Cisco CallManager AutoAttendant の設定
ここでは、Cisco CallManager AutoAttendant の導入に備えて Cisco CallManager と Cisco Customer Response Application Engine(Cisco CRA Engine)を設定する方法について説明します。
Cisco CallManager AutoAttendant を設定するには、次の手順に従います。
1. Cisco CallManager を設定して、Cisco CallManager AutoAttendant に必要な電話番号およびその他のテレフォニー エンティティを作成します。「Cisco CallManager の設定」を参照してください。
2. Cisco Customer Response Application(Cisco CRA)Engine を設定します。
Cisco CallManager AutoAttendant を使用するには、Cisco CRA をインストールして設定しておく必要があります。Cisco CRA Engine は、CallManager AutoAttendant、および CallManager AutoAttendant からテレフォニー システムへの接続を制御します。「Cisco CRA Engine の設定」を参照してください。
3. Cisco CallManager AutoAttendant をカスタマイズして、AutoAttendant のプロンプトを自動アテンダントの使用状況に適したものにします。「Cisco CallManager AutoAttendant のカスタマイズ」を参照してください。
Cisco CallManager の設定
Cisco CallManager AutoAttendant を使用するには、Cisco CallManager を事前に設定しておく必要があります。
1. CTI ルート ポイントを作成します。この作業では、Cisco CallManager AutoAttendant を使用するために利用者がダイヤルする電話番号を指定します。「Cisco CallManager での CTI ルート ポイントの追加」を参照してください。
2. CTI ルート ポイントが使用する CTI ポートを作成します。作成するポートの数によって、Cisco CallManager AutoAttendant を同時に使用できる発信者の数が決まります。Cisco CallManager とセットで販売されているバージョンの Cisco CallManager AutoAttendant には、4 ポートまでという制限があります。「Cisco CallManager での CTI ポートの追加」を参照してください。
3. Cisco CallManager AutoAttendant 用に Cisco CallManager ユーザを作成し、作成した CTI ルート ポイントと CTI ポートをこのユーザに関連付けます。「Cisco CallManager AutoAttendant 用の Cisco CallManager ユーザを作成する」を参照してください。
これらのトピックは、Cisco CallManager の使用方法を理解していることを前提としています。Cisco CallManager の詳細については、『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』および『 Cisco CallManager システム ガイド 』を参照してください。
Cisco CallManager での CTI ルート ポイントの追加
Cisco CallManager AutoAttendant で使用するための CTI ルート ポイントを Cisco CallManager で作成します。このルート ポイントに対しては、自動アテンダントを使用するために発信者がダイヤルする電話番号を指定します。
手順
ステップ 1 Cisco CallManager で Device > CTI Route Point を選択します。
Find and List CTI Route Points ページが表示されます。
ステップ 2 Add a new CTI Route Point をクリックします。
CTI Route Point Configuration ページが表示されます。
ステップ 3 CTI ルート ポイントのプロパティを入力します。
• 一意の名前( AutoAttendant など)を Device Name フィールドに入力して、Cisco CallManager AutoAttendant の番号であることがわかるようにします。
• Device Pool メニューで、適切なデバイス プールを選択します。
ステップ 4 この新しい CTI ルート ポイントを追加するには、 Insert をクリックします。
ルート ポイントが追加され、回線 1 用の電話番号を追加するかどうかを尋ねられます。回線 1 を追加するには、 OK をクリックします。
Directory Number Configuration ページが開きます。
ステップ 5 Directory Number フィールドに、この CTI ルート ポイントの電話番号を入力します。ここに指定する番号は、発信者がこの CTI ルート ポイントに到達するためにダイヤルする番号です。たとえば、4000 と指定します。テレフォニー ネットワークの構成に応じて、他のフィールドにも値を入力します。
ステップ 6 Insert をクリックします。
