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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Cisco NX-OS スイッチのユニキャスト Routing Information Base(RIB; ルーティング情報ベース)および Forwarding Information Base(FIB; 転送情報ベース)のルートを管理する方法について説明します。
ユニキャスト RIB(IPv4 RIB)および FIB は、図 10-1 に示すように、Cisco NX-OS の転送アーキテクチャの一部です。
ユニキャスト RIB は、直接接続のルート、スタティック ルート、ダイナミック ユニキャスト ルーティング プロトコルで検出されたルートを含むルーティング テーブルを維持しています。また、アドレス解決プロトコル(ARP)などの送信元から、隣接情報を収集します。ユニキャスト RIB は、ルートに最適なネクスト ホップを決定し、さらにユニキャスト FIB Distribution Module(FDM; FIB 分散モジュール)のサービスを使用して、ユニキャスト Forwarding Information Base(FIB; 転送情報ベース)にデータを入力します。
各ダイナミック ルーティング プロトコルは、タイム アウトしたあらゆるルートについて、ユニキャスト RIB を更新する必要があります。そのあと、ユニキャスト RIB はそのルートを削除し、そのルートに最適なネクストホップを再計算します(代わりに使用できるパスがある場合)。
まれな状況において、各モジュールのユニキャスト RIB と FIB の間に不整合が発生することがあります。Cisco NX-OSは、レイヤ 3 整合性チェッカーをサポートします。この機能は、各インターフェイス モジュールのユニキャスト IPv4 RIB と FIB の間の不整合を検出します。不整合には次のようなものがあります。
• ARP またはネイバー探索(ND)キャッシュ内の不正なレイヤ 2 リライト文字列
レイヤ 3 整合性チェッカーは、FIB のエントリと Adjacency Manager(AM; 隣接マネージャ)から取得した最新の隣接情報を比較し、不整合があれば記録します。次に整合性チェッカーは、ユニキャスト RIB のプレフィクスをモジュールの FIB と比較し、不整合があればログに記録します。「レイヤ 3 整合性チェッカーのトリガー」を参照してください。
不整合は手動で解消できます。「FIB 内の転送情報の消去」を参照してください。
ハードウェアは TCAM テーブルとハッシュ テーブルの 2 つのテーブルを提供します。TCAM テーブルは、Longest Prefix Match(LPM; 最長プレフィクス照合)ルートと /32 ユニキャスト ルートの間で共有されます。ハッシュ テーブルは /32 ユニキャスト エントリとマルチキャスト エントリの間で共有されます。各テーブルには約 8000 のルートがあります。
ユニキャスト RIB および FIB は、Virtual Routing and Forwarding Instance(VRF; 仮想ルーティング/転送インスタンス)をサポートします。デフォルトでは、特に別の VRF を設定しない限り、Cisco NX-OS によりデフォルト VRF が使用されます。詳細については、を参照してください。
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ユニキャスト RIB および FIB にライセンスは不要です。ライセンス パッケージに含まれていない機能はすべて Cisco NX-OS システム イメージにバンドルされており、追加費用は一切発生しません。Cisco NX-OS ライセンス方式の詳細については、『 Cisco NX-OS Licensing Guide 』を参照してください。 |
(注) Cisco IOS の CLI に慣れている場合、この機能の Cisco NX-OS コマンドは従来の Cisco IOS コマンドと異なる点があるため注意が必要です。
スイッチの FIB 情報を表示するには、任意のモードで次のコマンドを使用します。
OSPF(Open Shortest Path First)などのダイナミック ルーティング プロトコルは、Equal-Cost Multipath(ECMP; 等コスト マルチパス)によるロード シェアリングをサポートしています。ルーティング プロトコルは、そのプロトコルに設定されたメトリックに基づいて最適なルートを決定し、そのプロトコルに設定された最大数までのパスをユニキャスト RIB に組み込みます。ユニキャスト RIB は、RIB に含まれるすべてのルーティング プロトコル パスのアドミニストレーティブ ディスタンスを比較し、ルーティング プロトコルによって組み込まれたすべてのパス セットから最適なパス セットを選択します。ユニキャスト RIB は、この最適なパス セットを FIB に組み込み、転送プレーンで使用できるようにします。
