ポート チャネルについて
ポート チャネルは複数の物理インターフェイスの集合体で、論理インターフェイスを作成します。1 つのポート チャネルに最大 32 つの個別アクティブ リンクをバンドルして、帯域幅と冗長性を向上させることができます。ポート チャネリングはまた、これらの物理インターフェイス全体でトラフィックのロード バランシングも行います。ポート チャネルの物理インターフェイスが少なくとも 1 つ動作していれば、そのポート チャネルは動作しています。
レイヤ 2 ポート チャネルに適合するレイヤ 2 インターフェイスをバンドルすれば、レイヤ 2 ポート チャネルを作成できます。レイヤ 3 ポート チャネルに適合するレイヤ 3 インターフェイスをバンドルすれば、レイヤ 3 ポート チャネルを作成できます。レイヤ 2 インターフェイスとレイヤ 3 インターフェイスを同一のポート チャネルで組み合わせることはできません。
ポート セキュリティをポート チャネルに適用できます。ポート セキュリティについては、『 Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Security Configuration Guide 』 を参照してください。
ポート チャネルをレイヤ 3 からレイヤ 2 に変更することもできます。レイヤ 2 インターフェイスの作成手順については、「レイヤ 2 インターフェイスの設定」 を参照してください。
変更した設定をポート チャネルに適用すると、そのポート チャネルのメンバ インターフェイスにもそれぞれ変更が適用されます。たとえば、スパニングツリー プロトコル(STP)パラメータをポート チャネルに設定すると、Cisco NX-OS ソフトウェアはこれらのパラメータをポート チャネルのそれぞれのインターフェイスに適用します。
(注) レイヤ 2 ポートがポート チャネルの一部になった後に、すべてのスイッチポートの設定をポート チャネルで実行する必要があります。スイッチポートの設定を各ポート チャネル メンバに適用できません。レイヤ 3 の設定を各ポート チャネル メンバに適用できません。設定をポート チャネル全体に適用する必要があります。
集約プロトコルが関連付けられていない場合でもスタティック ポート チャネルを使用して設定を簡略化できます。
柔軟性を高めたい場合は LACP を使用できます。Link Aggregation Control Protocol(LACP)は IEEE 802.3ad で定義されています。LACP を使用すると、リンクによってプロトコル パケットが渡されます。共有インターフェイスでは LACP を設定できません。
LACP については、「LACP の概要」 を参照してください。
この項では、次のトピックについて取り上げます。
• 「ポート チャネル」
• 「ポートチャネル インターフェイス」
• 「基本設定」
• 「互換性要件」
• 「ポート チャネルを使ったロード バランシング」
• 「LACP」
• 「仮想化のサポート」
• 「ハイ アベイラビリティ」
ポート チャネル
ポート チャネルは、物理リンクをまとめて 1 つのチャネル グループに入れ、M シリーズ モジュール上の最大 32 の物理リンクの帯域幅を集約した単一の論理リンク。ポート チャネル内のメンバー ポートに障害が発生すると、障害が発生したリンクで伝送されていたトラフィックはポート チャネル内のその他のメンバー ポートに切り替わります。
ただし、LACP をイネーブルにすればポート チャネルをより柔軟に使用できます。LACP を使ってポート チャネルを設定する場合とスタティック ポート チャネルを使って設定する場合では、手順が多少異なります(「ポート チャネルの設定」 を参照)。
(注) デバイスのポート チャネルはポート集約プロトコル(PAgP)をサポートしません。
各ポートにはポート チャネルが 1 つだけあります。ポート チャネルのすべてのポートには互換性があり、同じ速度とデュプレックス モードを使用します(「互換性要件」を参照)。集約プロトコルを使わずにスタティック ポート チャネルを実行する場合、物理リンクはすべて on チャネル モードです。このモードは、LACP をイネーブルにしない限り変更できません(「ポート チャネル モード」を参照)。
ポート チャネル インターフェイスを作成すると、ポート チャネルを直接作成できます。またはチャネル グループを作成して個別ポートをバンドルに集約させることができます。インターフェイスをチャネル グループに関連付けると、ポート チャネルがない場合は対応するポート チャネルが自動的に作成されます。この場合、ポート チャネルは最初のインターフェイスのレイヤ 2 またはレイヤ 3 設定を行います。最初にポート チャネルを作成することもできます。この場合は、Cisco NX-OS ソフトウェアがポート チャネルと同じチャネル番号の空のチャネル グループを作成してデフォルト レイヤ 2 またはレイヤ 3 設定を行い、互換性も設定します(「互換性要件」 を参照)。
(注) 少なくともメンバ ポートの 1 つがアップしており、かつそのポートのチャネルが有効であれば、ポート チャネルは動作上アップ状態にあります。メンバ ポートがすべてダウンしていれば、ポート チャネルはダウンしています。
ポートチャネル インターフェイス
図 6-1 に、ポートチャネル インターフェイスを示します。
図 6-1 ポートチャネル インターフェイス
ポート チャネル インターフェイスは、レイヤ 2 またはレイヤ 3 インターフェイスとして分類できます。さらに、レイヤ 2 ポート チャネルはアクセス モードまたはトランク モードに設定できます。レイヤ 3 ポート チャネル インターフェイスのチャネル メンバにはルーテッド ポートがあります。
レイヤ 3 ポート チャネルにスタティック MAC アドレスを設定できます。この値を設定しない場合、レイヤ 3 ポート チャネルは、最初にアップになるチャネル メンバのルータ MAC を使用します。レイヤ 3 ポートでスタティック MAC アドレスを設定する情報については、『 Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Layer 2 Switching Configuration Guide 』を参照してください。
レイヤ 2 ポートにアクセスまたはトランク モードを設定する手順については、「レイヤ 2 インターフェイスの設定」 を参照してください。レイヤ 3 インターフェイスとサブインターフェイスを設定する手順については、「レイヤ 3 インターフェイスの設定」 を参照してください。
基本設定
ポート チャネル インターフェイスには次の基本設定ができます。
• 帯域幅:この設定は情報目的で使用します。上位レベルプロトコルで使用されます。
• 遅延:この設定は情報目的で使用します。上位レベルプロトコルで使用されます。
• 説明
• デュプレックス
• IP アドレス
• 最大伝送単位(MTU)
• シャットダウン
• 速度
互換性要件
チャネル グループにインターフェイスを追加する場合、ソフトウェアは特定のインターフェイス属性をチェックし、インターフェイスがチャネル グループと互換性があることを確認します。たとえば、レイヤ 2 チャネル グループにレイヤ 3 インターフェイスを追加できません。また、Cisco NX-OS ソフトウェアはインターフェイスの多数の動作属性をチェックしてから、そのインターフェイスがポート チャネル集約に参加することを許容します。
互換性チェックの対象となる動作属性は次のとおりです。
• ネットワーク層
• (リンク)速度性能
• 速度設定
• デュプレックス性能
• デュプレックス設定
• ポート モード
• アクセス VLAN
• トランク ネイティブ VLAN
• タグ付きまたは非タグ付き
• 許可 VLAN リスト
• MTU サイズ
• SPAN:SPAN の始点または宛先ポートは不可
• レイヤ 3 ポート:サブインターフェイスは不可
• ストーム制御
• フロー制御性能
• フロー制御設定
• メディア タイプ、銅線またはファイバ
Cisco NX-OS で使用される完全な互換性チェック リストを確認するには、 show port-channel compatibility-parameters コマンドを使用します。
チャネル モードが on に設定されているインターフェイスは、スタティックなポート チャネルにだけ追加できます。また、チャネル モードが active または passive に設定されているインターフェイスは、LACP が実行されているポート チャネルにだけ追加できます。これらの属性は個別のメンバ ポートに設定できます。設定するメンバ ポートの属性に互換性がない場合、ソフトウェアはこのポートをポート チャネルで一時停止させます。
または、次のパラメータが同じ場合、パラメータに互換性がないポートを強制的にポート チャネルに参加させることもできます。
• (リンク)速度性能
• 速度設定
• デュプレックス性能
• デュプレックス設定
• フロー制御性能
• フロー制御設定
インターフェイスがポート チャネルに加入すると、個々のパラメータの一部が削除され、次のようなポート チャネルの値に置き換えられます。
• 帯域幅
• 遅延
• UDP の拡張認証プロトコル
• VRF
• IP アドレス
• MAC アドレス
• スパニングツリー プロトコル
• NAC
• サービス ポリシー
• アクセス コントロール リスト(ACL)
インターフェイスがポート チャネルに参加または脱退しても、次に示す多くのインターフェイス パラメータは影響を受けません。
• ビーコン
• 説明
• CDP
• LACP ポート プライオリティ
• デバウンス
• UDLD
• MDIX
• レート モード
• シャットダウン
• SNMP トラップ
(注) ポート チャネルを削除すると、すべてのメンバ インターフェイスはポート チャネルから削除されたかのように設定されます。
ポート チャネル モードについては、「LACP マーカー レスポンダ」 を参照してください。
ポート チャネルを使ったロード バランシング
Cisco NX-OS ソフトウェアは、フレームのアドレスを数値にハッシュしてチャネルのリンクを 1 つ選択することで、ポート チャネルのすべての動作インターフェイス間のトラフィックをロード バランシングします。ポート チャネルはデフォルトでロード バランシングを備えています。ポート チャネル ロード バランシングでは、MAC アドレス、IP アドレス、またはレイヤ 4 ポート番号を使用してリンクを選択します。ポート チャネル ロード バランシングは、送信元または宛先アドレスおよびポートの両方またはどちらか一方を使用します。
ロード バランシング モードを設定して、デバイス全体または指定したモジュールに設定したすべてのポート チャネルに適用することができます。モジュールごとの設定は、デバイス全体のロード バランシング設定よりも優先されます。デバイス全体に 1 つのロード バランシング モードを、指定したモジュールに別のモードを、さらに別の指定したモジュールに別のモードを設定できます。ポート チャネルごとにロード バランシング方式を設定することはできません。
使用するロード バランシング アルゴリズムのタイプを設定できます。ロード バランシング アルゴリズムを指定し、フレームのフィールドを見て出力トラフィックに選択するメンバ ポートを決定します。
レイヤ 3 インターフェイスのデフォルト ロード バランシング モードは、発信元および宛先 IP アドレスです。非 IP トラフィックのデフォルト ロード バランシング モードは、送信元および宛先 MAC アドレスです。チャネルグループ バンドルのインターフェイス間でロード バランシング方式を設定するには、 port-channel load-balance コマンドを使用します。レイヤ 2 パケットのデフォルト方式は src-dst-mac です。レイヤ 3 パケットのデフォルト方式は src-dst-ip です。
