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この章では、Cisco XR 12404 ルータの概要を紹介します。ルータ ハードウェアおよび主要コンポーネントの物理構成と、ハードウェア関連の機能の概要について説明します。
Cisco XR 12404 ルータは、Internet Service Provider(ISP; インターネット サービス プロバイダー)のエッジ向けの製品で、T3/E3(44.7/34.4 Mbps)から OC-192/STM-64 または 10GE(10 Gbps)の速度まで対応します。
図 1-1 に、Cisco XR 12404 ルータの PRP-2、Consolidated Switch Fabric(CSF)カード、およびラインカードの位置を示します。ラインカード上のネットワーク インターフェイスは、ルータの CSF と外部ネットワークの間の接続を提供します。最下部のスロット(Fabric Alarm のラベル)は、複合 CSF カード専用のスロットです。
(注) 説明図では、わかりやすくするために前面扉を省略しています。
図 1-1 Cisco XR 12404 ルータ ― 前面図
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Cisco XR 12404 ルータは、標準の 7 フィート(2.15 m)ラックに 8 シャーシまで搭載可能であり、次の機能を備えています。
• ルート プロセッサ(PRP-2) ― プライマリ ルート プロセッサはルータ内の専用スロットに搭載されています。冗長 ルート プロセッサは任意のラインカード スロットに搭載できます。「ルート プロセッサ」を参照してください。
• ラインカード ― カード ケージにはホットスワップ可能なカード スロットが 4 つあります。ルータには、OC-192 ラインカードを最大 3 つ搭載できます(冗長ルート プロセッサを搭載している場合、ラインカードは最大 2 つ)。「サポート対象のラインカード」を参照してください。
• CSF カード ― 1 つのボードにスイッチ ファブリック、アラーム、およびクロック スケジュール機能が組み込まれています。CSF カードのスイッチング容量は、10 Gbps です。「CSF カード」を参照してください。
• AC PEM(パワー エントリ モジュール) ― カスタマイズされ、ホットスワップ可能な 1 ピース型ユニット。「PEM」を参照してください。
• DC PEM および DC Power Distribution Unit(PDU; 配電ユニット) ― 1 つのユニットとしても、また別々のユニットとしても取り外すことのできる 2 ピース型ユニット。「PEM」を参照してください。
(注) EMI 規格に適合するには、両方のモジュール ベイに DC PEM および DC PDU を搭載した状態で、ルータを稼働する必要があります。
• ファン トレイ アセンブリ ― ルータに冷気を供給します。「ファン トレイ アセンブリ」を参照してください。
• ケーブル管理ブラケット ― ラインカードのケーブルを整理するために使用します。「ケーブル マネージャ システム」を参照してください。
• メンテナンス バス ― システム内のすべての MBus モジュールを制御します。「MBus」を参照してください。
Cisco XR 12404 ルータのルート プロセッサは、パフォーマンス ルート プロセッサ(PRP-2)です。PRP-2 についての詳細は、シスコ マニュアル、『 Performance Route Processor Installation and Configuration Guide 』を参照してください。
• 電源がオンになっているあいだ、搭載されているすべてのラインカードにオペレーティング システム ソフトウェア イメージをアップロードします。
• ルータの設定およびメンテナンス用にアウトオブバンドのシステム コンソール、補助ポート、およびイーサネット ポートを提供します。
• ラインカード、電源モジュール、ファンなどのシステム コンポーネントの電力および温度を監視し、管理します。
Cisco PRP-2 は、これらの機能すべてを提供する高性能プロセッサです。次に示す機能も強化されています(稼働しているソフトウェア バージョンによって異なる)。
• 1 GB のコンパクト イメージ フラッシュ メモリをサポート(オプション部品)
PRP-2 はスイッチ ファブリックを介して、または MBus を通じてラインカードと通信します。スイッチ ファブリック接続は、ルーティング テーブルの配布や、ラインカードと PRP-2 間のパケット送信用の主要なデータ パスです。MBus 接続を使用すると、PRP-2 はシステム ブートアップ イメージのダウンロード、診断情報の収集とロード、およびシステム内部の一般的な保守作業を行なえるようになります。
PRP-2 は、Designated System Controller(DSC)としても、また Secure Domain Router(SDR)としても使用できます。
• 起動時に最初にアクティブになるカードが DSC に指定されます。
SDR は、ネットワーク上の他の SDR とは関係なく、ドメイン セキュリティ機能を制御します。
