Call Home について
Call Home を使用すると、E メールベースおよび Web ベースで重大なシステム イベントの通知を行えます。ポケットベル サービス、通常の電子メール、または XML ベースの自動解析アプリケーションとの適切な互換性のために、さまざまなメッセージの形式が使用できます。この機能の一般的な利用方法には、ネットワーク サポート エンジニアのダイレクト ページング、ネットワーク オペレーション センターへの電子メール通知、サポート Web サイトへの XML 配信、Cisco Smart Call Home サービスを利用したシスコ Technical Assistance Center(TAC)の直接ケース生成などがあります。
Call Home 機能では、設定、診断、環境条件、コンポーネント、システム イベントについての情報を含むアラート メッセージを送信できます。
Call Home 機能では、 Call Home 宛先プロファイル に従って複数の受信者にアラートを送信できます。宛先プロファイルには、メッセージ形式とコンテンツのカテゴリを設定できます。TAC(callhome@cisco.com)にアラートを送信する、あらかじめ定義された宛先プロファイルが用意されています。また、独自の宛先プロファイルを定義することもできます。
柔軟なメッセージ送信オプションと形式オプションにより、特定のサポート要件に簡単に統合できます。
Call Home 機能には、次の利点があります。
• 複数のメッセージ形式オプション
– ショート テキスト:ポケットベルまたは印刷形式のレポートに最適。
– プレーン テキスト:人間が読むのに適した形式に完全整形されたメッセージ情報。
– XML:Extensible Markup Language(XML)および Adaptive Markup Language(AML)文書型定義(DTD)を使用した読み取り可能なマッチング形式。XML 形式では、Cisco TAC と通信できます。
• 同時メッセージの宛先を複数設定できます。
• 設定、診断、環境条件、コンポーネント、Syslog イベントを含む複数のメッセージ カテゴリ。
• 重大度とパターン マッチングによるメッセージのフィルタリング。
• 定期的なメッセージ送信のスケジューリング。
Smart Call Home の取得
シスコと直接サービス契約を結んでいる場合は、Smart Call Home サービス用のデバイスを登録できます。Smart Call Home は、ご使用のデバイスから送信された Call Home メッセージを分析し、背景情報および推奨事項を提供して、システムの問題を迅速に解決します。既知と特定できる問題、特に GOLD 診断エラーについては、Cisco TAC によって自動サービス リクエストが生成されます。
Smart Call Home には、次の機能があります。
• シャーシ内のラインカードおよびスーパーバイザ エンジンに関する診断アラートの起動。
• 装置から送られる Call Home メッセージの分析、場合に応じて、自動サービス リクエスト生成と適切な TAC チームへの回覧。このリクエストには問題を迅速に解決するための詳細な診断情報が含まれています。
• お使いのデバイスから直接、またはダウンロード可能な転送ゲートウェイ(TG)集約ポイントを介して転送されたメッセージのセキュリティ保護。複数のデバイスをサポートする必要のある場合や、セキュリティ要件によってデバイスがインターネットに直接接続されないことが必要とされる場合は、TG 集約ポイントを使用できます。
• あらゆる Call Home デバイスの Call Home メッセージおよび推奨事項、コンポーネント情報、設定情報への Web アクセス。関連する Field Notice(FN)、セキュリティ勧告、および End of Life(EOL; 廃止)情報にアクセスできます。
次の項目を登録する必要があります。
• スイッチの SMARTnet 契約番号
• 電子メール アドレス
• Cisco.com ID
Smart Call Home の詳細については、次の URL にある Smart Call Home のページを参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/ps7334/serv_home.html
Call Home の設定
Call Home の設定方法は、機能の使用目的によって異なります。Call Home を設定する前に次の事項に注意してください。
• 少なくとも 1 つの宛先プロファイル(定義済みまたはユーザ定義)を設定する必要があります。使用する宛先プロファイルは、受信エンティティがポケットベル、電子メール、Cisco Smart Call Home のような自動サービスのいずれであるかによって異なります。
– 宛先プロファイルが E メール メッセージ送信を使用している場合、シンプル メール転送プロトコル(SMTP)サーバを指定する必要があります。
– 宛先プロファイルがセキュア HTTP(HTTPS)メッセージ転送を使用している場合は、トラストポイント認証局(CA)を設定する必要があります。
• 受信者が受信したメッセージの発信源を特定できるように、連絡用 E メール、電話番号、住所の情報を設定する必要があります。
• スイッチは ip domain name コマンドを使用して電子メール サーバまたは宛先 HTTP サーバとの IP 接続が必要です。
• Cisco Smart Call Home を使用している場合、アクティブなサービス契約が設定するデバイスを対象としている必要があります。
Call Home を設定する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 設定場所の連絡先情報を設定します。
ステップ 2 各受信者の宛先プロファイルを設定します。
ステップ 3 各宛先プロファイルを 1 つまたは複数のアラート グループに登録し、アラート オプションを設定します。
ステップ 4 転送方法に応じて(CA 証明書を含め)E メール設定または HTTPS 設定を行います。
ステップ 5 Call Home 機能をイネーブルにします。
ステップ 6 Call Home メッセージをテストします。
