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Cisco IP Phone には、診断画面があります。この画面を使用すると、IP テレフォニー ネットワークに関連する問題のトラブルシューティングに役立つ情報を収集できます。
この章では、これらのツールおよびその使用方法を以下の項で詳しく説明します。
Cisco IP Phone 上で、現在の通話とネットワークについてのステータス情報を入手し、そのステータス情報から IP フォンのモデル、およびインストールされているファームウェア バージョンを確認することができます。
アクティブなコールに問題が発生した場合、有用なトラブルシューティング情報を入手できます。この情報は、問題を解決し、以降の通話時に同じ問題を発生させないために役立ちます。
通話中に、 ? ボタンをすばやく 2 回押すと、 次の情報が表示されます。
• RxType:受信された音声ストリームのタイプ(RTP ストリーミング オーディオ。G.729、G.711 μ-law、G.711 A-law、または Lin16k)。
• RxSize:受信音声ストリーム(RTP ストリーミング オーディオ)内の音声パケットのサイズ(ミリ秒単位)。
• RxCnt:音声ストリームが開始された以降に受信された RTP 音声パケットの数(通話が保留になることがあるので、この数は通話の開始以降に受信されたパケット数と必ずしも一致しません)。
• TxType:送信された音声ストリームのタイプ(RTP ストリーミング オーディオ。G.729、G.711 m-law、G.711 A-law、または Lin16k)。
• TxSize:送信音声ストリーム内の音声パケットのサイズ(ミリ秒単位)。
• TxCnt:音声ストリームが開始された以降に送信された RTP 音声パケットの数(通話が保留になることがあるので、この数は、通話の開始以降に受信されたパケット数と必ずしも一致しません)。
• Avg Jtr:受信音声ストリームが開始された以降に観察された見積もり平均 RTP パケット ジッタ(ネットワークを通過するときにパケットに発生する動的遅延)。
• Max Jtr:受信音声ストリームが開始された以降に観察された最大ジッタ。
• RxDisc:受信音声ストリーム内の破棄された RTP パケットの数(不良パケット、過度の遅延など)。
• RxLost:欠落した RTP パケット(送信時に消失)。
• RxType/TxType は、使用中の IP フォンと相手側の装置との間のコールにどのコーデックが使用されているかを示します。コーデックが一致しない場合、相手側の装置でコーデック間会話がサポートされているかどうか、またはトランスコーダが設置されているかどうかを確認してください。
• 両方の装置で、サウンド サンプルのサイズ(RxSize/TxSize)が一致しなければなりません。
• 音声通話が途切れる場合は、AvgJtr と MaxJtr の値を確認してください。この 2 つの値に大きな差がある場合、ネットワーク上のジッタに問題があるか、またはネットワーク アクティビティが周期的に増加することを示すことがあります。
その他の情報については、次の Cisco.com から『Using the 79xx Status Information For Troubleshooting』の技術資料を参照してください。
http://www.cisco.com/warp/customer/788/AVVID/telecaster_trouble.html
ネットワーク設定の問題を診断する場合は、ステータス メッセージを使用してください。このメッセージには IP フォンの起動が完了していなくても、いつでもアクセスできます。
ステップ 2 セレクト ボタンを使用して、 Status を選択します。
ステップ 4 Status Messages を選択します。
ステップ 6 表 7-1 では、表示されるメッセージについて説明します。
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IP フォンが Cisco CallManager データベースに追加されると、その IP フォン用の設定ファイルが作成されます。該当する IP フォンが Cisco CallManager データベースに追加されていない場合、TFTP サーバでは • IP フォンが Cisco CallManager に登録されていません。 IP フォンの自動登録を使用しない場合は、手作業で IP フォンを Cisco CallManager に追加する必要があります。詳細は、「手作業による IP フォンの追加」を参照してください。 • DHCPを使用している場合は、DHCP サーバが正しい TFTP サーバを指定していることを確認します。 • 固定 IP アドレスを使用している場合は、 |
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IP フォンのファームウェアの新しいコピーを取得し、TFTPPath ディレクトリに置きます。このファイルのコピー作業は、TFTP サーバのソフトウェアが終了しているときだけ行ってください。そうしないと、ファイルが壊れる可能性があります。 |
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• ネットワークがビジー:ネットワークのロードが減少すると、このエラーは解決されます。 • DHCP サーバと IP フォン間のネットワーク接続がない:ネットワーク接続を確認してください。 • DHCP サーバがダウン:DHCP サーバの設定を確認してください。 • エラーが続く:固定 IP アドレスの割り当てを検討してください。固定 IP アドレスの割り当てに関する詳細は、「IP 設定値の指定」を参照してください。 |
