SNMP の概要
簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)は、アプリケーション レイヤ プロトコルであり、ネットワーク内のデバイスをモニタリングおよび管理するための、標準化されたフレームワークと共通の言語を提供します。
SNMP フレームワークには、次の 3 つの部分があります。
• SNMP マネージャ:SNMP を使用して、ネットワーク ホストのアクティビティを制御およびモニタリングするために使用されるシステム。最も一般的な管理システムは Network Management System(NMS; ネットワーク管理システム)と呼ばれています。NMS という用語は、ネットワーク管理に使用する専用デバイスを意味する場合と、ネットワーク管理デバイス上で使用するアプリケーションを意味する場合があります。SNMP は、さまざまなネットワーク管理アプリケーションで使用できます。簡単なコマンドライン アプリケーションから機能が豊富なグラフィカル ユーザ インターフェイス(CiscoWorks2000 製品ラインなど)まで、このような機能は多岐にわたっています。
• SNMP エージェント:管理対象デバイス内のソフトウェア コンポーネントであり、デバイスのデータを維持し、必要に応じて、管理システムにそのデータを報告します。エージェントおよび Management Information Base(MIB; 管理情報ベース)はルーティング デバイス(ルータ、アクセス サーバ、またはスイッチ)上に常駐します。管理対象デバイス上で SNMP エージェントをイネーブルにする場合は、マネージャとエージェントの間の関係を定義する必要があります(「SNMP サポートのイネーブル」を参照)。
• 管理情報ベース(MIB):ネットワーク管理情報の集合であり、階層型に構成されます。
SNMP では、大量のコマンドのセットを定義する代わりに、すべての操作を get-request、get-next-request、および set-request の形式で処理します。たとえば、SNMP マネージャでは、SNMP エージェントからの値を取得したり、その SNMP エージェントに値を設定したりできます。
MIB の説明
管理情報ベース(MIB)はネットワーク管理情報の集合であり、階層型に構成されます。MIB は、オブジェクト ID によって識別される、管理対象オブジェクトの集合で構成されます。MIB には、SNMP などのネットワーク管理プロトコルを使用してアクセスします。管理対象オブジェクト(MIB オブジェクトまたはオブジェクトと呼ばれる場合もあります)は、ルータなどの管理対象デバイスが持つ、数多くの特性の 1 つです。管理対象オブジェクトは、1 つまたは複数のオブジェクト インスタンスで構成されます。本質的に、オブジェクト インスタンスは変数です。シスコが実装した SNMP では、RFC 1213 に記述されている、MIB II 変数の定義が使用されています。
MIB には、次の 2 つのタイプの管理対象オブジェクトを含めることができます。
• スカラ オブジェクト:単一のオブジェクト インスタンス(IF-MIB の ifNumber、BGP4-MIB の bgpVersion など)を定義します。
• カラム オブジェクト:行が含まれないか、または複数行が含まれ、かつ各行に 1 つまたは複数のスカラ オブジェクトが含まれる場合がある、MIB テーブルを定義します。たとえば、IF-MIB の ifTable ではインターフェイスを定義します。
システム MIB 変数には、SNMP を経由して次のようにアクセスできます。
• MIB 変数へのアクセス:NMS からの要求に応じて、SNMP エージェントによって機能が開始されます。エージェントでは、要求された MIB 変数の値を取得し、その値を使用して NMS に応答します。
• MIB 変数の設定:NMS からのメッセージに応じて、SNMP エージェントによって機能が開始されます。SNMP エージェントでは、MIB 変数の値を NMS によって要求された値に変更します。
SNMP 通知
次のような重要なシステム イベントが発生したとき、SNMP エージェントによってマネージャに通知される場合があります。
• インターフェイスまたはカードが実行を開始または停止した場合
• 温度がしきい値を超過した場合
• 認証が失敗した場合
エージェントによってアラーム条件が検出されると、エージェントによって次の処理が実行されます。
• その条件の時刻、タイプ、および重大度に関する情報のロギング
• 通知メッセージの生成と指定された IP ホストへの送信
SNMP 通知は次のいずれかとして送信されます。
• トラップ:SNMP マネージャからの受信確認応答を必要としない、信頼性の低いメッセージ。
• インフォーム:SNMP マネージャが応答を発行するまでメモリに保存される、信頼性の高いメッセージ。インフォームでは、トラップより多くのシステム リソースを使用します。
(注) 多くのコマンドでは、コマンド構文においてトラップという用語を使用します。コマンドにおいて、トラップまたはインフォームのいずれかを選択するオプションがある場合を除き、トラップというキーワードはトラップとインフォームのいずれか、または両方を意味します。snmp-server host コマンドを使用すると、SNMP 通知をトラップまたはインフォームのいずれとして送信するかを指定できます。
エージェントは、アラーム条件を検出すると、この条件の時刻、タイプおよび重大度に関する情報をロギングし、通知メッセージを生成して、次に、指定された IP ホストに送信します。
SNMP 通知は、 トラップ または インフォーム のいずれかとして送信できます。GGSN でトラップをイネーブルにする方法については、「SNMP サポートのイネーブル」を参照してください。GGSN トラップの詳細については、「GGSN 通知」を参照してください。
シスコが実装した SNMP では、RFC 1215 に記述されている、SNMP トラップの定義が使用されています。
SNMP のバージョン
Cisco IOS ソフトウェアでは、次のバージョンの SNMP がサポートされています。
• SNMPv1:簡易ネットワーク管理プロトコル。RFC 1157 で定義されたインターネット標準です。コミュニティ ストリングに基づいてセキュリティを実現します。
• SNMPv2c:コミュニティ ストリングに基づく、SNMPv2 用の管理フレームワークです。SNMPv2c は、SNMPv2p(SNMPv2 クラシック)のプロトコル オペレーションおよびデータ型を更新したものであり、コミュニティベースのセキュリティ モデルである SNMPv1 を使用します。
• SNMPv3:SNMP バージョン 3。SNMPv3 では、次のセキュリティ機能を使用して、デバイスへの安全なアクセスを実現します。
– メッセージ整合性:パケットが中継中に改ざんされていないことを確認します。
– 認証:メッセージが有効な発信元からのものであることを判断します。
– 暗号化:パケットのコンテンツをスクランブルして、不正な発信元によって認識されないようにします。
SNMPv1 および SNMPv2c
SNMPv1 と SNMPv2c の両方において、コミュニティベース形式のセキュリティが使用されます。エージェント MIB にアクセスできるマネージャのコミュニティが、IP アドレス アクセス コントロール リストおよびパスワードによって定義されます。
SNMPv2c サポートには、バルク取得メカニズム、および管理ステーションに対するより詳細なエラー メッセージ報告が含まれています。バルク取得メカニズムによって、テーブルおよび大量の情報を取得することがサポートされます。この処理によって、必要となるラウンドトリップ送信数が最小化されます。SNMPv2c ではエラー処理のサポートが改善されました。たとえば、異なる種類のエラー条件が区別されるように、エラー コードが拡張されました。SNMPv1 では、これらの条件は単一のエラー コードを使用して報告されていました。現在は、エラー戻りコードによってエラー タイプが報告されるようになりました。また、次の 3 種類の例外も報告されます。
• no such object exceptions(オブジェクト例外が見つかりません)
• no such instance exceptions(インスタンス例外が見つかりません)
• end of MIB view exceptions(MIB ビューの終わり例外)
SNMPv3
SNMPv3 には、次のセキュリティ モデルおよびセキュリティ レベルがあります。
• セキュリティ モデル:ユーザおよびユーザが属するグループに対して設定される認証方法です。
• セキュリティ レベル:セキュリティ モデル内で許可されるセキュリティのレベル。
セキュリティ モデルとセキュリティ レベルの組み合せによって、SNMP パケットを処理するときに適用されるセキュリティ メカニズムが決定されます。
SNMP セキュリティ モデルおよびセキュリティ レベル
表 A-1 に、異なるバージョンの SNMP によって実現されるセキュリティ モデルおよびセキュリティ レベルを示します。
表 A-1 SNMP セキュリティ モデルおよびセキュリティ レベル
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v1 |
noAuthNoPriv |
コミュニティ ストリング |
なし |
認証にコミュニティ ストリングの照合を使用。 |
v2c |
noAuthNoPriv |
コミュニティ ストリング |
なし |
