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この章では、IPv4 ネットワーク向けの OSPFv2(Open Shortest Path First version 2)の設定方法を説明します。
OSPFv2 は、IPv4 ネットワーク用 IETF リンクステート プロトコルです(を参照)。OSPFv2 ルータは、 と呼ばれる特別なメッセージを各 OSPF 対応インターフェイスに送信して、他の OSPFv2 ネイバー ルータを探索します。ネイバー ルータが発見されると、この 2 台のルータは hello パケットの情報を比較して、両者の設定に互換性があるかどうかを判定します。これらのネイバー ルータは を確立しようとします。つまり、両者のリンクステート データベースを同期させて、確実に同じ OSPFv2 ルーティング情報を持つようにします。隣接ルータは、各リンクの稼動状態に関する情報、リンクのコスト、およびその他のあらゆるネイバー情報を含む (LSA)を共有します。これらのルータはその後、受信した LSA をすべての OSPF 対応インターフェイスにフラッディングします。これにより、すべての OSPFv2 ルータのリンクステート データベースが最終的に同じになります。すべての OSPFv2 ルータのリンクステート データベースが同じになると、ネットワークは されます(を参照)。その後、各ルータは、ダイクストラの最短パス優先(SPF)アルゴリズムを使用して、自身のルート テーブルを構築します。
OSPFv2 ネットワークは、複数のエリアに分割できます。ルータは、ほとんどの LSA を 1 つのエリア内だけに送信するため、OSPF 対応ルータの CPU とメモリの要件が緩やかになります。
• 「ネイバー」
• 「隣接関係」
• 「指定ルータ」
• 「エリア」
• 「認証」
• 「高度な機能」
OSPFv2 ルータは、すべての OSPF 対応インターフェイスに hello パケットを定期的に送信します。ルータがこの hello パケットを送信する頻度は、インターフェイスごとに設定された により決定されます。OSPFv2 は、hello パケットを使用して、次のタスクを実行します。
• 指定ルータの選定(「指定ルータ」を参照)
hello パケットには、リンクの OSPFv2 コスト割り当て、hello 間隔、送信元ルータのオプション機能など、送信元の OSPFv2 インターフェイスとルータに関する情報が含まれます。これらの hello パケットを受信する OSPFv2 インターフェイスは、設定に受信インターフェイスの設定との互換性があるかどうかを判定します。互換性のあるインターフェイスはネイバーと見なされ、ネイバー テーブルに追加されます(「ネイバー」を参照)。
hello パケットには、送信元インターフェイスが通信したルータのルータ ID のリストも含まれます。受信インターフェイスが、このリストで自身の ID を見つけた場合は、2 つのインターフェイス間で双方向通信が確立されます。
OSPFv2 は、hello パケットをキープアライブ メッセージとして使用して、ネイバーが通信を継続中であるかどうかを判定します。ルータが設定された (通常は hello 間隔の倍数)で hello パケットを受信しない場合、そのネイバーはローカル ネイバー テーブルから削除されます。
ネイバーと見なされるためには、OSPFv2 インターフェイスがリモート インターフェイスとの互換性を持つように設定されている必要があります。この 2 つの OSPFv2 インターフェイスで、次の基準が一致している必要があります。
• エリア ID(「エリア」 を参照)
一致する場合は、次の情報がネイバー テーブルに入力されます。
• プライオリティ:ネイバーのプライオリティ。プライオリティは、指定ルータの選定(「指定ルータ」を参照)に使用されます。
• 状態:ネイバーから通信があったか、双方向通信の確立処理中であるか、リンクステート情報を共有しているか、または完全な隣接関係が確立されたかを示します。
• デッド タイム:このネイバーから最後の hello パケットを受信したあとに経過した時間を示します。
• 指定ルータ:ネイバーが指定ルータ、またはバックアップ指定ルータとして宣言されたかどうかを示します(「指定ルータ」を参照)。
すべてのネイバーが隣接関係を確立するわけではありません。ネットワーク タイプと確立された指定ルータに応じて、完全な隣接関係を確立して、すべてのネイバーと LSA を共有するものと、そうでないものがあります。詳細については、「指定ルータ」を参照してください。
隣接関係は、OSPF のデータベース説明パケット、リンク状態要求パケット、およびリンク状態更新パケットを使用して確立されます。データベース説明パケットに含まれるのは、ネイバーのリンクステート データベースからの LSA ヘッダーだけです(「リンクステート データベース」を参照)。ローカル ルータは、これらのヘッダーを自身のリンクステート データベースと比較して、新規の LSA か、更新された LSA かを判定します。ローカル ルータは、新規または更新の情報を必要とする各 LSA について、リンク状態要求パケットを送信します。これに対し、ネイバーはリンク状態更新パケットを返信します。このパケット交換は、両方のルータのリンクステート情報が同じになるまで継続します。
複数のルータを含むネットワークは、OSPF 特有の状況です。すべてのルータがネットワークで LSA をフラッディングした場合は、同じリンクステート情報が複数の送信元から送信されます。ネットワークのタイプに応じて、OSPFv2 は ( DR )という 1 台のルータを使用して、LSA のフラッディングを制御し、OSPFv2 の残りの部分に対してネットワークを代表する場合があります(「エリア」を参照)。DR がダウンした場合、OSPFv2 は (BDR)を選定します。DR がダウンすると、OSPFv2 はこの BDR を使用します。
• ポイントツーポイント:2 台のルータ間にのみ存在するネットワーク。ポイントツーポイント ネットワーク上の全ネイバーは隣接関係を確立し、DR は存在しません。
• ブロードキャスト:ブロードキャスト トラフィックが可能なイーサネットなどの共有メディア上で通信できる複数のルータを持つネットワーク。OSPFv2 ルータは DR および BDR を確立し、これらにより、ネットワーク上の LSA フラッディングを制御します。OSPFv2 は、よく知られている IPv4 マルチキャスト アドレス 224.0.0.5 および MAC アドレス 0100.5300.0005 を使用して、ネイバーと通信します。
DR と BDR は、hello パケット内の情報に基づいて選択されます。インターフェイスは hello パケットの送信時に、どれが DR および BDR かわかっている場合は、優先フィールドと、DR および BDR フィールドを設定します。ルータは、hello パケットの DR および BDR フィールドで宣言されたルータと優先フィールドに基づいて、選定手順を実行します。最終的に OSPFv2 は、最も大きいルータ ID を DR および BDR として選択します。
他のルータはすべて DR および BDR と隣接関係を確立し、IPv4 マルチキャスト アドレス 224.0.0.6 を使用して、LSA 更新情報を DR と BDR に送信します。 図 3-1 は、すべてのルータと DR の間のこの隣接関係を示します。
DR は、ルータ インターフェイスに基づいています。1 つのネットワークの DR であるルータは、別のインターフェイス上の他のネットワークの DR となることはできません。
ABR には、接続するエリアごとに個別のリンクステート データベースがあります。ABR は、接続したエリアの 1 つからバックボーン エリアにネットワーク集約(タイプ 3)LSA(「ルート集約」を参照)を送信します。バックボーン エリアは、1 つのエリアに関する集約情報を別のエリアに送信します。図 3-2 では、エリア 0 が、エリア 5 に関する集約情報をエリア 3 に送信しています。