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• ネットワークがビジー:ネットワークのロードが減少すると、このエラーは解決されます。 |
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• TFTP サーバ、または Cisco CallManager のホスト名が、DNS で正しく設定されていることを確認します。 |
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• IP フォンに固定 IP アドレスがある場合、重複した IP アドレスを割り当てていないか確認します。詳細は、「IP アドレスの割り当て」を参照してください。 |
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1つまたは複数のローカリゼーション ファイルが、TFTPPath ディレクトリで見つからなかったか、無効でした。ロケールは変更されませんでした。 |
次のファイルが TFTPPath ディレクトリのサブディレクトリ内にあるかどうかを確認します。 • ネットワーク ロケールと同じ名前のサブディレクトリ内にあるファイル |
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いったん IP フォンの電源をオフにした後再びオンにするか、DHCP アドレスをリセットするまで、IP フォンはアイドル状態のままになります。詳細は、「DHCP 設定値の変更」を参照してください。 |
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IP フォンに割り当てられたロード ID を確認してください( Cisco CallManager > Device > Phone の順に選択します)。ロード ID が正しく入力されていることを確認してください。 |
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このエラーが発生するのは、新規 IP フォン上でハードウェアの変更をサポートしないソフトウェアのバージョンを、この IP フォンにインストールしようとした場合のみです。 IP フォンに割り当てられたロード ID を確認してください( Cisco CallManager > Device > Phone の順に選択します)。IP フォンに表示されるロード ID を再入力してください(IP フォンの設定を確認するには、「ファームウェア バージョンの確認」を参照してください)。 |
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• IP フォンに固定 IP アドレスがある場合は、デフォルト ルータが設定されているかどうかを確認します。詳細は、「デフォルト ルータの割り当て」を参照してください。 • DHCP を使用している場合は、DHCP サーバがデフォルト ルータを指定していません。DHCP サーバの設定を確認してください。 |
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• IP フォンに固定 IP アドレスがある場合は、DNS サーバが設定されていることを確認します。詳細は、「DNS サーバの割り当て」を参照してください。 • DHCP を使用している場合は、DHCP サーバが DNS サーバを指定していません。DHCP サーバの設定を確認してください。 |
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IP フォンの電源をいったんオフにした後、再度オンにして、このエラーを解決します。まだ問題が続く場合は、シスコの代理店に連絡してサポートを依頼してください。 |
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• DHCP を使用している場合は、DHCP サーバが正しい TFTP サーバを指定していることを確認します。 • 固定 IP アドレスを使用している場合は、TFTP サーバの設定を確認します。TFTP サーバの割り当てに関する詳細は、「TFTP オプションの設定」を参照してください。 |
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IP フォンに割り当てられたロード ID を確認します(Cisco CallManager > Device > Phone の順に選択します)。TFTPPath ディレクトリに、このロード ID の名前が付いた .bin ファイルがあることを確認してください。 |
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• ネットワークがビジー:ネットワークのロードが減少すると、このエラーは解決されます。 |
ステップ 2 セレクト ボタンを使用して、 Status を選択します。
ステップ 4 Network Statistics を選択します。
ここでは、IP フォンの LCD 画面に表示されるテキスト メッセージを説明します。
• TCP-timeout:許可された再試行時間を超えたため、接続がクローズした。
• TCP-Bad-ACK:受信した ACK が受け入れられないため、接続がクローズした。
• CM-reset-TCP:Cisco CallManager がクローズし、接続のクローズを開始した。
• CM-closed-TCP:Cisco CallManager がクローズし、接続のクローズを開始した。
• CM-aborted-TCP:Cisco CallManager がクローズし、接続のクローズを開始した。
• CM-NAKed:Cisco CallManager が接続の開始を拒否した。
