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この章では、Real Time Streaming Protocol(RTSP)環境に対応する Cisco TV コンテンツ デリバリ システム について簡単に説明します。この章では、主に次のトピックについて取り上げます。
• 「概要」
Cisco TV コンテンツ配信システム(CDS)は、加入者にパーソナライズされたエンターテインメントおよびインタラクティブ メディアを提供するために、互いに連携するコンテンツ配信アプリケーション(CDA)を実行するコンテンツ配信エンジン(CDE)の分散型ネットワークです。
Cisco TV CDS には、コンテンツを配信し、配信を高速化するさまざまなメカニズムがあります。CDS は電子番組ガイド(EPG)、セットトップ ボックス(STB)、およびビデオ伝送システムのエンドツーエンド ソリューションを提供するバックオフィスのアプリケーションを相互運用します。
Cisco TV CDS 機能は、5 つの領域に分割できます。
CDS の各 CDE は、これらの機能のうち CDE 上で実行される CDA で決定された 1 つ以上の機能を担当します。 表 1-1 に、TV Content Delivery System Manager(CDSM)が使用する名前と CDA の名前との関係を示します。
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図 1-1 に、TV CDS ネットワークを展開する方法を示します。一般にバックオフィスと呼ばれるビジネス管理システム(BMS)では、サービス プロバイダーはビデオ オン デマンド(VOD)サーバ、ネットワーク、課金システムおよびその他のシステム コンポーネントを使用してオンデマンド サービスを展開できます。アセット マネジメント システム(AMS)は、BMS がピッチングとキャッチングに関する機能を処理している間に、ヘッドエンドおよびノード サーバのコンテンツを管理します。BMS と AMS との間で一部の機能が重複する場合があります。
Vault および Streamer のアレイによる CDS と、Vault、Caching Node、および Streamer のアレイによる仮想ビデオ インフラストラクチャ(VVI)の 2 種類のシステムが TV CDS で使用できます。CDSM は、CDS 内の Vault および Streamer を管理します。VVIM は、中央集中型管理により VVI 内の Vault、Caching Node、および Streamer を管理します。ネットワーク設計と VVI 管理の詳細については、「TV CDS トポロジおよび VVI トポロジ」を参照してください。図 1-1 に、CDS および VVI 両方の概要を示します。
図 1-1 コンテンツ デリバリ システム および仮想ビデオ インフラストラクチャのシステム概要図
Cisco TV CDS ソリューションには、3 つの主要な要素があります。
• 1 つ以上の Vault サーバで構成されている Vault アレイ。Vault アレイは、ビデオ オン デマンド(VOD)コンテンツの取り込みと信頼性の高い保管を実行します。Vault アレイ内の Vault サーバ数は、システムが提供するコンテンツ量および冗長性の程度によって決定されます。
• 1 つ以上の Streamer サーバによってそれぞれ構成された 1 つ以上の Streamer アレイ。Streamer アレイは、ユーザ要求に応じてコンテンツのパーソナライズおよびストリーミングを実行します。Streamer サーバと Streamer アレイの数は、導入されたストリーム数と各ネットワークと冗長性の要件に最適なトポロジによって決まります。
• CDSM サーバ。Content Delivery System Manager は、Vault および Streamer サーバを管理し、イベント ログを収集し、レポート ツールを提供するために使用されます。
(注) 小型システムでは、Vault と Streamer の機能を 1 台のサーバに搭載した、統合 Streamer-Vault(ISV)サーバが使用できます。
Cisco TV VVI ソリューションには、4 つの主要な要素があります。
• 1 つ以上の Vault で構成された 1 つ以上の Vault Group。Vault は、VOD コンテンツの取り込みと信頼性の高い保管を実行します。Vault グループ内の Vault 数および Vault Group 数は、システムが提供するコンテンツ量および冗長性の程度によって決定されます。
• 1 つ以上の Caching Node で構成された 1 つ以上の Cach Group。Caching Node は Vault と Streamer 間の階層として動作することで、多層の仮想ビデオ インフラストラクチャ(VVI)の設計での柔軟性を提供します。Caching Node は、コンテンツ配信を容易にし、ネットワーク バックボーンから配信トラフィックを削減します。
