステートです。
(注) 対応する VLAN リンクに属する最初のスイッチポートが起動し、STP フォワーディング ステートになると、VLAN インターフェイスのプロトコル リンク ステートがアップ状態になります。
VLAN に複数のポートがある場合のデフォルトのアクションでは、VLAN 内のすべてのポートがダウンすると SVI もダウン状態になります。SVI 自動ステート除外機能を使用して、SVI ラインステート アップアンドダウン計算に含まれないようにポートを設定できます。たとえば、VLAN 上で 1 つのアクティブ ポートだけがモニタリング ポートである場合、他のすべてのポートがダウンすると VLAN もダウンするよう自動ステート除外機能をポートに設定できます。ポートがイネーブルである場合、 自動ステート除外 は、ポート上でイネーブルであるすべての VLAN に適用されます。
VLAN 内の 1 つのレイヤ 2 ポートに収束時間がある場合(STP リスニング/ラーニング ステートからフォワーディング ステートへの移行)、VLAN インターフェイスが起動します。これにより、ルーティング プロトコルなどの機能は、完全に動作した場合と同様に VLAN インターフェイスを使用せず、ルーティング ブラック ホールなどの他の問題を最小限にします。自動ステート除外の設定については、「SVI 自動ステート除外の設定」を参照してください。
EtherChannel ポート グループ
EtherChannel ポート グループでは、複数のスイッチが 1 台のスイッチ ポートであると見なされます。このようなポート グループは、スイッチ間、またはスイッチおよびサーバ間で高帯域接続を行う単一論理ポートとして動作します。EtherChannel は、チャネルのリンク全体でトラフィックの負荷を分散させます。EtherChannel 内のリンクで障害が発生すると、それまでその障害リンクで伝送されていたトラフィックが残りのリンクに切り替えられます。複数のトランク ポートを 1 つの論理トランク ポートに、複数のアクセス ポートを 1 つの論理アクセス ポートに、複数のトンネル ポートを 1 つの論理トンネル ポートに、または複数のルーテッド ポートを 1 つの論理ルーテッド ポートにグループ化できます。ほとんどのプロトコルは単一のまたは集約スイッチ ポートで動作し、ポート グループ内の物理ポートを認識しません。例外は、DTP、Cisco Discovery Protocol(CDP)、およびポート集約プロトコル(PAgP)で、物理ポート上でしか動作しません。
EtherChannel を設定するとき、ポートチャネル論理インターフェイスを作成し、EtherChannel にインターフェイスを割り当てます。レイヤ 3 インターフェイスの場合は、 interface port-channel グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して手動で論理インターフェイスを作成します。そのあと、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、手動で EtherChannel にインターフェイスを割り当てます。レイヤ 2 インターフェイスの場合は、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポートチャネル論理インターフェイスを動的に作成します。このコマンドは物理および論理ポートをバインドします。詳細については、「EtherChannel およびリンクステート トラッキングの設定」を参照してください。
10 ギガビット イーサネット インターフェイス
Catalyst 3750-X スイッチと 3560-X スイッチにはネットワーク モジュール スロットがあり、10 ギガビット イーサネット モジュール、1 ギガビット イーサネット ネットワーク モジュール、またはブランク モジュールを挿入できます。
10 ギガビット イーサネット インターフェイスは全二重モードでだけ動作します。インターフェイスはスイッチ ポートまたはルーテッド ポートとして設定可能です。
Cisco TwinGig Converter Module の詳細については、スイッチのハードウェア インストレーション ガイドおよびトランシーバ モジュールのマニュアルを参照してください。
Power over Ethernet(PoE)ポート
Power over Ethernet(PoE)対応スイッチ ポートでは、回路に電力が供給されていないことをスイッチが検出した場合、接続している次のデバイスに電力が自動的に供給されます。
• シスコ先行標準受電デバイス(Cisco IP Phone および Cisco Aironet アクセス ポイントなど)
• IEEE 802.3af 準拠の受電デバイス
• IEEE 802.3at 準拠の受電デバイス
受電デバイスが PoE スイッチ ポートおよび AC 電源に接続されている場合、冗長電力として利用できます。受電装置が PoE ポートにだけ接続されている場合、受電装置には冗長電力は供給されません。
受電デバイスを検出すると、スイッチは受電デバイスの電力要件を判断し、受電デバイスへの電力供給を許可または拒否します。また、スイッチは消費電力をモニタリングおよびポリシングすることで、装置の電力の消費をリアルタイムに検知できます。
ここでは、次の PoE 情報について説明します。
• 「サポート対象のプロトコルおよび標準」
• 「受電装置の検出および初期電力割り当て」
• 「電力管理モード」
• 「電力モニタリングおよび電力ポリシング」
サポート対象のプロトコルおよび標準
スイッチは PoE のサポートで次のプロトコルと規格を使用します。
• 電力の消費について CDP を使用:受電デバイスは、スイッチに消費している電力量を通知します。スイッチはこの電力消費に関するメッセージに応答しません。スイッチは、PoE ポートに電力を供給するか、このポートへの電力を取り除くだけです。
• シスコ インテリジェント電力管理:受電デバイスおよびスイッチは、電力ネゴシエーション CDP メッセージによって電力消費レベルについてネゴシエーションを行います。このネゴシエーションにより、7 W より多くを消費する高電力のシスコ受電デバイスは、最も高い電力モードで動作できるようになります。受電デバイスは、最初に低電力モードでブートして 7 W 未満の電力を消費し、ネゴシエーションを行って高電力モードで動作するための十分な電力を取得します。受電装置が高電力モードに切り替わるのは、スイッチから確認を受信した場合に限られます。
高電力装置は、電力ネゴシエーション CDP をサポートしないスイッチで低電力モードによって動作できます。
シスコのインテリジェントな電力管理の機能には、電力消費に関して CDP との下位互換性があるため、スイッチは、受信する CDP メッセージに従って応答します。CDP はサードパーティの受電デバイスをサポートしません。このため、スイッチは、IEEE 分類を使用して装置の消費電力を判断します。
• IEEE 802.3a:この規格の主な機能は、受電装置の検出、電力の管理、切断の検出です。オプションとして受電装置の電力分類があります。詳細については、この規格を参照してください。
• IEEE 802.3at:PoE+ 標準では、受電デバイスに供給される最大電力が、1 ポートあたり 15.4 W から 30 W に増えました。 UPoE フィーチャは、CDP または LLDP などのレイヤ 2 電力ネゴシエーション プロトコルを使用して、RJ-45 イーサネット ケーブルの信号ペアとスペア ペアの両方で、最大 60 W(2 x 30 W)の電力を供給する機能を提供します。4 回線の Power-via-MDI TLV がある場合、30 W 以上の LLDP および CDP の要求によって、スペア ペアに電力を供給できます。UPoE の詳細については、「Universal Power over Ethernet」を参照してください。
受電装置の検出および初期電力割り当て
スイッチは、PoE 対応ポートがシャットダウンの状態でなく、PoE はイネーブルになっていて(デフォルト)、接続した装置は AC アダプタから電力供給されていない場合、シスコの先行標準受電デバイスまたは IEEE 準拠の受電デバイスを検出します。
装置の検出後、スイッチは、次のように装置のタイプに応じて電力要件を判断します。
• シスコ先行標準の受電デバイスは、スイッチがそのデバイスを検出しても電力要件を提供しないので、スイッチは、電力バジェットの初期割り当てとして 15.4 W を割り当てます。
初期電力割り当ては、受電デバイスが要求する最大電力量です。スイッチは、受電デバイスを検出および電力供給する場合、この電力を最初に割り当てます。スイッチが受電デバイスから CDP メッセージを受信し、受電デバイスが CDP 電力ネゴシエーション メッセージを通じてスイッチと電力レベルをネゴシエートしたときに、初期電力割り当てが調整される場合があります。
• スイッチは検出した IEEE 装置を消費電力クラス内で分類します。スイッチは、電力バジェットに使用可能な電力量に基づいて、ポートに通電できるかどうかを決定します。 表 15-1 に、各種レベルの一覧を示します。
表 15-1 IEEE 電力分類
|
|
0(クラス ステータスは不明) |
15.4 W |
1 |
4 W |
2 |
7 W |
3 |
15.4 W |
4 |
30 W(IEEE 802.3at タイプ 2 準拠の受電デバイスの場合) |
スイッチは電力要求をモニタリングおよび追跡して必要な場合にだけ電力供給を許可します。スイッチは自身の電力バジェット(PoE のスイッチで使用可能な電力量)を追跡します。電力の供給許可または拒否がポートで行われると、スイッチはパワーアカウンティング計算を実行し、電力バジェットを最新に保ちます。
電力がポートに適用されたあとで、スイッチは CDP を使用して、接続されたシスコ受電デバイスの CDP 固有の 電力消費要件を調べます。この要件は、CDP メッセージに基づいて割り当てられる電力量です。これに従って、スイッチは電力バジェットを調整します。これは、サードパーティの PoE 装置には適用されません。スイッチは要件を処理して電力の供給を許可または拒否します。要求が許可されると、スイッチは電力バジェットを更新します。要求が拒否された場合は、スイッチはポートの電力がオフに切り替わっていることを確認し、syslog メッセージを生成して LED を更新します。受電デバイスはより多くの電力について、スイッチとのネゴシエーションを行うこともできます。
PoE+ では、受電装置が最大 30 W の電力ネゴシエーションのために、Media Dependent Interface(MDI)の Type, Length, and Value description(TLV)、Power-via-MDA TLV で IEEE 802.3at および LLDP 電源を使用します。シスコの先行標準受電装置および IEEE 受電装置では、CDP または IEEE 802.3at power-via-MDI 電力ネゴシエーション メカニズムにより最大 30 W の電力レベルを要求できます。
(注) クラス 0、クラス 3、およびクラス 4 の受電デバイスの初期割り当ては 15.4 W です。装置が起動し、CDP または LLDP を使用して 15.4 W を超える要求を送信する場合、最大 30 W を割り当てることができます。
(注) Catalyst 3750 および 3560 ソフトウェア コンフィギュレーション ガイドおよびコマンド リファレンスでは、CDP 固有の電力消費要件を実際電力消費要件と呼んでいます。
不足電圧、過電圧、オシレータ障害、または短絡状態による障害をスイッチが検出した場合、ポートへの電源をオフにし、syslog メッセージを生成し、電力バジェットと LED を更新します。
Catalyst 3750-X スタック可能なスイッチでは、StackPower もサポートされます。これによって、電源スタック ケーブルでスイッチを接続する場合、スタック内の複数のシステムの電源モジュールで負荷を分担できます。最大 4 つのスタック メンバーの電源モジュールを 1 つの大規模な電源モジュールとして管理できます。StackPower の詳細については、「Catalyst 3750-X StackPower の設定」を参照してください。
電力管理モード
スイッチでは、次の PoE モードがサポートされます。
• auto :接続されている装置で電力が必要であるかどうか、スイッチが自動的に検出します。ポートに接続されている受電デバイスをスイッチが検出し、スイッチに十分な電力がある場合、スイッチは電力を供給して電力バジェットを更新し、先着順でポートの電力をオンに切り替えて LED を更新します。LED の詳細については、ハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
すべての受電デバイス用としてスイッチに十分な電力がある場合は、すべての受電デバイスが起動します。スイッチに接続された受電デバイスすべてに対し十分な電力が利用できる場合、すべての装置に電力を供給します。使用可能な PoE がない場合、または他の装置が電力供給を待機している間に装置の接続が切断されて再接続した場合、どの装置へ電力を供給または拒否されるかが判断できなくなります。
許可された電力がシステムの電力バジェットを超えている場合、スイッチは電力を拒否し、ポートへの電力がオフになっていることを確認したうえで syslog メッセージを生成し、LED を更新します。電力供給が拒否された後、スイッチは定期的に電力バジェットを再確認し、継続して電力要求の許可を試みます。
スイッチにより電力を供給されている装置が、さらに壁面コンセントに接続している場合、スイッチは装置に電力を供給し続ける場合があります。このとき、装置がスイッチから受電しているか、AC 電源から受電しているかにかかわらず、スイッチは引き続き装置へ電力を供給していることを報告し続ける場合があります。
受電デバイスが取り外された場合、スイッチは切断を自動的に検出し、ポートから電力を取り除きます。非受電装置を接続しても、その装置に障害は発生しません。
