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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Cisco ケーブル Wideband ソリューション Release 1.0 の実装および設定について説明します。主な内容は次のとおりです。
ここでは、ワイドバンド CMTS の設定作業について簡単に説明します。
ここでは、Cisco ケーブル Wideband ソリューション Release 1.0 に必要なコンポーネントをはじめ、uBR10012 ルータ コンポーネント向けの Cisco IOS ソフトウェアを設定するために必要な詳細情報が記載されたマニュアルも紹介します。
基本 CMTS は、DOCSIS 1.x/2.0 動作に必要なコンポーネントを装備した Cisco uBR10012 ルータです。ワイドバンド ケーブル コンポーネントは、ワイドバンド CMTS として使用できるように、Cisco uBR10012 の基本システムに追加できます。ワイドバンド ケーブルを使用する場合、基本 CMTS コンポーネントを設定する手順は、DOCSIS 1.x/2.0 動作の設定手順と同じになります。基本 CMTS は、DOCSIS 1.x/2.0 CMTS として使用できます。
ワイドバンド ケーブルを使用する場合、ファイバ ノード上のプライマリ ダウンストリーム チャネルに使用する uBR10-MC5X20 ケーブル インターフェイス ラインカード上で、追加の設定を 1 つ行う必要があります。各ファイバ ノードでは、従来の DOCSIS ダウンストリーム チャネルを使用して MAC 管理を行い、シグナリング メッセージを伝送します。また、対応する従来型 DOCSIS アップストリーム チャネルをリターン データ トラフィックおよびシグナリングに使用します。このような形で使用される従来の DOCSIS ダウンストリーム チャネルを、 プライマリ ダウンストリーム チャネル といいます。
ファイバ ノードで使用するすべてのワイドバンド チャネル、および Cisco uBR10-MC5X20 ケーブル インターフェイス ラインカード上の関連するすべてのプライマリ ダウンストリーム チャネルは、同じ仮想バンドル インターフェイスに属するものとして設定する必要があります。この設定手順の詳細については、『 Cisco uBR10012 Universal Broadband Router SIP and SPA Software Configuration Guide 』の「Configuring Wideband Channels and Primary Downstream Channels as Virtual Bundle Members」を参照してください。
表4-1 に、Cisco ケーブル Wideband ソリューション Release 1.0 に対応する基本 CMTS コンポーネントの設定に有用なソフトウェア コンフィギュレーション マニュアルを示します。
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『 Release Notes for Cisco uBR10012 Universal Broadband Router for Cisco IOS Release 12.3 BC 』 (Cisco IOS Release 12.3(21)BC 情報を含む) 『 Cisco uBR10012 Universal Broadband Router Software Configuration Guide 』 |
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『 Route Processor Redundancy Plus for the Cisco uBR10012 Universal Broadband Router 』 |
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『 Cisco uBR10012 Universal Broadband Router Software Configuration Guide 』の Chapter 3「Configuring Cable Interface Features for the Cisco uBR10012 Router」 『 Cisco Cable Modem Termination System Feature Guide 』の「Cable Interface Bundling and Virtual Interface Bundling for the Cisco CMTS」 『 Cisco Cable Modem Termination System Feature Guide 』の「N+1 Redundancy for the Cisco Cable Modem Termination System」 |
