この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
• 「RIP 情報」
• 「関連資料」
• 「ルート集約」
RIP は UDP(ユーザ データグラム プロトコル)データ パケットを使用して、小規模なインターネットワークでルーティング情報を交換します。RIPv2 は IPv4 をサポートしています。RIPv2 は RIPv2 プロトコルがサポートするオプションの認証機能を使用します(「RIPv2 の認証」を参照)。
• 要求:他の RIP 対応ルータからのルート アップデートを要求するためにマルチキャスト アドレス 224.0.0.9 に送信されます。
• 応答:デフォルトでは 30 秒間隔で送信されます(「RIP コンフィギュレーションの確認」を参照)。ルータも、要求メッセージの受信後に応答メッセージを送信します。応答メッセージには、RIP ルート テーブル全体が含まれます。RIP ルーティング テーブルが 1 つの応答パケットに収まらない場合、RIP は 1 つの要求に対して複数の応答パケットを送信します。
RIP はルーティング メトリックとして、 を使用します 。 ホップ カウントは、パケットが宛先に到達するまでに、通過できるルータの数です。直接接続されたネットワークのメトリックは 1 です。到達不能なネットワークのメトリックは 16 です。RIP はこのようにメトリックの範囲が小さいので、大規模なネットワークに適したルーティング プロトコルではありません。
RIP メッセージに認証を設定して、ネットワークでの不正な、または無効なルーティング更新を防止できます。 Cisco NX-OS は簡易パスワードまたは MD5 認証ダイジェストをサポートしています。
認証キーのキーチェーン管理を使用することによって、インターフェイスごとに RIP 認証を設定できます。キーチェーン管理によって、MD5 認証ダイジェストまたは単純テキスト パスワード認証で使用される認証キーの変更を制御できます。キーチェーン作成の詳細については、『 Cisco Nexus 5000 Series NX-OS Security Configuration Guide, Release 5.0(2)N2(1) 』を参照してください。
MD5 認証ダイジェストを使用するには、ローカル ルータとすべてのリモート RIP ネイバーが共有するパスワードを設定します。 Cisco NX-OS は、そのメッセージ自体と暗号化されたパスワードに基づいて MD5 一方向メッセージ ダイジェストを作成し、このダイジェストを RIP メッセージ(要求または応答)とともに送信します。受信側の RIP ネイバーは、同じ暗号パスワードを使用して、ダイジェストを検証します。メッセージが変更されていない場合は、計算が一致し、RIP メッセージは有効と見なされます。
MD5 認証ダイジェストの場合はさらに、ネットワークでメッセージが再送されないように、各 RIP メッセージにシーケンス番号が組み込まれます。
スプリット ホライズンを使用すると、ルートを学習したインターフェイスからは、RIP がルートをアドバタイズしないようにできます。
スプリット ホライズンは、RIP アップデートおよびクエリー パケットの送信を制御する方法です。インターフェイス上でスプリット ホライズンがイネーブルの場合、Cisco NX-OS はそのインターフェイスから学習した宛先にはアップデート パケットを送信しません。この方法でアップデート パケットを制御すると、ルーティング ループの発生する可能性が小さくなります。
ポイズン リバースを指定してスプリット ホライズンを使用すると、ルートを学習したインターフェイス経由では到達不能であると RIP が学習したルートをアドバタイズするように、インターフェイスを設定できます。 図 7-1 に、ポイズン リバースをイネーブルにしてスプリット ホライズンを指定した、RIP ネットワークの例を示します。
図 7-1 スプリット ホライズン ポイズン リバースを指定した RIP
ルータ C はルート X について学習し、そのルートをルータ B にアドバタイズします。ルータ B は次に、ルート X をルータ A にアドバタイズしますが、ルータ C には、ルート X 到達不能アップデートを戻します。
RIP 対応インターフェイス上でルート ポリシーを設定すると、RIP アップデートをフィルタリングできます。 Cisco NX-OS は、ルート ポリシーで許可されたルートだけを使用して、ルート テーブルをアップデートします。
指定したインターフェイスに、複数のサマリー集約アドレスを設定できます。ルート集約を使用すると、固有性の強い一連のアドレスをすべての固有アドレスを代表する 1 つのアドレスに置き換えることによって、ルート テーブルを簡素化できます。たとえば、10.1.1.0/24、10.1.2.0/24、および 10.1.3.0/24 というアドレスを 1 つの集約アドレス 10.1.0.0/16 に置き換えることができます。
RIP はルーティング テーブルに含まれている固有性の強いルートが多いほど、固有性の強いルートの最大メトリックと同じメトリックのインターフェイスからのサマリー アドレスをアドバタイズします。
(注) Cisco NX-OS は、自動ルート集約をサポートしていません。
RIP を使用すると、スタティック ルートまたは他のプロトコルからのルートを再配布できます。再配布を設定するには、ルート ポリシーを使用して、RIP に渡すルートを制御します。ルート ポリシーを使用すると、宛先、送信元プロトコル、ルート タイプ、ルート タグなどの属性に基づいて、ルートをフィルタリングできます。詳細については、 を参照してください。
RIP ルーティング ドメインにルートを再配布しても、デフォルトでは Cisco NX-OS がそのつど、RIP ルーティング ドメインにデフォルト ルートを再配布することはありません。RIP への デフォルト ルート を発生させ、ルート ポリシーでそのルートを制御できます。
ロード バランシングを使用すると、ルータによって、宛先アドレスから同じ距離にあるすべてのルータ ネットワーク ポートにトラフィックが分散されます。ロード バランシングは、ネットワーク セグメントの使用率を向上させ、有効ネットワーク帯域幅を増加させます。
Cisco NX-OS は、ECMP(等コスト マルチパス)機能をサポートします。RIP ルート テーブルおよびユニキャスト RIB の等コスト パスは最大 16 です。これらのパスの一部または全部でトラフィックのロード バランシングが行われるように、RIP を設定できます。
Cisco NX-OS は、同一システム上で動作する複数の RIP プロトコル インスタンスをサポートします。RIP は VRF(仮想ルーティングおよびフォワーディング)インスタンスをサポートします。
デフォルトでは、特に別の VRF を設定しない限り、Cisco NX-OS によりデフォルト VRF が使用されます。 を参照してください。
RIP を使用するには、次の前提条件を満たしている必要があります。
• RIP 機能をイネーブルにする必要があります(「RIP 機能のイネーブル化」を参照)。
• Cisco NX-OS は、RIPv1 をサポートしません。RIPv1 パケットを受信した Cisco NX-OS は、メッセージを記録してパケットを廃棄します。
表 7-1 は、各 RIP パラメータに対するデフォルト設定を示します。
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• 「仮想化の設定」
(注) Cisco IOS の CLI に慣れている場合、この機能の Cisco NX-OS コマンドは従来の Cisco IOS コマンドと異なる点があるため注意が必要です。
