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この章では、Cisco uBR10012 ルータでの SIP の取り付けおよび取り外しの方法を説明します。この章で説明する内容は、次のとおりです。
• 「活性挿抜」
各 SIP 回路基板は金属製フレームに取り付けますが、ESD(静電気放電)によって容易に損傷を受けます。取り付けの前に 第 4 章「SIP または SPA の取り付けの準備」 を読み、取り付けに必要な部品と工具の一覧を確認してください。
未使用のスロットがある場合は、必ずブランク フィラー プレートを取り付けて空のスロットをふさいでください。これにより、ルータまたはスイッチが EMI(電磁波干渉)防止基準を満たすことができ、取り付けたモジュール間に適度な通気が保たれます。未使用のスロットに SIP を取り付ける場合は、まず 2 つのブランク フィラー プレートを取り外す必要があります。
Cisco uBR10012 ルータ は、SPA Interface Processor(SIP; SPA インターフェイス プロセッサ)と Shared Port Adapter(SPA; 共有ポート アダプタ)の 活性挿抜(online insertion and removal; OIR)をサポートしています。したがって、SIP を取り外してもそこに搭載された SPA は影響を受けず、また SIP をルータに取り付けたまま SPA を SIP から取り外しても問題はありません。
Cisco uBR10012 ルータは、SIPの活性挿抜をサポートしています。活性挿抜を実行するには、SIP の電源を切断し(装着されたすべての SPA が自動的に非アクティブになります)、SPA を装着したまま SIP を取り外します。
hw-module shutdown コマンドを使用して SIP を適切に非アクティブにすることを推奨しますが、最初に非アクティブにしなくても、Cisco uBR10012 ルータから SIP を取り外すことができます。SIP を取り外す場合に、まず SIP を非アクティブにするには、 hw-module shutdown グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。このコマンドを使用して SIP を非アクティブにすると、SIP に装着された各 SPA も自動的に非アクティブになります。したがって、SIP を非アクティブにする前に SPA をそれぞれ非アクティブにする必要はありません。
通常動作時は、SIP の各ベイ(サブスロット)にブランク フィラー プレート、または有効な SPA を装着する必要があります。
SIP を物理的に取り外す場合の推奨手順については、「SIP の取り付けと取り外し」を参照してください。
SIP を取り外す前に、SIP および搭載された SPA を非アクティブにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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• slot ― SIP が搭載されているスロットを指定します。Cisco uBR10012 ルータでは、スロット 1 とスロット 3 をワイドバンド SIP 用に使用できます。 • subslot ― ワイドバンド SIP が搭載されているサブスロットを指定します。Cisco uBR10012 ルータでは、常にサブスロット 0 を指定します。 |
シャーシのスロット番号の詳細については、「ワイドバンド SIP および SPA の位置の特定」を参照してください。
SIP を非アクティブにした場合は、活性挿抜を実行したかどうかに関係なく、 no hw-module shutdown グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して SIP を再びアクティブにする必要があります。
SIP に搭載された SPA を非アクティブにするコマンドを発行せず、 hw-module shutdown コマンドを使用して SIP を非アクティブにした場合は、SIP の活性挿抜後に SPA を再アクティブ化する必要はありません。ルータ内の SIP を再アクティブ化すると、搭載された SPA も自動的に再アクティブ化されます。
たとえば、ルータから SIP を取り外して、別の SIP を取り付ける場合を考えます。新しい SIP には同じ SPA を再び取り付けます。ルータに no hw-module shutdown コマンドを入力すると、SPA は新しい SIP とともに自動的に再アクティブ化されます。
SIP を非アクティブにしたあとに SIP および装着された SPA をアクティブにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
シャーシのスロット番号の詳細については、「ワイドバンド SIP および SPA の位置の特定」を参照してください。
