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この章では、Cisco IP Phone と、Voice over IP(VoIP)ネットワーク上の他の主要コンポーネントとの間の重要な双方向通信について説明します。さらにネットワークに Cisco IP Phone を設置するための準備作業を説明します。Cisco IP Phone を使用すると、データ ネットワーク上で音声を使用した通信が可能になります。IP フォンは、この通信を行うために、Cisco CallManager などの主要な Cisco IP テレフォニー コンポーネントの支援を受け、これらのコンポーネントと双方向通信します。
• 「他の Cisco IPテレフォニー製品との双方向通信の概要」
• 「Cisco IP Phone 7960、7940、7910 のポート設定ガイドライン」
IP テレフォニー ネットワーク内で Cisco IP Phone を稼働させるには、この Cisco IP Phone を Cisco Catalyst スイッチなどのネットワーキング装置に接続する必要があります。また、コールを送受信するために、事前に Cisco IP Phone を Cisco CallManager システムに登録しておくことも必要です。
• 「Cisco IP Phone と Cisco CallManager との双方向通信の概要」
• 「Cisco IP Phone と Cisco Catalyst ファミリー スイッチとの双方向通信の概要」
Cisco CallManager は、オープン型の業界標準のコール処理システムです。Cisco CallManager ソフトウェアは、Windows 2000 サーバ上で動作し、IP フォン間のコールのセットアップや切断を行い、従来 PBX がもっていた機能を企業 IP ネットワークに統合します。Cisco CallManager は、IP テレフォニー システムのコンポーネントを管理します。これらのコンポーネントには、Cisco IP Phone、アクセス ゲートウェイ、および電話会議やルート選定などの機能に必要なリソースがあります。
この章に記述されている IP 装置と協調動作できるように Cisco CallManager を設定する方法については、『Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド』、および『Cisco CallManager システム ガイド』を参照してください。
(注) 設定したい Cisco IP Phone のモデルが、Cisco CallManager の Phone Type ドロップダウン リストに表示されない場合は、次の URL にアクセスして、Cisco CallManager の現在使用しているバージョン用の最新のパッチをインストールしてください。http://www.cisco.com/kobayashi/sw-center/sw-voice.shtml
Cisco IP Phone 7940、7960、7910+SW の各モデルは、内蔵イーサネット スイッチを備えています。このスイッチにより、Cisco IP Phone は着信トラフィックを電話機、アクセス ポート、またはネットワーク ポートに切り替えることができます(詳細は、「ネットワークとの接続」を参照)。
コンピュータがアクセス ポートに接続されている場合、コンピュータと IP フォンは、スイッチへの同じ物理リンクとスイッチ上の同じポートを共有します。
この共有される物理リンクは、ネットワーク上の VLAN 設定に対して次の影響を与えます。
• 現在の VLAN は、IP サブネットに基づいて設定されていることが多く、この IP フォンを同じポートに接続されている他の装置と同じサブネットに割り当てる場合は、追加の IP アドレスが使用できなくなることがあります。
• 複数の IP フォンをサポートしている VLAN 上を通るデータ トラフィックが、VoIP トラフィックの品質を低下させる可能性があります。
こうした問題は、各 IP フォンに接続されているポートごとに複数の VLAN を設定して、音声トラフィックを別の VLAN 上に分離すると、解決できます。1 台の IP フォンの接続用に設定するスイッチ ポートは、次のトラフィックを伝送する際には、別々の VLAN に接続します。
• Cisco IP Phone との間の音声トラフィック(補助 VLAN)
• Cisco IP Phone のアクセス ポートを通してスイッチに接続された PC との間のデータ トラフィック(ネイティブ VLAN)
IP フォンを別の補助 VLAN に分離すると、音声トラフィックの品質が向上し、IP アドレスを十分にもたない既存のネットワークに、IP フォンを多数追加できるようになります。
詳細は、Cisco Catalyst スイッチに付属の資料を参照してください。
(注) Cisco IP Phone 7910 には、アクセス ポートがありません。このモデルの IP フォンでアクセス ポートが必要な場合は、代わりに Cisco IP Phone 7910+SW を使用してください。
Cisco IP Phone は、VoIP ネットワークに接続すると、標準の起動プロセスである 7 つのステップを実行します。ある種のネットワーク設定の場合には、Cisco IP Phone は、いくつかのステップを実行しないことがあります。
