起動と接続の問題の解決
ネットワークに Cisco 無線 IP 電話を設置して、Cisco CallManager に追加すると、電話機は「電話起動プロセスについて」で説明されているように起動します。 電話機が正しく起動しない場合は、次の各項のトラブルシューティング情報を参照してください。
• 「症状:Cisco 無線 IP 電話が通常の起動プロセスを完了しない」
• 「症状:Cisco 無線 IP 電話が Cisco Aironet アクセス ポイントに関連付けられない」
• 「症状:Cisco 無線 IP 電話が Cisco CallManager に登録されない」
症状:Cisco 無線 IP 電話が通常の起動プロセスを完了しない
Cisco 無線 IP 電話は、無線ネットワークに接続すると通常の起動プロセスを実行し、LCD 画面に情報が表示されます。 電話機がこの起動プロセスを完了しない場合は、RF 信号強度の不足、ネットワークの停止、電話機のバッテリ切れ、または電話機の機能不全が原因になっている場合があります。
電話機が機能しているかどうかを判別するには、次の指示に従って、このような潜在的な問題を順に排除していきます。
1. 他の有線の Cisco IP Phone との間でコールを発信し合い、有線ネットワークにアクセス可能であることを確認します。
2. 無線ネットワークにアクセス可能であることを確認します。
• それまで機能していた別の Cisco 無線 IP 電話 7920 の電源を入れて、アクセス ポイントがアクティブであることを確認します。
• 起動しない Cisco 無線 IP 電話の電源を入れて、正常に機能することがわかっている別のアクセス ポイントの場所に移動します。
3. 電話機が電力を受信していることを確認します。
• 起動しない Cisco 無線 IP 電話に、新品または完全に充電されたバッテリを挿入します。
• バッテリを使用している場合は、外部電源プラグに接続してみます。
これらの解決方法を試してもまだ電話機が起動しない場合は、シスコのテクニカル サポート担当者にご連絡ください。
症状:Cisco 無線 IP 電話が Cisco Aironet アクセス ポイントに関連付けられない
起動メッセージが表示された後、電話機の LCD 画面にメッセージが周期的に表示される状況が続く場合、電話機は AP に正しく関連付けられていません。 電話機は、AP に関連付けられ、認証を受けない限り、正常に起動できません。
アクセス ポイント設定の確認
Cisco 無線 IP 電話 7920 は、IP アドレスを取得する前に、まずアクセス ポイントの認証を受け、アクセス ポイントに関連付けられる必要があります。 電話機は、AP に関して次の起動プロセスを実行します。
• AP のスキャン
• LEAP または WEP を使用した認証
• IP アドレスの取得
AP と電話機の SSID 設定をチェックして、これらの SSID が一致していることを確認します。
AP と電話機の認証タイプの設定をチェックして、認証と暗号化の設定が一致していることを確認します。
スタティック WEP を使用している場合は、電話機の WEP キーをチェックして、AP の WEP キーと一致していることを確認します。 電話機の WEP キーを再度入力して、正しいことを確認します。
認証中のエラー メッセージ
次のエラー メッセージが表示される場合は、その次に示された問題を確認します。
Authentication failed, No AP found
• AP で CCKM と暗号化が有効になっていることを確認します。 これらの機能はサポートされていません。
• 電話機に正しい SSID が入力されていることを確認します。
• 電話機と AP の WEP 設定が一致していることを確認します。
• LEAP を使用している場合は、電話機に正しい LEAP ユーザ名とパスワードが入力されていることを確認します。
Enter LEAP password
• LEAP を使用している場合は、電話機に domain\username の形式で LEAP ユーザ名を入力しなければならない場合があります。
• 電話機に正しい LEAP ユーザ名とパスワードが入力されていることを確認します。
Cannot support all requested capabilities
AP の音声 VLAN の SSID に対して TKIP/MIC または CKIP/CMIC が有効になっていないことを確認します。 Cisco 無線 IP 電話 7920 は、これらの機能をサポートしません。
Cisco CallManager への電話機の登録
Cisco 無線 IP 電話 7920 は、Cisco CallManager サーバに追加されているか、自動登録が有効になっている場合にのみ、Cisco CallManager サーバに登録することができます。 「Registration Rejected」というエラー メッセージが表示される場合は、「Cisco CallManager へのユーザの追加」の情報と手順を確認して、電話機が Cisco CallManager データベースに追加されていることを確認します。
Cisco 無線 IP 電話 7920 は、Cisco CallManager で Cisco IP Phone 7960 として表示される場合があります。バージョン 3.3(3) SR 1 より前の Cisco CallManager では、無線 IP 電話 7920 を使用できなかったため、無線 IP 電話は Cisco IP Phone 7960 として構成されていました。 この問題の詳細と修正方法については、「Cisco 7920 電話タイプのサポート」を参照してください。
電話機が Cisco CallManager データベースに存在することを確認するには、Cisco
CallManager Administration から Device > Phone > Find を選択して、MAC アドレスで電話機を検索します (電話機の MAC アドレスを判別する場合は、「メディア アクセス制御(MAC)アドレスの表示」を参照してください)。
