この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Cisco ケーブル Wideband ソリューション Release 1.0 の概要を示します。主な内容は次のとおりです。
このマニュアルでは、 ワイドバンド チャネル 、 ボンディングされたチャネル と ボンディング グループ は同じ意味です。MPEG-TS パケットを伝送する 1 つまたは複数の物理 Radio Frequency(RF; 無線周波数)チャネルをまとめて論理グループにすることです。
Cisco IOS Release 12.3(21)BC および 12.3(21a)BC3 は、DOCSIS 3.0 Downstream Channel Bonding 機能をサポートしています。これは Cisco ケーブル Wideband ソリューション Release 1.0 の主要な機能です。
Cisco ケーブル Wideband ソリューション Release 1.0 では、DOCSIS 3.0 Downstream Channel Bonding 機能がボンディングされた複数の RF チャネルからなるダウンストリーム ワイドバンド チャネルをサポートします。このソリューションは、既存の Hybrid Fiber Coax(HFC; 光ファイバ/同軸ハイブリッド)ネットワーク上でワイドバンド データ サービスを提供します。ワイドバンド データ サービスによって、複数の RF チャネルが 1 つの論理ワイドバンド チャネル(ボンディング グループ)に集約され、以前の DOCSIS 2.0 テクノロジーより多くの帯域幅をワイドバンド ケーブル モデムに提供します。この RF チャネルの集約を「チャネル ボンディング」といいます。
サポートされる最大帯域幅は、ワイドバンド チャネルに集約できる RF チャネルの数によって決まります。次に、表示例を示します。
• たとえば、Linksys WCM300-NA というワイドバンド ケーブル モデムは、最大で約 292 Mbps のダウンストリーム スループットをサポートします(6 MHz および 256 QAM の 8 つの RF チャネルからなるワイドバンド チャネルの場合)。
• たとえば、Scientific Atlanta DPC2505 というワイドバンド ケーブル モデムは、最大で約 74 Mbps のダウンストリーム スループットをサポートします(6 MHz および 256 QAM の 2 つの RF チャネルからなるワイドバンド チャネルの場合)。
Cisco ケーブル Wideband ソリューション Release 1.0 は、DOCSIS 1.x/2.0 テクノロジーと並行して導入できます。CMTS は非ワイドバンド ポート上の DOCSIS 1.X/2.0 モデムをサポートしますが、ワイドバンド ケーブル モデムはワイドバンド ポート上で、より高速なスループットを実現します。
図1-1 に、Cisco ケーブル Wideband ソリューション Release 1.0 の概要図を示します。図1-1 では、2 つの RF チャネルがワイドバンド チャネル(ボンディング グループ)にボンディングされています。Cisco ケーブル Wideband ソリューション の主要コンポーネントは、次のとおりです。
• ワイドバンド ケーブル モデム ターミネーション システム(WCTMS) -- Cisco uBR10012 ルータ
• Cisco Wideband SPA(共有ポート アダプタ)および Cisco Wideband SIP(SPA インターフェイス プロセッサ)
Cisco ケーブル Wideband ソリューション Release 1.0 の範囲は、十分にテストされたサポート対象であるシスコおよび Scientific Atlanta 製のコンポーネント、さらにシスコ製品との相互運用性テストが完了している特定のサードパーティ製コンポーネントで構成される部分です。範囲内にあるソリューションの要素は次のとおりです。
• DOCSIS 3.0 Downstream Channel Bonding ソフトウェア
• RF チャネルがボンディングされた 1 つまたは複数のダウンストリーム ワイドバンド チャネル
• ケーブル インターフェイスおよびネットワーク アップリンク ラインカードが組み込まれたワイドバンド CMTS(Cisco uBR10012 ルータ)
• Cisco Wideband SIP および Cisco Wideband SPA
• ワイドバンド関連のケーブル モデム コンフィギュレーション ファイル パラメータ
• ワイドバンド チャネルの設定、プロビジョニング、およびメンテナンスに対応する Cisco IOS コマンド セット
• ワイドバンド ハードウェアのモニタリング、トラブルシューティング、およびデバッグに対応する Cisco IOS コマンド セット
• ワイドバンド CMTS、ワイドバンド ケーブル モデム、ワイドバンド チャネル、およびワイドバンド サービスの統計用 MIB
このマニュアルで扱うデバイス設定は、Wideband SIP および Wideband SPA のみです。その他の CMTS コンポーネントに関する総合的なマニュアルは、既存の Cisco uBR10012 マニュアル セットに含まれています。www.cisco.com から利用できます。
エッジ QAM デバイスのインストレーションおよびソフトウェア設定については、エッジ QAM デバイスに関するベンダーのマニュアルを参照してください。
