Cisco IOS XR ソフトウェアでのクリア チャネル SONET コントローラの設定
ここでは、Cisco IOS XR ソフトウェアをサポートするルータ上でのクリア チャネル SONET コントローラの設定について説明します。SONET コントローラの設定は、Cisco IOS XR ソフトウェアを使用するルータ上で Packet-over-SONET/SDH(POS)を設定するための準備手順です。
SONET では、多重化されたデジタル トラフィックのため光信号と同期フレーム構造を定義できます。これは、米国規格協会(ANSI)T1.105、ANSI T1.106、および ANSI T1.117 で規定されている、光ネットワークのための速度と形式を定義した規格セットです。
(注) Cisco CRS-1 ルータは、クリア チャネル SONET コントローラだけをサポートしています。Cisco XR 12000 シリーズ ルータは、1 ポート チャネライズド OC-3 および OC-12 SPA 上で、クリア チャネル SONET コントローラとチャネライズド SONET コントローラの両方をサポートしています。チャネライズド SONET コントローラの設定の詳細については、「Cisco IOS XR ソフトウェアでのチャネライズド SONET の設定」モジュールを参照してください。
レイヤ 1 SONET コントローラを設定するためのコマンドは、
『 Cisco IOS XR Interface and Hardware Component Command Reference 』に記載されています。
Cisco IOS XR ソフトウェアでの SONET コントローラの設定機能の履歴
|
|
リリース 2.0 |
Cisco CRS-1 ルータにこの機能が追加されました。 |
リリース 3.0 |
変更ありません。 |
リリース 3.2 |
Cisco XR 12000 シリーズ ルータのサポートが追加されました。 |
リリース 3.3.0 |
次のハードウェアについて、Cisco XR 12000 シリーズ ルータでのサポートが追加されました。 • Cisco XR 12000 SIP-401 • Cisco XR 12000 SIP-501 • Cisco XR 12000 SIP-601 Cisco XR 12000 シリーズ ルータ上で、2 ポート OC-48 POS/RPR SPA のサポートが追加されました。 Cisco CRS-1 ルータ上で、1 ポート OC-768c/STM-256c POS PLIM のサポートが追加されました。 |
リリース 3.4.0 |
次のハードウェアについて、Cisco CRS-1 ルータでのサポートが追加されました。 • 2 ポート OC-48/STM-16 POS SPA • 4 ポート OC-48/STM-16 POS SPA |
リリース 3.5.0 |
次の SPA について、Cisco XR 12000 シリーズ ルータでのサポートが追加されました。 • 1 ポート チャネライズド OC-3 SPA • 1 ポート チャネライズド OC-12 SPA • 2 ポート OC-12 POS • 4 ポート OC-12 POS • 8 ポート OC-12 POS • 4 ポート OC-3 POS • 8 ポート OC-3 POS |
リリース 3.6.0 |
変更ありません。 |
リリース 3.7.0 |
変更ありません。 |
リリース 3.8.0 |
次の項で、 delay trigger line コマンドが line delay trigger に更新されました。 • クリア チャネル SONET コントローラの設定方法 • Fast Reroute がトリガーされないようにするための hold-off タイマーの設定 |
クリア チャネル SONET コントローラを設定するための前提条件
SONET コントローラを設定する前に、次の作業が終了し条件が満たされていることを確認してください。
• この設定作業を行うには、Cisco IOS XR ソフトウェアのシステム管理者が、対応するコマンド タスク ID を含むタスク グループに関連付けられたユーザ グループにユーザを割り当てる必要があります。 すべてのコマンド タスク ID は、各コマンド リファレンスおよび『 Cisco IOS XR Task ID Reference Guide 』に記載されています。
タスク グループの割り当てについてサポートが必要な場合は、システム管理者に連絡してください。 ユーザ グループおよびタスク ID の詳細については、『 Cisco IOS XR Software System Security Configuration Guide 』の「 Configuring AAA Services on Cisco IOS XR Software 」モジュールを参照してください。
• 少なくとも次のいずれかの物理レイヤ インターフェイス モジュール(PLIM)カードがシャーシに搭載されていること。
– 4 ポート OC-3c/STM-1 POS SPA
– 8 ポート OC-12c/STM-4 POS SPA
– 2 ポート OC-48/STM-16 POS SPA(Cisco XR 12000 シリーズ ルータのみ)
– 4 ポート OC-48/STM-16 POS SPA(Cisco XR 12000 シリーズ ルータのみ)
– 16 ポート OC-48c/STM-16c POS
– 4 ポート OC-192c/STM-64c POS
– 1 ポート OC-192c/STM-64 POS/RPR XFP SPA
– 1 ポート OC-768c/STM-256c POS PLIM
• SONET コントローラ名とインスタンス ID を、汎用表記 rack/slot/module/port で指定する方法を知っていること。SONET コントローラ名とインスタンス ID は、 controller sonet コマンドで必要です。
SONET コントローラの設定に関する情報
