Call Home の設定方法
Call Home を設定するには、次の作業を実行します。
• 「管理インターフェイス VRF の設定」(必須)
• 「宛先プロファイルの設定」(必須)
• 「アラート グループへの登録」(必須)
• 「担当者情報の設定」(必須)
• 「Call Home メッセージの 1 分あたりの送信数の設定」(任意)
• 「Call Home のイネーブルおよびディセーブル」(必須)
• 「Call Home 通信の手動送信」(任意)
管理インターフェイス VRF の設定
Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの Call Home 機能は、ギガビット イーサネット管理インターフェイスの仮想ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスを使用する必要があります。ギガビット イーサネット管理インターフェイスは、自動的に、「Mgmt-intf」という名前の VRF の一部になります。
管理インターフェイスの VRF を設定するには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface GigabitEthernet 0
3. vrf forwarding Mgmt-intf
4. ip address ip-address mask [ secondary [ vrf vrf-name ]]
または
ipv6 address { X:X:X:X::X link-local | X:X:X:X::X / prefix [ anycast | eui-64 ] | autoconfig [ default ]}
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface GigabitEthernet 0
Router(config)# interface GigabitEthernet0 |
(必須)Cisco ASR 1000 シリーズ ルータのギガビット イーサネット管理インターフェイスを指定します。 |
ステップ 3 |
vrf forwarding Mgmt-intf
Router(config-if)# vrf forwarding Mgmt-intf |
(必須)ギガビット イーサネット管理インターフェイスと Mgmt-intf VRF を関連付けます。このコマンドはデフォルトで設定されます。 |
ステップ 4 |
ip address ip-address mask [ secondary [ vrf vrf-name ]] または ipv6 address { X:X:X:X::X link-local | X:X:X:X::X / prefix [ anycast | eui-64 ] | autoconfig [ default ]}
Router(config-if)# ip address 10.10.10.10 0.0.0.0 |
(必須)インターフェイスの IPv4 または IPv6 アドレスを指定します。 |
次の作業
Cisco ASR 1000 シリーズ ルータのギガビット イーサネット管理インターフェイスの詳細を確認する、または管理インターフェイスに関連する追加の設定タスクを実行するには、「管理イーサネット インターフェイスの使用」を参照してください。
宛先プロファイルの設定
宛先プロファイルには、アラート通知に必要な送信情報が含まれています。1 つまたは複数のタイプの複数の宛先プロファイルを設定できます。
新しい宛先プロファイルを作成して定義したり、宛先プロファイルをコピーして使用することもできます。新しい宛先プロファイルを定義する場合は、プロファイル名を割り当てる必要があります。
(注) Call Home 機能は、デフォルトで非アクティブな CiscoTAC-1 という名前の事前に定義されたプロファイルを提供します。CiscoTAC-1 プロファイルは、Smart Call Home サービスで使用することを目的としており、このサービスを Call Home 機能でイネーブルにするための特定の追加設定手順が必要です。このプロファイルの詳細については、「定義済みの CiscoTAC-1 宛先プロファイルの使用」を参照してください。
宛先プロファイルには、次の属性を設定できます。
• プロファイル名:ユーザ定義宛先プロファイルを一意に識別する文字列。プロファイル名は 31 文字までで大文字と小文字は区別されません。プロファイル名として all は使用できません。
• 転送方法:アラートを送信するための転送メカニズム(E メールまたは HTTP(HTTPS を含む))。
– ユーザ定義の宛先プロファイルの場合、E メールがデフォルトで、どちらかまたは両方の転送メカニズムをイネーブルにできます。両方の方法をディセーブルにすると、E メールがイネーブルになります。
– あらかじめ定義された Cisco TAC プロファイルの場合、いずれかの転送メカニズムをイネーブルにできますが、同時にはイネーブルにできません。
• 宛先アドレス:アラートを送信する転送方法に関連した実際のアドレス。
• メッセージ形式:アラートの送信に使用するメッセージ形式。ユーザ定義宛先プロファイルの形式オプションは、ロング テキスト、ショート テキスト、または XML です。デフォルトは XML です。定義済みのシスコ TAC プロファイルの場合、XML しか使用できません。Cisco Smart Call Home サービスを使用する場合、宛先プロファイルは XML メッセージ形式を使用する必要があります。
• メッセージ サイズ:宛先メッセージの最大サイズ。有効な範囲は、50 ~ 3,145,728 バイトで、デフォルトは 3,145,728 バイトです。
ここでは、次の作業について説明します。
• 「電子メール メッセージを送信するように宛先プロファイルを設定」
• 「HTTP メッセージを送信するように宛先プロファイルを設定」
• 「宛先プロファイルの操作」
メール サーバの設定
E メール メッセージ転送を使用するには、Simple Mail Transfer Protocol(SMTP; シンプル メール転送プロトコル)E メール サーバ アドレスを少なくとも 1 つ設定する必要があります。最大で合計 5 つのメール サーバ定義に対し、最大 4 つのバックアップ電子メール サーバを指定できます。
メール サーバを設定する場合は、次のガイドラインを考慮してください。
• バックアップ E メール サーバは、異なるプライオリティ番号を使用して、 mail-server コマンドを繰り返すと定義できます。
• mail-server priority number パラメータは 1 ~ 100 に設定できます。プライオリティが最も高い(プライオリティ番号が最も低い)サーバを最初に試します。
手順の概要
1. configure terminal
2. call-home
3. mail-server { ipv4-address | name } priority number
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
call-home
Router(config)# call-home |
Call Home コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
mail-server { ipv4-address | name } priority number
Router(cfg-call-home)# mail-server stmp.example.com priority 1 |
電子メール サーバと設定済みの電子メール サーバ間の相対的優先度を指定します。それぞれの説明は次のとおりです。 • ipv4-address :メール サーバの IPv4 アドレスを指定します。 • name :電子メール サーバの完全修飾ドメイン名(FQDN)を 64 文字以下で指定します。 • number :1(最高のプライオリティ)から 100(最低のプライオリティ)の番号を割り当てます。 |
例:
次に、プライマリ メール サーバ(「smtp.example.com」という名前)と、IP アドレスが 192.168.0.1 のセカンダリ メール サーバの設定の例を示します。
Router# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)# call-home
Router(cfg-call-home)# mail-server smtp.example.com priority 1
Router(cfg-call-home)# mail-server 192.168.0.1 priority 2
Router(cfg-call-home)# exit
Router(config)#
管理インターフェイス VRF と Call Home の関連付け
Call Home 機能は、管理インターフェイス VRF(Mgmt-intf)に電子メール メッセージ サポートを求めます。管理インターフェイス VRF を設定していない場合は、「管理インターフェイス VRF の設定」を参照してください。
管理インターフェイスの VRF と Call Home を関連付けるには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. configure terminal
2. call-home
3. vrf Mgmt-intf
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
call-home
Router(config)# call-home |
Call Home コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
vrf Mgmt-intf
Router(cfg-call-home)# vrf Mgmt-intf |
(必須)Call Home を使用して、電子メールの転送方式の Mgmt-intf VRF を関連付けます。 |
