この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Cisco XR 12406 ルータのトラブルシューティングの手順について説明します。この章の手順に従っても、ルータの機能が完全に回復しない場合には、購入された代理店にサポートを依頼してください。
起動時の問題は、通常、電源に障害があるか、カードがバックプレーンに正しく装着されていないことが原因です。初回起動時に過熱による障害が起こることはほとんどありませんが、ここでは、内部電圧を監視する環境モニタ機能についても説明します。
ルータの初回起動時には、起動シーケンスを観察してください。正常な起動シーケンスは、次のとおりです。
• システムの各カードには、MBus モジュールと最低 1 つの DC/DCコンバータがあります。各 MBus モジュールが、対応するカードの DC/DC コンバータを制御します。MBus モジュールには、バックプレーンを介して、電源モジュールから直接、直流電圧が供給されます。電源モジュールの電源がオンになると、オンボード Electrically Erasable Programmable Road-Only Memory(EEPROM; 電気的に消去可能でプログラミング可能な ROM)デバイスから各 MBus が起動します。各 MBus モジュールのプロセッサは、カード上の ID ピンのセットをバックプレーン コネクタに読み込みます。これらのピンにより、MBus モジュールのプロセッサは、搭載されているカードの種類を判別して、MBus モジュールの動作を決定します。
• システム クロックが内蔵されている Clock Scheduler Card(CSC; クロック スケジューラ カード)は、ただちに起動します。
• Route Processor(RP; ルート プロセッサ)上の MBus モジュールは、CSC の起動状況を監視します。CSC が起動すると、RP 上の MBus モジュールにより DC/DC コンバータがオンになり、RP が起動します。
• RP が、各ラインカードに起動命令を送信します。各ラインカードのプロセッサは、それぞれの起動プロセスを開始し、起動プロセスが完了すると、ラインカードの MBus モジュールを経由して RP に通知します。
• RP が、各スイッチ ファブリック カードに起動コマンドを送信します。各スイッチ ファブリック カードの起動状況は、そのカードの MBus モジュールのプロセッサにより監視されます。起動プロセスが完了すると、スイッチ ファブリック カードの MBus モジュールにより、スイッチ ファブリック カードがオンラインであることが RP に通知されます。
• 各カードの起動プロセスの進行中は、カードのステータスが英数字 LED ディスプレイに表示されます。左側のディスプレイはカード上の DC/DC コンバータによって制御され、右側のディスプレイは MBus モジュールに給電している DC 電圧によって制御されます。
電源モジュール上の LED の状態、および RP とラインカード上の英数字ディスプレイを確認することにより、起動シーケンスのどの時点で、システムのどこに障害が発生したのかを判別できます。
電源モジュールとラインカードの LED の状態、および RP の英数字ディスプレイを確認することにより、起動シーケンスのどの時点で、システムのどこに障害が発生したのかを判別できます。
(注) Cisco IOS ソフトウェア コマンドの test gsr led を使用して LED ランプ テストを実行できます。指定した時間、すべてのシステム LED が同時に点灯します。このテストにより、LED に障害がないかどうかを確認できます。
• INPUT OK LED ― これらの LED はただちに点灯し、電源からシステムに電力が供給され、電源スイッチがオンになっているかぎり、点灯しています。
この LED は、Power Entry Module(PEM; 電源入力モジュール)および内部 DC 電圧のステータスを示します。LED が点灯しない、または電源スイッチがオンのときに消灯した場合には、電源、内部コンポーネントに電力を供給している内部 DC 電圧、または冷却サブシステムのいずれかに問題がある可能性があります。
この LED が点灯するのは、次の条件のすべてが満たされている場合です。
–AC PEM:AC 電源の電圧が、15 A で 100 ~ 120 VAC(北米)、または 10 A で 185 ~ 264 VAC(国際標準)の範囲内で動作している。
–DC PEM:DC 電源により PEM に電力が供給され、電源スイッチがオンになっている。
(注) オレンジの OUTPU FAIL LED は、通常は消灯していますが、PEM に障害が検出されると点灯します。
