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Cisco VG248 Analog Phone Gateway(以降 Cisco VG248 とも呼びます)では、アナログ電話、モデム、および FAX 機器を Cisco CallManager IP テレフォニー システムと統合できます。また、Cisco VG248 では、次の音声メール プロトコルを実装しているアナログ音声メール システムと Cisco CallManager を統合することもできます。
• SMDI(Simplified Message Desk Interface)
• MCI(NEC Message Center Interface)プロトコル
次の項では、サポートされているアナログ デバイス、音声メール システム、サポートされているデータおよび音声プロトコルの概要を説明します。
Cisco VG248 は、高密度のゲートウェイで、アナログ電話、FAX 機器、モデム、およびスピーカホンを IP テレフォニー ネットワーク内で使用できるようにします(図 1-1 を参照)。Cisco VG248 では、Cisco CallManager システムの拡張機能として使用されるフル機能のアナログ電話回線 48 本が、コンパクトな 19 インチ ラック マウント シャーシで使用可能です。
図 1-1 Cisco IP テレフォニー ネットワークに統合される VG248
次の項では、VG248 がサポートするアナログ電話機能およびデバイスについて詳細に説明します。
(注) VG248 では日本用に設定された発信者の識別(発信者 ID)はサポートされていません。
• Malicious Call Identification(MCID; 悪意のあるコールの識別)
(注) VG248 では、単一のコールの場合のみ MCID をサポートします(表 1-1 を参照)。
これらの機能の説明、および使用方法については、表 1-1を参照してください。
VG248 は、Cisco CallManager から MWI(Message Waiting Indicator; メッセージ受信インジケータ)情報を受け取り、その情報をアナログ電話に送信します。VG248 は、次のいずれかの方法で MWI メッセージを送信します。
• ユーザが電話に出た時点で連続ダイヤル トーンを再生する。
• 発信者 ID メカニズムを使用して、電話の LCD スクリーンに情報を送信する。
これらのオプションはいずれも、有効または無効にすることができます(詳細は、「MWI(Message Waiting Indicator)タイプの選択」を参照)。
VG248 は、各種のコール制御モードをサポートしています。コール制御モードは、サポートされているテレフォニー機能にアクセスおよび使用する方法を意味します。システム管理者は、ユーザの固有のニーズや使用しているアナログ デバイスの機能に応じてコール制御モードを選択できます。VG248 がサポートしているコール制御モードは、次のとおりです。
• Standard
• Feature
• Basic
前述の 4 つのコール制御モードでの違いは、次のとおりです。
• 4 つのコール制御モードは、コール ウェイティング、転送、その他の電話機能に対してサポートする方法が異なります。
• フック フラッシュ(hook flash)、0 ~ 9、*、または # のボタンを使用して機能にアクセスします。どのボタンを使用するかは、機能コードの設定方法に応じて異なります。
VG248 のコール制御モードの設定の詳細は、「機能コードの割り当て」を参照してください。
Standard モードは、デフォルトのテレフォニー モードで、たとえば北米で使用されている標準 Bellcore 機能が使用できます。
ユーザは、フラッシュ ボタンまたはフック フラッシュを使用してコールの転送、会議、保留を行います。ただし、次の制限があります。
• フック フラッシュを使用して電話機能をアクティブにすることはできませ
ん。
• コールを保留にする場合、最初のコールは着信でも発信でも関係ありません。
• コールを転送、または会議を確立する場合、2 番目のコールは発信でなければなりません。
機能コードを使用すると、Standard モードで他の機能をアクティブにすることもできます(詳細は、 表 1-1 を参照)。
フック フラッシュを使用しないコールでは、Feature モードは Standard モードとの区別がありません。通話中、ユーザは、フラッシュ ボタンまたはフック フラッシュ(hook flash)を使用して 2 番目のダイヤル トーンに応答し、2 人目の通話者にダイヤルできます。ただし、そのときにユーザは機能コードを入力して、目的のコールを転送するか、または会議を確立する必要があります。
2 つのコールが確立されている状態で Feature モードを使用した場合、フック フラッシュを使用すると、次の 4 つの通話ステータスをサイクルします。
上述の異なるステータスを切り替える機能により、両方の通話をアクティブにしたまま、両者のコールを切り替えることができます。このようにして、Standard モードとは異なり、希望する時間中、両方の通話をアクティブにしたまま、2 つのコールを自由に切り替えることができます。