現在のデバイスに電話番号が割り当てられ、現在のデバイスの設定ページに戻るかどうかを尋ねられます。 OK をクリックして、現在のデバイスの設定ページに戻ります。
デバイス用に作成する回線は、1 回線だけにします。
関連項目
• 「Cisco CallManager の設定」
• 「Cisco CallManager での CTI ポートの追加」
Cisco CallManager での CTI ポートの追加
Cisco CallManager AutoAttendant の CTI ルート ポイントが使用する CTI ポートを作成します。作成するポートの数によって、自動アテンダントを同時に使用できる発信者の数が決まります。発信者がコールしたときにポートがすべて使用中の場合、発信者はビジー信号を受信します。
手順
ステップ 1 Cisco CallManager で、 Device > Phone を選択します。
Find and List Phones ページが開きます。
ステップ 2 Add a New Phone をクリックします。
Add a New Phone ページが開きます。
ステップ 3 CTI Port for Phone Type を選択し、 Next をクリックします。
Phone Configuration ページが開きます。
ステップ 4 CTI Port に値を設定します。少なくとも、次の情報を入力します。
• Device Name:わかりやすい名前を付けます。たとえば、CTI4001 とします。
• Device Pool:適切なデバイス プールを選択します。
ステップ 5 Insert をクリックします。
CTI ポートが作成され、回線 1 用の電話番号を追加するかどうかを尋ねられます。 OK をクリックします。Directory Number Configuration ページが開きます。
ステップ 6 Directory Number フィールドに、このポート用の未使用内線番号を入力します。たとえば、4001 と入力します。
ステップ 7 Insert をクリックします。
現在のデバイスに電話番号が割り当てられます。 OK をクリックして、デバイスの設定ページに戻ります。
この手順を繰り返して、必要な数の CTI ポートを作成します。各 CTI ポート用に作成する回線は、1 回線だけにします。
関連項目
• 「Cisco CallManager での CTI ルート ポイントの追加」
• 「Cisco CallManager AutoAttendant 用の Cisco CallManager ユーザを作成する」
Cisco CallManager AutoAttendant 用の Cisco CallManager ユーザを作成する
Cisco CallManager AutoAttendant のユーザを Cisco CallManager で作成します。
Cisco CallManager AutoAttendant は、このアカウントを使用して Cisco CallManager へのアクセスを取得し、AutoAttendant 用に定義されている CTI ルート ポイントと CTI ポートを制御します。
手順
ステップ 1 Cisco CallManager で、 User > Add a New User を選択します。
[ユーザの設定]ウィンドウが開きます。
ステップ 2 次の必須フィールドに値を入力します。
• 名:「Automated」などのわかりやすい名前を使用します。
• 姓:「Attendant」などのわかりやすい名前を使用します。
• ユーザ ID:「AutoAttendant」などのわかりやすい名前を使用します。
• ユーザ パスワードとパスワードの確認:パスワードを入力し、確認用にもう一度入力します。
• PIN と PIN の確認:PIN を入力し、確認用にもう一度入力します。
• CTI アプリケーションの使用を有効にする:このチェックボックスをオンにします。
ステップ 3 ユーザを作成するには、 [挿入] をクリックします。
ユーザが追加されます。
ステップ 4 左のカラムの [デバイスの割り当て] をクリックします。
User Information ページの[デバイスの割り当て]サブページが開きます。
ステップ 5 目的のルート ポイントと CTI ポートを一覧表示するための検索条件を入力するか、何も入力せずに全デバイスが一覧表示されるようにし、 [デバイスの選択] をクリックしてデバイスを一覧表示します。
ステップ 6 Cisco CallManager が生成したリストで、次のデバイスを選択します。
• 自動アテンダント用に作成された CTI ルート ポイント。詳細については、「Cisco CallManager での CTI ルート ポイントの追加」を参照してください。
• Cisco CallManager AutoAttendant で使用するために作成された、すべての CTI ポート。詳細については、「Cisco CallManager での CTI ポートの追加」を参照してください。
必ず [プライマリ内線なし] オプション ボタンをクリックしてください。
ステップ 7 変更内容を保存するには、 [選択の更新] をクリックします。
関連項目
• 「Cisco CallManager での CTI ポートの追加」
• 「Cisco CRA Engine の設定」
Cisco CRA Engine の設定
Cisco CallManager AutoAttendant 用に Cisco CallManager を設定し終わったら、Cisco Customer Response Application(Cisco CRA)Engine を設定して、