PRP には、Motorola PowerPC 7450 CPU が使用されており、133 MHz の外部バス クロック速度および 667 MHz の内部クロック速度で動作します。
図 1-2 に、PRP の前面パネルのスロット、ポート、LED を示します。
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PRP には、PCMCIA カード スロットが 2 つ(スロット 0 およびスロット 1)あり、フラッシュ メモリの増設が可能です。PRP には異なる種類のフラッシュ デバイスを組み合わせて使用できます。ATA フラッシュ ディスクを使用することも、Type 1 または Type 2 のリニア フラッシュ メモリ カードを使用することも、その 2 つを組み合わせて使用することもできます。
(注) PRPがサポートするのは、+5.2 VDCのフラッシュ メモリ デバイスだけです。+3.3 VDC の PCMCIA デバイスはサポートしません。
このスロット内のフラッシュ メモリへのアクセスが生じると、ステータス LED(Slot-0 / Slot-1)に表示されます(図 1-2 を参照)。各スロットには、フラッシュ カードをスロットから取り出すためのイジェクト ボタンがあります(カバーの奥)。
RPR には、IEEE 802.3 10BASE-T(10 Mbps)または IEEE 802.3u 100BASE-TX(100 Mbps)イーサネット接続用の 8 ピン Media-Dependent Interface(MDI; メディア依存型インターフェイス)RJ-45 ポートが 2 つあります。これらのポートには、ETH 0 および ETH 1 のラベルが付けられています。
イーサネット ポートの伝送速度をユーザが設定することはできません。伝送速度は、PRP の自動感知機能によって設定され、そのイーサネット ポートが接続されているネットワークによって決まります。ただし、100 Mbps の伝送速度が自動感知されても、イーサネット ポートでは 100 Mbps よりかなり小さい帯域幅しか使用できない場合もあります。イーサネット接続を使用する場合、使用可能な最大帯域幅は、通常、20 Mbps 程度です。
前面パネル上の次の LED は、トラフィックの状態とポートの選択状況を示します(図 1-3)。
• LINK、EN、TX、RX ― リンク アクティビティ(LINK)、ポート イネーブル(EN)、データ送信(TX)、およびデータ受信(RX)を表します。
• PRIMARY ― 選択されているイーサネット ポートを示します(ETH 0 または ETH 1)。
(注) PRP は両方のポートをサポートしており、ETH 0 は常に点灯します。ETH 1 は選択された場合に点灯します。
図 1-3 ポート アクティビティ LED ― 前面パネルの部分図
PRP の補助ポートとコンソール ポートは、EIA/TIA-232(RS-232)非同期シリアル ポートです。これらのポートには、システムの監視および管理用の外部デバイスを接続できます。
• 補助ポート ― Data Terminal Equipment(DTE; データ端末装置)インターフェイスを提供するプラグ(オス)。補助ポートはフロー制御をサポートし、一般にモデム、CSU(チャネル サービス ユニット)、または Telnet 管理用のそのほかのオプション装置の接続に使用します。
• コンソール ポート ― コンソール端末接続用の Data Circuit-terminating
Equipment(DCE; データ回線終端装置)インターフェイスを提供するレセプタクル(メス)。
(ソフト)リセット スイッチは、PRP 前面パネルにある小さい開口部から操作します(図 1-2 を参照)。このスイッチを押すには、ペーパー クリップなど、先の尖った細いものを開口部に差し込みます。
リセット スイッチを押すと、NMI(ノンマスカブル割り込み)が生成され、PRP は ROM モニタ モードになります。ROM モニタ モードでの PRP の動作は、PRP のソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定によって決まります例として、ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタのブート フィールドの設定値に応じた動作をいくつか示します。
• 0x0 ― PRP は、システムを手動でブートするユーザ コマンドが入力されるまで、ROM モニタ プロンプト(rommon>)のままとなります。
英数字メッセージ ディスプレイ(図 1-4)は、4 文字ずつ 2 列で構成されています。
図 1-4 英数字メッセージ ディスプレイ ― 前面パネルの部分図
英数字メッセージ ディスプレイには、ブート プロセス中およびブート プロセス完了後に、ルータ ステータス メッセージが表示されます。
• ブート プロセス中、メッセージ ディスプレイは、MBus モジュールによって直接制御されます。
• ブート プロセス完了後、メッセージ ディスプレイは Cisco IOS XR ソフトウェアによって(MBus を通じて)制御されます。
英数字メッセージ ディスプレイには、PRPのステータス、ルータのエラー メッセージ、ユーザ定義ステータス、エラー メッセージなど、さまざまなレベルのシステム動作に関する情報も表示されます。