• KeepaliveTO:キープアライブ タイムアウトが原因で、IP フォンがクローズした。
• Failback:優先順位が高い Cisco CallManager にフェールバックするため、IP フォンがクローズした。
• Phone-Loading:ソフトウェアをアップグレードするために IP フォンがクローズした。このメッセージが表示されるのは、ソフトウェアのアップグレード時に TFTP に障害が起きた場合だけです。
• Phone-Keypad:**#** でリセットされたため、IP フォンがクローズした。
• Phone-Re-IP:IP アドレスが重複しているため、IP フォンがクローズした。
• Reset-Reset:Cisco CallManager Administration から Reset/Reset を受信したため、IP フォンがクローズした。
• Reset-Restart:Cisco CallManager Administration から Reset/Restart を受信したため、IP フォンがクローズした。
• All-CMs-Bad:すべての Cisco CallManager サーバがキープアライブに失敗した状態を IP フォンが検出した。
• Phone-Reg-Rej:登録拒否を受信したため、IP フォンがクローズした。
• Phone-Initialized:ハードウェアのリセット後、またはハードウェアの電源をオンにした後、IP フォンの接続がクローズしていない。
• Elapsed time:IP フォンが Cisco CallManager に接続されてから経過した時間。
• Port 0 Full, 100:ネットワーク ポートがリンク アップ状態であり、全二重、100 Mbps 接続をオート ネゴシエーションした。
• Port 0 Half, 10:ネットワーク ポートがリンク アップ状態であり、半二重、10 Mbps 接続をオート ネゴシエーションした。
• Port 1 Full, 100:PC ポートがリンク アップ状態であり、全二重、100 Mbps 接続をオート ネゴシエーションした。
• Port 2 Down:PC ポートがリンク ダウン状態である。
ステップ 3 セレクト ボタンを使用して、次の情報を表示します。
• Application Load ID:IP フォンで実行されているファームウェアの ID
• Boot Load ID:IP フォンで実行されている出荷時にインストール済みのロード ID
• Ethernet Port 1(イーサネット ポート 1)
• Ethernet Port 2(イーサネット ポート 2。Cisco IP Phone 7910+SW の場合)
• Last Call Information(Codec Type):受信された音声ストリームのタイプ(RTP ストリーミング オーディオ。G.729、G.711 μ-law、G.711 A-law、または Lin16k)
ステップ 2 セレクト ボタンを使用して、 Status を選択します。
ステップ 4 Model Information を選択します。
ステップ 2 4( Model Information )を押します。
ステップ 2 セレクト ボタンを使用して、 Status を選択します。
ステップ 4 Firmware Versions を選択します。
• Application Load ID(アプリケーション ロード ID)
• Expansion Module 1(拡張モジュール1)
• Expansion Module 2(拡張モジュール2)
ステップ 2 4( Model Information )を押します。
• Application Load ID(アプリケーション ロード ID)
Web ブラウザを使用して、ネットワーク上の Cisco IP Phone のネットワーク アクティビティを、リモートからモニタすることができます。リモートでモニタするには、Web ブラウザを開き、 http:// <Cisco IP Phone IP アドレス> を入力します。ここで、 <Cisco IP Phone IP アドレス> は、現在 IP フォンに割り当てられている IP アドレスです。
• Cisco CallManager から Device > Phone の順に選択し、特定の IP フォンを検索します。Phone Configuration ページの一番上に、Cisco CallManager に登録されている IP フォンの IP アドレスが表示されます。
• IP フォン上で Settings > Network Configuration > IP Address の順に選択し、IP アドレスを確認します。
Web ブラウザに Cisco IP Phone の IP アドレスを入力すると、次の情報が表示されます。
• Network information(ネットワーク情報)
IP フォンをリセットすると、保存されていない変更が失われ、デフォルト設定に戻ります。
**#** を押します。Cisco IP Phone 7960/7940 がリセットされ、通常の起動プロセスが開始します。
ローカルで保存されている設定オプションをすべて消去したい場合は、設定を消去し、設定値をデフォルト値に復元することができます(DHCP の使用を含みます)。
ステップ 2 セレクト ボタンを使用して、 Network Configuration を選択します。
ステップ 4 スクロールして Erase Configuration を表示します。
設定の消去が指定されていない場合、このオプションは次のように表示されます。
ステップ 5 Yes ソフトキーを押して、設定を消去します。
ステップ 2 6 ( Network Configuration )を押します。
ステップ 3 下向き の音量キーを使用して、Erase Configuration を選択します。