SONET コントローラを設定するには、次の概念について理解する必要があります。
• 「SONET コントローラの概要」
• 「SONET コントローラのデフォルト設定値」
• 「SONET APS」
SONET コントローラの概要
Cisco IOS XR ソフトウェアをサポートするルータでは、ラインカード上の物理ポートはコントローラと呼ばれます。POS インターフェイスまたは SRP インターフェイスを設定する前に、SONET コントローラを設定する必要があります。
物理 SONET ポートを設定するために使用するコマンドは、SONET コントローラ コンフィギュレーション モードにグループ化されています。SONET コントローラ コンフィギュレーション モードを開始するには、グローバル コンフィギュレーション モードで controller sonet コマンドを入力します。
ルータは SONET コントローラをレイヤ 1 およびレイヤ 2 の処理で使用します。
(注) パス UNEQ は、OC-768 カードではサポートされていません。そのため、UNEQ-P アラームと PPLM アラームは、OC-768 インターフェイスで受信される未実装の C2 バイトに対してレポートされません。シスコは、ERDI-P 規格のうち、UNEQ-P コードを除くすべてのエラー コードをサポートしています。
SONET コントローラのデフォルト設定値
表 18 は、SONET コントローラに存在するデフォルト コンフィギュレーション パラメータの一部を説明したものです。
表 18 SONET コントローラのデフォルト設定値
|
|
|
SONET コントローラの次のアラームのレポート • ビット 1(B1)Bit Error Rate(BER; ビット誤り率)しきい値超過アラート(TCA)エラー • ビット 2(B2)BER TCA エラー • 信号障害 BER エラー • Section Loss OfFframe(SLOF; セクション フレーム損失)エラー • Section Loss Of Signal(SLOS; セクション信号消失)エラー |
enabled |
デフォルトでイネーブルになっているアラームのレポートをディセーブルにするには、SONET/SDH コンフィギュレーション モードで no report [ b1-tca | b2-tca | sf-ber | slof | slos ] コマンドを使用します。 Line Alarm Indication Signal(LAIS; ラインのアラーム表示信号)、Line Remote Defect Indication(LRDI; ラインのリモート障害表示)、信号劣化 BER エラーのレポートをイネーブルにするには、SONET/SDH コンフィギュレーション モードで report [ lais | lrdi | sd-ber ] コマンドを使用します。 |
SONET パス コントローラの次のアラームのレポート • ビット 3(B3)BER TCA エラー • Path Loss Of Pointer(PLOP; パス ポインタ損失)エラー |
enabled |
SONET パス コントローラ上で B3 BER TCA または PLOP レポートをディセーブルにするには、SONET/SDH パス コンフィギュレーション サブモードで no report b3-tca コマンドまたは no report plop コマンドを入力します。 Path Alarm Indication Signal(PAIS; パス アラーム検出信号)、Path Payload Mismatch(PPLM; パス ペイロード ミスマッチ)、Path Remote Defect Indication(PRDI; パス リモート障害検出)、Path Trace Identity Mismatch(PTIM)エラーのレポートをイネーブルにするには、SONET/SDH パス コンフィギュレーション サブモードで report [ pais | pplm | prdi | ptim ] コマンドを使用します。 |
Synchronous Payload Envelope(SPE; 同期ペイロード エンベロープ)スクランブリング |
enabled |
SONET コントローラで SPE スクランブリングをディセーブルにするには、SONET コントローラ コンフィギュレーション サブモードで path scrambling disable コマンドを入力します。 |
キープアライブ タイマー |
enabledrep |
キープアライブ タイマーをオフにするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで keepalive disable コマンドを入力します。 |
SONET APS
APS 機能を使用すると、障害時に Packet-over-SONET(POS)インターフェイスのスイッチオーバーが可能になります。この機能は、SONET 機器を交換機器に接続する際に多くの場合必要になります。APS は、SONET ネットワークで、「現用」 POS インターフェイスのバックアップとして「保護」 POS インターフェイスを使用するメカニズムを指します。現用インターフェイスが障害になると、保護インターフェイスがすぐにトラフィック負荷を引き受けます。現用インターフェイスとその保護インターフェイスは、「APS グループ」を構成します。
Cisco IOS XR ソフトウェアで、SONET APS コンフィギュレーションにより、各冗長回線ペアの現用回線と保護回線が定義されます。現用回線は、プライマリ(優先される)回線であり、回線が動作可能であるかぎり、通信はその回線上で行われます。現用回線が障害になった場合、APS は保護回線へのスイッチオーバーを開始します。2 つのルータ間で APS が適切に動作するためには、1 つのルータの現用回線が、他のルータでも現用回線になっている必要があります。同じことは、保護回線にも当てはまります。