次のいずれかの方式を使用するデバイスを設定し、ポート チャネル全体をロード バランシングできます。
• 宛先 MAC アドレス
• 送信元 MAC アドレス
• 送信元および宛先 MAC アドレス
• 宛先 IP アドレス
• 送信元 IP アドレス
• 送信元および宛先 IP アドレス
• 送信元 TCP/UDP ポート番号
• 宛先 TCP/UDP ポート番号
• 送信元および宛先 TCP/UDP ポート番号
非 IP およびレイヤ 3 ポート チャネルはどちらも設定したロード バランシング方式に従い、発信元、宛先、または発信元および宛先パラメータを使用します。たとえば、発信元 IP アドレスを使用するロード バランシングを設定すると、すべての非 IP トラフィックは発信元 MAC アドレスを使用してトラフィックをロード バランシングしますが、レイヤ 3 トラフィックは発信元 IP アドレスを使用してトラフィックをロード バランシングします。同様に、宛先 MAC アドレスをロード バランシング方式として設定すると、すべてのレイヤ 3 トラフィックは宛先 IP アドレスを使用しますが、非 IP トラフィックは宛先 MAC アドレスを使用してロード バランシングします。
ロード バランシングは、システム全体または特定のモジュールによって設定できます。
ポート チャネルを使用するロード バランシング アルゴリズムは、マルチキャスト トラフィックには適用されません。設定したロード バランシング アルゴリズムにかかわらず、マルチキャスト トラフィックは次の方式を使用してポート チャネルのロード バランシングを行います。
• レイヤ 4 情報を持つマルチキャスト トラフィック:送信元 IP アドレス、送信元ポート、宛先 IP アドレス、宛先ポート
• レイヤ 4 情報を持たないマルチキャスト トラフィック:発信元 IP アドレス、宛先 IP アドレス
• 非 IP マルチキャスト トラフィック:発信元 MAC アドレス、宛先 MAC アドレス
(注) Cisco IOS を実行するデバイスは、port-channel hash-distribution コマンドによって単一のメンバーに障害が発生した場合、メンバー ポート ASIC の動作を最適化できます。Cisco Nexus 9000 シリーズのデバイスはこの最適化をデフォルトで実行し、このコマンドを必要とせず、またサポートしません。Cisco NX-OS は、デバイス全体に対してであれ、モジュール単位であれ、port-channel load-balance コマンドによるポート チャネル上のロードバランシング基準のカスタマイズをサポートします。
LACP の概要
(注) LCAP は、使用する前にイネーブルにする必要があります。デフォルトでは、LACP はディセーブルです。
LACP をイネーブルにする手順については、「LACP のイネーブル化」 を参照してください。
システムはこの機能をディセーブルにする前のチェックポイントを自動的に取得するため、このチェックポイントにロールバックできます。ロールバックとチェックポイントについては、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS System Management Configuration Guide』を参照してください。
図 6-2 に、個別リンクを LACP ポート チャネルおよびチャネル グループに組み込み、個別リンクとして機能させる方法を示します。
図 6-2 個別リンクをポート チャネルに組み込む
LACP では、最大 16 のインターフェイスを 1 つのチャネル グループにバンドルできます。
(注) ポート チャネルを削除すると、ソフトウェアは関連付けられたチャネル グループを自動的に削除します。すべてのメンバ インターフェイスはオリジナルの設定に戻ります。
LACP 設定が 1 つでも存在する限り、LACP をディセーブルにはできません。
ポート チャネル モード
ポート チャネルの個別インターフェイスは、チャネル モードで設定します。スタティック ポート チャネルを集約プロトコルを使用せずに実行すると、チャネル モードは常に on に設定されます。
デバイス上で LACP をグローバルにイネーブルにした後、各チャネルの LACP をイネーブルにします。それには、各インターフェイスのチャネル モードを active または passive に設定します。チャネル グループにリンクを追加すると、LACP チャネル グループの個別リンクにいずれかのチャネル モードを設定できます。
(注) active または passive のチャネル モードで、個々のインターフェイスを設定するには、まず、LACP をグローバルにイネーブルにする必要があります。
表 6-1 で、各チャネル モードについて説明します。
表 6-1 ポート チャネルの個別リンクのチャネル モード
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passive |
LACP モード。ポートをパッシブ ネゴシエーション ステートにします。ポートは受信した LACP パケットには応答しますが、LACP ネゴシエーションは開始しません。 |
active |
LACP モード。ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。ポートは LACP パケットを送信して、他のポートとのネゴシエーションを開始します。 |
on |
すべてのスタティック ポート チャネル(LACP を実行していない)がこのモードです。LACP をイネーブルにする前にチャネル モードをアクティブまたはパッシブにしようとすると、デバイス表示はエラー メッセージを表示します。 チャネルで LACP をイネーブルにするには、そのチャネルのインターフェイスでチャネル モードを active または passive に設定します。LACP は、on 状態のインターフェイスとネゴシエートする場合、LACP パケットを受信しないため、そのインターフェイスと個別のリンクを形成します。つまり、LACP チャネル グループには参加しません。 デフォルト ポート チャネル モードは on です。 |
LACP は、パッシブおよびアクティブ モードの両方でポート間をネゴシエートして、ポート速度やトランキング ステートなどを基準にしてポート チャネルを形成できるかどうかを決定します。パッシブ モードは、リモート システムやパートナーが LACP をサポートするかどうか不明の場合に役に立ちます。
次の例のようにモードに互換性がある場合、ポートの LACP モードが異なれば、ポートは LACP ポート チャネルを形成できます。
• active モードのポートは、 active モードの別のポートとともにポート チャネルを正しく形成できます。
• active モードのポートは、 passive モードの別のポートとともにポート チャネルを形成できます。
• passive モードのポートは、どちらのポートもネゴシエーションを開始しないため、 passive モードの別のポートとともにポート チャネルを形成できません。
• on モードのポートは LACP を実行しておらず、 active または passive モードの別のポートとともにポート チャネルを形成できません。
LACP システム プライオリティ
LACP を実行するどのシステムにも LACP システム プライオリティ値があります。このパラメータのデフォルト値である 32768 をそのまま使用するか、1 ~ 65535 の範囲で値を設定できます。LACP は、このシステム プライオリティと MAC アドレスを組み合わせてシステム ID を生成します。また、システム プライオリティを他のデバイスとのネゴシエーションにも使用します。システム プライオリティ値が大きいほど、プライオリティは低くなります。
(注) LACP システム ID は、LACP システム プライオリティ値と MAC アドレスを組み合わせたものです。
LCAP ポート プライオリティ
LACP を使用するように設定されたポートにはそれぞれ LACP ポート プライオリティがあります。デフォルト値である 32768 をそのまま使用するか、1 ~ 65535 の範囲で値を設定できます。LACP では、ポート プライオリティおよびポート番号によりポート ID が構成されます。
また、互換性のあるポートのうち一部を束ねることができない場合に、どのポートをスタンバイ モードにし、どのポートをアクティブ モードにするかを決定するのに、ポート プライオリティを使用します。LACP では、ポート プライオリティ値が大きいほど、プライオリティは低くなります。指定ポートが、より低い LACP プライオリティを持ち、ホット スタンバイ リンクではなくアクティブ リンクとして選択される可能性が最も高くなるように、ポート プライオリティを設定できます。
LACP 管理キー
LACP は、LACP を使用するように設定されたポートごとに、チャネルグループ番号と同じ管理キー値を自動的に設定します。管理キーにより、他のポートとともに集約されるポートの機能が定義されます。他のポートとともに集約されるポートの機能は、次の要因によって決まります。
• ポートの物理特性。データ レートやデュプレックス性能などです。
• ユーザが作成した設定に関する制約事項
LACP マーカー レスポンダ
ポート チャネルを使用すればデータ トラフィックを動的に再配布できます。この再配布により、リンクが削除または追加されたり、ロード バランシング スキームが変更されることもあります。トラフィック フローの途中でトラフィックが再配布されると、フレームの秩序が乱れる可能性があります。
LACP は Marker Protocol を使って、再配布によってフレームが重複したり順番が入れ替わらないようにします。Marker Protocol は、所定のトラフィック フローのすべてのフレームがリモート エンドで正しく受信すると検出します。LACP は ポート チャネル リンクごとに Marker PDUS を送信します。リモート システムは、Marker PDU よりも先にこのリンクで受信されたすべてのフレームを受信すると、Marker PDU に応答します。リモート システムは次に Marker Responder を送信します。ポート チャネルのすべてのメンバ リンクの Marker Responder を受信したローカル システムは、トラフィック フローのフレームを正しい順序で再配分します。ソフトウェアは Marker Responder だけをサポートします。
LACP がイネーブルのポート チャネルとスタティック ポート チャネルの相違点
表 6-2 に、LACP がイネーブルのポート チャネルとスタティック ポート チャネルの主な相違点を示します。
表 6-2 LACP がイネーブルのポート チャネルとスタティック ポート チャネル
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適用されるプロトコル |
グローバルにイネーブル |
N/A |
リンクのチャネル モード |
次のいずれか。 • Active • Passive |
On だけ |
チャネルを構成する最大リンク数 |
32 |
32 |
LACP 互換性の拡張
相互運用性の解決、および LACP プロトコル収束の高速化のために複数の新しいコマンドがリリース 4.2(3) に追加されました。
Cisco Nexus 9000 シリーズのデバイスが非 Nexus ピアに接続されている場合、そのグレースフル フェールオーバーのデフォルトが、ディセーブルにされたポートがダウンになるための時間を遅らせる可能性があります。また、ピアからのトラフィックを喪失する原因にもなります。これらの状況を解決するために、 lacp graceful-convergence コマンドが追加されました。