Cisco CallManager および Cisco IP Telephony Directory と CRA Engine が通信できるようにします。そのためには、次の作業を行う必要があります。
1. IP Telephony Directory を設定して、Cisco CRA がこのディレクトリを使用できるようにします。この設定作業は、Cisco CRA のインストール時にすでに完了している可能性があります。詳細については、「ログインとディレクトリ情報の設定」を参照してください。
2. Cisco CRA Engine の JTAPI サブシステムを設定して、Cisco CallManager AutoAttendant 用に作成した Cisco CallManager ユーザが使用されるようにします。詳細については、「Cisco Customer Response Application Engine 上での JTAPI サブシステムの設定」を参照してください。
3. Cisco CallManager AutoAttendant で使用するために作成した CTI ポートを含む CTI ポート グループを、Cisco CRA Engine の JTAPI サブシステムに追加します。詳細については、「CTI ポート グループの追加」を参照してください。
4. Cisco CallManager AutoAttendant アプリケーションを Cisco CRA Engine に追加します。詳細については、「新しい Cisco CallManager AutoAttendant の追加」を参照してください。
上のトピックで説明しているのは、Cisco CRA の使用と設定に関する基本事項のみです。詳細については、オンライン ヘルプを参照してください。
関連項目
「ログインとディレクトリ情報の設定」
ログインとディレクトリ情報の設定
Cisco IP Telephony Directory サーバには、Cisco Customer Response Application(Cisco CRA)Engine が使用する 2 種類の情報が保存されます。1 番目は、CTI ポートとルーティングの設定を含んでいるディレクトリ情報です。2 番目は、Cisco CRA Engine とともに使用されるアプリケーションを保存するリポジトリ サブディレクトリです。
ディレクトリ情報とリポジトリ サブディレクトリを別サーバに分離せずに、Cisco CallManager AutoAttendant では 1 つの IP Telephony Directory を使用することをお勧めします。
ヒント CiscoCRA Application Administration を起動するには、Web ブラウザで http://サーバ名/AppAdmin を開きます。「サーバ名」は、アプリケーション サーバの DNS 名または IP アドレスです。このインターフェイスを使用する方法については、Help をクリックしてください。
新しい CRA サーバ上のディレクトリ サーバを設定するには、次の手順に従います。
手順
ステップ 1 CRA Server に初めてログインする場合は、ユーザ名 Administrator とパスワード ciscocisco を入力します。 Log On をクリックします。
(注) ログイン名とパスワードでは、大文字と小文字が区別されます。上で示したとおりに、正確に入力してください。
(注) このユーザ名とパスワードを入力するのは、1 回目の設定プロセスだけです。
Cisco CRA Administrator Setup ページが表示されます。
ステップ 2 Setup をクリックします。
Directory Setup ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 ディレクトリ設定情報を、 表 6-1 に示すとおりに入力します。
表 6-1 デフォルトのディレクトリ設定
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Directory hostname |
プロファイルが配置されている Cisco IP Telephony Directory サーバ、または CRA Engine プロファイルとともに配置される Cisco IP Telephony Directory サーバのホスト名または IP アドレス。 |
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Directory port number |
Cisco IP Telephony Directory のポート番号。 |
8404 |
Directory user (DN) |
Cisco IP Telephony のツリーとオブジェクト エントリに対する変更権限を持ち、ディレクトリ サーバ上に設定されているユーザのユーザ名(認定者名とも呼ばれます)。 |
cn=Directory Manager, o=cisco.com. |
Directory password |
Directory ユーザのパスワード。 |
ciscocisco |
Base Context |
Cisco 設定情報を含んでいる Cisco IP Telephony Directory ツリーのブランチ。 |
o=cisco.com |
User Base |
ユーザ情報を含んでいる Cisco IP Telephony Directory ツリーのブランチ。 |
ou=Users, o=cisco.com |
Server Type |
