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この章では、Cisco Nexus 1000V システムと、このシステムに関する問題を識別して修正する方法について説明します。
Cisco Nexus 1000V は、仮想化されたサーバ環境でレイヤ 2 スイッチング機能を提供します。Cisco NX-OS のコマンドライン インターフェイスを使用すると、ESX サーバの仮想スイッチを設定してモニタできます。また、ESX Server のネットワーク コンポーネントを認識して、ネットワーク上の仮想スイッチにアクセスすることもできます。
Cisco Nexus 1000V は、vCenter Server により定義されるデータセンターを管理します。データセンター内の各サーバはラインカードとして表され、物理 Cisco スイッチ内のラインカードであるかのように管理できます。Cisco Nexus 1000V は、次の 2 つのコンポーネントで構成されます。
• Virtual Supervisor Module(VSM; 仮想スーパーバイザ モジュール):Cisco Nexus 1000V 分散仮想スイッチの制御ソフトウェア。Virtual Machine(VM; 仮想マシン)上で稼動し、Cisco NX-OS をベースとします。
• Virtual Ethernet Module(VEM; 仮想イーサネット モジュール):Cisco Nexus 1000V で実際にデータ トラフィックのスイッチングを行う部分。VMware ESX 4.0 ホスト上で実行されます。複数の VEM が、1 つの VSM によって制御されます。スイッチ ドメインを形成するすべての VEM が、VMware vCenter Server で定義されたとおりに同一の仮想データセンター内になくてはなりません。
詳細については、『 Cisco Nexus 1000V Getting Started Guide, Release 4.0(4)SV1(3) 』を参照してください。
vCenter Server に関する問題のトラブルシューティングを行う際には、次の制限事項に注意してください。
• 分散仮想スイッチ(DVS)の名前は、データセンター全体にわたって一意でなければなりません。
• DBS フォルダまたは下層の DVS を削除しない限り、データセンターを削除できません。
• DVS を削除できるのは、config-svs-conn モードで no vmware dvs コマンドを使用して VSM の助けを得た場合だけです。
• no vmware dvs コマンドが正常に実行できるのは、DVS ポート グループを使用している VM がない場合だけです。
• vCenter Server 上のポート グループを削除できるのは、それに関連付けられているインターフェイスがない場合だけです。
• connect コマンドと一緒に同期操作を実行すると、VSM の vCenter Server との同期が保たれます。
• 各 VSM が、一意の拡張キーを使用して vCenter Server と通信し、DVS 上で操作を実行します。
VSM では、vCenter Server と通信する際に拡張キーが使用されます。各 VSM が独自の一意の拡張キーを持ちます(Cisco_Nexus_1000V_32943215 など)。
VSM の拡張キーを調べるには、 show vmware vc extension-key コマンドを使用します。拡張キーは、.xml ファイルでも調べることができます。
vCenter Server 上で登録されている拡張キーは、MOB を通じて見つかります。詳細については、「特定の DVS に結び付けられた拡張キーの確認」を参照してください。
DVS の作成に使用された VSM VM が失われた場合、またはその VSM VM を置き換える必要がある場合、次の手順に従って DVS を回復できます。ここでは、次の手順について説明します。
• 「VSM のコピーが保存されている場合の DVS の回復」
• 「VSM のコピーが保存されていない場合の DVS の回復」
この手順を開始する前に、次のことを確認または実行する必要があります。
• VSM 設定ファイルのバックアップ コピーをあらかじめ保存していた場合は、この手順に従います。バックアップ コピーを保存していなかった場合は、「VSM のコピーが保存されていない場合の DVS の回復」を参照してください。
• VSM VM スイッチ名が、vCenter Server 上の DVS スイッチ名と同じであることを確認します。スイッチ名が同じであれば、VSM 設定は、vCenter Server 上の正しい DVS と同期されます。
VSM スイッチ名を変更するには、 switchname newname コマンドを使用します。
ステップ 1 MOB から、DVS 拡張キーを見つけます。
詳細については、「特定の DVS に結び付けられた拡張キーの確認」を参照してください。
ステップ 2 VSM 上で、ステップ 1で見つけた DVS 拡張キーを追加します。
この拡張キーにより、VSM は vCenter Server にログインできるようになります。
例:
n1000v# config t
n1000v(config)#
vmware vc extension-key Cisco_Nexus_1000V_32943215
ステップ 3 MOB から、ステップ 1で見つけた拡張キーを登録解除します。
詳細については、「vCenter Server の拡張キーの登録解除」を参照してください。
ステップ 4 VC クライアントから、VSM の拡張(プラグイン)を登録します。
詳細については、『 Cisco Nexus 1000V Getting Started Guide, Release 4.0(4)SV1(3) 』にある次の手順を参照してください。
• 「Creating a Cisco Nexus 1000V Plug-In on the vCenter Server」
ステップ 5 VSM 上で、あらかじめ保存しておいた VSM 設定ファイルのコピーを使用して設定を復元します。