–電源モジュールが、内部コンポーネントに -48 VDC を供給している。
AC 電源またはいずれかの内部 DC 電圧が許容範囲を超えると、OUTPUT OK LED が消灯するか、電源投入後、しばらくしてから消灯します。RP(+2.5、+3.3、および +5 VDC を使用)およびファン トレイ アセンブリ(-48 VDC を使用)の両方が稼働している必要があるので、いずれかの内部 DC 回線に問題があると、システムは起動しないか、または継続的に稼働しません。
たとえば、ファン トレイに電力を供給する -48 VDC 回線に問題がある場合、システムは起動しますが、ファンが動作していないことが認識されます。この場合、ファン障害のシャットダウン シーケンスが開始され、対応する警告メッセージが表示されたあと、2 分後にシステムがシャットダウンします。
その他の DC 回線に問題がある場合は、RP がシステム ソフトウェアを初期化できないので、システムは起動を試みますが、起動シーケンス中に失敗します。
• RP の英数字 LED ディスプレイには、次の内容が表示されます。
ルータの問題を解決するには、問題が発生しているサブシステムを特定することが重要です。起動時の問題を解決するには、最初に、システムの 現在の状態 とシステムの 本来の状態 とを比較します。起動時の問題は通常、1 つのコンポーネントに原因があるので、システムの各コンポーネントのトラブルシューティングを実行するよりも、問題が発生しているサブシステムを特定するほうが効率的です。
トラブルシューティングでは、Cisco XR 12406 ルータを次のサブシステムに分類します。
–AC 入力または DC 入力の Power Distribution Unit(PDU; 配電ユニット)
–AC または DC PEM。Cisco XR 12406 ルータは、AC 電源または DC 電源のどちらかで構成できます(AC 電源と DC 電源を混在させることはできません)。
–シャーシ バックプレーンの配電。電源モジュールからシャーシのバックプレーンに -48 VDC の電力が供給され、さらに、バックプレーン コネクタを介してカード ケージ内のカードに -48 VDC が配電されます。シャーシのバックプレーンから配電されたブロワー モジュールは、PDU のコネクタを介してシャーシのバックプレーンに MBus データを戻します。
2 つのアラーム カードの DC/DC コンバータは、-48 VDC を +5 VDC に変換してシャーシのバックプレーンに戻します。バックプレーンから他のカードの MBus モジュールおよびブロワー モジュールに、変換された電力が供給されます。
–DC/DC コンバータ。ルータの各カードには、DC/DC コンバータが搭載されています。これらのコンバータは、各カードの MBus モジュールによって制御されます。DC/DC コンバータは、-48 VDC を各カードの回路に必要な電圧に変換します。
• プロセッサ サブシステム ― RP、最大 5 つ(オプションの冗長 RP 非搭載時)のラインカード、および 2 つのアラーム カードで構成されます。RP は、各ラインカードのプロセッサに Cisco XR IOS イメージのコピーをダウンロードします。システムの英数字 LED ディスプレイには、トラブルシューティングに役立つステータス メッセージおよびエラー メッセージが表示されます。
• 冷却サブシステム ― カード ケージ内の空気を循環させてカードを冷却するブロワー モジュールと、各電源モジュールのファンで構成されます。電源モジュールのファンは、電源モジュール ペイ内の冷気を循環させます。
AC PEM は、-48 VDC OUTPUT を供給します。システムの各カード上の MBus モジュールには、CSF からの +5 VDC OUTPUT が供給されます。MBus モジュールは、システムの各カード上にある DC/DC コンバータを制御します。DC/DC コンバータは、電源モジュールから供給された -48 VDC を +2.5、+3.3、および +5 VDC に変換し、各カードの回路に配電します。
AC PEM は、MBus モジュールおよび RP によって、過電圧または低電圧、および過電流または低電流の状態が監視されます。
AC 入力電源サブシステムを調べるには、最初に、AC 入力電源モジュール上の LED を確認します。図 4-1に、電源モジュール上の LED の位置を示します。
|
|
||
|
|
||
|
|
表4-1 に、LED の意味を示します。
|
|
|
|
---|---|---|---|
AC PEM を正常に動作させるには、次の条件が満たされている必要があります。
• PEM が PEM ベイに正しく装着され、イジェクト レバーが固定されている。