LDAP ディレクトリの種類。MS Active Directory、Netscape Directory Server 4.0、DC Directory など。 |
DC Directory |
Configuration Profile Name |
この CRA Server 設定またはリポジトリを識別するためのプロファイル名。 |
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ステップ 4 Next をクリックします。
2 番目の Directory Setup ウィンドウが表示されます。
ステップ 5 Netscape、Active Directory、およびその他のディレクトリのディレクトリ設定値を設定するには、次の操作を行います。
Server Type ドロップダウンの矢印で、適切なディレクトリを選択します。たとえば、Netscape を選択します。
次のフィールドの内容を新しい情報に置き換えます。
• Directory User
• Base Context
• User Base
ステップ 6 Edit をクリックして新しいプロファイルを入力するか、Profile Name ドロップダウンの矢印を使用してプロファイルを選択します。
ステップ 7 新しいプロファイルを入力するには、 OK をクリックします。
ステップ 8 Next をクリックします。
3 番目の Directory Setup ウィンドウが表示されます。
ステップ 9 デフォルト設定 Use the default Repository profile をそのまま使用して、同じサーバ上に同じ名前でリポジトリ プロファイルを作成します。
または、次の操作を行います。
ステップ 10 この設定とリポジトリ用に別のプロファイルを作成する場合は、Use a different Repository profile オプション ボタンをクリックします。このオプションを選択すると、リポジトリ プロファイルのディレクトリ情報を入力するように求められます。リポジトリのディレクトリ情報を取得するためのウィンドウが表示されます。
Repository Configuration ウィンドウが表示されます。これらのフィールドに対して、リポジトリ ディレクトリに応じた適切な設定情報を入力します。
ステップ 11 OK をクリックします。
User Maintenance ウィンドウが表示されます。このウィンドウを使用して、Administrator にアクセス レベルを割り当てます。
ステップ 12 User Maintenance ウィンドウで、Group ドロップダウンの矢印を選択し、 Administrator を選択します。
ステップ 13 CMUsers リスト ボックスから、利用可能な CallManager ユーザを選択し、 < をクリックして、ユーザを CRA Administrator/Supervisor リスト ボックスに移動します。
手順に従って正しく操作すると、ユーザ名の後に(Administrator)というラベルが表示されます。
注意 システムを更新するには、Administrator を 1 名以上選択する必要があります。
ステップ 14 Finish をクリックすると、設定プロセスが完了し、設定とリポジトリ プロファイルが初期化されます。
設定内容を示す Setup ウィンドウが表示されます。
ステップ 15 作成した管理者のユーザ名とパスワードを使用して、システムにもう一度ログインします。
(注) ログイン名 Administrator とパスワード ciscocisco は、すでに無効になっています。設定した管理者パスワードを使用してログインしてください。
Cisco Customer Response Applications Administration ウィンドウが表示されます。
関連項目
• 「Cisco CRA Engine の設定」
• 「Cisco Customer Response Application Engine 上での JTAPI サブシステムの設定」
Cisco Customer Response Application Engine 上での JTAPI サブシステムの設定
ディレクトリの設定を完了したら、Cisco Customer Response Application Engine(Cisco CRA Engine)上で JTAPI サブシステムを設定する必要があります。
Cisco CRA Engine は、Cisco CallManager とのコールの送受信に JTAPI サブシステムを使用します。
ヒント CiscoCRA Application Administration を起動するには、Web ブラウザで http://サーバ名/AppAdmin を開きます。「サーバ名」は、アプリケーション サーバの DNS 名または IP アドレスです。このインターフェイスを使用する方法については、Help をクリックしてください。
手順
ステップ 1 CRA Administration のメイン メニューで、 Subsystems > JTAPI を選択します。
JTAPI Configuration ウィンドウが表示されます。
ステップ 2 JTAPI Provider(s) フィールドに、Cisco CallManager CTI Manager を実行している Cisco Media Convergence Server(Cisco MCS)の IP アドレスまたは DNS 名を入力します。CTI Manager は、スペースで区切って 2 つまで入力できます。1 番目の CTI Manager が利用不能になった場合は、2 番目の CTI Manager が接続してコールを維持します。