認証にコミュニティ ストリングの照合を使用。 |
v3 |
noAuthNoPriv |
ユーザ名 |
なし |
認証にユーザ名の照合を使用。 |
v3 |
authNoPriv |
MD5 または SHA |
なし |
HMAC-MD5 または HMAC-SHA アルゴリズムに基づく認証を提供。 |
v3 |
authPriv |
MD5 または SHA |
DES |
HMAC-MD5 または HMAC-SHA アルゴリズムに基づく認証を提供。CBC-DES(DES-56)標準に基づく DES 56 ビット暗号化も提供します。 |
管理ステーションでサポートされている SNMP のバージョンが使用されるように、SNMP エージェントを設定する必要があります。エージェントは複数のマネージャと通信できます。このため、1 つの管理ステーションとは SNMPv1 プロトコルを使用して通信し、1 つの管理ステーションとは SNMPv2c プロトコルを使用して通信し、もう 1 つの管理ステーションとは SMNPv3 を使用して通信することがサポートされるように、Cisco IOS ソフトウェアを設定できます。
コメント要求
MIB モジュールは、SNMP MIB モジュール言語を使用して記述され、一般的に、Internet Engineering Task Force(IETF; インターネット技術特別調査委員会)に対して提出される、Request For Comments(RFC; コメント要求)文書内で定義されています。RFC は、インターネット学会、およびインターネット コミュニティ全体での検討を要求することを目的に、個人またはグループによって作成されます。草案は、RFC ステータスが付与される前に、インターネット ドラフト(I-D)文書として公開されます。また、推奨される水準に達した RFC は、Standard(STD; 標準)文書というラベルも付けられます。詳細については、インターネット学会および IETF の Web サイト(http://www.isoc.org および http://www.ietf.org)を参照してください。
シスコでは、シスコのシステム専用の MIB 拡張を提供しています。シスコのエンタープライズ MIB は、このマニュアルで特に明記しないかぎり、該当の RFC に記述されているガイドラインに準拠しています。
オブジェクト ID
object identifier(OID; オブジェクト ID)によって、管理対象ネットワーク デバイス上の MIB オブジェクトが一意に識別されます。OID によって、MIB 階層内における MIB オブジェクトの位置が識別され、複数の管理対象デバイスのネットワーク内にある MIB オブジェクトにアクセスする方法が提供されます。
• 標準 RFC MIB OID は、Internet Assigned Numbers Authority(IANA; インターネット割り当て番号局)によって割り当てられます。
• エンタープライズ MIB OID は、Cisco Assigned Numbers Authority(CANA)によって割り当てられます。
OID 内の各番号は、MIB 階層のレベルに対応しています。たとえば、OID 1.3.6.1.4.1.9.9.xyz は、MIB 階層内で次の位置にある、 xyz -MIB を表しています。カッコ内の数字は、MIB 階層内での対応を示すためにだけ含められています。実際に使用される OID は、数字の値だけで表現されます。
iso(1).org(3).dod(6).internet(1).private(4).enterprises(1).cisco(9).ciscoMgt(9). nn -MIB
IF-MIB の ifNumber などの管理対象オブジェクトは、オブジェクト名(iso.org.dod.internet.mgmt.enterprises.interfaces.ifNumber)または OID(1.3.6.1.2.1.2.1)によって、一意に識別できます。
MIB オブジェクトに割り当てられている OID のリストについては、次の URL を参照してください。
ftp://ftp.cisco.com/pub/mibs/oid/
関連情報および有益なリンク
次の URL にアクセスすると、シスコ MIB に関する一般的な情報を参照できます。このページのリンクを使用すると、MIB にアクセスしてダウンロードしたり、アプリケーション ノート、OID のリストなどの関連情報にアクセスしたりできます。
• http://www.cisco.com/public/sw-center/netmgmt/cmtk/mibs.shtml
MIB サポートの設定
この章では、シスコ ルータに SNMP および MIB サポートを設定する方法について説明します。次の内容で構成されています。
• 「Cisco IOS のリリースに含まれている MIB の判別」
• 「MIB のダウンロードおよびコンパイル」
• 「SNMP サポートのイネーブル」
Cisco IOS のリリースに含まれている MIB の判別
使用している Cisco IOS リリースに、どの MIB が含まれているかを判別するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 Feature Navigator のホームページ http://tools.cisco.com/ITDIT/MIBS/servlet/index にアクセスします。
ステップ 2 [Cisco IOS MIB Locator] をクリックしてアプリケーションを起動します。MIB Locator アプリケーションを使用すると、次の 3 通りの方法で MIB を検索できます。
a. リリース、プラットフォーム ファミリ、およびフィーチャ セットによる検索:[MIB Locator] ページから
• ドロップダウン メニューをクリックし、目的の Cisco IOS ソフトウェア リリースを選択します。
• [Platform Family] メニューから、[7600-SAMI] を選択します。最初にプラットフォームを選択した場合は、選択したプラットフォームに該当するリリースおよびフィーチャ セットだけが表示されます。
• [Feature Set] メニューから、適切な GGSN リリースを選択します。
b. イメージ名による検索:[MIB Locator] ページから、[Search by Image Name] フィールドに使用する GGSN イメージ名を次のように(示されているイメージ名は一例です)入力し、[Submit] をクリックします。
c6svcsami-g8is-mz.124-15.XQ.bin
c. MIB 名による検索:[MIB Locator] ページから、[Search for MIB] メニューの MIB のリストで MIB を検索します。1 つを選択するか、または、複数選択する場合には、 Ctrl キーを押した状態で [Submit] をクリックします。
(注) 選択したあとは、リンクを順に選択し、指示に従ってください。
MIB の処理に関する考慮事項
MIB を使用する場合は、次のことについて留意してください。
データ型定義の不一致
• データ型定義が一致しない場合、コンパイラ エラーまたは警告メッセージが発生する場合があります。シスコ MIB のデータ型定義では不一致でなくても、標準 RFC MIB では不一致となる場合があります。次に例を示します。
MIB A defines: SomeDatatype ::= INTEGER(0..100)
MIB B defines: SomeDatatype ::= INTEGER(1..50)
この例は軽度のエラーであると判断され、警告メッセージが出力されますが、MIB は正常にロードされます。
次の例では、2 つの定義は本質的には同等であるものの、重大なエラーであると判断され、MIB は正常に解析されません。
MIB A defines: SomeDatatype ::= DisplayString
MIB B defines: SomeDatatype ::= OCTET STRING (SIZE(0..255))
使用している MIB コンパイラによってこれらのことがエラーとして扱われる場合、または警告メッセージを削除する場合は、定義が一致するように、この同じデータ型を定義する MIB のいずれかを編集します。
• 数多くの MIB が他の MIB から定義をインポートします。MIB をロードすることが管理アプリケーションによって要求され、かつ未定義のオブジェクトに関する問題が発生する場合は、次の MIB をこの順番に従ってロードできます。
SNMPv2-SMI.my
SNMPv2-TC.my
SNMPv2-MIB.my
RFC1213-MIB.my
IF-MIB.my
CISCO-SMI.my
CISCO-PRODUCTS-MIB.my
CISCO-TC.my
• 詳細情報および SNMP のテクニカル ティップスを参照するには、[Locator] ページから [SNMP MIB Technical Tips] をクリックしてリンクを順に選択するか、または次の URL にアクセスしてください。
http://www.cisco.com/pcgi-bin/Support/browse/psp_view.pl?p=Internetworking:SNMP&s=Implementation_and_Configuration#Samples_and_Tips
• MIB オブジェクトに割り当てられている SNMP オブジェクト ID(OID)のリストを参照するには、次の URL にアクセスして [SNMP Object Navigator] をクリックし、リンクを順に選択してください。
