アラート メッセージ
BACC のアラートは、UNIX の syslog サービスを通して生成されます。syslog は、UNIX 上で情報のロギングを管理するためのクライアント/サーバ プロトコルです。BACC の syslog アラートは、ロギング サービスではありません。問題が発生した場合には通知されますが、問題の原因がいつも特定されるとは限りません。この情報が該当する BACC ログ ファイルに書き込まれる場合もあります。
メッセージ形式
BACC によって生成されるアラート メッセージの形式は次のとおりです。
XXX-#-####: <Message>
内容は次のとおりです。
• XXX:ファシリティ コードを表します。次のようなコードがあります。
–RDU(Regional Distribution Unit)
–DPE(Device Provisioning Engine)
–AGENT(rduSnmpAgent または dpeSnmpAgent)
–NR_EP(Network Registrar 拡張ポイント)
–KDC
• #:使用されている重大度のレベルを表します。アラートは、1(アラート)、3(エラー)、6(情報メッセージ)という 3 つのレベルがあります。
• ###:数字のエラー コードを表します。詳細については、次の項を参照してください。
• <Message> :アラートのテキスト(メッセージ)を表します。
RDU のアラート
RDU の syslog アラートが送信されるたびに、追加の詳細が <BACC_DATA>/rdu/logs/rdu.log というログ ファイルに書き込まれます(追加の詳細がある場合)。 表A-1 は、RDU のアラートを示します。
表A-1 RDU のアラート
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RDU-1-101: RDU ran out of disk space |
このアラートは、RDU サーバが使用するハード ドライブのパーティションに、空き領域が不足していることを示します。必要に応じて、ログ ファイルを削除または圧縮してください。 ディスクのアップグレードの詳細については、 第 12 章「Broadband Access Center for Cable がサポートするツールと高度な概念」 を参照してください。 |
RDU-1-103: RDU ran out of memory |
このアラートは、RDU のメモリが不足していることを示します。 |
RDU-1-111: Evaluation key for technology [<technology_name>] expired |
このアラートは、指定したテクノロジーの評価キーの期限が満了していることを示します。シスコの営業担当または TAC にお問い合せのうえ、新しいライセンス キーを入手してください。 |
RDU-1-115: You have used [<percent>] % of available [<technology_name>] licenses. |
このアラートは、ライセンスの総許容数のうち使用されているライセンスの数をパーセントで示します。このアラートは、ライセンスの総許容量の 80% に達したときに初めて生成されます。 |
BPR-RDU-4-1140: DNS took [X] seconds for lookup of address [10.0.0.1/test.com]; Check DNS configuration and health of servers |
このアラートは BACC のパフォーマンスが低下していることを示します。このアラートは、IP アドレスのループ アップが 60 秒を上回るたびに生成されます。 |
Solaris DPE のアラート
DPE の syslog アラートが送信されるたびに、追加の詳細が DPE ログに書き込まれます。
DPE ログにアクセスするには、 show log コマンドを使用します。詳細については、『 Cisco Broadband Access Center for Cable Command Line Reference 』を参照してください。
DPE エラーの中には、RDU サーバのログ ファイルに伝播されるものもあります。これらのエラーは、<BACC_DATA>/rdu/logs/rdu.log ファイルで確認できます。 表A-2 は、Solaris DPE のアラートを示します。
表A-2 DPE のアラート
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DPE-1-102: DPE ran out of disk space |
このアラートは、DPE のハード ドライブに空き領域がないことを示します。次の 3 段階の解決方法があります。 a. ディスクに常駐する過剰のサポート バンドルをクリアします。そうするには、不要なサポート バンドルを別のコンピュータへ移動した後、DPE の CLI から clear bundles コマンドを実行します。 b. DPE の CLI から clear logs コマンドを実行して、さらにディスク領域をクリアします。 c. 最後の手段として、DPE CLI の clear cache コマンドを実行します。この結果、すべてのキャッシュ ファイルが削除され、DPE では RDU サーバとの再同期化が必要となります。 |