• AC 入力電力が所要範囲内で、PEM に正しく接続されている。
• PEM の AC ラベルと DC ラベルのグリーンの LED が点灯している。
ステップ 1 AC LED が消灯している場合、電源モジュールがベイに正しく装着されているか、イジェクト レバーが電源モジュールの前面プレートと平行になっているか、非脱落型ネジが固定されているかどうかを確認します。
• AC LED が点灯したら、ステップ 6に進みます。
• AC LED が消灯したままであれば、ステップ 2に進みます。
• 電源とルータを接続している AC 電源コードを確認します。
–PDU および AC コンセントに電源コードが正しく接続されていることを確認します。
–電源コードが裂けていたり、破損していないかどうかを確認します。絶縁体に亀裂や破損がある場合、またはプラグが緩んでいる場合には、新しい電源コードに交換してください。
• AC 電源の回路ブレーカーがオンになっていて、トリップが生じていないか、回路ブレーカーの電流定格が適正かどうかを確認します。
• ルータの各電源モジュールが、個別の AC 電源に接続されているかどうかを確認します。
• ルータに Uninterruptible Power Supply(UPS; 無停電電源装置)が接続されている場合は、UPS が正常に機能しているかどうかを確認します。
(注) システムの電源モジュールごとに UPS が接続されていることもあります。
AC 電源に問題がなくても、なお電源モジュールの AC LED が点灯しない場合は、ステップ 3に進みます。
ステップ 3 電源コードを、別の適合性のある AC コンセントに接続します。
• 電源モジュールの AC LED が点灯した場合は、最初の AC コンセントに問題があるので、そのコンセントは使用できません。設備の担当者に連絡し、ステップ 6に進みます。
• 電源モジュールの AC LED が消灯したままであれば、ステップ 4 に進みます。
ステップ 4 使用している電源コードを、別の電源コードに交換します。
• 電源モジュールの AC LED が点灯した場合は、最初の電源コードに問題があるので、その電源コードは使用できません。電源コードを交換して、ステップ 6に進みます。
• 新しい電源コードを使用して別の電源に接続しても、なお AC LED が点灯しない場合には、電源モジュールに障害がある可能性があります。ステップ 5に進みます。
ステップ 5 スペアの電源モジュールがある場合には、既存のモジュールをスペアのモジュールと交換し、システムを再起動します。
• スペアの電源モジュールの AC LED が点灯した場合、最初の電源モジュールは故障しているので、交換のため返却する必要があります。ステップ 6に進みます。
ステップ 6 電源モジュールの DC LED が点灯しているかどうかを確認します。
• 消灯していて、他のシステムも動作していない(ブロワー モジュールが停止し、ラインカードの電源もオフになっている)場合は、電源モジュールに障害があるので、交換する必要があります。
• 消灯していても、ブロワー モジュールが動作している場合は、内部の DC 電圧はすべて許容範囲内です。DC LED に問題がある可能性があります。
– show environment コマンドを使用して、各カードの電圧を確認してください。ブロワー モジュールの電圧は、-48 VDC です。
(注) 2 台の電源モジュールを搭載した Cisco XR 12406 ルータでは、2 台めの電源モジュールからの出力電力でルータの動作を十分に維持できます。
問題を解決できない場合、または電源モジュールや電源コードに障害があると判断した場合は、製品を購入した代理店に連絡してください。
DC PEM および PDU は、各カードの回路に配電される DC 電力をルータに供給します。
電源サブシステムを確認するには、最初に PEM 上の 3 つの LED を調べます。DC 電力が供給されると DC PEM 上の INPUT OK LED が点灯し、PEM の電源スイッチがオンになると OUTPUT OK LED が点灯します。
• オレンジの OUTPUT FAIL LED は、通常は消灯していますが、PEM に障害が検出されると点灯します。
• DC PEM は、MBus モジュールおよび RP によって、過電圧または低電圧、および過電流または低電流の状態が監視されます。
図 4-2に、DC PEM の LED の位置を示します。
|
|
||
|
|
||
|
|
表4-2 に、LED の意味を示します。
|
|
|
---|---|---|
DC PEM を正常に動作させるには、次の条件が満たされている必要があります。
• PEM が PEM ベイに正しく装着され、イジェクト レバーが固定されている。