IP フォンに電力を供給するモジュールの 1 つ(WS-X6348-RJ45V)を使用して、Cisco IP Phone を Cisco Catalyst スイッチに接続できます。詳細は、「Cisco IP Phone への電力供給」を参照してください。
このオプションの構成を使用する場合、Cisco IP Phone をスイッチに接続すると、IP フォンは重信回線電力(phantom power)を受け取り、起動します。起動後、IP フォンは、Cisco Discovery Protocol(CDP)通知をスイッチに送信して、CDP パケットを受信できる状態であること、および IP フォンの消費電力を知らせます。スイッチは、このIPフォンに対して電力の配分を決め、ネットワーク ケーブルを介して供給します。
Cisco IP Phone は、不揮発性フラッシュ メモリを備えており、このメモリにファームウェア イメージとユーザ定義設定を保存します。起動時に、IP フォンはブートストラップ ローダを実行し、このローダは、フラッシュ メモリに保存されている IP フォン イメージをロードします。IP フォンは、このイメージを使用して、IP フォンのソフトウェアとハードウェアを初期化します。
Cisco IP Phone が Cisco Catalyst スイッチに接続されている場合、このスイッチは、スイッチ上に定義されている音声 VLAN を IP フォンに通知します。IP フォンは、IP アドレスに対する DHCP 要求を処理する前に、VLAN メンバーシップを認識しておく必要があります。
Cisco IP Phone は、DHCP を使用して IP アドレスを入手する場合、IP アドレスを入手するために DHCP サーバに照会します。ネットワークで DHCP を使用しない場合は、各 IP フォンにローカルで固定 IP アドレスを割り当てる必要があります。
DHCP サーバは、Cisco IP Phone に IP アドレスを割り当てると同時に、Cisco IP Phone を TFTP サーバにダイレクト(経路指定)します。IP フォンに固定 IP アドレスが定義されている場合は、この IP フォンにローカルで TFTP サーバを設定する必要があります。この設定により、IP フォンは TFTP サーバに直接アクセスします。
TFTP サーバには、テレフォニー装置用の設定ファイル(.cnf または.cnf.xml ファイル形式)があります。このファイルは、Cisco CallManager との接続に使用されるパラメータを定義します。通常、IP フォン(装置)のリセットが必要な変更を Cisco CallManager に加えるたびに、その IP フォンの設定ファイルが更新されます。
IP フォンに XML 対応のロードがある場合、IP フォンは XMLDefault.cnf.xml 形式の設定ファイルを要求します。XML 対応のロードがない場合は、.cnf ファイルを要求します。
Cisco CallManager で自動登録を使用可能にした場合、IP フォンは、TFTP サーバにあるデフォルトの設定ファイル(sepdefault.cnf.xml)にアクセスします。手作業で IP フォンを Cisco CallManager データベースに入力した場合、IP フォンはその装置名に対応する .cnf.xml ファイルにアクセスします。
.cnf.xml ファイルには、どのイメージのロードを実行するかを IP フォンに指示する情報も含まれています。このイメージのロードが、IP フォンに現在ロードされているイメージと異なる場合、IP フォンは TFTP サーバと通信して、.bin ファイルとして保存されている新しいイメージ ファイルを要求します。
設定ファイルは、Cisco IP Phone と Cisco CallManager との通信方法を定義します。IP フォンは、設定ファイルを TFTP サーバから取得した後、リスト上で最も優先順位が高い Cisco CallManager との TCP 接続を試みます。
IP フォンが手作業でデータベースに追加されている場合、Cisco CallManager はその IP フォンを識別します。IP フォンが手作業でデータベースに追加されておらず、自動登録が Cisco CallManager で使用可能になっている場合、IP フォンは、Cisco CallManager データベースで IP フォン自体の自動登録を試みます。
Cisco CallManager は、.cnf 形式の設定ファイルを使用して、装置のロード ID を装置に通知します。.xml 形式の設定ファイルを使用する装置は、設定ファイル内にあるロード ID を受け取ります。
Cisco IP Phone には、ネットワークに接続したり、電源を供給するためのポートがあります。また、ヘッドセットを接続するためのポートもあります。次の項では、これらのポートを設定する際のヒントを記述します。
Cisco IP Phone 7960、7940、7910+SW の各モデルには、「network(ネットワーク)」、および「access(アクセス)」の 2 つの RJ-45 ポートがあります。また、Cisco IP Phone 7910 には 1 つの RJ-45 ポートがあります。各ポートは、10/100 Mbps の半二重、または全二重の外部装置への接続をサポートしています。10 Mbps 接続では、Category 3 か 5 のどちらのケーブルでも使用できますが、100 Mbps 接続では、Category 5 のケーブルを使用する必要があります。ネットワーク ポートとアクセス ポートでは、衝突を避けるために全二重モードを使用します。
