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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Cisco IP Phone の各モデルの概要、および各モデルの設置、設定に必要な要件を説明します。Cisco IP Phone は、従来のアナログ電話機と同様の機能を備えています。ただし、Cisco IP Phone には、ネットワーク装置としての設定と管理が必要になります。
Cisco IP Phone は、3 つのモデル(Cisco IP Phone 7960、Cisco IP Phone 7940、および Cisco IP Phone 7910)から選択できます。どの Cisco IP Phone も、G.711、G.729、G.729a、G.729b、G.729ab の各音声圧縮方式、および非圧縮のワイドバンド(16 ビット、16kHz)をサポートしています。
• 「Cisco IP Phone 7960/7940 の概要」
• 「Cisco IP Phone 7960、7940、7910 でサポートされる機能」
• 「Cisco IP Phone 7960、7940、7910 の設置要件と設定要件の概要」
Cisco IP Phone 7960/7940 は、複数の回線を接続できる全機能型の電話機で、これらを使用して、音声通話を IP ネットワーク上で行うことができます。これらの IP フォンは、業務に便利なオフィス電話機として機能しますが、従来のアナログ電話機とは異なり、IP テレフォニー ネットワークに接続して使用します。
Cisco IP Phone のモデル 7960 とモデル 7940 の違いは、回線ボタンまたは短縮ダイヤル ボタンの数だけです。Cisco IP Phone 7940 は 2 つの回線を収容し、Cisco IP Phone 7960 は 6 つの回線を収容します。
図 1-1および図 1-2では、両モデルの主なコンポーネントを示します。また、図に続く表では、各コンポーネントの機能について説明します。
Cisco IP Phone 7910 は、電話の基本機能を備えており、ロビー、休憩室、廊下などの共用エリアで主に使用されます。
Cisco IP Phone 7910 には、次の 2 通りの構成があります。
• Cisco IP Phone 7910:1 つの 10 BaseT 接続をもっています。
• Cisco IP Phone 7910+SW:オプションの 3 ポート スイッチを内蔵し、100 Mbps 接続が可能です。
図 1-3では、Cisco IP Phone 7910 の主なコンポーネントを示します。図に続く表では、各コンポーネントの機能を説明します。
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このボタンは、社内のニーズに合わせてCisco CallManager でプログラム可能です。詳細は、「IP フォンのボタン テンプレートの変更」を参照してください。このボタンのデフォルト設定では、ボタンを押すとボイスメールのメッセージにアクセスします。 |
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このボタンは、社内のニーズに合わせてCisco CallManager でプログラム可能です。詳細は、「IP フォンのボタン テンプレートの変更」を参照してください。このボタンのデフォルト設定では、ボタンを押すと電話会議を開始します。 |
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このボタンは、社内のニーズに合わせて Cisco CallManager でプログラム可能です。詳細は、「IP フォンのボタン テンプレートの変更」を参照してください。このボタンのデフォルト設定では、ボタンを押すと通話を別の電話番号に転送します。 |
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このボタンは、社内のニーズに合わせてCisco CallManager でプログラム可能です。詳細は、「IP フォンのボタン テンプレートの変更」を参照してください。このボタンのデフォルト設定では、ボタンを押すと前回ダイヤルした番号をリダイヤルします。 |
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このボタンは、社内のニーズに合わせて Cisco CallManager でプログラム可能です。詳細は、「IP フォンのボタン テンプレートの変更」を参照してください。このボタンのデフォルト設定では、ボタンを押して頻繁にダイヤルする番号に素早く電話をかけることができます。 |
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Cisco IP Phone は、音声通信に必要なプロトコルとして、複数の業界標準ネットワーキング プロトコル、およびシスコ ネットワーキング プロトコルをサポートしています。 表 1-1 では、Cisco IP Phone 7960、7940、7910 の各モデルでサポートされているネットワーク プロトコルの概要を示します。
Cisco IP Phone 7960、7940、7910 の各モデルは、従来のアナログ電話機とほぼ同じ機能を備えており、通話の発信や受信を行うことができます。
Cisco IP Phone は、従来の電話機能に加えて、この IP フォンをネットワーク装置として管理し、モニタする機能も備えています。
• 「機能の概要」