デフォルトで、ポートがピアから LACP PDU を受信しない場合、LACP はポートを中断ステートに設定します。場合によっては、この機能は誤設定によって作成されるループの防止に役立ちますが、サーバが LACP にポートを論理的アップにするように要求するため、サーバの起動に失敗する原因になることがあります。 lacp suspend-individual コマンドを使用して、ポートを個別の状態に設定できます。
LACP ポート チャネルの最小リンクおよび MaxBundle
ポート チャネルは、同様のポートを集約し、単一の管理可能なインターフェイスの帯域幅を増加させます。
最小リンクおよび maxbundle 機能の導入により、LACP ポート チャネル動作を改善し、単一の管理可能なインターフェイスの帯域幅を増加させます。
LACP ポート チャネルの最小リンク機能は次の処理を実行します。
• LACP ポート チャネルにリンク アップし、バンドルする必要があるポートの最小数を設定します。
• 低帯域幅の LACP ポート チャネルがアクティブにならないようにします。
• 必要な最小帯域幅を提供するアクティブ メンバ ポートが少数の場合、LACP ポート チャネルが非アクティブになります。
LACP MaxBundle は、LACP ポート チャネルで許可されるバンドル ポートの最大数を定義します。
LACP MaxBundle 機能では、次の処理が行われます。
• LACP ポート チャネルのバンドル ポート数の上限を定義します。
• バンドル ポートがより少ない場合のホット スタンバイ ポートを可能にします (たとえば、5 つのポートを含む LACP ポート チャネルにおいて、ホット スタンバイ ポートとしてそれらのポートの 2 つを指定できます)。
(注) 最小リンクおよび maxbundle 機能は、LACP ポート チャネルだけで動作します。ただし、デバイスでは非 LACP ポート チャネルでこの機能を設定できますが、機能は動作しません。
LACP 高速タイマー
LACP タイマー レートを変更することにより、LACP タイムアウトの時間を変更することができます。 lacp rate コマンドを使用すれば、LACP がサポートされているインターフェイスに LACP 制御パケットを送信する際のレートを設定できます。タイムアウト レートは、デフォルトのレート(30 秒)から高速レート(1 秒)に変更することができます。このコマンドは、LACP がイネーブルになっているインターフェイスでのみサポートされます。LACP 高速時間レートを設定するには、「LACP 高速タイマー レートの設定」 を参照してください。
ISSU およびステートフル スイッチオーバーは、LACP 高速タイマーでは保証できません。
仮想化のサポート
メンバ ポートと他のポート チャネルに関連する設定は、ポート チャネルとメンバ ポートを持つ仮想デバイス コンテキスト(VDC)で設定します。各 VDC で 1 ~ 4096 の番号を使ってポート チャネルに番号を設定できます。
1 つのポート チャネルのすべてのポートは同じ VDC に置く必要があります。LACP を使用する場合、8 つすべてのアクティブ ポートと 8 つすべてのスタンバイ ポートは同じ VDC であることが必要です。
(注) ポートチャネリング ロード バランシング モードは、単一のモジュールまたはモジュール全体で動作します。デフォルト VDC のポート チャネルを使用するロード バランシングを設定する必要があります。ロード バランシングの詳細については、「ポート チャネルを使ったロード バランシング」 を参照してください。
ハイ アベイラビリティ
ポート チャネルは、複数のポートのトラフィックをロード バランシングすることでハイ アベイラビリティを実現します。物理ポートが故障した場合、ポート チャネルのメンバがアクティブであればポート チャネルは引き続き動作します。モジュール間の設定が共通しているため、異なるモジュールのポートをバンドルして、モジュール故障時にも動作するポート チャネルを作成できます。
ポート チャネルは、ステートフル再起動とステートレス再起動をサポートします。ステートフル再起動はスーパーバイザ切り替え時に発生します。切り替え後、Cisco NX-OS ソフトウェアは実行時の設定を適用します。
動作しているポート数が設定された最小リンク数を下回った場合、ポート チャネルはダウンします。
(注) ハイ アベイラビリティ機能の詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS High Availability and Redundancy Guide 』を参照してください。
ポート チャネルの設定
この項では、次のトピックについて取り上げます。
• 「ポート チャネルの作成」
• 「レイヤ 3 ポートをポート チャネルに追加」
• 「情報目的としての帯域幅および遅延の設定」
• 「ポート チャネル インターフェイスのシャットダウンと再起動」
• 「ポート チャネルの説明の設定」
• 「ポート チャネルを使ったロード バランシングの設定」
• 「LACP のイネーブル化」
• 「LACP ポート チャネル ポート モードの設定」
• 「LACP ポート チャネルの最小リンクの設定」
• 「LACP ポートチャネル MaxBundle の設定」
• 「LACP システム プライオリティの設定」
• 「LACP ポート プライオリティの設定」
• 「LACP グレースフル コンバージェンス」
• 「LACP の個別一時停止のディセーブル化」
• 「LACP の個別一時停止の再イネーブル化」
• 「ポート チャネル ハッシュ分散の設定」
(注) ポート チャネル インターフェイスに最大伝送単位(MTU)を設定する手順については、「基本インターフェイス パラメータの設定」を参照してください。ポート チャネル インターフェイスに IPv4 および IPv6 アドレスを設定する手順については、「レイヤ 3 インターフェイスの設定」を参照してください。
(注) Cisco IOS の CLI に慣れている場合、この機能に対応する Cisco NX-OS コマンドは通常使用する Cisco IOS コマンドと異なる場合があるので注意してください。
ポート チャネルの作成
チャネル グループを作成する前に、ポート チャネルを作成します。関連するチャネル グループは自動的に作成されます。
(注) ポート チャネルがチャネル グループの前に作成されると、ポート チャネルは、メンバー インターフェイスが設定されるインターフェイス属性のすべてを使用して設定される必要があります。
switchport mode trunk {allowed vlan vlan-id | native vlan-id} コマンドを使用してメンバーを設定します。
これは、チャネル グループのメンバがレイヤ 2 ポート(switchport)およびトランク(switchport mode trunk)の場合にのみ必要です。
はじめる前に
LACP ベースのポート チャネルにする場合は LACP をイネーブルにします。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface port-channel channel-number
3. (任意) show port-channel summary
4. (任意)show interface status error policy [detail]
5. (任意)no shutdown
6. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface port-channel channel-number 例: switch(config)# interface port-channel 1 switch(config-if) |
設定するポート チャネル インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。範囲は 1 ~ 4096 です。Cisco NX-OS ソフトウェアは、チャネル グループがない場合はそれを自動的に作成します。 |
ステップ 3 |
show port-channel summary 例 : switch(config-router)# show port-channel summary |
(任意)ポート チャネルに関する情報を表示します。 |
ステップ 4 |
show interface status error policy [detail] 例:
switch# show interface status error policy detail
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(任意)ポリシー プログラミング中にエラーを生成するインターフェイスおよび VLAN が表示され、ポリシーがハードウェア ポリシーと一致することを確認できます。 エラーを生成するインターフェイスの詳細を表示するには、detail コマンドを使用します。 |
ステップ 5 |
no shutdown 例: switch# configure terminal switch(config)# int e3/1 switch(config-if)# no shutdown |
(任意)ポリシーがハードウェア ポリシーと一致するインターフェイスおよび VLAN のエラーをクリアします。このコマンドにより、ポリシー プログラミングが続行でき、ポートがアップできます。ポリシーが対応していない場合は、エラーは error-disabled ポリシー状態になります。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
no interface port-channel コマンドを使用して、ポート チャネルを削除し、関連するチャネルグループを削除します。
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no interface port-channel channel-number 例: switch(config)# no interface port-channel 1 |
ポート チャネルを削除し、関連するチャネル グループを削除します。 |
次の例は、ポート チャネルの作成方法を示しています。
switch# configure terminal
switch (config)# interface port-channel 1
ポート チャネルを削除したときのインターフェイス コンフィギュレーションの変化について詳しくは、「互換性要件」を参照してください。
レイヤ 2 ポートをポート チャネルに追加
新しいチャネル グループまたはすでにレイヤ 2 ポートを含むチャネル グループにレイヤ 2 ポートを追加できます。ポート チャネルがない場合は、このチャネル グループに関連付けられたポート チャネルが作成されます。
はじめる前に
LACP ベースのポート チャネルにする場合は LACP をイネーブルにします。
すべてのレイヤ 2 メンバ ポートは、全二重モードで同じ速度で実行されている必要があります。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface type slot/port
3. switchport
4. (任意)switchport mode trunk
5. (任意) switchport trunk { allowed vlan vlan-id | native vlan-id }
6. channel-group channel- number [ force ] [ mode { on | active | passive }]
7. (任意) show interface type slot/port
8. (任意)show interface status error policy [detail]
9. (任意)no shutdown
10. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface type slot/port 例: switch(config)# interface ethernet 1/4 switch(config-if) |
チャネル グループに追加するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
switchport 例: switch(config-if)# switchport |
インターフェイスをレイヤ 2 アクセス ポートとして設定します。 |
ステップ 4 |
switchport mode trunk 例: switch(config-if)# switchport mode trunk |
(任意)インターフェイスをレイヤ 2 トランク ポートとして設定します。 |
ステップ 5 |
switchport trunk { allowed vlan vlan-id | native vlan-id } 例: switch(config-if)# switchport trunk native 3 |
(任意)レイヤ 2 トランク ポートに必要なパラメータを設定します。 |
ステップ 6 |
channel-group channel-number [ force] [ mode { on | active | passive }] 例 : switch(config-if)# channel-group 5 例 : switch(config-if)# channel-group 5 force |
チャネル グループ内にポートを設定し、モードを設定します。channel-number の指定できる範囲は 1 ~ 4096 です。ポート チャネルがない場合は、このチャネル グループに関連付けられたポート チャネルが作成されます。すべてのスタティック ポート チャネル インターフェイスは、 on モードに設定されます。すべての LACP 対応ポート チャネルインターフェイスを active または passive に設定する必要があります。デフォルト モードは on です。 (任意)一部の設定に互換性がないインターフェイスをチャネルに追加します。強制されるインターフェイスは、チャネル グループと同じ速度、デュプレックス、およびフロー制御設定を持っている必要があります。 (注) force オプションは、ポートにポート チャネルの他のメンバーとの QoS ポリシーの不一致がある場合に失敗します。 |
ステップ 7 |
show interface type slot/port 例 : switch(config-router)# show interface port channel 5 |
(任意)インターフェイスの内容を表示します。 |
ステップ 8 |
show interface status error policy [detail] 例:
switch# show interface status error policy detail
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(任意)ポリシー プログラミング中にエラーを生成するインターフェイスおよび VLAN が表示され、ポリシーがハードウェア ポリシーと一致することを確認できます。 エラーを生成するインターフェイスの詳細を表示するには、detail コマンドを使用します。 |
ステップ 9 |
no shutdown 例: switch# configure terminal switch(config)# int e3/1 switch(config-if)# no shutdown |
(任意)ポリシーがハードウェア ポリシーと一致するインターフェイスおよび VLAN のエラーをクリアします。このコマンドにより、ポリシー プログラミングが続行でき、ポートがアップできます。ポリシーが対応していない場合は、エラーは error-disabled ポリシー状態になります。 |
ステップ 10 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
no channel-group コマンドを使用して、チャネル グループからポートを削除します。
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no channel-group 例: switch(config)# no channel-group |
チャネル グループからポートを削除します。 |
次に、レイヤ 2 イーサネット インターフェイス 1/4 をチャネル グループ 5 に追加する例を示します。
switch# configure terminal
switch (config)# interface ethernet 1/4
switch(config-if)# switchport
switch(config-if)# channel-group 5
レイヤ 3 ポートをポート チャネルに追加
新しいチャネル グループまたはすでにレイヤ 3 ポートが設定されているチャネル グループにレイヤ 3 ポートを追加できます。ポート チャネルがない場合は、このチャネル グループに関連付けられたポート チャネルが作成されます。
追加するレイヤ 3 ポートに IP アドレスが設定されている場合、ポートがポート チャネルに追加される前にその IP アドレスは削除されます。レイヤ 3 ポート チャネルを作成したら、ポート チャネル インターフェイスに IP アドレスを割り当てることができます。
はじめる前に
LACP ベースのポート チャネルにする場合は LACP をイネーブルにします。
レイヤ 3 インターフェイスに設定した IP アドレスがあれば、この IP アドレスを削除します。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface type slot/port
3. no switchport
4. channel-group channel- number [ force ] [ mode { on | active | passive }]
5. (任意) show interface type slot/port
6. (任意)show interface status error policy [detail]
7. (任意)no shutdown
8. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface type slot/port 例: switch(config)# interface ethernet 1/4 switch(config-if) |
チャネル グループに追加するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
no switchport 例: switch(config-if)# no switchport |
インターフェイスをレイヤ 3 ポートとして設定します。 |
ステップ 4 |
channel-group channel-number [ force] [ mode { on | active | passive }] 例: switch(config-if)# channel-group 5 例 : switch(config-if)# channel-group 5 force |
チャネル グループ内にポートを設定し、モードを設定します。channel-number の指定できる範囲は 1 ~ 4096 です。ポート チャネルがない場合は、Cisco NX-OS ソフトウェアによってこのチャネル グループに関連付けられたポート チャネルが作成されます。 (任意)一部の設定に互換性がないインターフェイスをチャネルに追加します。強制されるインターフェイスは、チャネル グループと同じ速度、デュプレックス、およびフロー制御設定を持っている必要があります。 |
ステップ 5 |
show interface type slot/port 例 : switch(config-router)# show interface ethernet 1/4 |
(任意)インターフェイスの内容を表示します。 |
ステップ 6 |
show interface status error policy [detail] 例:
switch# show interface status error policy detail
|
(任意)ポリシー プログラミング中にエラーを生成するインターフェイスおよび VLAN が表示され、ポリシーがハードウェア ポリシーと一致することを確認できます。 エラーを生成するインターフェイスの詳細を表示するには、detail コマンドを使用します。 |
ステップ 7 |
no shutdown 例: switch# configure terminal switch(config)# int e3/1 switch(config-if)# no shutdown |
(任意)ポリシーがハードウェア ポリシーと一致するインターフェイスおよび VLAN のエラーをクリアします。このコマンドにより、ポリシー プログラミングが続行でき、ポートがアップできます。ポリシーが対応していない場合は、エラーは error-disabled ポリシー状態になります。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
no channel-group コマンドを使用して、チャネル グループからポートを削除します。チャネル グループから削除されたポートは元の設定に戻ります。このポートの IP アドレスを再設定する必要があります。
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no channel-group 例: switch(config)# no channel-group |
チャネル グループからポートを削除します。 |
次に、レイヤ 3 イーサネット インターフェイス 1/5 を on モードのチャネル グループ 6 に追加する例を示します。
switch# configure terminal
switch (config)# interface ethernet 1/5
switch(config-if)# no switchport
switch(config-if)# channel-group 6
次の例では、レイヤ 3 ポート チャネル インターフェイスを作成し、IP アドレスを割り当てる方法を示します。
switch# configure terminal
switch(config)# interface port-channel 4
switch(config-if)# ip address 192.0.2.1/8
情報目的としての帯域幅および遅延の設定
ポート チャネルの帯域幅は、チャネル内のアクティブ リンクの合計数によって決定されます。
情報目的でポート チャネル インターフェイスに帯域幅および遅延を設定します。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface port-channel channel-number
3. bandwidth value
4. delay value
5. exit
6. (任意) show interface port-channel channel-number
7. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface port-channel channel-number 例: switch(config)# interface port-channel 2 switch(config-if) |
設定するポート チャネル インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
bandwidth value 例: switch(config-if)# bandwidth 60000000 switch(config-if)# |