転送または会議を行うには、Feature 音(ダイヤル トーンと似てはいますが、番号をダイヤルするのではなく、機能コードを促す信号音です)が聞こえた時点で、転送または会議専用の機能コードを入力する必要があります(詳細は、 表 1-1 を参照)。
Basic モードでは、コール転送機能や会議機能は使用できません。Basic モードは、FAX 機器またはモデムの場合に役立ちます(詳細は、 表 1-1 を参照)。
Restricted モードは、4 つのモードのうちで最も機能が制限されています。
Restricted モードは、組織内で請求書発行システムを導入している場合に有効で、コールが接続された時点で課金が始まります。したがって、フック フラッシュを必要とするコール ウェイティングおよびその他の機能はサポートされません(詳細は、 表 1-1 を参照)。
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1.「全コール自動転送」がアクティブになると、すべての着信コールが異なるディレクトリ番号に現在転送中であることを示す独特のダイヤル トーンが鳴ります。 2.Malicious Call Identification(悪意のあるコールの識別)がアクティブになると、一時的に保留状態になり、保留音が鳴ります。 |
Cisco CallManager で発信者 ID を有効にしておくと、VG248 内で ID 情報を収集し、アナログ電話で使用できるように ID 情報をパスします。発信者 ID は、ポート単位で無効にできます。使用する電話のタイプに応じて、異なる方法で、発信者 ID を有効にすることもできます。これにより、あるアナログ電話では発信者 ID をサポートし、他のアナログ電話ではサポートしないようにすることができます(詳細は、「発信者 ID の有効化」を参照)。
VG248 は、次の発信者 ID 規格をサポートしています。
• ETS 300 648 および ETS 300 659-1:ヨーロッパ(英国を除く)
• British Telecom SIN227 および SIN 242:英国
(注) VG248 では日本用に設定された発信者 ID はサポートされていません。
コールが着信すると、VG248 はその国と規格に応じて次の情報を送信します。
VG248 には、「3」という最大 REN(Ringer Equivalence Number)負荷がかかります。デバイスによっては、「2」以上の REN 負荷がかかるため、必ずしも、3 つのデバイスをチェーンに接続する必要はありません。
アナログ デバイスは、VG248 を使用している国で機能するデバイスを選択してください。たとえば、VG248 を英国で使用する場合、英国での使用設計になっているアナログ デバイスを使用する必要があります。
次の項では、VG248 がサポートするアナログ デバイスのタイプの概要を説明します。
• 「アナログ電話」
• 「スピーカホン」
• 「FAX 機器」
• 「モデム」
VG248 は、回線エコー キャンセレーション機能を備えていますが、音響エコー キャンセレーション機能は備えていません。Polycom ブランド電話など、エコー キャンセレーションが組み込まれているスピーカホンとの互換性もあります。ただし、音響エコー キャンセレーション機能のないスピーカホンを使用する場合は、音声品質は保証されません。
PLAR(Private Line Automatic Ringdown; 専用回線自動リングダウン)電話として設定された電話は、オフフックになった時点で、あらかじめ設定してある番号をダイヤルします。PLAR 電話を使用して他の番号をダイヤルすることはできません。ホテルのロビーや空港にある電話は、通常、このような設定になっています。
CiscoCisco CallManager 3.0 以降では、PLAR 電話機能をサポートする設定が可能なため、Cisco IP フォン や VG248 に接続されたアナログ電話を使用することができます。
VG248 は、FAX パススルー、Cisco FAX リレー モード、または Cisco 所有の NSE ネゴシエーション T.38 FAX リレーを使用して、TCP/IP を介して FAX 送信(またはコール)をサポートします。
FAX パススルーは、モデムに使用されるものと同じオーディオ形式で信号を送信します。ただし、エコー キャンセレーション機能は無効ではありません(詳細は、「モデム」を参照)。Cisco FAX リレーと T.38 FAX リレーは別の形式で情報を符号化します。送信された情報は、受信者側でアナログ FAX 信号に変換し直します。
Cisco FAX リレーを使用するには、終端ゲートウェイも Cisco FAX リレーをサポートしている必要があります。T.38 FAX リレーを使用するには、終端ゲートウェイも T.38 FAX リレーと NSE を FAX シグナリング用にサポートしている必要があります(詳細は、「FAX 機器の設定値およびモデム設定値の指定」を参照)。