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『 Configuring the Half-Height Gigabit Ethernet Line Card for the Cisco uBR10012 Universal Broadband Router 』 |
Cisco uBR10012 ルータの技術マニュアル セットでは、 表4-1 で示されている以外にも、CMTS の設定に有用なマニュアルを提供しています。Cisco uBR10012 のマニュアル セットには、次の Web サイト エリアからアクセスできます。
http://www.cisco.com/en/US/products/hw/cable/ps2209/tsd_products_support_series_home.html
基本 CMTS コンポーネントにワイドバンド CMTS コンポーネントを追加して、CMTS をワイドバンド対応にします。ここでは、ワイドバンド CMTS コンポーネントの設定手順について簡単に説明します。
設定が必要なワイドバンド CMTS コンポーネントには、Cisco Wideband SIP および Cisco Wideband SPA があります。Wideband SIP および SPA を設定するには、uBR10012 ルータ上で Cisco IOS コマンドを使用します。Wideband SIP および SPA に必要な設定作業の概要は、次のとおりです。
• Wideband SIP および Wideband SPA の事前プロビジョニング
• 仮想バンドル メンバーとしてのワイドバンド チャネルおよびプライマリ ダウンストリーム チャネルの設定
上記の手順について、また、Wideband SIP および SPA の設定に使用する Cisco IOS コマンドについては、『 Cisco uBR10012 Universal Broadband Router SIP and SPA Software Configuration Guide 』を参照してください。
エッジ QAM(EQAM)デバイスの設定は、デバイスおよび実装に固有のものです。
• Scientific Atlanta Continuum DVP XDQA24 デバイスについては、『 Continuum DVP eXtra Dense QAM Array 24 Configuration Guide 』に設定情報があります。ワイドバンドに対応するように EQAM を設定する手順については、マニュアルの付録「Cisco Wideband Applications」を参照してください。
• その他の EQAM デバイスの設定手順については、デバイスのマニュアルを参照してください。
エッジ QAM デバイスのタイプまたは実装に関係なく、Wideband SPA には次のアイテムを使用し、各 EQAM デバイス上で設定します。
–EQAM デバイスのギガビット イーサネット インターフェイス(入力ポート)の IP アドレス
–EQAM デバイスのギガビット イーサネット インターフェイス(入力ポート)の MAC アドレス
• Wideband SPA RF チャネルに使用する EQAM デバイスの各 QAM 出力の場合
エッジ QAM デバイスに設定する IP アドレス、MAC アドレス、周波数、および UDP ポートは、CMTS 上で RF チャネルを設定するときに指定します。 rf-channel (CMTS で使用)で設定した RF チャネル値とエッジ QAM デバイス上で設定した値が一致していることを、必ず確認してください。
(注) レイヤ 2 ギガビット イーサネット スイッチを使用して EQAM デバイスに Wideband SPA を接続する場合、rf-channel コマンドで指定された MAC アドレスは、スイッチのギガビット イーサネット インターフェイスの MAC アドレスです。
Wideband SPA の RF チャネルと EQAM デバイスの設定を調整するには、 表4-2 のような RF チャネルと EQAM の設定に関するワークシートを用意すると便利です。Wideband SPA がサポートする RF チャネルの数は、SPA の設定に応じて、18 または 24 のいずれかになります。詳細については、『 Cisco uBR10012 Universal Broadband Router SIP and SPA Software Configuration Guide 』の rf-channel コマンドの説明を参照してください。
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IP アドレス |
MAC アドレス |
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周波数 |
ポート番号 |