• 「Cisco IP Phone を使用したネットワーク機能の設定」
Cisco IP Phone は、自動転送や着信転送、リダイヤル、短縮ダイヤル、電話会議、およびボイスメールへのアクセスなどの従来のテレフォニー機能を備えています。また、Cisco IP Phone にはさらに豊富な機能があります。Cisco IP Phone 7960、7940、7910 の各モデルでサポートされるテレフォニー機能の概要、および機能を設定する際のヒントについては、「Cisco CallManager を使用したテレフォニー機能の設定」を参照してください。
Cisco IP Phone では、他のネットワーク装置と同様、Cisco CallManager、およびその他の IP ネットワークにアクセスするために、あらかじめ設定が必要です。DHCP を使用する場合、設定の変更は少なくなります。ただし、ネットワークで必要な場合は、固定 IP も割り当てることができます。Cisco IP Phone でネットワーク設定を変更するには、 第5章「Cisco IP Phone でのネットワーク設定値の指定」 を参照してください。
Cisco IP Phone 7960、7940、7910 の各モデルは、IP ネットワーク上の他のサービスや装置との対話が可能であり、そのために、さらに多くの機能を備えています。たとえば、Cisco IP Phone を企業の LDAP3(Lightweight Directory Access Protocol 3)標準ディレクトリと統合すると、ユーザは自分の IP フォンから直接、社員の連絡先情報を検索できるようになります。また、XML を使用すると、天気予報、株価情報、商品相場などの Web ベースの情報にアクセスすることもできます。これらのサービスの設定については、「Corporate Directory の設定」、および「ユーザ サービスのセットアップ」を参照してください。
Cisco IP Phone はネットワーク装置であるため、IP フォンから直接、詳細なステータス情報を取得することができます。このステータス情報は、ユーザが IP フォンの使用時に起こる問題をトラブルシューティングする際に役立ちます。ステータス情報を使用する上でのヒントについては、 第7章「Cisco IP Phone のトラブルシューティング」 を参照してください。
Cisco CallManager の Administration アプリケーションを使用すると、さらに別の設定値を変更することができます。この Web ベースのアプリケーションは、主に、IP フォンの登録基準やコール検索スペースの設定、社内ディレクトリやサービスの設定、および電話ボタン テンプレートの変更に使用します。詳細は、「Cisco CallManager を使用したテレフォニー機能の設定」、および『Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド』を参照してください。
Cisco CallManager Administration アプリケーションの使用方法がわからない場合は、そのアプリケーション用に作成されているコンテキスト ヘルプを使用してください。コンテキスト ヘルプを表示するには、メイン メニュー バーから Help > For this screen の順に選択します。
このヘルプでは、Cisco CallManager Administration を使用する手順について簡単に説明しています。この説明は、Cisco CallManager アプリケーションの適切なウィンドウを示し、初歩的なガイダンスを表示します。
Cisco CallManager の詳しい使用方法については、Cisco CallManager に関する資料を参照してください。それらの資料には、次の Web サイトでアクセスできます。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/voice/c_callmg/index.htm
Cisco IP Phone では、DHCP、TFTP、および IP の設定値などの機能をローカルで IP フォン自体に設定できます。また、このIP フォンで通話中のコールやファームウェア バージョンについての統計情報を表示することもできます。
IP フォンでの機能の設定と統計情報の表示については、 第5章「Cisco IP Phone でのネットワーク設定値の指定」 、および 第7章「Cisco IP Phone のトラブルシューティング」 を参照してください。
システム管理者は、多くの場合、自分が管理するネットワークや会社内の Cisco IP Phone ユーザから質問を受ける立場にあります。最新の機能や手順に関する情報を提供するために、Cisco IP Phone の資料を十分に活用してください。また、次の Cisco IP Phone の Web サイトにアクセスすることをお勧めします。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/voice/c_ipphon/ip_clmgr/english/index.htm
このサイトから、各種ユーザ ガイドや小冊子を表示したり注文することができます。
システム管理者は、ユーザに資料を提供すると同時に、自社やネットワークに特有の機能、および利用可能な Cisco IP Phone の機能をユーザに通知し、必要な場合には、それらの機能へのアクセスとカスタマイズ方法を知らせます。これらも、システム管理者の大切な役目です。
システム管理者が Cisco IP Phone ユーザに知らせる必要がある主な情報については、「Web サイトを使用したユーザへの情報提供」を参照してください。