ポートで許可される最大ワット数を指定できます。受電デバイスの IEEE クラス最大ワット数が設定されている最大値より大きい場合、スイッチはそのポートに電力を供給しません。スイッチが受電デバイスに電力供給したが、受電デバイスが設定の最大値より多くの電力を CDP メッセージによって後で要求した場合、スイッチはポートの電力を取り除きます。その受電デバイスに割り当てられていた電力は、グローバル電力バジェットに送られます。ワット数を指定しない場合、スイッチは最大値の電力を供給します。任意の PoE ポートで auto 設定を使用してください。auto モードがデフォルト設定です。
• static :スイッチは、受電デバイスが接続されていなくてもポートに電力をあらかじめ割り当て、そのポートで電力が使用できるようにします。スイッチは、設定された最大ワット数をポートに割り当てます。その値は、IEEE クラスまたは受電デバイスからの CDP メッセージによって調節されることはありません。これは、電力があらかじめ割り当てられていることから、最大ワット数以下の電力を使用するすべての受電デバイスが固定ポートに接続されている場合に電力が保証されるためです。ポートはもう先着順方式ではなくなります。
ただし、受電装置の IEEE クラスが最大ワット数を超えると、スイッチは装置に電力を供給しません。受電デバイスで最大ワット数を超える電力が必要になったことを CDP メッセージによって知ると、スイッチは受電デバイスをシャットダウンします。
ワット数を指定しない場合、スイッチは最大数をあらかじめ割り当てます。スイッチは、受電デバイスを検出した場合に限り、ポートに電力を供給します。優先順位が高いインターフェイスには、 static 設定を使用してください。
• never :スイッチは受電装置の検出をディセーブルにして、電力が供給されていない装置が接続されても、PoE ポートに電力を供給しません。PoE 対応ポートに電力を絶対に適用せず、そのポートをデータ専用ポートにする場合に限り、このモードを使用してください。
PoE ポートの設定の詳細については、「PoE ポートの電力管理モードの設定」を参照してください。
電力モニタリングおよび電力ポリシング
リアルタイムの消費電力のポリシングをイネーブルにした場合、受電デバイスが最大割り当て( カットオフ電力値 )を超えて電力を消費すると、スイッチはアクションを開始します。
PoE がイネーブルである場合、スイッチは受電デバイスのリアルタイムの電力消費を検知します。接続されている受電デバイスのリアルタイム電力消費をスイッチが監視することを、 電力モニタリング または 電力検知 といいます。また、スイッチは パワー ポリシング 機能を使用して消費電力をポリシングします。
電力モニタリングは、シスコのインテリジェントな電力管理および CDP ベースの消費電力に対して下位互換性があります。電力モニタリングはこれらの機能とともに動作して、PoE ポートが受電デバイスに電力を供給できるようにします。PoE 機能の詳細については、「サポート対象のプロトコルおよび標準」を参照してください。
スイッチは次のようにして、接続されている装置のリアルタイム電力消費を検知します。
1. スイッチは、個々のポートでリアルタイム消費電力をモニタリングします。
2. スイッチは、ピーク時の電力消費を含め、電力消費を記録します。スイッチは CISCO-POWER-ETHERNET-EXT-MIB を介して情報を報告します。
3. 電力ポリシングがイネーブルの場合、スイッチはリアルタイムの消費電力を装置に割り当てられた最大電力と比較して、消費電力をポリシングします。 カットオフ電力 とも呼ばれる、PoE ポートでの最大消費電力の詳細については、 「PoE ポートでの最大電力割り当て(カットオフ電力)」 を参照してください。
装置がポートで最大電力割り当てを超える電力を使用すると、スイッチは、スイッチ コンフィギュレーションに基づいて、ポートへの電力をオフにするか、受電装置に電力を供給しながら syslog メッセージを生成して LED(ポート LED はオレンジ色で点滅)を更新することができます。デフォルトでは、すべての PoE ポートで消費電力のポリシングはディセーブルになっています。
PoE の errdisable ステートからのエラー回復がイネーブルの場合、指定の時間の経過後、スイッチは PoE ポートを errdisable ステートから自動的に回復させます。
エラー回復がディセーブルの場合、 shutdown および no shutdown インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、手動で PoE ポートをイネーブルにできます。
4. ポリシングがディセーブルの場合、受電デバイスが PoE ポートに割り当てられた最大電力より多くの量を消費し、スイッチに悪影響を与える可能性がある場合でも、アクションは実行されません。
PoE ポートでの最大電力割り当て(カットオフ電力)
電力ポリシングがイネーブルの場合、スイッチは次の順序でいずれかの値を PoE ポートでのカットオフ電力とします。
1. スイッチがポートに対して予定しているユーザ定義電力レベルを設定している場合は、 power inline consumption default wattage グローバル コンフィギュレーション コマンドまたはインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して手動で行う。
2. ポートで許可されている電力を制限するユーザ定義電力レベルを設定している場合は、 power inline auto max max-wattage または power inline static max max-wattage インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して手動で行う。
3. スイッチにおいて受電装置の電力消費が設定されている場合は、CDP 電力ネゴシエーションまたは IEEE 分類と LLDP 電力ネゴシエーションを使用して自動的に行われる。
power inline consumption default wattage または power inline [ auto | static max ] max-wattage コマンドを入力することにより、カットオフ電力値を手動で設定するには、前述のリストの 1 番めまたは 2 番めの方法を使用します。カットオフ電力量の値を手動で設定しない場合、スイッチは、CDP 電力ネゴシエーションまたはデバイスの IEEE 分類と LLDP 電力ネゴシエーションを使用して自動的に値を決定します。CDP または LLDP がイネーブルでない場合は、デフォルト値の 30 W が適用されます。ただし、CDP または LLDP がない場合は、15400 ~ 30000 mW の値が CDP 要求または LLDP 要求だけに基づいて割り当てられるため、装置で 15.4 W を超える電力の消費がスイッチから許可されません。受電デバイスが CDP または LLDP のネゴシエーションなしに 15.4 W を超える電力を消費する場合、装置は最大電流( Imax )の制限に違反し、最大値を超える電流が供給されるという Icut 障害が発生する可能性があります。再び電源を入れるまで、ポートは障害状態のままになります。ポートで継続的に 15.4 W を超える電力が給電される場合、このサイクルが繰り返されます。
(注) PoE+ ポートに接続されている受電デバイスが再起動し、電力 TLV で CDP パケットまたは LLDP パケットが送信される場合、スイッチは最初のパケットの電力ネゴシエーション プロトコルをロックし、その他のプロトコルからの電力要求に応答しません。たとえば、スイッチが CDP にロックされている場合、LLDP 要求を送信する装置に電力を供給しません。スイッチが CDP にロックされた後で CDP がディセーブルになった場合、スイッチは LLDP 電源要求に応答せず、アクセサリの電源がオンにならなくなります。この場合、受電デバイスを再起動する必要があります。
電力消費値
ポートの初期電力割り当ておよび最大電力割り当てを設定することができます。ただし、これらの値は、スイッチが PoE ポートの電力をオンまたはオフにするときを指定するために設定する値です。最大電力割り当ては、受電デバイスの実際の電力と同じではありません。スイッチによって電力ポリシングに使用される実際のカットオフ電力値は、設定済みの電力値と同等ではありません。
電力ポリシングがイネーブルの場合、スイッチは、 スイッチ ポートで 、受電装置の消費電力を超える消費電力ポリシングを行います。最大電力割り当てを手動で設定する場合、スイッチ ポートと受電デバイス間のケーブルでの電力損失を考慮する必要があります。カットオフ電力とは、受電デバイスの定格消費電力とケーブル上での最悪時の電力損失を合計したものです。
受電デバイスによる PoE ポートでの実際の消費電力量は、カットオフ電力値に較正係数の 500 mW(0.5 W)を加えたものになります。実際のカットオフ値は近似値で、設定値ごとに設定値のパーセンテージという割合で異なります。たとえば、設定済みのカットオフ電力が 12 W の場合、実際のカットオフ値は 11.4 W で、設定値より 0.05% 小さくなっています。
スイッチの PoE がイネーブルの場合、電力ポリシングをイネーブルにすることを推奨します。たとえば、ポリシングがディセーブルで、 power inline auto max 6300 インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用してカットオフ値を設定すると、PoE ポートに設定される最大電力割り当ては 6.3 W(6300 mW)です。装置が 6.3 W までの電力を必要とする場合、スイッチはポートに接続されている装置に電力を供給します。CDP によるパワー ネゴシエーション実施後の値または IEEE 分類値が設定済みカットオフ値を超えると、スイッチは接続されている装置に電力を供給しなくなります。スイッチは PoE ポートで電力をオンにしたあとは、受電装置のリアルタイム電力消費のポリシングを行わないので、受電装置は最大割り当て量を超えて電力を消費できることになり、スイッチと、他の PoE ポートに接続されている受電装置に悪影響を及ぼすことがあります。
スタンドアロン スイッチでは内部電源装置がサポートされるため、受電デバイスが利用できる総電力量は電源装置の設定によって異なります。
• 電源装置を取り外して、低電力の新しい電源装置に交換すると、スイッチは受電デバイスに対して十分な電力を供給できなくなり、auto モードでポート番号の降順に従って PoE ポートへの電力供給を拒否します。これでも十分な電力を利用できない場合、スイッチは、static モードでポート番号の降順に従って PoE ポートへの電力供給を拒否します。
• 新しい電源装置の電力が前の電源装置より大きく、スイッチが大電力を使用できる場合、スイッチは static モードでポート番号の昇順に従って PoE ポートへの電力供給を許可します。これでもまだ使用可能な電力がある場合、スイッチは、ポート番号の昇順に従って auto モードで PoE ポートへの電力供給を許可します。
Catalyst 3750-X スタック可能なスイッチでは、StackPower もサポートされます。これによって、電源スタック ケーブルでスイッチを接続する場合、スタック内の複数のシステムの電源モジュールで負荷を分担できます。最大 4 つのスタック メンバーの電源モジュールを 1 つの大規模な電源モジュールとしてまとめて管理できます。StackPower の詳細については、「Catalyst 3750-X StackPower の設定」を参照してください。
Universal Power over Ethernet
(注) この機能は、Cisco IOS Release 15.0(2)SE1 と 15.0(2)EZ が稼働しているスイッチだけで使用可能です。
Universal Power over Ethernet(UPoE)は、PoE の標準規格である IEEE 802.at を拡張するシスコ独自のテクノロジーです。標準的なイーサネット ケーブル配線のインフラストラクチャ(クラス D またはそれ以上)を通じて最大 60 W の電力を供給する機能を提供します。3K-X UPoE は、信号ペア(回線 1、2、3、6)および RJ-45 ケーブルのスペア ペア(回線 4、5、7、8)を使用して最大 60 W を提供することができます。スイッチ ポートとエンドデバイスが CDP または LLDP を使用して Universal PoE(UPoE)対応デバイスとして相互を識別し、エンドデバイスがスペア ペアで電力をイネーブルにすることを要求すると、スペア ペアの電力供給がイネーブルになります。スペア ペアに給電する場合、エンドデバイスは、CDP または LLDP を使用して、スイッチから最大 60 W 電力をネゴシエートできます。
パワー オン信号/スペア ペアのイネーブル化
エンドデバイスが信号ペアおよびスペア ペアの両方で PoE 対応であるが、UPOE に必要な CDP または LLDP 拡張をサポートしていない場合、次の 4 ペア forced モードの設定により、スイッチ ポートからの信号ペアおよびスペア ペアの両方の電力が自動的にイネーブルにされます。
ペアの電力供給を有効にするには、次の手順に従ってください。
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ステップ 1 |
interface terminal |
グローバル コンフィギュレーションにモードを変更します。 |
ステップ 2 |
interface { fastethernet | gigabitethernet } slot/port |
設定するインターフェイスを選択します。 |
ステップ 3 |
[no] power inline four-pair forced |
スイッチ ポートから自動的に信号ペアおよびスペア ペアの両方の電力をイネーブルまたはディセーブルにします。 |
ステップ 4 |
end |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 5 |
