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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Cisco XR 12404 ルータのトラブルシューティングについて説明します。この章に記載されている解決方法を実行してもルータが正常に機能しない場合は、シスコのサービス担当者に連絡してください。
起動時に発生する問題は、多くの場合、電源に障害が発生しているか、またはカードがバックプレーンに正しく装着されていないことが原因です。起動時に過熱状態が発生することはほとんどありませんが、環境モニタ機能は内部電圧も対象としているので、ここでは環境モニタ機能についても説明します。
ルータを初めて起動するときは、起動シーケンスを観察する必要があります。正常な起動シーケンスは、次のとおりです。
• システム内の各カードには、MBus モジュールと、最低 1 台の DC-DC コンバータがあります。各 MBus モジュールは、DC-DC コンバータを制御します。MBus モジュールは、バックプレーンを通じて電源モジュールから +5 VDC 電力を直接供給されます。電源モジュールの電源スイッチをオンにすると、各 MBus モジュールがオンボード EEPROM(電気的に消去可能でプログラミング可能な ROM)デバイスからブートします。各 MBus モジュール プロセッサは、カード上でバックプレーン コネクタに接続する 1 組の識別ピン(搭載されているカードの種類を MBus モジュール プロセッサに伝える)を読み取り、それによって MBus モジュールがどのように動作するかを判別します。
• Consolidated Switch Fabric(CSF)にはシステム クロックが組み込まれており、短時間で起動します。
• RP の MBus モジュールは、Clock and Scheduler Card(CSC; クロック スケジューラ カード)起動の進行状況をモニタします。CSF が起動すると、RP の MBus モジュールは DC-DC コンバータを起動し、RP を起動します。
• RP が各ラインカードに起動命令を送信します。各ラインカードのプロセッサは、独自のブート プロセスの実行を開始し、ブート プロセスが完了すると、MBus モジュールを通じて RP に通知します。
• 各カードのブート プロセスが進行している間、カードの状態が英数字 LED ディスプレイに表示されます。左側のディスプレイはカードの DC/DC コンバータが制御し、右側のディスプレイは MBus モジュールに電力を供給する DC 電圧が制御します。
電源モジュールの LED および RP とラインカードの英数字ディスプレイを確認することにより、起動シーケンスのどの時点で、どこに問題が発生したかを判別できます。
電源モジュールとラインカードの LED の状態、RP の英数字ディスプレイを確認することによって、システムが起動シーケンスのどの時点で、どこに問題が発生したかを判断できます。
• INPUT OK LEDこの LED は、ただちに点灯し、システムが電源から電力を受け、電源スイッチがオンの位置になっている限り、点灯したままになります。
この LED は、PEM および内部 DC 電圧のステータスを表します。電源スイッチがオンになっているのに、LED が点灯しない場合、または LED が消灯した場合は、電源、内部電源コンポーネントが使用している内部 DC 電圧、または冷却サブシステムのいずれかに問題が生じている可能性があります。
この LED は、次の条件がすべて満たされているかぎり点灯し続けます。
–ACPEMF北米ではAC 電源電圧が 100 ~ 120 VAC 、15 Amp で動作、その他の国では 185 ~ 264 VAC 、10 Amp で動作している。
–DCPEMFDC 電源から PEM に電力が供給され、電源スイッチがオンの位置になっている。
(注) オレンジの OUTPUT FAIL LED は通常は消灯していますが、PEM が障害を検出すると点灯します。
–電源モジュールが内蔵コンポーネントに -48 VDC を供給している。
AC 電源またはいずれかの内部 DC 電圧が許容範囲を超えると、OUTPUT OK LED が点灯しないか、電源投入直後に消灯します。RP(+2.5、+3.3、および +5 VDC を使用)およびファン トレイ アセンブリ(-48 VDC を使用)は、両方とも稼働に必須のコンポーネントであるため、内部 DC ラインに問題があると、システムが起動しなかったり、稼働を続けられなくなったりすることがあります。
たとえば、ファン トレイに給電する -48 VDC ラインに問題がある場合、システムは起動しますが、ファンが稼働していないことを検出します。システムはファン障害によるシャットダウン シーケンスを開始し、該当する警告メッセージを表示してから、2 分後にシャットダウンします。