ステップ 3 UserID フィールドに、Cisco CallManager のユーザ ID を入力します。たとえば、JTAPI と入力します。
ステップ 4 Password フィールドに、このユーザ ID に対して定義したパスワードを入力します。
ステップ 5 変更内容を適用するには、 Update をクリックします。
次のメッセージが表示されます。
「JTAPI Subsystem configured successfully!!」
ステップ 6 ダイアログボックスを閉じるには、 OK をクリックします。
関連項目
• 「ログインとディレクトリ情報の設定」
• 「CTI ポート グループの追加」
CTI ポート グループの追加
Cisco CallManager AutoAttendant で使用するために作成した CTI ポートを、Cisco CRA Application Administration 設定の JTAPI Configuration ページで指定します。これらのポートは、 CTI ポート グループ を構成します。
ヒント CiscoCRA Application Administration を起動するには、Web ブラウザで http://サーバ名/AppAdmin を開きます。「サーバ名」は、アプリケーション サーバの DNS 名または IP アドレスです。このインターフェイスを使用する方法については、Help をクリックしてください。
手順
ステップ 1 CRA Administration のメイン ウィンドウで、 Subsystems > JTAPI を選択します。
JTAPI Configuration ウィンドウが表示されます。
(注) CTI Ports ウィンドウにアクセスするには、CRA Engine が動作している必要があります。
ステップ 2 変更内容を適用してエンジンを再起動するには、 Update をクリックします。
ステップ 3 左のカラムの CTI Port Groups ハイパーリンクをクリックします。
JTAPI Call Control Group ウィンドウが表示されます。
ステップ 4 Add a New JTAPI Call Control Groups ハイパーリンクをクリックします。
2 番目の JTAPI Call Control Group Configuration ウィンドウが表示されます。
ステップ 5 自動生成されるグループ ID をそのまま使用するか、Group ID フィールドにグループ ID を入力します。このグループ ID は、CRA Server が Cisco IPCC ソリューションの一部となっている場合に ICM に報告される、トランク グループ番号と対応しています。
ステップ 6 Description フィールドに値を自動入力するには、 Tab キーを押します。
ステップ 7 Associate CTI Ports をクリックします。
Please assign CTI Ports for this Group ウィンドウが表示されます。
ステップ 8 Directory Number カラムで、「Cisco CallManager での CTI ポートの追加」で指定した電話番号を含むチェックボックスをオンにします。
(注) ユーザ ポートをグループに割り当てる前に、Cisco CallManager でのポートの設定を完了しておく必要があります。
ステップ 9 利用可能な CTI ポートのリストにポートを追加してウィンドウを閉じるには、 Update をクリックします。
ステップ 10 Add をクリックします。
Group ID カラムに Call Control Group が表示されます。
関連項目
• 「Cisco Customer Response Application Engine 上での JTAPI サブシステムの設定」
• 「新しい Cisco CallManager AutoAttendant の追加」
Cisco Media Termination サブシステムのプロビジョニング
プロンプトと DTMF(Cisco Media Termination)をサポートするシンプルなタイプのメディアから、プロンプトと DTMF に加えて音声認識をサポートする複雑で高度なメディアまで、さまざまなタイプのメディアを選択できます。メディアを使用せずにコールをプロビジョニングすることも可能です。このような特徴があるため、メディアを手動でプロビジョニングする必要があります。後方互換性を維持し、メディアの対話をサポートするために、コールごとにシステムに CTI ポートとメディア チャネルが必要です。
さらに、メディア リソースは IVR ポートとしてライセンスが発行され、販売されています。チャネルは、ライセンスが発行されている数を超えてプロビジョニングできます。ただし、実行時にはライセンスが必要なため、システムはコールを受け入れません。これはライセンス許諾書に違反することになります。
コール制御グループ、複数の CMT ダイアログ グループ、および Nuance ASR ダイアログ グループをプロビジョニングすることによって、複数のアプリケーション間でリソースを共有できるようになります。また、特定のリソース セットを主に特殊なアプリケーションに使用させることができます。
この作業は、JTAPI トリガーを設定するときに実施できます。詳細については、『 Cisco Customer Response Applications Administrator Guide 』を参照してください。
CMT ダイアログ グループのプロビジョニング