VG248 はモデムをサポートしています。モデムの接続は、パススルー モードを使用します。パススルー モードを使用すると、モデム トラフィックの伝送は、音声コールに使用されるものと同じチャネルを介して行われます。モデム パススルー チャネルでは G.711 規格が使用され、トーン ベースの信号方式との干渉を防ぐため、VG248 エコー キャンセレーション機能およびハイパス フィルタが無効になっています(詳細は、「FAX 機器の設定値およびモデム設定値の指定」を参照)。
SMDI(Simplified Message Desk Interface)は、一般に電話システムで採用されている方式で、音声メールシステムで必要とされる着信コールを知的に処理する情報を供給します。SDMI は、業界標準のシグナリング プロトコルであり、このプロトコルでは RS-232 シリアル接続を通じて発信側と受信側の識別情報を用意し、MWI(Message Waiting Indicators; メッセージ受信インジケータ)の設定およびクリアを行います。MCI プロトコルおよび Ericsson 音声メール プロトコルは、固有の音声メール シグナリング プロトコルで、機能は SMDI と同じです。
VG248 を使用すると、既存のアナログ音声メール システム(SMDI、MCI、または Ericsson 音声メール プロトコルと互換)および従来型 PBX システムを Cisco CallManager と統合することができます。
VG248 は、任意の音声メール対応ポートに着信するすべてのコールについてコール情報を生成します。VG248 は、他の音声メール デバイス(たとえば、その他の VG248 デバイス、従来型 PBX、または従来型音声メール システム)との間で音声メール メッセージを送受信することもできます。
VG248 は、Cisco CallManager をアナログ音声メール システムと統合する方式では、次の点で他の方式より優れています。
• Cisco CallManager フェールオーバーを使用した音声メール リンクの信頼性(図 1-2 を参照)。
• VG248 デバイスをリンクすることによるスケーラビリティ(図 1-3 を参照)。
• 音声メール システムごとに VG248 を 1 台使用することにより、複数の音声メール システムを単一のクラスタで使用可能(図 1-3 を参照)。
• クラスタごとに VG248 を 1 台使用することにより、単一の音声メール システムを複数のクラスタで使用可能(図 1-4 を参照)。
• Cisco CallManager と従来型 PBX との間で単一の音声メール システムを共用可能(図 1-5 を参照)。
表 1-2 では、Cisco CallManager 3.3 を使用して、この統合を実装するために必要な作業の概要を示します。
表 1-3 では、Cisco CallManager 4.0 を使用して、この統合を実装するために必要な作業の概要を示します。
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• 基本:音声メール システムを VG248 を介して、Cisco CallManager に接続する(最大 48 個のポート)。 • チェーン:音声メール システムを複数の VG248 デバイスを介して、Cisco • 多重:音声メール システムを複数の Cisco CallManager クラスタまたは従来型 PBX システムに接続する。 |
「設定オプションの選択」を参照してください。 |
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Async 1 を使用して、音声メール システム(任意の設定)または音声メール ソース(チェーン設定または多重設定)に接続する。Async 2 を使用して、VG248 デバイスをまとめて接続、あるいは 1 つの従来型 PBX システムに接続します。 |
「VG248 への音声メール リンクの接続」を参照してください。 |
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音声メールに使用される VG248 ポートを |
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MWI コマンドの設定およびクリアに使用される特別なポートを Cisco CallManager に追加する必要がある。 |
「Cisco CallManager 3.3 を使用した MWI ポートの設定」を参照してください。 |
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音声メール システムでユーザのディレクトリ番号とは異なる番号が設定されている場合、一連のステップを実行してメール ボックス番号をディレクトリ番号に変換する必要があります。 |
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「Cisco CallManager 3.3 のエンドユーザ電話の設定」を参照してください。 |
