MPLS セグメント ルーティング OAM について
MPLS セグメント ルーティング(SR)は、Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチに展開されています。MPLS セグメント ルーティング(SR)の展開に伴い、セグメント ルーティング ネットワークの設定ミスや障害を解決するために、いくつかの診断ツールが必要になります。セグメント ルーティング保守運用管理(OAM)は、ネットワークの障害検出とトラブルシューティングに役立ちます。これを使用することで、サービス プロバイダーはラベル スイッチド パス(LSP)をモニタしてフォワーディングの問題を迅速に特定できます。
MPLS SR OAM は、診断目的で 2 つの主要な機能を提供します。
-
MPLS ping
-
MPLS Traceroute
セグメント ルーティング OAM 機能は、次の FEC タイプをサポートします。
-
SR-IGP IS-IS IPv4 プレフィックスへの ping およびトレースルート。これにより、IS-IS SR アンダーレイで配布されるプレフィックス SID の検証が可能になります。
-
BGP IPv4 プレフィックスへの ping およびトレースルート。これにより、BGP SR アンダーレイで配布されるプレフィックス SID の検証が可能になります。
-
汎用 IPv4 プレフィックスへの ping およびトレースルート。これにより、配布を実行したプロトコルに依存しない SR アンダーレイで配布されたプレフィックス SID の検証が可能になります。検証は、ユニキャスト ルーティング情報ベース(URIB)とユニキャスト ラベル情報ベース(ULIB)をチェックすることによって実行されます。
-
Nil FEC プレフィックスへの ping およびトレースルート。これにより、ping またはトレースルートが通過するパスをより詳細に制御して、MPLS SR プレフィックスに対応する部分に限ったデータ プレーンのみの検証が可能になります。パスは、SR-TE ポリシー名または SR-TE ポリシーのカラーとエンドポイントを使用して指定できます。
Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチで MPLS OAM を有効にするには、feature mpls oam CLI コマンドを使用します。Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチで MPLS OAM を無効にするには、no feature mpls oam CLI コマンドを使用します。
セグメント ルーティング Ping
IP ping が IP ホストへの接続を検証するのと同様に、MPLS ping は、MPLS ラベル スイッチド パス (LSP) に沿った単方向の連続性を検証するために使用されます。検証される LSP を表す FEC を提供することにより、MPLS ping は次のことを実行します。
-
FEC のエコー要求が LSP のエンドポイントに到達することを確認します。Nil FEC を除き、他のすべての FEC タイプについては、エンドポイントがその FEC の正しい出力先であることを確認します。
-
低密度ラウンド トリップ時間を測定します。
-
低密度ラウンド トリップ遅延を測定します。
MPLS LSP ping 機能を使用して、LSP に沿った入力ラベル スイッチ ルータ(LSR)と出力 LSR 間の接続を確認します。MPLS LSP ping は、Internet Control Message Protocol(ICMP)のエコー要求メッセージと応答メッセージと同様に、LSP の検証に MPLS エコーの要求メッセージと応答メッセージを使用します。MPLS エコー要求パケットの宛先 IP アドレスは、ラベル スタックの選択に使用されるアドレスとは異なります。宛先 IP アドレスは 127.x.y.z/8 アドレスとして定義され、LSP が壊れている場合は IP パケットがそれ自体の宛先へ IP を切り替えないようにします。
セグメント ルーティング Traceroute
MPLS traceroute は、LSP の各ホップでフォワーディング プレーンおよびコントロール プレーンを検証して、障害を切り分けます。traceroute は、TTL 1 から始まり単調増加する存続可能時間(TTL)で MPLS エコー要求を送信します。TTL の有効期限が過ぎると、中継ノードはソフトウェアで要求を処理し、ターゲット FEC と目的の中継ノードへの LSP があるかどうかを確認します。中継ノードは、検証が成功した場合、ネクストホップに到達するための上記の検証とラベルスタックの結果を指定するリターンコードと、宛先に向かうネクストホップの ID を含むエコー応答を送信します。発信元は、TTL + 1 を含む次のエコー要求をビルドするためにエコー応答を処理します。宛先が FEC に対する出力であると応答するまで、プロセスが繰り返されます。
MPLS LSP のトレースルート機能を使用して、LSP の障害ポイントを隔離します。これはホップバイホップ エラーのローカリゼーションとパス トレースに使用されます。MPLS LSP traceroute 機能は、エコー要求を伝送するパケットの存続可能時間(TTL)値の期限切れに依存します。MPLS エコー要求メッセージが中継ノードを見つけると TTL 値をチェックし、期限が切れている場合はコントロール プレーンにパケットが渡されます。それ以外の場合は、メッセージが転送されます。エコー メッセージがコントロール プレーンに渡されると、要求メッセージの内容に基づいて応答メッセージが生成されます。