SONET APS グループで、各接続は双方向または単方向、リバーティブまたは非リバーティブです。同じ信号ペイロードが現用インターフェイスと保護インターフェイスに送信されます。現用インターフェイスと保護インターフェイスは、同じカードの 2 つのポートで終点していても、同じルータ内の別のカードで終端していても、2 台の異なるルータで終端していても構いません。
保護インターフェイスは、劣化、チャネル信号消失、手動介入の際に、アクティブ化するか非アクティブ化するかを現用インターフェイスに対して指示します。現用インターフェイスと保護インターフェイスの間の通信が失われた場合、現用ルータは、保護回線が存在しないかのように、現用インターフェイスの完全な制御を引き受けます。
APS グループでは、それぞれの回線は「チャネル」と呼ばれます。双方向モードでは、受信チャネルと送信チャネルがペアで切り替えられます。単方向モードでは、送信チャネルと受信チャネルは独立して切り替えられます。たとえば、双方向モードで、現用インターフェイスの受信チャネルでチャネル信号消失が発生した場合、受信チャネルと送信チャネルの両方が切り替えられます。
クリア チャネル SONET コントローラの設定方法
ここでは、次の手順について説明します。
• 「クリア チャネル SONET コントローラの設定」
• 「SONET APS の設定」
• 「Fast Reroute がトリガーされないように hold-off タイマーを設定する」
クリア チャネル SONET コントローラの設定
ここでは、POS インターフェイスと SRP インターフェイスを設定するための前提条件として SONET コントローラを設定する方法について説明します。
前提条件
• Cisco IOS XR ソフトウェアが動作するルータに POS ラインカードまたは SPA が搭載されている必要があります。
• ファイバ障害または機器障害から回復できるようにするには、「SONET APS の設定」の説明に従って、ルータ上で SONET APS を設定します。
手順の概要
1. show version
2. show interface s [ pos | srp ] interface-path-id
3. configure
4. controller sonet interface-path-id
5. clock source { internal | line }
6. line delay trigger value
7. line delay clear value
8. framing { sdh | sonet }
9. loopback { internal | line }
10. overhead { j0 | s1s0 } byte-value
11. path keyword [ values ]
12. end
または
commit
13. show controllers sonet interface-path-id
詳細手順
|
|
|
ステップ 1 |
show version
RP/0/RP0/CPU0:router# show version |
(任意)現在のソフトウェア バージョンを表示します。また、ルータがモジュラ サービス カードを認識していることを確認する場合にも使用できます。 |
ステップ 2 |
show interface s [ pos | srp ] interface-path-id
RP/0/RP0/CPU0:router# show interface pos 0/1/0/0 |
(任意)設定済みのインターフェイスを表示し、各インターフェイス ポートのステータスを確認します。 |
ステップ 3 |
configure
RP/0/RP0/CPU0:router# configure |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
controller sonet interface-path-id
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# controller sonet 0/1/0/0 |
SONET コントローラ コンフィギュレーション サブモードを開始し、SONET コントローラ名とインスタンス ID を、rack/slot/module/port 表記で指定します。 |
ステップ 5 |
clock source { internal | line }
RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# clock source internal |
SONET ポート送信クロック ソースを設定します。 internal キーワードを指定すると内部クロックが設定され、 line キーワードを指定すると回線から再生したクロックが設定されます。 • ネットワークからクロッキングを得られる場合は、必ず line キーワードを使用します。 internal キーワードは、2 台のルータがバックツーバックで接続されているか、クロッキングが利用できないファイバで接続されている場合に使用します。 • デフォルトは line クロックです。 (注) スペース再利用プロトコル(SRP)インターフェイスでは、内部クロッキングが必要です。 |
ステップ 6 |
line delay trigger value
RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# line delay trigger 3000 |
(任意)SONET 回線遅延トリガー値を設定します。トリガー値の範囲は 0 ~ 60000 ミリ秒で、デフォルトの遅延トリガー値は 0 ミリ秒です。 |
ステップ 7 |
line delay clear value
RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# line delay clear 4000 |
(任意)SONET 回線遅延トリガー アラームがクリアされるまでの時間を設定します。範囲は 1000 ~ 180000 ミリ秒で、デフォルトは 10 秒です。 |