• DC 入力電力が所要範囲内で、シャーシの PDU 端子コネクタ ブロックに正しく接続されている。
• PEM の OUTPUT OK および INPUT OK ラベルのグリーンの LED が点灯し、MISWIRE ラベルのオレンジの LED が消灯している。
ステップ 1 MISWRE LED が点灯しているかどうかを確認します。
• 点灯している場合、DC のプラス線およびマイナス線が、PDU 上の端子コネクタ ブロックに逆に接続されています。PEM の回路ブレーカーのスイッチをオフにして、リード線を正しく接続してください。
• 消灯していれば、ステップ 2に進みます。
ステップ 2 INPUT OK LED が消灯している場合、PEM が PEM ベイに正しく装着されているか、イジェクト レバーが PEM の前面プレートと平行になっているか、非脱落型ネジが固定されているかどうかを確認します。
• INPUT OK LED が点灯したら、ステップ 6に進みます。
• INPUT OK LED が消灯したままであれば、ステップ 3に進みます。
ステップ 3 PEM の回路ブレーカーのスイッチがオンになっているかどうかを確認します。
• 点灯していれば、ステップ 4に進みます。
• 消灯している場合は、回路ブレーカーのスイッチをオンにします。
–INPUT OK LED が消灯したままであれば、ステップ 4に進みます。
–INPUT OK LED が点灯したら、ステップ 6に進みます。
ステップ 4 PEM の回路ブレーカーのスイッチをオフにして、DC 電源を確認します。
• 電源とルータを接続している DC 電源コードを確認します。
–電源コードが PDU および DC 電源に正しく固定されているかどうかを確認します。
–電源コードが裂けていたり、破損していないかどうかを確認します。絶縁体が破損しているようであれば、電源コードを交換します。
• DC 電源の回路ブレーカーのスイッチがオンになっていて、電流定格が適正かどうか確認します。
• ルータの各 PEM が、個別の DC 電源に接続されているかどうかを確認します。
–PEM の INPUT OK LED が点灯したら、ステップ 6に進みます。
–PEM の INPUT OK LED が消灯したままであれば、ステップ 5に進みます。
ステップ 5 PEM を取り外して、同じルータの第 2 ベイに装着するか、別の Cisco XR 12406 ルータ上のベイに装着します。
• INPUT OK LED が点灯しない場合、PEM に障害があるので、交換する必要があります。
• INPUT OK LED が点灯すれば、PEM の入力部分は正常に機能しています。ステップ 6に進みます。
ステップ 6 OUTPUT OK LED が点灯しているかどうかを確認します。
• 点灯していれば、電源に問題はなく、PEM は正常に動作しています。
• 消灯していて、他のシステムも動作していない(ブロワー モジュールが停止し、ラインカードの電源もオフになっている)場合は、PEM に障害があります。PEM を交換してください。
• 消灯していても、ブロワー モジュールが動作している場合は、内部の DC 電圧はすべて許容範囲内です。OUTPUT OK LED に問題がある可能性があります。
– show environment コマンドを使用して、各カードの電圧を確認してください。ブロワー モジュールの電圧は、-48 VDC です。
(注) 2 台の電源モジュールを搭載した Cisco XR 12406 ルータでは、2 台めの電源モジュールからの出力電力でルータの動作を十分に維持できます。
問題を解決できない場合、または PEM や電源コードに障害があると判断した場合は、製品を購入した代理店に連絡してください。
Cisco XR 12406 ルータのプロセッサ サブシステムには、RP、ラインカード、およびアラーム カードが含まれます。RP およびラインカードには、それぞれ 2 つのプロセッサが搭載されています。1 つがメイン プロセッサで、もう 1 つは MBus モジュールのコンポーネントです。
• MBus モジュールは、システムに電力が供給されると、ただちに稼働します。MBus モジュールは、搭載されているカードのタイプを認識し、DC/DC コンバータをオンにするかどうかを判断します。
• RP の MBus モジュールは、わずかに遅れてカードの電源をオンにします。ラインカードの MBus モジュールは、RP からコマンドを受信するまで待機してから、電源をオンにします。