Cisco IP Phone 7960、7940、7910 の各モデルを設置し、設定するには、ネットワーク設定値の一部を指定し、Cisco CallManager をセットアップする必要があります。次に、各 IP フォン上で設定値を変更する必要があります。
必要な手順の概要については、 表 1-2 を参照してください。これらの手順の詳細については、表に記述した資料を参照してください。
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–IP フォンに関連付ける Cisco CallManager のユーザ –パーティション、コール検索スペース、およびロケーションの情報(使用する場合) |
Cisco CallManager が Cisco IP Phone をサポートできるようにする設定に、これらの情報が必要です。 |
• 「Cisco CallManager データベースへのIPフォンの追加」 |
「他の Cisco IPテレフォニー製品との双方向通信の概要」、および各装置に付属の資料を参照してください。 |
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「Cisco CallManager データベースへのIPフォンの追加」、および『Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド』を参照してください。 |
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4. IP フォンを自動登録し、それらの IP フォンを手作業で Cisco CallManagerデータベースに追加するか、Bulk Administration Tool(BAT)を使用して、複数の IP フォンをデータベースに同時に追加するかを選択します。 |
IP フォンを Cisco CallManager に追加する方法、およびそれらの IP フォンに電話番号を割り当てる方法を決定します。 |
「Cisco CallManager データベースへのIPフォンの追加」、および『Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド』を参照してください。 |
5. Cisco AC アダプタを電源に使用するか、Cisco Catalyst スイッチから電源を取るかを選択します。 |
IP フォンへの電源供給法として、AC アダプタを通じて外部電源から取るか、イーサネット ケーブルを通じてインライン パワー ソースから取るかを決定します。 |
「Cisco IP Phone への電力供給」、または Cisco Catalyst スイッチに付属の資料を参照してください。 |
第3章「Cisco IP Phone の設置」 を参照してください。 |
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第4章「Cisco IP Phone 7914 拡張モジュールの増設」 を参照してください。 |
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「IP 設定値の指定」、および「TFTP オプションの設定」を参照してください。 |
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9. コール待機、コール転送、コール パーク(転送先保留)、およびコール ピックアップ(代理応答)などの電話機能を設定します。 |
「Cisco CallManager を使用したテレフォニー機能の設定」、および『Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド』を参照してください。 |
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「IP フォンのボタン テンプレートの変更」を参照してください。 |
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ユーザが、XML を使用して天気予報、株価情報、商品相場などの Web ベース情報にすばやくアクセスできるようにします。 |
「ユーザ サービスのセットアップ」、および『Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド』を参照してください。 |
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「ディレクトリの設定」、および『Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド』を参照してください。 |
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ユーザを IP フォンに関連付けて、ユーザが、コール自動転送や短縮ダイヤルなどの機能を設定したり、サービスに登録するための User Options の Web アプリケーションにアクセスできるようにします。 |
「Cisco CallManager へのユーザの追加」、および『Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド』、またはコンテキスト ヘルプを参照してください。 |
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「Web サイトを使用したユーザへの情報提供」を参照してください。 |