• 1 つ以上の Streamer によってそれぞれ構成された 1 つ以上の Stream Group。Stream Group は、ユーザ要求に応じてコンテンツのパーソナライズおよびストリーミングを実行します。Streamer と Stream Group の数は、導入されたストリーム数と各ネットワークと冗長性の要件に最適なトポロジによって決まります。
• CDSM は同じアレイの Vault、Streamer、および Caching Node を管理し、イベント ログを収集し、レポート ツールを提供するために使用されます。分割ドメイン管理システムの設定では、すべての Streamer を管理する Stream Manager と、すべての Vault および Caching Node を管理する Virtual Video Infrastructure Manager(VVIM)があります。
CServer と呼ばれる Cisco TV CDS のカーネル ソフトウェアは、1 つのリソースのようにネットワーク全体が動作し管理できるように、CDE の物理リソースをプール、ロード バランス、および調整する論理ネットワークを作成します。
CServer は必要な帯域幅を最小限に維持しながら、Vault と Streamer 間のコンテンツの高速移動を容易にします。そのために、Cisco TV CDS ソフトウェアはギガビット イーサネット ネットワーク上で独自のプロトコル(Cache Control Protocol(CCP))を使用します。すべてのコンテンツは Vault サーバ上に確実に保持され、Streamer サーバでも大量のコンテンツが保持されます(すべてのコンテンツが保持されるわけではありません)。多層のキャッシング アーキテクチャである Cisco CCP は、関連するソフトウェア アルゴリズムを使用してコンテンツのセグメントがそのコンテンツの要求がある Streamer だけに配信されるようにします。TV CDS ソフトウェア モニタは、ユーザ要求の頻度をモニタし、ダイナミック ランダム アクセス メモリ(DRAM)またはサービス提供中の Streamer 上のディスク キャッシュにコンテンツを適切に配置します。
コンテンツは、帯域幅の可用性を考慮しながら、Streamer からのキャッシュフィル コールに応じて、タイミングよくネットワーク全体に配布されます。配信は、帯域幅が十分にあればリアルタイム配信よりも高速です。TV CDS ソフトウェアが Streamer サーバに保持するコンテンツは、常に最も人気があるコンテンツになります。つまり、最も多くの加入者に要求されたコンテンツです。ユーザ要求には、通常 Streamer のキャッシュを返します。Streamer のローカル キャッシュに存在しないコンテンツの要求は、Vault から取り出されて Streamer でキャッシュされ、加入者にストリーミングされます。再生に関しては、コンテンツが格納されている場所にかかわらず、すべてのコンテンツは Streamer に対してローカルで、コンテンツのストリーミングがほぼ即時に実行されるように見えます。
Caching Node は Streamer の中間フィル ソースです。Caching Node は仮想ビデオ インフラストラクチャ(VVI)に配置されます。VVI は配置タイプの TV CDS です。CDS では、サーバは他のグループのサーバと通信できません。VVI では、別々のグループのサーバが必要に応じて相互に通信できます。Streamer および Caching Node は、他のグループ内のフィル ソースを動的に検出します。Streamer は、ローカル(DRAM、ディスク キャッシュ、またはピアの Streamer)でないコンテンツのリモート サーバ(他の Stream Group の Streamer および Caching Node)にキャッシュフィル コールを送信します。VVI では、Caching Node は Streamer と CCP または HTTP を使用して通信できます。Caching Node の CCP Streamer および HTTP Streamer とのインターフェイス接続の詳細については、「Caching Node のワーク フロー」を参照してください。
新しいストリームがグループの最適な Streamer に分散されるようにするために、各 Stream Group はメンバー間で負荷分散プロトコルを使用します。最適な Streamer は、最もパフォーマンスが高いキャッシュ リソース(DRAM またはディスク)内に要求されたコンテンツを持つ Streamer か、容量が最も使用されていない Streamer です。このようにして、新しい Streamer は中断なく運用に組み込まれます。これは、新しいサーバがサービス提供を開始すると、新しいストリームが自動的に新しいサーバに割り当てられるためです。さらに、グループのキャッシュ容量はグループ内のすべての Streamer のキャッシュの合計となり、最適なシステム動作と最高のキャッシュ ヒット率を実現します。
CServer が提供するサービスを利用して、CServer 上で、さまざまなアプリケーションがパーソナライズされたエンターテインメント サービスを配信します。シスコは現在、次のアプリケーションを提供しています。