情報目的で使用される帯域幅を指定します。有効な範囲は 1 ~ 80,000,000 kbs です。デフォルト値はチャネル グループのアクティブ インターフェイスの合計によって異なります。 |
ステップ 4 |
delay value 例: switch(config-if)# delay 10000 switch(config-if)# |
情報目的で使用されるスループット遅延を指定します。範囲は、1 ~ 16,777,215(10 マイクロ秒単位)です。デフォルト値は 10 マイクロ秒です。 (注) Cisco リリース 4.2(1) より前は、デフォルトの遅延値が 100 マイクロ秒でした。 |
ステップ 5 |
exit 例: switch(config-if)# exit switch(config)# |
インターフェイス モードを終了し、コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show interface port-channel channel-number 例 : switch(config-router)# show interface port-channel 2 |
(任意)指定したポート チャネルのインターフェイス情報を表示します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、ポート チャネル 5 の帯域幅および遅延の情報パラメータを設定する例を示します。
switch# configure terminal
switch (config)# interface port-channel 5
switch(config-if)# bandwidth 60000000
switch(config-if)# delay 10000
ポート チャネル インターフェイスのシャットダウンと再起動
ポート チャネル インターフェイスをシャットダウンして再起動できます。ポート チャネル インターフェイスをシャットダウンすると、トラフィックは通過しなくなりインターフェイスは管理上ダウンします。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface port-channel channel-number
3. shutdown | no shutdown
4. exit
5. (任意) show interface port-channel channel-number
6. (任意)show interface status error policy [detail]
7. (任意)no shutdown
8. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface port-channel channel-number 例: switch(config)# interface port-channel 2 switch(config-if) |
設定するポート チャネル インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
shutdown 例: switch(config-if)# shutdown switch(config-if)# |
インターフェイスをシャットダウンします。トラフィックは通過せず、インターフェイスは管理ダウン状態になります。デフォルトは no shutdown です。 |
no shutdown 例: switch(config-if)# no shutdown switch(config-if)# |
インターフェイスを開きます。インターフェイスは管理的にアップとなります。操作上の問題がなければ、トラフィックが通過します。デフォルトは no shutdown です。 |
ステップ 4 |
exit 例: switch(config-if)# exit switch(config)# |
インターフェイス モードを終了し、コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interface port-channel channel-number 例 : switch(config-router)# show interface port-channel 2 |
(任意)指定したポート チャネルのインターフェイス情報を表示します。 |
ステップ 6 |
show interface status error policy [detail] 例:
switch# show interface status error policy detail
|
(任意)ポリシー プログラミング中にエラーを生成するインターフェイスおよび VLAN が表示され、ポリシーがハードウェア ポリシーと一致することを確認できます。 エラーを生成するインターフェイスの詳細を表示するには、detail コマンドを使用します。 |
ステップ 7 |
no shutdown 例: switch# configure terminal switch(config)# int e3/1 switch(config-if)# no shutdown |
(任意)ポリシーがハードウェア ポリシーと一致するインターフェイスおよび VLAN のエラーをクリアします。このコマンドにより、ポリシー プログラミングが続行でき、ポートがアップできます。ポリシーが対応していない場合は、エラーは error-disabled ポリシー状態になります。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、ポート チャネル 2 のインターフェイスをアップする例を示します。
switch# configure terminal
switch (config)# interface port-channel 2
switch(config-if)# no shutdown
ポート チャネルの説明の設定
ポート チャネルの説明を設定できます。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface port-channel channel-number
3. description
4. exit
5. (任意) show interface port-channel channel-number
6. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface port-channel channel-number 例: switch(config)# interface port-channel 2 switch(config-if) |
設定するポート チャネル インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
description 例: switch(config-if)# description engineering switch(config-if)# |
ポート チャネル インターフェイスに説明を追加できます。説明に 80 文字まで使用できます。デフォルトでは、説明は表示されません。このパラメータを設定してから、出力に説明を表示する必要があります。 |
ステップ 4 |
exit 例: switch(config-if)# exit switch(config)# |
インターフェイス モードを終了し、コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interface port-channel channel-number 例 : switch(config-router)# show interface port-channel 2 |
(任意)指定したポート チャネルのインターフェイス情報を表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、ポート チャネル 2 に説明を追加する例を示します。
switch# configure terminal
switch (config)# interface port-channel 2
switch(config-if)# description engineering
ポート チャネル インターフェイスへの速度とデュプレックスの設定
ポートチャネル インターフェイスに速度とデュプレックスを設定できます。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface port-channel channel-number
3. speed {
10 |
100 |
1000 |
auto }
4. duplex {
auto |
full |
half }
5. exit
6. (任意) show interface port-channel channel-number
7. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface port-channel channel-number 例: switch(config)# interface port-channel 2 switch(config-if) |
設定するポート チャネル インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
speed { 10 | 100 | 1000 | auto } 例: switch(config-if)# speed auto switch(config-if)# |
ポートチャネル インターフェイスの速度を設定します。デフォルトの自動ネゴシエーションは auto です。 |
ステップ 4 |
duplex { auto | full | half } 例: switch(config-if)# speed auto switch(config-if)# |
ポート チャネル インターフェイスのデュプレックスを設定します。デフォルトの自動ネゴシエーションは auto です。 |
ステップ 5 |
exit 例: switch(config-if)# exit switch(config)# |
インターフェイス モードを終了し、コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show interface port-channel channel-number 例 : switch(config-router)# show interface port-channel 2 |
(任意)指定したポート チャネルのインターフェイス情報を表示します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、ポート チャネル 2 に 100 Mb/s を設定する例を示します。
switch# configure terminal
switch (config)# interface port-channel 2
switch(config-if)# speed 100
ポート チャネルを使ったロード バランシングの設定
VDC アソシエーションにかかわらず、ポート チャネルのロードバランシング アルゴリズムを設定し、デバイス全体または 1 のモジュールだけに適用できます。モジュールベースのロード バランシングは、デバイスベースのロード バランシングに優先します。
はじめる前に
LACP ベースのポート チャネルにする場合は LACP をイネーブルにします。
手順の概要
1. configure terminal
2. [no] port-channel load-balance method { dst ip | dst ip-port-vlan | dst ip-vlan | dst mac | dst port | src- dst ip | src-dst ip-l4port | source-dst mac | source-dst port | src-ip port | src-ip-port-vlan | src ip-vlan | src mac | src-port | hash-modulo [force] } [module module - number | fex {fex-range | all}] [asymmetric] [rotate rotate]