電子メールの宛先プロファイルの設定
電子メール転送の宛先プロファイルを設定するには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. configure terminal
2. call-home
3. profile name
4. destination transport-method email
5. destination address email email-address
6. destination preferred-msg-format { long-text | short-text | xml }
7. destination message-size bytes
8. active
9. exit
10. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
call - home
Router(config)# call-home |
Call Home コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
profile name
Router(config-call-home)# profile profile1 |
指定された宛先プロファイル名の Call Home 宛先プロファイル コンフィギュレーション モードを開始します。指定された宛先プロファイルが存在しない場合、作成されます。 |
ステップ 4 |
destination transport-method email
Router(cfg-call-home-profile)# destination transport-method email |
(任意)電子メールのメッセージ転送方式を設定します。これはデフォルトです。 |
ステップ 5 |
destination address email email-address
Router(cfg-call-home-profile)# destination address email myaddress@example.com |
(必須)Call Home メッセージを送信する宛先電子メール アドレスを設定します。 |
ステップ 6 |
destination preferred-msg-format { long-text | short-text | xml }
Router(cfg-call-home-profile)# destination preferred-msg-format xml |
(任意)使用するメッセージ形式を設定します。デフォルトは XML です。 |
ステップ 7 |
destination message-size bytes
Router(cfg-call-home-profile)# destination message-size 3145728 |
(任意)宛先プロファイルの最大宛先メッセージ サイズ(50 ~ 3145728 バイト)を設定します。デフォルト値は 3145728 バイトです。 |
ステップ 8 |
active
Router(cfg-call-home-profile)# active |
(任意)宛先プロファイルをイネーブルにします。デフォルトでは、ユーザ定義プロファイルは作成時にイネーブルになります。 |
ステップ 9 |
exit
Router(cfg-call-home-profile)# exit |
Call Home 宛先プロファイル コンフィギュレーション モードを終了して、Call Home コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 10 |
end
Router(cfg-call-home)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
その他の電子メール オプションの設定
電子メールの転送方式では、次の手順を実行して、電子メールの送受信アドレスを設定することもできます。
手順の概要
1. configure terminal
2. call-home
3. sender from email-address
4. sender reply-to email-address
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
call-home
Router(config)# call-home |
Call Home コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
sender from email-address
Router(cfg-call-home)# sender from username@example.com |
(任意)Call Home E メール メッセージの [from] フィールドに表示される E メール アドレスを割り当てます。アドレスが指定されていない場合は、連絡用の E メール アドレスが使用されます。 |
ステップ 4 |
sender reply-to email-address
Router(cfg-call-home)# sender reply-to username@example.com |
(任意)Call Home E メール メッセージの [reply-to] フィールドに表示される E メール アドレスを割り当てます。 |
HTTP ソース インターフェイスの設定
Call Home メッセージを送信するために HTTP または HTTPS を使用している場合、HTTP クライアントの送信元インターフェイスとして VRF 管理インターフェイスを設定する必要があります。
手順の概要
1. configure terminal
2. ip http client source-interface type number
3. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
ip http client source-interface type number
Router(config)# ip http client source-interface gigabitethernet 0 |
HTTP クライアントのソース インターフェイスを設定します。 (注) Cisco ASR 1000 シリーズ ルータでは、このインターフェイスは VRF 管理インターフェイスであることが必要です。 |
ステップ 3 |
end
Router(cfg-call-home)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
HTTP の宛先プロファイルの設定
http 転送の宛先プロファイルを設定するには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. configure terminal
2. call-home
3. profile name
4. destination transport-method http
5. destination address http url
6. destination preferred-msg-format { long-text | short-text | xml }
7. destination message-size bytes
8. active
9. exit
10. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
call - home
Router(config)# call-home |
Call Home コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
profile name
Router(config-call-home)# profile test |
指定された宛先プロファイルの Call Home 宛先プロファイル コンフィギュレーション モードを開始します。指定された宛先プロファイルが存在しない場合、作成されます。 |
ステップ 4 |
destination transport-method http
Router(cfg-call-home-profile)# destination transport-method http |
HTTP メッセージの転送方法をイネーブルにします。 |
ステップ 5 |
destination address http url
Router(cfg-call-home-profile)# destination address http https://example.url.com |
Call Home メッセージが送信される宛先 URL を設定します。 を指定します。宛先がセキュア サーバである場合、トラストポイント CA も設定する必要があります。 |
ステップ 6 |
destination preferred-msg-format { long-text | short-text | xml }
Router(cfg-call-home-profile)# destination preferred-msg-format xml |
(任意)使用するメッセージ形式を設定します。デフォルトは XML です。 |
ステップ 7 |
destination message-size bytes
Router(cfg-call-home-profile)# destination message-size 3,145,728 |
(任意)宛先プロファイルの宛先メッセージの最大サイズを設定します。 |
ステップ 8 |
active
Router(cfg-call-home-profile)# active |
宛先プロファイルをイネーブルにします。デフォルトでは、プロファイルは作成時にイネーブルになります。 |
ステップ 9 |
exit
Router(cfg-call-home-profile)# exit |
