スイッチ アラームの設定
ME 3400E スイッチでは、外部アラーム入力に加え、失われていたり、誤動作したりしている電源、または入力のない電源を特定するためのアラームを設定できます。
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「外部アラームの設定」
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「電源装置アラームの設定」
外部アラームの設定
スイッチの前面パネル上のアラーム入力ポートに対して、ドア、温度計、火災報知機といった、ご使用の環境内に存在する外部デバイスからのアラーム入力を最大 4 つまで接続できます。図 6-1 に、アラーム用ピン割り当ての位置を示します。
図 6-1 アラーム入力ポートのピン割り当て
各アラーム入力に対して、アラームをトリガーするための開回路または閉回路を設定し、また、アラームの重大度を設定できます。アラームをトリガーすると、システム メッセージが生成されます。アラームの記述名を入力すると、その名前がシステム メッセージ内に表示されます。アラームがトリガーされると、LED ディスプレイも点灯します(LED は通常はオフになっており、これはアラームがないことを意味しています)。LED については、『 Cisco ME-3400E Hardware Installation Guide 』を参照してください。
アラーム トリガーの設定は、 open か closed のいずれかとなります。設定しない場合、回路が閉じるとアラームがトリガーされます。
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open とは、接点(通常は閉接点)を介して電流が流れている通常の状態を意味します。電流の流れが停止すると、アラームが生成されます。
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closed とは、接点(通常は開接点)を介して電流が流れていないことを意味します。電流が流れると、アラームが生成されます。
アラームの重大度は、 minor 、 major 、または critical に設定できます。重大度はアラーム メッセージに表示され、また、重大度によって、アラームがトリガーされたときの LED の色も設定されます。LED は、マイナー アラームの場合はオレンジ、メジャー アラームの場合は赤で点灯し、クリティカル アラームの場合は赤で点滅します。設定されていない場合、アラームのデフォルトの重大度は、 minor です。
アラーム接点を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
alarm-contact contact-number description string |
(任意)アラーム接点番号の説明を設定します。 • contact-number に指定できる値は 1 ~ 4 です。 • 説明の文字列は 80 文字までの英数字で指定し、この文字列は、生成されるすべてのシステム メッセージに表示されます。 |
ステップ 3 |
alarm-contact { contact-number | all} { severity { critical | major | minor } | trigger { closed | open }} |
アラーム接点番号またはすべての接点番号の、トリガーおよび重大度を設定します。 • 接点番号(1 ~ 4)を入力するか、 すべての アラームを設定することを指定します。アラーム接点のピン割り当てについては、図 6-1 を参照してください。 • severity には、 critical 、 major 、または minor を入力します。重大度を設定しない場合、デフォルトは minor となります。 • trigger には、 open または closed を入力します。トリガーを設定しない場合、回路が closed のときにアラームがトリガーされます。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show env alarm-contact |
設定したアラーム接点を表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
アラームの説明を削除するには、 no alarm-contact contact-number description 特権 EXEC コマンドを入力します。アラームの重大度を minor (デフォルト)に設定するには、 no alarm-contact { contact-number | all } severity を入力します。アラーム接点のトリガーを closed (デフォルト)に設定するには、 no alarm-contact { contact-number | all } trigger を入力します。
アラーム設定およびステータスを確認するには、 show env alarm-contact 特権 EXEC コマンドを入力します。
アラーム コマンドの詳細については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。
(注) 本スイッチでは、これらのアラームの CISCO-ENTITY-ALARM-MIB がサポートされています。
次に、 door sensor という名前のアラーム入力 2 を、ドアの回路が閉じたときにメジャー アラームをアサートするように設定し、次に、すべてのアラームのステータスおよび設定を表示する例を示します。
Switch(config)# alarm-contact 2 description door sensor
Switch(config)# alarm-contact 2 severity major
Switch(config)# alarm-contact 2 trigger closed
Switch(config)# show env alarm-contact
Switch# show env alarm-contact
Description: flood sensor
電源装置アラームの設定
スイッチ モデルの中には、AC 電源または DC 電源を備えた 2 つの電源スロットを持つものがあります。各スロットに対して提供される電源のステータスとタイプは、スイッチの LED によって示されます。AC 電源には対応する AC 電源入力(AC 1 と AC 2)が用意され、DC 電源には 2 つの DC 入力(DC A および DC B)が用意されています。