show platform software interface { fastethernet | gigabitethernet } slot/port status |
EEE ステータスを表示します。 |
次に、スイッチ ポート ギガビット イーサネット 2/1 から自動的に信号ペアおよびスペア ペアの両方の電力をイネーブルにする例を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line.End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitethernet 2/1
Switch(config-if)# power inline four-pair forced
エンド デバイスがスペア ペアのインライン パワー給電に未対応の場合、またはエンド デバイスが UPoE に CDP または LLDP 拡張をサポートしている場合は、このコマンドを入力しないでください。
インターフェイス上の受電デバイスに対する消費電力量の設定
スイッチがインターフェイス上で受電デバイスを検出すると、デバイスにはデフォルトの電力が供給されます。スイッチが受電デバイスから CDP パケットを受信すると、電源はデバイスに必要なワット数に自動的にネゴシエーションされます。通常、この自動ネゴシエーションは十分機能し、追加設定は不要であり、推奨されません。ただし、特定のインターフェイスがスイッチから追加機能を提供するために、受電デバイスの電力消費量を指定できます。この操作は、CDP がディセーブルまたは使用できない場合に便利です。
単一の受電デバイスの電力消費量を変更するには、次の手順に従ってください。
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ステップ 1 |
interface { fastethernet | gigabitethernet } slot/port |
設定するインターフェイスを選択します。 |
ステップ 2 |
[no] power inline consumption milli-watts |
特定のインターフェイスに接続された受電デバイスの PoE 電力消費量(ミリワット単位)を設定します。電力消費量の許容範囲は、4000 ~ 60000 です。 電力消費量の自動調整を再びイネーブルにするには、no キーワードを使用します。 |
ステップ 3 |
end |
コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 |
show power inline consumption { fastethernet | gigabitethernet } slot/port |
インターフェイスの PoE 電力消費量を表示します。 |
特定の時間に、CDP と LLDP 間で 1 つの電力ネゴシエーション プロトコルだけを使用できます。次に、電力ネゴシエーション プロトコルをイネーブルまたはディセーブルにする例を示します。
Switch(config)# [no] lldp run
Switch(config)# [no] cdp run
(注) 電源デバイス(PD)および電源装置(PSE)は、電力をネゴシエートするために同じ電力ネゴシエーション プロトコルを実行する必要があります。
ネットワーク モジュール インターフェイス
10 ギガビットのサービス モジュールと 10 ギガビット イーサネット ネットワーク モジュール上のアップリンク ポートは Te1/Gi2 および Te2/Gi4 とラベル付けされます。これらのポートは、1 Gbps または 10 Gbps で動作できます。これらは、ソフトウェアで gigabitethernet x/1/2 および x/1/4 および tengigabitethernet x/1/1 および x/1/2 として識別されます。 x は、Catalyst 3750-X スタックのスイッチ番号です。Catalyst 3560-X スイッチ ポート番号はスイッチ番号なしで同じです。
ネットワーク サービス モジュール
Catalyst 3750-X および 3560-X ネットワーク サービス モジュール(C3KX-SM-10G)のアップリンク スロットは、1 ギガ ビット SFP モジュール、または 10 ギガビット SFP+ モジュールをサポートします。詳細については、『 Installation Notes for the Catalyst 3750-X and 3560-X Network Modules 』を参照してください。
Catalyst 3560-X または 3750-X スイッチにネットワーク サービス モジュールを取り付けると、1 ギガビットおよび 10 ギガビット イーサネット アップリンク ポートで、スイッチ上の他のポートと同じ機能を設定できます。ネットワーク サービスモジュールのアップリンク ポートは、Flexible NetFlow およびスイッチ間 MACsec アップリンク暗号化(リンク層セキュリティ)の両方をサポートします。
10 ギガビット イーサネット ネットワーク モジュール
C3KX-NM-10GT 10 ギガビット イーサネット ネットワーク モジュールには、1 Gbps または 10 Gbps で動作する 2 個の 10 ギガビット イーサネット銅線ポートがあります。ポート速度を 1 Gbps に設定するには、 hw-module switch グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。コマンド構文の説明については、コマンド リファレンスを参照してください。
(注) 10 Mbps、100 Mbps の速度はこのモジュールでサポートされていません。
インターフェイスの接続
単一 VLAN 内のデバイスは、スイッチを通じて直接通信できます。異なる VLAN に属すポート間では、ルーティングデバイスを介さなければデータを交換できません。標準のレイヤ 2 スイッチを使用すると、異なる VLAN のポートは、ルータを通じて情報を交換する必要があります。ルーティングがイネーブルに設定されたスイッチを使用することにより、IP アドレスを割り当てた SVI で VLAN 20 および VLAN 30 の両方を設定すると、外部ルータを使用せずに、スイッチを介してパケットをホスト A からホスト B に直接送信できます(図 15-1を参照)。
図 15-1 Catalyst 3750-X または 3560-X スイッチによる VLAN の接続
スイッチまたはアクティブ スイッチ上で IP サービス フィーチャ セットが稼働している場合、スイッチはインターフェイス間でトラフィックを転送する方式として、ルーティングとフォールバック ブリッジングの 2 通りを使用します。スイッチまたはアクティブ スイッチ上に IP ベース フィーチャ セットがある場合、基本ルーティング(スタティック ルーティングと RIP)だけがサポートされます。高いパフォーマンスを維持するため、可能な場合は常にスイッチ ハードウェアによって転送を行います。ただし、ハードウェアでルーティングされるのはイーサネット II カプセル化された IPv4 パケットだけです。非 IP トラフィックと、他のカプセル化方式を使用しているトラフィックは、ハードウェアによってフォールバック ブリッジングされます。
• ルーティング機能は、すべての SVI およびルーテッド ポートでイネーブルにできます。スイッチは、IP トラフィックだけをルーティングします。IP ルーティング プロトコル パラメータとアドレス設定が SVI またはルーテッド ポートに追加されると、このポートで受信した IP トラフィックはルーティングされます。詳細については、「IP ユニキャスト ルーティングの設定」、「IP マルチキャスト ルーティングの設定」、および「MSDP の設定」を参照してください。
• フォールバック ブリッジングを行うと、スイッチでルーティングされないトラフィックや、DECnet などのルーティングできないプロトコルに属するトラフィックが転送されます。また、フォールバック ブリッジングは、2 つ以上の SVI またはルーテッド ポート間のブリッジングによって、複数の VLAN を 1 つのブリッジ ドメインに接続します。フォールバック ブリッジングを設定する場合は、ブリッジ グループに SVI またはルーテッド ポートを割り当てます。各 SVI またはルーテッド ポートにはそれぞれ 1 つしかブリッジ グループが割り当てられません。同じグループ内のすべてのインターフェイスは、同じブリッジ ドメインに属します。詳細については、「フォールバック ブリッジングの設定」を参照してください。
(注) LAN ベース フィーチャ セットが稼働しているスイッチは、SVI で 16 のスタティック ルートのみの設定をサポートします。フォールバック ブリッジングは、LAN ベース フィーチャ セットではサポートされていません。
インターフェイス コンフィギュレーション モードの使用方法
スイッチは、次のインターフェイス タイプをサポートします。
• 物理ポート:スイッチ ポートおよびルーテッド ポート
• VLAN:スイッチ仮想インターフェイス
• ポート チャネル:EtherChannel インターフェイス
インターフェイス範囲も設定できます(「インターフェイス範囲の設定」を参照)。
物理インターフェイス(ポート)を設定するには、インターフェイスのタイプ、スタック メンバー番号(Catalyst 3750-X スイッチだけ)、モジュール番号、およびスイッチ ポート番号を指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
• タイプ:10/100/1000 Mbps イーサネット ポートにはギガビット イーサネット(gigabitethernet または gi)、10,000 Mbps には 10 ギガビット イーサネット(tengigabitethernet または te)、Small Form-Factor Pluggable(SFP)モジュールにはギガビット イーサネット インターフェイス(gigabitethernet または gi)です。
• スタック メンバ番号:スタック内のスイッチを特定する番号。スイッチ番号は 1 ~ 9 の範囲で、スイッチの初回初期化時に割り当てられます。スイッチ スタックに組み込まれる前のデフォルトのスイッチ番号は 1 です。スイッチにスタック メンバ番号が割り当てられている場合、別の番号が割り当てられるまでその番号が維持されます。
スタック モードでのスイッチ ポート LED を使用して、スイッチ内のスタック メンバー番号を識別できます。
スタック メンバー番号の詳細については、「スタック メンバ番号」を参照してください。
• モジュール番号:スイッチのモジュールまたはスロット番号は常に 0 です。
• ポート番号:スイッチ上のインターフェイス番号。10/100/1000 ポート番号は常に 1 から始まり、スイッチに向かって左のポートから順番に付けられています。たとえば、gigabitethernet1/0/1 または gigabitethernet1/0/8 のようになります。
10/100/1000 ポートを備え、Cisco TwinGig Converter Module を装着した 10 ギガビット イーサネット モジュール スロットを備えたスイッチの場合、ポート番号は、tengigabitethernet1/0/1 のように 10 ギガビット イーサネット ポートから振り直されます。
10/100/1000 ポートを備え、Cisco デュアル SFP X2 コンバータ モジュールを 10 ギガビット イーサネット モジュール スロットに装着したスイッチの場合、SFP モジュール ポートの番号は、10/100/1000 インターフェイスに続けて割り当てられます。スイッチに 10/100/1000 ポートが 24 個のある場合、SFP モジュール ポートは、gigabitethernet1/0/25 ~ gigabitethernet1/0/28 になります。
スイッチ上のインターフェイスの位置を物理的に確認することで、物理インターフェイスを識別できます。 show 特権 EXEC コマンドを使用して、スイッチ上の特定のインターフェイスまたはすべてのインターフェイスに関する情報を表示することもできます。以降、この章では、主に物理インターフェイスの設定手順について説明します。
3750-X スイッチでのインターフェイスの識別方法の例は、次のとおりです。
• スタンドアロン スイッチの 10/100/1000 ポート 4 を設定するには、次のコマンドを入力します。
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/4
• スタンドアロン スイッチに 10 ギガビット イーサネット ポート 1 を設定するには、次のコマンドを入力します。
Switch(config)# interface tengigabitethernet1/0/1
• スタック メンバー 3 に 10 ギガビット イーサネット ポートを設定するには、次のコマンドを入力します。
Switch(config)# interface tengigabitethernet3/0/1
スイッチに SFP モジュールがある場合、ポート番号は連続して割り当てられます。スタック メンバ 1 の 1 番めの SFP モジュール ポートに 16 の 10/100/1000 ポートを設定するには、次のコマンドを入力します。
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/25
インターフェイスの設定手順
次の一般的な手順は、すべてのインターフェイス設定プロセスに当てはまります。
ステップ 1 特権 EXEC プロンプトに configure terminal コマンドを入力します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