Call Home 宛先プロファイル コンフィギュレーション モードを終了して、Call Home コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 10 |
end
Router(cfg-call-home)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
トラストポイント認証局の設定
HTTP 転送方法を使用し、HTTPS 宛先 URL を指定している場合は、トラストポイント認証局(CA)も設定する必要があります。
トラスト ポイント CA を設定する方法の詳細については、「CA トラストポイントの宣言および認証」を参照してください。この項では、Smart Call Home サービスで使用するためのセキュア Cisco サーバの CA のトラスト ポイントの設定方法を説明しますが、現場の必要に応じて、セキュア サーバに必要な証明書を使用して他のセキュア サーバの設定に適用できます。
宛先プロファイルのアクティブ化および非アクティブ化
定義済み CiscoTAC-1 プロファイルを除き、すべての Call Home 宛先プロファイルが作成時に自動的にアクティブになります。プロファイルをすぐに使用しない場合は、そのプロファイルを非アクティブ化できます。CiscoTAC-1 プロファイルは、デフォルトで非アクティブとなっており、使用するにはアクティブにする必要があります。
宛先プロファイルをアクティブまたは非アクティブにするには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. configure terminal
2. call-home
3. profile name
4. active
5. no active
6. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
call - home
Router(config)# call-home |
Call Home コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
profile name
Router(config-call-home)# profile test |
指定された宛先プロファイルの Call Home 宛先プロファイル コンフィギュレーション モードを開始します。指定された宛先プロファイルが存在しない場合、作成されます。 |
ステップ 4 |
active
Router(cfg-call-home-profile)# active |
宛先プロファイルをイネーブルにします。デフォルトでは、新しいプロファイルは作成時にイネーブルになります。 |
ステップ 5 |
no active
Router(cfg-call-home-profile)# no active |
宛先プロファイルをディセーブルにします。 |
ステップ 6 |
end
Router(cfg-call-home)# end |
Call Home 宛先プロファイル コンフィギュレーション モードを終了して、特権 EXEC モードに戻ります。 |
宛先プロファイルのコピー
既存のプロファイルをコピーして新しい宛先プロファイルを作成するには、次の手順に従います。
手順の概要
1. configure terminal
2. call-home
3. copy profile source-profile target-profile
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
call-home
Router(config)# call-home |
Call Home コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
copy profile source-profile target-profile
Router(cfg-call-home)# copy profile profile1 profile2 |
既存の宛先プロファイルと同じ設定で新しい宛先プロファイルを作成します。それぞれの説明は次のとおりです。 • source-profile :既存のプロファイルの名前を指定します。 • target-profile :プロファイルの新しいコピーに名前を指定します。 |
宛先プロファイルの名前変更
既存のプロファイルの名前を変更するには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. configure terminal
2. call-home
3. rename profile source-profile target-profile
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
call-home
Router(config)# call-home |
Call Home コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
rename profile source-profile target-profile
Router(cfg-call-home)# rename profile2 testprofile |
既存のソース ファイルの名前を変更します。それぞれの説明は次のとおりです。 • source-profile :既存のプロファイルの名前を指定します。 • target-profile :既存のプロファイルの新しい名前を指定します。 |
定義済みの CiscoTAC-1 宛先プロファイルの使用
CiscoTAC-1 プロファイルは、Cisco Smart Call Home サービスで使用するために、Call Home 機能で自動的に設定されています。このプロファイルには、宛先電子メールアドレスや HTTPS URL などの特定の情報、および Smart Call Home サービスと通信するためのデフォルトのアラート グループが含まれています。宛先電子メールアドレス、HTTPS URL、メッセージ形式など、一部の属性は変更できません。
電子メールまたは HTTP 転送を使用して、Smart Call Home サービスのバックエンド サーバと通信できます。デフォルトでは、CiscoTAC-1 プロファイルは非アクティブであり、デフォルトの転送方法として電子メールが使用されます。電子メール転送を使用するには、このプロファイルをイネーブルにするだけです。ただし、(HTTPS を介して)Cisco Smart Call Home サービス セキュア サーバでこのプロファイルを使用する場合は、プロファイルをイネーブルにするだけでなく、次の例に示すように、転送方法を HTTP に変更することも必要です。
Router# configure terminal
Router(config)# call-home
Router(config-call-home)# profile CiscoTAC-1
Router(cfg-call-home-profile)# destination transport-method http
Router(cfg-call-home-profile)# active
Smart Call Home サービスを設定するための追加要件の詳細については、「Smart Call Home サービスをサポートするように Call Home を設定する方法」を参照してください。
Call Home プロファイルの設定の確認
Call Home のプロファイル設定を確認するには、 show call-home profile コマンドを使用します。詳細および例については、「Call Home 設定情報の表示」を参照してください。
アラート グループへの登録
アラート グループは、すべてのルータでサポートされている Call Home アラートをあらかじめ定義したサブセットです。Call Home アラートはタイプごとに別のアラート グループにグループ化されます。次のアラート グループは、Cisco ASR 1000 シリーズ ルータで使用可能です。
• Configuration
• Diagnostic
• Environment
• Inventory
• Syslog
各アラート グループの起動イベントは 「アラート グループの起動イベントとコマンド」に示しています。アラート グループ メッセージの内容は「メッセージの内容」に示しています。
宛先プロファイルごとに受信するアラート グループを 1 つまたは複数選択できます。
(注) Call Home アラートは、その Call Home アラートが含まれているアラート グループに登録されている宛先プロファイルにしか送信されません。さらに、アラート グループをイネーブルにする必要があります。
定期通知
Configuration または Inventory アラート グループに宛先プロファイルを登録すると、指定した期間に定期的にまたは非同期にアラート グループ メッセージを受信するよう選択できます。送信期間は、次のいずれかにできます。
• 毎日:24 時間の時間:分形式 hh:mm(例:14:30)で送信する時刻を指定します。
• 毎週:day hh:mm という形式で曜日と時刻を指定します。ここで、day は曜日をスペルアウトします(例:monday)。
• 毎月:date hh:mm という形式で 1 ~ 31 の日と時刻を指定します。
メッセージ重大度しきい値
宛先プロファイルを、Environment、または Syslog アラート グループに登録すると、メッセージの重大度に基づいてアラート グループ メッセージを送信するしきい値を設定できます。宛先プロファイルに指定されたしきい値よりも低い重大度のメッセージは、宛先に送信されません。
(注) syslogs レベルが IOS CLI を介して変更された場合、新しい値が IOS 以外のプロセスにもプロパゲートされ、これらのプロセスは IOS にとって優先度の低い syslog メッセージを送信しなくなり、IOS のための CPU サイクルを「確保」します。