DPE-1-104: DPE ran out of memory |
このアラートは、DPE プロセスのメモリが不足していることを示します。 DPE に存在するデバイス構成の数を確認します。デバイス構成が多いほど、使用されるメモリは多くなります。デバイス構成の数を減らすには、DPE がサービスするプロビジョニング グループ(プライマリまたはセカンダリ)の数を制限します。 |
DPE-1-109: Failed to connect to RDU |
このアラートは、RDU に接続できないことを示します。次の作業を行う必要があります。 a. DPE ネットワークが正しく構成および接続されていることを確認します。 b. dpe rdu-server コマンドを使用して、DPE が正しい RDU に接続するよう構成されていること、および接続ポートが正しく構成されていることを確認します。 c. RDU プロセスが正しいサーバで実行され、正しいポートで受信されていることを確認します。RDU への接続が確立されるまで、数秒ごとに DPE から RDU プロセスへの再接続が試行されます。 |
エージェントのアラート
ウォッチドッグ エージェントのプロセスによって syslog アラートが送信されるたびに、エラーの詳細が <BACC_DATA>/agent/logs/ agent_console.log ファイルに書き込まれます(エラーの詳細がある場合)。また、アラートで言及されている特定のコンポーネントに対応したログ ファイルにも出力されます。たとえば、 The [rdu] unexpectedly terminated のようなアラートを予期せず受信した場合は、RDU サーバのログ ファイル(<BACC_DATA>/rdu/logs/rdu.log)で追加の情報を確認します。 表A-3 はエージェントのアラートを示します。
表A-3 エージェントのアラート
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AGENT-3-9001: Failed to start the [<component>] |
このアラートは、プロセスが指定したコンポーネントの開始に失敗したことを示します。 |
AGENT-3-9002: The [<component>] unexpectedly terminated |
このアラートは、エージェント プロセスで監視されていた特定のコンポーネントが、不意に失敗したことを示します。 |
AGENT-3-9003: Failed to stop the [<component>] |
このアラートは、エージェントが通常終了しようとしたコンポーネントが停止しなかったことを示します。 |
AGENT-6-9004: The [<component>] has started |
このアラートは、エージェントによってコンポーネントが正常に開始されるたびに生成されます。 |
AGENT-6-9005: The [<component>] has stopped |
このアラートは、ウォッチドッグ エージェントを通してコンポーネントが正常に終了するたびに生成されます。このメッセージは情報の提供のみを目的としています。 |
表A-3 でエージェントのアラート リストに示された [<component>] 変数は、次のコンポーネント値のいずれかを表します。
• rdu
• dpe
• jrun
• rduSnmpAgent
• dpeSnmpAgent
• kdc
Network Registrar 拡張ポイントのアラート
BAC の Network Registrar 拡張ポイントの syslog アラートが送信されるたびに、追加の詳細が Network Registrar のログ ファイルに書き込まれます。
表A-4 Network Registrar 拡張ポイントのアラート
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NR_EP-1-106: Failed to connect to RDU |
このアラートは、Network Registrar サーバから RDU に接続できないことを示します。RDU プロセスが実行されているかどうかを確認し、まだ実行されていない場合は RDU を開始します。 RDU が実行されている場合は、Network Registrar コンピュータを使用して RDU の PING を実行します。RDU の PING を実行できない場合は、2 つのデバイス間のルーティング テーブルや他の通信パラメータを修正します。 このアラートが頻繁に繰り返される場合は、2 つのホスト間の接続が不安定になっている可能性があります。一般に認められたネットワークのトラブルシューティング テクニックを使用して、2 つのホスト間の接続性を改善してください。 |
NR_EP-1-107: Failed to connect to any DPEs |