ヒント Smart Call Home Web アプリケーションから、基本的な設定スクリプトをダウンロードして、Smart Call Home および Cisco TAC とともに使用するよう Call Home 機能を設定するために利用できます。このスクリプトは、Smart Call Home サービスとセキュアな通信を行うために、トラストポイント CA を設定する際にも有用です。提供されるスクリプトに保証はありません。このスクリプトは次の URL からダウンロードできます。
http://www.cisco.com/en/US/products/ps7334/serv_home.html
連絡先情報の設定
スイッチには必ず連絡用の E メール アドレスが必要です。任意で、電話番号、住所、契約 ID、カスタマー ID、サイト ID を割り当てることができます。
連絡先情報を割り当てるには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch# configure terminal |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(config)# call-home |
Call Home 設定サブモードに入ります。 |
ステップ 3 |
Switch(cfg-call-home)# contact-email-addr email-address |
カスタマーの E メール アドレスを割り当てます。E メール アドレス フォーマットにはスペースなしで最大 200 文字まで入力できます。 |
ステップ 4 |
Switch(cfg-call-home)# phone-number + phone-number |
(任意)カスタマーの電話番号を割り当てます。 記号で始まり、ダッシュ(-)と数字だけが含まれるようにしてください。最大 16 文字まで入力できます。スペースを入力する場合は、エントリを引用符("")で囲む必要があります。 |
ステップ 5 |
Switch(cfg-call-home)# street-address street-address |
(任意)RMA 機器の配送先であるカスタマーの住所を割り当てます。最大 200 文字まで入力できます。スペースを入力する場合は、エントリを引用符("")で囲む必要があります。 |
ステップ 6 |
Switch(cfg-call-home)# customer-id text |
(任意)カスタマー ID を指定します。最大 64 文字まで入力できます。スペースを入力する場合は、エントリを引用符("")で囲む必要があります。 |
ステップ 7 |
Switch(cfg-call-home)# site-id text |
(任意)カスタマーのサイト ID を指定します。最大 200 文字まで入力できます。スペースを入力する場合は、エントリを引用符("")で囲む必要があります。 |
ステップ 8 |
Switch(cfg-call-home)# contract-id text |
(任意)スイッチのカスタマーの契約 ID を指定します。最大 64 文字まで入力できます。スペースを入力する場合は、エントリを引用符("")で囲む必要があります。 |
次に、連絡先情報を設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# call-home
Switch(cfg-call-home)# contact-email-addr username@example.com
Switch(cfg-call-home)# phone-number +1-800-555-4567
Switch(cfg-call-home)# street-address "1234 Picaboo Street, Any city, Any state, 12345"
Switch(cfg-call-home)# customer-id Customer1234
Switch(cfg-call-home)# site-id Site1ManhattanNY
Switch(cfg-call-home)# contract-id Company1234
Switch(cfg-call-home)# exit
Switch(config)#
宛先プロファイルの設定
宛先プロファイルには、アラート通知に必要な送信情報が含まれています。少なくとも 1 つの宛先プロファイルが必要です。1 つまたは複数のタイプの複数の宛先プロファイルを設定できます。
定義済みの宛先プロファイルを使用することも、目的のプロファイルを定義することもできます。新しい宛先プロファイルを定義する場合は、プロファイル名を割り当てる必要があります。
(注) Cisco Smart Call Home サービスを使用する場合、宛先プロファイルは XML メッセージ形式を使用する必要があります。
宛先プロファイルには、次の属性を設定できます。
• プロファイル名:ユーザ定義宛先プロファイルを一意に識別する文字列。プロファイル名は 31 文字までで大文字と小文字は区別されません。プロファイル名として all は使用できません。
• 転送方法:アラートを送信するための転送メカニズム(E メールまたは HTTP(HTTPS を含む))。
– ユーザ定義の宛先プロファイルの場合、E メールがデフォルトで、どちらかまたは両方の転送メカニズムをイネーブルにできます。両方の方法をディセーブルにすると、E メールがイネーブルになります。
– あらかじめ定義された Cisco TAC プロファイルの場合、いずれかの転送メカニズムをイネーブルにできますが、同時にはイネーブルにできません。
• 宛先アドレス:アラートを送信する転送方法に関連した実際のアドレス。
• メッセージ形式:アラートの送信に使用するメッセージ形式。
– ユーザ定義の宛先プロファイルの場合、形式オプションは、ロング テキスト、ショート テキスト、または XML です。デフォルトは XML です。
– 定義済みの Cisco TAC プロファイルの場合、XML しか使用できません。
• メッセージ サイズ:宛先メッセージの最大サイズ。有効な範囲は、50 ~ 3,145,728 バイトで、デフォルトは 3,145,728 バイトです。