copy path/filename running-config
例:
n1000v#
copy sftp://user1@172.22.36.10/backup/hamilton_cfg running-config
• vCenter Server 接続が、あらかじめ保存しておいた設定に含まれていない場合は、次のステップに進みます。
• それ以外の場合は、ステップ 8 に進みます。
ステップ 7 VSM 上で、vCenter Server 接続の設定を復元します。
例:
例:
これで、古い DVS を使用することも削除することもできます。
この手順を開始する前に、次のことを確認または実行する必要があります。
• VSM 設定ファイルのバックアップ コピーを保存していなかった場合は、この手順に従います。バックアップ コピーをあらかじめ保存していた場合は、「VSM のコピーが保存されている場合の DVS の回復」を参照してください。
• VSM 設定ファイルのバックアップ コピーを保存していなかった場合は、VC に接続する前に、古いポート プロファイルの再作成を試してみることができます。この手順には、ポート プロファイルを再作成するためのステップが含まれています。VC に接続する前にこれらを再作成しなければ、VC 上に存在するポート グループはすべて削除され、使用中のすべてのポートが検疫ポート グループに移動されます。
• VSM VM スイッチ名が、vCenter Server 上の DVS スイッチ名と同じであることを確認します。スイッチ名が同じであれば、VSM 設定は、vCenter Server 上の正しい DVS と同期されます。
VSM スイッチ名を変更するには、 switchname newname コマンドを使用します。
ステップ 1 MOB から、DVS 拡張キーを見つけます。
詳細については、「特定の DVS に結び付けられた拡張キーの確認」を参照してください。
ステップ 2 VSM 上で、ステップ 1で見つけた DVS 拡張キーを追加します。
この拡張キーにより、VSM は vCenter Server にログインできるようになります。
例:
n1000v# config t
n1000v(config)#
vmware vc extension-key Cisco_Nexus_1000V_32943215
ステップ 3 MOB から、ステップ 1で見つけた拡張キーを登録解除します。
詳細については、「vCenter Server の拡張キーの登録解除」を参照してください。
ステップ 4 VC クライアントから、VSM の拡張(プラグイン)を登録します。
詳細については、『 Cisco Nexus 1000V Getting Started Guide, Release 4.0(4)SV1(3) 』にある次の手順を参照してください。
• 「Creating a Cisco Nexus 1000V Plug-In on the vCenter Server」
ステップ 5 前の設定から古いポート プロファイルを手動で再作成します。
詳細については、『 Cisco Nexus 1000V Getting Started Guide, Release 4.0(4)SV1(3) 』にある次の手順を参照してください。
• 「Configuring the System Port Profile for VSM-VEM Communication」
• 「Configuring the Uplink Port Profile for VM Traffic」
• 「Configuring the Data Port Profile for VM Traffic」
(注) ポート プロファイルを手動で再作成しなかった場合、VSM が接続するときに、vCenter Server 上のすべてのポート グループが削除されます。
ステップ 6 VSM 上で、vCenter Server 接続の設定を復元します。
例:
例:
これで、古い DVS を使用することも削除することもできます。
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1. svs connection コマンドのすべてのパラメータを設定しているか確認します。 2. vCenter Server の IP アドレスを ping できるか確認します。 |
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サーバ名は、ホスト名か IP アドレスのうち、vCenter Server 上の DVS へのホストの追加に使用された方で表示されます。 |
ESX サーバ ホストの再起動後に、VSM と VEM の間の接続が失われた場合、MTU がホストのデフォルトにリセットされたことが原因の可能性があります。
• 「MTU の不一致によって接続の失敗が発生しているかどうかの確認」
Cisco Nexus 1000V に接続されている物理 NIC に対して 1500(デフォルト)以外の MTU を使用している場合、ESX が再起動すると、この設定がデフォルト設定の 1500 に戻ることがあります。これによって次のいずれかの MTU 設定と一致しなくなり、VSM と VEM の接続が失敗する可能性があります。
たとえば、ジャンボ フレームを使用しているネットワーク内で、手動で 1500 以外の MTU を設定したとします。電源を再投入すると ESX は再起動し、物理 NIC の MTU はデフォルトの 1500 に戻りますが、VMware カーネル NIC またはアップストリーム スイッチポートの MTU 設定は戻りません。
MTU 設定の不一致によって接続の失敗が発生していることを確認するには、「MTU の不一致によって接続の失敗が発生しているかどうかの確認」を参照してください。
MTU の不一致によって失われた接続を復元するには、「VEM へのネットワーク接続の復元」を参照してください。
ESX の再起動中に、VSM と VEM の間の接続が失われるのを防ぎ、1500(デフォルト)以外の物理 NIC MTU 設定を維持するには、システム MTU をシステム アップリンク ポート プロファイルで設定する必要があります。