http://tools.cisco.com/ITDIT/MIBS/servlet/index
(注) MIB Locator にアクセスするには、シスコ CCO 名およびパスワードが必要となります。
• シスコ MIB のダウンロードおよびコンパイル方法の詳細については、次の URL にアクセスしてください。
http://www.cisco.com/warp/public/477/SNMP/mibcompilers.html
MIB のコンパイル
シスコ ルータを SNMP ベースの管理アプリケーションと組み合せる場合は、そのプラットフォーム用に MIB をコンパイルすることも必要となります。たとえば、UNIX オペレーティング システムで HP OpenView を使用する場合は、HP OpenView ネットワーク管理システム(NMS)を使用して、プラットフォーム MIB をコンパイルする必要があります。詳しくは、NMS のマニュアルを参照してください。
SNMP サポートのイネーブル
SNMP がサポートされるようにシスコ ルータを設定する手順の概要は、次のとおりです。
SNMP コマンドの詳細については、次のシスコのマニュアルを参照してください。
• 『 Cisco IOS Release 12.3 Configuration Fundamentals Configuration Guide 』、「Monitoring the Router and Network」の項。次の URL で参照できます。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122/122cgcr/ffun_c/index.htm
• 『 Cisco IOS Release 12.3 Configuration Fundamentals Command Reference 』、「Part 3: System Management Commands」の「Router and Network Configuration Commands」の項。次の URL で参照できます。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios122/122cgcr/ffun_r/index.htm
SNMP がサポートされるようにシスコ ルータを設定するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 ルータの command line interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)を使用して、基本的な SNMP 設定を設定します。これらの基本的なコンフィギュレーション コマンドは SNMPv2c の場合に発行します。SNMPv3 の場合は、SNMP ユーザおよびグループを設定する必要もあります(コマンドおよび設定の情報については、前述のマニュアルのリストを参照してください)。
a. SNMP read-only コミュニティおよびコミュニティを定義します。
Router (config)# snmp-server community Read_Only_Community_Name ro
Router (config)# snmp-server community Read_Write_Community_Name rw
b. SNMP ビューを定義します(異なる SNMP ユーザ グループからアクセスできるオブジェクトの範囲を制限するため)。
Router (config)# snmp-server view view_name oid-tree {included | excluded}
SNMP 通知のイネーブルおよびディセーブル
SNMP 通知をイネーブルおよびディセーブルにするには、次の項の作業を実行します。
• 「CLI を使用した GGSN 通知のイネーブルおよびディセーブル」
• 「SNMP を使用した GGSN SNMP 通知のイネーブルおよびディセーブル」
• 「SNMP を使用した GGSN SNMP 通知のイネーブルおよびディセーブル」
CLI を使用した GGSN 通知のイネーブルおよびディセーブル
コマンドライン インターフェイス(CLI)を使用してシスコ ルータでの GGSN SNMP 通知(トラップおよびインフォーム)の送信をイネーブルにするには、次の手順を実行します。
ステップ 1 ルータで SNMP が設定されていることを確認します(「SNMP サポートのイネーブル」を参照)。
ステップ 2 IP アドレスを使用して、シスコ ルータからトラップを受信するホストを識別します。
Router(config)#snmp-server host host-address version SNMP version community/user(V3) udp-port <UDP port No>
ステップ 3 次のコマンドを使用して、シスコ ルータでの GGSN SNMP 通知をイネーブルにします(イネーブルにする通知のタイプごとに、個別のコマンドを入力します)。
Router(config)#snmp-server enable traps gprs [apn | charging | ggsn | ggsn-apn | ggsn-general | ggsn-memory | ggsn-pdp | ggsn-service | gtp | csg | dcca]
上記で
• apn :access point name(APN; アクセス ポイント ネーム)通知をイネーブルにします。
• charging :課金通知をイネーブルにします。
• ggsn :GGSN グローバル通知をイネーブルにします。
(注) フラッディングを防止するには、snmp-server enable traps gprs ggsn コマンドを設定すると、cGgsnGlobalErrorNotif、cGgsnAccessPointNameNotif、および cGgsnPacketDataProtocolNotif トラップ以外のすべての GGSN 関連のトラップがイネーブルになります。
• ggsn-apn :APN(cGgsnAccessPointNameNotif)固有の GGSN 通知をイネーブルにします。
• ggsn-general :GGSN 一般通知(cGgsnGlobalErrorNotif)をイネーブルにします。
• ggsn-pdp :Packet Data Protocol(PDP; パケット データ プロトコル)固有の GGSN 通知(cGgsnPacketDataProtocolNotif)をイネーブルにします。
• ggsn-service :GGSN サービス モード通知をイネーブルにします。
• gtp :GPRS Tunneling Protocol(GTP; GPRS トンネリング プロトコル)トラップをイネーブルにします。
• csg :GGSN CSG 固有の通知をイネーブルにします。
• dcca :GGSN Diameter Credit Control Application(DCCA)固有の通知をイネーブルにします。
(注) キーワード オプションを指定しないで snmp-server enable traps gprs コマンドを発行すると、すべての GGSN SNMP 通知がイネーブルになります。
ステップ 4 シスコ ルータで GGSN SNMP 通知をディセーブルにするには、次のコマンドを入力します。
Router(config)# no snmp-server enable traps gprs
通知タイプのキーワード(gprs など)を省略すると、すべての通知がディセーブルになります。
(注) snmp-server enable traps gtp コマンドは設定しないことを推奨します。これは、すべての関連する MIB が非推奨であるためです。
SNMP を使用した GGSN SNMP 通知のイネーブルおよびディセーブル
GGSN SNMP 通知は、次のオブジェクトを true(1)または false(2)に設定することによって、イネーブルおよびディセーブルにできます。
• cGgsnServiceNotifEnabled:GGSN サービス モード通知のイネーブルまたはディセーブル
• cGgsnMemoryNotifEnabled:メモリ関連の通知のイネーブルまたはディセーブル
• cGgsnGlobalErrorNotifEnabled:GGSN 一般通知のイネーブル
• cGgsnAccessPointNotifEnabled:cGgsnAccessPointNameNotif 通知のイネーブルまたはディセーブル
• cGgsnPdpNotifEnabled:cGgsnPacketDataProtocolNotif 通知のイネーブルまたはディセーブル
• cGgsnSACsgNotifEnabled:CSG 状態トラップのイネーブルまたはディセーブル
• cGgsnSADccaNotifEnabled:DCCA 関連の通知のイネーブルまたはディセーブル
GGSN 通知
この項では、GGSN MIB でサポートされ、GGSN によって生成される通知のリストおよび簡単な説明を示します。
この項では、次のタイプの通知のリストを示します。
• 「グローバル通知」
• 「課金通知」
• 「アクセス ポイント通知」
• 「アラーム通知」
グローバル通知
