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Nexus1000V は、多数の仮想ホストにまたがって広がる分散したレイヤ 2 仮想スイッチを提供します。
• 仮想スーパーバイザ モジュール(VSM)。コントロール プレーン(CP)とも呼ばれ、スーパーバイザとして機能し、Cisco CLI、コンフィギュレーション、および高レベルの機能を含みます。
• 仮想イーサネット モジュール(VEM)。データ プレーン(DP)とも呼ばれ、ラインカードとして機能し、各仮想サーバ内で実行されてパケット転送やその他のローカライズ機能を処理します。
Nexus1000V では、各 VEM での仮想ポートと物理ポートが区別されます。図 9-1 は、Nexus1000V スイッチ上のポートが VEM 内の物理 VMware ポートと仮想 VMware ポートにどのようにバインドされるかを示します。
スイッチの仮想側には、一緒にマッピングされる次の 3 つのポート レイヤがあります。
• 仮想 NIC:VMware 内には 3 タイプの仮想 NIC があります。仮想 NIC(vnic)は、VM の一部であり、スイッチに接続されたホストの物理ポートを表します。仮想カーネル NIC(vmknic)は、管理のハイパーバイザ、VMotion、iSCSI、NFS、およびカーネルに必要とされるその他のネットワーク アクセスによって使用されます。このインターフェイスは、ハイパーバイザ自体の IP アドレスを伝送し、仮想イーサネット ポートにもバインドされます。vswif(示されていない)は、COS ベースのシステムにしか現れず、VMware 管理ポートとして使用されます。これらの各タイプが、Nexus1000V 内の Veth ポートにマッピングされます。
• 仮想イーサネット ポート(VEth):VEth ポートは、Cisco Nexus 1000V Distributed Virtual Switch(DVS; 分散仮想スイッチ)上のポートです。Cisco Nexus 1000V は、VEth ポート 0..N のフラットな空間を持ちます。仮想ケーブルは、VM を実行するホストに移動されるこれらの VEth ポートに接続されます。
• ローカル仮想イーサネット ポート(lveth):各ホストが、いくつものローカル VEth ポートを持ちます。これらのポートは、ホスト上で必要とされる VEth ポート用に動的に選択されます。
これらのローカル ポートは、移動することはなく、モジュール-ポート番号方式によってアドレス指定可能です。
スイッチの物理側では、下から上に向かって次のようになっています。
• VMware 内の各物理 NIC は、vmnic と呼ばれるインターフェイスによって表されます。vmnic 番号は、VMware のインストール時または新しい物理 NIC がインストールされたときに割り当てられ、ホストの寿命を通じて同じまま保たれます。
• ホスト上の各アップリンク ポートは、物理インターフェイスを表します。これは、lveth ポートと非常によく似た動作をしますが、物理ポートはホスト間で移動しないため、マッピングはアップリンク ポートと vmnic の間で 1:1 です。
• Nexus1000V スイッチに追加された各物理ポートが、ハードウェア ベースのスイッチ上にあるのとまったく同じように、物理イーサネット ポートとして現れます。
アップリンク ポートの概念は、完全に VMware によって扱われ、ポート設定を vmnics に関連付けるために使用されます。アップリンクの番号と vmnic の番号の間には固定した関係はありません。これらは、ホストごとに異なっていてもかまわず、ホストの寿命を通じて変更可能です。VSM 上では、イーサネット インターフェイス番号(イーサネット 2/4 など)は、アップリンクの番号ではなく vmnic の番号から導出されます。
図 9-2 に、VSM ビュー ポートを示します。
• Veths(仮想イーサネット インターフェイス)は、次のいずれか 1 つと関連付けできます。
• Eth(物理イーサネット インターフェイス):ESX ホスト上の物理 NIC に対応します。
• Po(ポート チャネル インターフェイス):ESX ホストの物理 NIC は、まとめて 1 つの論理インターフェイスにすることができます。この論理バンドルが、ポート チャネル インターフェイスと呼ばれます。
レイヤ 2 スイッチングの詳細については、『 Cisco Nexus 1000V Layer 2 Switching Configuration Guide, Release 4.0(4)SV1(3) 』を参照してください。
ここでは、レイヤ 2 の問題をトラブルシューティングする方法を説明し、トラブルシューティング コマンドの一覧を示します。ここでは、次の内容について説明します。
VEM 上の VEth ポート間の接続を確認するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 VSM 上で、 show vlan コマンドを入力して、ポートに関連付けられている VLAN の状態を確認します。ポートに関連付けられている VLAN がアクティブでない場合は、ポートはおそらくダウンしています。この場合は、VLAN を作成して、アクティブにする必要があります。
ステップ 2 VSM 上のポートの状態を見るには、 show interface brief コマンドを入力します。
ステップ 3 module vem module-number execute vemcmd show port コマンドを実行して、VEM 上に現れているポートと、そのローカル インターフェイス インデックス、VLAN、タイプ(物理か仮想か)、CBL 状態、ポート モード、およびポート名を表示します。
• トラブルシューティングしようとしているポートの LTL。この情報は、インターフェイス名が表示されないような他の VEM コマンドでインターフェイスをすばやく見つけるのに役立ちます。
• ポートの状態が UP になっていることの確認。UP になっていない場合は、VSM 上のポートの設定を確認してください。
ステップ 4 特定の VEM 上にある VLAN およびそのポートのリストを表示するには、 module vem module-number execute vemcmd show bd コマンドを次のように使用します。
ポートが特定の VLAN に属していることを確認しようとしている場合は、必ずその VLAN のポート リスト内のポート名または LTL を見てください。
2 つの個別の VEM 上にある VEth ポート間の接続を確認するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 show vlan コマンドを実行して、ポートに関連付けられている VLAN が VSM 上に作成されているか確認します。
ステップ 2 show interface brief コマンドを実行して、ポートが VSM 内で UP になっていることを確認します。
ステップ 3 VEM 上で、 module vem 3 execute vemcmd show port コマンドを実行して、2 つのポートの CBL の状態が転送用の値である 4 に設定されているか確認します。