OSPFv2 では、自律システム境界ルータ(ASBR)という、もう 1 つのルータ タイプも定義されています。このルータは、OSPFv2 エリアを別の自律システムに接続します。自律システムとは、単一の技術的管理エンティティにより制御されるネットワークです。OSPFv2 は、そのルーティング情報を別の自律システムに再配布したり、再配布されたルートを別の自律システムから受信したりできます。詳細については、「高度な機能」を参照してください。
OSPFv2 は Link State Advertisement(LSA; リンクステート アドバタイズメント)を使用して、自身のルーティング テーブルを構築します。
表 3-1 は、Cisco NX-OS でサポートされる LSA タイプを示します。
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すべてのルータが送信する LSA。この LSA には、すべてのリンクの状態とコスト、およびリンク上のすべての OSPFv2 ネイバーの一覧が含まれます。ルータ LSA は SPF 再計算をトリガーします。ルータ LSA はローカル OSPFv2 エリアにフラッディングされます。 |
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DR が送信する LSA。この LSA には、マルチアクセス ネットワーク内のすべてのルータの一覧が含まれます。ネットワーク LSA は SPF 再計算をトリガーします。「指定ルータ」を参照してください。 |
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ABR が、ローカル エリア内の宛先ごとに外部エリアに送信する LSA。この LSA には、ABR からローカルの宛先へのリンク コストが含まれます。「エリア」を参照してください。 |
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ABR が外部エリアに送信する LSA。この LSA は、リンク コストを ASBR のみにアドバタイズします。「エリア」を参照してください。 |
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ASBR が生成する LSA。この LSA には、外部 AS 宛先へのリンク コストが含まれます。AS 外部 LSA は、AS 全体にわたってフラッディングされます。「エリア」を参照してください。 |
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ASBR が Not-So-Stubby Area(NSSA)内で生成する LSA。この LSA には、外部 AS 宛先へのリンク コストが含まれます。NSSA 外部 LSA は、ローカル NSSA 内のみでフラッディングされます。「エリア」を参照してください。 |
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OSPF の拡張に使用される LSA。「不透明 LSA」を参照してください。 |
各 OSPFv2 インターフェイスには、 が割り当てられます。このコストは任意の数字です。デフォルトでは、Cisco NX-OS が、設定された参照帯域幅をインターフェイス帯域幅で割った値をコストとして割り当てます。デフォルトでは、参照帯域幅は 40 Gbps です。リンク コストは各リンクに対して、LSA 更新情報で伝えられます。
OSPFv2 ルータは、LSA を受信すると、その LSA をすべての OSPF 対応インターフェイスに転送し、OSPFv2 エリアをこの情報でフラッディングします。この LSA フラッディングにより、ネットワーク内のすべてのルータが同じルーティング情報を持つことが保証されます。LSA フラッディングは、OSPFv2 エリアの設定により異なります(「エリア」を参照)。LSA は、 時間に基づいて(デフォルトでは 30 分ごとに)フラッディングされます。各 LSA には、リンクステート リフレッシュ時間が設定されています。
ネットワークの LSA 更新情報のフラッディング レートは、LSA グループ ペーシング機能を使用して制御できます。LSA グループ ペーシングにより、CPU またはバッファの使用率を低下させることができます。この機能により、同様のリンクステート リフレッシュ時間を持つ LSA がグループ化されるため、OSPFv2 で、複数の LSA を 1 つの OSPFv2 更新メッセージにまとめることが可能となります。
デフォルトでは、相互のリンクステート リフレッシュ時間が 4 分以内の LSA が同じグループに入れられます。この値は、大規模なリンクステート データベースでは低く、小規模のデータベースでは高くして、ネットワーク上の OSPFv2 負荷を最適化する必要があります。
各ルータは、OSPFv2 ネットワーク用のリンクステート データベースを維持しています。このデータベースには、収集されたすべての LSA が含まれ、ネットワークを通過するすべてのルートに関する情報が格納されます。OSPFv2 は、この情報を使用して、各宛先への最適なパスを計算し、この最適なパスをルーティング テーブルに入力します。
MaxAge と呼ばれる設定済みの時間間隔で受信された LSA 更新情報がまったくない場合は、リンクステート データベースから LSA が削除されます。ルータは、LSA を 30 分ごとに繰り返してフラッディングし、正確なリンクステート情報が期限切れで削除されるのを防ぎます。 Cisco NX-OS は、すべての LSA が同時にリフレッシュされるのを防ぐために、LSA グループ機能をサポートしています。詳細については、「フラッディングと LSA グループ ペーシング」を参照してください。
不透明 LSA により、OSPF 機能の拡張が可能となります。不透明 LSA は、標準 LSA ヘッダーと、それに続くアプリケーション固有の情報で構成されます。この情報は、OSPFv2 または他のアプリケーションにより使用される場合があります。次のような 3 種類の不透明 LSA タイプが定義されています。
• LSA タイプ 9:ローカル ネットワークにフラッディングされます。
OSPFv2 は、リンクステート データベースでダイクストラの SPF アルゴリズムを実行します。このアルゴリズムにより、パス上の各リンクのリンク コストの合計に基づいて、各宛先への最適なパスが選択されます。そして、選択された各宛先への最短パスが OSPFv2 ルート テーブルに入力されます。OSPFv2 ネットワークが収束すると、このルート テーブルはユニキャスト RIB にデータを提供します。OSPFv2 はユニキャスト RIB と通信し、次の動作を行います。
• 変更されていない OSPFv2 ルートの削除およびスタブ ルータ アドバタイズメントを行うためのコンバージェンス更新情報の提供(「OSPFv2 スタブ ルータ アドバタイズメント」を参照)
さらに OSPFv2 は、変更済みダイクストラ アルゴリズムを実行して、集約および外部(タイプ 3、4、5、7)LSA の変更の高速再計算を行います。
OSPFv2 メッセージに認証を設定して、ネットワークでの不正な、または無効なルーティング更新を防止できます。 Cisco NX-OS は、次の 2 つの認証方式をサポートしています。
簡易パスワード認証では、OSPFv2 メッセージの一部として送信された単純なクリア テキストのパスワードを使用します。受信 OSPFv2 ルータが OSPFv2 メッセージを有効なルート更新情報として受け入れるには、同じクリア テキスト パスワードで設定されている必要があります。パスワードがクリア テキストであるため、ネットワーク上のトラフィックをモニタできるあらゆるユーザがパスワードを入手できます。