表 1 に、[catastrophic](レベル 9、緊急レベルが最高)から [Debugging](レベル 0、緊急レベルが最低)の重大度を設定するために使用されるキーワードを一覧表示します。重大度しきい値が設定されていない場合、デフォルトは debugging(レベル 0)です。ただし、トリガーされるメッセージの数を理由に、デフォルトは推奨されません。
(注) Call Home の重大度は、システム メッセージ ロギングの重大度とは異なります。
表 1 重大度と Syslog レベルのマッピング
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9 |
catastrophic |
該当なし |
ネットワーク全体に壊滅的な障害が発生しています。 |
8 |
disaster |
該当なし |
ネットワークへの重大な影響。 |
7 |
fatal |
緊急(0) |
システムが使用不可能な状態。 |
6 |
critical |
アラート(1) |
クリティカルな状態、ただちに注意が必要。 |
5 |
major |
重要(2) |
重大な状態。 |
4 |
minor |
エラー(3) |
軽微な状態。 |
3 |
warning |
警告(4) |
警告状態。 |
2 |
notification |
通知(5) |
基本的な通知と情報メッセージ。他と関係しない、重要性の低い障害。 |
1 |
normal |
情報(6) |
標準状態に戻ることを示す標準イベント。 |
0 |
debugging |
デバッグ(7) |
デバッグ メッセージ。 |
Syslog パターン マッチング
宛先プロファイルを Syslog アラート グループに登録すると、各 syslog メッセージ内で一致するテキスト パターンを任意で指定できます。パターンを設定すると、指定されたパターンが含まれ、重大度しきい値に一致する場合にだけ Syslog アラート グループ メッセージが送信されます。パターンにスペースが含まれている場合、設定時には二重引用符(" ")で囲む必要があります。宛先プロファイルごとにパターンを 5 つまで指定できます。
宛先プロファイルを 1 つまたは複数のアラート グループに加入させる場合、次の手順に従います。
手順の概要
1. configure terminal
2. call-home
3. alert-group { all | configuration | environment | inventory | syslog }
4. profile name
5. subscribe-to-alert-group all
6. subscribe-to-alert-group configuration [ periodic { daily hh : mm | monthly date hh : mm | weekly day hh : mm }]
7. subscribe-to-alert-group diagnostic [ severity { catastrophic | critical | debugging | disaster | fatal | major | minor | normal | notification | warning }]
8. subscribe-to-alert-group environment [ severity { catastrophic | critical | debugging | disaster | fatal | major | minor | normal | notification | warning }]
9. subscribe-to-alert-group inventory [ periodic { daily hh : mm | monthly date hh : mm | weekly day hh : mm }]
10. subscribe-to-alert-group syslog [ severity { catastrophic | critical | debugging | disaster | fatal | major | minor | normal | notification | warning }] [ pattern string ]
11. exit
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
call-home
Router(config)# call-home |
Call Home コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
alert-group { all | configuration | environment | inventory | syslog }
Router(cfg-call-home)# alert-group all |
指定されたアラート グループをイネーブルにします。すべてのアラート グループをイネーブルにするには、all キーワードを使用します。デフォルトでは、すべてのアラート グループがイネーブルになります。 |
ステップ 4 |
profile name
Router(cfg-call-home)# profile profile1 |
指定された宛先プロファイルの Call Home 宛先プロファイル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 5 |
subscribe-to-alert-group all
Router(cfg-call-home-profile)# subscribe-to-alert-group all |
(任意)使用可能なすべてのアラート グループにこの宛先プロファイルを登録します。 (注) または、ステップ 6~9 で説明しているように、特定のタイプごとにアラート グループに個別に加入することもできます。 |
ステップ 6 |
subscribe-to-alert-group configuration [ periodic { daily hh:mm | monthly date hh:mm | weekly day hh:mm }]
Router(cfg-call-home-profile)# subscribe-to-alert-group configuration periodic daily 12:00 |
オプションの periodic 値で、この宛先プロファイルを [Configuration] アラート グループに登録します。 |
ステップ 7 |
subscribe-to-alert-group diagnostic [ severity { catastrophic | critical | debugging | disaster | fatal | major | minor | normal | notification | warning }]
Router(cfg-call-home-profile)# subscribe-to-alert-group diagnostic severity critical |
オプションの severity 値で、この宛先プロファイルを [Diagnostic] アラート グループに登録します。 |
ステップ 8 |
subscribe-to-alert-group environment [ severity { catastrophic | critical | debugging | disaster | fatal | major | minor | normal | notification | warning }]
Router(cfg-call-home-profile)# subscribe-to-alert-group environment severity major |
オプションの severity 値で、この宛先プロファイルを [Environment] アラート グループに登録します。 |
ステップ 9 |
subscribe-to-alert-group inventory [ periodic { daily hh:mm | monthly date hh:mm | weekly day hh:mm }]
Router(cfg-call-home-profile)# subscribe-to-alert-group inventory periodic monthly 1 12:00 |
オプションの periodic 値で、この宛先プロファイルを [Inventory] アラート グループに登録します。 |
ステップ 10 |
subscribe-to-alert-group syslog [ severity { catastrophic | critical | debugging | disaster | fatal | major | minor | normal | notification | warning }][ pattern string ]
Router(cfg-call-home-profile)# subscribe-to-alert-group syslog |
オプションの severity 値で、この宛先プロファイルを [Syslog] アラート グループに登録します。syslog メッセージに一致するパターンをプロファイルごとに最大 5 つまで指定できます。パターンにスペースが含まれている場合、二重引用符(" ")で囲む必要があります。 |
ステップ 11 |
exit
Router(cfg-call-home-profile)# exit |
Call Home 宛先プロファイル コンフィギュレーション モードを終了します。 |
担当者情報の設定
ルータには必ず連絡用の E メール アドレスが必要です。任意で、電話番号、住所、契約 ID、カスタマー ID、サイト ID を割り当てることができます。
連絡先情報を割り当てるには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. configure terminal
2. call-home