表 A-2 は、CISCO-GGSN-MIB でサポートされているグローバル通知のリストを示しています。これらの通知の送信をイネーブルにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで snmp-server enable traps gprs コマンドを使用します。このとき、 ggsn 、 ggsn-apn 、 ggsn-memory 、 ggsn-pdp 、 ggsn-service 、 csg および/または dcca キーワード オプションを指定します。
(注) キーワード オプションごとに個別のコマンドを発行します。
(注) cGgsnNotification(1.2.6.1.4.1.9.9.240.2.0.1)は非推奨です。
表 A-2 グローバル通知
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cGgsnInServiceNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.240.2.0.2)
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GGSN が運用(inService)モードになったとき、送信されます。 GGSN を運用モードにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで gprs service-mode operational コマンドを使用するか、または cGgsnServiceMode オブジェクトを inService(1) に設定します。 サービス モードは cGgsnServiceModeStatus によって識別されます。 この通知の生成をイネーブルにするには、cGgsnServiceNotifEnabled を true(1) に設定します。 |
cGgsnMaintenanceNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.240.2.0.3)
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GGSN がメンテナンス モードになったとき、送信されます。 GGSN をメンテナンス モードにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで gprs service-mode maintenance コマンドを使用するか、または cGgsnServiceMode オブジェクトを maintenance(2) に設定します。 サービス モードは cGgsnServiceModeStatus によって識別されます。 この通知の生成をイネーブルにするには、cGgsnServiceNotifEnabled を true(1) に設定します。 |
cGgsnMemThresholdReachedNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.240.2.0.4)
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GGSN メモリしきい値に達したとき、送信されます。 メモリしきい値を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで gprs memory threshold コマンドを使用するか、または cGgsnMemoryThreshold を設定します。 この通知の生成をイネーブルにするには、cGgsnMemoryNotifEnabled を true(1) に設定します。 |
cGgsnMemThresholdClearedNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.240.2.0.5)
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GGSN がメモリを保持し、設定されたしきい値を下回ったとき、送信されます。 メモリしきい値を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで gprs memory threshold コマンドを使用するか、または cGgsnMemoryThreshold を設定します。 この通知の生成をイネーブルにするには、cGgsnMemoryNotifEnabled を true(1) に設定します。 |
cGgsnGlobalErrorNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.240.2.0.8)
cGgsnGlobalErrorTypes cGgsnHistNotifSeverity cGgsnHistNotifTimestamp cGgsnHistNotifGgsnIpAddrType cGgsnHistNotifGgsnIpAddr cGgsnHistNotifInfo |
GGSN 関連のアラームが発生したとき、送信されます。 特定のタイプのアラームに関する追加情報がある場合は、その情報が追加の変数バインドとして、通知の末尾に付加されます。 この通知の生成をイネーブルにするには、cGgsnGlobalErrorNotifEnabled を true(1) に設定します。 (注) フラッディングを防止するために、リリース 5.1 以降では、GGSN の cGgsnNotification が cGgsnGlobalErrorNotif、cGgsnAccessPointNameNotif、および cGgsnPacketDataProtocolNotif に置き換えられています。 cGgsnGlobalErrorNotif アラームの詳細については、「cGgsnGlobalErrorNotif」を参照してください。 |
cGgsnAccessPointNameNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.240.2.0.9)
cGgsnAccessPointErrorTypes cGgsnHistNotifSeverity cGgsnHistNotifTimestamp cGgsnHistNotifGgsnIpAddrType cGgsnHistNotifGgsnIpAddr cGgsnHistNotifInfo cGgsnNotifAccessPointName |
APN 関連のアラームが発生したとき、送信されます。 特定のタイプのアラームに関する追加情報がある場合は、その情報が追加の変数バインドとして、通知の末尾に付加されます。 この通知の生成をイネーブルにするには、cGgsnAccessPointNotifEnabled を true(1) に設定します。 (注) フラッディングを防止するために、リリース 5.1 以降では、GGSN の cGgsnNotification が cGgsnGlobalErrorNotif、cGgsnAccessPointNameNotif、および cGgsnPacketDataProtocolNotif に置き換えられています。 cGgsnAccessPointNameNotif アラームの詳細については、「cGgsnAccessPointNameNotif」を参照してください。 |
cGgsnPacketDataProtocolNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.240.2.0.10)
cGgsnPacketDataProtoErrorTypes cGgsnHistNotifSeverity cGgsnHistNotifTimestamp cGgsnHistNotifGgsnIpAddrType cGgsnHistNotifGgsnIpAddr cGgsnHistNotifInfo cGgsnNotifAccessPointName cGgsnNotifPdpMsisdn cGgsnNotifPdpImsi |
ユーザ関連のアラームが発生したとき、送信されます。 特定のタイプのアラームに関する追加情報がある場合は、その情報が追加の変数バインドとして、通知の末尾に付加されます。 この通知の生成をイネーブルにするには、cGgsnPdpNotifEnabled を true(1) に設定します。 (注) フラッディングを防止するために、リリース 5.1 以降では、GGSN の cGgsnNotification が cGgsnGlobalErrorNotif、cGgsnAccessPointNameNotif、および cGgsnPacketDataProtocolNotif に置き換えられています。 cGgsnPacketDataProtocolNotif アラームの詳細については、「cGgsnPacketDataProtocolNotif」を参照してください。 |
サービス認識課金通知
表 A-3 は、CISCO-GGSN-SERVICE-AWARE-MIB でサポートされている、サービス認識課金通知のリストを示しています。これらの通知の送信をイネーブルにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで snmp-server enable traps gprs コマンドを使用します。このとき、 csg および/または dcca キーワード オプションを指定します。
(注) キーワード オプションごとに個別のコマンドを発行します。
表 A-3 サービス認識課金通知
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cGgsnSACsgStateUpNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.497.2.0.1)