3. (任意) show port-channel load-balance
4. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
port-channel load-balance method {
dst ip |
dst ip-port-vlan |
dst ip-vlan |
dst mac |
dst port | src- dst ip |
source-dst mac |
source-dst port |
src-ip port |
src-dst ip-l4port |
src-ip-port-vlan |
src ip-vlan |
src mac |
src-port | hash-modulo [force] } [module
module-number | fex {fex-range | all}] [asymmetric] [rotate rotate]
例: switch(config)# port-channel load-balance src-dst mac asymmetric switch(config)# 例: switch(config)# no port-channel load-balance src-dst mac asymmetric switch(config)# 例: switch(config)# no port-channel load-balance src-dst mac asymmetric module 1 switch(config)# |
デバイスまたはモジュールのロード バランシング アルゴリズムを指定します。指定可能なアルゴリズムはデバイスによって異なります。レイヤ 3 のデフォルトは IPv4 と IPv6 の両方で src-dst-ip で、非 IP のデフォルトは src-dest-mac です。 デフォルトのシステム設定(対称)に戻るには、no port-channel load-balance src-dst mac asymmetric コマンドを使用します。 (注) モジュールベースの設定がすでに存在する場合は、それがデフォルトのシステム設定よりも優先されます。 システム レベルの設定(対称)に戻るには、モジュール レベルで no port-channel load-balance src-dst mac asymmetric module コマンドを使用します。 |
ステップ 3 |
show port-channel load-balance 例 : switch(config-router)# show port-channel load-balance |
(任意)ポート チャネル ロード バランシング アルゴリズムを表示します。 |
ステップ 4 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
デフォルトのロードバランシング アルゴリズムである、非 IP トラフィック用の source-dest-mac、および IP トラフィック用の source-dest-ip を復元するには、 no port-channel load-balance コマンドを使用します。
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no port-channel load-balance 例: switch(config)# no port-channel load-balance |
デフォルトのロード バランシング アルゴリズムを復元します。 |
次に、モジュール 5 のポート チャネルに発信元 IP ロード バランシングを設定する例を示します。
switch# configure terminal
switch (config)# port-channel load-balance src-ip-port module 5
LACP のイネーブル化
LACP はデフォルトではディセーブルです。LACP の設定を開始するには、LACP をイネーブルにする必要があります。LACP 設定が 1 つでも存在する限り、LACP をディセーブルにはできません。
LACP は、LAN ポート グループの機能を動的に学習し、残りの LAN ポートに通知します。LACP は、正確に一致しているイーサネット リンクを識別すると、リンクを 1 つのポート チャネルとしてまとめます。次に、ポート チャネルは単一ブリッジ ポートとしてスパニングツリーに追加されます。
LACP を設定する手順は次のとおりです。
• LACP をグローバルにイネーブルにするには、 feature lacp コマンドを使用します。
• LACP をイネーブルにした同一ポート チャネルでは、異なるインターフェイスに異なるモードを使用できます。 指定したチャネル グループに割り当てられた唯一のインターフェイスである場合に限り、モードを active と passive で切り替えることができます。
手順の概要
1. configure terminal
2. feature lacp
3. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
feature lacp 例: switch(config)# feature lacp |
デバイスの LACP をイネーブルにします。 |
ステップ 3 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、LACP をイネーブルにする例を示します。
switch# configure terminal
switch (config)# feature lacp
LACP ポート チャネル ポート モードの設定
LACP をイネーブルにしたら、LACP ポート チャネルのそれぞれのリンクのチャネル モードを active または passive に設定できます。このチャネル コンフィギュレーション モードを使用すると、リンクは LACP で動作可能になります。
関連する集約プロトコルを使用せずにポート チャネルを設定すると、リンク両端のすべてのインターフェイスは on チャネル モードを維持します。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface type slot/port
3. channel-group number mode { active | on | passive }
4. (任意) show port-channel summary
5. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface type slot/port 例: switch(config)# interface ethernet 1/4 switch(config-if) |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
channel-group number mode { active | on | passive } 例: switch(config-if)# channel-group 5 mode active |
ポート チャネルのリンクのポート モードを指定します。LACP をイネーブルにしたら、各リンクまたはチャネル全体を active または passive に設定します。 関連する集約プロトコルを使用せずにポート チャネルを実行する場合、ポートチャネル モードは常に on です。 デフォルト ポート チャネル モードは on です。 |
ステップ 4 |
show port-channel summary 例: switch(config-if)# show port-channel summary |
(任意)ポート チャネルの概要を表示します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config 例: switch(config-if)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、LACP をイネーブルにしたインターフェイスを、チャネル グループ 5 のイーサネット インターフェイス 1/4 のアクティブ ポートチャネル モードに設定する例を示します。
switch# configure terminal
switch (config)# interface ethernet 1/4
switch(config-if)# channel-group 5 mode active
LACP ポート チャネルの最小リンクの設定
LACP の最小リンク機能を設定できます。最小リンクと maxbundles は LACP でのみ動作します。ただし、非 LACP ポート チャネルに対してこれらの機能の CLI コマンドを入力できますが、これらのコマンドは動作不能です。
はじめる前に
適切なポートチャネル インターフェイスであることを確認します。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface port-channel number
3. lacp min-links number
4. (任意)show running-config interface port-channel number
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface port-channel number 例: switch(config)# interface port-channel 3 switch(config-if) |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
lacp min-links number 例: switch(config-if)# lacp min-links 3 |
ポート チャネル インターフェイスを指定して、最小リンクの数を設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。指定できる範囲は 1 ~ 16 です。 |
ステップ 4 |
show running-config interface port-channel number 例: switch(config-if)# show running-config interface port-channel 3 |
(任意)ポート チャネル最小リンク設定を表示します。 |
デフォルトのポートチャネル最小リンク設定を復元するには、 no lacp min-links コマンド を使用します。
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no lacp min-links 例: switch(config)# no lacp min-links |
デフォルトのポートチャネル最小リンク設定を復元します。 |
次に、モジュール 3 のポート チャネル インターフェイスの最小数を設定する例を示します。
switch# configure terminal
switch (config)# lacp min-links 3
LACP ポートチャネル MaxBundle の設定
LACP の maxbundle 機能を設定できます。最小リンクと maxbundles は LACP でのみ動作します。ただし、非 LACP ポート チャネルに対してこれらの機能の CLI コマンドを入力できますが、これらのコマンドは動作不能です。
はじめる前に