3. contact-email-addr email-addres s
4. phone-number + phone-number
5. street-address street-address
6. customer-id text
7. site-id text
8. contract-id text
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal
Router> configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
call-home
Router(config)# call-home |
Call Home コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
contact-email-addr email-address
Router(cfg-call-home)# contact-email-addr username@example.com |
カスタマーの E メール アドレスを割り当てます。E メール アドレス フォーマットにはスペースなしで最大 200 文字まで入力できます。 |
ステップ 4 |
phone-number + phone-number
Router(cfg-call-home)# phone-number +1-222-333-4444 |
(任意)カスタマーの電話番号を割り当てます。 記号で始まり、ダッシュ(-)と数字だけが含まれるようにしてください。最大 16 文字まで入力できます。スペースを含める場合、入力内容を二重引用符(" ")で囲む必要があります。 |
ステップ 5 |
street-address street-address
Router(cfg-call-home)# street-address “1234 Any Street, Any city, Any state, 12345” |
(任意)RMA 機器の配送先であるカスタマーの住所を割り当てます。最大 200 文字まで入力できます。スペースを含める場合、入力内容を二重引用符(" ")で囲む必要があります。 |
ステップ 6 |
customer-id text
Router(cfg-call-home)# customer-id Customer1234 |
(任意)カスタマー ID を指定します。最大 64 文字まで入力できます。スペースを含める場合、入力内容を二重引用符(" ")で囲む必要があります。 |
ステップ 7 |
site-id text
Router(cfg-call-home)# site-id Site1ManhattanNY |
(任意)カスタマーのサイト ID を指定します。最大 200 文字まで入力できます。スペースを含める場合、入力内容を二重引用符(" ")で囲む必要があります。 |
ステップ 8 |
contract-id text
Router(cfg-call-home)# contract-id Company1234 |
(任意)ルータのカスタマーの契約 ID を指定します。最大 64 文字まで入力できます。スペースを含める場合、入力内容を二重引用符(" ")で囲む必要があります。 |
例
次に、連絡先情報の設定例を示します。
Router# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)# call-home
Router(cfg-call-home)# contact-email-addr username@example.com
Router(cfg-call-home)# phone-number +1-222-333-4444
Router(cfg-call-home)# street-address "1234 Any Street, Any city, Any state, 12345"
Router(cfg-call-home)# customer-id Customer1234
Router(cfg-call-home)# site-id Site1ManhattanNY
Router(cfg-call-home)# contract-id Company1234
Router(cfg-call-home)# exit
Call Home メッセージの 1 分あたりの送信数の設定
Call Home 機能は、デフォルトで 1 分あたり最大 20 のメッセージを送信します。この値を変更するには、次の手順を実行します。
手順の概要
1. configure terminal
2. call-home
3. rate-limit number
手順の詳細
|
|
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ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
call-home
Router(config)# call-home |
Call Home コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
rate-limit number
Router(cfg-call-home)# rate-limit 40 |
1 分間に送信するメッセージ数の制限を指定します。範囲は 1 ~ 60 です。デフォルト値は 20 です。 |
Call Home のイネーブルおよびディセーブル
Call Home 機能をイネーブルまたはディセーブルにするには、次の手順に従います。
手順の概要
1. configure terminal
2. service call-home
3. no service call-home
手順の詳細
|
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ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
service call-home
Router(config)# service call-home |
Call Home 機能をイネーブルにします。 |
ステップ 3 |
no service call-home
Router(config)# no service call-home |
Call Home 機能をディセーブルにします。 |
Call Home テスト メッセージの手動送信
call-home test コマンドを使用して、ユーザ定義の Call Home テスト メッセージを送信できます。
手順の概要
1. call-home test [ " test-message " ] profile name
手順の詳細
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ステップ 1 |
call-home test [ “ test-message ” ] profile name
Router# call-home test profile profile1 |
指定された宛先プロファイルにテスト メッセージを送信します。ユーザ定義のテスト メッセージ テキストは任意ですが、スペースが含まれる場合は、引用符(" ")で囲む必要があります。ユーザ定義のメッセージが設定されていない場合、デフォルト メッセージが送信されます。 |
Call Home アラート グループ メッセージの手動送信
call-home send コマンドを使用して、特定のアラート グループ メッセージを手動で送信できます。
Call Home アラート グループメッセージを手動で送信する場合は、次の注意事項に従ってください。
• Configuration、Diagnostic、または Inventory アラート グループは手動で送信できます。
• 手動でアラート グループ メッセージを起動し、宛先プロファイル名を指定すると、メッセージは、プロファイルのアクティブ ステータス、登録ステータス、または重大度の設定に関係なく、宛先プロファイルに送信されます。
• Configuration または Inventory アラート グループ メッセージを手動で起動し、宛先プロファイル名を指定しないと、normal または指定されたアラート グループへの定期的な登録に指定されたアクティブなプロファイルすべてにメッセージが送信されます。
• Diagnostic アラート グループ メッセージを手動で起動し、宛先プロファイル名を指定しないと、メッセージは、指定されたスロットよりも診断結果よりも重大度登録が低いすべての登録された宛先プロファイルに送信されます。
Call Home アラート グループ メッセージを手動でトリガーするには、次の手順に従います。
手順の概要
1. call-home send alert-group configuration [ profile name ]
2. call-home send alert-group diagnostic slot R0 [ profile name ]
3. call-home send alert-group inventory [ profile name ]
手順の詳細
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ステップ 1 |
call-home send alert-group configuration [ profile name ]
Router# call-home send alert-group configuration profile CiscoTAC-1 |
宛先プロファイルの 1 つ(指定されている場合)または登録されているすべての宛先プロファイルに Configuration アラート グループ メッセージを送信します。 |
ステップ 2 |
call-home send alert-group diagnostic slot R0 [ profile name ]
Router# call-home send alert-group diagnostic slot R0 profile CiscoTAC-1 |