ステップ 4 VEM 上で、 module vem 3 execute vemcmd show bd コマンドを実行して、2 つの VEth ポートが、それらが通信しようとしている相手 VLAN のフラッディング リストに入っているか確認します。
ステップ 5 VEM が接続されているアップリンク スイッチが、ポートの属している VLAN を伝送していることを確認します。
ステップ 6 アップストリーム スイッチのポートから、VEM 上の pnic(VLAN を伝送するはずのもの)が接続されているポートを探します。
PNIC(Eth 5/2)は、ポート Gig1/38 上の swordfish-6k-2 に接続されています。
ステップ 7 アップストリーム スイッチにログインして、ポートが、探している VLAN を許可するように設定されていることを確認します。
この出力では、VLAN 1、60 ~ 69、231 ~ 233 がポート上で許可されています。注目している VLAN が許可されている VLAN のリストに入っていない場合は、それをポートの許可される VLAN リストに追加してください。
次の手順を使用して、異なる複数の VEM 上の VM 間でトラフィックが伝送されなくなった原因を特定します。
ステップ 1 show port-profile name コマンドの出力から、次の情報を確認します。
• 設定したコントロール VLAN とパケット VLAN が存在する(例では、3002 と 3003 が該当)。
• 設定での物理 NIC が VM の VLAN を伝送する場合に、その VLAN も許可されている VLAN リストに入っている。
ステップ 2 VM 内で、次のコマンドを使用して、イーサネット インターフェイスが UP になっていることを確認します。
UP になっていない場合は、その NIC を VM から削除し、別の NIC を追加することを検討します。
ステップ 3 任意の sniffer ツールを使用して、ARP 要求とその応答が VM インターフェイス上で受信されることを確認します。
ステップ 4 アップストリーム スイッチ上で、次のコマンドを使用して、IP と MAC アドレスの関連付けを探します。
レイヤ 2 MAC アドレス設定を表示し、検証するには、次のコマンドを使用します。
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MAC アドレス テーブルを表示し、VSM によって制御されている全 VEM の MAC アドレスをすべて確認します。 例 9-1(P.9-8) を参照してください。 |
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MAC アドレス テーブルのスタティック エントリを表示します。 例 9-2(P.9-9) を参照してください。 |
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MAC アドレスが指定されているインターフェイスが学習または設定されているかどうかを表示します。 • ダイナミック MAC の場合、同じ MAC が複数のインターフェイスに現れる場合は、そのそれぞれが個別に表示されます。 • スタティック MAC で同じ MAC が複数のインターフェイスに表れる場合は、設定されているインターフェイス上のエントリだけが表示されます。 |
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show vlan [ all-ports | brief | id < vlan-id > | name < name > | dot1q tag native ] |
VLAN 情報を指定されたとおりに表示します。 例 9-3(P.9-9) を参照してください。 |
インターフェイスの状態表を表示します。 例 9-4(P.9-10) を参照してください。 |
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例 9-5(P.9-10) を参照してください。 |
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指定された VEM について、その VLAN とそれらのポート リストを表示します。 例 9-6(P.9-11) を参照してください。 |
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指定された VEM について、トランク ポート上の VLAN の状態を表示します。 • VLAN がポート上でアクティブな場合、その CBL 状態は 4 になります。 • VLAN がブロックされている場合は、その CBL 状態は 1 です。 例 9-7(P.9-11) を参照してください。 |
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指定された VEM について、指定された VLAN の VLAN 転送テーブルを表示します。 例 9-8(P.9-11) を参照してください。 |
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例 9-1 show mac address-table コマンド
(注) Cisco Nexus 1000V の MAC アドレス テーブルに、マルチキャスト MAC アドレスは表示されません。
ヒント VEM は、どの VEM 上でこの MAC が見られるのかを示します。
N1KV Internal Port は、VEM 上で作成された内部ポートを表します。このポートは、VEM の制御と管理に使用され、パケットの転送には使用されません。
例 9-2 show mac address-table address コマンド
ヒント このコマンドは、MAC が動的に学習されたすべてのインターフェイスを表示します。
この例では、同じ MAC が Eth4/2 と Eth3/4 の両方に現れています。
ヒント このコマンドは、VSM 上で作成された各 VLAN の状態を表示します。
例 9-4 show interface brief コマンド
例 9-5 module vem module-number execute vemcmd show port コマンド
例 9-6 module vem module-number execute vemcmd show bd コマンド
ヒント ポートが特定の VLAN に属している場合は、ポート名または LTL がその VLAN のポート リストに表示されます。
例 9-7 module vem module-number execute vemcmd show trunk コマンド
ヒント VLAN がポート上でアクティブな場合、その CBL 状態は 4 になります。
VLAN がブロックされている場合は、その CBL 状態は 1 です。
例 9-8 module vem module-number execute vemcmd show l2 コマンド