Cisco CRA Server は、メディア パケットを IP ネットワーク上で送受信するために、リアルタイム トランスポート プロトコル(RTP)を使用します。CRA Engine が Cisco IP Telephony システムと通信できるようにするには、CRA Engine が RTP データの送受信に使用する RTP ポートを設定する必要があります。
CMT ダイアログを設定するには、次の手順に従います。
手順
ステップ 1 Cisco CRA Administration ページに接続します。
ステップ 2 CRA Administration のメイン メニューで、 Subsystems > Cisco Media を選択します。
Cisco Media Termination Dialog Group Configuration ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 Add a New CMT Dialog Group ハイパーリンクをクリックします。
2 番目の Cisco Media Termination Dialog Group Configuration ウィンドウが表示されます。
ステップ 4 自動生成されるグループ ID をそのまま使用するか、Group ID フィールドにグループ ID を入力します。
(注) このグループ ID は、すべてのメディア グループ識別子(ASR を含む)にわたって一意なものである必要があります。
ステップ 5 Tab キーを押して、Description フィールドに値を自動入力します。
ステップ 6 グループが利用できるチャネルの最大数を Maximum Number Of Channels フィールドに入力します。
ステップ 7 Add をクリックします。
Cisco Media Termination Dialog Group Configuration ウィンドウが表示されます。
新しい Cisco CallManager AutoAttendant の追加
JTAPI サブシステムを Cisco CRA Engine 上で設定したら、いずれかのサンプル スクリプトを使用してアプリケーションを作成し、Cisco CRA Engine を起動します。新しい Cisco CallManager AutoAttendant を追加するには、次の手順に従います。
ヒント CiscoCRA Application Administration を起動するには、Web ブラウザで http://サーバ名/AppAdmin を開きます。「サーバ名」は、アプリケーション サーバの DNS 名または IP アドレスです。このインターフェイスを使用する方法については、Help をクリックしてください。
手順
ステップ 1 CRA Administration のメイン メニューで、 Applications > Configure Applications を選択します。
Application Configuration ページが開きます。
ステップ 2 Application Configuration ページの Add a New Application リンクをクリックします。
Add a New Application ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 Next をクリックします。
Cisco Script Application ウィンドウが表示されます。
ステップ 4 アプリケーションの名前を Name フィールドに入力します。
ステップ 5 Description フィールドに値を自動入力するには、 Tab キーを押します。
ステップ 6 一意の ID を ID フィールドに入力します。履歴レポートでは、この ID でアプリケーションを識別します。
(注) ID はシステムによって自動生成されます。このため、フィールドに含まれている ID を使用することも、値を削除して新しい ID を入力することもできます。
ステップ 7 Maximum Number of Sessions フィールドに、このアプリケーションを同時に実行できるセッション最大数を入力します。
(注) Script と Default Script の選択内容に応じて、ウィンドウの表示が更新され、追加のフィールドとドロップダウン メニュー オプションが表示されます。
ステップ 8 Script ドロップダウンの矢印で、アプリケーションを実行するスクリプトを選択します。Cisco CallManager AutoAttendant のスクリプトは aa.aef です。
ステップ 9 Default Script ドロップダウン メニューで、 System Default をそのまま使用します。このデフォルト スクリプトは、設定したアプリケーション スクリプトにエラーが発生したときに実行されます。
ステップ 10 Add をクリックします。
次のメッセージが表示されます。
「The operation has been executed successfully」
ステップ 11 ダイアログボックスを閉じるには、 OK をクリックします。
関連項目
• 「新しい Cisco CallManager AutoAttendant の追加」
• 「Cisco CallManager AutoAttendant のカスタマイズ」
Cisco CallManager AutoAttendant のカスタマイズ