宛先プロファイルを作成して設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch# configure terminal |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(config)# call-home |
Call Home 設定サブモードに入ります。 |
ステップ 3 |
Switch(cfg-call-home)# profile name |
指定された宛先プロファイルに対する Call Home 宛先プロファイル設定サブモードを開始します。指定された宛先プロファイルが存在しない場合、作成されます。 |
ステップ 4 |
Switch(cfg-call-home-profile)# [ no ] destination transport-method { email | http } |
(任意)メッセージ転送方法をイネーブルにします。 no オプションを選択すると、方法がディセーブルになります。 |
ステップ 5 |
Switch(cfg-call-home-profile)# destination address { email email-address | http url } |
Call Home メッセージが送信される宛先 E メール アドレスまたは URL を設定します。 を指定します。宛先がセキュア サーバである場合、トラストポイント CA も設定する必要があります。 |
ステップ 6 |
Switch(cfg-call-home-profile)# destination preferred-msg-format { long-text | short-text | xml } |
(任意)使用するメッセージ形式を設定します。デフォルトは XML です。 |
ステップ 7 |
Switch(cfg-call-home-profile)# destination message-size-limit bytes |
(任意)宛先プロファイルの宛先メッセージの最大サイズを設定します。 |
ステップ 8 |
Switch(cfg-call-home-profile)# active |
宛先プロファイルをイネーブルにします。デフォルトでは、プロファイルは作成時にイネーブルになります。 |
ステップ 9 |
Switch(cfg-call-home-profile)# exit |
Call Home 宛先プロファイル設定サブモードを終了して、Call Home 設定サブモードに戻ります。 |
ステップ 10 |
Switch(cfg-call-home)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 11 |
Switch# show call-home profile { name | all } |
指定されたプロファイル、または設定されたすべてのプロファイルに応じた宛先プロファイル設定を表示します。 |
宛先プロファイルのコピー
既存のプロファイルをコピーして新しい宛先プロファイルを作成するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch# configure terminal |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(config)# call-home |
Call Home 設定サブモードに入ります。 |
ステップ 3 |
Switch(cfg-call-home)# copy profile source-profile target-profile |
既存の宛先プロファイルと同じ設定で新しい宛先プロファイルを作成します。 |
アラート グループへの登録
アラート グループは、スイッチでサポートされる Call Home アラートの定義済みサブセットです。Call Home アラートはタイプごとに別のアラート グループにグループ化されます。次のアラート グループが使用できます。
• Configuration
• Diagnostic
• Environment
• Inventory
• Syslog
各アラート グループの起動イベントは「アラート グループの起動イベントとコマンド」に示しています。アラート グループ メッセージの内容は「メッセージの内容」に示しています。
宛先プロファイルごとに受信するアラート グループを 1 つまたは複数選択できます。
(注) Call Home アラートは、その Call Home アラートが含まれているアラート グループに登録されている宛先プロファイルにしか送信されません。さらに、アラート グループをイネーブルにする必要があります。
宛先プロファイルをアラート グループに登録するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch# configure terminal |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(config)# call-home |
Call Home 設定サブモードに入ります。 |
ステップ 3 |
Switch(cfg-call-home)# alert-group { all | configuration | diagnostic | environment | inventory | syslog } |
指定されたアラート グループをイネーブルにします。すべてのアラート グループをイネーブルにするには、all キーワードを使用します。デフォルトでは、すべてのアラート グループがイネーブルになります。 |
ステップ 4 |
Switch(cfg-call-home)# profile name |
指定された宛先プロファイルに対する Call Home 宛先プロファイル設定サブモードを開始します。 |
ステップ 5 |
Switch(cfg-call-home-profile)# subscribe-to-alert-group configuration [ periodic { daily hh:mm | monthly date hh:mm | weekly day hh:mm }] |
この宛先プロファイルを Configuration アラート グループに登録します。Configuration アラート グループは、「定期的な通知の設定」で説明しているように、定期的な通知用に設定できます。 |