システム アップリンク ポート プロファイルで system mtu を設定するには、『 Cisco Nexus 1000V Port Profile Configuration Guide, Release 4.0(4)SV1(3) 』の次の手順を参照してください。
この手順を開始する前に、次のことを確認または実行する必要があります。
• アップストリーム スイッチの CLI にログインしている。
ステップ 1 アップストリーム スイッチ上で次のコマンドを使用して、VEM アップリンクに接続されているインターフェイスの MTU を確認します。
ステップ 2 ESX 上で、Cisco Nexus 1000V に接続されている物理 NIC の MTU 設定を確認します。
ステップ 3 ESX 上で、Cisco Nexus 1000V に接続されている VMware カーネル NIC を特定します。
ステップ 4 ESX 上で、ステップ 3 で特定した VMware カーネル NIC の MTU 設定を確認します。
• MTU 設定が一致しない場合は、「VEM へのネットワーク接続の復元」に進みます。
• MTU 設定が一致している場合、これは接続の失敗の原因ではありません。
この手順に従って、物理 NIC と VMware カーネル NIC 間の MTU の不一致が原因で失われた VEM とのネットワーク接続を復元できます。
この手順を開始する前に、次のことを確認または実行する必要があります。
ステップ 1 次のコマンドを使用して、MTU をリセットし、Cisco Nexus 1000V に接続されている物理 NIC との MTU の不一致が原因で失われた接続を復元します。
vemcmd show port port-LTL-number
vemcmd set mtu size ltl port-LTL-number
ESX 上の MTU がリセットされ、VEM との接続が復元されます。
ステップ 2 VSM 上で、次のマニュアルのいずれかを使用して MTU 設定を更新します。
• システム アップリンクのシステム ポート プロファイルの更新:
『 Cisco Nexus 1000V Port Profile Configuration Guide, Release 4.0(4)SV1(3) 』
• システム以外のアップリンクのインターフェイス設定の更新:
『 Cisco Nexus 1000V Interface Configuration Guide, Release 4.0(4)SV1(3) 』
例 18-1 に、 show vms internal event-history errors コマンドを示します。このコマンドは、VC エラーの詳細を検証するのに便利です。この出力から、エラーが VSM(クライアント)とサーバのどちらによって発生したかがわかります。
例 18-1 show vms internal event-history error コマンド
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ポート プロファイルを作成する際には、次のコマンドを使用して、vCenter Server 上に対応するポート グループを作成します。
システム VLAN の設定を持つプロファイルは、VEM の VSM との通信を許可します。
システム ポート プロファイルが正しいシステム VLANS で定義されていることを確認してください。
必要な基本情報を収集するには、 show port-profile コマンドと show port-profile usage コマンドを使用します。
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「Possible failure in communication with vCenter Server.」というエラー メッセージが表示される。 |
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ホスト内 VM トラフィックでの問題をトラブルシューティングする際には、次のガイドラインに従ってください。
• 少なくとも 1 つの VMware 仮想 NIC が正しい DVS ポート グループ上に存在し、接続されていることを確認します。
• VMware 仮想 NIC がダウンしている場合は、OS で設定されている MAC アドレスと VMware によって割り当てられている MAC アドレスの間に矛盾がないか調べます。割り当てられている MAC アドレスは、vmx ファイルで確認できます。
ホスト内 VM トラフィックでの問題をトラブルシューティングする際には、次のガイドラインに従ってください。
• VLAN を VMware 仮想 NIC と共有しているアップリンクは 1 つしかないことを確認します。2 つ以上ある場合は、それらがポート チャネルでなければなりません。
• show intX counters コマンドを使用して、アップストリーム スイッチ上の SVI を ping します。
• vemlog :VEM カーネル ログの表示と制御を行います。
• vem-support all :サポート情報を収集します。
• vemlog show last number-of-entries :循環バッファを表示します。
• vemlog show info :ログ内のエントリに関する情報を表示します。
• vemcmd help :表示できる情報の種類を表示します。
• vemlog start number-of-entries :ログを開始し、指定したエントリ数に達したところでログを停止します。
• vemlog stop number-of-entries :これから指定したエントリ数に達したところでログを停止します。
vSphere Client では、最近のタスクが表示されるタブでエラー メッセージを確認できます。エラーの詳しい説明は、[Tasks and Events] タブで確認できます。同じメッセージが、VSM にも伝播されます。
表 18-1 に、VSM で表示される可能性のあるエラー メッセージを示します。