• VOD およびネットワーク パーソナル ビデオ レコーダ(nPVR)サービスを提供する TV Streamer
• アセットベースおよびリアルタイムのコンテンツの取り込みおよびワークフローに関するタスクのスケジュールを簡素化する TV MediaX Suite
完全な TV CDS ネットワークでは、Vault、TV Streamer、および CDSM が必要です。TV MediaX Suite はオプションの CDA です。小規模な TV CDS ネットワークでは、ISV を Vault および TV Streamer の代わりに使用できます。
TV Stream CDA は VOD 配信システムに使用されます。TV Streamer は、コンテンツのパーソナライズおよび加入者のコントロールによるコンテンツの再生を実行します。
TV MediaX Suite CDA は、アセットベースおよびリアルタイムのコンテンツの両方に対する、コンテンツ取り込みワークフローとタスクのスケジュールを簡素化する一連のツールを提供します。TV MediaX Suite CDA は次の機能で構成されます。
• Publisher:暗号化済みのコンテンツの取り込みを調整します。
• Scheduler:リアルタイムのコンテンツをスケジュールするか、電子番組ガイド(EPG)からスケジュールをインポートします。
Vault および Streamer には、それぞれに TV CDS ソフトウェアを効率的に動作させるために必要となる重要な機能があります。統合 Streamer-Vault(ISV)サーバは、小規模ネットワークを対象に Vault および Streamer の両方の機能を組み合わせたサーバです。Content Delivery System Manager は、TV コンテンツ デリバリ システム ソリューションの設定、モニタリング、メンテナンス、およびレポート作成を実行するブラウザベースのユーザ インターフェイスを提供します。VVI では、Caching Node は多層の VVI キャッシュに対応する純粋なキャッシング レイヤが追加されます。図 1-2 に、Caching Node の追加に加え、TV コンテンツ デリバリ システム および TV 仮想ビデオ インフラストラクチャのさまざまな要素を示します。
図 1-2 コンテンツ デリバリ システム および仮想ビデオ インフラストラクチャの概要図
表 1-2 で、図 1-2 に示されているシステム要素について説明します。
Vault は、(FTP を使用してキャッチャーからコンテンツを受信するなどして)標準インターフェイス上で配信されるコンテンツを取り込み、(トリックプレイ ファイルの生成など)要求された処理をすべて実行し、処理されたコンテンツをディスクに高い信頼性で格納します。Vault Group は、スケーラブルな Vault で構成され、グループのメンバー間で取り込みおよびストレージの役割を分担しています。Vault サーバは同じ場所に配置するか、または IP またはイーサネット ネットワーク上の複数の場所に分散できます。各 Vault は同時に最大 160 チャネルの MPEG-2 トランスポート ストリーム(TS)コンテンツを取り込み、最大 6000 時間の MPEG-2 TS 標準画質コンテンツ、2 個のコンテンツのミラー コピー、および 1 個または 2 個のトリック ファイルを格納できます。
Streamer サーバは Vault からコンテンツを受信し、加入者にそのコンテンツを配信します。Streamer はネットワークのニーズによって容量が異なり、配信されているコンテンツのタイプによって異なるアプリケーションを保持しています。現在、最大容量の Streamer は MPEG-2 TS 標準画質 VOD を約 2500 ストリーム同時にストリーミングできます。Streamer は Vault と併設するか、またはリモート ロケーションに分散できます。Stream Group は、ユーザ要求に応じてコンテンツのパーソナライズおよびストリーミングを実行します。Cisco ISM(総合サービス モジュール)ライン カードは、Streamer として設定することができます。
Caching Node は Vault から Streamer にコンテンツを配信しやすくするために 10 Gbps スループットを提供します。Caching Node は、CDS の階層ベースの階層を作成する機能を利用できます。Caching Node は VVI に配置されます。Vault は全国ネットワークでコンテンツを格納するために戦略的に配置できる一方、Streamer は地域ネットワーク内に配置されます。Caching Node は Vault と併設するか、または IP またはイーサネット ネットワークで地域の近くに分散できます。Cache Group は、グループ メンバー間で配信の役割を分担する Caching Node で構成されます。
Caching Node は CCP を使用して、Vault および Streamer と通信します。また、Caching Node は CCP の代わりに Streamer との通信に HTTP を使用できます。