ワイドバンド SIP が非アクティブになったかどうかを確認するには、特権 EXEC コンフィギュレーション モードで show diag コマンドを入力します。ワイドバンド SIP の電源がオフになっていると、その SIP は show diag コマンドやその他のどの Cisco IOS コマンドの出力にも表示されません。
次の例は、スロット 1、サブスロット 0 に搭載されたCisco Wideband SIP を非アクティブ化し、その結果を確認する方法を示しています。SIP を非アクティブ化すると、 show diag コマンドの出力がなくなることに注意してください。
次の例は、スロット 1、サブスロット 0 に搭載されたCisco Wideband SIP をアクティブ化し、その結果を確認する方法を示しています。 show diag コマンドの出力がある場合、その SIP の電源はオンになっています。
Cisco uBR10012 ルータでは、SIP を取り外すことなく SPA の活性挿抜を実行できます。つまり、SIP をルータに搭載したままで、その SIP のいずれかのサブスロットから 1 つの SPA を取り外し、もう 1 つの SPA はアクティブの状態を維持できます。すぐに代わりの SPA を SIP に取り付ける予定がない場合は、該当するサブスロットにブランク フィラー プレートを必ず取り付けてください。SIP のすべてのサブスロットには、有効な SPA またはブランク フィラー プレートのどちらかを常に取り付けておく必要があります。
SIP または SPA を取り外してから、同じタイプのものを取り付けた場合、インターフェイス設定は維持(回復)されます。
SPA を装着したまま SIP を取り外す場合は、ここに記載された手順に従う必要はありません。SIP を取り外す場合は、「SIP の活性挿抜の準備」を参照してください。
hw-module shutdown コマンドを使用して SPA を適切に非アクティブにすることを推奨しますが、Cisco uBR10012 ルータでは最初に SPA を非アクティブにしなくても SPA を取り外すことができます。SPA を非アクティブにする前に、SIP がスロットにしっかりと固定されていることを確認してから、SPA 自体を引き抜いてください。
(注) ワイドバンド SPA の活性挿抜を準備している場合は、SPA の非アクティブに先立ってシャットダウンする標準インターフェイスはありません。hw-module shutdown コマンドを使用すると、ギガビット イーサネット インターフェイスのトラフィックは自動的に停止し、SPA とともにそれらのインターフェイスが非アクティブになって、活性挿抜を実行できるようになります。同様に、ワイドバンド SPA またはワイドバンド SIP の活性挿抜のあとに、ワイドバンド SPA 上のギガビット イーサネット インターフェイスを個別に再起動する必要はありません。
SPA を取り外す前に SPA およびそのインターフェイスをすべて非アクティブにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
シャーシのスロット番号と SIP のサブスロット番号の詳細については、このマニュアルの「ワイドバンド SIP および SPA の位置の特定」を参照してください。
(注) 取り外す前に SPA を非アクティブにしなかった場合は、SIP または SPA の活性挿抜後に SPA を再アクティブ化する必要はありません。ルータが稼働している場合に、SIP に SPA を搭載するか、またはルータに SIP を搭載すると、SPA が自動的に起動します。
hw-module shutdown グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して SPA を非アクティブにしたあと、活性挿抜を実行しないで再びアクティブにする必要がある場合は、 no hw-module shutdown グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、SPA とそのインターフェイスを再アクティブ化する必要があります。
SPA を非アクティブにしたあとに SPA およびインターフェイスをアクティブにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
ワイドバンド SPAが非アクティブ化されたことを確認するには、特権 EXEC コンフィギュレーション モードで show hw-module bay oir コマンドを入力し、SPA の Operational Status を確認します。次の例は、スロット 1、サブスロット 0、ベイ 0 に搭載された Cisco Wideband SPA を非アクティブ化し、その結果を確認する方法を示しています。 show hw-module bay oir コマンドの出力において、Operational Status フィールドが [admin down] となっていることに注意してください。