Cisco Wideband SPA と エッジ QAM(EQAM)を接続するギガビット イーサネット(GE)スイッチは任意で使用しますが、2 つの Wideband SPA に 3 つ以上の EQAM デバイスが必要な場合、または同じ EQAM デバイス上に Video on Demand(VoD; ビデオ オンデマンド)トラフィックとワイドバンド チャネル用 RF チャネルが混在する場合は必ず使用します。ギガビット イーサネット スイッチの設定は装置および実装に固有な設定ですが、Virtual LAN(VLAN)を使用して、各 Wideband SPA のトラフィックに別々のブロードキャスト ドメインを作成することを推奨します。
図4-1 に、VLAN の使用例を示します。Wideband SPA 1 は、EQAM A および EQAM B 上の QAM 出力を使用します。Wideband SPA 2 は、EQAM C および EQAM D 上の QAM 出力を使用します。
• VLAN 1 は Wideband SPA 1 のトラフィックを伝送します。
• VLAN 2 は Wideband SPA 2 のトラフィックを伝送します。
Wideband SPA および EQAM デバイスには、該当する VLAN に属する冗長ギガビット イーサネット リンクが備わっています。
ここでは、ワイドバンド ケーブル モデムおよびワイドバンド ケーブル モデムと CMTS 間の通信について説明します。トピックは次のとおりです。
• 「Linksys WCM300-NA、WCM300-EURO、および WCM300-JP モデム」
• 「Scientific Atlanta DPC2505 および EPC2505 モデム」
• 「CMTS およびワイドバンド ケーブル モデムの相互作用」
Linksys WCM300-NA、WCM300-EURO、および WCM300-JP ワイドバンド ケーブル モデムを使用する場合、シスコの DOCSIS 3.0 Downstream Channel Bonding 機能は、ボンディングされた複数のダウンストリーム チャネル上でケーブル モデムへのダウンストリーム データ サービスをサポートします。Linksys WCM300 ワイドバンド ケーブル モデムは、最大 3 つのワイドバンド ダウンストリーム チャネル(1 つのプライマリ ボンディング チャネルおよび最大 2 つのセカンダリ ボンディング チャネル)の受信をサポートします。
プライマリ ボンディング チャネル とは、ワイドバンド ケーブル モデムがすべてのユニキャスト トラフィックと一部のマルチキャスト トラフィックを受信するワイドバンド チャネルです。ケーブル モデムは、CMTS に対するプライマリ ボンディング チャネルおよびすべてのセカンダリ ボンディング チャネルをケーブル モデムの登録時に識別する場合があります。DOCSIS コンフィギュレーション ファイルでは、ケーブル モデムに割り当てる、CMTS 用のプライマリ ボンディング チャネルを定義できます。
セカンダリ ボンディング チャネル は、ワイドバンド ケーブル モデムがその他のマルチキャスト データ ストリームを受信するワイドバンド チャネルです。DOCSIS コンフィギュレーション ファイルでは、CMTS に渡す、モデム用のセカンダリ ボンディング チャネルを定義します。セカンダリ ボンディング チャネルは、プライマリ ボンディング チャネルでは使用できないブロードキャスト ビデオなどのマルチキャスト トラフィックを受信します。
ワイドバンド ケーブル モデムで 1 つのプライマリ ワイドバンド チャネルと 1 つまたは複数のセカンダリ ワイドバンド チャネルが登録されると、このモデムは対応付けられたすべてのワイドバンド チャネルからのマルチキャスト パケットを受け取ります。CMTS は、マルチキャスト パケットがプライマリ ワイドバンド チャネルとセカンダリ ワイドバンド チャネルで同時に転送されないことを保証します。
プライマリ ボンディング チャネルを、セカンダリ ボンディング チャネルとしては設定できません。また、その逆も同じです。プライマリ ボンディング チャネルおよびセカンダリ ボンディング チャネルは、 cable bonding-group-id コマンド、および TLV(プライマリ ボンディング グループ ID およびセカンダリ ボンディング グループ ID)を使用する DOCSIS コンフィギュレーション ファイルにより、CMTS 上に設定できます。
Linksys WCM300 ワイドバンド ケーブル モデムでは、チャネル ボンディング用の DOCSIS 3.0 プロトコルのサブセットを実装します。チャネル ボンディングは、パケット単位のシーケンス番号を使用して実現されます。これにより、ワイドバンド ケーブル モデムは複数の RF チャネルから CPE デバイス宛てのパケットを順番に伝送できます。WCM300 モデムでは、ボンディングされたユニキャスト トラフィックおよびマルチキャスト トラフィックを 3 つのボンディングされたチャネル上で受信するため、最大 16 の独立した再シーケンシング エンジンをサポートしています。