cGgsnSANotifCsgRealAddressType, cGgsnSANotifCsgRealAddress, cGgsnSANotifCsgVirtualAddrType, cGgsnSANotifCsgVirtualAddress, cGgsnSANotifCsgPort |
CSG へのリンクがアクティブになったとき、送信されます。 ポート番号が CSG グループで設定されていない場合、cGgsnSANotifCsgPort 情報ではデフォルト値が使用されます。 この通知の生成をイネーブルにするには、cGgsnSACsgNotifEnabled を true(1) に設定します。 |
cGgsnSACsgStateDownNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.497.2.0.2)
cGgsnSANotifCsgRealAddressType, cGgsnSANotifCsgRealAddress, cGgsnSANotifCsgVirtualAddrType, cGgsnSANotifCsgVirtualAddress, cGgsnSANotifCsgPort |
CSG へのリンクがダウンしたとき、送信されます。 ポート番号が CSG グループで設定されていない場合、cGgsnSANotifCsgPort 情報ではデフォルト値が使用されます。 この通知の生成をイネーブルにするには、cGgsnSACsgNotifEnabled を true(1) に設定します。 |
cGgsnSADccaEndUsrServDeniedNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.497.2.0.3)
cGgsnNotifPdpImsi cGgsnNotifPdpMsisdn |
サービス制限により、クレジット制御サーバがサービス要求を拒否したとき、送信されます。 この通知がカテゴリ レベルで受信されると、DCCA クライアントでは、その PDP のそのカテゴリに対する今後のすべてのユーザ トラフィックを廃棄します。 この通知の生成をイネーブルにするには、cGgsnSADccaNotifEnabled を true(1) に設定します。 |
cGgsnSADccaCreditLimReachedNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.497.2.0.4)
cGgsnNotifPdpImsi cGgsnNotifPdpMsisdn |
クレジット制限に達したとき、送信されます。 エンド ユーザのアカウントでは、要求されたサービスを処理できなかったため、クレジット制御サーバがサービス リクエストを拒否します。クライアントは、CGgsnDccaEndUsrServDeniedNotif の場合と同様に動作します。 この通知の生成をイネーブルにするには、cGgsnSADccaNotifEnabled を true(1) に設定します。 |
cGgsnSADccaUserUnknownNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.497.2.0.5)
cGgsnNotifPdpImsi cGgsnNotifPdpMsisdn |
指定されたエンド ユーザがクレジット コントロール サーバにとって未知である場合に送信されます。 このような固定的な障害が発生すると、クライアントはアイドル状態になります。クライアントでは、結果コードが CCA(Initial) または CCA(Update) のいずれにおいて受信されたかに応じて、PDP コンテキストを拒否または終了します。 この通知の生成をイネーブルにするには、cGgsnSADccaNotifEnabled を true(1) に設定します。 |
cGgsnSADccaRatingFailedNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.497.2.0.6)
cGgsnNotifPdpImsi cGgsnNotifPdpMsisdn |
レーティング入力が不十分であったか、Attribute Value Pair(AVP; アトリビュート値ペア)の組み合せが無効であったか、または AVP や AVP 値がレーティングで認識されないか、またはサポートされていないことによって、クレジット制御サーバがレーティングできなかったとき、送信されます。 この通知の生成をイネーブルにするには、cGgsnSADccaNotifEnabled を true(1) に設定します。 |
cGgsnSADccaAuthRejectedNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.497.2.0.7)
cGgsnNotifPdpImsi cGgsnNotifPdpMsisdn |
クレジット制御サーバがエンド ユーザを認可できなかったとき、送信されます。 PDP コンテキストは削除され、そのカテゴリはブラックリストに含められます。 この通知の生成をイネーブルにするには、cGgsnSADccaNotifEnabled を true(1) に設定します。 |
課金通知
表 A-4 は、CISCO-GPRS-CHARGING-MIB でサポートされている、課金関連のトラップのリストを示しています。これらの通知の送信をイネーブルにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで snmp-server enable traps gprs charging コマンドを使用します。
表 A-4 課金通知
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cgprsCgAlarmNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.192.2.0.1)
cgprsCgAlarmHistType cgprsCgAlarmHistAddrType cgprsCgAlarmHistAddress cgprsCgAlarmHistSeverity cgprsCgAlarmHistInfo |
管理対象システムで課金関連のアラームが検出されたとき、送信されます。 このアラームは、cgprsCgAlarmHistTable にエントリが追加されたあと、送信されます。 この通知の生成をイネーブルにするには、cgprsCgAlarmEnable を true(1) に設定します。 cgprsCgAlarmNotif アラームの詳細については、「CgprsCgAlarmNotif」を参照してください。 |
cgprsCgGatewaySwitchoverNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.192.2.0.2)
cgprsCgActiveChgGatewayAddrType cgprsCgActiveChgGatewayAddress cgprsCgOldChgGatewayAddress |
アクティブな課金ゲートウェイが切り替えられたとき、送信されます。 新しい課金ゲートウェイへのスイッチオーバーは、課金ゲートウェイのスイッチ タイマーに指定された値に基づいて発生します。 課金ゲートウェイのスイッチ タイマーを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで gprs charging server-switch-timer コマンドを使用するか、または cgprsCgGroupSwitchOverTime を設定します。新しい課金ゲートウェイが選択される優先度を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで gprs charging switchover priority コマンドを使用するか、または cgprsCgSwitchOverPriority を設定します。 この通知の生成をイネーブルにするには、cgprsCGAlarmEnable を true(1) に設定します。 |
cgprsCgInServiceModeNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.192.2.0.3)
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GGSN 課金機能が運用モードになったとき、送信されます。 GGSN の課金機能を運用モードにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで gprs charging service-mode コマンドを使用するか、または cgprsCgServiceMode オブジェクトを operational(1) に設定します。 この通知の生成をイネーブルにするには、cgprsCGAlarmEnable を true(1) に設定します。 |
cgprsCgMaintenanceModeNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.192.2.0.4)