OSPFv2 メッセージを認証するには、MD5 認証を使用する必要があります。そのためには、ローカル ルータとすべてのリモート OSPFv2 ネイバーが共有するパスワードを設定します。Cisco NX-OS は各 OSPFv2 メッセージに対して、メッセージと暗号化されたパスワードに基づく MD5 一方向メッセージ ダイジェストを作成します。インターフェイスはこのダイジェストを OSPFv2 メッセージとともに送信します。受信する OSPFv2 ネイバーは、同じ暗号化パスワードを使用して、このダイジェストを確認します。メッセージが変更されていない場合はダイジェストの計算が同一であるため、OSPFv2 メッセージは有効と見なされます。
MD5 認証には、ネットワークでのメッセージの再送を防ぐための、各 OSPFv2 メッセージのシーケンス番号が含まれます。
Cisco NX-OS は、ネットワークでの OSPFv2 の可用性やスケーラビリティを向上させる数多くの高度な OSPFv2 機能をサポートしています。ここでは、次の内容について説明します。
• 「仮想リンク」
• 「ルート集約」
エリアを にすると、エリアでフラッディングされる外部ルーティング情報の量を制限できます。スタブ エリアとは、AS 外部(タイプ 5)LSA(「リンクステート アドバタイズメント」を参照)が許可されないエリアです。これらの LSA は通常、外部ルーティング情報を伝播するためにローカル AS 全体でフラッディングされます。スタブ エリアには、次の要件があります。
• スタブ エリア内のすべてのルータはスタブ ルータです。を参照してください。
図 3-3 は、外部 AS に到達するためにエリア 0.0.0.10 内のすべてのルータが ABR を通過する必要のある OSPFv2 AS の例を示します。エリア 0.0.0.10 は、スタブ エリアとして設定できます。
スタブ エリアは、外部 AS へのバックボーン エリアを通過する必要のあるすべてのトラフィックにデフォルト ルートを使用します。IPv4 の場合のデフォルト ルートは 0.0.0.0 です。
Not-So-Stubby Area( )はスタブ エリアに似ていますが、NSSA では、再配布を使用して NSSA 内で AS 外部ルートをインポートできる点が異なります。NSSA ASBR はこれらのルートを再配布し、NSSA 外部(タイプ 7)LSA を生成して NSSA 全体でフラッディングします。または、NSSA を他のエリアに接続する ABR を設定することにより、この NSSA 外部 LSA を AS 外部(タイプ 5)LSA に変換することもできます。こうすると、ABR は、これらの AS 外部 LSA を OSPFv2 AS 全体にフラッディングします。変換時には、集約およびフィルタリングがサポートされます。NSSA 外部 LSA の詳細については、「リンクステート アドバタイズメント」を参照してください。
たとえば、OSPFv2 を使用する中央サイトを、異なるルーティング プロトコルを使用するリモート サイトに接続するときに NSSA を使用すると、管理作業を簡素化できます。リモート サイトへのルートはスタブ エリア内に再配布できないため、NSSA を使用する前に、企業サイトの境界ルータとリモート ルータの間の接続を OSPFv2 スタブ エリアとして実行できません。NSSA を使用すると、企業のルータとリモート ルータ間のエリアを NSSA として定義する(「NSSA の設定」を参照)ことで、OSPFv2 を拡張してリモート接続性をサポートできます。
仮想リンクを使用すると、物理的に直接接続できない場合に、OSPFv2 エリア ABR をバックボーン エリア ABR に接続できます。 図 3-4 は、エリア 3 をエリア 5 経由でバックボーン エリアに接続する仮想リンクを示します。
また、仮想リンクを使用して、分割エリアから一時的に回復できます。分割エリアは、エリア内のリンクがダウンしたために隔離された一部のエリアで、ここからはバックボーン エリアへの代表 ABR に到達できません。
OSPFv2 は、ルート再配布を使用して、他のルーティング プロトコルからルートを学習できます。を参照してください。リンク コストをこれらの再配布されたルートに割り当てるか、またはデフォルト リンク コストを再配布されたすべてのルートに割り当てるように、OSPFv2 を設定します。
ルート再配布では、ルートマップを使用して、再配布する外部ルートを管理します。ルート マップの設定の詳細については、を参照してください。ルートマップを使用して、これらの外部ルートがローカル OSPFv2 AS でアドバタイズされる前に AS 外部(タイプ 5)LSA および NSSA 外部(タイプ 7)LSA のパラメータを変更できます。
OSPFv2 は、学習したすべてのルートを、すべての OSPF 対応ルータと共有するため、ルート集約を使用して、すべての OSPF 対応ルータにフラッディングされる一意のルートの数を削減した方がよい場合があります。ルート集約により、より具体的な複数のアドレスが、すべての具体的なアドレスを表す 1 つのアドレスに置き換えられるため、ルート テーブルが簡素化されます。たとえば、10.1.1.0/24、10.1.2.0/24、および 10.1.3.0/24 というアドレスを 1 つの集約アドレス 10.1.0.0/16 に置き換えることができます。
一般的には、ABR の境界ごとに集約します。集約は 2 つのエリアの間でも設定できますが、バックボーンの方向に集約する方が適切です。こうすると、バックボーンがすべての集約アドレスを受信し、すでに集約されているそれらのアドレスを他のエリアに投入できるためです。集約には、次の 2 タイプがあります。
エリア間ルート集約は ABR 上で設定し、AS 内のエリア間のルートを集約します。集約の利点を生かすには、これらのアドレスを 1 つの範囲内にまとめることができるように、連続するネットワーク番号をエリア内で割り当てる必要があります。
外部ルート集約は、ルート再配布を使用して OSPFv2 に投入される外部ルートに特有のルート集約です。集約する外部の範囲が連続していることを確認する必要があります。異なる 2 台のルータからの重複範囲を集約すると、誤った宛先にパケットが送信される原因となる場合があります。外部ルート集約は、ルートを OSPF に再配布している ASBR で設定してください。
集約アドレスの設定時に Cisco NX-OS は、ルーティング ブラック ホールおよびルート ループを防ぐために、集約アドレスの廃棄ルートを自動的に設定します。
OSPFv2 スタブ ルータ アドバタイズメント機能を使用して、OSPFv2 インターフェイスをスタブ ルータとして機能するように設定できません。この機能は、ネットワークに新規ルータを機能制限付きで導入する場合や、過負荷になっているルータの負荷を制限する場合など、このルータ経由の OSPFv2 トラフィックを制限するときに使用します。また、この機能は、さまざまな管理上またはトラフィック エンジニアリング上の理由により使用される場合もあります。
OSPFv2 スタブ ルータ アドバタイズメントは、OSPFv2 ルータをネットワーク トポロジから削除しませんが、他の OSPFv2 ルータがこのルータを使用して、ネットワークの他の部分にトラフィックをルーティングできないようにします。このルータを宛先とするトラフィック、またはこのルータに直接接続されたトラフィックだけが送信されます。
OSPFv2 スタブ ルータ アドバタイズメントは、すべてのスタブ リンク(ローカル ルータに直接接続された)を、ローカル OSPFv2 インターフェイスのコストとしてマークします。すべてのリモート リンクは、最大のコスト(0xFFFF)としてマークされます。
Cisco NX-OS は、同じノード上で動作する、OSPFv2 プロトコルの複数インスタンスをサポートしています。同一インターフェイスには複数のインスタンスを設定できません。デフォルトでは、すべてのインスタンスが同じシステム ルータ ID を使用します。複数のインスタンスが同じ OSPFv2 AS にある場合は、各インスタンスのルータ ID を手動で設定する必要があります。