設定の消去が指定されていない場合、このオプションは次のように表示されます。
ステップ 5 下向き の音量キーを使用して、Yes を選択します。
ファームウェア バージョンは、Cisco CallManager Administration アプリケーションからのみ更新できます。Cisco IP Phone から直接、ファームウェアを更新することはできません。
シスコのソフトウェア アップデートに付属の「Read Me」ファイルをお読みください。この Read Me ファイルには、新規ソフトウェアのインストレーションと設定についての重要な更新情報が記述されています。
ステップ 1 更新された IP フォン ロードを入手します。
入手可能な最新のソフトウェアは、次の Cisco Service & Support Software Center からダウンロードできます。
http://www.cisco.com/kobayashi/sw-center/sw-voice.shtml
ステップ 3 Cisco CallManager Administration で、 System > Device Defaults の順に選択します。
Cisco IP Phone 7960、7940、7910 の各モデルに対応する Device Type フィールドを見つけます。
ステップ 4 Load Information フィールドに、新規デバイス ロードを入力します。
ソフトウェア アップデートに付属の Read Me ファイルには、通常、次の情報があります。
• Cisco IP Phone 7960/7940:P003 で始まるデバイス ロード
• Cisco IP Phone 7910:P004 で始まるデバイス ロード
ステップ 6 Cisco CallManager Administration で、 System > CallManager Group の順に選択します。
ステップ 7 Cisco CallManager Group リストから、更新するグループを選択します。
ステップ 8 Reset Devices をクリックします。
Cisco IP Phone をネットワークにインストールし、Cisco CallManager に追加した後、IP フォンは、「起動プロセスの確認」に説明されているように起動します。IP フォンが正しく起動していないように見える場合は、次の項を参照して問題を解決してください。
• 「症状: Cisco IP Phone が起動せず、LCD 画面に何も表示されない」
• 「症状:Cisco IP Phone が Cisco CallManager に登録されない」
• 「症状: Cisco IP Phone がリセットされる」
Cisco IP Phone のネットワーク ポートにネットワークからのケーブルを接続すると、LED が点灯し、LCD 画面にメッセージが表示されます(正常な起動プロセスについては、「起動プロセスの確認」を参照)。IP フォンがこの起動プロセスを正常に実行しない場合は、IP フォンが機能しているかどうか、または設定に問題があって正常に起動しないのかを判別する必要があります。
IP フォンが機能しているかどうかを判別するには、他に起こりうる問題(たとえば、ケーブルの欠陥、ネットワークの障害、電力不足など)は、先に解決する必要があります。こうした他の原因を順を追って排除するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 ネットワーク ケーブルが機能しているかどうかを確認するために、次の作業を行います。
a. イーサネット ケーブルを、動作確認済みのケーブルと交換します。
b. 機能している Cisco IP Phone をネットワーク ケーブルから切り離し、このネットワーク ケーブルに接続して、このケーブルがアクティブであることを確認します。
c. 起動しない Cisco IP Phone を、別の正常なネットワーク ケーブルに接続します。
d. 起動しない Cisco IP Phone を、スイッチ上のポートに直接接続して、オフィス内のパッチ パネル接続を除去します。
ステップ 2 この IP フォンに電力が供給されているかどうかを確認するために、次の作業を行います。
b. インライン パワー(ケーブル供給電源)を使用している場合は、代わりに外部電源装置(AC アダプタ)を使用します。
c. 外部電源装置を使用している場合は、動作確認済みの電源装置に切り替えます。
ステップ 3 上記の解決法を実行しても、Cisco IP Phone の LCD 画面に引き続き 5 分間以上文字が表示されない場合は、シスコの代理店に連絡してサポートを依頼してください。
IP フォンの LED ボタンがオンとオフに点滅する第 1 段階を過ぎても、LCD 画面にメッセージが繰り返し表示される場合は、IP フォンは正常に起動していません。IP フォンはイーサネット ネットワークに接続され、Cisco CallManager サーバに登録されていなければ、正常に起動できません。
IP フォンが正常に起動しない理由を判別する際には、次の項を参照してください。
• 「Cisco CallManager への IP フォンの登録」
IP フォンで起動プロセスが繰り返されるときは、問題の原因についての情報を示すステータス メッセージにアクセスできます。Cisco IP Phone 7960/7940 で、 設定(settings)> Status > Status Messages の順に押して、これらのエラーを表示します。可能性のあるエラー メッセージ、およびその説明と解決法については、「ステータス メッセージの表示」を参照してください。
Cisco CallManager サーバへの登録が正常に行われるのは、IP フォンがそのサーバに追加されている場合、または自動登録が使用可能になっている場合だけです。「Cisco CallManager データベースへのIPフォンの追加」の説明と手順を参照して、IP フォンが Cisco CallManager データベースに追加されていることを確認してください。
