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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Cisco XR 12404 ルータを設置するために必要な準備作業について説明します。この章の内容は次のとおりです。
• 「Cisco XR 12000 シリーズ ルータの輸送」
Cisco XR 12404 ルータを設置する前に次の事項に留意してください。
(注) ルータを設置する準備ができるまで、ルータを開梱しないでください。
Cisco XR 12404 ルータは、最小限の工具で設置できるように設計されています。必要な工具は次のとおりです。
次の注意事項に従って、安全を確保し、機器を保護してください。このリストには、起こりうる危険な状況がすべて網羅されているわけではありません。常に注意が必要です。
ここでは、Cisco XR 12404 ルータの設定またはメンテナンスを安全に行なうための一般的な推奨事項をいくつか示します。
• 重量物を持ち運ぶ場合は、必ず 2 人以上で行ってください。
• ルータの移動や取り扱いは、必ず電源を切断し、すべての電源コードを抜いてから行ってください。
• 設置作業中および設置後、作業場所周辺は、できるだけ埃のない清潔な状態に保ってください。
• 通路には、工具やルータ コンポーネントを置かないでください。
• 作業時には、ルータに引っ掛かるような衣服や、指輪やネックレスなどの装身具は着用しないでください。
• ネクタイやスカーフはしっかりと留め、袖はまくり上げてください。
• シスコの装置は、指定された電気定格および使用上の注意事項に従って使用した場合、安全に稼働します。
• ルータの保守作業を行うときは、交換する部品が活性挿抜(online insertion and removal; OIR)対応である場合を除き、必ず電源コードを抜いてから行ってください。
• ルータは、各国および地域の電気規格に適合するように設置する必要があります。米国では、National Fire Protection Association(NFPA; 米国防火協会)70, United States National Electrical Code 規格が適用されます。カナダでは、Canadian Electrical Code, Part I, CSA C22.1 が適用されます。その他の国々では、International Electrotechnical Commission(IEC; 国際電気標準会議)規格 364, Part 1 ~ Part 7 が適用されます。
• ルータの設置、設定、またはメンテナンスを行う前に、『 Regulatory Compliance and Safety Information for the Cisco XR 12000 Series Routers 』に記載されている安全上の警告を確認してください。
• AC PEM を使用する Cisco XR 12404 ルータには、3 線アースタイプのプラグが付属しています。このプラグを接続できるのは、アースタイプの電源コンセントだけです。これは安全上の仕様です。装置のアース接続は、地域および各国の電気規格に適合する方式で行う必要があります。
• DC PEM を使用する Cisco XR 12404 ルータには、DC 電源ごとに個別の 35 A の DC 回路ブレーカーが必要です。この回路ブレーカーにより、United States National Electrical Code NFPA 70(米国)、Canadian Electrical Code, part I, CSA C22.1; CSA C22.2 No. 0(カナダ)、および IEC 364(その他の国々)に従って、ショートおよび過電流障害から装置を保護します。
• Cisco XR 12404 ルータの DC PEM に接続できるのは、UL60950、CSA 60950、EN60950、および IEC 60950 の Safety Extra-Low Voltage(SELV; 安全超低電圧)要件を満たす DC 電源だけです。
• DC PEM を使用する Cisco XR 12404 ルータは、National Electric Code ANSI/NFPA 70 規格の Articles 110-18、110-26、110-27 に従って、立ち入り制限区域内に設置する必要があります。
• DC PDU を使用する Cisco XR 12404 ルータには、すぐに操作できる切断装置を固定配線に組み込んでおく必要があります。
Cisco XR 12404 ルータは、適合規格および安全性の認定要件を満たしています。『 Regulatory Compliance and Safety Information for the Cisco XR 12000 Series Routers 』を参照してください。
ESD(静電気放電)は、基板の取り扱いが不適切な場合に発生し、基板の故障または間欠的な障害をもたらします。