Cisco NX-OS は、次の方法で SPF アルゴリズムを最適化します。
• ネットワーク(タイプ 2)LSA、ネットワーク集約(タイプ 3)LSA、および AS 外部(タイプ 5)LSA 用の部分的 SPF:これらの LSA のいずれかが変更されると、Cisco NX-OS は、全体的な SPF 計算ではなく、高速部分計算を実行します。
• SPF タイマー:さまざまなタイマーを設定して、SPF 計算を制御できます。これらのタイマーには、後続の SPF 計算の幾何バックオフが含まれます。幾何バックオフにより、複数の SPF 計算による CPU 負荷が制限されます。
OSPFv2 は、Virtual Routing and Forwarding Instance(VRF; 仮想ルーティング/転送インスタンス)をサポートしています。デフォルトでは、特に別の VRF を設定しない限り、Cisco NX-OS によりデフォルト VRF が使用されます。各 OSPFv2 インスタンスは、システム制限値の範囲で複数の VRF をサポートできます。詳細については、 を参照してください。
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OSPFv2 には、LAN Base Services ライセンスが必要です。Cisco NX-OS ライセンス方式の詳細と、ライセンスの取得および適用の方法については、 『Cisco NX-OS Licensing Guide 』 を参照してください。 |
• OSPF を設定するための、ルーティングの基礎に関する詳しい知識がある。
• リモート OSPFv2 ネイバーと通信可能な IPv4 用インターフェイスが 1 つ以上設定されている。
• LAN Base Services ライセンスがインストールされている。
• OSPFv2 ネットワーク戦略と、ネットワークのプランニングが完成している。たとえば、複数のエリアが必要かどうかを決定する必要があります。
• OSPF 機能がイネーブルにされている(「OSPFv2 機能のイネーブル化」を参照)。
OSPFv2 設定時の注意事項および制約事項は次のとおりです。
• Cisco NX-OS は、ユーザがエリアを 10 進表記で入力するか、ドット付き 10 進表記で入力するかに関係なく、ドット付き 10 進表記でエリアを表示します。
• vPC 環境で OSPF を設定する場合は、コア スイッチ上でルータ コンフィギュレーション モードで次のタイマー コマンドを使用することにより、vPC ピアリンクがシャットダウンしたときに OSPF の高速コンバージェンスを実現します。
(注) Cisco IOS の CLI に慣れている場合、この機能の Cisco NX-OS コマンドは従来の Cisco IOS コマンドと異なる点があるため注意が必要です。
表 3-2 に、OSPFv2 パラメータのデフォルト設定を示します。
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OSPFv2 は、OSPFv2 ネットワークを設計したあとに設定します。
• 「OSPFv2 インスタンス上のオプション パラメータの設定」
• 「OSPFv2 インスタンス上のオプション パラメータの設定」
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OSPFv2 機能をディセーブルにし、関連付けられた設定をすべて削除するには、 no feature ospf コマンドを使用します。
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OSPFv2 設定の最初のステップは OSPFv2 インスタンスの作成です。作成した OSPFv2 インスタンスには、一意のインスタンス タグを割り当てます。インスタンス タグは任意の文字列です。
OSPFv2 インスタンス パラメータの詳細については、「拡張 OSPFv2 の設定」を参照してください。
OSPF 機能がイネーブルにされていることを確認します(「OSPFv2 機能のイネーブル化」を参照)。
show ip ospf instance-tag コマンドを使用して、インスタンス タグが使用されていないことを確認します。
OSPFv2 がルータ ID(設定済みのループバック アドレスなど)を入手可能であるか、またはルータ ID オプションを設定する必要があります。
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(任意)OSPFv2 ルータ ID を設定します。この IP アドレスにより、この OSPFv2 インスタンスが識別されます。このアドレスは、システムの設定済みインターフェイス上に存在する必要があります。 |
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OSPFv2 インスタンスと、関連付けられた設定をすべて削除するには、 no router ospf コマンドを使用します。
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(注) このコマンドは、インターフェイス モードでは OSPF 設定を削除しません。インターフェイス モードで設定された OSPFv2 コマンドはいずれも、手動で削除する必要があります。
OSPFv2 インスタンス パラメータの詳細については、「拡張 OSPFv2 の設定」を参照してください。
OSPF 機能がイネーブルにされていることを確認します(「OSPFv2 機能のイネーブル化」を参照)。
OSPFv2 がルータ ID(設定済みのループバック アドレスなど)を入手可能であるか、またはルータ ID オプションを設定する必要があります。
ルータ コンフィギュレーション モードで、次の OSPFv2 用オプション パラメータを設定できます。
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この OSPFv2 インスタンスのアドミニストレーティブ ディスタンスを設定します。指定できる範囲は 1 ~ 255 です。デフォルトは 110 です。 |
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ルート テーブル内の宛先への同じ OSPFv2 パスの最大数を設定します。このコマンドはロード バランシングに使用されます。指定できる範囲は 1 ~ 16 です。デフォルトは 8 です。 |
次の例は、OSPFv2 インスタンスを作成する方法を示しています。
switch(config)# router ospf 201
switch(config-router)# copy running-config startup-config
ルータがこのネットワークへの接続に使用するインターフェイスを介して、OSPFv2 へのネットワークを関連付けることで、このネットワークを設定できます(「ネイバー」を参照)。 すべてのネットワークをデフォルト バックボーン エリア(エリア 0)に追加したり、任意の 10 進数または IP アドレスを使用して新規エリアを作成したりできます。
(注) すべてのエリアは、バックボーン エリアに直接、または仮想リンク経由で接続する必要があります。
(注) インターフェイスに有効な IP アドレスを設定するまでは、OSPF はインターフェイス上でイネーブルにされません。
OSPF 機能がイネーブルにされていることを確認します(「OSPFv2 機能のイネーブル化」を参照)。
2. interface interface-type slot/port
4. ip address ip-prefix/length
5. ip router ospf instance-tag area area-id [ secondaries none ]