Switch(cfg-call-home-profile)# subscribe-to-alert-group all |
使用可能なすべてのアラート グループに登録します。 |
ステップ 6 |
Switch(cfg-call-home-profile)# subscribe-to-alert-group diagnostic [ severity catastrophic | disaster | fatal | critical | major | minor | warning | notification | normal | debugging ] |
この宛先プロファイルを Diagnostic アラート グループに登録します。Diagnostic アラート グループは、「メッセージ重大度しきい値の設定」で説明しているように、重大度に応じてメッセージをフィルタするよう設定できます。 |
ステップ 7 |
Switch(cfg-call-home-profile)# subscribe-to-alert-group environment [ severity catastrophic | disaster | fatal | critical | major | minor | warning | notification | normal | debugging ] |
この宛先プロファイルを Environment アラート グループに登録します。Environment アラート グループは、「メッセージ重大度しきい値の設定」で説明しているように、重大度に応じてメッセージをフィルタするよう設定できます。 |
ステップ 8 |
Switch(cfg-call-home-profile)# subscribe-to-alert-group inventory [ periodic { daily hh:mm | monthly date hh:mm | weekly day hh:mm }] |
この宛先プロファイルを Inventory アラート グループに登録します。Inventory アラート グループは、「定期的な通知の設定」で説明しているように、定期的な通知用に設定できます。 |
ステップ 9 |
Switch(cfg-call-home-profile)# subscribe-to-alert-group syslog [ severity catastrophic | disaster | fatal | critical | major | minor | warning | notification | normal | debugging ] [ pattern string ] |
この宛先プロファイルを Syslog アラート グループに登録します。Syslog アラート グループは、「メッセージ重大度しきい値の設定」で説明しているように、重大度に応じてメッセージをフィルタするよう設定できます。syslog メッセージで一致するパターンを指定できます。パターンにスペースが含まれている場合は、引用符("")で囲む必要があります。 |
ステップ 10 |
Switch(cfg-call-home-profile)# exit |
Call Home 宛先プロファイル設定サブモードを終了します。 |
定期的な通知の設定
Configuration または Inventory アラート グループに宛先プロファイルを登録すると、指定した期間に定期的にまたは非同期にアラート グループ メッセージを受信するよう選択できます。送信期間は、次のいずれかにできます。
• 毎日:24 時間の時間 : 分形式 hh:mm(例:14:30)で送信する時刻を指定します。
• 毎週:day hh:mm という形式で曜日と時刻を指定します。ここで、day は曜日をスペルアウトします(例:monday)。
• 毎月:date hh:mm という形式で 1 ~ 31 の日と時刻を指定します。
メッセージ重大度しきい値の設定
宛先プロファイルを診断、環境、または Syslog アラート グループに登録する場合は、アラート グループ メッセージをメッセージの重大度に基づいて送信する際のしきい値を設定できます。しきい値より小さいメッセージは、宛先に送信されません。
重大度しきい値は、 表 66-1 のキーワードと、catastrophic(レベル 9、最高レベルの緊急性)から debugging(レベル 0、最低レベルの緊急性)までの範囲を使用して設定します。重大度しきい値が設定されていない場合、デフォルトは normal(レベル 1)です。
(注) Call Home 重大度は、システム メッセージ ロギング重大度とは異なります。
表 66-1 重大度と Syslog レベルのマッピング
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9 |
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N/A |
ネットワーク全体に及ぶ深刻な障害 |
8 |
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N/A |
ネットワークへの重大な影響 |
7 |
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緊急(0) |
システムが使用不可 |
6 |
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アラート(1) |
クリティカルな状態、ただちに注意が必要 |
5 |
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クリティカル(2) |
メジャー状態 |
4 |
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エラー(3) |
マイナーな状態 |
3 |
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警告(4) |
警告状態 |
2 |
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通知(5) |
基本の通知および情報メッセージ、個々にはほとんど注意不要 |
1 |