ステップ 2 interface グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。インターフェイス タイプ、スイッチ番号(Catalyst 3750-X スイッチのみ)、およびコネクタ番号を特定します。次の例では、スイッチ 1 上のギガビット イーサネット ポート 1 が選択されています。
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1
(注) インターフェイス タイプとインターフェイス番号の間にスペースを入れる必要はありません。たとえば、前出の行の場合は、gigabitethernet 1/0/1、gigabitethernet1/0/1、 gi 1/0/1、または gi1/0/1 のいずれかを指定できます。
ステップ 3 各 interface コマンドの後ろに、インターフェイスに必要なインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを続けて入力します。入力するコマンドによって、そのインターフェイスで稼働するプロトコルとアプリケーションが定義されます。別のインターフェイス コマンドまたは end を入力して特権 EXEC モードに戻ると、コマンドが収集されてインターフェイスに適用されます。
また、 interface range または interface range macro グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、一定範囲のインターフェイスを設定することもできます。ある範囲内で設定したインターフェイスは、同じタイプである必要があります。また、同じ機能オプションを指定して設定しなければなりません。
ステップ 4 インターフェイスを設定してから、「インターフェイスのモニタリングおよびメンテナンス」 に示した show 特権 EXEC コマンドで、そのステータスを確認してください。
show interfaces 特権 EXEC コマンドを使用して、スイッチ上のまたはスイッチ用に設定されたすべてのインターフェイスのリストを表示します。デバイスがサポートする各インターフェイスまたは指定したインターフェイスのレポートが出力されます。
インターフェイス範囲の設定
interface range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、同じコンフィギュレーション パラメータを持つ複数のインターフェイスを設定できます。インターフェイス レンジ コンフィギュレーション モードを開始すると、このモードを終了するまで、入力されたすべてのコマンド パラメータはその範囲内のすべてのインターフェイスに対するものと見なされます。
同じパラメータでインターフェイス範囲を設定するには、特権 EXEC モードで始まる次の手順に従ってください。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface range { port-range | macro macro_name } |
設定するインターフェイス範囲(VLAN または物理ポート)を指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 • interface range コマンドを使用すると、最大 5 つのポート範囲または定義済みマクロを 1 つ設定できます。 • macro 変数については、「インターフェイス レンジ マクロの設定および使用方法」を参照してください。 • カンマで区切った port-range では、各エントリに対応するインターフェイス タイプを入力し、カンマの前後にスペースを含めます。 • ハイフンで区切った port-range では、インターフェイス タイプの再入力は不要ですが、ハイフンの前後にスペースを入力する必要があります。 |
ステップ 3 |
この時点で、通常のコンフィギュレーション コマンドを使用して、範囲内のすべてのインターフェイスにコンフィギュレーション パラメータを適用します。各コマンドは、入力されたとおりに実行されます。 |
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ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces [ interface-id ] |
指定した範囲内のインターフェイスの設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
interface range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用するときは、次の注意事項に留意してください。
• port-range の有効なエントリは次のとおりです。
– vlan vlan-ID - vlan-ID(vlan-ID の範囲は 1 ~ 4094)
– gigabitethernet module/{first port} - {last port}(3560-X スイッチの場合)、モジュールは常に 0
– gigabitethernet stack member/module/{first port } - { last port }(3750-X スイッチの場合)、モジュールは常に 0。
tengigabitethernet module/{ first port } - { last port }(3560-X スイッチの場合)、モジュールは常に 0
– tengigabitethernet stack member/module/{first port} - { last port } (3750-X スイッチの場合)、モジュールは常に 0
– gigabitethernet stack member/module/{first port} - {last port}、モジュールは常に 0
– tengigabitethernet stack member/module/{first port} - { last port }、モジュールは常に 0
– port-channel port-channel-number - port-channel-number 、 port-channel-number は 1 ~ 48
(注) ポート チャネルを指定して interface range コマンドを使用する場合は、先頭および最後のチャネル番号をアクティブなポート チャネルにする必要があります。
• interfacerange コマンドを使用するときは、先頭のインターフェイス番号とハイフンの間にスペースが必要です。たとえば、コマンド interface range gigabitethernet 1/0/1 - 4 は有効な範囲ですが、コマンド interface range gigabit ethernet1/0/1-4 は無効な範囲です。
• interface range コマンドが機能するのは、 interface vlan コマンドで設定された VLAN インターフェイスに限られます。 show running-config 特権 EXEC コマンドを使用すると、設定されている VLAN インターフェイスが表示されます。 show running-config コマンドで表示されない VLAN インターフェイスに interface range コマンドを使用することはできません。
• ある範囲内のすべてのインターフェイスは、同じタイプ(すべてがギガビット イーサネット ポート、すべてが 10 ギガビット イーサネット ポート、すべてが EtherChannel ポート、またはすべてが VLAN)でなければなりません。ただし、1 つのコマンド内で複数の範囲を組み合わせることができます。
次に、 interface range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、スイッチ 1 上のポート 1 ~ 4 で速度を 100 Mb/s に設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range gigabitethernet1/0/1 - 4
Switch(config-if-range)# speed 100
この例では、カンマを使用して範囲に異なるインターフェイス タイプ ストリングを追加して、ギガビット イーサネット ポート 1 ~ 3 と、10 ギガビット イーサネット ポート 1 および 2 の両方をイネーブルにし、フロー制御ポーズ フレームを受信できるようにします。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range gigabitethernet1/0/1 - 3 , tengigabitethernet1/0/1 - 2
Switch(config-if-range)# flowcontrol receive on
インターフェイス レンジ モードで複数のコンフィギュレーション コマンドを入力した場合、各コマンドは入力した時点で実行されます。インターフェイス レンジ モードを終了した後で、コマンドがバッチ処理されるわけではありません。コマンドの実行中にインターフェイス レンジ コンフィギュレーション モードを終了すると、一部のコマンドが範囲内のすべてのインターフェイスに対して実行されない場合もあります。コマンド プロンプトが再表示されるのを待ってから、インターフェイス範囲コンフィギュレーション モードを終了してください。
インターフェイス レンジ マクロの設定および使用方法
インターフェイス レンジ マクロを作成すると、設定するインターフェイスの範囲を自動的に選択できます。interface range macro グローバル コンフィギュレーション コマンドで macro キーワードを使用するには、まず define interface-range グローバル コンフィギュレーション コマンドでマクロを定義する必要があります。
インターフェイス範囲マクロを定義するには、特権 EXEC モードで始まる次の手順に従ってください。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
define interface-range macro_name interface-range |
インターフェイス範囲マクロを定義して、NVRAM に保存します。 • macro_name は、最大 32 文字の文字列です。 • マクロには、カンマで区切ったインターフェイスを 5 つまで指定できます。 • それぞれの interface-range は、同じポート タイプで構成されていなければなりません。 |
ステップ 3 |
interface range macro macro_name |
macro_name の名前でインターフェイス レンジ マクロに保存された値を使用することによって、設定するインターフェイスの範囲を選択します。 ここで、通常のコンフィギュレーション コマンドを使用して、定義したマクロ内のすべてのインターフェイスに設定を適用できます。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show running-config | include define |
定義済みのインターフェイス範囲マクロの設定を表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
マクロを削除するには、 no define interface-range macro_name グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
define interface-range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用するときは、次の注意事項に留意してください。
• interface-range の有効なエントリは次のとおりです。
– vlan vlan-ID - vlan-ID(vlan-ID の範囲は 1 ~ 4094)
– gigabitethernet module/{ first port } - {last port}(3560-X スイッチの場合)、モジュールは常に 0
– gigabitethernet stack member/module/{ first port } - { last port }(3750-X スイッチの場合)モジュールは常に 0
– tengigabitethernet module/{ first port } - { last port }(3560-X スイッチの 場合 )、モジュールは常に 0
tengigabitethernet stack member/module/{ first port } - { last port }( 3750-X スイッチの場合)、モジュールは常に 0
gigabitethernet stack member/module/{ first port} - { last port }、module は常に 0
– tengigabitethernet stack member/module/{first port} - { last port }、モジュールは常に 0
– port-channel port-channel-number - port-channel-number 、 port-channel-number は 1 ~ 48
(注) ポート チャネルを指定してインターフェイス範囲を使用する場合は、先頭および最後のチャネル番号をアクティブなポート チャネルにする必要があります。
• interface-range を入力するときは、最初のインターフェイス番号とハイフンの間にスペースを入れます。たとえば、 gigabitethernet1/ 0/1 - 4 は有効な範囲ですが、 gigabitethernet 1/0/1-4 は無効な範囲です。
• VLAN インターフェイスは、 interface vlan コマンドで設定しておく必要があります。 show running-config 特権 EXEC コマンドを使用すると、設定されている VLAN インターフェイスが表示されます。 show running-config コマンドで表示されない VLAN インターフェイスを interface-range として使用することはできません。