IP フォンが Cisco CallManager データベース内にあるかどうかを確認するには、Cisco CallManager で Device > Find の順に選択して、IP フォンの MAC アドレスに基づいて IP フォンを検索します。検索する MAC アドレスを確認するには、IP フォン上で 設定(settings)> Network Configuration > MAC address の順に押します。
IP フォンがすでに Cisco CallManager データベース内にある場合は、この IP フォンの設定ファイルが破損している可能性があります。詳細は、「設定ファイルの新規作成」を参照してください。
IP フォンと TFTP サーバまたは Cisco CallManager との間でネットワークがダウンしている場合、IP フォンは正常に起動できません。ネットワークが現在稼働中であることを確認してください。
Cisco IP Phone は TFTP サーバの設定値を使用して、Cisco CallManager サーバを識別します。この設定値が正しくない場合、Cisco IP Phone は、識別した TFTP サーバと接続を繰り返すことがあります。TFTP サーバの設定値は、 設定(settings)> Network Configuration > TFTP Server 1 の順に選択して確認できます。
IP フォンに固定 IP アドレスを割り当てている場合は、この設定値を入力する必要があります。「IP 設定値の指定」を参照してください。
DHCP を使用している場合は、IP フォンは、DHCP サーバから TFTP サーバのアドレスを取得します。オプション 150 で設定されている IP アドレスを確認してください。次の Cisco.com から『Configuring Windows 2000 DHCP Server for Cisco CallManager』を参照してください。
http://www.cisco.com/warp/customer/788/AVVID/win2000_dhcp.html
また、IP フォンが代替 TFTP サーバを使用するように設定することもできます。 設定(settings)> Network Configuration > Alternate TFTP Server の順に選択してください。これは、この IP フォンが別の場所(たとえば、テスト ラボから実稼働ネットワークなど)に移動された直後である場合に、特に便利です。
代替 TFTP サーバを割り当てる場合は、事前に、ネットワーク設定値のロックを解除しておく必要があります(「ネットワーク設定値へのアクセス」を参照)。
IP フォンの IP アドレス指定とルーティングの設定値を確認する必要があります。DHCP を使用している場合は、DHCP サーバがこれらの値を指定します。IP フォンに固定 IP アドレスを割り当てた場合は、手作業でこれらの値を入力する必要があります。
Cisco IP Phone 上で、 設定(settings)> Network Configuration の順に押して、次の問題があるかどうかを確認します。
IP フォンに固定 IP アドレスを割り当てた場合は、ここで値を入力する必要はありません。ただし、DHCP サーバを使用する場合は、この DHCP Server フィールドに値が必要です。このフィールドに値がない場合は、IP ルーティングと VLAN 設定を確認してください。次の Cisco.com から『Troubleshooting Switch Port Problems』を参照してください。
http://www.cisco.com/warp/customer/473/53.shtml
• IP アドレス、サブネット マスク、またはデフォルト ルータ:アドレスが指定されていない
IP フォンに固定 IP アドレスを割り当てた場合は、手作業でこれらの設定値を入力する必要があります。「IP 設定値の指定」を参照してください。
DHCP を使用している場合は、DHCP サーバが配布した IP アドレスを確認します。次の Cisco.com から『Understanding and Troubleshooting DHCP in Catalyst Switch or Enterprise Networks』を参照してください。
http://www.cisco.com/warp/customer/473/100.html#41
DNS を使用して TFTP サーバまたは Cisco CallManager を参照する場合は、DNS サーバを指定済みであることを確認する必要があります。 設定(settings)> Network Configuration > DNS Server 1 の順に選択します。また、TFTP サーバと Cisco CallManager システムの CNAME エントリが、DNS サーバにあることも確認する必要があります。
DNS がリバース ルックアップを実行するように設定されていることも確認してください。Windows 2000 のデフォルト設定では、フォワード ルックアップのみを実行します。
Cisco IP Phone 上で、 設定(settings)> Network Configuration > CallManager 1 , 2 , 3 , 4 , 5 の順に押します。Cisco IP Phone は、割り当てられている Cisco CallManager グループ内のすべての Cisco CallManager サーバとの TCP 接続を開始しようとします。これらのフィールドのいずれにも IP アドレス、または「Active」状態あるいは「Standby」状態がない場合、IP フォンは Cisco CallManager に正しく登録されていません。この問題を解決する際のヒントについては、「Cisco CallManager への IP フォンの登録」を参照してください。