電話機がすでに Cisco CallManager データベースに存在する場合は、設定ファイルが破損している可能性があります。 詳細については、「新しい設定ファイルの作成」を参照してください。
ネットワークの接続性の確認
AP と TFTP サーバまたは Cisco CallManager の間のネットワークがダウンしている場合、電話機は正しく起動できません。 ネットワークが現在稼働中であることを確認してください。
TFTP サーバ設定の確認
Cisco 無線 IP 電話 7920 は、TFTP サーバの設定によって使用するプライマリ
TFTP サーバを識別します。 TFTP サーバが要求に応答しない場合は、CallManager1 (CM1)が TFTP_AS_CM となります。電話機は、TFTP IP アドレス、ゲートウェイの順に TCP 接続を試みます。 TFTP サーバで Cisco CallManager サービスが実行されていないか、ゲートウェイで SRST が実行されていない場合、Cisco 無線 IP 電話は識別された TFTP サーバへの接続の試行を周期的に繰り返す場合があります。
Cisco 無線 IP 電話 7920 は DHCP サーバから渡される IP 情報をキャッシュしないため、電話機の電源を入れるたびに TFTP 要求を送信し、応答を待つ必要があります。
電話機にスタティック IP アドレスを割り当てている場合は、この設定を手動で入力する必要があります。「静的な設定値の設定」を参照してください。
DHCP を使用している場合、電話機は DHCP サーバから TFTP サーバのアドレスを取得します。 オプション 150 またはオプション 66 で設定された IP アドレスを確認してください。次の URL にある『 Configuring Windows 2000 DHCP Server for Cisco Call Manager 』を参照してください。
http://www.cisco.com/warp/customer/788/AVVID/win2000_dhcp.html
また、電話機で代替 TFTP サーバを使用できるようにすることもできます。 このような設定は、電話機の場所が最近移動したような場合には特に便利です。
TFTP サーバ設定の決定と変更については、「TFTP オプションの設定」または「現在の設定の表示」を参照してください。
IP アドレッシングおよびルーティングの確認
Cisco 無線 IP 電話 7920 の IP アドレッシングとルーティングの設定を確認する必要があります。 DHCP を使用している場合は、DHCP サーバでこれらの値を指定する必要があります。 電話機にスタティック IP アドレスを割り当てている場合は、これらの値を手動で入力する必要があります。
(注) Cisco 無線 IP 電話は、 RF 信号を失うと、タイムアウト状態に達しない限り DHCP を解放しません。
次の問題を確認します。
• DHCP Server :電話機にスタティック IP アドレスを割り当てている場合は DHCP Server オプションに値を入力する必要はありません。 ただし、DHCP サーバを使用している場合は、このオプションに値が指定されている必要があります。 値が指定されていない場合は、IP ルーティングと VLAN の設定を確認します。 URL http://www.cisco.com/warp/customer/473/53.shtml にある、
『 Troubleshooting Switch Port Problems 』を参照してください。
• IP Address、Subnet Mask、Primary Gateway :電話機にスタティック IP アドレスを割り当てている場合は、これらのオプションの設定を手動で入力する必要があります。「静的な設定値の設定」を参照してください。
DHCP を使用している場合は、使用している DHCP サーバによって割り振られた IP アドレスを確認します。 DHCP の競合と IP アドレスの重複に注意してください。 URL http://www.cisco.com/warp/customer/473/100.html#41 にある、
『 Understanding and Troubleshooting DHCP in Catalyst Switch or Enterprise Networks 』を参照してください。
IP アドレッシングおよびルーティング設定の決定と変更については、 第 5 章「Cisco 無線 IP 電話 7920 のネットワーク設定値の設定」 を参照してください。
DNS 設定の確認
DNS を使用して TFTP サーバまたは Cisco CallManager を参照している場合は、DNS サーバが指定されていることを確認する必要があります。 また、TFTP サーバと Cisco CallManager システムに対応する CNAME エントリが DNS サーバに存在することも確認する必要があります。
さらに、DNS が逆ルックアップを実行するように構成されていることも確認しなければなりません。 Windows 2000 のデフォルトの設定では、前方のみのルックアップを実行するようになっています。
DNS 設定の決定と変更については、 第 5 章「Cisco 無線 IP 電話 7920 のネットワーク設定値の設定」 を参照してください。
Cisco CallManager の設定の確認
Cisco 無線 IP 電話 7920 は、割り当てられた Cisco CallManager グループの一部であるすべての Cisco CallManager サーバに TCP 接続を開こうとします。 Cisco
CallManager の設定を確認するには、次のいずれかの処理を実行します。
• Cisco 無線 IP 電話 7920 で、 Menu > Network Config > Current Configuration を選択し、 CallManager 1 - 4 オプションを確認します (「現在の設定の表示」を参照)。