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RIP 機能をディセーブルにして、関連するすべての設定を削除する場合は、 no feature rip コマンドを使用します。
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RIP 機能がイネーブルになっていることを確認します(「RIP 機能のイネーブル化」を参照)。
3. address-family ipv4 unicast
4. (任意) show ip rip [ instance instance-tag ] [ vrf vrf-name ]
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この RIP インスタンスのアドレス ファミリを設定し、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
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copy running-config startup-config switch(config-router-af)# copy running-config startup-config |
RIP インスタンスおよび関連するすべての設定を削除する場合は、 no router rip コマンドを使用します。
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(注) インターフェイス モードで設定した RIP コマンドを削除することも必要です。
アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードでは、RIP に次のオプション パラメータを設定できます。
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RIP のアドミニストレーティブ ディスタンスを設定します。指定できる範囲は 1 ~ 255 です。デフォルトは 120 です。を参照してください。 |
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RIP がルート テーブルで維持する等コスト パスの最大数を設定します。指定できる範囲は 1 ~ 16 です。デフォルトは 16 です。 |
次に、IPv4 に対応する RIP インスタンスを作成し、ロード バランシングのための等コスト パス数を設定する例を示します。
switch(config)# router rip Enterprise
switch(config-router)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-af)# max-paths 10
switch(config-router-af)# copy running-config startup-config
RIP インスタンスの再起動が可能です。再起動すると、インスタンスのすべてのネイバーが消去されます。
RIP インスタンスを再起動し、関連付けられたすべてのネイバーを削除するには、次のコマンドを使用します。
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RIP 機能がイネーブルになっていることを確認します(「RIP 機能のイネーブル化」を参照)。
2. interface interface-type slot/port
5. (任意) show ip rip [ instance instance-tag ] interface [ interface-type slot/port ] [ vrf vrf-name ] [ detail ]
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interface interface-type slot/port |
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show ip rip [ instance i nstance-tag ] interface [ interface-type slot/port ] [ vrf vrf-name ] [ detail ] |
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次に、RIP インスタンスにインターフェイス ethernet 1/2 を追加する例を示します。
switch(config)# interface ethernet 1/2
switch(config-if)# no switchport
switch(config-if)# ip router rip Enterprise
switch(config)# copy running-config startup-config
RIP 機能がイネーブルになっていることを確認します(「RIP 機能のイネーブル化」を参照)。
認証をイネーブルにする前に、必要に応じてキーチェーンを設定します。キーチェーンの実装の詳細については、『 Cisco Nexus 5000 Series NX-OS Security Configuration Guide, Release 5.0(2)N2(1) 』 を参照してください。
2. interface interface-type slot/port
4. ip rip authentication mode { text | md5 }
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interface interface-type slot/port |
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次に、キーチェーンを作成し、RIP インターフェイス上で MD5 認証を設定する例を示します。
switch(config)# key chain RIPKey
switch(config)# key-string myrip
switch(config)# accept-lifetime 00:00:00 Jan 01 2000 infinite
switch(config)# send-lifetime 00:00:00 Jan 01 2000 infinite
switch(config)# interface ethernet 1/2
switch(config-if)# no switchport
switch(config-if)# ip rip authentication mode md5
switch(config-if)# ip rip authentication keychain RIPKey
switch(config-if)# copy running-config startup-config
インターフェイスを受動モードに設定することによって、ルートを受信するが、ルート アップデートの送信は行わないように RIP インターフェイスを設定できます。
受動モードで RIP インターフェイスを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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ポイズン リバースをイネーブルにすることによって、ルートを学習したインターフェイス経由では到達不能であると RIP が学習したルートをアドバタイズするように、インターフェイスを設定できます。