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VG248 上でローカル音声メール設定値を指定する必要がある。この設定値の一部は、音声メール システムつまり Cisco CallManager の設定値と同じでなければなりません。 |
「音声メール設定値の設定」を参照してください。 |
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「SMDI 接続と設定の確認」を参照してください。 |
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• 基本:音声メール システムを VG248 を介して、Cisco CallManager に接続する(最大 48 個のポート)。 • チェーン:音声メール システムを複数の VG248 デバイスを介して、Cisco • 多重:音声メール システムを複数の |
「設定オプションの選択」を参照してください。 |
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Async 1 を使用して、音声メール システム(任意の設定)または音声メール ソース(チェーン設定または多重設定)に接続する。Async 2 を使用して、VG248 デバイスをまとめて接続、あるいは 1 つの従来型 PBX システムに接続します。 |
「VG248 への音声メール リンクの接続」を参照してください。 |
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音声メールに使用される VG248 ポートを Cisco CallManager データベースに追加し、設定する必要がある。 |
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ライン グループを作成すると、ディレクトリ番号を選択する順番を指定できます。そのライン グループを着信コールから |
「Cisco CallManager 4.0 を使用したライン グループの作成および VG248 ポートの追加」を参照してください。 |
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MWI コマンドの設定およびクリアに使用される特別なポートを Cisco CallManager に追加する必要がある。 |
「Cisco CallManager 4.0 を使用した MWI ポートの設定」を参照してください。 |
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音声メール システムでユーザのディレクトリ番号とは異なる番号が設定されている場合、一連のステップを実行してメール ボックス番号をディレクトリ番号に変換する必要があります。 |
「Cisco CallManager 4.0 を使用したメール ボックス番号のディレクトリ番号への変換」を参照してください。 |
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「Cisco CallManager 4.0 のエンドユーザ電話の設定」を参照してください。 |
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VG248 上でローカル音声メール設定値を設定する必要がある。この設定値の一部は、音声メール システムつまり Cisco |
「音声メール設定値の設定」を参照してください。 |
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「SMDI 接続と設定の確認」を参照してください。 |
VG248 を使用すると、アナログ音声メール システム(SMDI、MCI、または
Ericsson 音声メール プロトコルと互換性があるもの)を Cisco CallManager と統合することができます。統合の際に、必要に応じて次の 3 種類の設定のうちの 1 つを選択できます。
• 基本:必要とする音声メール ポートが 48 個以下で、複数の Cisco CallManager クラスタまたは従来型 PBX システムと統合する必要がない場合。
• チェーン:必要な音声メール ポートが 49 個以上の場合。多重化設定で使用できます。
• 多重:複数の Cisco CallManager クラスタまたは 1 つの従来型 PBX システムと統合する必要がある場合。
• 「基本設定」
• 「チェーン設定」
• 「多重設定」
基本設定(図 1-2 を参照)では、単一の VG248 デバイスを使用して、最大 48 の音声チャネルを 1 つの音声メール システムに接続できます。この設定では、既存の音声メール システムを使用することができ、適切な音声メール プロトコルを選択して Cisco CallManager と統合します。
VG248 を基本設定で使用する場合、音声メール統合に対して、単一の Cisco CallManager サーバを使用した場合よりも柔軟性に優れたフェールオーバー システムを構築できます。VG248 を使用しないで、音声メール リンクを Cisco
