Gx エイリアスの機能拡張

マニュアルの変更履歴


(注)  


リリース 21.24 よりも前に導入された機能については、詳細な改訂履歴は示していません。


改訂の詳細

リリース

初版

21.24 より前

機能説明

Gx エイリアス拡張機能は、単一の Gx エイリアスルール名を使用して、事前定義ルールのセットを複数インストールする手法です。このルール名は PCRF から取得され、PCEF に対して透過的です。PCRF は、各ルールに名前を付けることでそのルールをアクティブ化または非アクティブ化します。

この機能は、デフォルトベアラーにのみインストールされるルールに適用されます。多数のルールを正常にインストールするには、[ACS Configuration] モードで no policy-control update-default-bearer CLI コマンドを設定するか、[ACS Rulebase Configuration] モードで no tft-notify-ue-def-bearer CLI コマンドを設定して、rulebase ごとに実装する必要があります。[Gx-alias Group of Ruledef (GoR)] で定義されているすべての ruledef は、セッションに適用されるように rulebase でも定義する必要があります。

機能の仕組み

CP は Gx エイリアスの GoR を拡張し、PDR ID をこれらのインストール済みのルールに割り当て、ベンダー固有の TLV で情報を伝送します。この情報の一部として、開始 PDR ID と終了 PDR ID を含む Gx エイリアス名が UP に送信されます。UP は、この新しい TLV を受信した後、Gx エイリアスを ruledef に展開し、UP の設定に準拠した順序で対応する PDR ID をマッピングします。

Gx エイリアス拡張機能の機能/動作は次のとおりです。

  • CP、UP ともに、Gx エイリアス GoR の内容および順序は、設定の更新の前後でまったく同じです。

  • Gx エイリアス GoR への新しい ruledef の追加は、新しいセッションにのみ適用されます。既存のセッションで処理されるのは、Gx エイリアス GoR からの ruledef の削除のみです。

  • Gx エイリアスが ruledef にマッピングされている場合、UP の事前定義ルール機能は効果がありません。つまり、URR-ID/課金は、使用されている Gx エイリアスに対して透過的です。

  • 設定可能な GoR の上限:64

  • GoR あたりのルールの最大数:512

  • デフォルトベアラーあたりのルールの最大数:2048

Gx エイリアスの IE フォーマット

次の表に、Gx エイリアス機能の IE フォーマットとエンコーディングに関する情報を示します。

ビット
オクテット 8 7 6 5 4 3 2 1
1 ~ 2 タイプ = 246(10 進数)
3 ~ 4 長さ n [最小 = 7、最大 = 69 {5+ACSCTRL_GRP_OF_RDEFS_NAMELEN (64)}]
5 フラグ(GoR ルールの追加/削除)

例:GoR にルールを追加する場合は「1」、削除する場合は「0」

6 ~ 7 開始 PDR ID
8 ~ 9 終了 PDR ID
10 ~ n+4 Gx エイリアス GoR 名(最小サイズ = 2、最大サイズ = 64)

PFCP_IE_GX_ALIAS:Gx エイリアス GoR 名、開始および終了 PDR ID、および Sx セッション確立/変更要求メッセージ中にコントロールプレーンからユーザープレーンに実行する操作を伝達する IE。

通話フロー

ここでは、Gx エイリアス拡張コールフローについて説明します。

ステップ 説明
1 S-GW が SAEGW-PGW-C に S5/S8 SGW-U FEID を含むセッション作成要求を送信します。
2

SAEGW は、PCRF との Gx 通信 CCR-I を実行します。

CUPS SAEGW の Pure-P コール中に、SAEGW-PGW-C は次の処理を実行します。

  • Gx インタラクション後、PCRF との Gx 通信(CCR-I および CCA-I)を実行する。

  • IP プール(APN に関連付けられた IP プール)が設定されたユーザー プレーン プロファイルに基づいて、ユーザープレーンの選択を実行する。

  • IPv6/IPv4v6 PDN の RA/RS に必要な GTP-U セッションを確立する。

  • 選択したユーザープレーンとの Sxab インタラクションを実行する。

3

PCRF は、SAEGW との Gx 通信 CCA-I を実行します。

Sx 確立要求セッションには、次の情報が含まれます。

  • アップリンクおよびダウンリンクデータパスの GoR/GoR アクション/FAR/URR 情報:ダイナミック/事前定義/静的ルール。

  • また、コントロールプレーンは、P-GW 入力(PDR S5/S8 PGW-U F-TEID)に F-TEID を割り当てるようユーザープレーンに要求します。Gx エイリアス GoR では、ruledef は、Day-0 設定の一部であるコントロールプレーンとユーザープレーンで同じ順序内にある必要があります。新しく設定されたルールは、シスコ固有のコントロールプレーンおよびユーザープレーンのノードペアである新しいセッションにのみ適用されます。

4

SAEGW は、ユーザープレーンとの Sx セッション確立要求(Sxb)を確立します。

Gx エイリアスの新しい IE フォーマットである PFCP_IE_GX_ALIAS は、次のアクションを実行します。

  • Gx エイリアス GoR(Group-of-Ruledef)名の通信

  • 開始/終了 PDR ID

  • Sx セッションの確立/変更要求メッセージ中の、コントロールプレーンからユーザープレーンに対する操作

5 ユーザープレーンは、Sx セッション確立応答の一部として「P-GW ingress PDR S5/S8-U PGW F-TIED」情報を提供し、SAEGW-PGW-C との Sx セッション確立応答(Sxb)を確立します。
6 Sx セッション確立応答を受信すると、SAEGW-PGW-C は「S5/S8-U PGW F-TEID」を含むセッション作成応答を S-GW に送信します。

制限事項

この機能には次の既知の制限事項があります。

  • IE 処理は、シスコがサポートするコントロールプレーンとユーザープレーンのノード間でのみ適用されます。Gx エイリアス GoR で設定された ruledef はすべて、デフォルトのベアラーにのみバインドされます。

  • リカバリ時間の超過を回避するために、セッションリカバリ時には 8 つの GoR のみリカバリされます。設定する GoR の推奨最大数は 8 です。

  • 2,048 個のルールを使用すると、セッションのスケーリングに影響が出る可能性があります。デフォルトベアラーごとのルールの推奨最大数は 1,000 です。