指定されている場合は 1 つの宛先プロファイル、またはルート プロセッサ スロット 0 の診断結果よりも重大度登録が低いすべての登録された宛先プロファイルに [Diagnostic] アラート グループ メッセージを送信します。 |
ステップ 3 |
call-home send alert-group inventory [ profile name ]
Router# call-home send alert-group inventory |
宛先プロファイルの 1 つ(指定されている場合)または登録されているすべての宛先プロファイルに Inventory アラート グループ メッセージを送信します。 |
Call Home 分析およびレポート要求の送信
call-home request コマンドを使用して、システム固有の便利な分析およびレポート情報を送信するため、システムに関する情報を Cisco Systems に送信できます。セキュリティの警告、既知のバグ、ベスト プラクティス、コマンド リファレンスなど、さまざまなレポートを要求できます。
Call Home 分析およびレポート要求を手動で送信する場合、次の注意事項に従ってください。
• profile name を指定すると、要求はプロファイルに送信されます。プロファイルが指定されていない場合、要求は Cisco TAC プロファイルに送信されます。Call Home 要求の受信者プロファイルをイネーブルにする必要はありません。要求メッセージを Cisco TAC に転送し、Smart Call Home サービスから返信を受信できるように、転送ゲートウェイが設定された電子メール アドレスをプロファイルに指定します。
• ccoid user-id は、Smart Call Home ユーザの登録 ID です。 user-id を指定すると、応答は登録ユーザの E メール アドレスに送信されます。 user-id を指定しなければ、応答はデバイスの連絡先電子メール アドレスに送信されます。
• 要求するレポートのタイプを指定するキーワードに基づいて、次の情報が返されます。
– config-sanity :現在の実行コンフィギュレーションに関連するベスト プラクティスの情報。
– bugs-list :実行中のバージョンおよび現在適用されている機能の既知のバグ。
– command-reference :実行コンフィギュレーションに含まれるすべてのコマンドへの参照リンク。
– product-advisory :ネットワークのデバイスに影響する可能性のある Product Security Incident Response Team(PSIRT)通知、End of Life(EOL)または End of Sales(EOS)通知、あるいは Field Notice(FN)。
Cisco Output Interpreter ツールから分析およびレポート情報の要求を送信するには、次の手順に従います。
手順の概要
1. call-home request output-analysis " show-command " [ profile name ] [ ccoid user-id ]
2. call-home request { config-sanity | bugs-list | command-reference | product-advisory } [ profile name ] [ ccoid user-id ]
手順の詳細
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ステップ 1 |
call-home request output-analysis “ show-command ” [ profile name ] [ ccoid user-id ]
Router# call-home request output-analysis “show diag” profile TG |
分析用として指定した show コマンドの出力を送信します。 show コマンドは二重引用符(" ")で囲む必要があります。 |
ステップ 2 |
call-home request { config-sanity | bugs-list | command-reference | product-advisory } [ profile name ] [ ccoid user-id ]
Router# call-home request config-sanity profile TG |
分析のため、 show running-config all および show version コマンドなど所定のコマンド セットの出力を送信します。また、 call-home request product-advisory サブコマンドには、すべてのインベントリ アラート グループ コマンドが含まれます。 call-home request コマンドのあとに指定するキーワードは、必要なレポートのタイプを示します。 |
例
次に、ユーザ指定の show コマンドの分析要求の例を示します。
Router# call-home request output-analysis "show diag" profile TG
シスコまたは E メール アドレスへのコマンド出力の送信
call-home send コマンドを使用すると、CLI を実行し、コマンド出力をシスコまたは指定の電子メール アドレスに送信できます。
コマンド出力を送信する場合は、次の注意事項に従ってください。
• CLI コマンドには、すべてのモジュールのコマンドなど、任意の実行コマンドを指定できます。コマンドは二重引用符(" ")で囲む必要があります。
• 電子メール アドレスを指定した場合、そのアドレスにコマンド出力が送信されます。電子メール アドレスを指定しない場合は、Cisco TAC(attach@cisco.com)に出力が送信されます。電子メールは、件名行にサービス番号を付けて(指定した場合)ロング テキスト形式で送信されます。
• 電子メール アドレスを指定しない場合、または Cisco TAC 電子メール アドレスを指定した場合に限り、サービス番号が必要になります。
CLI コマンドを実行し、コマンド出力を E メールで送信するには、次の手順に従います。
手順の概要
1. call-home send " command " { email email-addr [ tac-service-request request-number ] | tac-service-request request-number email email-addr }
手順の詳細
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ステップ 1 |
call-home send “ command ” { email email-addr [ tac-service-request request-number ] | tac-service-request request-number [ email email-addr ]}
Router# call-home send “show call-home” email support@example.com |
指定された CLI コマンドを実行し、出力を電子メールで送信します。それぞれの説明は次のとおりです。 • email email-addr :コマンド出力の送信必要がある電子メール アドレスを指定します。 tac-service-request オプションの入力後に使用される場合、このキーワードはオプションです。 • tac-service-request request-number :電子メールの件名行に表示される TAC サービス リクエスト番号を指定します。 email オプションの入力後に使用される場合、このキーワードはオプションです。 |
例
次に、CLI コマンドの出力をユーザ指定の E メール アドレスに送信する例を示します。
Router# call-home send "show diag" email support@example.com
Smart Call Home サービスをサポートするように Call Home を設定する方法
ここでは、シスコ デバイスで Call Home 機能を設定し、HTTPS を使用して Smart Call Home サービスと安全に通信するために必要なその他の支援設定を行うために必要な最小限の手順の概要を説明します。
• 「前提条件」(必須)
• 「Call Home の設定とイネーブル化」(必須)
• 「CA トラストポイントの宣言および認証」(必須)
• 「Smart Call Home の登録の開始」(必須)
前提条件
Smart Call Home サービスを設定して使用する前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください:
• 設定するデバイスが有効なサービス契約の対象となっていることを確認します。
• Cisco HTTPS サーバと IP 接続できることを確認します。
• 最新のシスコ サーバ セキュリティ証明書を取得します。Cisco IOS XE Release 2.6.0 では、以下が Cisco Systems のサーバ セキュリティ証明書の最新のテキストを表示します。
MIIDAjCCAmsCEH3Z/gfPqB63EHln+6eJNMYwDQYJKoZIhvcNAQEFBQAwgcExCzAJ
BgNVBAYTAlVTMRcwFQYDVQQKEw5WZXJpU2lnbiwgSW5jLjE8MDoGA1UECxMzQ2xh
c3MgMyBQdWJsaWMgUHJpbWFyeSBDZXJ0aWZpY2F0aW9uIEF1dGhvcml0eSAtIEcy
MTowOAYDVQQLEzEoYykgMTk5OCBWZXJpU2lnbiwgSW5jLiAtIEZvciBhdXRob3Jp
emVkIHVzZSBvbmx5MR8wHQYDVQQLExZWZXJpU2lnbiBUcnVzdCBOZXR3b3JrMB4X