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情報(6) |
標準状態に戻ることを示す標準イベント |
0 |
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デバッグ(7) |
デバッグ メッセージ |
Syslog パターンマッチの設定
宛先プロファイルを Syslog アラート グループに登録すると、各 syslog メッセージ内で一致するテキスト パターンを任意で指定できます。パターンを設定すると、指定されたパターンが含まれ、重大度しきい値に一致する場合にだけ Syslog アラート グループ メッセージが送信されます。パターンにスペースが入っている場合、設定時にそのパターンを引用符("")で囲む必要があります。宛先プロファイルごとにパターンを 5 つまで指定できます。
一般的な E メール オプションの設定
E メール メッセージ転送を使用するには、シンプル メール転送プロトコル(SMTP)E メール サーバ アドレスを少なくとも 1 つ設定する必要があります。発信元と返信先 E メール アドレスを設定し、バックアップ E メール サーバを 4 台まで指定できます。E メールまたは HTTP メッセージにレート制限を設定することもできます。
Cisco IOS Release 15.0(2)SG 以降では、E メール メッセージを送信する VRF と送信元インターフェイスまたは送信元 IP アドレスを設定できます。http メッセージを送信する類似のオプションを設定する場合は、送信元インターフェイスが設定する VRF に関連付けることができる ip http client source-interface interface-name コマンドを入力する必要があります。
一般的な E メール オプションを設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch# configure terminal |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(config)# call-home |
Call Home 設定サブモードに入ります。 |
ステップ 3 |
Switch(cfg-call-home)# mail-server { ipv4-address | name } priority number |
E メール サーバ アドレスを割り当て、設定済みの E メール サーバ内の相対的なプライオリティを割り当てます。 次のいずれかの方法で指定します。 • E メール サーバの IP アドレス • E メール サーバの完全修飾ドメイン 名 (FQDN)(64 文字まで) 1(最高のプライオリティ)から 100(最低のプライオリティ)のプライオリティ 番号 を割り当てます。 |
ステップ 4 |
Switch(cfg-call-home)# sender from email-address |
(任意)Call Home E メール メッセージの [from] フィールドに表示される E メール アドレスを割り当てます。アドレスが指定されていない場合は、連絡用の E メール アドレスが使用されます。 |
ステップ 5 |
Switch(cfg-call-home)# sender reply-to email-address |
(任意)Call Home E メール メッセージの [reply-to] フィールドに表示される E メール アドレスを割り当てます。 |
ステップ 6 |
Switch(cfg-call-home)# rate-limit number |
(任意)1 分間に送信するメッセージ数の上限を指定します(1 ~ 60)。デフォルトは 20 です。 |
ステップ 7 |
Switch(cfg-call-home)# vrf vrf-name |
(任意)Call Home E メール メッセージを送信する VRF インスタンスを指定します。VRF を指定しなければ、グローバル ルーティング テーブルが使用されます。 |
ステップ 8 |
Switch(cfg-call-home)# source-interface interface-name |
(任意)Call Home E メール メッセージの宛先となる送信元インターフェイス名を指定します。送信元インターフェイス名または送信元 IP アドレスが指定されていない場合、ルーティング テーブルのインターフェイスが使用されます。 |
ステップ 9 |
Switch(cfg-call-home)# source-ip-address ip-address |
(任意)Call Home E メール メッセージの宛先となる送信元 IP アドレスを指定します。送信元 IP アドレスまたは送信元インターフェイス名を指定していない場合、ルーティング テーブルのインターフェイスが使用されます。 (注) 一度に指定できるのは、送信元インターフェイスの名前または送信元 IP アドレスのいずれかです。同時に指定することはできません。 |
一般的な E メール オプションの設定時には、次の注意が適用されます。
• バックアップ E メール サーバは、異なるプライオリティ番号を使用して、 mail-server コマンドを繰り返すと定義できます。
• mail-server priority number パラメータは 1 ~ 100 に設定できます。プライオリティの最も高い(プライオリティ番号が最小の)サーバが最初に試行されます。
次に、プライマリ E メール サーバとセカンダリ E メール サーバを含む、一般的な E メール パラメータの設定例を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# call-home
Switch(cfg-call-home)# mail-server smtp.example.com priority 1
Switch(cfg-call-home)# mail-server 192.168.0.1 priority 2
Switch(cfg-call-home)# sender from username@example.com
Switch(cfg-call-home)# sender reply-to username@example.com