Cisco XR 12406 ルータには、1 つの RP を搭載する必要があります。RP が搭載されていないと、システムは動作しません。ラインカードがバックプレーンに完全に接続されていないと、RP に不完全な信号が送信され、システムが停止する原因になります。必要に応じて、各カードのトラブルシューティングを行えますが、まず、RP が正しく搭載され、システムのソフトウェアが正常に初期化されたかどうかを確認してください。
電源を投入すると、ただちに Power-On Self-Test(POST; 電源投入時自己診断テスト)が実行され、RP メモリの状態が判別されます。テストの結果は、英数字 LED ディスプレイに pass/fail メッセージとして表示されます。
RP の LED は、RP の問題を特定するときに役立ちます。図 4-3に、RP の英数字 LED ディスプレイを示します。
4 桁の各ディスプレイに、2 行のシステム メッセージの一部が表示されます。RP の起動プロセス中、この LED ディスプレイには、 表4-3 に示すような一連のメッセージが表示されます。
ディスプレイ |
|
|
---|---|---|
MBus マイクロコードの実行が開始されました。 nnnn はマイクロコードのバージョン番号です。たとえば、マイクロコードがバージョン 1.17 の場合、0117 と表示されます。 1 |
||
システムは動作状態で、ROM モニタのプロンプト( |
||
RP には、イーサネット接続のステータスを示す 8 つのデバイスまたはポートの LED インジケータがあります(図 4-4を参照)。
RP の RJ-45 ポート LED は、次の内容を示します。
–各 LED は、対応する PCMCIA スロット(SLOT 0 および SLOT 1)がアクセスされると点灯します。
–4 つの RJ-45 イーサネット ポート アクティビティ LED は、リンク アクティビティ(LINK)、ポート イネーブル(EN)、データ送信(TX)、およびデータ受信(RX)を示します。
–2 つのイーサネット ポート選択 LED(PRIMARY ラベル)により、選択されているイーサネット接続を識別できます。PRP では両方のポートがサポートされるので、ETH0 は常に点灯しています。ポート ETH1 の LED は、選択されると点灯します。
• 両方の英数字 LED ディスプレイが点灯しているかどうかを確認します。
–2 つのディスプレイは、個別に電力が供給されます。左側のディスプレイは、RP 上の DC/DC コンバータから電力が供給されます。右側のディスプレイは、電源モジュールから直接、電力が供給されます。RP の電源がオンになっていなくても、右側のディスプレイは点灯することがあります。両方のディスプレイが消灯している場合、RP がバックプレーン コネクタに正しく装着されていない可能性があります。あるいは、RP 上の MBus モジュールに問題があるか、システムの電源モジュールがオフになっています。
• 両方のディスプレイが点灯している場合は、表示されるメッセージを確認します。MBus モジュールによって DC/DC コンバータがオンになると、RP のプロセッサはたたちに起動プロセスを開始します。起動プロセスの進行に応じて、ステータス メッセージが表示されます。表4-4に、RP の英数字 LED に表示されるメッセージを示します。同じメッセージが表示されたままの場合、起動プロセスが停止している可能性があります。メッセージをメモしてください。システムの電源モジュールの電源スイッチをオフにしてから、再びオンにして、システムをリセットします。これにより、起動プロセスが再び開始されます。システムが再び停止した場合には、RP の故障が考えられ、交換が必要になることがあります。
–電源モジュールとブロワー モジュールが動作していても、RP の LED またはディスプレイがまったく点灯しない場合には、RP が正しく装着されていないか、またはアラーム カードからの +5 VDC 出力に異常があることが考えられます。
–RP 前面プレートの左右にある 2 つの非脱落型ネジを緩め、イジェクト レバーを使用して RP を取り出してから、もう一度、装着します。非脱落型ネジを締め、PEM の電源スイッチをオンにして、システムを起動します。
• アラーム カードのクリティカル、メジャー、またはマイナーのアラーム LED が点灯しているかどうかを確認します。
–アラーム カードの 3 組のアラーム LED ペアのいずれかが点灯している場合、システムに障害が検出されています。コンソールに問題の原因を示すメッセージが表示されていないかどうかを確認してください。
–RP から、誤認エラーが伝えられることがあります( 表4-4 を参照)。RP を装着し直してみてください。問題が解決しない場合には、RP を交換する必要があります。
|
|
---|---|