DTk4MDUxODAwMDAwMFoXDTI4MDgwMTIzNTk1OVowgcExCzAJBgNVBAYTAlVTMRcw
FQYDVQQKEw5WZXJpU2lnbiwgSW5jLjE8MDoGA1UECxMzQ2xhc3MgMyBQdWJsaWMg
UHJpbWFyeSBDZXJ0aWZpY2F0aW9uIEF1dGhvcml0eSAtIEcyMTowOAYDVQQLEzEo
YykgMTk5OCBWZXJpU2lnbiwgSW5jLiAtIEZvciBhdXRob3JpemVkIHVzZSBvbmx5
MR8wHQYDVQQLExZWZXJpU2lnbiBUcnVzdCBOZXR3b3JrMIGfMA0GCSqGSIb3DQEB
AQUAA4GNADCBiQKBgQDMXtERXVxp0KvTuWpMmR9ZmDCOFoUgRm1HP9SFIIThbbP4
pO0M8RcPO/mn+SXXwc+EY/J8Y8+iR/LGWzOOZEAEaMGAuWQcRXfH2G71lSk8UOg0
13gfqLptQ5GVj0VXXn7F+8qkBOvqlzdUMG+7AUcyM83cV5tkaWH4mx0ciU9cZwID
AQABMA0GCSqGSIb3DQEBBQUAA4GBAFFNzb5cy5gZnBWyATl4Lk0PZ3BwmcYQWpSk
U01UbSuvDV1Ai2TT1+7eVmGSX6bEHRBhNtMsJzzoKQm5EWR0zLVznxxIqbxhAe7i
F6YM40AIOw7n60RzKprxaZLvcRTDOaxxp5EJb+RxBrO6WVcmeQD2+A2iMzAo1KpY
Call Home の設定とイネーブル化
Cisco Smart Call Home サービスを開始するには、特定の手順を実行して Cisco ASR 1000 シリーズ ルータに Call Home 機能を設定してイネーブルにする必要があります。
CiscoTAC-1 プロファイルは、電子メールを使用して Smart Call Home サービスのバック エンド サーバと通信するように Call Home 機能で事前定義されています。Cisco HTTPS バック エンド サーバへの URL も定義されています。このプロファイルは、デフォルトで非アクティブです。
両方の転送方法をサポートするように Call Home で設定できる他のプロファイルとは異なり、CiscoTAC-1 プロファイルは一度に 1 つの転送方法のみを使用できます。このため、Cisco Smart Call Home HTTPS サーバでこのプロファイルを使用するには、転送方法を電子メールから HTTP に変更し、このプロファイルをイネーブルにする必要があります。また、連絡先の電子メールアドレスを最小限指定し、Call Home 機能をイネーブルにする必要があります。
手順の概要
1. configure terminal
2. call-home
3. profile CiscoTAC-1
4. destination transport-method http
5. active
6. exit
7. contact-email-addr email-address
8. exit
9. service call-home
10. exit
11. copy running-config startup-config
手順の詳細
|
|
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ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
call - home
Router(config)# call-home |
Call Home コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
profile CiscoTAC-1
Router(config-call-home)# profile CiscoTAC-1 |
CiscoTAC-1 宛先プロファイルの Call Home 宛先プロファイル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
destination transport-method http
Router(cfg-call-home-profile)# destination transport-method http |
(HTTPS を使用している場合のみ必須)http のメッセージ転送方法を設定します。 |
ステップ 5 |
active
Router(cfg-call-home-profile)# active |
宛先プロファイルをイネーブルにします。 |
ステップ 6 |
exit
Router(cfg-call-home-profile)# exit |
Call Home 宛先プロファイル コンフィギュレーション モードを終了して、Call Home コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
contact-email-addr email-address
Router(cfg-call-home)# contact-email-addr username@example.com |
カスタマーの E メール アドレスを割り当てます。E メール アドレス フォーマットにはスペースなしで最大 200 文字まで入力できます。 |
ステップ 8 |
exit
Router(cfg-call-home)# exit |
Call Home コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 9 |
service call-home
Router(config)# service call-home |
Call Home 機能をイネーブルにします。 |
ステップ 10 |
exit
Router(config)# exit |
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 11 |
copy running-config startup-config
Router# copy running-config startup-config |
この設定を NVRAM に保存します。 |
CA トラストポイントの宣言および認証
Smart Call Home サービス用に Cisco HTTPS サーバとの通信を確立するには、シスコのサーバ セキュリティ証明書を宣言し、認証する必要があります。
手順の概要
1. configure terminal
2. crypto pki trustpoint name
3. enrollment terminal
4. exit
5. crypto pki authenticate name
6. プロンプトで、セキュリティ証明書のテキストを貼り付けます。
7. quit
8. yes
9. end
10. copy running-config startup-config
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
crypto pki trustpoint name
Router(config)# crypto pki trustpoint cisco |
ルータの CA トラストポイントを宣言し、CA トラストポイント コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
enrollment terminal
Router(ca-trustpoint)# enrollment terminal |
証明書登録に、手動でのカットアンドペースト方式を指定します。 |
ステップ 4 |
exit
Router(ca-trustpoint)# exit |
CA トラストポイント コンフィギュレーションモードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
crypto pki authenticate name
Router(config)# crypto pki authenticate cisco |
名前付き CA を認証します。 と一致する必要があります。 |
ステップ 6 |
プロンプトで、セキュリティ証明書のテキストを貼り付けます。
Enter the base 64 encoded CA certificate. End with a blank line or the word "quit" on a line by itself <証明書のテキストを貼りつけてください> |
セキュリティ証明書のテキストを指定します。 |
ステップ 7 |
quit
quit |
セキュリティ証明書のテキストの終わりを指定します。 |
ステップ 8 |
yes
% Do you accept this certificate? [yes/no]: yes
|
セキュリティ証明書の入力の受け入れを確認します。 |
ステップ 9 |
end
Router# end |
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 10 |
copy running-config startup-config
Router# copy running-config startup-config |
この設定を NVRAM に保存します。 |
例
次に、シスコのサーバ セキュリティ証明書の宣言と認証に使用される設定の例を示します。
Router# configure terminal
Router(config)# crypto pki trustpoint cisco
Router(ca-trustpoint)# enrollment terminal
Router(ca-trustpoint)# exit
Router(config)# crypto pki authenticate cisco
Enter the base 64 encoded CA certificate.