• ある範囲内のすべてのインターフェイスは、同じタイプ(すべてがギガビット イーサネット ポート、すべてが 10 ギガビット イーサネット ポート、すべてが EtherChannel ポート、またはすべてが VLAN)でなければなりません。ただし、1 つのマクロ内で複数のインターフェイス タイプを組み合わせることができます。
次に、 enet_list という名前のインターフェイス範囲マクロを定義してスイッチ 1上のポート 1 および 2 を含め、マクロ設定を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# define interface-range enet_list gigabitethernet1/0/1 - 2
Switch# show running-config | include define
define interface-range enet_list GigabitEthernet1/0/1 - 2
次に、複数のタイプのインターフェイスを含むマクロ macro1 を作成する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# define interface-range macro1 gigabitethernet1/0/1 - 2, gigabitethernet1/0/5 - 7, tengigabitethernet1/0/1 -2
次に、インターフェイス レンジ マクロ enet_list に対するインターフェイス レンジ コンフィギュレーション モードを開始する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range macro enet_list
次に、インターフェイス レンジ マクロ enet_list を削除し、処理を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# no define interface-range enet_list
Switch# show run | include define
イーサネット インターフェイスの設定
ここでは、次の設定について説明します。
• 「イーサネット インターフェイスのデフォルト設定」
• 「インターフェイス速度およびデュプレックス モードの設定」
• 「IEEE 802.3x フロー制御の設定」
• 「インターフェイスでの Auto-MDIX の設定」
• 「PoE ポートの電力管理モードの設定」
• 「PoE ポートに接続された装置のパワー バジェット」
• 「電力ポリシングの設定」
• 「インターフェイスに関する記述の追加」
イーサネット インターフェイスのデフォルト設定
表 15-3 は、レイヤ 2 インターフェイスにだけ適用される一部の機能を含む、イーサネット インターフェイスのデフォルト設定を示しています。表に示されている VLAN パラメータの詳細については、「VLAN の設定」を参照してください。また、ポートへのトラフィック制御の詳細については、「ポート単位のトラフィック制御の設定」を参照してください。
(注) インターフェイスがレイヤ 3 モードの場合に、レイヤ 2 パラメータを設定するには、パラメータを指定せずに switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力し、インターフェイスをレイヤ 2 モードにする必要があります。これにより、インターフェイスがいったんシャットダウンしてから再度イネーブルになり、インターフェイスが接続しているデバイスに関するメッセージが表示されることがあります。レイヤ 3 モードのインターフェイスをレイヤ 2 モードにした場合、影響のあるインターフェイスに関連する以前の設定情報が消失する可能性があり、インターフェイスはデフォルト設定に戻ります。
表 15-3 レイヤ 2 イーサネット インターフェイスのデフォルト設定
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動作モード |
レイヤ 2 または スイッチング モード ( switchport コマンド) |
VLAN 許容範囲 |
VLAN 1 ~ 4094 |
デフォルト VLAN(アクセス ポート用) |
VLAN 1(レイヤ 2 インターフェイスだけ) |
ネイティブ VLAN(IEEE 802.1Q トランク用) |
VLAN 1(レイヤ 2 インターフェイスだけ) |
VLAN トランキング |
Switchport mode dynamic auto(DTP をサポート)(レイヤ 2 インターフェイスだけ) |
ポート イネーブル ステート |
すべてのポートがイネーブル |
ポート記述 |
未定義 |
速度 |
自動ネゴシエーション (10 ギガビット インターフェイス上では未サポート) |
デュプレックス モード |
自動ネゴシエーション (10 ギガビット インターフェイス上では未サポート) |
フロー制御 |
フロー制御は receive : off に設定されます。送信パケットでは常にオフです。 |
EtherChannel(PAgP) |
すべてのイーサネット ポートでディセーブル。を参照してください。「EtherChannel およびリンクステート トラッキングの設定」を参照してください。 |
ポート ブロッキング(不明マルチキャストおよび不明ユニキャスト トラフィック) |
ディセーブル(ブロッキングされない)(レイヤ 2 インターフェイス限定)。「ポート ブロッキングの設定」を参照してください。 |
ブロードキャスト、マルチキャスト、およびユニキャスト ストーム制御 |
ディセーブル 「ストーム制御のデフォルト設定」を参照してください。 |
保護ポート |
ディセーブル(レイヤ 2 インターフェイス限定)。「保護ポートの設定」を参照してください。 |
ポート セキュリティ |
ディセーブル(レイヤ 2 インターフェイス限定)。「ポート セキュリティのデフォルト設定」を参照してください。 |
PortFast |
ディセーブル 「オプションのスパニングツリー機能のデフォルト設定」を参照してください。 |
Auto-MDIX |
イネーブル (注) 受電デバイスがクロス ケーブルでスイッチに接続されている場合、スイッチは、IEEE 802.3af に完全には準拠していない、Cisco IP Phone やアクセス ポイントなどの準規格の受電をサポートしていない場合があります。これは、スイッチ ポート上で Automatic Medium-Dependent Interface Crossover(Auto-MIDX)がイネーブルかどうかは関係ありません。 |
Power over Ethernet(PoE) |
イネーブル(auto) |
インターフェイス速度およびデュプレックス モードの設定
スイッチのイーサネット インターフェイスは、全二重または半二重モードのいずれかで、10、100、1000、または 10,000 Mbps で動作します。全二重モードの場合、2 つのステーションが同時にトラフィックを送受信できます。通常、10 Mbps ポートは半二重モードで動作します。これは、各ステーションがトラフィックを受信するか、送信するかのどちらか一方しかできないことを意味します。
スイッチ モデルには、ギガビット イーサネット(10/100/1000 Mbps)ポート、10 ギガビット イーサネット ポート、SFP モジュール対応の Small Form-Factor Pluggable(SFP)モジュール スロットがあります。
ここでは、インターフェイス速度とデュプレックス モードの設定手順について説明します。
• 「速度とデュプレックス モードの設定時の注意事項」
• 「インターフェイス速度およびデュプレックス パラメータの設定」
速度とデュプレックス モードの設定時の注意事項
インターフェイス速度およびデュプレックス モードを設定するときには、次の注意事項に留意してください。
• 10 ギガビット イーサネット ポートは、速度機能およびデュプレックス機能をサポートしていません。これらのポートは、10,000 Mbps、全二重モードでだけ動作します。
• ギガビット イーサネット(10/100/1000 Mbps)ポートは、すべての速度オプションとデュプレックス オプション(自動、半二重、全二重)をサポートします。ただし、1000 Mbps で稼働させているギガビット イーサネット ポートは、半二重モードをサポートしません。
• SFP モジュール ポートの場合、次の SFP モジュール タイプによって速度とデュプレックスの CLI(コマンドライン インターフェイス)オプションが変わります。
– 1000 BASE- x ( x には、BX、CWDM、LX、SX、ZX が適宜入ります)SFP モジュール ポートは、 speed インターフェイス コンフィギュレーション コマンドで nonegotiate キーワードをサポートします。デュプレックス オプションはサポートされません。
– 1000BASE-T SFP モジュール ポートは、10/100/1000 Mbps ポートと同一の速度とデュプレックス オプションをサポートします。
ご使用のスイッチでサポートされている SFP モジュールについては、製品のリリース ノートを参照してください。
• 回線の両側で自動ネゴシエーションがサポートされる場合は、できるだけデフォルトの auto ネゴシエーションを使用してください。
• 一方のインターフェイスが自動ネゴシエーションをサポートし、もう一方がサポートしない場合は、両方のインターフェイス上でデュプレックスと速度を設定します。サポートする側で auto 設定を使用しないでください。
• STP がイネーブルの場合にポートを再設定すると、スイッチがループの有無を調べるために最大で 30 秒かかる可能性があります。STP の再設定が行われている間、ポート LED はオレンジに点灯します。
注意 インターフェイス速度とデュプレックス モードの設定を変更すると、再設定中にインターフェイスがシャットダウンし、再びイネーブルになる場合があります。
インターフェイス速度およびデュプレックス パラメータの設定
物理インターフェイスの速度およびデュプレックス モードを設定するには、特権 EXEC モードで始まる次の手順に従ってください。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
speed { 10 | 100 | 1000 | auto [ 10 | 100 | 1000 ] | nonegotiate } |
このコマンドは、10 ギガビット イーサネット インターフェイスでは使用できません。 インターフェイスに対する適切な速度パラメータを入力します。 • インターフェイスの速度を指定するには、 10 、 100 、または 1000 を入力します。 1000 キーワードを使用できるのは、10/100/1000 Mbps ポートに対してだけです。 • インターフェイスに接続されたデバイスと自動ネゴシエーションが行えるようにするには、 auto を入力します。 auto キーワードと一緒に 10 、 100 、または 1000 キーワードを使用した場合、ポートは指定の速度でのみ自動ネゴシエートします。 • nonegotiate キーワードを使用できるのは、SFP モジュール ポートに対してだけです。SFP モジュール ポートは 1000 Mbps だけで動作しますが、自動ネゴシエーションをサポートしていないデバイスに接続されている場合は、ネゴシエートしないように設定できます。 速度の設定の詳細については、「速度とデュプレックス モードの設定時の注意事項」を参照してください。 |
ステップ 4 |
duplex { auto | full | half } |
このコマンドは、10 ギガビット イーサネット インターフェイスでは使用できません。 インターフェイスのデュプレックス パラメータを入力します。 半二重モードをイネーブルにします(10 または 100Mbps のみで動作するインターフェイスの場合)。1000 Mbps で動作するインターフェイスには半二重モードを設定できません。 デュプレックス設定を行うことができるのは、速度が auto に設定されている場合です。 デュプレックスの設定の詳細については、「速度とデュプレックス モードの設定時の注意事項」を参照してください。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show interfaces interface-id |
インターフェイス速度およびデュプレックス モードの設定を表示します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
インターフェイスをデフォルトの速度およびデュプレックス設定(自動ネゴシエーション)に戻すには、 no speed および no duplex インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。すべてのインターフェイス設定をデフォルトに戻すには、 default interface interface-id インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、インターフェイス速度を 100 Mbps に、10/100/1000 Mbps ポートのデュプレックス モードを半二重に設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/3
Switch(config-if)# speed 10
Switch(config-if)# duplex half
次に、10/100/1000 Mbps ポートで、インターフェイスの速度を 100 Mbps に設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/2
Switch(config-if)# speed 100
IEEE 802.3x フロー制御の設定