Switch(cfg-call-home)# exit
Switch(config)#
Call Home のイネーブル化
Call Home 機能をイネーブルまたはディセーブルにするには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch# configure terminal |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(config)# service call-home |
Call Home 機能をイネーブルにします。 |
Call Home の通信のテスト
2 種類のコマンドを使用して、手動でメッセージを送信することで Call Home の通信をテストできます。
• ユーザ定義の Call Home テスト メッセージを送信するには、 call-home test コマンドを使用します。
• 特定のアラート グループ メッセージを送信するには、 call-home send コマンドを使用します。
Call Home テスト メッセージの手動送信
Call Home テスト メッセージを手動で送信するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch# call-home test [ “ test-message ” ] profile name |
指定された宛先プロファイルにテスト メッセージを送信します。ユーザ定義のテスト メッセージ テキストは任意ですが、スペースが含まれる場合は、引用符("")で囲む必要があります。ユーザ定義のメッセージが設定されていない場合、デフォルト メッセージが送信されます。 |
次に、Call Home テスト メッセージを手動で送信する例を示します。
Switch# call-home test “test of the day” profile Ciscotac1
Call Home アラート グループ メッセージの手動送信
Call Home アラート グループ メッセージを手動で起動するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch# call-home send alert-group configuration [ profile name ] |
宛先プロファイルの 1 つ(指定されている場合)または登録されているすべての宛先プロファイルに Configuration アラート グループ メッセージを送信します。 |
Switch# call-home send alert-group diagnostic { module number | slot/subslot | slot/bay } [ profile name ] |
設定された宛先プロファイル(指定されている場合)または登録されているすべての宛先プロファイルに Diagnostic アラート グループ メッセージを送信します。診断情報が送信されるモジュールまたはポートを指定する必要があります。 |
Switch# call-home send alert-group inventory [ profile name ] |
宛先プロファイルの 1 つ(指定されている場合)または登録されているすべての宛先プロファイルに Inventory アラート グループ メッセージを送信します。 |
Call Home アラート グループ メッセージを手動で送信する場合は、次の点に注意してください。
• 手動で送信できるのは、Configuration、Diagnostic、Inventory アラート グループのみです。
• Configuration、Diagnostic、または Inventory アラート グループ メッセージを手動で起動し、宛先プロファイル名を指定すると、プロファイルのアクティブ ステータス、登録ステータス、または重大度設定に関係なくメッセージが宛先プロファイルに送信されます。
• Configuration または Inventory アラート グループ メッセージを手動で起動し、宛先プロファイル名を指定しないと、normal または指定されたアラート グループへの定期的な登録に指定されたアクティブなプロファイルすべてにメッセージが送信されます。
• Diagnostic アラート グループ メッセージを手動で起動し、宛先プロファイル名を指定しないと、コマンドによって次の動作が行われます。
– 重大度が minor より下の診断イベントに登録されたアクティブなプロファイルの場合、モジュールまたはインターフェイスが診断イベントを遵守しているかどうかに関係なくメッセージが送信されます。
– 重大度が minor 以上の診断イベントに登録されたアクティブなプロファイルの場合、指定されたモジュールまたはインターフェイスが、少なくとも登録された重大度の診断イベントを遵守している場合にだけメッセージが送信されます。遵守していない場合、診断メッセージは宛先プロファイルに送信されません。
次に、設定アラート グループ メッセージを宛先プロファイルに送信する例を示します。
Switch# call-home send alert-group configuration
次に、特定のモジュール、スロット/サブスロットまたはスロット/ベイ番号に関する診断アラート グループ メッセージを宛先プロファイルに送信する例を示します。
Switch# call-home send alert-group diagnostic module 3 5/2
次に、特定のモジュール、スロット/サブスロットまたはスロット/ベイ番号に関する診断アラート グループ メッセージをすべての宛先プロファイルに送信する例を示します。
Switch# call-home send alert-group diagnostic module 3 5/2 profile Ciscotac1
次に、インベントリ call-home メッセージを送信する例を示します。
Switch# call-home send alert-group inventory
分析およびレポート要求の送信
call-home request コマンドを使用すると、ご使用のシステムの情報をシスコに送信して、システム固有の役立つ情報を受け取ることができます。セキュリティの警告、既知のバグ、ベスト プラクティス、コマンド リファレンスなど、さまざまなレポートを要求できます。