適切なポートチャネル インターフェイスであることを確認します。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface port-channel number
3. lacp max-bundle number
4. (任意) show running-config interface port-channel number
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface port-channel number 例: switch(config)# interface port-channel 3 switch(config-if) |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
lacp max-bundle number 例: switch(config-if)# lacp max-bundle |
ポートチャネル インターフェイスを指定して、max-bundle を設定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 ポート チャネルの max-bundle のデフォルト値は 16 です。指定できる範囲は 1 ~ 32 です。 (注) デフォルト値は 16 ですが、ポート チャネルのアクティブ メンバ数は、pc_max_links_config およびポートチャネルで許可されている pc_max_active_members の最小数です。 |
ステップ 4 |
show running-config interface port-channel number 例: switch(config-if)# show running-config interface port-channel 3 |
(任意)ポートチャネル max-bundle 設定を表示します。 |
デフォルトのポートチャネル max-bundle 設定を復元するには、 no lacp max-bundle コマンドを使用します。
|
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no lacp max-bundle 例: switch(config)# no lacp max-bundle |
デフォルトのポートチャネル max-bundle 設定を復元します。 |
次に、モジュール 3 のポート チャネル インターフェイスの max-bundle を設定する例を示します。
switch# configure terminal
switch (config)# lacp max-bundle 3
LACP 高速タイマー レートの設定
LACP タイマー レートを変更することにより、LACP タイムアウトの時間を変更することができます。 lacp rate コマンドを使用すれば、LACP がサポートされているインターフェイスに LACP 制御パケットを送信する際のレートを設定できます。タイムアウト レートは、デフォルトのレート(30 秒)から高速レート(1 秒)に変更することができます。このコマンドは、LACP がイネーブルになっているインターフェイスでのみサポートされます。
(注) LACP タイマー レートの変更は推奨しません。HA および SSO は、LACP 高速レートのタイマーが設定されている場合はサポートされません。
はじめる前に
LACP 機能がイネーブルになっていることを確認します。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface type slot / port
3. lacp rate fast
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface type slot / port 例: switch(config)# interface ethernet 1/4 |
設定するインターフェイスを指定します。インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
lacp rate fast 例: switch(config-if)# lacp rate fast |
LACP がサポートされているインターフェイスに LACP 制御パケットを送信する際のレートとして高速レート(1 秒)を設定します。 タイムアウト レートをデフォルトにリセットするには、コマンドの no 形式を使用します。 |
次の例は、イーサネット インターフェイス 1/4 に対して LACP 高速レートを設定する方法を示したものです。
switch# configure terminal
switch (config)# interface ethernet 1/4
switch(config-if)# lacp rate fast
次の例は、イーサネット インターフェイス 1/4 の LACP レートをデフォルトのレート(30 秒)に戻す方法を示したものです。
switch# configure terminal
switch (config)# interface ethernet 1/4
switch(config-if)# no lacp rate fast
LACP システム プライオリティの設定
LACP システム ID は、LACP システム プライオリティ値と MAC アドレスを組み合わせたものです。
手順の概要
1. configure terminal
2. lacp system-priority priority
3. (任意) show lacp system-identifier
4. (任意) copy running-config startup-confi g
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
lacp system-priority priority 例: switch(config)# lacp system-priority 40000 |
LACP で使用するシステム プライオリティを設定します。指定できる範囲は 1 ~ 65535 で、値が大きいほどプライオリティは低くなります。デフォルト値は 32768 です。 (注) VDC ごとに LACP システム ID が異なります。これは、この設定値に MAC アドレスが追加されるためです。 |
ステップ 3 |
show lacp system-identifier 例: switch(config-if)# show lacp system-identifier |
(任意)LACP システム識別子を表示します。 |
ステップ 4 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、LACP システム プライオリティを 2500 に設定する例を示します。
switch# configure terminal
switch(config)# lacp system-priority 2500
LACP ポート プライオリティの設定
LACP をイネーブルにしたら、ポート プライオリティの LACP ポート チャネルにそれぞれのリンクを設定できます。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface type slot/port
3. lacp port-priority priority
4. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface type slot/port 例: switch(config)# interface ethernet 1/4 switch(config-if) |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
lacp port-priority priority 例: switch(config-if)# lacp port-priority 40000 |
LACP で使用するポート プライオリティを設定します。指定できる範囲は 1 ~ 65535 で、値が大きいほどプライオリティは低くなります。デフォルト値は 32768 です。 |
ステップ 4 |
copy running-config startup-config 例: switch(config-if)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、イーサネット インターフェイス 1/4 の LACP ポート プライオリティを 40000 に設定する例を示します。
switch# configure terminal
switch (config)# interface ethernet 1/4
switch(config-if)# lacp port-priority 40000
LACP グレースフル コンバージェンス
デフォルトで、LACP グレースフル コンバージェンスはイネーブルになっています。あるデバイスとの LACP 相互運用性をサポートする必要がある場合、コンバージェンスをディセーブルにできます。そのデバイスとは、グレースフル フェールオーバーのデフォルトが、ディセーブルにされたポートがダウンになるための時間を遅らせる可能性がある、または、ピアからのトラフィックを喪失する原因にもなるデバイスです。ダウンストリーム アクセス スイッチが Cisco Nexus デバイスでない場合は、LACP グレースフル コンバージェンス オプションをディセーブルにします。
(注) コマンドが実行される前に、ポート チャネルが管理上のダウン状態である必要があります。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface port-channel number
3. shutdown
4. no lacp graceful-convergence
5. no shutdown
6. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface port-channel number 例: switch(config)# interface port-channel 1 switch(config-if) |
設定するポート チャネル インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
shutdown 例: switch(config-if) shutdown |
ポート チャネルを管理シャットダウンします。 |
ステップ 4 |
no lacp graceful-convergence 例: switch(config-if)# no lacp graceful-convergence |
ポート チャネルの LACP グレースフル コンバージェンスをディセーブルにします。 |
ステップ 5 |
no shutdown 例: switch(config-if) no shutdown |
ポート チャネルを管理的にアップします。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config 例: switch(config-if)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、ポート チャネルの LACP グレースフル コンバージェンスをディセーブルにする方法を示します。
switch# configure terminal
switch (config)# interface port-channel 1
switch(config-if)# shutdown
switch(config-if)# no lacp graceful-convergence
switch(config-if)# no shutdown
LACP グレースフル コンバージェンスの再イネーブル化