フロー制御により、接続しているイーサネット ポートは、輻輳しているノードがリンク動作をもう一方の端で一時停止できるようにすることによって、輻輳時のトラフィック レートを制御できます。あるポートで輻輳が生じ、それ以上はトラフィックを受信できなくなった場合、ポーズ フレームを送信することによって、その状態が解消されるまで送信を中止するように、そのポートから相手ポートに通知します。ポーズ フレームを受信すると、送信側デバイスはデータ パケットの送信を中止するので、輻輳時のデータ パケット損失が防止されます。
(注) Catalyst 3750-X または 3560-X ポートは、ポーズ フレームを受信できますが、送信できません。
flowcontrol インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、インターフェイスのポーズ フレームを受信( receive )する能力を on 、 off 、または desired に設定します。デフォルトの状態は off です。
desired に設定した場合、インターフェイスはフロー制御パケットの送信を必要とする接続デバイス、または必要ではないがフロー制御パケットを送信できる接続デバイスに対して動作できます。
デバイスのフロー制御設定には、次のルールが適用されます。
• receive on (または desired ):ポートはポーズ フレームを送信できませんが、ポーズ フレームを送信する必要のある、または送信できる接続デバイスと組み合わせて使用できます。ポーズ フレームの受信は可能です。
• receive off :フロー制御はどちらの方向にも動作しません。輻輳が生じても、リンクの相手側に通知はなく、どちら側の装置も休止フレームの送受信を行いません。
(注) コマンドの設定と、その結果生じるローカルおよびリモート ポートでのフロー制御解決の詳細については、このリリースのコマンド リファレンスに記載されたflowcontrol インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを参照してください。
インターフェイス上でフロー制御を設定するには、特権 EXEC モードで始まる次の手順に従ってください。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
flowcontrol { receive } { on | off | desired } |
ポートのフロー制御モードを設定します。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces interface-id |
インターフェイス フロー制御の設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
フロー制御をディセーブルにするには、 flowcontrol receive off インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポート上のフロー制御をオンにする例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config-if)# flowcontrol receive on
インターフェイスでの Auto-MDIX の設定
インターフェイス上の Auto-MDIX がイネーブルに設定されている場合、インターフェイスが必要なケーブル接続タイプ(ストレートまたはクロス)を自動的に検出し、接続を適切に設定します。Auto-MDIX 機能を使用せずにスイッチを接続する場合、サーバ、ワークステーション、またはルータなどのデバイスの接続にはストレート ケーブルを使用し、他のスイッチやリピータの接続にはクロス ケーブルを使用する必要があります。Auto-MDIX がイネーブルの場合、他のデバイスとの接続にはどちらのケーブルでも使用でき、ケーブルが正しくない場合はインターフェイスが自動的に修正を行います。ケーブル接続の詳細については、ハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
Auto-MDIX はデフォルトでイネーブルです。Auto-MDIX をイネーブルに設定する場合、Auto-MDIX 機能が正しく動作するようにインターフェイスの速度およびデュプレックスを auto に設定する必要があります。Auto-MDIX は、すべての 10/100/1000 Mbps インターフェイスと、10/100/1000BASE-TX Small Form-Factor Pluggable(SFP)モジュール インターフェイスでサポートされています。1000BASE-SX または 1000BASE-LX SFP モジュール インターフェイスではサポートされません。
表 15-4 に、Auto-MDIX の設定およびケーブル接続ごとのリンク ステートを示します。
表 15-4 リンク状態と Auto-MDIX の設定
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On |
On |
リンク アップ |
リンク アップ |
On |
Off |
リンク アップ |
リンク アップ |
Off |
On |
リンク アップ |
リンク アップ |
Off |
Off |
リンク アップ |
リンク ダウン |
インターフェイス上で Auto-MDIX を設定するには、特権 EXEC モードで始まる次の手順に従ってください。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
speed auto |
接続されたデバイスと速度の自動ネゴシエーションを行うようにインターフェイスを設定します。 |
ステップ 4 |
duplex auto |
接続されたデバイスとデュプレックス モードの自動ネゴシエーションを行うようにインターフェイスを設定します。 |
ステップ 5 |
mdix auto |
インターフェイスの Auto MDIX をイネーブルにします。 |
ステップ 6 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show controllers ethernet-controller interface-id phy |
インターフェイスの Auto-MDIX 動作ステートを確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
Auto-MDIX をディセーブルにするには、 no mdix auto インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次の例では、ポートの Auto MDIX をイネーブルにする方法を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config-if)# speed auto
Switch(config-if)# duplex auto
Switch(config-if)# mdix auto
PoE ポートの電力管理モードの設定
ほとんどの場合、デフォルトの設定(自動モード)の動作は適切に行われ、プラグアンドプレイ動作が提供されます。それ以上の設定は必要ありません。しかし、PoE ポートの優先順位を上げたり、PoE ポートをデータ専用にしたり、最大ワット数を指定して高電力受電デバイスをポートで禁止したりする場合は、次の手順を実行します。
Catalyst 3750-X スイッチでは、StackPower もサポートされます。これによって、電源スタック ケーブルで最大 4 つのスイッチを接続する場合、スタック内の複数のシステムの電源モジュールで負荷を分担できます。StackPower の詳細については、「Catalyst 3750-X StackPower の設定」を参照してください。
(注) PoE 設定を変更するとき、設定中のポートでは電力が低下します。新しい設定、その他の PoE ポートの状態、電力バジェットの状態により、そのポートの電力は再びアップしない場合があります。たとえば、ポート 1 が自動でオンの状態になっていて、そのポートを固定モードに設定するとします。スイッチはポート 1 から電力を取り除き、受電デバイスを検出してポートに電力を再び供給します。ポート 1 が自動でオンの状態になっていて、最大ワット数を 10 W に設定した場合、スイッチはポートから電力を取り除き、受電デバイスを再び検出します。受電デバイスがクラス 1、クラス 2、シスコ専用受電デバイスのうちいずれかである場合、スイッチはポートに電力を再び供給します。
PoE 対応ポート上で電力管理モードを設定するには、特権 EXEC モードで始まる次の手順に従ってください。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
power inline { auto [ max max-wattage ] | never | static [ max max-wattage ]} |
ポートの PoE モードを設定します。キーワードの意味は次のとおりです。 • auto :受電装置の検出をイネーブルにします。十分な電力がある場合は、装置の検出後に PoE ポートに電力を自動的に割り当てます。これがデフォルト設定です。 • (任意) max max-wattage: ポートで許可する 電力を制限します。指定できる範囲は 4000 ~ 30000 mW です。値を指定しない場合は、最大電力が供給されます。 • never :装置検出とポートへの電力供給をディセーブルにします。 コマンドでポートを設定しないでください。問題のあるリンク アップが発生し、ポートが errdisable ステートになります。 • static :受電装置の検出をイネーブルにします。スイッチが受電デバイスを検出する前に、ポートへの電力を事前に割り当てます(確保します)。スイッチは、装置が接続されていなくてもこのポートに電力を予約し、装置の検出時に電力が供給されることを保証します。 スイッチは、自動モードに設定されたポートに電力を割り当てる前に、固定モードに設定されたポートに PoE を割り当てます。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show power inline [i nterface-id | module switch-number ] |
スイッチまたはスイッチ スタックに関する、または指定したインターフェイスに関する、または指定したスタック メンバに関する PoE ステータスを表示します。 module switch-number キーワードは、Catalyst 3750-X スイッチだけでサポートされています。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
show power inline ユーザ EXEC コマンドの出力については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。PoE 関連の詳細については、「PoE スイッチ ポートのトラブルシューティング」を参照してください。音声 VLAN の設定の詳細については、「音声 VLAN の設定」を参照してください。
PoE ポートに接続された装置のパワー バジェット
シスコの受電デバイスが PoE ポートに接続されている場合、スイッチは Cisco Discovery Protocol(CDP)を使用して、受電デバイスの CDP 固有の 電力消費を判断し、これに合せて電力バジェットを調整します。この機能は、IEEE サードパーティの受電デバイスには適用されません。この装置の場合、スイッチが電力要求を許可したときに、受電装置の IEEE 分類に応じて電力バジェットを調整します。受電デバイスがクラス 0(クラス ステータス不明)またはクラス 3 の場合、スイッチは CDP 固有の電力所要量に関係なく、受電デバイスに 15,400 mW を計上します。受電デバイスが CDP 固有の消費よりも高いクラスを報告してきたり、または電力分類(デフォルトはクラス 0)をサポートしていない場合、スイッチは IEEE クラス情報を使用してグローバル電力バジェットを追跡するため、電力供給できるデバイスが少なくなります。
power inline consumption wattage インターフェイス コンフィギュレーション コマンドまたは power inline consumption default wattage グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すれば、IEEE 分類で指定されたデフォルトの電力要件を上書きできます。IEEE 分類で指定された電力と実際に装置が必要とする電力の差は、追加の装置が使用するためグローバル電力バジェットに入れられます。したがって、スイッチの電力バジェットを拡張してもっと効率的に使用できます。
注意 スイッチの電力バジェットは慎重に計画し、電力モニタリング機能をイネーブルにし、電源装置に対してオーバーサブスクライブにならないようにする必要があります。
(注) 手動で電力バジェットを設定する場合、スイッチと受電デバイスの間のケーブルでの電力消失を考慮する必要があります。
power inline consumption default wattage または no power inline consumption default グローバル コンフィギュレーション コマンド、あるいは power inline consumption wattage または no power inline consumption インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力すると、次の注意メッセージが表示されます。
%CAUTION: Interface Gi1/0/1: Misconfiguring the 'power inline consumption/allocation' command may cause damage to the switch and void your warranty. Take precaution not to oversubscribe the power supply.