その他のいずれかの DC ラインに問題がある場合、RP はシステム ソフトウェアを初期化することができません。したがって、システムはブート シーケンス中に起動を試みますが失敗します。
• RP の英数字 LED ディスプレイの表示は次のとおりです。
ルータの問題を解決するには、問題の原因がどのサブシステムにあるかを特定することが重要です。起動時の問題を解決するには、まず、システムの 現在の状態 と、 本来の正常な状態 とを比較します。起動時の問題は 1 つのコンポーネントが原因になっている場合が多いので、ルータの各コンポーネントのトラブルシューティングを行うのではなく、サブシステム単位で問題を特定する方が効率的です。
トラブルシューティングを目的とした場合、Cisco XR 12404 ルータは次のサブシステムに分けることができます。
–AC 入力電源モジュールまたは DC 入力 PEMCisco XR 12404 ルータは AC 電源用または DC 電源用に構成できます。
–シャーシ バックプレーンの配電。電源モジュールから -48 VDC の電力がシャーシのバックプレーンに供給され、そこからバックプレーン コネクタを通じて -48 VDC の電力がカード ケージ内の各カードに分配されます。
–DC-DC コンバータルータの各カードに DC-DC コンバータが備わっています。これらのコンバータは、各カード上の MBus モジュールにより制御されています。DC-DC コンバータは、-48 VDC を各カードの回路が必要とする電圧に変換します。
• プロセッサ サブシステム ― RP およびすべてのラインカードが含まれます。RP は、各ラインカードのプロセッサに Cisco IOS XR イメージのコピーをダウンロードします。システムは英数字 LED ディスプレイを使用して、トラブルシューティングに役立つステータス メッセージやエラー メッセージを表示します。
• 冷却サブシステム ― 1 つのファン トレイ アセンブリと 1 つのエアー フィルタで構成されています。ファン トレイ アセンブリおよびエアー フィルタはホットスワップ対応であり、システムの稼働中に交換できます。
AC PEM は、-48 VDC の出力を提供します。CSF からの +5 VDC 出力により、システムの各カードの MBus モジュールに給電されます。MBus モジュールは、システム内の各カード上にある DC-DC コンバータを制御しています。DC-DC コンバータは電源モジュールからの -48 VDC 電力を +2.5、+3.3、および +5 VDCに変換して、カード回路に分配します。
AC PEM は、MBus モジュールおよび RP によって、過電圧または電圧不足および過電流または電流不足についてモニタされています。
電源サブシステムを確認するには、まず、電源モジュールの LED を調べます。AC 電力が供給されると、AC PEM の INPUT OK LED が点灯します。PEM の電源スイッチをオンにすると、OUTPUT OK LED が点灯します。
図 4-1に、AC PEM にある LED の配置を示します(項目 5)。
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表4-1 に、各 LED の機能を示します。
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AC PEM が正常に動作するためには、次の条件が満たされる必要があります。
• PEM がベイに正しく装着されていて、イジェクト レバーが固定されている。
• AC 入力電源が許容範囲内であり、PEM に正しく接続されている。
• PEM 上にある、OUTPUT OK および INPUT OK のラベルの付いたグリーンの LED が点灯している。
AC 入力電源モジュールの問題を特定する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 OUTPUT OK LED が消灯している場合は、電源モジュールがベイに正しく装着されているか、イジェクト レバーが電源モジュールの前面プレートに対して平行になっているか、非脱落型ネジが固定されているかどうかを確認します。
• OUTPUT OK LED が点灯した場合は、ステップ 6 に進んでください。
• OUTPUT OK LED が消灯したままの場合は、ステップ 2 に進んでください。
–電源コードが PDU と AC コンセントにきちんと接続されているかどうかを確認します。
–電源コードが裂けたり破損したりしていないかどうかを確認します。絶縁体に亀裂や破損が見られる場合、またはプラグに緩みがある場合は、新しい電源コードに交換してください。
• AC 電源の回路ブレーカーがオンになっていて、トリップが生じていないか、回路ブレーカーの電流定格が適切かどうかを確認します。
• ルータの各電源モジュールがそれぞれ独立した AC 電源に接続されているかどうかを確認します。