各ラインカードが起動すると、ラインカードのメモリ上で POST が実行されます。システム コンソールからラインカード上でフルセットのフィールド診断テストを実行し、ラインカードの英数字 LED ディスプレイおよびシステム コンソールの両方に pass/fail メッセージを出力することもできます。
ラインカードの問題を特定するには、2 つの英数字 LED ディスプレイの表示を確認します。
• 両方の英数字 LED ディスプレイが点灯しているかどうかを確認します。
2 つのディスプレイは、個別に電力が供給されます。左側のディスプレイは、ラインカード上の DC/DC コンバータから電力が供給されます。右側のディスプレイは、バックプレーンから直接、電力が供給されます。したがって、ラインカードが起動していなくても、右側のディスプレイは点灯することがあります。
–ラインカードが、バックプレーン コネクタに完全に装着されていない可能性があります。
–ラインカードの MBus モジュールに問題がある可能性があります。
–表示されるメッセージを確認します。MBus モジュールによって DC/DC コンバータがオンになると、ラインカードのプロセッサはたたちに起動プロセスを開始します。ラインカードの起動プロセスの進行に応じて、英数字ディスプレイにステータス メッセージが表示されます。
同じラインカードは同時に起動されます。また、ラインカードは、電源がオンになるとすぐに起動するので、バックアップ用として使用できます。
ラインカードの起動プロセスは RP の起動プロセスの直後に実行され、各ラインカード上の英数字 LED ディスプレイで起動プロセスの進行状況を確認できます( 表4-5 を参照)。
ディスプレイ 4 |
|
|
---|---|---|
MBus マイクロコードの実行が開始されました。nnnn はマイクロコードのバージョン番号です。たとえば、マイクロコードがバージョン 1.17 の場合、0117 と表示されます。 5 |
||
ラインカードがファブリック ダウンローダのロードを待機中です。 6 |
||
4.表4-5に示す LED のメッセージは瞬間的に表示されることがあり、確認できない場合があります。この表のシーケンスは、ラインカードの起動時の動作を示す例にすぎません。 6.ラインカードの Cisco IOS XR ソフトウェア イメージはファブリック ダウンローダによってロードされます。 |
表4-6 に、ラインカードの英数字 LED ディスプレイに表示されるメッセージを示します。瞬間的に表示されるメッセージもあれば、数秒間表示されるメッセージもあります。
|
|
---|---|
Cisco XR 12406 ルータは、2 つのアラーム カードを使用して、CSC および SFC のステータスを監視し、各種のアラーム状態を表示します。アラーム カードには 4 つの主要機能があります。
• CSC および SFC の OK/FAIL ステータスの表示
• ハードウェアによるアラーム システム リレー出力およびインジケータの実装
問題を特定するには、アラーム カード上の LED の表示を確認します。
図 4-5 に、アラーム カードの LED の位置を示します。
|
|
||
|
|
||
|
|
システムが正常に稼働している場合、LED の表示は次のようになります。
(注) グリーンは ENABLED(正常)、オレンジは FAIL(障害)を表します。
アラーム カードの動作ステータスは、MBUS LED によって表示されます。
CSC のステータスは、CSC 0 および CSC 1 の LED によって表示されます。
• グリーンの LED は、CSC が正常に動作していることを意味します。
• オレンジの LED は、CSC に障害が発生し、障害の内容を示す警告メッセージがシステム コンソールに出力されたことを意味します。CSC に障害が発生しても、システムは継続して稼働します。
SFC のステータスは、SFC 0、SFC 1、および SFC 2 の LED によって表示されます。
• 各 SFC のグリーンの LED は、その SFC が正常に動作していることを意味します。
• オレンジの LED は、SFC に障害が発生し、障害の内容を示す警告メッセージがシステム コンソールに出力されたことを意味します。SFC に障害が発生しても、システムは継続して稼働します。
アラーム カードは、3 組のアラーム ステータス LED を使用して、MBus 経由で検出されたシステムのアラーム状態を表示します。次のアラーム状態が表示されます。
(注) アラーム ステータス LED は、1 つの LED の障害に備えて 2 つずつ用意されています。6 つの LED のいずれかが点灯した場合には、システム コンソールに障害の内容を示すメッセージが表示されていないかどうかを確認してください。