(注) Cisco IP Phone 7910 には、アクセス ポートがありません。この IP フォンのモデルでアクセス ポートが必要な場合は、代わりに Cisco IP Phone 7910+SW を使用してください。
Cisco IP Phone 7960、7940、7910+SW の各モデルの背面にある接続ポートについては、図 3-1 および 図 3-2を参照してください。
ネットワーク ポートは、IP フォンをネットワークに接続するために使用します。このポートには、ストレート ケーブルを使用する必要があります。また、IP フォンは、この接続を通じて、Cisco Catalyst スイッチからインライン パワーの供給を受けることができます。詳細は、「Cisco IP Phone への電力供給」を参照してください。
アクセス ポートは、IP フォンをコンピュータなどのネットワーク装置に接続するために使用します。このポートには、ストレート ケーブルを使用する必要があります。
Cisco IP Phone への電力供給源には、外部電源、スイッチ ポートのインライン パワー、または IP フォンとスイッチ間の電源があります。
• 外部電源:オプションの Cisco AC アダプタと電源コードを使用して、Cisco IP Phone を標準の壁面コンセントに接続します。
• WS-X6348-RJ45V 10/100 スイッチング モジュール:Cisco IP Phone を Catalyst 6000 ファミリーの 10/100BaseTX スイッチング モジュールに接続する場合、インライン パワーの供給を受けられます。
このモジュールは、ピン 1 と 2、および 3 と 6 を使用して給電します。また、これらのピンは、イーサネット信号の送信にも使用されます。スイッチは、給電する前に、他のイーサネット装置への損傷を避けるために、Cisco IP Phone の有無をテストします。
(注) ネットワーク ポートだけが、Cisco Catalyst スイッチからのインライン パワーをサポートしています。
• WS-PWR-PANEL:Cisco IP Phone を既存の Catalyst 4000、5000、6000 ファミリーの 10/100BaseTX スイッチング モジュールに接続できるようにするための、電力パッチ パネルです。
このモジュールは、ピン 4、5、7、および 8 で給電します。これらのピンは、イーサネット信号には使用されません。インライン パワーと同様、電力パッチ パネルも、電力を供給する前に、接続されている装置が Cisco IP Phone であるかどうかを確認します。
• 「Cisco IP Phone とネットワークとの接続」
• 「他の Cisco IPテレフォニー製品との双方向通信の概要」
• 「電源の設計」
• 「冗長性機能」
IP フォンとスイッチは、IP フォンがどの電源を使用しているかを自動的に判別します。別の電源に切り替える必要がある場合、IP フォンが使用している電源に応じて、次のような結果になります。
IP フォンの電源を選択する際は、次の情報を考慮してください。
• IP フォンにオプションの電源装置(AC アダプタ)を差し込んでから、ネットワークに接続すると、IP フォンはこのオプションの電源装置から電力を供給されます。
• その後、IP フォンからそのオプションの電源装置を取り外すと、IP フォンがリセットされます。スイッチ ポートが 10/100 Mbps 用に設定されている場合、スイッチは、電力の喪失を認識し、IP フォンの電力を復旧します。
• スイッチ ポートが 10 Mbps 専用に設定されている場合、スイッチが IP フォンの電力喪失を認識するには、ネットワークへの接続ケーブルをいったん抜いてから、IP フォンに再度差し込む必要があります。
• ただし、ネットワークへの接続ケーブルを IP フォンに差し込んでから、電源コード(AC アダプタのコード)を差し込んだ場合は、IP フォンはスイッチから電力を供給されます。電源コードを抜いても、IP フォンの電力が失われることはありません。スイッチがリブートすると、IP フォンは電源コードから電力を供給されます。
• 「Cisco IP Phone とネットワークとの接続」
冗長性を確保するために、Cisco Catalyst スイッチからのインライン パワーを使用している場合であっても、Cisco AC アダプタを使用できます。Cisco IP Phone は、インライン パワーと外部電源の両方から電力の供給を受けられるように接続しておくことができます。インライン パワーか外部電源のどちらかが故障した場合、IP フォンは、故障していない方の電源に完全に切り替わることができます。
1. Cisco Catalyst スイッチ上で、インライン パワー モードを auto(自動)に設定します。
2. 電源の入っていない Cisco IP Phone をネットワークに接続します。
3. Cisco IP Phone の電源を入れた後に、外部電源(AC アダプタ)を Cisco IP Phone に接続します。
• 「Cisco IP Phone とネットワークとの接続」
Cisco IP Phone 7940、7960、7910 の各モデルでは、ヘッドセットを接続するか、内蔵のスピーカフォンを使用して受話器以外から発信することができます。次の項では、これらのオプションの設定についての追加情報を記述します。