• Uninterruptable Power Supply(UPS; 無停電電源装置)にルータを接続している場合は、UPS が正常に機能しているかどうかを確認します。システムに搭載した電源モジュールごとに、異なる UPS を使用している場合もあります。
AC 電源の配線に問題がないにもかかわらず、電源モジュールの OUTPUT OK LED が点灯しない場合は、ステップ 3 に進んでください。
ステップ 3 電源コードを別の適合 AC コンセントに接続します。
• 電源モジュールの OUTPUT OK LED が点灯した場合は、元の AC コンセントが故障していて使用できません。設備の担当者に連絡し、ステップ 6 に進んでください。
• OUTPUT OK LED が消灯したままの場合は、ステップ 4 に進んでください。
ステップ 4 使用している電源コードを別の電源コードに交換します。
• 電源モジュールの OUTPUT OK LED が点灯した場合は、元の電源コードが不良なので交換する必要があります。電源モジュールの AC 部分は正常に動作しています。ステップ 6 に進んでください。
• 新しい電源コードを使用し、別の電源に接続しても、OUTPUT OK LED が点灯しない場合は、電源モジュールの故障が考えられます。ステップ 5 に進んでください。
ステップ 5 スペアの電源モジュールがある場合は、既存のモジュールをスペアに交換してシステムを再起動します。
• スペアの電源モジュールで OUTPUT OK LED が点灯し、その電源モジュールが正常に動作している場合は、ステップ 6 に進んでください。元の電源モジュールは故障しているので、交換のため返品する必要があります。
ステップ 6 電源モジュールの INPUT OK LED が点灯しているかどうかを確認します。
• 点灯している場合、電源モジュールは正常に動作しています。
(注) 電源モジュールが 2 つ搭載されている Cisco XR 12406 ルータでは、2 つめの電源モジュールからの出力電力でルータの動作は十分に維持されます。
• 点灯していないうえに、ほかのシステム アクティビティが見られない(ファン アセンブリがオフ、ラインカードが動作していない)場合は、電源モジュールが故障しています。電源モジュールを交換してください。
• 点灯していないが、ファン アセンブリは動作しているという場合は、電源モジュールの INPUT OK LED が故障していると考えられます。ファン アセンブリが稼働している場合は、内部 DC 電圧はすべて許容範囲内です。 show environment コマンドを使用して、各カードの電圧を確認してください。ファン アセンブリは -48 VDC を使用します。
DC PEM および PDU は、ルータに送られ、カード回路に分配される DC 電源を提供します。
電源サブシステムを確認するには、まず、PEMの LED を調べます。DC 電力が供給されると、DC PEM の INPUT OK LED が点灯します。電源スイッチをオンにすると、OUTPUT OK LED が点灯します。
• オレンジの OUTPUT FAIL LED は通常は消灯していますが、PEM が障害を検出すると点灯します。
• DC PEM は、MBus モジュールおよび RP により、電圧と電流の過剰および不足についてモニタされています。
図 4-2 に、PEMにある LED の配置を示します。
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表4-2 に、各 LED の機能を示します。
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DC PEM が正常に動作するためには、次の条件が満たされる必要があります。
• PEM がベイに正しく装着されていて、イジェクト レバーが固定されている。
• 所定の範囲内の DC 入力電力が、シャーシの PDU 端子コネクタ ブロックに正しく接続されている。
• グリーンの OUTPUT OK LED および INPUT OK LED が点灯していて、オレンジの OUTPUT FAIL LED が消灯している。
ステップ 1 OUTPUT FAIL LED が点灯しているかどうかを確認します。
• 点灯していれば、PEM が故障しています。PEM を交換してください。
• 点灯していない場合は、ステップ 2 に進んでください。
ステップ 2 INPUT OK LED が消灯している場合は、PEM がベイに正しく装着されているか、イジェクト レバーが PEM の前面プレートに対して平行になっているか、非脱落型ネジが固定されているかどうかを確認します。
• INPUT OK LED が点灯した場合は、ステップ 6 に進んでください。
• INPUT OK LED が消灯したままの場合は、ステップ 3 に進んでください。
ステップ 3 PEM の回路ブレーカー スイッチがオンになっているかどうかを確認します。