統合 Streamer-Vault(ISV)サーバは、Vault および Streamer の両方の機能を 1 台のサーバで提供します。
ISV サーバは標準インターフェイス上で配信されるコンテンツを取り込み、要求された処理をすべて実行し、処理されたコンテンツをディスクに高い信頼性で格納します。ISV アレイはスケーラブルな ISV サーバで構成され、グループのメンバー間で取り込み、ストレージ、およびストリーミングの役割を分担しています。
Content Delivery System Manager(CDSM)および Virtual Video Infrastructure Manager(VVIM)は、Web ブラウザ プログラムがアクセスできるブラウザベースのユーザ インターフェイスで、TV CDS または TV VVI ネットワークを管理できるように設計されています。
CDSM は、TV CDS に設定、モニタリング、トラブルシューティング、レポート作成、およびメンテナンスを含む集中管理機能を提供します。
VVIM は、TV VVI に設定、モニタリング、トラブルシューティング、レポート作成、およびメンテナンスを含む集中管理機能を提供します。中央集中型ドメイン管理設定の VVIM は Vault、Caching Nodes、および Streamer を管理します。分割ドメイン管理設定の VVIM は Vault および Caching Node を管理し、Streamer は Stream Manager が管理します。分割ドメイン管理の詳細については、「TV VVI 管理」を参照してください。
CDS、VVI の両方で、すべての Vault および Streamer は、アレイ ID、グループ ID、およびサーバ ID で識別されます。CDSM GUI では、アレイ ID は、同じシステム内のサーバを識別し、グループ ID は同じグループ(Vault Group または Stream Group)内のサーバを識別し、サーバ ID はサーバを識別する一意の番号になります。 表 1-3 に、CDSM GUI ID の名前と、setupfile および .arroyorc ファイル内の CServer 名とのマッピングを示します。
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CCP Streamer が存在する VVI では、CDS と同様に、すべての Vault、Streamer、および Caching Node がアレイ ID、グループ ID およびサーバ ID で識別されます。CCP の Streamer が存在する VVI のグループ ID とサーバ ID は、同じシステムの他のグループとサーバ間で一意でなければなりません。
HTTP Streamer が存在する VVI でも、Vault、Streamer、および Caching Node は識別にアレイ ID、グループ ID およびサーバ ID を使用しますが、Caching Node が HTTP を使用して Streamer と通信しながら、Vault および Caching Node が CCP を使用して通信できるようにする追加機能があります。グループ ID およびサーバ ID が一意である必要はありませんが、一意にすることを推奨します。
CDSM と VVIM(および Stream Manager)には、システム、アレイ、およびサーバの 3 つの設定およびモニタリング レベルがあります。システム全体の設定は、マネージャが管理するすべてのサーバに影響します。アレイレベルの設定は指定アレイまたはグループのすべてのサーバに影響し、サーバレベルの設定は特定のサーバに変更を適用します。
CDSM および VVIM はドリルダウン アプローチで任意のストリームまたは取り込みポイントのステータス、またはハードウェアの任意の箇所の物理ステータスを表示します。
CDSM レポートにより、オペレータは TV CDS のあらゆる面を管理しやすくなります。ストリーム トラフィックの情報、コンテンツの統計情報、およびサーバ データをネットワークのすべてのサーバから収集し、自動的に関係を比較します。この比較では、ネットワーク ステータスの概要が表示され、各サービス グループのコンテンツの使用度、ストリームの使用量、帯域幅の使用率などの統計情報のレポートが作成されます。
VVIM のモニタリングおよびレポート機能により、オペレータは集中型管理キャパシティまたは分割ドメイン管理キャパシティの TV VVI のあらゆる面を管理しやすくなります。分割ドメイン キャパシティでは、VVIM は取り込みをモニタし、Stream Manager は自ドメインの Streamer のストリームをモニタします。
図 1-3 に、CDSM のシステム モニタリング ページを示します。
図 1-3 Content Delivery System Manager ユーザ インターフェイス