Cisco CallManager AutoAttendant には、録音済みのウェルカム プロンプトが添付されています。デフォルトでは、ユーザ名がアルファベット 1 文字ずつ読み上げられます。名前は発音されません。独自のウェルカム プロンプトと音声ユーザ名録音を追加することで、自動アテンダントをカスタマイズできます。次の項では、Cisco CallManager AutoAttendant のカスタマイズ方法について説明します。
• 「Cisco CallManager AutoAttendant インスタンスの設定変更」
• 「プロンプトの設定」
Cisco CallManager AutoAttendant インスタンスの設定変更
この項では、Cisco CallManager AutoAttendant の設定の変更について説明します。
ヒント CiscoCRA Application Administration を起動するには、Web ブラウザで http://サーバ名/AppAdmin を開きます。「サーバ名」は、アプリケーション サーバの DNS 名または IP アドレスです。このインターフェイスを使用する方法については、Help をクリックしてください。
手順
ステップ 1 CRA Administration のメイン ウィンドウで、 Applications > Configure Applications を選択します。
ステップ 2 設定対象となる Cisco CallManager AutoAttendant インスタンスをクリックします。
ステップ 3 変更可能な設定は、次のとおりです。
• Description:アプリケーションの説明。
• ID:アプリケーション ID。履歴レポートでは、この ID でアプリケーションを識別します。
• Maximum Number of Sessions:この自動アテンダントを同時に使用できる発信者の最大数。この数は、自動アテンダント用に作成した CTI ポートの数を超えることはできません。
• Enabled:自動アテンダントが動作しているかどうか。
• Script:アプリケーションを実行するスクリプト。
• welcomePrompt:自動アテンダントが電話に応答したときに、最初に再生されるプロンプト。プロンプトをアップロードする方法については、「ウェルカム プロンプトの設定」を参照してください。
• MaxRetry:エラーが発生した場合に、発信者が AA スクリプトのメイン メニューに戻される回数。デフォルトは 3 です。
• operExtn:オペレータが使用する電話の内線番号。
• Default Script:設定したアプリケーション スクリプトにエラーが発生したときに実行されるスクリプト。
ステップ 4 変更内容を保存するには、 Update をクリックします。
関連項目
• 「CTI ポート グループの追加」
• 「プロンプトの設定」
プロンプトの設定
Cisco CRA Application Administration の Media Configuration ページを使用して、Cisco CallManager AutoAttendant が使用するプロンプトの内容を変更できます。組織内の各人物の音声名をアップロードすることもできます。音声名をアップロードすると、自動アテンダントが発信者に通話相手の確認を求めたとき、発信者は、名前のアルファベットが 1 文字ずつ読み上げられるのではなく、音声で名前を聞くことができます。
次のトピックで、これらの機能のカスタマイズ方法について説明します。
• 「ウェルカム プロンプトの録音」
• 「ウェルカム プロンプトの設定」
• 「音声名のアップロード」
ウェルカム プロンプトの録音
Cisco CallManager AutoAttendant には、録音済みの汎用ウェルカム プロンプトが添付されています。自動アテンダントをカスタマイズして、組織での要件を満たす特定の役割を持つものにするには、ウェルカム プロンプトを独自に録音する必要があります。必要なファイル形式でプロンプトを保存できるソフトウェアであれば、任意のレコーディング ソフトウェアを使用してウェルカム プロンプトを録音できます。作成する Cisco CallManager AutoAttendant インスタンスごとに、それぞれ異なるウェルカム プロンプトを録音できます。
このトピックでは、Microsoft サウンド レコーダーを使用してウェルカム プロンプトを録音する方法について説明します。プロンプトは、CCITT(mu -law) 8KHz、8 ビット、モノラル形式の .wav ファイルとして保存します。サウンド レコーダーを使用するには、システムにマイクロフォンとスピーカが装備されている必要があります。
手順
ステップ 1 サウンド レコーダー ソフトウェアを起動します。たとえば、 [スタート] > [プログラム] > [アクセサリ] > [エンターテイメント] > [サウンド レコーダー] を選択します。
ステップ 2 [録音] ボタンをクリックし、グリーティングをマイクロフォンに向かって読み上げます。
ステップ 3 グリーティングをすべて読み上げたら、 [停止] ボタンをクリックします。
ステップ 4 グリーティングを次の手順で確認します。
a. [巻き戻し] ボタン([最初に巻き戻し]とも言います)をクリックするか、スライダを録音内容の先頭までドラッグする。
b. [再生] ボタンをクリックして、録音内容を再生する。良好な録音を得られるまで、グリーティングの録音を繰り返します。
ステップ 5 良好なグリーティング録音を得ることができたら、録音内容を保存します。
a. [ファイル] > [名前を付けて保存] を選択します。