このマニュアルで扱う Cisco ケーブル Wideband ソリューション 関連の情報は、上記「範囲内」で挙げたコンポーネントに関するものです。ケーブル データ ネットワークの他の部分を形成するハードウェアおよびソフトウェア コンポーネントは、Cisco ケーブル Wideband ソリューション の範囲には含まれません。
Cisco ケーブル Wideband ソリューション Release 1.0 では、ワイドバンド ケーブル用のケーブル ネットワーク管理ツールおよび Operation Support System(オペレーション サポート システム; OSS)ファシリティは、ソリューションの範囲外になります。
Cisco ケーブル Wideband ソリューション Release 1.0 の主要機能は、次のとおりです。
• パケット ボンディングを使用する、DOCSIS 3.0 先行バージョンのワイドバンド ケーブル
• チャネルボンディングされたワイドバンド ダウンストリーム チャネル
• 従来型 DOCSIS 2.0 アップストリーム チャネル
• DOCSIS 1.x/2.0 テクノロジーと並行してソリューションを導入できます。
• 追加コンポーネントを含めて、既存の Cisco uBR10012 ルータ(CMTS)をワイドバンド CMTS にアップグレードできます。
• モジュラ CMTS アーキテクチャにより、外部エッジ QAM デバイスを利用できます。
• Cisco uBR10012 ルータ(CMTS)は 1 つの Wideband SIP ジャケット カードで最大 2 つの Wideband SPA をサポートします。
• 1 つの Cisco Wideband SPA で最大 24 のダウンストリーム RF チャネルをサポートします。
• 1 つの Cisco Wideband SPA で最大 12 の論理ワイドバンド チャネル(ボンディング グループ)をサポートします。
• Cisco Wideband CMTS およびラインカードには、冗長機能および復元機能が組み込まれています。
• Scientific Atlanta 製とサードパーティ製のエッジ QAM デバイスは、相互運用性をテスト済みです。
• Linksys WCM300-NA、WCM300-EURO(Euro DOCSIS 用)、および WCM300-JP(J-DOCSIS 用)ワイドバンド ケーブル モデムは、ワイドバンド チャネルにボンディングできる最大 8 つの RF チャネルの受信をサポートします。従来の DOCSIS ダウンストリーム チャネルの 1 つは、MAC 管理およびシグナリング メッセージ用に使用されます。
• Linksys WCM300-NA、WCM300-EURO、および WCM300-JP ワイドバンド ケーブル モデムは、ユニキャストおよびマルチキャスト トラフィック用に 1 つのプライマリ ボンディング(ワイドバンド)チャネル、およびマルチキャスト トラフィック用に最大 2 つのセカンダリ ボンディング チャネルをサポートします。
• Scientific Atlanta DPC2505 および EPC2505 ワイドバンド ケーブル モデムは、2 つの RF チャネルからなるボンディングされたダウンストリーム チャネルを 1 つサポートします。さらに、MAC 管理およびシグナリング メッセージ用に、従来型の DOCSIS ダウンストリーム チャネルを 1 つサポートします。
Cisco ケーブル Wideband ソリューション Release 1.0 は、テスト済みで文書化されており、シスコ、Linksys、または Scientific Atlanta が全面的にサポートする、シスコ、Linksys、および Scientific Atlanta 製のコンポーネントからなります。また、シスコの全面サポートはないものの、サードパーティ製の装置も選定されており、ソリューション コンポーネントとの相互運用性がテスト済みです。
Cisco ケーブル Wideband ソリューション Release 1.0 に関しては、シスコ、Linksys、および Scientific Atlanta 製の次の装置がソリューションのコンテキストに基づいてテスト済みです。
• Cisco uBR10012 ユニバーサル ブロードバンド ルータ(PRE2 プロセッサ モジュールおよび次のコンポーネントを搭載)
–1 Gbps Wideband SPA に対応する Cisco SIP -- このマニュアルでは、Cisco Wideband SIP または Wideband SIP と表記
–Cisco 1 Gbps Wideband SPA -- このマニュアルでは、Cisco Wideband SPA または Wideband SPA と表記
–Cisco uBR10-MC5X20S/U/H および uBR10-MC5X20U-D ケーブル インターフェイス ラインカード
–Scientific Atlanta Continuum DVP XDQA24 EQAM デバイス
–Linksys WCM300-NA、WCM300-EURO、および WCM300-JP ワイドバンド ケーブル モデム
表1-1 に、Cisco ケーブル Wideband ソリューション Release 1.0 に対応するサードパーティ製のコンポーネント、ベンダー、および各コンポーネントの基本的な機能を示します。
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