すべての Cisco IP Phone には、Cisco IP Phone 専用の受話器が付属しています。この受話器は、Cisco IP Phone のモデル間で共通に使用できます。受話器には、ボイスメール メッセージの着信を知らせるライトが付いています。
受話器を使用して発信や着信を行うには、付属の受話器を IP フォン本体の背面に差し込み(詳細は、「Cisco IP Phone とネットワークとの接続」を参照)、受話器を取り上げます。
• 「Cisco IP Phone とネットワークとの接続」
ヘッドセットは、Cisco IP Phone 7940、7960、7910 の各モデルで使用できます。次の項では、各 Cisco IP Phone でサポートされているヘッドセットについて説明します。
ヘッドセットを使用して発信や着信を行うには、適切なヘッドセットを IP フォン本体の背面に差し込み(詳細は、「Cisco IP Phone とネットワークとの接続」を参照)、IP フォンの前面にある ヘッドセット ボタンを押します。
ヘッドセットは、音量ボタンやミュート ボタンなどの Cisco IP Phone のすべての機能と一緒に使用できます。ヘッドセットの音量を調節したり、ヘッドセットのマイクロフォンからの送信音声を消すには、音量ボタンやミュート ボタンを使用します。
Cisco IP Phone 7960 および 7940 は、4 線式または 6 線式のヘッドセット用ジャックをサポートしています。サポートされているヘッドセットの個々のモデルについては、次の URL を参照してください。
• http://cisco.getheadsets.com
Cisco IP Phone 7960 および 7940 のモデルでヘッドセットを使用不可にするには、Cisco CallManager Administration アプリケーションから Device > Phone の順に選択し、変更する IP フォンを特定します。 Disable Speakerphone and Headset チェックボックスにチェックマークを付けて、選択した IP フォンのヘッドセットを使用不可にします(このとき、スピーカ フォンも使用不可になります)。
Cisco IP Phone 7910 は、ヘッドセット用の専用ジャックを備えていません。ただし、受話器を使用しなければ、ヘッドセットを使用できます。つまり、受話器の代わりにヘッドセットを使用します。Plantronics M-12 ヘッドセットや、ヘッドセットと受話器の切り替えが可能なヘッドセットなど、業界標準のヘッドセットを使用できます。
スピーカフォンは、デフォルトでは、Cisco IP Phone で使用可能になっています。Cisco IP Phone 7960 および 7940 では、スピーカフォンを使用不可にすることができます。
これらのモデルでスピーカフォンを使用不可にするには、Cisco CallManager Administration アプリケーションから Device > Phone の順に選択し、変更する IP フォンを特定します。 Disable Speakerphone チェックボックスにチェックマークを付けて、選択した IP フォンのスピーカフォンを使用不可にします。
Cisco IP Phone を設置するには、事前に、Cisco CallManager データベースに IP フォンを追加する方法を決定しておく必要があります。Cisco CallManager はネットワーク内でコール処理を行うので、これは非常に重要な作業です。
自動登録機能を使用して、Cisco CallManager データベースに自動的に IP フォンを追加することができます。また、Cisco CallManager Administration アプリケーションを使用して手作業で追加したり、Bulk Administration Tool(BAT)を使用してグループ単位で追加したりすることもできます。
Cisco CallManager Administration アプリケーションを使用して Cisco IP Phone を追加すると、そのアプリケーションの Phone Configuration ウィンドウに、装置名、登録状況、および装置の登録先の Cisco CallManager の IP アドレスが表示されます。
• 「Bulk Administration Tool の使用」
ヒント Cisco CallManager アプリケーションを使用中にヘルプを利用するには、メイン メニュー バーから Help > For this page の順に選択して、コンテキスト ヘルプを表示してください。詳しい手順や概要については、『Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド』、および『Cisco CallManager システム ガイド』を参照してください。
自動登録を使用すると、新しい IP フォンが IP テレフォニー ネットワークに接続されるときに、Cisco CallManager は、自動的に電話番号をその IP フォンに割り当てます。IP フォンが自動登録された後、システム管理者は、その IP フォンを新しいロケーションに移動し、別のデバイス プールに割り当てることができます。その際、IP フォンの電話番号に影響を与えません。