基板を取り扱うときは、静電破壊による損傷を防ぐために、次の注意事項に従ってください。
• 静電気防止用リスト ストラップまたはアンクル ストラップを肌に密着させて着用してください。
• リスト ストラップまたはアンクル ストラップは身体の静電気から装置を保護するだけです。衣服の静電気によって電子部品が損傷を受けることがあります。
静電気防止用ストラップを身体に装着し、ストラップの一方をCisco XR 12404 ルータのシャーシの塗装されていない金属部分に接続します(図 2-1参照)。
図 2-1 静電気防止用リスト ストラップとCisco XR 12404 ルータ シャーシの接続
Cisco XR 12404 ルータのシングルモード ラインカードはレーザーを使用しており、目に見えないレーザー光を放射します。ラインカード ポートの開口部をのぞき込まないでください。
警告 レーザー光にあたらないように注意してください。ケーブルが接続されていない場合、ポートの開口部から目に見えないレーザー光が放射されている可能性があるため、開口部をのぞき込まないでください。
フル構成のCisco XR 12404 ルータの重量は、約 100 ポンド(45.36 kg)です。ルータを設置する前に、電源の位置やネットワーク接続などの条件を確認し、あとでシャーシを動かす必要のないように、適切な場所であることを確認してください(図 2-2)。
図 2-2 持ち運び ― Cisco XR 12404 ルータ
重量のある装置を移動させるときは、必ず次の注意事項を守ってください。
• 重量物を持ち運ぶ場合は、必ず 2 人以上で行ってください。
• 足元がしっかりしていることを確認し、両足で重量を支えてください。
• 装置はゆっくりと持ち上げてください。急に動かしたり、持ち上げながら身体をねじったりしないでください。
• 背筋を伸ばし、上体ではなく脚の力を使って持ち上げてください。
• 装置を持ち上げるときに身体を曲げなければならない場合には、腰をかがめるのではなく、ひざを曲げて腰に負担がかからないようにします。
Cisco XR 12404 ルータのほとんどの Field-Replaceable Unit(FRU; 現場交換可能ユニット)は、活性挿抜対応です。つまり、ルータの稼働中に FRU の取り外しや取り付けを行っても、電気的な事故やシステムの損傷を引き起こさない設計になっています。
ここでは、Cisco XR 12404 ルータを設置する前に考慮すべき、設置環境の条件について説明します。
ラックにCisco XR 12404 ルータを設置する前に、ここで説明する一般的なラックマウントの注意事項を検討してください。
ファン トレイ アセンブリは、シャーシ背面から見て右側にあります。エアー フィルタおよびファン トレイ アセンブリへのエアーフローが妨げられないようにしてください。
(注) 熱気は、ファン トレイによってシャーシ側面から排出されます。十分なエアーフローを確保するため、シャーシの吸気口および排気口の前にはそれぞれ 6 インチ(15.24 cm)のすき間を確保してください。
• 閉鎖型ラックと強力すぎる換気システムを併用すると、シャーシ周辺にマイナスの気圧が生じ、吸気口から入るはずの風の向きが変わって冷却が妨げられることがあります。必要に応じてラックの扉を開放するか、またはオープンラックでルータを運用してください。
• 閉鎖型ラックの場合、内部で正しくバッフルを使用することによって、ルータを適切に冷却できます。
• ラック下部に設置された装置が過剰な熱気を発生させ、その熱気が上部にある装置の吸気口から取り込まれると、装置が過熱状態になることがあります。
Cisco XR 12404 ルータに付属のラックマウント金具は、ほとんどの 19 インチ装置ラックに適応します。
Cisco XR 12404 ルータをラックに搭載する際には、次の点に留意してください。
• 標準的な19インチ ラックを使用する場合、ラックを床面にボルトで固定してください。シャーシは 2 本のラック支柱に取り付けますが、それ以外の部分には支えがありません。
• Cisco XR 12404 ルータの重量でラックが不安定にならないようにする必要があります。
• ラック内の装置重量を考慮して、ラックを天井に金具で固定しなければならない場合があります。Cisco XR 12404 ルータを設置するラックが固定されていることを確認してください。
• Cisco XR 12404 ルータの拡張モデルの場合、4 支柱ラックのマウント レールは、前面扉を自由に開閉でき、ケーブル配線に十分なスペースが確保できるように 1.5 インチ(約 3.8 cm)ほど奥にずらして取り付ける必要があります。
Cisco XR 12404 ルータはサイズに特徴があります。標準的な 19 インチ装置ラックに最大 8 台の Cisco XR 12404 ルータを収容できます。ラックに複数のルータを設置する場合は、十分な換気が行われることを確認してください。
ルータの吸気口に他の装置からの熱した排気が入り込むと、ルータ内部が過熱状態になることがあります。