ステップ 8 |
framing { sdh | sonet }
RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# framing sonet |
(任意)コントローラ フレーム構成を設定します。同期デジタル ハイアラーキ(SDH)フレーム構成の場合は sdh キーワードを、SONET フレーム構成の場合は sonet キーワードを使用します。 SONET フレーム構成( sonet )がデフォルトです。 |
ステップ 9 |
loopback { internal | line }
RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# loopback internal |
(任意)ループバック用の SONET コントローラを設定します。 internal キーワードは、内部(ターミナル)ループバックを選択し、 line キーワードは回線(ファシリティ)ループバックを選択します。 |
ステップ 10 |
overhead { j0 | s1s0 } byte-value
RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# overhead s1s0 |
(任意)コントローラのオーバーヘッドを設定します。 j0 キーワードは STS ID(J0/C1)バイトを指定し、 s1s0 キーワードは H1 バイトのビット s1 および s0 を指定します。 • j0 キーワードのデフォルト バイト値は 0xcc、 s1s0 キーワードのデフォルト バイト値は 0 です。 • j0 と s1s0 の有効な値の範囲は 0 ~ 255 です。 |
ステップ 11 |
path keyword [values]
RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# path delay trigger 25 |
(任意)SONET コントローラ パス値を設定します。 キーワードの定義は次のとおりです。 • ais-shut :シャットダウン時のパス アラーム検出信号(PAIS)の送信を設定します。 • delay trigger value :SONET パス遅延または遅延トリガー値を設定します。 value 引数には、0 ~ 60000 ミリ秒の範囲の数値を指定します。デフォルト値は 0 ミリ秒です。 • overhead [ c2 byte-value | j1 line ]:SONET POH バイト値またはビット値を設定します。STS SPE コンテント(C2)バイトを指定するには c2 キーワードを入力し、 byte-value 引数に 0 ~ 255 の範囲の数値を指定します。SONET パス トレース(J1)バッファを設定するには、 j1 キーワードを入力し、 line 引数にパス トレース バッファ ID を(ASCII テキストで)指定します。 • report [b3-tca | pais | plop | pplm | prdi | ptim ]:SONET パス アラーム レポートを設定します。レポートするアラームと、アラームを発生させるビット誤り率(BER)しきい値を指定します。デフォルトでは、B3 BER しきい値超過アラート(TCA)とパス ポインタ損失(PLOP)レポートがイネーブルになっています pais キーワードを指定すると、PAIS レポート ステータスが設定されます。 pplm は、パス ペイロード ミスマッチ(PPLM)障害レポート ステータスを設定します。 prdi は、パス リモート障害検出(PRDI)レポート ステータスを設定します。 ptim は、Path Trace Identity Mismatch(PTIM)障害レポート ステータスを設定します。 SONET/SDH パス コンフィギュレーション サブモードで no report b3-tca コマンドおよび no report plop コマンドを入力すると、それぞれ B3 BER TCA および PLOP レポート ステータスがディセーブルになります。 • scrambling disable :SPE スクランブリングをディセーブルにします。SPE スクランブリングはデフォルトでイネーブルになっています。 • threshold b3-tca BER :SONET パス BER しきい値を設定します。 BER 引数には、3 ~ 9 の範囲の数値を指定します。しきい値は、ビット誤り率を決定するときに、10 の負の指数として解釈されます。たとえば、値 5 は、ビット誤り率が 10 のマイナス 5 乗であることを意味します。デフォルトの BER しきい値は 6 です。 • uneq-shut :シャットダウン時の未実装(UNEQ)の送信を設定します。 |
ステップ 12 |
end または commit
RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# end または RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# commit |
設定変更を保存します。 • end コマンドを発行すると、変更のコミットを求めるプロンプトが表示されます。
Uncommitted changes found, commit them before exiting(yes/no/cancel)?
– yes と入力すると、実行コンフィギュレーション ファイルに設定変更が保存され、コンフィギュレーション セッションが終了し、ルータが EXEC モードに戻ります。 – no と入力すると、設定変更をコミットせずにコンフィギュレーション セッションが終了し、ルータが EXEC モードに戻ります。 – cancel と入力すると、コンフィギュレーション セッションの終了や設定変更のコミットは行われず、ルータでは現在のコンフィギュレーション セッションが継続されます。 • 設定変更を実行コンフィギュレーション ファイルに保存し、コンフィギュレーション セッションを継続するには、 commit コマンドを使用します。 |