自動登録が使用可能である場合、Cisco IP Phone をネットワークに接続すると、Cisco CallManager は、ただちに自動起動プロセスを開始して、電話番号を取得します。自動登録時に、Cisco CallManager は、使用可能な番号を順番に自動的に IP フォンに割り当てます。
自動登録機能は、Cisco CallManager データベースにすべての IP フォンをすばやく登録する場合に使用してください。自動登録後、電話番号などの設定値を Cisco CallManager から変更できます。自動登録を使用しない場合は、手作業で Cisco CallManager データベースに IP フォンを追加するか、Bulk Administration Tool(BAT)を使用する必要があります。
Cisco CallManager Administration アプリケーションを使用して自動登録を使用可能にするには、まず次の手順を実行してください。その他の情報については、アプリケーションからコンテキスト ヘルプを表示するか、Cisco CallManager の資料を参照してください。
ステップ 1 Cisco CallManager Administration アプリケーションにログインします。
ステップ 2 メニュー バーから、 System > Cisco CallManager の順に選択します。
Cisco CallManager Configuration ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 Auto-registration disabled on this Cisco CallManager にチェックマークが付いていないことを確認します。自動登録は、ネットワークへの無許可の接続を防ぐために、デフォルトでは使用不可になっています。
ステップ 4 IP フォンの設定値を変更するには、 Device > Phone の順に選択します。各 IP フォンの検索条件を入力するには、Find and List Phones ウィンドウを使用します。
ステップ 5 第3章「Cisco IP Phone の設置」 の手順を実行して、IP フォンを設置します。
ステップ 6 その他の電話機能を設定するには、「Cisco CallManager を使用したテレフォニー機能の設定」を参照してください。
自動登録を使用しないで、特定の電話番号を特定の Cisco IP Phone に割り当てる場合は、手作業で各 IP フォンを Cisco CallManager データベースに追加するか、Bulk Administration Tool(BAT)を使用することができます。
手作業で IP フォンを追加するときに、ネットワークで DHCP を使用していない場合は、ローカルで各 IP フォンに IP 設定値、および TFTP(トリビアル ファイル転送プロトコル)サーバを設定する必要があります。
それ以外の方法として、DHCP を使用するが、TFTP サーバを手作業で設定する場合は、DHCP を使用して IP フォンが起動できるようにした後、TFTP サーバを割り当て直す方法があります。
ネットワークで DHCP を使用するが、自動登録を使用しない場合は、手作業で IP フォンを Cisco CallManager データベースに追加できます。DHCP を使用する場合は、IP アドレスも TFTP サーバも割り当てる必要はありません。
Cisco CallManager Administration アプリケーションを使用して手作業で IP フォンを追加するには、まず次の手順を実行してください。
ステップ 1 Cisco CallManager Administration アプリケーションにログインします。
ステップ 2 メニュー バーから、 Device > Add a New Device の順に選択します。
Add a New Device ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 Device Type ドロップダウン メニューから Phone を選択し、 Next をクリックします。
ステップ 4 ドロップダウン メニューから IP フォンのタイプを選択し、 Next をクリックします。
Phone Configuration ウィンドウが表示されます。このウィンドウに表示されるフィールドは、選択した IP フォンのタイプによって異なります。
ステップ 5 Phone Configuration ウィンドウで、次の 6 つのフィールドに情報を入力する必要があります。
• Phone Button Template(電話ボタン テンプレート)
• SRS Telephony Enable(SRS テレフォニーの使用)
電話番号を割り当てるかどうかを確認するメッセージが表示されます。
ステップ 7 その他の 電話機能を設定するには、「Cisco CallManager を使用したテレフォニー機能の設定」を参照してください。
その他の情報については、アプリケーションからコンテキスト ヘルプを表示するか、Cisco CallManager の資料を参照してください。
ネットワークで DHCP を使用しない場合は、固定 IP アドレスを各 IP フォンに割り当てる必要があります。ローカルで各 IP フォンを設定してください。
Cisco CallManager Administration アプリケーションを使用して手作業で IP フォンを追加するには、まず次の手順を実行してください。
ステップ 1 Cisco CallManager Administration アプリケーションにログインします。
