IPCC Enterprise Edition について
Cisco IPCC Enterprise システムは、Cisco Architecture for Voice, Video, and Integrated Data(AVVID)の一部です。IPCC は、仮想 ACD として機能します。IPCC の機能には、インテリジェント マルチチャネル コンタクト ルーティング、ACD 機能、ネットワーク/デスクトップ間コンピュータ テレフォニー統合(CTI)、対話式音声自動応答(IVR)統合、コール キューイング、統合レポート機能などがあります。
コンタクト センターの管理者は、IPCC Enterprise を使用して、着信コール、発信コール、Web コラボレーション、テキスト チャット、および電子メールの要求を処理するエージェントを設定できます。エージェントは、タスクごとにこれらのメディアを切り替えることができます。これにより、各エージェントに最も適したメディアを選択できます。
IPCC Enterprise は、シングルサイト環境で使用することも、マルチサイト コンタクト センターに統合することもできます。IPCC Enterprise サイトは、サービス提供者としても使用できます。本ガイドでは、IPCC Enterprise システムを、シングルサイト、マルチサイト、サービス提供者などのテスト環境および本稼動環境でセットアップする方法について説明します。
IPCC Enterprise のハードウェア コンポーネントについて
次の図に、IPCC ラボ システムのハードウェア コンポーネントを示します。
凡例
1. Cisco 7960 IP Phone
2. Media Convergence Server 7835(Cisco CallManager および Cisco IP-IVR ソフトウェア用)
3. サーバ(ICM および CTI OS ソフトウェア用)
4. サーバ(Collaboration Server ソフトウェア用)
5. サーバ(Media Blender ソフトウェア用)
6. サーバ(Dynamic Content Adapter ソフトウェア用)
7. サーバ(E-Mail Manager ソフトウェア用)
IPCC Enterprise のソフトウェア コンポーネントについて
この項では、IPCC Enterprise システムのソフトウェア コンポーネントについて簡単に説明します。ソフトウェア コンポーネントと IPCC アーキテクチャの詳細については、 『Cisco IP Contact Center Solution Reference Network Design Guide』 を参照してください。
IPCC Enterprise のコア コンポーネントについて
次のコア ソフトウェア コンポーネントは、すべての IPCC Enterprise システムで必要となります。
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Cisco CallManager |
Cisco CallManager には、従来の PBX システムと同様の機能があり、IPCC システムのスイッチングに必要な機能を提供します。これにより、音声アプリケーションの展開、およびテレフォニー システムとイントラネット アプリケーションの統合が可能になります。 Cisco CallManager ソフトウェアは、Cisco Media Convergence Server(MCS)にインストールする必要があります。 |
Cisco IP IVR または Cisco ISN |
Cisco IP IVR および Cisco ISN は、IPCC システムにおける Interactive Voice Response (IVR; 対話式音声自動応答)機能およびキューイング機能を提供します。環境に合わせて、どちらの IVR システムを IPCC システムで使用するかを選択してください。 |
Cisco ICM ソフトウェア |
Cisco ICM ソフトウェアは、インテリジェント マルチチャネル コンタクト ルーティング機能および ACD 機能を提供します。これには、エージェントの状態の監視と制御、CTI 機能、IPCC Enterprise システムでのレポートに使用するリアルタイム データおよび履歴データの収集などが含まれます。 ICM ソフトウェアには、CallRouter、Logger、CallManager PIM および VRU PIM 用のペリフェラル ゲートウェイ、CTI Server、Admin Workstation が含まれます。また、ICM ソフトウェアは、アウトバウンド オプションも提供します。アウトバウンド オプションは、カスタマーへの発信コールを可能にし、Media Routing Peripheral Gateway(MR-PG; メディア ルーティング ペリフェラル ゲートウェイ)をマルチチャネル アプリケーションに接続するためのオプションです。 |
Cisco CTI Object Server CT IOS または CAD デスクトップ |
Cisco CTI Object Server(CTI OS)および Cisco Agent/Supervisor Desktop (CAD)は、コンタクト センターのエージェントおよびスーパーバイザ用のデスクトップを提供するサーバベースの CTI ソリューションです。環境に合わせて、どちらのアプリケーションを IPCC システムで使用するかを選択してください。 CTI OS には、CTI OS Server、CTI OS Agent Desktop、IPCC Supervisor Desktop、CTI OS Toolkit、および Client Interface Library(CIL)が含まれます。 Cisco Agent/Supervisor Desktop には、Desktop Administrator、Agent Desktop、および Supervisor Desktop が含まれています。 |
これらのコンポーネントに加え、IPCC システムには、Voice-over-IP(VoIP)ゲートウエイ、および CallManager PIM と IP-IVR または ISN の PIM で使用するペリフェラル ゲートウェイが含まれます。
IPCC Enterprise のオプション ソフトウェア コンポーネント
IPCC Enterprise システムでは、次のソフトウェア コンポーネントをオプションで展開できます(必須ではありません)。このグループのコンポーネントは、Web および電子メールでの対話機能を IPCC に追加します。これらのコンポーネントは、マルチチャネル コンポーネントと総称されます。
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Cisco Collaboration Server |
Cisco Collaboration Server(CCS)は、発信者とコンタクト センター エージェントの間の Web コラボレーションを実現します。エージェントは、Web ページ、フォーム、アプリケーションなどの情報を Web 上でカスタマーと共有しながら、音声での会話またはテキスト チャットを実行できます。Collaboration Server から MR-PG 経由で ICM CallRouter に要求がルーティングされると、その要求を処理するエージェントが CallRouter によって選択されます。 |
Cisco Media Blender |
Cisco Media Blender(CMB)は、Collaboration Server と IPCC の間でソフトウェア イベントを共有するためのイベント バスとして機能します。このソフトウェアは、ファイアウォールの外側に存在する Collaboration Server と、ファイアウォールの内側に存在する ICM MR-PG の間での通信を可能にするファイアウォール ゲートウェイ機能を提供します。 |
Cisco Dynamic Content Adapter |
Cisco Dynamic Content Adapter(DCA)は、Collaboration Server のユーザ間で、個人向けにカスタマイズされた双方向の対話型 Web コンテンツをリアルタイムで安全に共有できるインテリジェント Web プロキシ キャッシング サーバです。 |
Cisco E-Mail Manager |
Cisco E-Mail Manager(CEM)は、カスタマーから企業の電子メール ボックスまたは Web サイト宛てに送信された大量の問い合せを管理します。E-Mail Manager は、メッセージを処理するエージェントおよびチームを選択したり、メッセージの分類と優先順位付けを行ったり、応答用のテンプレートを提示したり、(設定に応じて)自動応答を送信します。E-Mail Manager から MR-PG 経由で ICM CallRouter に要求がルーティングされると、CallRouter が応対可能なエージェントにその要求をルーティングします。 |
『Cisco IP Contact Center Solution Reference Network Design Guide』