デフォルトの電源設定では、スロット 1 に 1 つの電源が取り付けられ、また、 no power-supply dual 用ソフトウェアが用意されています。これにより、電源が 2 つ取り付けられていないことでトリガーされるアラームを抑制します。スイッチが 2 つの電源で動作している場合、 power-supply dual グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力して、片方の電源が失われたり、動作不能となったりした場合にアラームがトリガーされるようにすることをお勧めします。
DC 電源を使用している場合、両方の DC 入力を接続するのが最も一般的なやり方です。
(注) Cisco ME 3400EG-2CS-A スイッチでは、着脱式の電源はサポートされていません。
スイッチによって電源の障害が検知されると、LED インジケータがトリガーされ、システム メッセージが送信されます。電源が失われたり、出力が不十分だったり、ファンが誤動作したりした場合、電源アラーム インジケータが送信されます。これらのアラーム条件の中には、設定可能なものがあります。
電源不在アラーム
単一の電源(AC または DC)でスイッチを動作させている場合、失われた電源に関連したアラーム条件を抑制できます。 no power-supply dual グローバル コンフィギュレーション コマンド(デフォルト)を入力すると、電源は 1 つしか存在していないと見なされるように指定できます。その結果、電源が失われているというアラームがスイッチによって生成されなくなります。
no power-supply dual コマンドによって、2 番目の電源の不在、または 2 番目の電源に対する入力の不在に関するメッセージの送信だけを制御できます。ソフトウェアによって、電源が存在しているかどうか、また、入力電圧が存在しているかどうかが検出されます。入力が存在している場合、ソフトウェアによって、出力電圧が存在しているかどうか、また、ファンが動作しているかどうかを検出できます。電源が 1 つしかないと見なされる場合、次の条件および結果が発生する可能性があります。
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電源が 1 つしか存在しない場合、アラームは送信されません。ただし、この電源が AC 入力に接続されており、電力を受信または送信していない場合、電源障害メッセージが送信されます。
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電源が 2 つ存在しており、両方の電源が電力を受信および送信している場合、メッセージは送信されません。
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電源が 2 つ存在しており、片方が AC 入力に接続されて動作しており、もう片方が接続されていない場合、メッセージは送信されません。
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電源が 2 つ存在しており、両方の電源が AC 入力に接続されているが、片方の電源だけが電力を受信または送信している場合、電源障害メッセージが送信されます。
(注) AC 入力に接続されている AC 電源が電力を受信または送信していない場合は必ず、スイッチによってエラー メッセージが送信されます。
2 つの電源でスイッチを動作させている場合、 power-supply dual グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力して、片方の電源が失われたときにメッセージを送信するようにスイッチを設定します。
DC 電源フィード アラーム
2 つの DC 電源入力は、内部的にブリッジされ、両方の電源スロットにフィードされています。1 つまたは 2 つの DC 電源が設置されている場合、スイッチによって両方の DC 入力が検出されないと、LED アラームおよびシステム メッセージが生成されます。DC 入力を 1 つしか使用したくない場合、 no power-supply dual dc-feed グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力して、2 番目の DC 入力が存在しない場合のアラーム メッセージの送信をディセーブルにできます。このコマンドは、DC 電源がスイッチに設置されている場合にだけ有効です。
このコマンドがどのように設定されているかに関わらず、DC 電源入力(1 つまたは 2 つ)が存在していると見なされていて、電源に問題が検出された場合、電源障害メッセージが生成されます。
電源アラーム メッセージを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
[ no ] power-supply dual |
スイッチに電源が 1 つだけ設置されている場合にアラームを生成するかどうかを指定します。 • no power-supply dual を入力すると、電源が失われた場合のアラーム通知が抑制されます。これはデフォルト設定です。 • power-supply dual を入力すると、両方の電源のアラーム通知がイネーブルになります。 |
ステップ 3 |
[ no ] power-supply dual dc-feed |
DC 電源だけが設置されており、存在している DC 電源入力が 1 つだけの場合にアラームを生成するかどうかを指定します。 • no power-supply dual dc-feed を入力すると、DC 電源入力が失われた場合のアラーム通知が抑制されます。 • power-supply dual dc-feed を入力すると、存在している DC 電源入力が 1 つの場合のアラーム通知がイネーブルになります。これはデフォルト設定です。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show env power |
設定済みの電源エラー通知を表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
スイッチの電源設定を変更するには、 show env power ユーザ EXEC コマンドを入力します。
このコマンドの詳細については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。
次に、存在している電源が 1 つの場合のアラーム通知を抑制する方法と、その設定を変更する例を示します。
Switch(config)# no power-supply dual
POWER SUPPLY 2 is NOT PRESENT