6. (任意) show ip ospf instance-tag interface interface-type slot/por t
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interface interface-type slot/port |
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ip router ospf instance-tag area area-id [ secondaries none ] |
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show ip ospf instance-tag interface interface-type slot/port |
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インターフェイス コンフィギュレーション モードで、省略可能な次の OSPFv2 パラメータを設定できます。
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このインターフェイスの OSPFv2 コスト メトリックを設定します。デフォルトでは、参照帯域幅とインターフェイス帯域幅に基づいて、コスト メトリックが計算されます。有効な範囲は 1 ~ 65535 です。 |
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OSPFv2 デッド間隔を秒単位で設定します。有効な範囲は 1 ~ 65535 です。デフォルトでは、hello 間隔の秒数の 4 倍です。 |
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OSPFv2 hello 間隔を秒単位で設定します。有効な範囲は 1 ~ 65535 です。デフォルト値は 10 秒です。 |
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OSPFv2 で、ネイバーとのあらゆる IP MTU 不一致が無視されるように設定します。デフォルトでは、ネイバー MTU がローカル インターフェイス MTU が不一致の場合には、隣接関係が確立されません。 |
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エリアの DR の決定に使用される OSPFv2 プライオリティを設定します。有効な範囲は 0 ~ 255 です。デフォルトは 1 です。「指定ルータ」を参照してください。 |
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次に、OSPFv2 インスタンス 201 にネットワーク エリア 0.0.0.10 を追加する例を示します。
switch(config)# interface ethernet 1/2
switch(config-if)# no switchport
switch(config-if)# ip address 192.0.2.1/16
switch(config-if)# ip router ospf 201 area 0.0.0.10
switch(config-if)# copy running-config startup-config
インターフェイス設定を確認するには、 show ip ospf interface コマンドを使用します。このインターフェイスのネイバーを確認するには、 show ip ospf neighbor コマンドを使用します。
エリア内のすべてのネットワーク、またはエリア内の個々のインターフェイスの認証を設定できます。インターフェイス認証設定を使用すると、エリア認証は無効になります。
OSPF 機能がイネーブルにされていることを確認します(「OSPFv2 機能のイネーブル化」を参照)。
インターフェイス上のすべてのネイバーが、共有認証キーを含め、同じ認証設定を共有することを確認します。
この認証設定のキーチェーンを作成します。 『Cisco Nexus 5000 Series NX-OS Security Configuration Guide, Release 5.0(3)N1(1) 』 を参照してください。
3. area area-id authentication [ message-digest ]
4. interface interface-type slot/port
6. (任意) ip ospf authentication-key [ 0 | 3 ] key
または
(任意) ip ospf message-digest-key key-id md5 [ 0 | 3 ] key
7. (任意) show ip ospf instance-tag interface interface-type slot/por t
エリア内の個々のインターフェイスに認証を設定できます。インターフェイス認証設定を使用すると、エリア認証は無効になります。
OSPF 機能がイネーブルにされていることを確認します(「OSPFv2 機能のイネーブル化」を参照)。
インターフェイス上のすべてのネイバーが、共有認証キーを含め、同じ認証設定を共有することを確認します。
この認証設定のキーチェーンを作成します。 『Cisco Nexus 5000 Series NX-OS Security Configuration Guide, Release 5.0(3)N1(1) 』 を参照してください。
2. interface interface-type slot/port
4. ip ospf authentication [ message-diges t]
5. (任意) ip ospf authentication key-chain key-id
6. (任意) ip ospf authentication-key [ 0 | 3 ] key
7. (任意) ip ospf message-digest-key key-id md5 [ 0 | 3 ] key
8. (任意) show ip ospf instance-tag interface interface-type slot/por t
次に、インターフェイスに暗号化されていない簡単なパスワードを設定し、イーサネット インターフェイス 1/2 のパスワードを設定する例を示します。
switch(config)# router ospf 201
switch(config)# interface ethernet 1/2
switch(config-if)# no switchport
switch(config-if)# ip router ospf 201 area 0.0.0.10
switch(config-if)# ip ospf authentication
switch(config-if)# ip ospf authentication-key 0 mypass
switch(config-if)# copy running-config startup-config
OSPFv2 は、OSPFv2 ネットワークを設計したあとに設定します。
• 「再配布の設定」
OSPFv2 ドメインを、関連性のある各ネットワークを含む一連のエリアに分離できます。すべてのエリアは、ABR 経由でバックボーン エリアに接続している必要があります。OSPFv2 ドメインは、 (ASBR)を介して、外部ドメインにも接続可能です。「エリア」を参照してください。
• Area range:エリア間のルート集約を設定します。
• Filter list:ABR 上で、外部エリアから受信したネットワーク集約(タイプ 3)LSA をフィルタリングします。
OSPF 機能がイネーブルにされていることを確認します(「OSPFv2 機能のイネーブル化」を参照)。
フィルタ リストが、着信または発信ネットワーク集約(タイプ 3)LSA の IP プレフィクスのフィルタリングに使用するルートマップを作成します。を参照してください。