ステップ 13 |
show controllers sonet interface-path-id
RP/0/RP0/CPU0:router# show controllers sonet 0/1/0/0 |
SONET コントローラの設定を確認します。 |
次に行う作業
• 関連する POS インターフェイスを設定するには、 このマニュアルで後述する「 Cisco IOS XR ソフトウェアでの POS インターフェイスの設定 」モジュールを参照してください。
• 関連する SRP インターフェイスを設定するには、 このマニュアルで後述する「 Cisco IOS XR ソフトウェアでの SRP インターフェイスの設定 」モジュールを参照してください。
SONET APS の設定
SONET APS は、SONET 回線層でファイバ(外部)障害または機器(インターフェイスおよび内部)障害からの回復機能を提供します。ここでは、ルータで基本的な自動保護スイッチング(APS)を設定する方法と、 aps group コマンドを使用して、ルータ上で複数の保護インターフェイスまたは現用インターフェイスを設定する方法について説明します。
コンフィギュレーションを確認する場合や、スイッチオーバーが発生したかどうかを確認するには、 show aps コマンドを使用します。
前提条件
Cisco IOS XR ソフトウェアが動作するルータに POS ラインカードまたは SPA が搭載されている必要があります。
制約事項
2 つのルータ間で APS が適切に動作するためには、1 つのルータの現用回線が、他のルータでも現用回線になっている必要があります。同じことは、保護回線にも当てはまります。
手順の概要
1. configure
2. aps group number
3. channel { 0 | 1 } local sonet interface
4. APS グループ内の各チャネルに対してステップ 3 を繰り返します。
5. exit
6. interface loopback number
7. ipv4 address ip-address mask
8. exit
9. interface pos interface-path-id
10. ipv4 address ip-address mask
11. pos crc { 16 | 32 }
12. keepalive { seconds | disable }
13. no shutdown
14. グループ内の各チャネルに対してステップ 9 ~ 13 を繰り返します。
15. exit
16. controller sonet interface-path-id
17. ais-shut
18. path scrambling disable
19. clock source { internal | line }
20. グループの各チャネルに対してステップ 16 ~ 19 を繰り返します。
21. end
または
commit
22. exit
23. exit
24. show aps
25. show aps group [ number ]
詳細手順
|
|
|
ステップ 1 |
configure
RP/0/RP0/CPU0:router# configure |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
aps group number
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# aps group 1 |
指定した番号を持つ APS グループを追加して、APS グループ コンフィギュレーション モードを開始します。 • aps group コマンドは、グローバル コンフィギュレーション モードで使用します。 • グループを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。たとえば、 no aps group number のように入力します。ここで、値の範囲は 1 ~ 255 です。 コマンドを使用するには、aps コマンドの適切なタスク ID に関連付けられたユーザ グループのメンバーでなければなりません。 コマンドは、設定する保護グループが 1 つだけの場合でも使用します。 |
ステップ 3 |
channel { 0 | 1 } local sonet interface
RP/0/RP0/CPU0:router(config-aps)# channel 0 local SONET 0/0/0/1 |
APS グループのチャネルを作成します。 0 は保護チャネルを指定し、 1 は現用チャネルを指定します。 コマンドを使用して割り当てる必要があります。 |
ステップ 4 |
グループ内の各チャネルに対してステップ 3 を繰り返します |
- |
ステップ 5 |
|
APS グループ コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 6 |
interface loopback number
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface loopback 1 |
(任意)2 台のルータによる APS が望ましい場合にループバック インターフェイスを設定し、ループバック インターフェイスのインターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 (注) この例で、ループバック インターフェイスは相互接続として使用されています。 |
ステップ 7 |
ipv4 address ip-address mask
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# ipv4 address 172.18.0.1 255.255.255.224 |