It is recommended to enable power policing if the switch supports it.
IEEE 電力分類の詳細については、「Power over Ethernet(PoE)ポート」を参照してください。
スイッチの各 PoE ポートに接続された受電デバイスに対して、電力バジェット量を設定するには、特権 EXEC モードで始まる次の手順に従ってください。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no cdp run |
(任意)CDP をディセーブルにします。 |
ステップ 3 |
power inline consumption default wattage |
スイッチの各 PoE ポートに接続された受電デバイスの消費電力を設定します。各受電装置に指定できる範囲は 4000 ~ 15400 mW です。デフォルトは 15400 mW です。 (注) このコマンドを使用する場合、電力ポリシングもイネーブルにすることを推奨します。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show power inline consumption default |
消費電力の状態を表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
設定をデフォルトに戻すには、 no power inline consumption default グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
特定の PoE ポートに接続された受電デバイスに対して、電力バジェット量を設定するには、特権 EXEC モードで始まる次の手順に従ってください。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no cdp run |
(任意)CDP をディセーブルにします。 |
ステップ 3 |
interface interface-id |
設定する物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
power inline consumption wattage |
スイッチの PoE ポートに接続された受電デバイスの消費電力を設定します。各受電装置に指定できる範囲は 4,000 ~ 15,400 mW です。デフォルトは 15400 mW です。 (注) このコマンドを使用する場合、電力ポリシングもイネーブルにすることを推奨します。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show power inline consumption |
電力消費データを表示します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
デフォルトの設定に戻すには、 no power inline consumption インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
show power inline consumption 特権 EXEC コマンドの出力の詳細については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。
電力ポリシングの設定
デフォルトでは、スイッチは接続されている受電デバイスの消費電力をリアルタイムでモニタリングします。消費電力に対するポリシングを行うようにスイッチを設定できます。デフォルトではポリシングはディセーブルです。
カットオフ電力値、スイッチが使用する電力消費値、および接続装置の実際の電力消費値については、このリリースに対応するソフトウェア コンフィギュレーション ガイドの「Configuring Interface Characteristics」の章の「Power Monitoring and Power Policing」を参照してください。
PoE ポートに接続された受電デバイスのリアルタイム電力消費のポリシングをイネーブルにするには、特権 EXEC モードで始まる次の手順に従ってください。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
power inline police [ action log ] |
ポートでリアルタイム消費電力が最大電力割り当てを超えるときに、次のいずれかのアクションを実行するようにスイッチを設定します。 • PoE ポートをシャットダウンし、このポートへの電力供給をオフにし、error-dsabled ステートにする: power inline police コマンドを入力します。 グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、PoE errdisable ステートから回復するためのタイマーをイネーブルにすることもできます。 • ポートに電力を供給しながら syslog メッセージを生成する: power inline police action log コマンドを入力します。 action log キーワードを入力しない場合、デフォルトのアクションによってポートがシャットダウンされ、errdisable ステートになります。 |
ステップ 4 |
exit |
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
errdisable detect cause inline-power および errdisable recovery cause inline-power および errdisable recovery interval interval |
(任意)PoE errdisable ステートからのエラー回復をイネーブルにし、PoE 回復メカニズム変数を設定します。 デフォルトでは、回復間隔は 300 秒です。 interval interval では、errdisable ステートから回復する時間を秒単位で指定します。指定できる範囲は 30 ~ 86400 です。 |
ステップ 6 |
exit |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show power inline police show errdisable recovery |
電力モニタリング ステータスを表示し、エラー回復設定を確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
リアルタイム消費電力のポリシングをディセーブルにするには、 no power inline police インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。PoE errdisable の原因についてエラー回復をディセーブルにするには、 no errdisable recovery cause inline-power グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
show power inline police 特権 EXEC コマンドの出力の詳細については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。
インターフェイスに関する記述の追加
インターフェイスの機能に関する記述を追加できます。記述は、特権 EXEC コマンド show configuration 、 show running-config 、および show interfaces の出力に表示されます。
インターフェイスの説明を追加するには、特権 EXEC モードで始まる次の手順に従ってください。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
記述を追加するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
description string |
インターフェイスに関する説明を追加します(最大 240 文字)。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces interface-id description または show running-config |
入力を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
記述を削除するには、 no description インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポートに記述を追加して、その説明を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/2
Switch(config-if)# description Connects to Marketing
Switch# show interfaces gigabitethernet1/0/2 description
Interface Status Protocol Description
Gi1/0/2 admin down down Connects to Marketing
レイヤ 3 インターフェイスの設定
(注) レイヤ 3 インターフェイスは、LAN ベース フィーチャ セットが稼働しているスイッチではサポートされません。
スイッチは、次のレイヤ 3 インターフェイスをサポートします。
• SVI:トラフィックをルーティングする VLAN の SVI を設定します。SVI は、 interface vlan グローバル コンフィギュレーション コマンドのあとに VLAN ID を入力して作成します。SVI を削除するには、 no interface vlan グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。インターフェイス VLAN 1 は削除できません。
(注) 物理ポートと関連付けられていない場合、SVI を作成してもアクティブにはなりません。VLAN へのレイヤ 2 ポートの割り当てについては、「VLAN の設定」を参照してください。
SVI を設定するとき、SVI ラインステート ステータスを判断する際に含めないようにするため、SVI 自動ステート除外を SVI のポートに設定することもできます。「SVI 自動ステート除外の設定」を参照してください。
• ルーテッド ポート:ルーテッド ポートは、 no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用してレイヤ 3 モードに設定された物理ポートです。
• レイヤ 3 EtherChannel ポート:ルーテッド ポートで構成された EtherChannel インターフェイス。
EtherChannel ポート インターフェイスについては、「EtherChannel およびリンクステート トラッキングの設定」を参照してください。
スイッチは、各ルーテッド ポートおよび SVI に割り当てられた IP アドレスを持つことができます。
スイッチまたはスイッチ スタックに設定可能な SVI とルーテッド ポートの数について定義済みの制限はありません。ただし、ハードウェアには限界があるため、SVI およびルーテッド ポートの個数と、設定されている他の機能の個数の組み合わせによっては、CPU 利用率が影響を受けることがあります。スイッチが最大限のハードウェア リソースを使用している場合にルーテッド ポートまたは SVI を作成しようとすると、次のような結果になります。
• 新たなルーテッド ポートを作成しようとすると、スイッチは、インターフェイスをルーテッド ポートに変換するための十分なリソースがないことを示すメッセージを表示し、そのインターフェイスはスイッチ ポートのままとなります。
• 拡張範囲の VLAN を作成しようとすると、エラー メッセージが生成され、拡張範囲の VLAN は拒否されます。
• VLAN トランキング プロトコル(VTP)が新たな VLAN をスイッチへ通知すると、スイッチは使用可能な十分なハードウェア リソースがないことを示すメッセージを送り、その VLAN をシャットダウンします。 show vlan ユーザ EXEC コマンドの出力に、サスペンド ステートの VLAN が示されます。
• スイッチが、ハードウェアのサポート可能な数を超える VLAN とルーテッド ポートが設定されたコンフィギュレーションを使って起動を試みると、VLAN は作成されますが、ルーテッド ポートはシャットダウンされ、スイッチはハードウェア リソースが不十分であるという理由を示すメッセージを送信します。
すべてのレイヤ 3 インターフェイスには、トラフィックをルーティングするための IP アドレスが必要です。次の手順は、レイヤ 3 インターフェイスとしてインターフェイスを設定する方法およびインターフェイスに IP アドレスを割り当てる方法を示します。
(注) 物理ポートがレイヤ 2 モードである(デフォルト)場合は、no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを実行してインターフェイスをレイヤ 3 モードにする必要があります。no switchport コマンドを実行すると、インターフェイスがディセーブルになってから再度イネーブルになります。これにより、インターフェイスが接続しているデバイスに関するメッセージが生成されることがあります。さらに、レイヤ 2 モードのインターフェイスをレイヤ 3 モードにすると、影響を受けたインターフェイスに関連する前の設定情報は失われ、インターフェイスはデフォルト設定に戻る可能性があります。
レイヤ 3 インターフェイスを設定するには、特権 EXEC モードで始まる次の手順に従ってください。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface { gigabitethernet interface-id } | { vlan vlan-id } | { port-channel port-channel-number } |