CallManager に直接接続する場合、Cisco CallManager システムに障害が発生すると、音声メール リンクは機能しなくなります。VG 248 を使用しない場合、リンクを自動的に切り替えたり、別の Cisco CallManager システムに転送することはできません。しかし、VG248 を使用すると、プライマリ CallManager システムに障害が発生した場合、VG248 はリンクを自動的にバックアップ CallManager システムに切り替えます。その結果、音声メール リンクは機能し続けます。
基本設定を使用して VG248 を設定する場合は、次のヒントを参考にしてください。ただし、設定が必要な項目がすべてここに記述されているわけではありません。次のヒントは、基本設定に固有のヒントです。音声メール設定作業の全体の説明については、「音声メール設定値の設定」を参照してください。
• VG248 は、MWI コマンドを Cisco CallManagerに自動転送するよう設定する必要があります(詳細は、「MWI の Cisco CallManager への転送」を参照)。
• VG248 が MWI コマンドを Cisco CallManager に自動転送するよう設定されている場合は、Cisco CallManager で MWI ディレクトリ番号を設定する必要があります(詳細は、「Cisco CallManager の MWI 設定用のディレクトリ番号の指定」および「Cisco CallManager の MWI クリア用のディレクトリ番号の指定」を参照)。
各 VG248 システムでは、音声メール アクセスのために最大で 48 個のポートが使用できます。49 個以上のポートが必要な場合は、チェーン設定を使用します。チェーン設定(図 1-3 を参照)では、複数の VG248 デバイスをまとめて接続し、その結果音声メール統合に利用できる音声ポートの数を増やすことができます。音声メール情報は、Async ポートを通じて VG248 デバイス間で共有され、パスされます(Async ポートの詳細は、「VG248 への音声メール リンクの接続」を参照)。
ここで示すヒントには、設定が必要な項目がすべて記述されているわけではありません。次のヒントは、チェーン設定に固有のヒントです。音声メール設定作業の全体の説明については、「音声メール設定値の設定」を参照してください。
複数の VG248 システムを使用する場合は、次のヒントを参照してください。
• 接続されるすべての VG248 を 1 つの音声メール システムに接続する必要があります。
• 各 VG248 デバイスで最初の音声メール ポートを正しく識別しているか確認してください(詳細は、「最初の音声メール ポート番号の指定」を参照)。
• 各 Cisco CallManager クラスタの最初の VG248 は、MWI コマンドを Cisco
CallManager に自動転送するよう設定する必要があります(詳細は、「MWI の Cisco CallManager への転送」を参照)。
• 2 つ目のクラスタまたは従来型 PBX が音声メール チェーンの終端に接続されていない場合は、VG248 システムが Async 2 接続に沿って MWI コマンドを転送するよう設定する必要はありません。たとえば、チェーン設定を多重設定と一緒に使用している場合です(「MWI の Async 2 への転送」を参照)。
• VG248 デバイスが MWI コマンドを Cisco CallManager に自動転送するよう設定されている場合は、Cisco CallManager で使用される MWI ディレクトリ番号を識別する必要があります(詳細は、「Cisco CallManager の MWI 設定用のディレクトリ番号の指定」および「Cisco CallManager の MWI クリア用のディレクトリ番号の指定」を参照)。
図 1-3 VG248 音声メール システム統合のチェーン設定
多重設定では、1 つの音声メール システムを、複数の Cisco CallManager クラスタ、またはもう 1 つの従来型 PBX システムと共有することができます。多重設定を使用すると、アナログ音声メール システムを、たとえば、次のように複数の PBX システムと統合できます。
• 複数の Cisco CallManager クラスタ(図 1-4 を参照)。
• 従来型 PBX システムおよび Cisco CallManager(図 1-5 を参照)。
ここで示すヒントには、設定が必要な項目がすべて記述されているわけではありません。次のヒントは、多重設定に固有のヒントです。音声メール設定作業の全体の説明については、「音声メール設定値の設定」を参照してください。
複数の PBX システムから音声メール リンクを統合する場合は、次のヒントを参照してください。
• 従来型 PBX に接続する場合、すべての VG248 デバイスが MWI を Async 2 に自動転送するよう設定する必要があります(詳細は、「MWI の Async 2 への転送」を参照)。
• 各クラスタで、少なくとも 1 つの VG248 が MWI コマンドを Cisco