Cisco XR 12406 ルータには 2 つのアラーム カードが搭載されているので、MBus 経由でシステムのアラーム状態が検出されると、両方のアラーム カード上で同じ LED が点灯します。
アラーム カードによって警告される情報は、カード ケージ内のコンポーネントの過熱状態、ブロワー モジュールのファン障害、電源モジュールの過電流状態、またはカード ケージ内にあるカードの許容範囲外の電圧です。これらの LED は MBus ソフトウェアによって制御され、各レベルのアラームを起動するしきい値レベルが設定されています。
RP はシステムに対して継続的にポーリングし、温度、電圧、電流、およびファン速度の値を調べます。しきい値の超過が検出されると、RP は次の処理を実行します。
• アラーム カードに、該当するアラーム重大度レベルを設定する
• アラーム ディスプレイの 1 つの LED を点灯させる
Cisco XR 12406 ルータのシャーシ背面には、ルータのコンポーネントに冷気を送り込むブロワー モジュールが取り付けられています。ブロワー モジュールは、ブロワー モジュールの窪みにあるコネクタを通じて電力と信号を受け取ります。このコネクタは、PDU 上のコネクタと結合されます。ブロワー モジュールには、3 つのファン、1 つのコネクタ、および 1 つのコントローラ カードがあります。
図 4-6に、ブロワー モジュールの LED の位置を示します。
|
|
||
|
|
||
|
|
ブロワー モジュール上の 2 つの LED は、シャーシ背面から確認できます。
• OK(グリーン) ― ブロワー モジュールが正常に動作していることを示します。
• FAIL(レッド) ― ブロワー モジュールに障害があることを示します。正常に動作している場合、FAIL LED は消灯したままです。
グリーンの LED が消灯するか、レッドの LED が点灯した場合、またはその両方の場合には、次の手順で、冷却システムの問題を特定してください。
• ブロワー ファンの動作音を聞きます。騒音のある環境では、ブロワー モジュールの背面に手を当てて、排気口から空気が出ているかどうかを確認します。ブロワー モジュールのファンが動作している場合、電源モジュールからブロワー モジュールに供給されている DC 電圧は正常です。
• ブロワー モジュールのファンが動作していない場合、ブロワー モジュールに問題があるか、電源モジュールから供給される DC 電力に問題がある可能性があります。
–各電源モジュールの出力電力 LED(AC PEM の DC LED、または DC PEM の OUTPUT OK LED)を確認してください。電源モジュールの出力電力 LED が消灯し、入力電力 LED が点灯している場合には、電源モジュールに障害が発生していると考えられるので、交換する必要があります。
–電源モジュールの出力電力 LED が点灯していて(DC OUTPUT が OK)、ブロワー モジュールが停止している場合には、ブロワー モジュールがシャーシに正しく装着されているかどうかを確認します。
ブロワー モジュールをシャーシに固定している 4 本の非脱落型ネジを緩め、ブロワー モジュールをシャーシから引き出したあと、ブロワー モジュールをシャーシ内にしっかりと押し込んで再装着します。4 本の非脱落型ネジを締めます。
• ブロワー モジュールが停止したままの場合は、ブロワー モジュールのコントローラ カードの問題が考えられるので、ブロワー モジュールを交換する必要があります。
• 次のコンソール モニタ メッセージは、ルータ内で過熱状態、または許容範囲外の電力が検出されたことを示しています。
許容範囲外の電力状態によって環境シャットダウンが必要になった場合、システムがシャットダウンする前に、PEM の OUTPUT FAIL LED が点灯します。「プロセッサ サブシステムのトラブルシューティング」を参照してください。
• 初回起動時に過熱状態が発生することはほとんどありませんが、他の装置からの熱い排気がエアー フィルタから入り込んでいないかどうかを確認します。また、冷気を取り込んで熱気を逃がすことができるように、シャーシの前後に 6 インチ(15.24 cm)以上のスペースが確保されているかどうかを確認します。
• シャーシ右側のスロットに取り付けられている 2 つのエアー フィルタの状態を確認します。エアー フィルタが汚れているようであれば、フィルタを取り外して掃除機をかけるか、交換します。
• 先行するメッセージが、コンポーネントまたは温度センサーの障害を伝えていることがあります。システムがシャットダウンする前に、 show environment all または show environment table コマンドを使用して、各カードで測定された電圧および温度を含むシステムの内部環境を表示してください。