3. area area-id filter-list route-map map-name { in | out }
次に、エリア 0.0.0.10 でフィルタ リストを設定する例を示します。
switch(config)# router ospf 201
switch(config-router)# area 0.0.0.10 filter-list route-map FilterLSAs in
switch(config-router)# copy running-config startup-config
OSPFv2 ドメインの、外部トラフィックが不要な部分にスタブ エリアを設定できます。スタブ エリアは AS 外部(タイプ 5)LSA をブロックし、不要な、選択したネットワークへの往復のルーティングを制限します。 「スタブ エリア」を参照してください。また、すべての集約ルートがスタブ エリアを経由しないようブロックすることもできます。
OSPF 機能がイネーブルにされていることを確認します(「OSPFv2 機能のイネーブル化」を参照)。
4. (任意) area area-id default-cost cost
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(任意)このスタブ エリアに送信されるデフォルト集約ルートのコスト メトリックを設定します。指定できる範囲は 0 ~ 16777215 です。デフォルトは 1 です。 |
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switch(config)# router ospf 201
switch(config-router)# area 0.0.0.10 stub
switch(config-router)# copy running-config startup-config
Totally Stubby エリアを作成して、すべての集約ルート更新がスタブ エリアを経由しないようにすることができます。
Totally Stubby エリアを作成するには、ルータ コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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OSPFv2 ドメインの、ある程度の外部トラフィックが必要な部分に NSSA を設定できます。 「Not-So-Stubby エリア」を参照してください。また、この外部トラフィックを AS 外部(タイプ 5)LSA に変換して、このルーティング情報で OSPFv2 ドメインをフラッディングすることもできます。NSSA は、省略可能な次のパラメータで設定できます。
• No redistribution: 再配布されたルートが NSSA をバイパスして、OSPFv2 AS 内の他のエリアに再配布されます。このオプションは、NSSA ASBR が ABR も兼ねているときに使用します。
• Default information originate:外部 AS へのデフォルト ルートの NSSA 外部(タイプ 7)LSA を生成します。このオプションは、ASBR のルーティング テーブルにデフォルト ルートが含まれる場合に NSSA ASBR 上で使用します。このオプションは、ASBR のルーティング テーブルにデフォルト ルートが含まれるかどうかに関係なく、NSSA ASBR 上で使用できます。
• Route map:目的のルートだけが NSSA および他のエリア全体でフラッディングされるように、外部ルートをフィルタリングします。
• Translate:NSSA 外のエリア向けに、NSSA 外部 LSA を AS 外部 LSA に変換します。再配布されたルートを OSPFv2 AS 全体でフラッディングするには、このコマンドを NSSA ABR 上で使用します。また、これらの AS 外部 LSA の転送アドレスを無効にすることもできます。このオプションを選択した場合は、転送アドレスが 0.0.0.0 に設定されます。
• No summary:すべての集約ルートが NSSA でフラッディングされないようにします。このオプションは NSSA ABR 上で使用します。
OSPF 機能がイネーブルにされていることを確認します(「OSPFv2 機能のイネーブル化」を参照)。
3. area area-id nssa [ no-redistribution ] [ default-information-originate [ route-map map-name ]] [ no-summary ] [ translate type7 { always | never } [ suppress-fa ]]
4. (任意) area area-id default-cost cost
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area area-id nssa [ no-redistribution ] [ default-information-originate ] [ route-map map-name ]] [ no-summary ] [ translate type7 { always | never } [ suppress-fa ]] |
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次に、すべての集約ルート更新をブロックする NSSA を作成する例を示します。
switch(config)# router ospf 201
switch(config-router)# area 0.0.0.10 nssa no-summary
switch(config-router)# copy running-config startup-config
次に、デフォルト ルートを生成する NSSA を作成する例を示します。
switch(config)# router ospf 201
switch(config-router)# area 0.0.0.10 nssa default-info-originate
switch(config-router)# copy running-config startup-config
次に、外部ルートをフィルタリングし、すべての集約ルート更新をブロックする NSSA を作成する例を示します。
switch(config)# router ospf 201
switch(config-router)# area 0.0.0.10 nssa route-map ExternalFilter no-summary
switch(config-router)# copy running-config startup-config
次に、常に NSSA 外部(タイプ 5)LSA を AS 外部(タイプ 7)LSA に変換する NSSA を作成する例を示します。
switch(config)# router ospf 201
switch(config-router)# area 0.0.0.10 nssa translate type 7 always
switch(config-router)# copy running-config startup-config
仮想リンクは、隔離されたエリアを、中継エリア経由でバックボーン エリアに接続します。 「仮想リンク」を参照してください。仮想リンクには、省略可能な次のパラメータを設定できます。
• Authentication:簡単なパスワード認証または MD5 メッセージ ダイジェスト認証、および関連付けられたキーを設定します。
• Dead interval:ローカル ルータがデッドであることを宣言し、隣接関係を解消する前に、ネイバーが hello パケットを待つ時間を設定します。
• Hello interval:連続する hello パケット間の時間間隔を設定します。