Cisco Output Interpreter ツールからレポートおよび分析情報の要求を送信するには、次のいずれかの作業を行います。
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Switch# call-home request output-analysis “ show-command ” [ profile name ] [ ccoid user-id ] |
分析用として指定した show コマンドの出力を送信します。show コマンドは二重引用符(" ")で囲む必要があります。 |
Switch# call-home request { config-sanity | bugs-list | command-reference | product-advisory } [ profile name ] [ ccoid user-id ] |
分析のため、show running-config all、show version、show module コマンドなど所定のコマンド セットの出力を送信します。また、call-home request product-advisory コマンドには、すべてのコンポーネント アラート グループ コマンドが含まれます。 call home request コマンドのあとに指定するキーワードは、必要なレポートのタイプを示します。 |
Call Home レポートおよび分析要求を手動で送信する場合は、次の注意事項に留意してください。
• profile name 値を指定すると、要求はそのプロファイルに送信されます。プロファイル名を指定しないと、要求は Cisco TAC プロファイルに送信されます。Call Home 要求の受信者プロファイルをイネーブルにする必要はありません。プロファイルは、要求メッセージを Cisco TAC に転送することができ、Smart Call Home サービスからの応答を受け取ることができるように、転送ゲートウェイが設定されている E メール アドレスを指定します。
• ccoid user-id 値は、Smart Call Home ユーザの登録識別情報です。 user-id を指定すると、応答は登録ユーザの E メール アドレスに送信されます。 user-id を指定しないと、応答はデバイス担当者の E メール アドレスに送信されます。
• 要求するレポートのタイプを指定するキーワードに基づいて、次の情報が返されます。
– config-sanity :現在の実行コンフィギュレーションに関連するベスト プラクティス情報
– bugs-list :実行バージョンおよび現在適用されている機能に関する既知のバグ
– command-reference :実行コンフィギュレーションのすべてのコマンドに対する参照リンク
– product-advisory :ネットワーク内の装置に影響を与える可能性がある Product Security Incident Response Team(PSIRT)警告、廃止(EOL)または End of Sales(EOS; 販売終了)警告、Field Notice(FN)のいずれか
次に、ユーザが指定した show コマンドの分析を要求する例を示します。
Switch# call-home request output-analysis "show diagnostic result module all" profile TG
コマンド出力の送信
call-home send コマンドを使用すると、Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)を実行し、コマンド出力をシスコまたは指定の電子メール アドレスに送信できます。
CLI コマンドを実行し、コマンド出力を電子メールで送信するには、次の作業を行います。
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Switch# call-home send “ command ” [ email email-addr ] [ service-number SR ] |
指定された CLI コマンドを実行し、出力を電子メールで送信します。 |
コマンドの出力を送信する際、次の注意事項に留意してください。
• CLI コマンドには、すべてのモジュールのコマンドなど、任意の実行コマンドを指定できます。コマンドは引用符(" ")で囲む必要があります。
• 電子メール アドレスを指定した場合、そのアドレスにコマンド出力が送信されます。電子メール アドレスを指定しない場合は、Cisco TAC(attach@cisco.com)に出力が送信されます。電子メールは件名の行にサービス番号(指定した場合)が付いたロング テキスト形式で送信されます。
• 電子メール アドレスを指定しない場合、または Cisco TAC 電子メール アドレスを指定した場合に限り、サービス番号が必要になります。
次に、CLI コマンドの出力をユーザ指定の電子メール アドレスに送信する例を示します。
Switch# call-home send "show diagnostic result module all" email support@example.com
Smart Call Home の設定とイネーブル化
Cisco Smart Call Home サービスの適用と設定の情報については、次の URL の『 Smart Call Home User Guide 』の「FastStart」の項を参照してください。
http://www.cisco.com/go/smartcall/
ユーザ ガイドには、デバイスから直接、または転送ゲートウェイ(TG)集約ポイントを介して Smart Call Home メッセージを送信するための設定例が記載されています。複数のデバイスをサポートする必要のある場合や、セキュリティ要件によってデバイスがインターネットに直接接続されないことが必要とされる場合は、TG 集約ポイントを使用できます。
Smart Call Home サービスは転送方法として HTTPS を使用するため、『 Smart Call Home User Guide 』で説明されているように CA をトラストポイントとして設定する必要もあります。