CallManager に自動転送するよう設定する必要があります(「MWI の Cisco CallManager への転送」を参照)。
• 従来型 PBX を使用していない場合は、VG248 システムが Async 2 接続に沿って MWI コマンドを自動転送するよう設定します。この設定を、音声メール システムからの音声メール チェーンで最も離れた VG248 システムで行う必要はありません。その VG248 デバイスが MWI コマンドを Cisco CallManager に自動転送するよう設定する必要があります(「MWI の Async 2 への転送」を参照)。
• VG248 が MWI コマンドを Cisco CallManager に自動転送するよう設定されている場合は、Cisco CallManager で MWI ディレクトリ番号を設定する必要があります(詳細は、「Cisco CallManager の MWI 設定用のディレクトリ番号の指定」および「Cisco CallManager の MWI クリア用のディレクトリ番号の指定」を参照)。
図 1-4 複数の Cisco CallManager クラスタとの統合の VG248 の多重設定
図 1-5 Cisco CallManager および従来型 PBX との統合の VG248 の多重設定
VG248 は、IP ネットワークを介した音声通信に使用されている、数種類の業界標準および Cisco のネットワーク プロトコルをサポートしています。さらに、VG248 は、リモート ネットワーク管理に必要なプロトコルもサポートしています。
次の項では、VG248 がサポートしているプロトコルの概要を示します。
VG248 は、次のデータおよび音声通信プロトコルをサポートしています。
• IP(Internet Protocol; インターネット プロトコル):ネットワークを介してパケットをアドレス指定し、送信する。
• IGMP(Internet Group Management Protocol; インターネット グループ管理プロトコル):マルチキャスト グループ メンバーシップのレポートに使用される。
• TFTP(Trivial File Transfer Protocol; トリビアル ファイル転送プロトコル):ネットワークを介してファイルを転送できるようにする。
• HTTP(HyperText Transfer Protocol; ハイパーテキスト転送プロトコル):メッセージ形式の設定および送信方法と、各種コマンドへの応答で Web サーバおよびブラウザが行うアクションを指定する。
• FTP(File Transfer Protocol; ファイル転送プロトコル):ネットワークを介してファイルを転送できるようにする。
• DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol; ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル):IP アドレスをネットワーク デバイスに動的に割り当て、指定する。
• RTP(Real-Time Transport Protocol; リアルタイム転送プロトコル):データ ネットワークを介して双方向音声およびビデオなど、リアルタイム データを転送できるようにする。
• SCCP(Skinny Client Control Protocol):VG248 と Cisco CallManager 間での通信を可能にする。
VG248 は、次のアナログ音声メール プロトコルをサポートしています。
• SMDI(Simplified Message Desk Interface):大多数のコール統合用アナログ音声メール システムにより使用される業界標準音声メール プロトコル。
• MCI(Message Center Interface):NEC NEAX が使用する専用の音声メール プロトコル。
VG248 は、SNMP(Simple Network Management Protocol; 簡易ネットワーク管理プロトコル)をサポートし、いくつかの業界標準の MIB(Management Information Bases; 管理情報ベース)を実装します。
VG248 は SNMP バージョン 1 および 2 をサポートしており、次のコマンドを実行できます。
• GetNext:指定の値から連続するノードをもつ順序ツリー内の最初の値を取得する。
• GetBulk:指定の値から連続するノードをもつバインド済みの値を数値順に取得する。GetBulk は SNMP v2 でのみ使用できます。
VG248 は、RFC 1157 で規定のとおり、次の一般的なトラップを生成します。
• コールド スタート:VG248 が起動し、IP アドレスを取得する場合
• ウォーム スタート:VG248 が IP アドレスを変更する場合
• 認証の失敗:無効なコミュニティ ストリングが使用された場合
VG248 でトラップを生成するように、ネットワーク管理ステーションを少なくとも 1 つ設定しておく必要があります(詳細は、「トラップ設定値の指定」を参照)。
RFC 1213 は基本 MIB 2 仕様で、ネットワーク プロトコルに対する組み込みインターフェイスおよび統計情報に関するステータスを示しています。