• Retransmit interval:連続する LSA 間の推定時間間隔を設定します。
• Transmit delay:LSA をネイバーに送信する推定時間を設定します。
(注) リンクがアクティブになる前に、関与する両方のルータで仮想リンクを設定する必要があります。
OSPF 機能がイネーブルにされていることを確認します(「OSPFv2 機能のイネーブル化」を参照)。
3. area area-id virtual-link router-id
仮想リンク コンフィギュレーション モードで、省略可能な次のコマンドを設定できます。
次に、2 つの ABR 間に簡単な仮想リンクを作成する例を示します。
ABR 1(ルータ ID 27.0.0.55)の設定は、次のとおりです。
switch(config)# router ospf 201
switch(config-router)# area 0.0.0.10 virtual-link 10.1.2.3
switch(config-router-vlink)# copy running-config startup-config
ABR 2(ルータ ID 10.1.2.3)の設定は、次のとおりです。
switch(config)# router ospf 101
switch(config-router)# area 0.0.0.10 virtual-link 27.0.0.55
switch(config-router-vlink)# copy running-config startup-config
他のルーティング プロトコルから学習したルートを、ASBR 経由で OSPFv2 AS に再配布できます。
OSPF でのルート再配布には、省略可能な次のパラメータを設定できます。
• Default information originate:外部 AS へのデフォルト ルートの AS 外部(タイプ 5)LSA を生成します。
(注) Default information originate はオプションのルート マップ内の match 文を無視します。
• Default metric:すべての再配布ルートに同じコスト メトリックを設定します。
(注) スタティック ルートを再配布する場合は、Cisco NX-OS でもデフォルト スタティック ルートが再配布されます。
OSPF 機能がイネーブルにされていることを確認します(「OSPFv2 機能のイネーブル化」を参照)。
3. redistribute { bgp id | direct | eigrp id | ospf id | rip id | static } route-map map-name
4. default-information originate [ always ] [ route-map map-name ]
次に、ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)を OSPF に再配布する例を示します。
switch(config)# router ospf 201
switch(config-router)# redistribute bgp route-map FilterExternalBGP
switch(config-router)# copy running-config startup-config
ルートの再配布によって、OSPFv2 ルート テーブルに多くのルートが追加される可能性があります。外部プロトコルから受け取るルートの数に最大制限を設定できます。OSPFv2 には、再配布ルートの制限を設定するために次のオプションが用意されています。
• Fixed limit:OSPFv2 が設定された最大値に達したときにメッセージを記録します。OSPFv2 は以降の再配布ルートを受け取りません。任意で、最大値のしきい値パーセンテージを設定して、OSPFv2 がこのしきい値を超えたときに警告を記録するようにすることもできます。
• Warning only:OSPFv2 が最大値に達したときに警告だけを記録します。OSPFv2 は引き続き再配布ルートを受け取ります。
• Widthdraw:OSPFv2 が最大に達した場合に、設定済みのタイムアウト期間を開始します。このタイムアウト期間後、現在の再配布されたルート数が最大制限より少なければ、OSPFv2 はすべての再配布されたルートを要求します。再配布されたルートの現在数が最大数に達した場合、OSPFv2 はすべての再配布されたルートを取り消します。OSPFv2 が追加の再配布されたルートを受け付ける前に、この状況を解消する必要があります。
任意で、タイムアウト期間を設定できます。
OSPF 機能がイネーブルにされていることを確認します(「OSPFv2 機能のイネーブル化」を参照)。
3. redistribute { bgp id | direct| eigrp id | ospf id | rip id | static } route-map map-name
4. redistribute maximum-prefix max [ threshold ] [ warning-only | withdraw [ num-retries timeout ]]
次に、OSPF に再配布されるルートの数を制限する例を示します。
switch(config)# router ospf 201
switch(config-router)# redistribute bgp route-map FilterExternalBGP
switch(config-router)# redistribute maximum-prefix 1000 75
集約されたアドレス範囲を設定して、エリア間ルートのルート集約を設定できます。また、ASBR 上のこれらのルートの集約アドレスを設定して、外部の再配布されたルートのルート集約を設定することもできます。 「ルート集約」を参照してください。
OSPF 機能がイネーブルにされていることを確認します(「OSPFv2 機能のイネーブル化」を参照)。
3. area area-id range ip-prefix/length [ no-advertise ]
4. summary-address ip-prefix/length [ no-advertise | tag tag-id ]
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一定の範囲のアドレスの集約アドレスを ABR 上に作成します。この集約アドレスをネットワーク集約(タイプ 3)LSA にアドバタイズしないようにすることもできます。 |
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一定の範囲のアドレスの集約アドレスを ABR 上に作成します。ルートマップによる再配布で使用できるよう、この集約アドレスにタグを割り当てることもできます。 |
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次に、ABR 上のエリア間の集約アドレスを作成する例を示します。
switch(config)# router ospf 201
switch(config-router)# area 0.0.0.10 range 10.3.0.0/16
switch(config-router)# copy running-config startup-config
switch(config)# router ospf 201
switch(config-router)# summary-address 10.5.0.0/16
switch(config-router)# copy running-config startup-config
短期間だけ、このルータ経由の OSPFv2 トラフィックを制限する場合は、スタブ ルート アドバタイズメントを使用します。「OSPFv2 スタブ ルータ アドバタイズメント」を参照してください。
スタブ ルート アドバタイズメントは、省略可能な次のパラメータで設定できます。