ループバック インターフェイスに IPV4 アドレスおよびサブネット マスクを割り当てます。 |
ステップ 8 |
|
ループバック インターフェイスのインターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 9 |
interface pos
interface-path-id
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# interface POS 0/2/0/0 |
ステップ 3 で選択したチャネルのインターフェイスを接続し、POS インターフェイスのインターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 10 |
ipv4 address ip-address mask
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# ipv4 address 172.18.0.1 255.255.255.224 |
POS インターフェイスに IPv4 アドレスとサブネット マスクを割り当てます。 |
ステップ 11 |
pos crc { 16 | 32 }
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# pos crc 32 |
チャネルの CRC 値を選択します。16 ビットの CRC モードを指定するには 16 キーワード、 32 ビットの CRC モードを指定するには 32 キーワードを入力します。 です。 |
ステップ 12 |
keepalive { seconds | disable }
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# keepalive 3
または
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# keepalive disable
|
リンク制御プロトコル(LCP)がピアに ECHOREQ を送信する頻度(秒)を指定します。デフォルトのキープアライブ インターバルは 10 秒です。 システムをデフォルトのキープアライブ インターバルに戻すには、 no keepalive コマンドを使用します。 キープアライブ タイマーをディセーブルにするには、 keepalive disable コマンドを使用します。 |
ステップ 13 |
no shutdown
RP/0/RP0/CPU0:router(config-if)# no shutdown |
shutdown 設定を削除します。 • shutdown 設定を削除すると、インターフェイスで強制管理ダウンが削除され、インターフェイスがアップまたはダウン状態に移行できるようになります(親 SONET レイヤが管理ダウンに設定されていないことが前提です)。 |
ステップ 14 |
グループ内の各チャネルに対してステップ 9 ~ 13 を繰り返します。 |
- |
ステップ 15 |
|
POS インターフェイスのインターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 16 |
controller sonet interface-path-id
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# controller sonet 0/1/0/0 |
SONET コントローラ コンフィギュレーション モードを開始し、SONET コントローラ名とインスタンス ID を rack/slot/module/port 表記で指定します。 |
ステップ 17 |
ais-shut
RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# ais-shut |
シャットダウン時の Alarm Indication Signal(AIS; アラーム表示信号)など、POS パス値を設定します。 |
ステップ 18 |
path scrambling disable
RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# path scrambling disable |
(任意)同期ペイロード エンベロープ(SPE)のスクランブリングをディセーブルにします。 (注) SPE スクランブリングはデフォルトでイネーブルです。 |
ステップ 19 |
clock source { internal | line }
RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# clock source internal |
SONET ポートの TX クロック ソースを設定します。 internal キーワードを指定すると内部クロックが設定され、 line キーワードを指定すると回線から再生されたクロックが設定されます。 • クロッキングをネットワークから得る場合には、必ず line キーワードを使用します。 internal キーワードは、2 台のルータがバックツーバックで接続されているか、クロッキングが利用できないファイバで接続されている場合に使用します。 • デフォルトは回線クロック( line )です。 |
ステップ 20 |
グループ内の各チャネルに対してステップ 16 ~ 19 を繰り返します。 |
- |
ステップ 21 |
end または commit
RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# end または RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# commit |
設定変更を保存します。 • end コマンドを発行すると、変更のコミットを求めるプロンプトが表示されます。
Uncommitted changes found, commit them before exiting(yes/no/cancel)?