このアラートは、Network Registrar 拡張から DPE に接続できないことを示します。 プロビジョニング グループの DPE が Network Registrar 拡張ごとに存在するかどうかを確認します。DPE がプロビジョニング グループに存在しない場合は、Network Registrar のプロビジョニング グループを DPE が利用可能なものに変更します。DPE がプロビジョニング グループに存在する場合は、Network Registrar 拡張が RDU に登録されていることを確認します。登録されていない場合、DPE は認識されません。 チェックが完了した後もアラートが継続する場合は、プロビジョニング グループの Network Registrar 拡張と DPE との間でネットワークの接続性を確認します。 このアラートが頻繁に繰り返される場合は、2 つのホスト間の接続が不安定になっている可能性があります。一般に認められたネットワークのトラブルシューティング テクニックを使用して、2 つのホスト間の接続性を改善してください。 |
NR_EP-6-108: The BACC NR extensions have started |
このアラートは、Network Registrar 拡張が起動したことを示します。 |
NR_EP-6-109: The BACC NR extensions have stopped |
このアラートは、Network Registrar 拡張が停止したことを示します。 |
NR_EP-6-110: Registered with RDU [address and port] |
このアラートは、Network Registrar 拡張が RDU に登録されたことを示します。 [address and port] は、Network Registrar 拡張が登録された RDU のアドレスを表します。 |
CCM による RDU エラーメッセージ
この項で説明する RDU エラー メッセージには、示された問題を是正するために行う対応策があります。これらのエラー メッセージは rdu.log ファイルにあり、リース予約機能による直接の結果です。そのため、Network Registrar の地域別 CCM 機能を使用していない場合、これらのエラー メッセージは表示されません。
BACC 2.7 では、リース予約に関連する次のような 3 種類のエラー メッセージが生成されます。
• 予約要求を追加できなかったことによる失敗。これらのメッセージの前に、次の情報が表示されます。この情報によって、エラーに関するいくつかの要素が特定されます。
rdu.cisco.com: 2005 02 09 13:25:11 EST: %BPR-RDU-3-1146: PACE-13: Failed to add reservation [10.10.10.1] for [1,6,03:03:14:00:00:21] using client-class [unprovisioned-docsis] and selection-tag [NULL]; [AddReservation: FORWARD_FAILED]
• 予約要求を削除できなかったことによる失敗。これらのメッセージの前に、次の情報が表示されます。この情報によって、エラーに関するいくつかの要素が特定されます。
rdu.cisco.com: 2005 02 09 13:25:11 EST: %BPR-RDU-3-1147: Failed to remove reservation [10.10.10.1] for [1,6,03:03:14:00:00:21];
• 選択基準の除外タグ エラー。これらのメッセージの前に、次の情報が表示されます。この情報によって、エラーに関するいくつかの要素が特定されます。
rdu.cisco.com: 2005 02 09 13:25:11 EST: %BPR-RDU-4-1145: The use of selection-criteria exclusion tags [black] is not allowed when adding a lease reservation. They will be ignored.
上記の例で、表示される内容は次のとおりです。
• rdu.cisco.com:RDU FQDN を表します。
• 2005 02 09 13:25:11 EST:エラーが発生した日時を表します。
• %BPR-RDU-#-####:RDU のエラー番号(#)とエラー メッセージ ID(####)を表します。
• [10.10.10.1]:予約する IP アドレスを表します。
• [1,6,03:03:14:00:00:21]:IP アドレスの予約を試みている MAC アドレスを表します。2 番目の例は、BACC が可変長の MAC アドレスをサポートすることを示しています。
これらの各例には、エラーの一般的な説明の他、Network Registrar から返される追加のエラー メッセージが含まれます。
次の項では、BACC によって生成されるエラー メッセージについて説明します。
[OBJECT_EXISTS]
ユーザが MAC アドレス [1,6,03:03:14:00:00:21] で [11.100.14.21] を予約しようとしていますが、重複する IP を使用したため予約要求が失敗しました(IP はデータベース内の別のデバイスによってすでに予約されている)。
対応策:
別の IP アドレスを使用するか、または目的の IP アドレスを解放します。
[RemoveReservation: NOT_FOUND]
ユーザが MAC デバイス [1,1,35] で予約 [11.100.0.103] を削除しようとしていますが、CCM データベースに予約がないため要求は失敗しました。つまり、CCM はデータベースでこの予約を検出できません。