Cisco CallManager サービスまたは TFTP サービスが実行されていない場合、IP フォンは正常に起動できないことがあります。この場合、システム全体に障害が起きている可能性があります。システム全体の障害の場合には、問題を発生した IP フォンだけでなく、他の IP フォンと装置が正常に起動できません。
Cisco CallManager サービスが実行されていない場合、電話の発信にこのサービスを使用するネットワーク上のすべての装置が影響を受けます。TFTP サービスが実行されていない場合、多くの装置が正常に起動できません。これらの問題の解決には、次の手順を実行します。
ステップ 1 Cisco CallManager Administration ウィンドウから、 Application > Cisco CallManager Serviceability の順に選択します。
ステップ 2 Tools > Control Center の順に選択します。
ステップ 3 Servers 列から、プライマリ Cisco CallManager サーバを選択します。
選択したサーバのサービス名、サービスの状況、およびサービスの停止と開始を行うためのサービス制御パネルが、ウィンドウに表示されます。
ステップ 4 サービスが停止している場合は、 Start ボタンをクリックします。
Service Status 記号が四角形から矢印に変わります。
すべての解決法を実行しても特定の IP フォンに引き続き問題がある場合は、設定ファイルが壊れている可能性があります。次の手順を実行して、設定ファイルを手作業で作成することができます。
ステップ 1 Cisco CallManager で、 Device > Phone > Find の順に選択し、問題が発生している IP フォンを特定します。
ステップ 2 Delete を選択して、その IP フォンを Cisco CallManager データベースから削除します。
ステップ 3 Cisco CallManager サーバのハード ドライブから、SEP*.cnf.xml の名前が付いたファイルを検索します。このファイルは、すべての登録済み IP フォンの設定ファイルが入っているフォルダ内にあります。
ステップ 4 問題があった IP フォンとタイプが同じで、動作確認済みの IP フォンの設定ファイルをコピーします。たとえば、問題が発生している IP フォンが Cisco IP Phone 7960 である場合、このモデルの別の IP フォンの設定ファイルをコピーします。
ステップ 5 コピーした設定ファイルの名前を、問題が起きた IP フォンの設定ファイルの名前に変更します。
SEP <MAC アドレス> .cnf.xml の形式を使用してください。ここで、 <MAC アドレス> は、削除された IP フォンの MAC アドレスです。
ステップ 6 既存の設定ファイルを、作成した新規設定ファイルに置き換えます。
ステップ 7 この IP フォンを Cisco CallManager データベースに再度追加します。詳細は、「手作業による IP フォンの追加」を参照してください。
ステップ 8 いったん IP フォンの電源をオフにしてから、再度オンにします。
Cisco IP Phone が正常に起動し、Cisco CallManager に登録されると、この IP フォンをリセットして、起動プロセスを強制実行することができます。場合によっては、意図的にリセットを行うことができます。たとえば、Cisco CallManager から IP フォンに、ファームウェア アップグレードを強制する場合です。IP フォンに新規イメージをロードするときは、必ずそのイメージを使用して再起動し、Cisco CallManager に再登録する必要があります。
ただし、IP フォンが通話中または使用していないときにリセットされるとユーザから報告があった場合は、その原因を調査する必要があります。ネットワーク接続と Cisco CallManager 接続が安定している場合は、Cisco IP Phone 自体がリセットされることはありません。
一般的に、IP フォンがリセットされる原因は、イーサネット ネットワークとの接続の問題、または Cisco CallManager との接続の問題に分類できます。ネットワーク内の原因を特定する際は、次の項を参照してください。
Cisco IP Phone が接続されているイーサネット接続が稼働していることを確認します。たとえば、IP フォンが接続されている特定のポートまたはスイッチがダウンしているかどうかを調べてください。
断続的にネットワークが停止する場合、データ トラフィックと音声トラフィックに与える影響が異なります。ネットワークで発生している断続的な停止は、検出されない場合があります。ただし、データ トラフィックは、失われたパケットを再送信し、パケットの受信と送信を確認できます。
一方、音声トラフィックは、失われたパケットを取り戻すことができません。IP フォンは、ネットワーク停止により失われたパケットを再送信するのではなく、リセットし、ネットワーク接続を再度試みます。
したがって、音声ネットワークに問題がある場合は、発生している問題が単にその時点だけで検出されたのかどうかを調べる必要があります。
IP フォンが DHCP を使用するように正しく設定されているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 DHCP を使用するように IP フォンが正しく設定されていることを確認します。詳細は、「DHCP 設定値の変更」を参照してください。
ステップ 2 DHCP サーバが正しく設定されていることを確認します。