次の例は、スロット 1、サブスロット 0、ベイ 0 に搭載された Cisco Wideband SPA をアクティブ化し、その結果を確認する方法を示しています。 show hw-module bay oir コマンドの出力において、Operational Status フィールドが [ok] となっていることに注意してください。
ここでは、Cisco Wideband SIP の取り付けおよび取り外しの手順について説明します。
ワイドバンド SIP を取り付けるには、次の手順を実行します。
警告 以下の作業を実行する際は、SIP の ESD 破壊を防ぐため、必ず静電気防止用リスト ストラップを着用してください。一部のプラットフォームは、リスト ストラップを取り付けるための ESD コネクタを備えています。感電する危険があるので、手や金属工具がミッドプレーンまたはバックプレーンに直接触れないようにしてください。
ステップ 1 手首に静電気防止用リスト ストラップを装着し、シャーシまたはフレームの塗装されていない金属面に固定します。
ステップ 2 SIP の前面プレートを片手で持ち、反対の手で SIP を下から支え、目的のカード ケージ スロットの前に合わせます。
(注) SIP のイジェクト レバーは、SIP をバックプレーンに固定する前に解放位置にしておく必要があります(図5-2 を参照)。
ステップ 3 SIP の上下のカード ガイドをシャーシの上下のガイドに慎重に合わせ、バックプレーン コネクタへの装着の手ごたえを感じるまで、SIP をモジュール スロットに押し込みます(図5-2 を参照)。
ステップ 4 SIP の両方のイジェクト レバーを同時に(前面プレートと平行になるまで)内側に回転させ、SIP をルータのバックプレーンに完全に装着します。図5-3 を参照してください。
(注) 周りのシャーシ スロットがモジュールで埋まっていると、SIP を装着しづらい場合があります。SIP を正しく装着し、物理的な損傷を避けるため、隣接する SIP またはラインカードの非脱落型ネジを緩めて作業してください。
ステップ 5 SIP の上下にある非脱落型ネジを締め、SIP をシャーシに固定します(非脱落型ネジの位置については、図5-4を参照)。
ステップ 6 必要に応じて、SPA を取り付けます。「SIP への SPA の取り付け」を参照してください。
ステップ 7 インターフェイス ケーブルを取り付けます。ケーブルを取り付ける前に、光ファイバ接続のクリーニングをしておくことを推奨します。『 Inspection and Cleaning Procedures for Fiber-Optic Connections 』を参照してください。
ヒント アラームが作動しないように、活性挿抜の前に SIP を管理上のシャットダウン状態にすることができます。シャットダウン状態にしない場合は、ネットワークのこの部分が一時的に停止することをネットワーク管理者に伝えてください。
ワイドバンド SIP を取り外すには、次の手順を実行します。
警告 以下の作業を実行する際は、SIP の ESD 破壊を防ぐため、必ず静電気防止用リスト ストラップを着用してください。一部のプラットフォームは、リスト ストラップを取り付けるための ESD コネクタを備えています。感電する危険があるので、手や金属工具がミッドプレーンまたはバックプレーンに直接触れないようにしてください。
ステップ 1 手首に静電気防止用リスト ストラップを装着し、シャーシまたはフレームの塗装されていない金属面に固定します。
ステップ 2 Cisco uBR10012 シャーシの背面に回ります。インターフェイス ケーブルや電源コードを脇へ寄せて、十分な作業スペースを確保してください。
ステップ 3 取り外すカードを確認して、そのカードに接続されているインターフェイス ケーブルを取り外します。その際、SIP に搭載されている SPA 上のポートに対する現在のケーブル配線を必ず記録しておきます。
ステップ 4 SIP の上下にある非脱落型ネジを緩めます(図5-4を参照)。
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ステップ 5 SIP の両方のイジェクト レバーを同時に外側に回転させ、SIP をバックプレーンから取り外します(図5-5 を参照)。
ステップ 6 カードの金属製フレームだけを持ち、SIP をスロットから引き出します(図5-6 を参照)。SIP を静電気防止用マットの上に置くか、または静電気防止用袋に収めます。
ステップ 7 新しい SIP や交換用の SIP を取り付けない場合は、ブランク フィラー プレートを取り付けてスロットをカバーし、ブランク フィラー プレート上の非脱落型ネジを締めます。
警告 ブランクの前面プレート(フィラー パネル)には、3 つの重要な役割があります。シャーシ内の危険な電圧および電流による感電を防ぐこと、他の装置への EMI(電磁波干渉)の影響を防ぐこと、およびシャーシ内の空気の流れを適切な状態に保つことです。必ずすべてのカードおよび前面プレートを正しく取り付けた状態で、システムを運用してください。