– yes と入力すると、実行コンフィギュレーション ファイルに設定変更が保存され、コンフィギュレーション セッションが終了し、ルータが EXEC モードに戻ります。 – no と入力すると、設定変更をコミットせずにコンフィギュレーション セッションが終了し、ルータが EXEC モードに戻ります。 – cancel と入力すると、コンフィギュレーション セッションの終了や設定変更のコミットは行われず、ルータでは現在のコンフィギュレーション セッションが継続されます。 • 設定変更を実行コンフィギュレーション ファイルに保存し、コンフィギュレーション セッションを継続するには、 commit コマンドを使用します。 |
ステップ 22 |
exit |
SONET コントローラ コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 23 |
exit |
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、EXEC モードを開始します。 |
ステップ 24 |
show aps
RP/0/RP0/CPU0:router# show aps |
(任意)設定済みのすべての SONET APS グループの動作ステータスを表示します。 |
ステップ 25 |
show aps group [ number ]
RP/0/RP0/CPU0:router# show aps group 3 |
(任意)設定済みの SONET APS グループの動作ステータスを表示します。 コマンドよりも有用です。 |
次に行う作業
• APS グループ内で POS インターフェイスを設定するには、 このマニュアルで後述する「 Cisco IOS XR ソフトウェアでの POS インターフェイスの設定 」モジュールを参照してください。
• CORE ネットワークの復元中に FRR がトリガーされないように hold-off タイマーを設定するには、このマニュアルで後述する「Fast Reroute がトリガーされないように hold-off タイマーを設定する」モジュールを参照してください。
Fast Reroute がトリガーされないように hold-off タイマーを設定する
APS がルータ上で設定されている場合、トンネルに対する保護が提供されません。この制限のため、Fast Reroute(FRR)がいまだにマルチプロトコル ラベル スイッチング(MPLS)トラフィック エンジニアリングの保護メカニズムになっています。
APS が SONET コア ネットワーク中で設定されている場合、ルータのダウンストリームに向けてアラームが生成されることがあります。ルータのダウンストリームで FRR が設定されている場合は、SONET レベルで hold-off タイマーを設定し、CORE ネットワークの復元中に FRR がトリガーされないようにしたいことがあります。遅延を設定するにはこの作業を実施します。
手順の概要
1. configure
2. controller sonet interface-path-id
3. line delay trigger value
または
path delay trigger value
4. end
または
commit
詳細手順
|
|
|
ステップ 1 |
configure
RP/0/RP0/CPU0:router# configure |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
controller sonet interface-path-id
RP/0/RP0/CPU0:router(config)# controller sonet 0/6/0/0 |
SONET コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
line delay trigger value または path delay trigger value
RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# line delay trigger 250 or RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# path delay trigger 300 |
SONET ポート遅延トリガー値をミリ秒単位で設定します。 のように入力できます。 |
ステップ 4 |
end または commit
RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# end または RP/0/RP0/CPU0:router(config-sonet)# commit |
設定変更を保存します。 • end コマンドを発行すると、変更のコミットを求めるプロンプトが表示されます。
Uncommitted changes found, commit them before exiting(yes/no/cancel)?