Linksys WCM300 ワイドバンド ケーブル モデムでは、DOCSIS 2.0 の場合と同様に DOCSIS コンフィギュレーション ファイルを取得します。ファイルには、ワイドバンド動作用に次の 3 つのワイドバンド関連の Type/Length/Value(TLV)エンコードが含まれます。
(注) 上記の TLV は、DOCSIS コンフィギュレーション ファイルでオプションで指定できます。Linksys WCM300 モデムがワイドバンド モード(w-online)で動作するのに、これらの TLV は必要ありません。
3 つの TLV はすべてベンダー固有のオプションとして符号化され(タイプ 43)、相互運用性を高め、起こりうる互換性問題を軽減します。
プライマリ ボンディング グループ ID オプションは、サブタイプ 14 として符号化されます。
プライマリ ボンディング グループ ID オプションにより、ワイドバンド ケーブル モデムが特定のプライマリ ボンディング ダウンストリーム チャネルを強制的に使用するように、システムをプロビジョニングできます。モデムは、ユニキャスト トラフィックおよびマルチキャスト トラフィック用に単一のプライマリ ボンディング チャネルを使用できます。プライマリ ボンディング グループ ID 値が存在する場合、CMTS は設定されたボンディング グループ ID により識別されるワイドバンドチャネル インターフェイスにワイドバンド ケーブル モデムを割り当てます。CMTS が設定されたボンディング グループ ID により指定されるワイドバンドチャネル インターフェイスにワイドバンド ケーブル モデムを割り当てられない場合、CMTS はこのワイドバンド ケーブル モデムが登録されないようにします。
DOCSIS コンフィギュレーション ファイルでは、プライマリ ボンディング チャネル ID オプションの イベントを 1 つだけ指定できます。プライマリ ボンディング チャネルおよびセカンダリ ボンディング チャネルのすべての RF チャネルは、Linksys WCM300 モデムの 50 MHz のキャプチャ ウィンドウ制限に準拠する必要があります。
(注) DOCSIS コンフィギュレーション ファイルでプライマリ ボンディング チャネルとして指定されたワイドバンド チャネルは、CMTS アクティブ実行コンフィギュレーション ファイルでも同様にプライマリ ボンディング チャネルとして指定される必要があります。cable bonding-group-id コマンドでは、ボンディング グループがプライマリ ボンディング グループか、セカンダリ ボンディング グループかを指定します。このコマンドについては、『Cisco uBR10012 Universal Broadband Router SIP and SPA Software Configuration Guide』を参照してください。
ボンディングされたチャネルの有効化オプションは、サブタイプ 15 として符号化されます。
ボンディングされたチャネルの有効化オプションにより、ワイドケーブル モデムが従来の DOCSIS 2.0 モードで動作する必要があるよう、システムをプロビジョニングできます。ボンディングされたチャネルの有効化オプションで値が 0(無効)の場合、CMTS は登録時にワイドバンドチャネル インターフェイスがワイドバンド ケーブル モデムに割り当てられないことを保証します。
DOCSIS コンフィギュレーション ファイルでは、ボンディング チャネル有効化オプションのイベントを 1 つだけ指定できます。
セカンダリ ボンディング グループ ID オプションは、サブタイプ 16 として符号化されます。
セカンダリ ボンディング グループ ID オプションにより、ワイドバンド ケーブル モデムが使用するセカンダリ ボンディング ダウンストリーム チャネルを指定するよう、システムをプロビジョニングできます。モデムでは、マルチキャスト トラフィック用に 1 つまたは 2 つのセカンダリ ボンディング チャネルを使用できます。設定されたセカンダリ ボンディング グループ ID が有効でない場合、CMTS はこのワイドバンド ケーブル モデムが登録されないようにします。
DOCSIS コンフィギュレーション ファイルでは、最大 2 つのセカンダリ ボンディング グループ ID を指定できます。プライマリ ボンディング チャネルおよびセカンダリ ボンディング チャネルのすべての RF チャネルは、Linksys WCM300 モデムの 50 MHz のキャプチャ ウィンドウ制限に準拠する必要があります。