ステップ 3 DHCP リース期間を確認します。リース期間を 8 日に設定するようにお勧めします。
ただし、Cisco IP Phone は、DHCP アドレス リースを更新するために、要求タイプ 151 のメッセージを送信することに注意してください。DHCP サーバが要求タイプ 150 のメッセージを必要とする場合、リースは拒否され、IP フォンは強制的に再起動され、DHCP サーバへの新しい IP アドレスの要求を強制されます。
IP フォンに固定 IP アドレスが割り当てられている場合は、正しい設定値を入力したかどうかを確認します。「IP 設定値の指定」を参照してください。
ネットワーク使用量が多いとき(たとえば、IP フォンと同じスイッチに接続されているコンピュータ上で Web サーフィンを過度に行ったときなど)に Cisco IP Phone がリセットされる場合は、音声 VLAN が設定されていない可能性があります。
IP フォンを別の補助 VLAN 上に分離すると、音声トラフィックの品質が向上します。詳細は、「Cisco IP Phone と Cisco Catalyst ファミリー スイッチとの双方向通信の概要」を参照してください。
Cisco CallManager へのアクセス権を持つシステム管理者が他にもいる場合は、他のシステム管理者が IP フォンを意図的にリセットしていないかどうかを確認してください。
IP フォン上で 設定(settings)> Status > Network Statistics の順に押すと、Cisco IP Phone 7960/7940 がリセット コマンドを Cisco CallManager から受信したかどうかを調べることができます。
IP フォンが最近リセットされた場合は、次のメッセージのいずれかが表示されます。
• Reset-Reset:Cisco CallManager Administration から Reset/Reset を受信したため、IP フォンがクローズした。
• Reset-Restart:Cisco CallManager Administration から Reset/Restart を受信したため、IP フォンがクローズした。
IP フォンが引き続きリセットされる場合は、次の手順を実行します。
ステップ 1 IP フォンを出荷時のデフォルト値にリセットします。詳細は、「Cisco IP Phone のリセット」を参照してください。
ステップ 2 DHCP および IP の設定値を変更します。
a. DHCP を使用不可にします。詳細は、「DHCP 設定値の変更」を参照してください。
b. IP フォンに固定 IP 値を割り当てます。詳細は、「IP 設定値の指定」を参照してください。機能している他の Cisco IP Phone に使用したのと同じデフォルト ルータの設定値を使用します。
c. TFTP サーバを割り当てます。詳細は、「TFTP オプションの設定」を参照してください。機能している他の Cisco IP Phone に使用したのと同じ TFTP サーバを使用します。
ステップ 3 Cisco CallManager サーバ上のローカル ホスト ファイルで、正しい
Cisco CallManager サーバ名が正しい IP アドレスにマップされていることを確認します。次の Cisco.com から『Configuring The IP Hosts File on a Windows 2000 CallManager Server』を参照してください。
http://www.cisco.com/warp/customer/788/AVVID/cm_hosts_file.html
ステップ 4 Cisco CallManager で、 System > Server の順に選択し、サーバが、DNS 名ではなく、IP アドレスによって参照されていることを確認します。
ステップ 5 Cisco CallManager で、 Device > Phone の順に選択し、この Cisco IP Phone に正しい MAC アドレスが割り当てられていることを確認します。
ステップ 6 IP フォンの MAC アドレスを確認するには、「ネットワーク設定値の確認」を参照してください。
ステップ 7 いったん IP フォンの電源をオフにしてから、再度オンにします。
Quality Report Tool(QRT)は、Cisco IP Phone 7960 と 7940 の音声品質および一般の問題を報告するレポーティング ツールです。QRT は、Cisco CallManager のインストール時に同時にインストールされます。
システム管理者はユーザの Cisco IP Phone に QRT を設定し、IP フォンの通話に関する問題をユーザが報告できるように指定できます。ユーザは、Cisco IP Phone の QRT ソフトキーを使用して、問題を報告できます。QRT ソフトキーは、Cisco IP Phone の状態が Connected、Connected Conference、Connected Transfer、または OnHook のときのみ使用できます。
ユーザが IP フォンの QRT ソフトキーを押すと、問題のカテゴリ一覧が表示されます。一覧から適切な問題のカテゴリを選択すると、フィードバックが XML ファイルに記録されます。実際に記録される情報は、ユーザが選択したカテゴリ、また送信先の装置が Cisco IP Phone であるかどうかによって異なります。
QRT の使用についての詳細は、『Cisco CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド』、および『Cisco CallManager Serviceability システム ガイド』を参照してください。
Cisco IP Phone で発生する共通の問題のトラブルシューティングを行う際は、次の表を参照してください。