VG248 は RFC 1213 をサポートしていますが、次の点に注意してください。
• イーサネット インターフェイスの ifAdminStatus は書き込むことができず、「up」で固定される。
• すべてのインターフェイスの ifSpecific が「0, 0」として返される。
• アクティブな TCP 接続について「tcpConnState」に書き込めない。
• VG248 は、External Gateway Protocol(EGP; エクステリア ゲートウェイ プロトコル)を実装しない。
この MIB は、RFC 1573 で規定の、デバイスのインターフェイスに関して使用可能な情報範囲を、RFC 1213 で ifTable により用意される範囲から拡大します。VG248 は、そのイーサネット インターフェイスおよび 48 FXS インターフェイスに合わせて、この MIB を実装します。ただし、オクテット値およびパケット カウント値は、FXS インターフェイスには使用できません。これはオクテット値およびパケット カウント値は、FXS のインターフェイス タイプには適用できないためです。
VG248 は、Remote Monitoring(RMON; リモート モニタリング)にイーサネット統計グループを実装します。ただし、「EtherStatsStatus」は除きます。これは「valid」で固定され、書き込むことができません。
CDP(Cisco Discovery Protocol)は、Cisco デバイスがそれぞれの存在を通知し、また、その他の近隣デバイスに関する情報を発見する方式です。VG248 は、CDP をサポートし、この MIB を実装します。VG248 では CDP を有効または無効にすることができます(詳細は、「CDP の有効化」を参照)。
Cisco Process MIB は、デバイス上で現在実行されているプロセスを示します。ただし、VG248 はプロセスではなく、スレッドで実行されているため、MIB は実装されますが、次のことに注意してください。
• 割り当てられるメモリの量は、スレッド単位では記録されない。したがって、cpmProcExtMemAllocated および cpmProcExtMemFreed は 0 として戻されます。
• すべてのスレッドが同じ優先順位で実行される。したがって、プロセス
cpmProcExtPriority はいずれも「normal」として戻されます。
• プロセスの優先順位を変更することができないため、「cpmProcExtPriority」に書き込もうとしても、失敗する。
この MIB では、Cisco デバイス内にあるすべてのメモリ プールについて詳細情報を検索できます。VG248 はこの MIB を実装していますが、すべての動的メモリ管理は単一のヒープを使用するため、その結果生成されるテーブルの行は 1 行で、これは「Processor」として戻されます。
「EnvMon」は、VG248 上のオンボード環境モニタを参照します。オンボード環境モニタは、内部電圧、電源、温度、およびファンの設定値をモニタします。
VG248 は定期的にこれらの値を測定し、異なるテーブル内の行に情報を記録します。
• ciscoEnvMonVoltageStatusTable:電圧と電源の表示度数を記録する
• ciscoEnvMonFanStatusTable:ファン ステータスの表示度数を記録する
• ciscoEnvMonTemperatureStatusTable:温度設定値を記録する
この MIB を使用して、これらの記録値にアクセスできます。また、VG248 は許容限度を超える表示度数を検出すると、警告メッセージを生成します(詳細は、「ハードウェア エラーのトラブルシューティング」を参照)。
この Cisco 専用 MIB( CISCO-VOICE-IF-MIB.my
)を使用すると、ゲイン値やエコー キャンセレーション状況といった音声インターフェイス パラメータにアクセスできます。この MIB を実装した VG248 は、読み取りアクセスのみが可能です。VG248 インターフェイスを使用してゲイン値を設定できます(詳細は、「出力ゲインの設定」および「入力ゲインの設定」を参照)。
Cisco Analog Voice Interface MIB
この Cisco 専用の MIB( CISCO-VOICE-ANALOG-IF-MIB.my
)を使用すると、アナログ ポートに関連するインターフェイス パラメータにアクセスできます。インターフェイス パラメータには、ハードウェアの問題点や、ユーザ ファクタが含まれています。ハードウェアの問題点とは、電気インピーダンス値やリング頻度などを意味し、ユーザ ファクタとは、接続されているハンドセットが現在オンフックまたはオフフックのどちらであるかといったものを意味します。電気インピーダンス値とリング頻度は、VG248 で設定した国別コードで決まります(詳細は、「VG248 の国別コードの指定」を参照)。VG248 インターフェイスを使用してフックフラッシュ タイマを修正できます(詳細は、「アナログ電話用のフック フラッシュ タイマーの変更」を参照)。