転送プレーンは、ロード シェアリングのアルゴリズムを使用して、FIB に組み込まれたパスのいずれかを選択し、それを特定のデータ パケットに使用します。
ロード シェアリングの次の設定項目をグローバルに設定できます。
• ロード シェアリング モード:宛先のアドレスとポート、または送信元と宛先のアドレスとポートに基づいて、最適なパスを選択します。
• 汎用 ID:ハッシュ アルゴリズムのランダム シードを設定します。汎用 ID を設定する必要はありません。ユーザが設定しなかった場合は、 Cisco NX-OS が汎用 ID を選択します。
(注) ロード シェアリングでは、特定のフローに含まれるすべてのパケットに対して同じパスが使用されます。フローは、ユーザが設定したロード シェアリング方式によって定義されます。たとえば、送信元/宛先のロード シェアリングを設定すると、送信元 IP アドレスと宛先 IP アドレスのペアが同じであるすべてのパケットが同じパスをたどります。
ユニキャスト FIB のロード シェアリング アルゴリズムを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
ユニキャスト FIB のロード シェアリング アルゴリズムを表示するには、任意のモードで次のコマンドを使用します。
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ユニキャスト RIB および FIB が特定の送信元アドレス/宛先アドレスに使用するルートを表示するには、任意のモードで次のコマンドを使用します。
次に、特定の送信元/宛先ペアのために選択されたルートを表示する例を示します。
ルーティング情報と隣接情報を表示するには、任意のモードで次のコマンドを使用します。
次に、ユニキャスト ルート テーブルを表示する例を示します。
switch#
show ip route
IP Route Table for VRF "default"
'*' denotes best ucast next-hop
'**' denotes best mcast next-hop
'[x/y]' denotes [preference/metric]
192.168.0.2/24, ubest/mbest: 1/0, attached
*via 192.168.0.32, Eth1/5, [0/0], 22:34:09, direct
192.168.0.32/32, ubest/mbest: 1/0, attached
*via 192.168.0.32, Eth1/5, [0/0], 22:34:09, local
switch#
show ip adjacency
IP Adjacency Table for VRF default
Total number of entries: 2
Address Age MAC Address Pref Source Interface Best
10.1.1.1 02:20:54 00e0.b06a.71eb 50 arp mgmt0 Yes
10.1.1.253 00:06:27 0014.5e0b.81d1 50 arp mgmt0 Yes
レイヤ 3 整合性チェッカーを手動でトリガーにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
レイヤ 3 整合性チェッカーを停止するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
レイヤ 3 の不整合を表示するには、任意のモードで次のコマンドを使用します。
FIB 内の 1 つまたは複数のエントリを消去できます。FIB のエントリを消去しても、ユニキャスト RIB に影響はありません。
FIB 内のエントリ(レイヤ 3 の不整合を含む)を消去するには、任意のモードで次のコマンドを使用します。
一連のルートおよびネクストホップ アドレスが使用するメモリを見積もることができます。
ルートのメモリ要件を見積もるには、任意のモードで次のコマンドを使用します。
ユニキャスト RIB から 1 つまたは複数のルートを消去できます。
ユニキャスト RIB 内の 1 つまたは複数のエントリを消去するには、任意のモードで次のコマンドを使用します。
ユニキャスト RIB および FIB の設定情報を表示するには、次のいずれかの作業を行います。
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ユニキャスト RIB および FIB の管理に関連する詳細情報については、次の項を参照してください。
• 「関連資料」
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『Cisco Nexus 5000 Series Command Reference, Cisco NX-OS Releases 4.x, 5.x 』 |
表 10-1 は、この機能のリリースの履歴です。
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