• 表 7-2 では、Cisco IP Phone の制約事項、またはその他の既知のトラブルシューティング上のヒントについて説明します。
• 表 7-3 では、Cisco IP Phone 7914 拡張モジュールの制約事項、またはその他の既知のトラブルシューティング上のヒントについて説明します。
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アクセス ポートを介して、IP フォンを別の IP フォンに接続しないでください。各 IP フォンは、スイッチ ポートに直接接続する必要があります。複数の IP フォンを一列に接続(デイジー チェーン接続)すると、1 台の IP フォンの問題が、その列内の後続のすべての IP フォンに影響を与える可能性があります。また、その列のすべての IP フォンは、帯域幅も共有することになります。 |
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Cisco CallManager で、G.729 プロトコルを使用するようにネットワークを設定できます。デフォルトは G.711です。G.729 を使用すると、IP フォンとデジタル携帯電話間の通話の音声品質が悪くなります。どうしても必要なときだけ、G.729 を使用してください。 |
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音声 VLAN 上に数分間継続したブロードキャスト ストームがあると、IP フォンが別の Cisco CallManager サーバに再登録されます。 |
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ネットワーク接続を介して IP フォンに電力を供給しているときに、IP フォンのネットワーク接続を切り離し、デスクトップ コンピュータにケーブルを差し込む場合は、注意が必要です。 |
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デフォルトでは、ネットワーク設定オプションはロックされています。これは、ユーザが無断でネットワーク接続に影響を与える変更を加えないようにするためです。システム管理者は、ネットワーク設定オプションを設定する前に、ロックを解除する必要があります。詳細は、「ネットワーク設定値へのアクセス」を参照してください。 |
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IP フォンは、Cisco CallManager ソフトウェアとの接続がなくなるとリセットされます。この接続が失われた原因は、ケーブルの破損、スイッチの停止、スイッチのリブートなどによるネットワーク接続の中断の可能性があります。 |
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画面に横揺れや波状パターンがある場合は、建物内にある特定のタイプの旧式蛍光灯の影響を受けている可能性があります。IP フォンをこの蛍光灯から離すか、蛍光灯を交換すると、問題が解決します。 |
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表 7-3 では、7914 拡張モジュールを使用する際の問題について説明します。
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Cisco IP Phone のトラブルシューティングに関してさらに情報が必要な場合は、いくつかの Cisco.com Web サイトから役立つ情報を入手できます。アクセス レベルに応じた Web サイトを選択してください。
• Cisco IP Phone のトラブルシューティング リソース http://www.cisco.com/pcgi-bin/Support/PSP/psp_view.pl?p=Hardware:IP_Phones&s=Troubleshooting
• Cisco IP Phone for Cisco CallManager の関連資料 http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/voice/c_ipphon/ip_clmgr/index.htm
• シスコの製品および技術(Cisco CallManager などのシスコ音声アプリケーション) http://www.cisco.com/warp/public/44/jump/voice_applications.shtml
• シスコの製品および技術(Cisco IP Phone などのテレフォニー) http://www.cisco.com/warp/public/44/jump/telephony.shtml
• Cisco CallManager、Attendant アプリケーション、ユーティリティ、およびテクノロジーのためのテクニカル ヒント(Cisco IP Phone を含む) http://www.cisco.com/warp/customer/788/AVVID/ccmaaut.shtml
• 音声、テレフォニー、メッセージに関する重要な問題 http://www.cisco.com/warp/customer/788/top_issues/vox/vox_top_issues.shtml
• シスコの技術 http://www.cisco.com/cgi-bin/Support/PSP/index.pl?i=Technologies
• シスコの製品 http://www.cisco.com/cgi-bin/Support/PSP/index.pl?i=Products
• 音声、テレフォニー、およびメッセージに関するソリューション http://www.cisco.com/warp/customer/788/AVVID/avvid_index.shtml