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GGSN 課金機能がメンテナンス モードになったとき、送信されます。 GGSN 課金機能をメンテナンス モードにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで gprs charging service-mode コマンドを使用するか、または cgprsCgServiceMode オブジェクトを maintenance(2) に設定します。 この通知の生成をイネーブルにするには、cgprsCGAlarmEnable を true(1) に設定します。 |
アクセス ポイント通知
表 A-5 は、CISCO-GPRS-ACC-PT-MIB でサポートされている、アクセス ポイント関連の通知のリストを示しています。この通知の送信をイネーブルにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで snmp-server enable traps gprs apn コマンドを使用します。
表 A-5 アクセス ポイント通知
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cgprsAccPtCfgNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.183.2.0.1)
cgprsAccPtCfgNotifAccPtIndex cgprsAccPtCfgNotifReason |
アクセス ポイント設定が発生したとき、送信されます。 この通知は、cgprsAccPtCfgNotifHistTable にエントリが追加されたあと、送信されます。 この通知の生成をイネーブルにするには、cgprsAccPtCfgNotifEnable を true(1) に設定します。 cgprsAccPtCfgNotif アラームの詳細については、「cgprsAccPtCfgNotif」を参照してください。 |
cgprsAccPtSecSrcViolNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.183.2.0.2)
cgprsAccPtCfgNotifAccPtIndex cgprsAccPtMsAddrType cgprsAccPtMsAllocAddr cgprsAccPtMsNewAddr |
セキュリティ違反が発生したとき、特に、GGSN によって、アップストリーム TPDU の送信元アドレスが以前に Mobile Station(MS; モバイル ステーション)に割り当てられたものと異なると判断された場合に、送信されます。 この通知の生成をイネーブルにするには、 security verify (IPv4 PDP の場合)、または ipv6 security verify source (IPv6 PDP の場合)アクセス ポイント コンフィギュレーション コマンドを使用するか、cgprsAccPtVerifyUpStrTpduSrcAddr オブジェクトを true(1) に設定します。 |
cgprsAccPtSecDestViolNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.183.2.0.3)
cgprsAccPtCfgNotifAccPtIndex cgprsAccPtMsAddrType cgprsAccPtMsAllocAddr cgprsAccPtMsTpduDstAddr |
セキュリティ違反が発生したとき、特に、アップストリーム TPDU の宛先アドレスが、ユーザ定義の Public LAN Mobile Network(PLMN; パブリック LAN モバイル ネットワーク)アドレスのグローバル リストの範囲内であると GGSN が判断した場合に、送信されます。 この通知の生成をイネーブルにするには、 security verify destination アクセス ポイント コンフィギュレーション コマンドを使用するか、または cgprsAccPtVerifyUpStrTpduDstAddr オブジェクトを true(1) に設定します。 |
cgprsAccPtMaintenanceNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.183.2.0.4)
cgprsAccPtCfgNotifAccPtIndex |
APN がメンテナンス モードになったとき、送信されます。 APN をメンテナンス モードにするには、 service-mode maintenance アクセス ポイント コンフィギュレーション コマンドを使用するか、または cgprsAccPtOperationMode オブジェクトを maintenance(1) に設定します。 サービス モードは cGgsnServiceModeStatus によって識別されます。 この通知の生成をイネーブルにするには、cgprsAccPtMaintenanceNotif を true(1) に設定します。 |
cgprsAccPtInServiceNotif(1.3.6.1.4.1.9.9.183.2.0.5)
cgprsAccPtCfgNotifAccPtIndex |
APN が運用モードになったとき、送信されます。 APN を運用モードにするには、 service-mode operational アクセス ポイント コンフィギュレーション コマンドを使用するか、または cgprsAccPtOperationMode を inService(0) に設定します。 サービス モードは cGgsnServiceModeStatus によって識別されます。 この通知の生成をイネーブルにするには、cgprsAccPtMaintenanceNotif を true(1) に設定します。 |
GTP 通知
表 A-6 CISCO-GTP-MIB でサポートされている GTP 関連の通知のリストを示しています。この通知の送信をイネーブルにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで snmp-server enable traps gprs gtp コマンドを使用します。
表 A-6 GTP 通知
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cGtpPathFailedNotification(1.3.6.1.4.1.9.9.188.2.0.1)
cGtpLastNoRespToEchoGSNIpAddrTyp cGtpLastNoRespToEchoGSNIpAddr |
グローバル コンフィギュレーション モードで gprs gtp n3-requests コマンドを使用して設定された N3-requests カウンタの時間間隔において、GGSN ピア(Serving GPRS Support Node(SGSN; サービング GPRS サポート ノード)または課金ゲートウェイ)が GTP エコー要求メッセージへの応答に失敗したとき、送信されます。 この通知の生成をイネーブルにするには、cGtpNotifEnable を true(1) に設定します。 |
アラーム通知
通知は、重大度に応じて、アラームまたは情報イベントであると判断されます。重大度が critical、major、または minor である通知は、アラームに分類されます。アラームの重大度が報告対象外であっても、アラームのアラーム状態が変化した場合は、報告される必要があります。
情報イベントの状態の変化は必須ではありません。情報イベントは、修正処理が必要でない、通常と異なる条件が発生したことを示す警告です。情報イベントは報告されますが、一時的な状態です。問題解決のための修正処理は必要ありません。
表 A-7 は、重大度と必要な応答のリストを示しています。
表 A-7 通知の重大度
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Critical |
重大な条件が存在します。処理が推奨される場合は、critical アラームをただちにクリアします。 |
Major |
サービスの中断が発生しました。このアラームをただちにクリアします。 |
Minor |
サービスの中断は発生しませんでしたが、できるだけ早くこのアラームをクリアします。 |
Informational |
修正処理が必要でない、通常と異なる条件が発生したことを示す警告です。情報イベントは報告されますが、一時的な状態です。管理センターから問題解決のための修正処理は要求されません。 |
アラームにはトラップ タイプが関連付けられます。 表 A-8 は、アラームと関連付けることができるトラップ タイプを示しています。
表 A-8 アラーム トラップ タイプ
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1(cleared) |
以前のアラーム条件がクリアされたことを示します。個々の状況について説明している他の箇所で、アラーム条件がクリアされることによって、通知またはこの値のアラーム重大度を含むその他のイベントが生成されることが特に記述されている場合を除き、必須ではありません。 |
2(indeterminate) |
重大度を判別できないことを示します。 |
3(critical) |
サービスに影響を及ぼす条件が発生し、ただちに処理することを要求される場合があります。 |
4(major) |
サービスに影響を及ぼす条件が発生し、緊急の修正処理が要求される場合があります。 |
5(minor) |
サービスに影響を及ぼさない条件が存在し、より重大な条件(安全性に影響を及ぼす問題など)が発生しないようにするために、修正処理を実行する必要があります。 |
6(warning) |