(注) DOCSIS コンフィギュレーション ファイルでセカンダリ ボンディング チャネルとして指定されたワイドバンド チャネルは、CMTS アクティブ実行コンフィギュレーション ファイルでも同様にセカンダリ ボンディング チャネルとして指定される必要があります。cable bonding-group-id コマンドでは、ボンディング グループがプライマリ ボンディング グループか、セカンダリ ボンディング グループかを指定します。このコマンドについては、『Cisco uBR10012 Universal Broadband Router SIP and SPA Software Configuration Guide』を参照してください。
Scientific Atlanta DPC2505 および EPC2505 ワイドバンド ケーブル モデムでは、Broadcom Corporation の BCM93381 ケーブル モデム チップを使用しています。BCM93381 チップには 3 つのチューナーがあるので、3 つのダウンストリーム レシーバを別々に任意の周波数にチューニングできます。M-CMTS および DPC2505 ワイドバンド ケーブル モデムでは、これら 3 つのチャネルを次のように使用します。
• これらのダウンストリーム RF チャネルの 1 つを MAC 管理およびシグナリング メッセージ用の プライマリ ダウンストリーム チャネル として使用します。
• 他の 2 つのダウンストリーム RF チャネルを 非プライマリ ダウンストリーム チャネル として使用します。この 2 つの RF チャネルを合わせてボンディングすると、1 つのワイドバンド チャネルとして使用できます。
DPC2505/EPC 2505 ワイドバンド ケーブル モデムでは、チャネル ボンディング用に選択された DOCSIS 3.0 プロトコルのサブセットを使用します。チャネル ボンディングでは、シーケンス番号を使用して、複数の RF チャネルに対してパケット ストリームを伝送して、モデム レシーバが正しい順序でパケットを CPE に配信できるようにします。DPC2505/EPC2505 ワイドバンド ケーブル モデムは、宛先アドレスおよび Security Association Identifier(SAID)に基づいてパケットをフィルタリングします。DPC2505/EPC2505 モデムは、最大 16 のそれぞれ独立した再シーケンシング コンテキストをサポートします。
DPC2505/EPC2505 ワイドバンド ケーブル モデムは、ワイドバンド チャネル上のマルチキャスト トラフィックをサポートしません。ボンディングされたダウンストリーム チャネル上でモデムが認識したマルチキャスト サービス フローは廃棄されます。
Scientific Atlanta DPC2505/EPC2505 ワイドバンド ケーブル モデムに使用するコンフィギュレーション ファイルは、DOCSIS 2.0 のコンフィギュレーション ファイルと同じです。Cisco Broadband Configurator などの DOCSIS 2.0 コンフィギュレーション ファイル ツールを使用すると、このモデム用のコンフィギュレーション ファイルを作成できます。
モデムの登録時には、CMTS から REG-RSP を受信した Scientific Atlanta DPC2505/EPC2505 モデムは、最初に各種符号化の有無と有効性を確認します。
• 符号化のフォーマットが無効な場合、またはモデムの能力を超えている場合、ワイドバンド ケーブル モデムはその状況を検出し、エラーを示す確認コードとともに、REG-ACK メッセージをただちに送信します。RCC 符号化にエラーがある場合、確認コードは reject-bad-rcc(208) になり、その他の問題が検出された場合は reject-other(1) になります。
• 符号化が有効な場合、ワイドバンド ケーブル モデムは非プライマリ レシーバを RCC で指定された非プライマリ ダウンストリーム チャネルにチューニングします。RCC で指定できる非プライマリ ダウンストリーム チャネルの数は 0、1、または 2 です。ケーブル モデムが指定された非プライマリ ダウンストリーム チャネルにチューニングできなかった場合は、確認コード reject-bad-rcc(208) を指定して REG-ACK を送信します。
一部の QAM セットでワイドバンド チャネルがオーバーラップしている状況で、DPC2505 モデムが確認コード reject-bad-rcc(208) によって登録を拒否した場合は、プラント トポロジ構成が不適切であるか、またはケーブル モデムのチューナー不良のいずれかの問題があります。CMTS はこのイベントを記録します。同じケーブル モデムが登録を再試行した場合、CMTS は別の QAM セットに常駐している別のワイドバンド チャネルを優先的に選択します。
ワイドバンド ケーブル モデムがワイドバンド チャネルに正常に登録するか、またはワイドバンド チャネルの選択肢をすべて使い果たすまで、この処理が続けられます。すべての選択肢を使い果たした場合、CMTS は DOCSIS 2.0 モードの Scientific Atlanta DPC2505 モデムで、登録を試みます。