• ルータに付属のラインカード ブラケットおよびシャーシ ケーブル管理ブラケットを使用してケーブルを整理し、ケーブルがラインカードに掛からないようにしてください。
• 他の装置のケーブルによって、カード ケージに手が届きにくくなったり、装置のメンテナンスやアップグレードのたびにケーブルを外すことがないようにしてください。
• ルータを 4 支柱ラックに設置する場合、付属のネジをすべて使用して、シャーシをラック支柱に固定してください。
図 2-3 に、前面扉を取り付けた Cisco XR 12404 ルータのシャーシ外寸を示します。
図 2-3 Cisco XR 12404 ルータのシャーシ外寸 ― 上面図
ここでは、さまざまな設置環境(エアーフロー、温度や湿度、電源、AC および DC 電源ルータ、アース接続、および設置場所の配線)で Cisco XR 12404 ルータを稼働させる場合の注意事項を示します。正常なシステム動作を維持し、不要なメンテナンス作業を行わずに済むように、設置環境の条件を整えてからルータを設置してください。
Cisco XR 12404 ルータは、シャーシ側面にある 1 つのファン トレイ アセンブリによって空気を循環させる構造になっています。ファン トレイ アセンブリは、シャーシの右側面にある交換可能なエアー フィルタを通じて冷気を取り込み、内部コンポーネントの動作温度を適切な範囲に維持します。
カード ケージ内を循環した空気は、シャーシ側面から排出されます(図 2-4)。
• 十分な換気を行うため、シャーシの吸気口および排気口の前にはそれぞれ 6 インチ(15.24 cm)のすき間を確保してください。
• 設置環境にはできるだけ埃の少ない場所を選んでください。埃の多い環境では、エアー フィルタが目詰まりして、システムに送り込まれる冷気が少なくなります。その結果、ルータ内部が過熱状態になることがあります。
極端な環境条件の場合は、システム コンポーネントを保護するため、環境モニタ システムによって電力が遮断されます。
図 2-4 Cisco XR 12404 ルータの換気システム
動作時の環境要件については、付録 A に記載されています。温度および湿度がこの付録に記載された値の範囲内であれば、ルータの動作は維持されます。これらの条件が臨界値に達する前に、環境異常を予測して改善することにより、正常な動作を維持することができます。
ルータに組み込まれている環境モニタ機能により、過電圧および過熱に起因する損傷からシステムおよびコンポーネントが保護されます。
Cisco XR 12404 ルータには、AC PEM を使用するか、または DC PDU と DC PEM を組み合わせて使用する必要があります。設置場所の電源に関する要件は、使用する電源電圧によって異なります。ルータの電源接続について検討するときには、次の注意事項および推奨事項に従ってください。
• 設置前および設置後も定期的に設置場所の電源をチェックして、クリーンな電力が供給されていることを確認してください。
• 落雷や電力サージによる損傷を防ぐために、適切なアースを施すか、シャーシ側面にある適切なアース レセプタクルを使用してください。
AC PEM を使用する Cisco XR 12404 ルータには、3 線アースタイプのプラグが付属しています。このプラグを接続できるのは、アースタイプの電源コンセントだけです。これは安全上の仕様です。装置のアース接続は、地域および各国の電気規格に適合する方式で行う必要があります。
Cisco XR 12404 ルータに AC PEM を搭載して使用する設置場所では、次の注意事項に従ってください()。
• Power Factor Corrector(PFC; 力率補正器)により、PEM は北米では 100 ~ 120 VAC、15 A、その他の国では 185 ~ 264 VAC、10 A の AC 電源からの AC 電源電圧を受け入れることができます。
• AC PEM 電源コードの長さは、すべて 14 フィート(4.3 m)にしてください。
• ルータに搭載する PEM ごとに、専用の電源を準備してください。
• できるだけ Uninterruptible Power Source(UPS; 無停電電源)を設置してください。
図 2-5 Cisco XR 12404 ルータAC 電源プラグ
Cisco XR 12404 ルータにDC PDU を搭載している場合は、次の注意事項に従ってください。
• DC PDU および DC 入力 PEM が搭載されている Cisco XR 12404 ルータの電力定格は各パワー モジュールあたり最大 35 A であり、この最大電流に対応する専用 DC 電源が必要です。建物の DC 電源回路ブレーカーには、使用地域の安全規則および規制を遵守した製品を使用する必要があります。この回路ブレーカーにより、United States National Electrical Code NFPA 70(米国)、Canadian Electrical Code, part I, CSA C22.1(カナダ)、および IEC 364(その他の諸国)に従って、ショートおよび過電流障害から装置が保護されます。