b. レコーディング オプションを設定するには、 [変更] をクリックします。この設定画面は、サウンド レコーダーの[ファイル]メニューから [プロパティ] を選択することでも表示できます。次のオプションを選択します。
• サウンド名: [無題] を選択します。
• 形式: CCITT mu-law を選択します。
• 属性: 8.000 kHz、8 ビット、モノラル、7 kb/秒 を選択します。
[名前を付けて保存] をクリックし、フォーマットの名前を入力してこれらの設定を保存しておくと、設定を後で再使用できます。
c. [サウンドの選択]ウィンドウを閉じるには、 OK をクリックします。
d. ファイルの保存先ディレクトリを参照し、ファイル名を入力して、 [保存] をクリックします。ファイルの拡張子には、.wav を使用します。
関連項目
• 「プロンプトの設定」
• 「ウェルカム プロンプトの設定」
ウェルカム プロンプトの設定
Cisco CallManager AutoAttendant が使用できるウェルカム プロンプトは、Cisco CRA Engine に保存されているものだけです。カスタマイズしたウェルカム プロンプトを使用するように自動アテンダントを設定するには、プロンプトをサーバにアップロードし、適切な Cisco CallManager AutoAttendant インスタンスを設定します。
ヒント CiscoCRA Application Administration を起動するには、Web ブラウザで http://サーバ名/AppAdmin を開きます。「サーバ名」は、アプリケーション サーバの DNS 名または IP アドレスです。このインターフェイスを使用する方法については、Help をクリックしてください。
手順
ステップ 1 CRA Administration のメイン メニューで、 Tools > Prompt Management を選択します。
Prompt Management ウィンドウが表示されます。
(注) 新しいユーザ プロンプトを追加する前に、.wav ファイルのソース フォルダを作成する必要があります。Create Folder を使用して、ソース フォルダを作成してください。
ステップ 2 Language Directory ドロップダウン メニューで特定の言語、およびプロンプトのアップロード先となるディレクトリを選択します。
ステップ 3 次の手順に従って、新しいプロンプトを追加します。
a. Add a new prompt ハイパーリンクをクリックします。
Prompt File Name ダイアログボックスが表示されます。
b. Choose file ダイアログボックスを開くには、 Browse... をクリックします。
c. ソース .wav ファイルのあるフォルダに移動して、Cisco CRA Engine にアップロードする .wav ファイルをダブルクリックします。
d. Destination File Name フィールドをクリックして、選択した内容を確認します。
e. .wav ファイルをアップロードするには、 Upload をクリックします。
アップロードが正常に終了したことを示すメッセージが表示されます。
f. Return to Prompt Management ハイパーリンクをクリックします。
ウィンドウの内容が更新され、Prompt Management ウィンドウにファイルが表示されます。
ステップ 4 次の手順に従って、既存のプロンプトを新しい .wav ファイルに置き換えます。
a. 変更対象となるプロンプトの、Upload カラムにある矢印をクリックします。
Choose file ダイアログボックスが開きます。
b. 既存のプロンプトから置き換えて使用する .wav ファイルの名前を入力します。
c. .wav ファイルとプロンプト名の情報を入力したら、 Upload をクリックします。
関連項目
• 「ウェルカム プロンプトの録音」
• 「音声名のアップロード」
音声名のアップロード
Cisco CallManager AutoAttendant は、発信者に対して、入力内容に一致する複数の名前から選択するように求めるときや、当該の通話相手に接続するかどうかを確認するように求めるとき、デフォルトでは通話相手の名前のアルファベットを 1 文字ずつ読み上げます。音声名をシステムにアップロードすると、1 文字ずつ読み上げる代わりに、音声で名前が再生されるようになります。
ユーザが発声した Cisco CallManager 音声名をアップロードするには、次の手順に従って各ユーザの .wav ファイルをディレクトリにアップロードします。
手順
ステップ 1 ユーザに対して、「ウェルカム プロンプトの録音」で説明されている方法に従って名前を録音し、ファイルを「 ユーザ ID .wav 」という名前で保存するように要請します。「 ユーザ ID 」は、各ユーザのユーザ名です。
ステップ 2 Cisco CRA Administration ページに接続します。
ステップ 3 CRA Administration のメイン メニューで、 Tools > Spoken Name Upload を選択します。
Spoken Name Prompt Upload ウィンドウが表示されます。
ステップ 4 User Id* フィールドにユーザ ID を入力します。
ステップ 5 音声名 .wav ファイルが含まれているパスを Spoken Name (.wav)* フィールドに入力します。または、 Browse をクリックして、音声名 .wav ファイルが含まれているディレクトリを参照します。
ステップ 6 ファイルをアップロードするには、 Upload をクリックします。
関連項目
「ウェルカム プロンプトの設定」