• スイッチがオンになっている場合は、ステップ 4 に進んでください。
• オンになっていない場合は、回路ブレーカーをオンに切り替えてください。
–INPUT OK LED が消灯したままの場合は、ステップ 4 に進んでください。
–INPUT OK LED が点灯した場合は、ステップ 6 に進んでください。
ステップ 4 PEM の回路ブレーカー スイッチをオフにして、DC 電源を確認します。
–PDU および DC 電源に電源コードがきちんと固定されているかどうかを確認します。
–電源コードが裂けたり破損したりしていないかどうかを確認します。絶縁体に亀裂または破損が見られる場合は、電源コードを交換してください。
• DC 電源の回路ブレーカーがオンになっていて、回路ブレーカーの電流定格が適切かどうかを確認します。
• ルータの各 PEM がそれぞれ独立した DC 電源に接続されているかどうかを確認します。
–PEM の INPUT OK LED が点灯した場合は、ステップ 6 に進んでください。
–PEM の INPUT OK LED が消灯したままの場合は、ステップ 5 に進んでください。
ステップ 5 PEM を外して、ルータの 2 つめのベイに取り付けるか、別の Cisco XR 12404 ルータのベイに取り付けます。
• INPUT OK LED が点灯しない場合は、PEM の故障なので交換しなければなりません。
• INPUT OK LED が点灯した場合、PEM の入力部分は正常に動作しています。ステップ 6 に進んでください。
ステップ 6 OUTPUT OK LED が点灯しているかどうかを確認します。
• 点灯している場合、電源に問題はなく、PEM の動作は正常です。
(注) 電源モジュールが 2 つ搭載されている Cisco XR 12404 ルータでは、2 つめの電源モジュールからの出力電力でルータの動作は十分に維持されます。
• 点灯していないうえに、ほかのシステム アクティビティが見られない(ファン アセンブリがオフ、ラインカードが動作していない)場合は、PEMが故障しています。PEM を交換してください。
• 点灯していないが、ファン アセンブリは動作しているという場合、OUTPUT OK LED の故障が考えられます。ファン アセンブリが稼働している場合は、内部 DC 電圧はすべて許容範囲内です。 show environment コマンドを使用して、各カードの電圧を確認してください。ファン アセンブリが使用するのは -48 VDC です。
Cisco XR 12404 ルータのプロセッサ サブシステムには、RP、ラインカード、およびアラーム CSF カードが含まれます。RP が搭載されていないと、システムは稼働できません。RP およびラインカードには、それぞれ 2 つのプロセッサがあります。1 つはメイン プロセッサであり、もう 1 つは MBus モジュールのコンポーネントです。
• MBus モジュールは、システムに電源が投入されるとただちに動作を開始します。MBus モジュールは、搭載されているカードのカード タイプを判別し、DC-DC コンバータを起動するかどうかを決定します。
• RP の MBus モジュールは、わずかな遅延後にカードを起動します。ラインカードの MBus モジュールは、RP からの命令を受信した時点で電源をオンにします。
Cisco XR 12404 ルータに RP を 1 つ搭載しないかぎり、システムは動作しません。ラインカードがバックプレーンに完全に接続されていない場合、RP に不完全な信号が送信され、システムが停止する原因になります。必要に応じて個々のラインカードをトラブルシューティングすることもできますが、RP が正しく搭載され、システム ソフトウェアが正常に初期化されているかどうかを最初に確認する必要があります。
(注) プライマリ RP は、スロット 0 (狭いスロット)に搭載する必要があります。冗長 RP を別のスロットに搭載する場合は、シャーシの適切なエアーフローを保ち、Electromagnetic Compatibility(EMC; 電磁適合性)を確保するため、幅の狭いカード フィラー パネルを使用する必要があります。
電源を投入すると、ただちに Power-on Self-Test(POST; 電源投入時セルフテスト)が開始され、RP メモリの状態がテストされます。テストの結果は、英数字 LED ディスプレイに PASS または FAIL メッセージで表示されます。
ルータの起動時における RP の英数字 LED ディスプレイの表示内容は、次のとおりです(図 4-3)。
• 上の行 ― 稼働中の RP ソフトウェア コンポーネントを示します。ブート プロセスが正常に完了すると、MSTR と表示されます。
• 下の行 ― ブート プロセスの現在のフェーズを示します。ブート プロセスが正常に完了すると、PRP と表示されます。