各 CM に対して記録された不良 QAM ステータスがクリアされるように、CMTS には 24 時間のタイムアウト値が定義されています。したがって、ワイドバンド ケーブル モデムは、不良 QAM セットを再試行できます。
次に、CMTS とワイドバンド ケーブル モデムの相互作用について説明します。
• 「ワイドバンド ケーブル モデムのロード バランシング」
プライマリ ダウンストリーム チャネル上でワイドバンド ケーブル モデムの初期化が完了すると、CMTS は REG-RSP メッセージを使用して、複数のダウンストリーム RF チャネル動作(ワイドバンド チャネル動作)を有効にし、ケーブル モデムにチャネルを割り当てます。
DOCSIS 3.0 との整合性を図るために、複数チャネルの割り当ては 2 つのレイヤで行われます。下位レイヤは、ケーブル モデムの物理レシーバ設定、すなわち Receive Channel Set(受信チャネル セット)のレイヤです。CMTS は DOCSIS 3.0 Receive Channel Configuration(RCC)符号化の特定のサブセットを使用して、プライマリ ダウンストリーム チャネル レシーバとその非プライマリ ダウンストリーム チャネル レシーバに使用する中心周波数をワイドバンド ケーブル モデムに指定します。
DOCSIS 3.0 準拠のワイドバンド ケーブル モデムでは、ケーブル モデムの Receive Channel Set のすべてのチャネル、またはこれらのチャネルのどのサブセットにも、トラフィックのボンディングおよびシーケンシングを行うことができます。チャネル割り当ての 2 番めのレイヤ、すなわち上位レイヤは、ボンディングおよび再シーケンシングを処理します。この上位レイヤは、独立した各シーケンス番号スペースに Downstream Service Identifier(DSID; ダウンストリーム サービス ID)を割り当てることで処理されます。REG-RSP メッセージでは、CMTS は DOCSIS 3.0 DSID 符号化のサブセットを使用して、認識する DSID 値をケーブル モデムに伝え、さらに、各 DSID に関連付けられたチャネルおよび再シーケンシングのタイムアウト値を伝えます。
同じファイバ ノード上で複数のワイドバンド チャネルを使用できる場合で、なおかつワイドバンド ケーブル モデムがワイドバンド チャネルの 1 つでオンラインになる場合、CMTS は異なるワイドバンド チャネルにケーブル モデムを割り当てることができます。この場合、単純なランダム ロード バランシング アルゴリズムによって、ファイバ ノード上のケーブル モデムが複数のワイドバンド チャネルに分配されます。
1 つの RF チャネルからなるワイドバンド チャネルにするか、2 つの RF チャネルからなる別のチャネルにするかを CMTS が選択できる場合、CMTS は重み付けランダム ロード バランシング アルゴリズムを使用して、ワイドバンド ケーブル モデムで使用するワイドバンド チャネルを決定します。2 つの RF チャネルからなるワイドバンド チャネルは、選択される確率が 3 分の 2 になるように重み付けされています。これに対して、1 つの RF チャネルからなるワイドバンド チャネルは、確率が 3 分の 1 になります。
Cisco IOS Release 12.3(21)BC 以降では、Cisco uBR10012 ルータ、Cisco Wideband SIP、および Cisco Wideband SPA に対し、次の MIB がサポートされます。
Cisco uBR10012 routerにおける MIB サポートの詳細については、『 Cisco CMTS Universal Broadband Router MIB Specifications Guide 』を参照してください。
エッジ QAM デバイスまたはワイドバンド ケーブル モデムに対応する MIB の詳細については、ベンダーのマニュアルを参照してください。
Cisco IOS Release 12.3(21)BC の場合、Cisco Wideband SPA に適用される制約は、次のとおりです。
• ワイドバンド チャネル上で設定できるのは、ベスト エフォート型のフローだけです。
• ワイドバンド チャネル上でダイナミック サービスを設定することはできません。
• 異なる Wideband SPA からのトラフィックを同一 QAM ポート上で混在させることはできません。
• Scientific Atlanta DPC2505 および EPC2505 ワイドバンド ケーブル モデムがマルチキャスト トラフィックをサポートするのは、プライマリ ダウンストリーム チャネル上に限られます。これらのモデムは、ワイドバンド ダウンストリーム チャネル上ではマルチキャスト トラフィックをサポートしません。