End with a blank line or the word "quit" on a line by itself
MIIDAjCCAmsCEH3Z/gfPqB63EHln+6eJNMYwDQYJKoZIhvcNAQEFBQAwgcExCzAJ
BgNVBAYTAlVTMRcwFQYDVQQKEw5WZXJpU2lnbiwgSW5jLjE8MDoGA1UECxMzQ2xh
c3MgMyBQdWJsaWMgUHJpbWFyeSBDZXJ0aWZpY2F0aW9uIEF1dGhvcml0eSAtIEcy
MTowOAYDVQQLEzEoYykgMTk5OCBWZXJpU2lnbiwgSW5jLiAtIEZvciBhdXRob3Jp
emVkIHVzZSBvbmx5MR8wHQYDVQQLExZWZXJpU2lnbiBUcnVzdCBOZXR3b3JrMB4X
DTk4MDUxODAwMDAwMFoXDTI4MDgwMTIzNTk1OVowgcExCzAJBgNVBAYTAlVTMRcw
FQYDVQQKEw5WZXJpU2lnbiwgSW5jLjE8MDoGA1UECxMzQ2xhc3MgMyBQdWJsaWMg
UHJpbWFyeSBDZXJ0aWZpY2F0aW9uIEF1dGhvcml0eSAtIEcyMTowOAYDVQQLEzEo
YykgMTk5OCBWZXJpU2lnbiwgSW5jLiAtIEZvciBhdXRob3JpemVkIHVzZSBvbmx5
MR8wHQYDVQQLExZWZXJpU2lnbiBUcnVzdCBOZXR3b3JrMIGfMA0GCSqGSIb3DQEB
AQUAA4GNADCBiQKBgQDMXtERXVxp0KvTuWpMmR9ZmDCOFoUgRm1HP9SFIIThbbP4
pO0M8RcPO/mn+SXXwc+EY/J8Y8+iR/LGWzOOZEAEaMGAuWQcRXfH2G71lSk8UOg0
13gfqLptQ5GVj0VXXn7F+8qkBOvqlzdUMG+7AUcyM83cV5tkaWH4mx0ciU9cZwID
AQABMA0GCSqGSIb3DQEBBQUAA4GBAFFNzb5cy5gZnBWyATl4Lk0PZ3BwmcYQWpSk
U01UbSuvDV1Ai2TT1+7eVmGSX6bEHRBhNtMsJzzoKQm5EWR0zLVznxxIqbxhAe7i
F6YM40AIOw7n60RzKprxaZLvcRTDOaxxp5EJb+RxBrO6WVcmeQD2+A2iMzAo1KpY
Certificate has the following attributes:
Fingerprint MD5: A2339B4C 747873D4 6CE7C1F3 8DCB5CE9
Fingerprint SHA1: 85371CA6 E550143D CE280347 1BDE3A09 E8F8770F
% Do you accept this certificate? [yes/no]: yes
Trustpoint CA certificate accepted.
% Certificate successfully imported
Router# copy running-config startup-config
Smart Call Home の登録の開始
Smart Call Home の登録プロセスを開始するには、CiscoTAC-1 プロファイルに [Inventory] アラート グループ メッセージを手動で送信します。
手順の概要
1. call-home send alert-group inventory profile CiscoTAC-1
手順の詳細
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ステップ 1 |
call-home send alert-group inventory profile CiscoTAC-1
Router# call-home send alert-group inventory profile CiscoTAC-1 |
[Inventory] アラート グループ メッセージを CiscoTAC-1 宛先プロファイルに手動で送信します。 |
次の作業
電子メールを Cisco Systems から受信し、指示に従って Smart Call Home Web アプリケーションのデバイス登録を完了します。
• 次の URL から、Smart Call Home Web アプリケーションを起動します。
https://tools.cisco.com/sch/
• 法的な契約書を受け入れます。
• 登録が保留中であった Call Home デバイスのデバイス登録を確認します。
Smart Call Home Web アプリケーションの使用の詳細については、『 Smart Call Home User Guide 』を参照してください。このユーザ ガイドには、デバイスから直接、または転送ゲートウェイ(TG)集約ポイントを介して Smart Call Home メッセージを送信するための設定例も含まれています。複数のデバイスをサポートする必要のある場合や、セキュリティ要件によってデバイスがインターネットに直接接続されないことが必須である場合は、TG 集約ポイントを使用できます。