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この章では、マルチキャスト インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)スヌーピングに関する問題を識別して解決する方法について説明します。
IP マルチキャストは、同一セットの IP パケットをネットワーク上の複数のホストに転送する手法です。マルチキャストは、IPv4 ネットワークと IPv6 ネットワークの両方で使用でき、複数の宛先への効率のよいデータ配信を実現します。
マルチキャストには、グループと呼ばれる IP マルチキャスト アドレスに送信されたマルチキャスト データの送信側と受信側の配信と検出の両方の手法が含まれます。グループと送信元 IP アドレスが入ったマルチキャスト アドレスは、しばしばチャネルと呼ばれます。
IGMP スヌーピング ソフトウェアは、VLAN 内のレイヤ 2 IP マルチキャスト トラフィックを調べて、該当する受信側が入っているポートを検出します。IGMP スヌーピングは、VLAN 全体でのフラッディングを避けるために、ポート情報を使用してマルチアクセス LAN 環境での帯域幅消費を低減させることができます。IGMP スヌーピング機能は、ルータによる IGMP メンバーシップ レポートの転送を支援するために、どのポートがマルチキャスト機能を持つルータに接続されているかを追跡します。IGMP スヌーピング ソフトウェアは、トポロジ変更通知に応答します。
• イーサネット スイッチ(Cisco Catalyst 6000 スイッチなど)が、すべての IGMP パケットを解析および傍受し、プロトコル処理のために CPU(スーパーバイザ モジュールなど)に転送します。
• ルータのポートが、IGMP クエリーを使用して学習されます。スイッチは、IGMP クエリーを返し、クエリーがどのポートから送られてきたかを記憶し、そのポートをルータ ポートとしてマークします。
• IGMP メンバーシップが、IGMP レポートを使用して学習されます。スイッチが、IGMP メンバーシップを追跡するために、IGMP レポート パケットを解析し、パケットを報告し、そのマルチキャスト転送テーブルを更新します。
• スイッチは、マルチキャスト トラフィックを受信したら、そのマルチキャスト テーブルをチェックし、そのトラフィックを受け取るべきポートだけにトラフィックを転送します。
• IGMP クエリーは、全 VLAN にフラッディングされます。
マルチキャスト IGMP スヌーピングの操作は、アップリンク スイッチが正しく設定されていないとうまく機能しません。IGMP プロセスは、IGMP ルーティングをサポートするルータにどのアップストリーム ポートが接続されているかを知る必要があるため、
ip multicast-routing コマンドを発行して、アップストリーム スイッチで IP マルチキャスト ルーティングを有効にしておく必要があります。
次の例は、グローバルなマルチキャスト ルーティングを有効にし、SVI インターフェイスを設定し、PIM ルーティング プロトコルを有効にする方法を示します。
マルチキャスト IGMP の問題をトラブルシューティングする際には、次のガイドラインに従ってください。
• show ip igmp snooping コマンドを使用して、IGMP スヌーピングがイネーブルになっていることを確認します。
• アップストリーム スイッチの IGMP が設定されていることを確認します。
• show ip igmp snooping groups コマンドを使用して、スイッチが正しく設定され、マルチキャスト トラフィックを転送できる状態になっていることを確認します。コマンド出力のポート見出しの下で、R という文字を探します。R は、VSM がアップストリーム スイッチによって送信された IGMP クエリーからアップリンク ルータ ポートを学習したということを示しており、マルチキャスト トラフィックを転送できる状態になっています。
マルチキャスト IGMP スヌーピングに関する問題をトラブルシューティングするには、次のコマンドを使用できます。
IGMP はパケット VLAN を使用して IGMP パケットを VSM に転送していますが、これは Cisco Discovery Protocol(CDP; シスコ検出プロトコル)が使用するメカニズムと同じであるため、このトラブルシューティングにも show cdp neighbor コマンドを使用できます。ただし、アップストリーム スイッチで no cdp enable コマンドを使用して CDP プロトコルをディセーブルにしていた場合は、 show cdp neighbor コマンドを実行しても何も情報は表示されません。
show ip igmp groups コマンドでは、VLAN 上で IGMP スヌーピングがイネーブルになっていることを確認できます。
例 15-2 show ip igmp snooping vlan コマンド
• show ip igmp snooping groups
例 15-3 debug ip igmp snooping vlan コマンド
• module vem module-number execute vemcmd show vlan
例 15-4 の出力では、LTL 18 が vmnic3 に対応し、LTL 47 が VM fedora8, interface eth0 に対応することがわかります。
224.1.2.3 のマルチキャスト グループ テーブルは、VEM がグループ 224.1.2.3 のマルチキャスト トラフィックを受信したときに転送先とするインターフェイスを示します。fedora8 がその eth0 インターフェイス上にマルチキャスト グループ 224.1.2.3 を持つ場合、LTL 47 が 224.1.2.3 のマルチキャスト グループ テーブルに入っている必要があります。
LTL 18 は、マルチキャスト グループ 224.1.2.3 内にもあります。これは、LTL 18 が VM であり、224.1.2.3 へのマルチキャスト トラフィックを生成するということを意味します。トラフィックは、アップストリーム スイッチへのアップリンクである vmnic3 に転送されます。
0.0.0.0 のマルチキャスト グループ テーブル エントリは、デフォルト ルートを提供します。どのマルチキャスト グループにも一致しないマルチキャスト グループ トラフィックがあった場合、そのアドレスにはデフォルト ルートが使用されます。つまり、この場合、トラフィックは vmnic3 を介してアップストリーム スイッチに転送されます。
例 15-4 module vem module-number execute vemcmd show vlan コマンド