• DC 電源コードの各線は、6 AWG の撚り線ワイヤです。
Cisco XR 12404 ルータを電源に接続し、オンにする前に、ルータの適切なシステム アースを確保する必要があります。装置のアース接続は、地域および各国の電気規格に適合する方式で行う必要があります。
Network Equipment Building System(NEBS)環境以外で設置する場合、AC 電源ユニットには International Electrotechnical Commission(IEC; 国際電気標準会議)320 インレットが提供する保護アース コネクタ、および DC 電源ユニットにはメインの端子ブロック アース コネクタを使用できます。
ここでは、設置場所のプラント配線およびケーブル配線を準備するための注意事項について説明します。新しいシステムの設置場所を検討するときは、次の点を考慮してください。
長距離の配線を行う場合、ワイヤ信号と磁場との間で EMI が発生することがあります。したがって、プラント配線を行う場合には次の点に注意する必要があります。
• 配線を適切に行わないと、プラント配線から高周波干渉が発生することがあります。
警告 特に雷や無線送信機による強力な EMI は、Cisco XR 12404 ルータ内の信号ドライバやレシーバーを破損したり、電力サージを回線上に流して電気的な事故を発生させたり、装置を損傷させたりする原因になります。
(注) 強力な EMI を予測して対処するには、必要に応じて Radio Frequency Interference(RFI; 無線周波数干渉)の専門家に相談してください。
アース コンダクタを適切に配置してプラント配線にツイストペア ケーブルを使用すると、プラント配線から高周波干渉が発生することはほとんどありません。推奨距離を超える場合は、データ信号ごとにアース コンダクタを配置した高品質のツイストペア ケーブルを使用してください。
配線が推奨距離を超える場合、または配線が建物間にまたがる場合には、近くで落雷が発生した場合の影響について、十分に注意する必要があります。雷などの高エネルギー現象で起こる Electromagnetic Pulse(EMP; 電磁パルス)により、電子デバイスを破壊するエネルギーが非シールド導体に発生する場合があります。過去にこのような問題が発生したことがある場合は、必要に応じて、電力サージ抑止やシールドの専門家に相談してください。
上記のように、発生頻度は少ないものの、壊滅的な状況につながる可能性のある問題は、大部分のデータセンターでは、パルス計などの特殊機器を使用しなければ解決できません。これらの問題が発生した場合、問題の特定と解決に長い時間を要するので、適正なアースおよびシールドを施した環境を準備することによって問題を予防してください。特に、電力サージの抑止には十分な注意を払う必要があります。
Cisco XR 12000 シリーズ ルータの輸送用パッケージは、輸送中に行われる通常の取り扱いによって製品が破損する可能性を小さくするためのものです。製品が破損する可能性を最小にするために、これらの製品はシスコが指定する梱包材に格納して輸送してください。そうしないと、ルータが破損したり、パフォーマンスが低下することがあります。また、設置する準備が整うまでは、インターネット ルータを輸送用の箱から取り出さないでください。ルータを輸送するとき、または保管するときは、傾けないでください。設置場所が決まるまでは、ルータを輸送用の箱から取り出さないでください。
欠品がある場合は、購入した代理店までご連絡ください。「マニュアルの入手方法、テクニカル サポート、およびセキュリティ ガイドライン」を参照してください。
Cisco XR 12000 シリーズ ルータの輸送用パッケージは、輸送中に行われる通常の取り扱いによって製品が破損する可能性を小さくするためのものです。製品が破損する可能性を最小にするために、これらの製品はシスコが指定する梱包材に格納して輸送してください。そうしないと、ルータが破損したり、パフォーマンスが低下することがあります。また、設置する準備が整うまでは、インターネット ルータを輸送用の箱から取り出さないでください。ルータを輸送するとき、または保管するときは、傾けないでください。設置場所が決まるまでは、ルータを輸送用の箱から取り出さないでください。
Cisco XR 12404 ルータには、サイト ログ(表2-1)が付属しています。サイト ログは、作業担当者がすぐに利用できるように、ルータに近い共有の場所に保管してください。サイト ログの記入項目としては、次のものがあります。
• 設置作業の進行状況 ― サイトログに項目を作成し、設置作業の進行状況を記録します。設置作業中に発生した問題および対応方法も記録しておきます。
• アップグレードおよび取り外し/交換作業 ― システムのメンテナンスや拡張の記録として、サイト ログを利用します。
表2-1に、サイト ログの例を示します。このサンプルをコピーして使用しても、独自のサイト ログを作成してもかまいません。
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