(注) すべてのシステム メッセージおよびエラー メッセージの完全なリストについては、『Cisco IOS System Error Messages』を参照してください。
ここでは、ルータの機能をサポートするために PRP で使用される各種のメモリについて説明します。 表1-1 は、各種メモリの早見表です。また、図 1-5 に PRP ボード上の位置を示します。
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512 MB 1 、 |
Cisco IOS XR ソフトウェアの主要機能には 512 MB または 1 GB(SDRAM 構成による)の DIMM を使用 |
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64 MB 1 |
1 つまたは 2 つのフラッシュ メモリ カードに、Cisco IOS XR ソフトウェア イメージ、システム コンフィギュレーション ファイル、およびそのほかのユーザ定義ファイルを保存 |
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PRP は、ルーティング テーブル、プロトコル、ネットワーク アカウンティング アプリケーションの保存や、Cisco IOS ソフトウェアの実行に、Error Checking and Correction(ECC)Synchronized Dynamic Random Access Memory(SDRAM)を使用します。
表1-2 に PRP の DRAM 構成を示します。使用する DIMM の数に応じて、次の点に注意してください。
• DIMM × 1 ― バンク 1(U15)に最初に装着する必要があります。
• DIMM × 2 ― 異なるサイズのメモリを併用することはできません。両方のバンクに同じサイズの DIMM を使用する必要があります。
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512 MB 2 |
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Static Random Access Memory(SRAM)は、2 MB のセカンダリ CPU キャッシュ メモリを提供します。SRAM の主な機能は、ルーティング テーブルのアップデート時や、ラインカードとの間の情報の送受信時に、中間準備領域としての役割を果たすことです。SRAM は、ユーザ側で構成することも、現場で拡張することも できません 。
Non-volatile Random Access Memory(NVRAM)は、システム コンフィギュレーション ファイル、ソフトウェア レジスタの設定値、および環境モニタリング ログ用に 2 MB のメモリを提供します。内蔵リチウム バッテリによって、最低 5 年間は NVRAM の内容が維持されます。NVRAM は、ユーザ側で構成することも、現場で拡張することも できません 。
フラッシュ メモリは、ルータの動作に使用可能な複数の Cisco IOS XR ソフトウェア およびマイクロコード イメージの保存に使用されます。ネットワークを通じて(またはローカル サーバから)新しいイメージをフラッシュ メモリにダウンロードし、既存のイメージの代わりに使用したり、追加イメージとして使用したりすることができます。ルータは、フラッシュ メモリ内に保存されている任意のイメージからブートできます(手動でも自動でも)。
フラッシュ メモリはさらに、TFTP サーバとしても機能するので、保存されたイメージからほかのサーバをリモートで起動したり、それらのイメージをほかのサーバのフラッシュ メモリにコピーしたりできます。
システムには、次の 2 種類のフラッシュ メモリが使用されます。
• オンボード フラッシュ メモリ( bootflash ) ― Cisco IOS ブート イメージが保存されています。
• フラッシュ メモリ ディスク(またはカード) ― Cisco IOS ソフトウェア イメージが保存されています。
表1-3 に、サポートされているフラッシュ ディスク サイズとシスコの Part Number を示します。
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64 MB 4 |
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3.標準 Type I および Type II リニア フラッシュ メモリ カードもサポートされています。ただし、これらの容量はご使用の構成要件を満たさない場合があります。 |
Cisco XR 12404 ルータは、出荷時にラインカードが最大 3 つ、ルート プロセッサが 1 つ搭載されており、多様なネットワーク メディア タイプに対応できます。出荷時に搭載されるラインカードとルート プロセッサは、発注時の指定によって異なります。カード ケージのスロットの位置は、図 1-6 を参照してください。
• ラインカードは、カード ケージのスロット 1 ~ 3 に搭載できます。
• スロット 0 は、プライマリ ルート プロセッサのデフォルト スロットです。
• 最下部のスロットは、CSF カード用に確保されています。