OSPF 機能がイネーブルにされていることを確認します(「OSPFv2 機能のイネーブル化」を参照)。
3. max-metric router-lsa [ on-startup [ announce-time ] [ wait-for bgp tag ]]
4. (任意) copy running-config startup-config
(注) ルータの実行コンフィギュレーションがグレースフル シャットダウンを行うよう設定されている場合は、その実行コンフィギュレーションを保存しないでください。保存すると、ルータが、リロード後に最大メトリックをアドバタイズし続けることになります。
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max-metric router-lsa [ on-startup [ announce-time ] [ wait-for bgp tag ]] |
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次に、起動時にスタブ ルータ アドバタイズメント機能を、デフォルトの 600 秒間イネーブルにする例を示します。
switch(config)# router ospf 201
switch(config-router)# max-metric router-lsa on-startup
switch(config-router)# copy running-config startup-config
OSPFv2 には、プロトコル メッセージの動作および SPF 計算を制御する数多くのタイマーが含まれます。OSPFv2 には、省略可能な次のタイマー パラメータが含まれます。
• LSA arrival time:ネイバーから着信する LSA 間で許容される最小間隔を設定します。この時間より短時間で到着する LSA はドロップされます。
• Pacing LSAs:LSA が集められてグループ化され、リフレッシュされて、チェックサムが計算される間隔、つまり期限切れとなる間隔を設定します。このタイマーは、LSA 更新が実行される頻度を制御し、LSA 更新メッセージで送信される LSA 更新の数を制御します(「フラッディングと LSA グループ ペーシング」を参照)。
• Throttle LSAs:LSA 生成のレート制限を設定します。このタイマーは、トポロジが変更されない場合に LSA が生成される頻度を制御します。
• Throttle SPF calculation:SPF 計算の実行頻度を制御します。
• Retransmit interval:連続する LSA 間の推定時間間隔を設定します。
• Transmit delay:LSA をネイバーに送信する推定時間を設定します。
hello 間隔とデッド タイマーに関する情報の詳細については、「OSPFv2 でのネットワークの設定」を参照してください。
OSPF 機能がイネーブルにされていることを確認します(「OSPFv2 機能のイネーブル化」を参照)。
4. timers lsa-group-pacing seconds
5. timers throttle lsa start-time hold-interval max-time
6. timers throttle spf delay-time hold-time
9. ip ospf hello-interval seconds
10. ip ospf dead-interval seconds
11. ip ospf retransmit-interval seconds
次に、lsa-group-pacing オプションで LSA フラッディングを制御する例を示します。
switch(config)# router ospf 201
switch(config-router)# timers lsa-group-pacing 300
switch(config-router)# copy running-config startup-config
OSPFv2 インスタンスを再起動できます。再起動すると、インスタンスのすべてのネイバーが消去されます。
OSPFv2 インスタンスを再起動して、関連付けられたすべてのネイバーを削除するには、次のコマンドを使用します。
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複数の VRF を作成できます。また、各 VRF で同じ OSPFv2 インスタンスを使用することも、複数の OSPFv2 インスタンスを使用することも可能です。VRF には OSPFv2 インターフェイスを割り当てます。
(注) インターフェイスの VRF を設定したあとに、インターフェイスの他のすべてのパラメータを設定します。インターフェイスの VRF を設定すると、そのインターフェイスのすべての設定が削除されます。
OSPF 機能がイネーブルにされていることを確認します(「OSPFv2 機能のイネーブル化」を参照)。
6. interface interface-type slot/port
9. ip-address ip-prefix/length
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(任意)この VRF のルート テーブル内の宛先への、同じ OSPFv2 パスの最大数を設定します。ロード バランシングに使用されます。 |
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interface interface-type slot/port |
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このインターフェイスの IP アドレスを設定します。このステップは、このインターフェイスを VRF に割り当てたあとに行う必要があります。 |
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次に、VRF を作成して、その VRF にインターフェイスを追加する例を示します。
switch(config)# vrf context NewVRF
switch(config)# router ospf 201
switch(config)# interface ethernet 1/2
switch(config-if)# no switchport
switch(config-if)# vrf member NewVRF
switch(config-if)# ip address 192.0.2.1/16
switch(config-if)# ip router ospf 201 area 0
switch(config)# copy running-config startup-config
OSPFv2 の設定情報を表示するには、次のいずれかの作業を行います。
OSPFv2 統計情報を表示するには、次のコマンドを使用します。
OSPF の実装に関する詳細情報については、次のページを参照してください。
• 「関連資料」
• 「MIB」
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『Cisco Nexus 5000 Series Command Reference, Cisco NX-OS Releases 4.x, 5.x 』 |
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Management Information Base(MIB; 管理情報ベース)を検索およびダウンロードするには、次の URL にアクセスしてください。 http://www.cisco.com/public/sw-center/netmgmt/cmtk/mibs.shtml |
表 3-3 は、この機能のリリースの履歴です。
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