英数字ディスプレイを使用して RP の問題を特定することができます。英数字ディスプレイの 2 つの行へは、別々に電力が供給されています。
• 上の行は RP の DC-DC コンバータから給電されています。
• 下の行は、シャーシ バックプレーンを通じて RP の MBus から直接給電されています。
–下の行が点灯しない場合は、MBus モジュールが正常に機能していない可能性があります。
–MBus モジュールが動作していれば、たとえ RP の電源がオンになっていなくても下の行が点灯することもあります。
• 上下の両方の行が点灯しないのに、電源モジュールとファン アセンブリが動作している場合は、RP が正しく装着されていないか、またはシャーシ バックプレーンからの +5 VDC 出力に障害が発生している可能性があります。
–RP をシャーシ バックプレーンから外してから、再度取り付けて、RP を初期化します。
• 上下のディスプレイが両方機能している場合は、メッセージの意味を確認します( 表4-3 を参照)。
DC-DC コンバータが MBus モジュールから給電されると、RP プロセッサはブート プロセスを開始し、さまざまなステータス メッセージが表示されます。ごく短時間しか表示されないメッセージもありますが、数秒間にわたって表示されるメッセージもあります。特定のポイントでメッセージの表示が止まった場合、ブート プロセスが停止したと考えられます。
–ルータの電源をオフにしてから、再度オンにして、ルータをリセットし、ブート プロセスを開始させます。再度ルータが停止した場合は、RP を交換します。
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RP には、デバイスまたはポートの LED アクティビティ インジケータが 8 つあり、これらには、イーサネット接続の状態が表示されます(図 4-4)。
RP の RJ-45 ポート LED は、次の情報を示します。
• アクティブになっているフラッシュ メモリ カード スロット
–各 LED は、対応する PCMCIA スロット(SLOT 0 および SLOT 1)にアクセスが生じると点灯します。
–4 つの RJ-45 イーサネット ポート アクティビティ LED は、リンク アクティビティ(LINK)、ポート イネーブル(EN)、データ送信(TX)、およびデータ受信(RX)を表します。
–2 つのイーサネット ポート選択 LED(PRIMARY のラベル)は、どちらのイーサネット接続が選択されているのかを示します。PRP では両方のポートがサポートされているため、ポート ETH0 の LED は常に点灯しています。ETH1 が選択されると、ポート ETH1 の LED が点灯します。
• 英数字 LED ディスプレイが両方とも点灯しているかどうかを確認します。
–2 つのディスプレイは、それぞれ別の場所から給電されています。左側のディスプレイは RP の DC-DC コンバータから給電され、右側のディスプレイは電源モジュールから直接給電されています。したがって、RP が起動していなくても、右側のディスプレイは点灯している場合があります。ディスプレイが両方とも消灯している場合は、RP がバックプレーン コネクタに正しく装着されていないか、RP の MBus モジュールに問題があるか、またはシステムの電源モジュールがオフになっている可能性があります。
• ディスプレイが両方とも点灯している場合は、表示されるメッセージを確認します。MBus モジュールによって DC-DC コンバータが起動された時点で、RP 上のプロセッサがブート プロセスを開始します。ブート プロセスの進行に伴い、一連のステータス メッセージが表示されます同じメッセージのまま変化しない場合、ブート プロセスが停止していることがあります。その場合には、表示されているメッセージを書き留め、PEM の電源スイッチをオフにしてから、再び電源を投入してシステムをリセットし、ブート プロセスを始めからやり直してください。再びシステムが停止する場合は、RP が故障していて交換が必要になる可能性があります。
–PEM およびファンが正常に稼働しているにもかかわらず、RP の LED またはディスプレイがまったく点灯しない場合は、RP が正しく搭載されていない、または CSF カードから +5 VDC 出力が供給されていないことが考えられます。
–各 PEM で、PEM の電源スイッチをオフの位置にします。
–RP 前面プレートの左右 2 つの非脱落型ネジを緩め、イジェクト レバーを使用して RP をいったん取り外し、改めて装着します。非脱落型ネジを締めたあと、PEM の電源スイッチをオンにしてシステムを起動します。
• CSF カードのクリティカル、メジャー、またはマイナー アラーム LED が点灯しているかどうかを確認します。
–3 つの CSF カード LED のいずれかが点灯している場合、システムで障害が検出されています。コンソール画面で、問題の原因を表すメッセージを確認します。