ステップ 2 メニュー バーから、 Device > Add a New Device の順に選択します。
Add a New Device ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 Device Type ドロップダウン メニューから Phone を選択し、 Next をクリックします。
ステップ 4 ドロップダウン メニューから IP フォンのタイプを選択し、 Next をクリックします。
Phone Configuration ウィンドウが表示されます。このウィンドウに表示されるフィールドは、選択した IP フォンのタイプによって異なります。
ステップ 5 Phone Configuration ウィンドウで、次の 6 つのフィールドに情報を入力する必要があります。
• Phone Button Template(電話ボタン テンプレート)
• SRS Telephony Enable(SRS テレフォニーの使用)
電話番号を割り当てるかどうかを確認するメッセージが表示されます。
ステップ 8 第3章「Cisco IP Phone の設置」 の手順を実行して、IP フォンを設置します。
ステップ 9 「IP 設定値の指定」の手順を実行して、IP 設定値を指定します。
ステップ 10 「TFTP オプションの設定」の手順を実行して、TFTP サーバを設定します。
ステップ 11 その他の Cisco IP Phone 機能を設定するには、「Cisco CallManager を使用したテレフォニー機能の設定」を参照してください。
• 「DHCP を使用した IP フォンの手作業による追加」
Cisco Bulk Administration Tool(BAT)は、Cisco CallManager 用のプラグイン アプリケーションです。このアプリケーションを使用すると、システム管理者は、登録などのバッチ操作を多数の Cisco IP Phone に対して実行できます。
ネットワークでの BAT の使用方法については、『Cisco CallManager Bulk Administration Tool ユーザ ガイド』を参照してください。
Cisco IP Phone 7914 拡張モジュール(以降 7914 拡張モジュールと記述)をCisco IP Phone 7960 に取り付けると、さらに多くの回線ボタンまたは短縮ダイヤル ボタンを使用できます。
7914 拡張モジュールを使用する場合は、事前に、Cisco CallManager Administration アプリケーションにアクセスする必要があります。このアプリケーションを使用して、次に説明するタスクを実行してください。
7914 拡張モジュールを使用するために Cisco IP Phone 7960 を設定する手順は、次のとおりです。
7914 拡張モジュール用のボタン テンプレートをカスタマイズすることもできます。詳細は、「IP フォンのボタン テンプレートの変更」 を参照してください。
ステップ 1 Cisco CallManager Administration アプリケーションにログインします。
Cisco CallManager Administration ページが表示されます。
ステップ 2 メニューから、 Device > Phone の順に選択します。
Find and List Phone ページが表示されます。7914 拡張モジュールを使用できるように設定したい Cisco IP Phone を検索できます。複数検索することもできます。
ステップ 3 検索条件を選択して入力し、 Find をクリックします。
Find and List Phone ページが再度表示され、検索条件と一致する IP フォン が表示されます。
ステップ 4 7914 拡張モジュールを使用できるように設定したい IP Phone をクリックします。
Phone Configuration ページが表示されます。
ステップ 5 このページの下にある Phone Button and Expansion Module Template Information セクションまでスクロールします。
ステップ 6 拡張モジュールを 1 つ追加するには、Expansion Module 1 フィールドで Default 7914 を選択します。
2 つ目の拡張モジュールを追加するには、Expansion Module 2 フィールドで Default 7914 を選択します。
このページの Firmware Load Information セクションには、拡張モジュール 1 と 2 用のファームウェア ロードを指定するためのフィールドが、2 つあります。これらのフィールドをブランクのままにすると、デフォルトのファームウェア ロードが使用されます。
ステップ 7 このページの一番上までスクロールし、 Update をクリックします。
変更内容を有効にするために IP フォンをリセットするように求めるメッセージが表示されます。 OK をクリックします。
ステップ 8 Reset Phone をクリックして、変更内容を有効にします。
(注) 必ず、IP Phone User Options アプリケーションの Web ページにアクセスする方法をユーザに知らせてください。ユーザは、このページにアクセスして、短縮ダイヤル サービスに登録し、7914 拡張モジュールの短縮ダイヤル ボタンを設定できます。詳細は、「Web サイトを使用したユーザへの情報提供」を参照してください。