重大な影響が発生する前に、潜在的な、または近い将来発生する可能性のあるサービスまたは安全性に影響を及ぼす条件が検出されました。 |
7(info) |
アラーム条件は他の重大度定義のいずれにも該当しません。この条件には、重要であるものの、緊急性の低い通知または情報イベントが含まれる場合があります。 |
次の項では、次の通知でサポートされているアラームについて説明します。
• 「cGgsnGlobalErrorNotif」
• 「cGgsnAccessPointNameNotif」
• 「CgprsCgAlarmNotif」
• 「cgprsAccPtCfgNotif」
cGgsnGlobalErrorNotif
表 A-9 は、cGgsnGlobalErrorNotif 通知(CISCO-GGSN-MIB)でサポートされているアラームのリストを示しています。cGgsnGlobalErrorNotif 通知でサポートされているアラームはグローバル関連アラームです。
表 A-9 cGgsnGlobalErrorNotif Alarms
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原因: GGSN サービスが開始されました。グローバル コンフィギュレーション モードで service gprs コマンドが発行されました。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は critical です。トラップ タイプは 3 です。 推奨処置: 情報イベントです。処理は必要ありません。 |
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原因: GGSN サービスがダウンしました。グローバル コンフィギュレーション モードで no gprs service コマンドが発行されたか、またはシステム サービスが別の理由によってダウンしました。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は critical です。トラップ タイプは 3 です。 推奨処置: グローバル コンフィギュレーション モードで service gprs コマンドを発行することによって、ルータで GGSN サービスを再度開始します。問題が解決しない場合は、シスコ テクニカルサポート担当者にご連絡ください。このとき、エラー メッセージをご提示ください。 |
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原因: DHCP サーバが設定されていません。このエラー通知は、DHCP サーバ設定の一部がないか、または誤っている場合に生成されます。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は major です。トラップ タイプは 4 です。 推奨処置: DHCP 設定のすべての要素が適切に設定されていることを確認します。 |
cGgsnAccessPointNameNotif
表 A-10 は、cGgsnAccessPointNameNotif 通知(CISCO-GGSN-MIB)でサポートされているアラームのリストを示しています。cGgsnAccessPointNameNotif 通知でサポートされているアラームは APN 関連アラームです。
表 A-10 cGgsnAccessPointNameNotif アラーム
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原因: Remote Authentication Dial-In User Service(RADIUS)サーバが設定されていません。このエラー通知は、RADIUS サーバ設定の一部がない場合に生成されます。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は major です。トラップ タイプは 4 です。 推奨処置: 1. RADIUS サーバが適切に設定されていること、およびこのサーバへの ping が成功することを確認します。 2. RADIUS サーバが適切に設定されていることを確認します。 (注) シスコ テクニカルサポート担当者にご連絡ください。このとき、エラー メッセージ、および show running configuration コマンドを発行した結果をご提示ください。 |
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原因: 次の理由により、ダイナミック IP 割り当てが失敗しました。 1. DHCP サーバまたは RADIUS サーバに関する次のいずれかの問題が発生した可能性があります。 a. DHCP サーバまたは RADIUS サーバの IP アドレスが GGSN で誤って設定されています。 b. DHCP サーバまたは RADIUS サーバはアクセス可能ですが、IP アドレスを割り当てるための設定が誤っています。 c. DHCP サーバまたは RADIUS サーバは適切に設定されていますが、アクセスできません。 2. ダイナミック IP 割り当てが APN 設定でディセーブルになっています。 3. 透過モードの RADIUS クライアントからの PAP または CHAP のユーザ名およびパスワード情報がありません。このため、この情報が PDP アクティベーション要求に含まれていません。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は major です。トラップ タイプは 4 です。 推奨処置: 1. DHCP サーバまたは RADIUS サーバの設定について、次のことを確認します。 a. GGSN で設定されている DHCP サーバまたは RADIUS サーバの IP アドレスが有効であること b. DHCP サーバまたは RADIUS サーバでの IP アドレス割り当てが適切に設定されていること c. DHCP サーバまたは RADIUS サーバがアクセス可能であること( ping コマンドを使用) 2. APN において、DHCP プロキシ クライアントまたは RADIUS クライアントのいずれかとして、IP 割り当てプールを設定します。 3. 上記の処理のいずれによってもアラーム条件が解決しない場合は、シスコ テクニカルサポート担当者にご連絡ください。このとき、エラー メッセージをご提示ください。 |
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原因: PDP コンテキストの作成要求で要求された APN が GGSN で設定されていないため、PDP アクティベーションが失敗しました。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は major です。トラップ タイプは 4 です。 推奨処置: 対応する APN の設定を確認します。設定が正しい場合は、シスコ テクニカルサポート担当者にご連絡ください。このとき、エラー メッセージ、および show running-config と show gprs access-point all コマンドの出力を保存したデータをご提示ください。 |
cGgsnPacketDataProtocolNotif
表 A-11 は、cGgsnPacketDataProtocolNotif 通知(CISCO-GGSN-MIB)でサポートされているアラームのリストを示しています。cGgsnPacketDataProtocolNotif 通知でサポートされているアラームは PDP 関連アラームです。
表 A-11 cGgsnPacketDataProtocolNotif アラーム
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原因: 次のいずれかの理由により、GGSN サービスを継続するために使用できるリソースが不足しています。 • PDP コンテキストの最大数に達しました。 • PPP 再生成された PDP コンテキストの最大数に達しました。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は critical です。トラップ タイプは 3 です。 推奨処置: 可能な場合は、GGSN で処理できる PDP コンテキストの数を増やします。問題が解決しない場合は、シスコ テクニカルサポート担当者にご連絡ください。このとき、エラー メッセージをご提示ください。 |
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原因: 次のいずれかの理由により、PDP アクティベーションが失敗しました。 1. RADIUS サーバが設定されていないか、またはアクセス可能でないため、認証に使用できる RADIUS サーバがありません。 2. PDP コンテキストの作成要求で無効なユーザ名またはパスワードが使用されています。 3. 非透過モードの PDP コンテキストの作成要求に、PAP または CHAP 情報エレメントがありません。 4. PDP コンテキストの作成要求にユーザ名がありません。 5. APN にアクセスする IP アドレスが重複しています。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は warning です。トラップ タイプは 6 です。 推奨処置: RADIUS サーバが適切に設定されていること、および ping コマンドを使用してこのサーバにアクセスできることを確認します。これらが該当する場合は、シスコ テクニカルサポート担当者にご連絡ください。このとき、エラー メッセージ、および show running-config の出力を保存したデータをご提示ください。 |