対応策:
予約が CCM データベースに存在することを確認します。
[AddReservation: INVALID_PARENT]
CCM が予約の IP アドレスに対応するスコープを検出しなかったことを意味します。ローカル CCM では、予約が含まれる可能性のあるスコープを検出する必要があります。予約された IP がスコープの範囲外にある場合、CCM によってこのエラー メッセージが表示されます。存在しないサブネットまたはスコープに予約を追加しようとすると、このエラー メッセージが表示されます。
対応策:
DHCP サーバ構成(スコープ、サブネットなど)を再確認します。
[AddReservation: INVALID_SECOND_PARENT]
このメッセージを返すのは、ローカル CCM だけです。予約が含まれる可能性のあるスコープは、設定に存在しないという意味です。DHCP サーバ構成(スコープ、サブネットなど)を再確認します。
地域別のクラスタに存在するサブネットに予約を追加しようとして、そのようなスコープまたはサブネットがローカル クラスタに存在しない場合、このエラーが表示されます。
または、予約された IP アドレスと、一致するクライアントクラス/選択タグ基準の両方が含まれるスコープを CCM で検出できません。
対応策:
DHCP サーバ構成(スコープ、サブネット、クライアントクラス、選択タグなど)を再確認します。
[AddReservation: FORWARD_FAILED]
地域別の CCM が予約要求をローカル CCM に転送できませんでした。これは、予約された IP アドレスと、一致するクライアントクラス/選択タグ基準の両方が含まれるスコープを CCM で検出できないときに発生します。
次の 2 つの使用例で、このエラーの潜在的な原因に対するソリューションを説明します。
事例 1:
3 つのスコープ A、B、C があり、スコープ A は赤色と灰色、スコープ B は青色と赤色、スコープ C は青色と緑色、というアトリビュートおよびタグを持つものとします。AddReservation API コールで赤色および灰色タグの包含を指定しても、要求された IP アドレスを含むスコープはスコープ B になります。
このような状況になると、予約要求が失敗し、このエラーが rdu.log ファイルに記録されます。
対応策:
同じセットアップまたは設定を使用しますが、AddReservation API コールが上で説明した赤色および灰色タグではなく、赤色タグのみの包含を指定するように修正します。この処理は正常に行われて、IP アドレスを含むスコープのうち、すべての選択タグと一致するスコープが使用されます。
(注) この例でデバイスは、スコープ B から予約を取得することになります。
事例 2:
3 つのスコープ A、B、C があり、スコープ A は赤色、スコープ B は青色、スコープ C は緑色、というアトリビュートおよびタグを持つものとします。また、AddReservation API コールはクライアントクラス test1 を指定し、Network Registrar は緑色の選択基準を持つ test1 を定義し、要求される IP はスコープ B に含まれるものとします。
このような状況になると、予約要求が失敗し、このエラーが rdu.log ファイルに記録されます。
対応策:
同じセットアップまたは設定を使用しますが、test1 クライアントクラスを青色の選択基準で
Network Registrar に設定し直します。これによって、IP アドレスを含むスコープのうち、すべての選択タグと一致するスコープが使用されるように、問題が是正されます。
[AddReservation: AX_ETIME]
予約要求のタイムアウトが発生したことを示します。これは CCM が過負荷状態、またはタスクと要求でビジー状態になっていて、予約要求を処理できなかったことにより、発生した可能性があります。
対応策:
管理者のユーザ インターフェイスを使用して、より長いタイムアウト値を設定します。予約要求の発行については、「RDU Defaults」を参照してください。
[AddReservation: INVALID_OBJECT]
MAC アドレスが無効、IP アドレスが見つからない、無効なクライアントクラス名か選択タグが指定されたなどの理由で、予約自体が無効でした。
対応策:
予約要求の MAC アドレス、IP アドレス、クライアントクラス、選択タグなどを確認します。
Selection-criteria exclusion tags will be ignored
リース予約の追加時に、選択基準の除外タグ [black] は使用できません。除外タグは無視されます。
対応策:
選択基準の除外タグは使用できないため、DHCP 基準に選択基準の除外タグを設定しないでください。
[AX_EIO]
これは、RDU と CCM 間の接続またはセッションが切断されていることを示します。
対応策:
このエラーが発生した場合、ユーザが対応する必要はありません。RDU によって自動的に CCM への別の接続が確立されます。
[AX_EPIPE]
これは、RDU と CCM 間の接続またはセッションが切断されていることを示します。
対応策:
このエラーが発生した場合、ユーザが対応する必要はありません。RDU によって自動的に CCM への別の接続が確立されます。