–RP から誤ったエラーが伝えられることがあります。必要に応じて RP を装着し直すか、交換してください。
各ラインカードの電源がオンになると、ラインカード メモリ上で POST が実行されます。システム コンソールから、ラインカードの完全なフィールド診断テストを実行することもできます。テストが完了すると、ラインカードの英数字 LED ディスプレイおよびシステム コンソールに、PASS または FAIL メッセージが表示されます。
• 英数字 LED ディスプレイが両方とも点灯しているかどうかを確認します。
–2 つのディスプレイは、それぞれ別の場所から給電されています。左側のディスプレイはラインカードの DC-DC コンバータから給電され、右側のディスプレイは電源モジュールから直接給電されています。したがって、ラインカードが起動していなくても、右側のディスプレイが点灯している場合があります。ディスプレイが両方とも消灯している場合は、ラインカードがバックプレーン コネクタに正しく装着されていないか、ラインカードの MBus モジュールに問題があるか、またはシステムの電源モジュールがオフになっている可能性があります。
–左右のディスプレイが両方とも点灯している場合は、表示されるメッセージを確認します。MBus モジュールによって DC-DC コンバータが起動された時点で、ラインカード上のプロセッサがブート プロセスを開始します。ラインカード上でのブート プロセスの進行に伴い、英数字ディスプレイに一連のステータス メッセージが表示されます。
システムは、まったく同じラインカードを並行して起動させようとします。さらに、ラインカードの電源が投入され、バックアップ可能になると、システムはただちにラインカードを起動します。
RP ブート プロセスの直後に行われるラインカードのブート プロセス中に、各ラインカード上の英数字 LED ディスプレイを確認します。表示と意味についての詳細は、『 Cisco IOS XR Troubleshooting Guide 』を参照してください( マニュアルの入手方法、テクニカル サポート、およびセキュリティ ガイドラインを参照)。
Cisco XR 12404 ルータには、シャーシ前面に向かって左側にファン トレイ アセンブリがあります。ファン トレイ アセンブリは、ルータ コンポーネントに冷気を送ります。ファン トレイ アセンブリは、ファン トレイに取り付けられたコネクタを通じて電力と信号を受け取ります。このコネクタは、バックプレーンに取り付けられたコネクタに装着されます。
(注) 騒音の多い環境では、片手をシャーシの左側(ファン トレイ アセンブリの横)に当てて、排気口から空気が排出されているかどうかを調べます。
• ファンが稼働している場合、電源モジュールとファン トレイ アセンブリを接続する -48 VDC ラインは正常です。
• ファンが稼働していない場合、ファン トレイ アセンブリまたは -48 VDC 電力に問題があると考えられます。各電源モジュールの OUTPUT FAIL LED を調べてください。PEM の OUTPUT FAIL LED が点灯している場合は、PEM が故障しており、交換する必要があります。
• ファンが稼働せず、PEM の OUTPUT FAIL LED が消灯している場合(-48 VDC は正常)、ファン トレイ アセンブリがバックプレーン コネクタに正しく装着されているかどうか確認してください。
–ファン トレイ アセンブリをシャーシに固定している 2 つの非脱落型ネジを緩めて、ファン トレイ アセンブリを取り外します。アセンブリを数インチ引き出してから、奥へとしっかり押し込み再装着します。2 つの非脱落型ネジを締めます。
• それでもファンが稼働しない場合、ファン トレイ アセンブリのコントローラ カードに問題があると考えられます。
• 次のコンソール メッセージは、ルータの内部で過熱状態または許容範囲外の電力値が検出されたことを示しています。
環境シャットダウン機能があるため、初回起動時に過熱状態になることはほとんどありませんが、他の装置から排出された熱気がエアー フィルタから取り込まれていないこと、および冷気を取り込み熱気を排出するための十分なすき間(6 インチ [15.24 cm] 以上)がシャーシの周囲にあることを確認してください。初回起動時に過熱状態が発生した場合は、次のように対処してください。
–エアー フィルタの状態を確認します。エアー フィルタが汚れている場合は、エアー フィルタを取り外して交換するか、またはエアー フィルタを取り外し、シャーシから離れた場所で電気掃除機で清掃します。
–過熱状態を示すメッセージが表示されている場合、コンポーネントまたは温度センサーが故障している可能性もあります。システムがシャットダウンする前に、 show environment all コマンドまたは show environment table コマンドを使用すると、各カードで計測された電圧および温度を含むシステム環境情報が表示されます。