デフォルトの LACP グレースフル コンバージェンスが再度必要になった場合、コンバージェンスを再度イネーブルにできます。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface port-channel number
3. shutdown
4. lacp graceful-convergence
5. no shutdown
6. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface port-channel number 例: switch(config)# interface port-channel 1 switch(config-if) |
設定するポート チャネル インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
shutdown 例: switch(config-if) shutdown |
ポート チャネルを管理シャットダウンします。 |
ステップ 4 |
lacp graceful-convergence 例: switch(config-if)# lacp graceful-convergence |
ポート チャネルの LACP グレースフル コンバージェンスをイネーブルにします。 |
ステップ 5 |
no shutdown 例: switch(config-if) no shutdown |
ポート チャネルを管理的にアップします。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config 例: switch(config-if)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、ポート チャネルの LACP グレースフル コンバージェンスをイネーブルにする方法を示します。
switch# configure terminal
switch (config)# interface port-channel 1
switch(config-if)# shutdown
switch(config-if)# lacp graceful-convergence
switch(config-if)# no shutdown
LACP の個別一時停止のディセーブル化
ポートがピアから LACP PDU を受信しない場合、LACP はポートを中断ステートに設定します。このプロセスによって、サーバの中には起動に失敗するものがあります。そのようなサーバは、LACP が論理的にポートを稼働状態にしていることを必要とするからです。
(注) エッジ ポートで lacp suspend-individual コマンドを入力するだけです。このコマンドを使用する前に、ポート チャネルが管理上のダウン状態である必要があります。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface port-channel number
3. shutdown
4. no lacp suspend-individual
5. no shutdown
6. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface port-channel number 例: switch(config)# interface port-channel 1 switch(config-if) |
設定するポート チャネル インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
shutdown 例: switch(config-if) shutdown |
ポート チャネルを管理シャットダウンします。 |
ステップ 4 |
no lacp suspend-individual 例: switch(config-if)# no lacp suspend-individual |
ポート チャネルで LACP 個別ポートの一時停止動作をディセーブルにします。 |
ステップ 5 |
no shutdown 例: switch(config-if) no shutdown |
ポート チャネルを管理的にアップします。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config 例: switch(config-if)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、ポート チャネルで LACP 個別ポートの一時停止をディセーブルにする方法を示します。
switch# configure terminal
switch (config)# interface port-channel 1
switch(config-if)# shutdown
switch(config-if)# no lacp suspend-individual
switch(config-if)# no shutdown
LACP の個別一時停止の再イネーブル化
デフォルトの LACP 個別ポートの一時停止を再度イネーブルにできます。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface port-channel number
3. shutdown
4. lacp suspend-individual
5. no shutdown
6. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface port-channel number 例: switch(config)# interface port-channel 1 switch(config-if) |
設定するポート チャネル インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
shutdown 例: switch(config-if) shutdown |
ポート チャネルを管理シャットダウンします。 |
ステップ 4 |
lacp suspend-individual 例: switch(config-if)# lacp suspend-individual |
ポート チャネルで LACP 個別ポートの一時停止動作をイネーブルにします。 |
ステップ 5 |
no shutdown 例: switch(config-if) no shutdown |
ポート チャネルを管理的にアップします。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config 例: switch(config-if)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、ポート チャネルで LACP 個別ポートの一時停止を再度イネーブルにする方法を示します。
switch# configure terminal
switch (config)# interface port-channel 1
switch(config-if)# shutdown
switch(config-if)# lacp suspend-individual
switch(config-if)# no shutdown
ポート チャネル ハッシュ分散の設定
Cisco NX-OS リリース 6.1(1) 以降、ハッシュ分散のアダプティブおよび固定設定は、グローバル レベルおよびポートチャネル レベルの両方でサポートされます。このオプションは、メンバがアップまたはダウンしたときに Result Bundle Hash(RBH)分散の変化を最小限に抑えることにより、トラフィックの中断を最小限に抑えます。このため、変化のない RBH 値にマッピングされているフローが同じリンクを流れ続けるようになります。ポート チャネル レベルの設定はグローバル設定よりも優先されます。デフォルト設定はグローバルに適応し、各ポート チャネルの設定がないので、ISSU 中に変更はありません。コマンドが適用されたときにポートはフラップされず、設定は次のメンバー リンクの変更イベントで有効になります。どちらのモードも RBH モジュールまたは非モジュール スキームで動作します。
この機能がサポートされない下位バージョンへの ISSD 時には、固定モード コマンドがグローバルに使用されている場合や、ポートチャネル レベルの設定がある場合は、この機能を無効にする必要があります。
グローバル レベルでのポート チャネル ハッシュ分散の設定
手順の概要
1. configure terminal
2. no port-channel hash-distribution { adaptive | fixed }
3. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no port-channel hash-distribution {adaptive | fixed} 例: switch(config)# port-channel hash-distribution adaptive switch(config) |
グローバル レベルでポート チャネル ハッシュ分散を指定します。 デフォルトはアダプティブ モードです。 コマンドは、次のメンバー リンク イベント(link down/up/no shutdown/shutdown)まで有効になりません。Do you want to continue (y/n) ?[yes] |
ステップ 3 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、グローバル レベルでハッシュ分散を設定する例を示します。
switch# configure terminal
switch(config)# no port-channel hash-distribution fixed
ポート チャネル レベルでのポート チャネル ハッシュ分散の設定
手順の概要
1. configure terminal
2. interface port-channel { channel-number | range }
3. no port -channel port hash-distribution [{ adaptive | fixed }]
4. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 1 |
interface port-channel { channel-number | range } 例: switch# interface port-channel 4 switch(config-if)# |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no port-channel port hash-distribution {adaptive | fixed} 例: switch(config-if)# port-channel port hash-distribution adaptive switch(config-if) |
ポート チャネル レベルでポート チャネル ハッシュ分散を指定します。 デフォルトはありません。 コマンドは、次のメンバー リンク イベント(link down/up/no shutdown/shutdown)まで有効になりません。Do you want to continue (y/n) ?[yes] |
ステップ 3 |
copy running-config startup-config 例: switch(config-if)# copy running-config startup-config |
(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。 |
次に、グローバル レベル コマンドとしてハッシュ分散を設定する例を示します。
switch# configure terminal
switch(config)# no port-channel hash-distribution fixed