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原因: CCR(Initial) が Diameter サーバに送信され、CCA(Initial) 応答を受信する前に、Tx 時間が期限切れになりました。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は major です。トラップ タイプは 4 です。 推奨処置: PDP コンテキスト作成の処理は、credit control failure handling(CCFH; クレジット制御障害処理)設定によって決定されます。Diameter サーバ、および GGSN の DCCA Tx タイマーと CCFH の設定が、正しく設定されていることを確認します。 |
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原因: クォータ プッシュが失敗しました。1)CSG と GGSN のクォータ サーバ プロセスの間のパスがダウンしているか、または 2)CSG が、クォータ プッシュ要求に対する否定的なクォータ プッシュ応答を送信した。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は major です。トラップ タイプは 4 です。 推奨処置: CSG 設定、GGSN のクォータ サーバ設定、および CSG とクォータ サーバの間のパス ステートを確認します。条件が解決しない場合は、シスコ テクニカルサポート担当者にご連絡ください。このとき、エラー メッセージをご提示ください。 |
CgprsCgAlarmNotif
表 A-12 は、CgprsCgAlarmNotif 通知(CISCO-GPRS-CHARGING-MIB)でサポートされているアラームのリストを示しています。CgprsCgAlarmNotif 通知でサポートされているアラームは、GGSN の課金機能に関連するアラームです。
表 A-12 CgprsCgAlarmNotif アラーム
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原因: 課金ゲートウェイが設定されていないか、または課金ゲートウェイ パスで nodealive 要求に対する応答がないことによって、課金ゲートウェイ(プライマリ、セカンダリ、およびターシャリ)がダウンしています。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は critical です。トラップ タイプは 3 です。 推奨処置: 課金ゲートウェイが存在し、正しい IP アドレスが割り当てられていることを確認します。このようになっている場合、課金ゲートウェイはダウンしています。 |
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原因: 課金ゲートウェイが活動化しています。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は critical です。トラップ タイプは 3 です。 推奨処置: 情報イベントです。処理は必要ありません。 |
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原因: GGSN では、データ レコード転送要求に対する課金ゲートウェイからの応答の受信に繰り返し失敗しました。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は critical です。トラップ タイプは 3 です。 推奨処置: GGSN で課金ゲートウェイが適切に設定されていること、および課金機能がアクティブであることを確認します。 |
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原因: GGSN では、障害のあと、課金ゲートウェイにデータ レコード転送要求を正常に送信しました。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は critical です。トラップ タイプは 3 です。 推奨処置: 情報イベントです。処理は必要ありません。 |
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原因: GGSN バッファが一杯です。後続のパケットが廃棄される可能性があります。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は critical です。トラップ タイプは 3 です。 推奨処置: gprs charging send-buffer グローバル コンフィギュレーション コマンドに設定された値を確認し、可能な場合は、バッファに設定されたバイト数を大きくしてください。 |
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原因: GGSN call detail record(G-CDR; GGSN 呼詳細レコード)のバッファリング障害が発生したあと、GGSN では G-CDR をバッファリングできました。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は critical です。トラップ タイプは 3 です。 推奨処置: 情報イベントです。処理は必要ありません。 |
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原因: GGSN では、エコー要求に対する課金ゲートウェイからのエコー応答の受信に失敗しました。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は critical です。トラップ タイプは 3 です。 推奨処置: 課金ゲートウェイが GGSN で適切に設定されていることを確認します。条件が解決しない場合は、シスコ テクニカルサポート担当者にご連絡ください。このとき、エラー メッセージをご提示ください。 |
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原因: GGSN では、cgprsCgAlarmEchoFailure が送信されたあと、課金ゲートウェイからのエコー応答を受信しました。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は critical です。トラップ タイプは 3 です。 推奨処置: 情報イベントです。処理は必要ありません。 |
cgprsCgAlarmChargingDisabled
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原因: GGSN で課金トランザクションがディセーブルになったことを示します。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は critical です。トラップ タイプは 3 です。 推奨処置: 情報イベントです。処理は必要ありません。 |
cgprsCgAlarmChargingEnabled
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原因: GGSN で課金トランザクションがイネーブルになったことを示します。 重大度およびトラップ タイプ: 重大度は critical です。トラップ タイプは 3 です。 推奨処置: 情報イベントです。処理は必要ありません。 |
cgprsCgGatewaySwitchoverNotif
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原因: アクティブな課金ゲートウェイが切り替えられたことを示します。 推奨処置: 情報イベントです。課金ゲートウェイのスイッチオーバーが発生した理由を判別します。 |
cgprsCgInServiceModeNotif
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原因: GGSN 課金機能がメンテナンス モードからインサービス モードまたは運用モードになったことを示します。 推奨処置: 情報イベントです。処理は必要ありません。 |
cgprsCgMaintenanceModeNotif
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原因: GGSN 課金機能がインサービス モードまたは運用モードからメンテナンス モードになったことを示します。 推奨処置: 情報イベントです。処理は必要ありません。 |
cgprsAccPtCfgNotif
表 A-13 は、cgprsAccPtCfgNotif 通知(CISCO-GPRS-ACC-PT-MIB)でサポートされているアラームのリストを示しています。
表 A-13 cgprsAccPtCfgNotif
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原因: アクセス ポイント コンフィギュレーションが作成、変更、または削除されました。 重大度およびトラップ タイプ: 適用されません。 推奨処置: 情報イベントです。処理は必要ありません。 |