(注) サポート対象のラインカードの最新のリストは、ソフトウェア リリース ノートを参照してください( マニュアルの入手方法、テクニカル サポート、およびセキュリティ ガイドラインを参照)。
ラインカードは、CSF カードを通じて、他のラインカードおよびルート プロセッサと接続されます。Cisco XR 12404 ルータに搭載されたラインカードはホットスワップ対応であるため、ルータの動作中に交換できます。
図 1-7 に、シングルモードおよびマルチモードのラインカードの例を示します。
Cisco XR 12404 ルータの CSC カードに組み込まれている機能は、次のとおりです。
CSF カードのアラーム機能は、障害が発生した場合に、視覚的なアラーム通知を行います。アラーム カード機能は、次の状態を示します。
–CSF には 5 V の MBus 電源モジュールが組み込まれており、シャーシ内の汎用 PEM を使用できます。Cisco XR 12404 ルータは、PEM に関して、次の状態を監視できます。
–アラーム出力機能は、ルート プロセッサのソフトウェアによって制御されます。CSF カード上のアラーム MBus モジュールがルート プロセッサからの信号を受信すると、クリティカル、メジャー、マイナーのいずれかの条件に対応する LED が点灯します。
–LED は、ルータ内の状態をユーザに通知します。クリティカル、
メジャー、またはマイナーのアラーム条件の判別は、ルート プロセッサで稼働する Cisco IOS XR ソフトウェアが行います。
–MBus OK および Fail 表示に対応するドライバが用意されています。
–アラーム出力機能は、一連の LED およびアラーム MBus モジュールの出力ポートに接続された関連ドライバで構成されています。CSF カードのアラーム MBus モジュールは、ルート プロセッサのソフトウェアの指示に従って、特定の LED を点灯させます。これらの LED は、ソフトウェア ドライバによって、クリティカル、メジャー、およびマイナーの 3 レベルに分類されます。クリティカル、メジャー、またはマイナーのアラーム条件の分類は、ルート プロセッサで稼働する Cisco IOS XR ソフトウェアにより決定されます。3 つの LED はそれぞれデュアル LED になります(障害に備えた冗長構成)。
–OK LED と Fail LED のペアは、アラーム MBus のステータスを示します。
グリーンに点灯している場合は、アラーム MBus モジュールが適切に稼働していることを示します。
オレンジの Fail LED は、アラーム MBus 自体または MBus モジュールにエラーが検出されたことを意味します。
アラーム MBus は電源モジュールをモニタし、正常な稼働範囲外の事態が発生すると信号で知らせます。
スイッチ ファブリックの回路は、ラインカード同士またはルート プロセッサとラインカード間のユーザ トラフィックの伝送用として、最大 40 Gbps(全二重)の同期速度相互接続を提供します。
ファブリック カードは、システム全体で使用するクロックおよびセル タイム同期信号を生成および配信します。生成されたシステム クロックはバックプレーンを通じてシステムに配信され、ローカル クロック機能の基準になります。
• システム クロック ― システム クロックは、CSF を通じたラインカード間のデータ転送、またはルート プロセッサとラインカード間のデータ転送を同期化します。システム クロック信号は、すべてのラインカードおよびルート プロセッサに送信されます。
• スケジューラ ― スケジューラはラインカードから CSF へのアクセス要求を処理します。スケジューラはラインカードから CSF へのアクセス要求を受信すると、そのラインカードに CSF へのアクセスを認める時期を決定します。
Cisco XR 12404 ルータのシャーシには、ホットスワップ可能な AC または DC の PEM を 2 つ搭載できます。EMI 規格を満たすためには、ルータに 2 つの PEM を搭載する必要があります。
各 AC PEM は、200 ~ 240 VAC を -48 VDC に変換し、これがシャーシ バックプレーンを通じてすべてのカード、RP、ファン アセンブリに配電されます。
図 1-8 に AC 電源モジュールのコンポーネントを示します。
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AC PEM のステータス LED は、電源モジュールの最新の動作状態を示します。これらのインジケータの機能概要を 表1-4 に示します。
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各 DC PEM は、-48 ~ -60 VDC の公称 DC 電圧で動作し、専用の 60 アンペア電源を必要とします。
図 1-9 に DC 電源モジュールのコンポーネントを示します。
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DC PEM のステータス LED は、電源モジュールの最新の動作状態を示します。これらのインジケータの機能概要を 表1-5 に示します。