TV コンテンツ デリバリ システム は単一障害点が存在しないように設計されています。TV コンテンツ デリバリ システム には、アーキテクチャ内に複数レベルの冗長性が組み込まれています。これらのレベルの冗長性により、Vault ディスク、Vault サーバ、Streamer ディスク、Streamer サーバ、ISV サーバ、イーサネット接続、プロセッサ、および電源の障害発生によるお客様への影響の可能性を排除します。
各サーバは、ピアの状態を常にモニタします。TV CDS の一意のリソース プールと自動フェールオーバー技術によって、すべてのサーバがストレージおよびストリーミングの需要を処理することに常に寄与できるようにします。サーバに障害が発生した場合、負荷は存続サーバ間に瞬時に再分散され、サービスの継続性を確保します。
Vault サーバはコンテンツを完全な 1:N の冗長性で保護します。ディスクに障害が発生した場合、データは冗長サーバから取得可能となり、負荷が分散され、帯域幅が最適化されます。さらに、冗長コンテンツの再生成では、特定のサーバ内のディスクの帯域幅だけではなく、Vault アレイ全体の帯域幅を使用することで、再構築の時間を大幅に短縮します。障害の発生したドライブを急いで交換する必要性はなくなり、四半期ごとに障害の発生した Vault ドライブを交換すれば済むようになります。
ハードウェア障害が原因による損失からコンテンツを保護する基本的な方法は、ミラーリングです。コンテンツは Vault に保存され、ポリシーに基づいて、Vault アレイの別の場所にミラーリングされます。ミラー コピーの数は設定可能です。2 種類のミラーリングがあります。
リモート ミラーリングが使用される場合、設定された Vault ミラー コピーの数に基づいて、コンテンツのコピーが他の Vault のドライブにミラーリングされます。
ローカル ミラーリングが使用される場合、ドライブの 1 つに障害が発生した場合に別のドライブからコンテンツが復元できるように、コンテンツのコピーが同じ Vault のすべての使用可能なドライブでミラーリングされます。
ローカル ミラーリングはデフォルトではオンになっていません。一般的には、システムに単一の Vault だけが存在する場合のみに使用されます。
Cisco TV CDS は、加入者に影響を与えずに Vault サーバ全体の損失を処理できます。バックオフィス スイートとの通信が、Vault マスターとして指定された Vault サーバによって実行されます。Vault マスターで障害が発生した場合、Vault アレイの残りのスレーブ Vault サーバの 1 台がマスターとして透過的に引き継ぎます。残りの Vault は、Vault サーバの障害を検出し、保存されたすべてのコンテンツのチェックを実行し、失われた Vault サーバの影響を受けた冗長なコンテンツを再生成します。この再生成は、加入者の負荷によって消費されない予備のシステム帯域幅を使用して、バックグラウンドで実行します。これにより、加入者に対するパフォーマンスを妥協することなく、再生成の期間を可能な限り短くすることができます。
管理インターフェイスの仮想 IP アドレスで指定された Vault マスターは、バックオフィスに対する Vault アレイの代表として使用され、新しいコンテンツの取り込みを処理します。
Vault サーバの冗長性に加えて、Cisco TV CDS は Vault Group の冗長性を提供します。CDS に Vault Group の冗長性が設定されており、少なくとも 2 つの Vault Group が設定されている場合、システムは加入者の環境に影響を与えずに Vault Group 全体の損失を処理します。コンテンツは最大 4 つの Vault Group(1 つの Vault Group がコンテンツの取り込み、最大 3 つの Vault Group がコンテンツのミラーリングを実施)にミラーリングされ、異なる地域に存在していても構いません。プライマリ Vault Group がネットワーク、電源、または他の深刻な問題により使用不能になった場合、その Vault Group からコンテンツを要求している Streamer または Caching Node は、プライマリ Vault Group がオンラインに戻り、コンテンツのキャッシュフィル要求に応答できるようになるまで、他の Vault Group にフェールオーバーします。
Vault の冗長性によって、グループ内の各コンテンツの少なくとも 1 つのコピーが設定されたピア グループにミラーリングされます。Vault Group ミラーリングは、プライオリティの低いプロセスとして、保証ストリーミング配信のパフォーマンスに影響を与えないように動作します。
(注) このリリースの Vault Group の最大数は 20 です。
Streamer のディスクは、ほとんどの VOD で実装されているような完全なコンテンツを保管するためには使用されません。Streamer のディスクは TV CDS の多層キャッシング アーキテクチャの一部です。Streamer のディスクが失われた場合、唯一の影響は、システムのキャッシング容量がわずかに低下することです。その Streamer のディスクにキャッシュされていたコンテンツは、すべて Vault から再取得されます。Vault からのコンテンツの再取得が加入者に影響を与えずに実行できるよう、Streamer 上の RAM には加入者へのストリーミングに十分なコンテンツがキャッシュされています。たとえば、16 個のハード ドライブが搭載されている 5 台の Streamer から構成された Streamer アレイの場合、1 個のドライブが損失しても 1.25 % 未満の合計キャッシング容量が減るだけです。障害の発生したドライブを急いで交換する必要性はなくなり、四半期ごとに障害の発生した Streamer ドライブを交換すれば済むようになります。