レイヤ 3 インターフェイスとして設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
no switchport |
物理ポートに限り、レイヤ 3 モードを開始します。 |
ステップ 4 |
ip address ip_address subnet_mask |
IP アドレスおよび IP サブネットを設定します。 |
ステップ 5 |
no shutdown |
インターフェイスをイネーブルにします。 |
ステップ 6 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show interfaces [ interface-id ] show ip interface [ interface-id ] show running-config interface [ interface-id ] |
設定を確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
インターフェイスの IP アドレスを削除するには、 no ip address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポートをルーテッド ポートとして設定し、IP アドレスを割り当てる例を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/2
Switch(config-if)# no switchport
Switch(config-if)# ip address 192.20.135.21 255.255.255.0
Switch(config-if)# no shutdown
SVI 自動ステート除外の設定
SVI 自動ステート除外を SVI のアクセスまたはトランク ポートに設定すると、SVI ライン ステート(アップまたはダウン)ステータスを計算する際、ポートが同じ VLAN に属していてもポートを除外します。除外されたポートがアップ状態でも、VLAN 内の他のポートがすべてダウン状態であれば、SVI ステートはダウンに変更されます
SVI ステートをアップ状態のままにするには、少なくとも VLAN 内の 1 つのポートをアップ状態にし、除外しないでください。このコマンドを使用して、SVI のステータスを決定する際にモニタリング ポートのステータスを除外できます。
SVI ステート変更計算からポートを除外するには、特権 EXEC モードで始まる次の手順に従ってください。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
レイヤ 2 インターフェイス(物理ポートまたはポート チャネル)を指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
switchport autostate exclude |
SVI ライン ステート(アップまたはダウン)のステータスを定義する際、アクセスまたはトランク ポートを除外します。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show running config interface interface-id show interface interface-id switchport |
(任意)実行コンフィギュレーションを表示します。 設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
次に、SVI 内のアクセスまたはトランク ポートをラインステート ステータス計算から除外するよう設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/2
Switch(config-if)# switchport autostate exclude
システム MTU の設定
スイッチまたはスイッチ スタック上のすべてのインターフェイスで送受信されるフレームのデフォルト最大伝送単位(MTU)サイズは、1500 バイトです。すべてのギガビット イーサネット インターフェイスおよび 10 ギガビット イーサネット インターフェイスではスイッチド ジャンボ フレームをサポートし、すべてのルーテッド ポートではルーテッド フレームをサポートするように MTU サイズを変更できます。
• システムのジャンボ MTU の値は、スイッチまたはスイッチ スタックのギガビット イーサネット ポートおよび 10 ギガビット イーサネット ポートのスイッチド パケットに適用されます。システム ジャンボ MTU 値を指定するには、 system mtu jumbo bytes グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
• システム ルーティング MTU 値は、スイッチまたはスイッチ スタックのすべてのルーテッド ポートのルーテッド パケットにだけ適用されます。システム ルーティング MTU 値を指定するには、 system mtu routing bytes グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
システム MTU 値を設定する場合、次の注意事項に留意してください。
• スイッチはインターフェイス単位では MTU をサポートしていません。
• Catalyst 3750-X スイッチでは system mtu bytes グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力できますが、このコマンドは有効にはなりません。このコマンドが有効になるのは、混合ハードウェア スイッチ スタック内の Catalyst 3750 メンバーのファスト イーサネット ポートにおけるシステム MTU サイズに対してだけです。このスタックの場合、Catalyst 3750 メンバーのシステム MTU サイズを設定するには、Catalyst 3750-X メンバーで、 system mtu bytes グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用できます。
• 次の場合は、 system mtu 、 system mtu jumbo 、および system mtu routing グローバル コンフィギュレーション コマンドは作用しません。
– Catalyst 3750-X または 3560-X スイッチで system mtu コマンドを入力する場合
– 混合スタックにおいて、Catalyst 3750 メンバーのファスト イーサネット ポートで system mtu jumbo コマンドを入力する場合
– レイヤ 2 ポートだけが設定されているスイッチで system mtu routing コマンドを入力する場合
(注) このコマンドは、LAN ベース フィーチャ セットを実行しているスイッチではサポートされません。
• system mtu bytes または system mtu jumbo bytes コマンドを使用してシステム MTU サイズまたはシステム ジャンボ MTU サイズを変更する場合、コンフィギュレーションを有効にするにはスイッチをリセットする必要があります。 system mtu routing コマンドは、スイッチをリセットしなくても有効になります。
システム MTU 設定は、NVRAM のスイッチ環境変数に保存され、スイッチをリロードするときに有効になります。システム MTU のルーティング設定とは異なり、 system mtu および system mtu jumbo コマンドを使用して入力する MTU 設定は、 copy running-config startup-config 特権 EXEC コマンドを入力しても、スイッチの Cisco IOS コンフィギュレーション ファイルには保存されません。したがって、TFTP を使用し、バックアップ コンフィギュレーション ファイルで新しいスイッチを設定して、システム MTU をデフォルト以外の値にしたい場合、新しいスイッチ上で system mtu および system mtu jumbo を明示的に設定し、スイッチをリロードする必要があります。
スイッチ スタックでは、メンバーに適用される MTU 値は、スタックの設定によって異なります。
• Catalyst 3750-X、Catalyst 3750-E、または Catalyst 3750 スイッチのみが含まれているスタックは、それぞれ Catalyst 3750-X 専用、Catalyst 3750-X 専用、Catalyst 3750 専用のスタックとも呼ばれます。
• Catalyst 3750-X と Catalyst 3750-E スイッチ、またはこれらのいずれかと Catalyst 3750 スイッチで構成されるスタックは、混合ハードウェア スタックとも呼ばれます。
表 15-5 では、設定に応じて適用される MTU 値を示しています。
表 15-5 システム MTU 値
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スタンドアロンの Catalyst 3750-X、3750-E、3560-X、3560-E のいずれかのスイッチ、または Catalyst 3750-X 専用か Catalyst 3750-E-only スタック |
Catalyst 3750-X、Catalyst 3750-E、Catalyst 3560-X、または Catalyst 3560-E スイッチは、コマンドを入力することはできますが、システム MTU の値は有効になりません。 |
system mtu jumbo bytes コマンドを使用します。 指定できる範囲は 1500 ~ 9198 バイトです。 |
system mtu routing bytes コマンドを使用します。 指定できる範囲は 1500 からシステム ジャンボ MTU 値(バイト単位)までです。 |
混合ハードウェア スタック |
system mtu bytes コマンドを使用します。Catalyst 3750 メンバーにだけ有効です。1 指定できる範囲は 1500 ~ 1998 バイトです。 |
system mtu jumbo bytes コマンドを使用します。 指定できる範囲は 1500 ~ 9000 バイトです。 |
system mtu routing bytes コマンドを使用します。 指定できる範囲は 1500 からシステム MTU 値(バイト単位)までです。2 |
Catalyst 3750 専用スタック Catalyst 3750 スイッチ Catalyst 3560 スイッチ |
system mtu bytes コマンドを使用します。 指定できる範囲は 1500 ~ 1998 バイトです。 |
system mtu jumbo bytes コマンドを使用します。 指定できる範囲は 1500 ~ 9000 バイトです。 |
system mtu routing bytes コマンドを使用します。 指定できる範囲は 1500 からシステム MTU 値(バイト単位)までです。 |
システム ルーティング MTU 値の上限は、スイッチまたはスイッチ スタックの設定に基づいており、現在適用されているシステム MTU 値またはシステム ジャンボ MTU 値を参照しています。MTU サイズの設定については、このリリースのコマンド リファレンスの system mtu グローバル コンフィギュレーション コマンドを参照してください。
スイッチド パケットおよびルーテッド パケットの最大 MTU サイズを変更するには、特権 EXEC モードで始まる次の手順に従ってください。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
system mtu jumbo bytes |
(任意)スイッチまたはスイッチ スタックのすべてのギガビット イーサネット インターフェイスおよび 10 ギガビット イーサネット インターフェイスに対して MTU サイズを変更します。 bytes の詳細については、 表 15-5 を参照してください。 |
ステップ 3 |
system mtu routing bytes |
(任意)ルーテッド ポートのシステム MTU を変更します。また、設定した MTU サイズをサポートするルーティング プロトコルがアドバタイズする最大 MTU も設定できます。システム ルーティング MTU は、ルーテッド パケットの最大 MTU であり、また OSPF などのプロトコルのルーティング アップデートでスイッチがアドバタイズする最大 MTU でもあります。 bytes の詳細については、 表 15-5 を参照してください。 (注) このコマンドは、LAN ベース フィーチャ セットを実行しているスイッチではサポートされません。 |
ステップ 4 |
system mtu bytes |
(任意)混合ハードウェア スタックで、Catalyst 3750 メンバーのすべてのファスト イーサネット インターフェイスに対して MTU サイズを変更します。 指定できる範囲は 1500 ~ 1998 バイトです。デフォルトは 1500 バイトです。 (注) このコマンドは Catalyst 3560-X スイッチには適用されません。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
ステップ 7 |
reload |
オペレーティング システムをリロードします。 |
ステップ 8 |
show system mtu |
設定を確認します。 |
特定のインターフェイス タイプで許容範囲外の値を入力した場合、その値は受け入れられません。
次に、ギガビット イーサネット ポートの最大パケット サイズを 7500 バイトに設定する例を示します。
Switch(config)# system mtu jumbo 7500
次に、ギガビット イーサネット インターフェイスを範囲外の値に設定しようとした場合に表示される応答の例を示します。
Switch(config)# system mtu jumbo 25000
% Invalid input detected at '^' marker.