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Cisco XR 12404 ルータおよびカード ケージに搭載された各カードへの電力は、バックプレーンによって分配されます。PEM は AC 電源を -48 VDC に変換します。ルート プロセッサまたは MBus ソフトウェアによって指示されると、MBus モジュールは DC-DC コンバータを起動します。-48 VDC は、カードに必要な内部電圧として +2.5 VDC、+3.3 VDC、および +5 VDC に変換されます。
ファン トレイ アセンブリの電力は、バックプレーンから直接供給されます。内蔵のファン トレイ アセンブリ コントローラ カードは、-48 VDC をファン用の DC 電圧に変換します。
Cisco XR 12404 ルータのシャーシの側面にはファン トレイ アセンブリが 1 つ搭載されています。ファン トレイ アセンブリは冷気を取り込み、カード ケージを通過させることにより、内部コンポーネントの動作温度を適切な範囲に維持します。
ファン トレイ アセンブリは、7 つのファン、および 2 つのファン コントローラ カードが格納された板金製ラックです(図 1-10)。
警告 他の機器からの排気が Cisco XR 12404 ルータの吸気口に直接入り込むと、過熱状態を引き起こすことがあります。ルータを設置する場合は、他の機器から排出された熱気が直接入り込まないよう注意してください。
ファン トレイ アセンブリはエアー フィルタを通して室内の空気を取り入れ、カード ケージを通過させて、シャーシ側面の排気口から排出します。
(注) 熱気はシャーシ側面から排出されます。十分なエアーフローを確保するため、シャーシの吸気口および排気口の前にはそれぞれ 6 インチ(15.24 cm)のすき間を確保してください。
Cisco XR 12404 ルータには、2種類のケーブル マネージャ システムがあります。
• ラインカード ケーブル管理ブラケット(図 1-11) ― このブラケットを各ラインカードに取り付けると、ラインカード ケーブルをシャーシ ケーブル管理ブラケットに誘導することができます。これらのブラケットは、ケーブルが極端に曲がったり、外れたりするのを防ぎます。
図 1-11 RP およびラインカードのケーブル管理ブラケット
• シャーシ ケーブル管理ブラケット(図 1-12) ― このブラケットをシャーシに取り付けると、ラインカード ケーブルをシャーシから離れた位置に配線できます。
• ラインカード、ルート プロセッサ、およびクロック スケジューラ カードのインターフェイス ケーブルを、システムとの接続部付近で整理します。
• カード ケーブル管理ブラケットとシャーシ ケーブル管理ブラケットの 2 つの部品で構成されます。
Cisco XR 12404 ルータの MBus および MBus モジュールは、システムのすべてのメンテナンス機能を管理します。MBus は、2 つの個別のバスで構成されています(MBus の冗長性を提供します)。各 MBus は、次のコンポーネントすべてにリンクしています。
各コンポーネントにある MBus モジュールは、MBus 経由で通信し、ファブリック カードから +5 VDC を直接給電されます。MBus は、各コンポーネントの起動および停止を制御するとともに、コンポーネント(装置)の検出、コードのダウンロード、診断、および環境モニタおよびアラーム機能を実行します。
各 MBus モジュールは、コンポーネントがオンボード EPROM および RP から受信するコマンドに基づいて、該当コンポーネントの DC-DC コンバータを直接制御します。各 MBus モジュールは、CSF カードから +5 VDC を直接給電されます。
Cisco XR 12404 ルータの電源がオンになると、すべての MBus モジュールがただちに起動します。ルート プロセッサおよび CSF カードの MBus モジュールは、DC-DC コンバータを即時に起動し、該当するカードを起動します。ラインカードの MBus モジュールは、ルート プロセッサからコマンドを受信した時点で、ラインカードを起動します。
ルート プロセッサ は、MBus を使用してシステム コンフィギュレーションを判別できます。ルート プロセッサから MBus を通じて、搭載されているすべての装置にアイデンティティを示すよう要求するメッセージが送信されます。各装置からの応答によって、コンポーネント タイプ、ラインカード スロット番号、および CSF カード スロット番号の情報が提供されます。
ルート プロセッサから MBus を通じて、ラインカードのオペレーティング ソフトウェアの一部をラインカードにダウンロードできます。MBus による通信は、CSF と比べると低速なので、ラインカードが CSF にアクセスできる程度のコード部分だけをダウンロードすると、ダウンロード プロセスが完了します。
各コンポーネントの MBus モジュールは、次のようにしてコンポーネントの環境をモニタします。
• ラインカードおよびルート プロセッサの温度は、各カードに 2 台ずつ搭載された温度センサーによってモニタされます。MBus モジュールは、+2.5 VDC、+3.3 VDC、および +5 VDC の DC-DC コンバータなどの電圧モニタリングを、ソフトウェアで行います。
• CSF カードの温度は、カードに搭載された 2 台の温度センサーでモニタされます。MBus モジュールは、+2.5 VDC や +3.3 VDC などの電圧モニタを、ソフトウェアで行います。