Cisco TV CDS アーキテクチャは、障害が発生した Streamer サーバにも利用できます。Streamer サーバに障害が発生した場合、バックオフィスとの通信は別の Streamer に透過的に引き渡されます。TV CDS ソフトウェアにより、Streamer サーバに障害が発生すると、他の Streamer はその障害を認識し、その加入者へのストリーミングを継続します。
Caching Node のディスクは、ほとんどの VOD で実装されているような完全なコンテンツを保管するためには使用されません。Caching Node のディスクは TV CDS の多層キャッシング アーキテクチャの一部です。Caching Node のディスクが失われた場合、唯一の影響は、システムのキャッシング容量がわずかに低下することです。その Caching Node のディスクにキャッシュされていたコンテンツは、すべて Vault から再取得されます。
Cisco TV CDS アーキテクチャは、障害が発生した Caching Node にも利用できます。Caching Node に障害が発生した場合は、障害発生時に処理中だったキャッシュフィル送信が Streamer によって再要求され、Cache Group 内の残りの Cache Node が新しい要求に応答します。
Cisco TV CDS は CDSM に 1+1 の冗長性を提供します。管理インターフェイスの仮想 IP アドレスで指定されたプライマリ CDSM は、Web ブラウザ、および HTML API コールや SNMP コールなどのノースバウンド統合に対する CDSM の代表として使用されます。
すべての CDS サーバは、.arroyorc ファイル内のコントローラの IP アドレスを追跡します。CDSM の冗長性では、他の CDSM の IP アドレスのみを持つ CDSM を除いて、両方の管理 IP アドレスが各 CDS サーバの .arroyorc ファイルに指定されます。
statsd プロセスは、CDSM 間を移動できる仮想 IP アドレスで設定されます。プライマリ CDSM がネットワーク、電源、または他の深刻な問題により使用不能になった場合、セカンダリ CDSM は仮想 IP アドレスを引き継ぎ、管理者は 15 秒以内にセカンダリ CDSM に接続できます。
ログイン情報は CDSM 間で共有されません。管理者がログインし、フェールオーバーが発生すると、管理者は他の CDSM に再ログインする必要があります。
CDS サーバ(Vault、Caching Node、Streamer、および ISV)は、テーブルの同期を含むプライマリおよびセカンダリ CDSM の両方の複製に、冗長性がない場合と同様に参加します。ただし、CDS サーバはデータのレポートを最大 1 時間のみ保持できるため、CDSM が 1 時間を超えてダウンし、その後復旧すると、各 CDS サーバからの最後の時間のレポート データのみ取得できます。これは、レポート データが、プライマリおよびセカンダリ CDSM 間で同期されていないことを意味します。レポート データは、カンマ区切り形式(CSV)ファイルで 24 時間ごとにアーカイブされ、30 日以上が経過したときにこれらの CSV ファイルは削除されます。
Cisco TV CDS アーキテクチャ内で使用されているすべてのイーサネット リンクには、リンク障害検出による自動フェールオーバーが組み込まれています。これには、キャッシュフィル用の Vault アレイと Streamer アレイ間の相互接続や、加入者のストリームを転送ネットワークに流すイーサネット リンクが含まれます。
Cisco TV CDS はストリーミングとストレージを分割しています。これにより、CATV 事業者はストリーミング数に影響を与えることなくストレージを追加したり、ストレージに影響を与えることなくストリーミングを追加したり、VVI では、ストレージおよびストリーミングに直接影響を与えることなく分散ノードを追加したりできます。この柔軟性により、CATV 事業者は、お客様のニーズに合わせて拡大し、必要に応じてシステムを拡張できます。たとえば、より多くのストレージが必要な場合、CATV 事業者はシステムをオフラインにしないで Vault サーバを追加し、レイヤ 2 ネットワークで新しいデバイスはアーキテクチャ内で自動的に検出され、新しいリソースはシステムによって自動的に使用されます。追加のストリーミングが必要な場合、コンテンツ プロバイダーは、現在のサーバ内により多くのストリーミング ライセンスを購入するか、システムをオフラインにせずに Streamer サーバをシステムに追加します。