インターフェイス上で、ポイズン リバースを指定してスプリット ホライズンを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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ポイズン リバースを指定してスプリット ホライズンをイネーブルにします。ポイズン リバースを指定したスプリット ホライズンは、デフォルトでディセーブルです。 |
ルーティング テーブルでサマリー アドレスによって表される集約アドレスを作成できます。 Cisco NX-OS は、固有性の強いすべてのルートの中でメトリックが最小のサマリー アドレス メトリックをアドバタイズします。
インターフェイス上でサマリー アドレスを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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ip rip summary-address ip-prefix/mask-len switch(config-if)# ip router rip summary-address 192.0.2.0/24 |
別のルーティング プロトコルからのルーティング情報を受け入れて、RIP ネットワークを通じてその情報を再配布するように、RIP を設定できます。再配布されたルートを任意で、デフォルト ルートとして割り当てることができます。
RIP 機能がイネーブルになっていることを確認します(「RIP 機能のイネーブル化」を参照)。
3. address-family ipv4 unicast
4. redistribute { bgp as | direct | eigrp | ospf | ospfv3 | rip } instance-tag | static } route-map map-name
5. (任意) default-information originate [ always ] [ route-map map-name ]
7. (任意) show ip rip route [{ ip-prefix [ longer -prefixes | shorter-prefixes]] [ vrf vrf-name ] [ summary ]
switch(config)# router rip Enterprise
switch(config-router)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-af)# redistribute eigrp 201 route-map RIPmap
switch(config-router-af)# copy running-config startup-config
複数の VRF を作成できます。また、各 VRF で同じ RIP インスタンスを使用することも、複数の RIP インスタンスを使用することも可能です。VRF に RIP インターフェイスを割り当てます。
(注) インターフェイスの VRF を設定したあとに、インターフェイスの他のすべてのパラメータを設定します。インターフェイスの VRF を設定すると、そのインターフェイスのすべての設定が削除されます。
RIP 機能がイネーブルになっていることを確認します(「RIP 機能のイネーブル化」を参照)。
6. (任意) address-family ipv4 unicast
7. (任意) redistribute { bgp as | direct | { eigrp | ospf | ospfv3 | rip } instance-tag | static } route-map map-name
8. interface ethernet slot/port
11. ip-address ip-prefix/length
12. ip router rip instance-tag
13. (任意) show ip rip [ instance instance-tag ] interface [ interface-type slot/port ] [ vrf vrf-name ]
次に、VRF を作成して、その VRF にインターフェイスを追加する例を示します。
switch(config)# vrf context RemoteOfficeVRF
switch(config)# router rip Enterprise
switch(config-router)# vrf RemoteOfficeVRF
switch(config-router-vrf)# address-family ipv4 unicast
switch(config-router-vrf-af)# redistribute eigrp 201 route-map RIPmap
switch(config-router-vrf-af)# interface ethernet 1/2
switch(config-if)# no switchport
switch(config-if)# vrf member RemoteOfficeVRF
switch(config-if)# ip address 192.0.2.1/16
switch(config-if)# ip router rip Enterprise
switch(config-if)# copy running-config startup-config
ネットワーク要件に合わせて RIP を調整できます。RIP では複数のタイマーを使用して、ルーティング アップデート間隔、ルートが無効になるまでの時間の長さ、およびその他のパラメータを決定します。これらのタイマーを調整すると、インターネットワークのニーズに適合するように、ルーティング プロトコルのパフォーマンスを調整できます。
(注) ネットワーク上のすべての RIP 対応ルータで、RIP タイマーに同じ値を設定する必要があります。
RIP を調整するには、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで次のオプション コマンドを使用します。
RIP を調整するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のオプション コマンドを使用します。
RIP の設定情報を表示するには、次のいずれかの作業を行います。
RIP 統計情報設定表示するには、次のコマンドを使用します。
VRF で Enterprise RIP インスタンスを作成し、その RIP インスタンスにイーサネット インターフェイス 1/2 を追加する例を示します。さらに、enthernet interface 1/2 の認証を設定し、この RIP ドメインに EIGRP を再配布します。
redistribute eigrp 201 route-map RIPmap
ip rip authentication mode md5
RIP の実装に関連する詳細情報については、次の項を参照してください。
• 「関連資料」
• 「標準」
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『Cisco Nexus 5000 Series Command Reference, Cisco NX-OS Releases 4.x, 5.x 』 |
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この機能でサポートされる新規または改訂された標準規格はありません。また、この機能による既存の標準規格サポートの変更はありません。 |
表 7-2 は、この機能のリリースの履歴です。
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