– yes と入力すると、実行コンフィギュレーション ファイルに設定変更が保存され、コンフィギュレーション セッションが終了し、ルータが EXEC モードに戻ります。 – no と入力すると、設定変更をコミットせずにコンフィギュレーション セッションが終了し、ルータが EXEC モードに戻ります。 – cancel と入力すると、コンフィギュレーション セッションの終了や設定変更のコミットは行われず、ルータでは現在のコンフィギュレーション セッションが継続されます。 • 設定変更を実行コンフィギュレーション ファイルに保存し、コンフィギュレーション セッションを継続するには、 commit コマンドを使用します。 |
次に行う作業
• APS グループ内で POS インターフェイスを設定するには、このマニュアルで後述する 「 Cisco IOS XR ソフトウェアでの POS インターフェイスの設定 」モジュールを参照してください。
SONET コントローラの設定例
ここでは、次の例について説明します。
• 「SONET コントローラの設定:例」
• 「SONET APS グループの設定:例」
SONET コントローラの設定:例
次に、「クリア チャネル SONET コントローラの設定」で概要を示した手順の後で SONET コントローラの設定を行った場合のコマンドと出力の例を示します。この例は、すべてのオプション コマンドの使用方法と、コマンド内でのオプションの一覧を示しています。実際の設定では、これらのコマンドの一部を使用しない場合があります。
Loopback is a traffic-effecting operation
SONET APS グループの設定:例
次に、SONET ローカル(1 台のルータ)APS の設定例を示します。
channel 0 local SONET 0/0/0/1
channel 1 local SONET 0/0/0/2
次に、SONET リモート(2 台のルータ)APS の設定例を示します。
RP/0/0/CPU0:router(config)# aps group 1
channel 0 local SONET 0/0/0/1
channel 1 remote 172.18.69.123
関連情報
SONET コントローラを設定した後、そのコントローラに関連する POS インターフェイスまたは SRP インターフェイスを設定できます。
• POS インターフェイスを設定するには、このマニュアルの 「 Cisco IOS XR ソフトウェアでの POS インターフェイスの設定 」モジュールを参照してください。
• SRP インターフェイスを設定するには、このマニュアルの 「 Cisco IOS XR ソフトウェアでの SRP インターフェイスの設定 」モジュールを参照してください。
その他の参考資料
ここでは、SONET コントローラの設定に関する関連資料について説明します。
関連資料
|
|
Cisco IOS XR マスター コマンド リファレンス |
『Cisco IOS XR Master Commands List』 |
Cisco IOS XR インターフェイス コンフィギュレーション コマンド |
『Cisco IOS XR Interface and Hardware Component Command Reference』 |
Cisco IOS XR ソフトウェアを使用するルータを初回に起動し設定するための情報 |
『Cisco IOS XR Getting Started Guide』 |
ユーザ グループとタスク ID に関する情報 |
『 Cisco IOS XR System Security Configuration Guide 』の「 Configuring AAA Services on Cisco IOS XR Software」モジュール |
リモートの Craft Works Interface(CWI)クライアント管理アプリケーションからの、ルータのインターフェイスとその他のコンポーネントの設定に関する情報 |
『Cisco Craft Works Interface Configuration Guide』 |
規格
|
|
この機能によりサポートされた新規規格または改訂規格はありません。またこの機能による既存規格のサポートに変更はありません。 |
- |
RFC
|
|
この機能によりサポートされた新規 RFC または改訂 RFC はありません。またこの機能による既存 RFC のサポートに変更はありません。 |
- |
シスコのテクニカル サポート
|
|
シスコのテクニカル サポート Web サイトでは、製品、テクノロジー、ソリューション、テクニカル ヒント、ツールへのリンクなど、さまざまな技術的コンテンツを検索可能な形で提供しています。Cisco.com に登録されている場合は、次のページからログインしてさらに多くのコンテンツにアクセスできます。 |
http://www.cisco.com/techsupport |