• Cisco CallManager のどのオプションにも IP アドレスが含まれていないか、どのオプションにも Active または Standby と表示されていない場合、電話機は Cisco CallManager に正しく登録されていません。 この問題を解決するためのヒントについては、「Cisco CallManager への電話機の登録」を参照してください。
Cisco CallManager サービスと TFTP サービスが実行されていない
Cisco CallManager または TFTP サービスが実行されてない場合は、電話機が正しく起動できない場合があります。 ただし、そのような場合は、システム全体にわたる障害が発生していて、他の電話機やデバイスも正しく起動することができない可能性が高いと考えられます。
Cisco CallManager サービスが実行されていない場合、通話でこのサービスに依存するネットワーク上のすべてのデバイスが影響を受けます。 TFTP サービスが実行されていない場合は、多くのデバイスが正常に起動できなくなります。
すべてのサービスが実行されていることを確認するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco CallManager Administration から、 Application > Cisco CallManager
Serviceability を選択します。
ステップ 2 Tools > Control Center を選択します。
ステップ 3 Servers カラムから、プライマリ Cisco CallManager サーバを選択します。
選択したサーバに対応するサービス名、サービスのステータス、およびサービスを開始または停止するためのサービスを操作するパネルがページに表示されます。
ステップ 4 サービスが停止している場合は、 Start ボタンをクリックします。
Service Status の記号が四角から矢印に変わります。
(注) サービスの詳細については、『Cisco CallManager Administration Guide(Cisco
CallManager アドミニストレーション ガイド)』を参照してください。
新しい設定ファイルの作成
特定の電話機で、この章の他の指示に従っても解決できない問題が継続して発生する場合は、設定ファイルが破損しているおそれがあります。新しい設定ファイルを作成する手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Cisco CallManager から、 Device > Phone > Find を選択して、問題が発生している電話機を探します。
ステップ 2 Delete を選択して、Cisco CallManager データベースから該当の電話機を削除します。
ステップ 3 電話機を再び Cisco CallManager データベースに追加します。 詳細については、「Cisco CallManager へのユーザの追加」を参照してください。
ステップ 4 Cisco 無線 IP 電話の電源を入れ直します。
(注) Cisco CallManager データベースから電話機を削除すると、Cisco CallManager TFTP サーバからその電話機の設定ファイルが削除されます。 電話番号(DN)は、未割り当ての DN として Cisco CallManager データベースに残ります。 このような DN は、他のデバイスに割り当てても、Cisco CallManager データベースから削除してもかまいません。 ルート プラン レポートを使用すると、未割り当ての参照番号を確認し、削除することができます。 詳細については、『Cisco CallManager
Administration Guide(Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド)』を参照してください。
関連項目
• 「起動と接続の問題の解決」
• 「音声品質とローミングの問題の解決」
• 「Cisco 無線 IP 電話 7920のトラブルシューティングのヒント」
音声品質とローミングの問題の解決
Cisco 無線 IP 電話 7920 のユーザには、電話機でのローミング時に音声品質と接続の問題が発生する場合があります。 トラブルシューティング情報については、次の各項を参照してください。
• 「症状: Cisco 無線 IP 電話が突然リセットされる」
• 「症状:Cisco 無線 IP 電話に音声の問題がある」
• 「症状:Cisco 無線 IP 電話 が適切にローミングしない」
アクセス ポイント設定の確認
無線の構成が正しいことを確認します。 たとえば、電話機が接続されている特定のアクセス ポイントまたはスイッチがダウンしているかどうかを確認します。 AP の設定については、「無線ネットワークとアクセス ポイントの設定」を参照してください。
ネットワークの断続的な停止の確認
断続的なネットワークの停止によって、データ トラフィックと音声トラフィックは異なる影響を受けます。 ネットワークが断続的に停止していても、検出されない場合があります。 そのような場合、データ トラフィックは損失したパケットを再送信して、パケットが受信および伝送されていることを確認できます。 しかし、音声トラフィックでは、損失したパケットを再び取り込むことはできません。 電話機は失われたネットワーク接続を再び伝送するのではなく、電話機自体をリセットして、ネットワークに再接続しようとします。
音声ネットワークで問題が発生している場合は、単に既存の問題が表出しているだけなのかどうかを調査する必要があります。
DHCP 設定の確認
次の手順は、電話機が DHCP を使用するように正しく設定されているかどうかを判別する際に役立ちます。
1. 電話機が DHCP を使用するように正しく設定されていることを確認します。 詳細については、「DHCP 設定の修正」を参照してください。
2. DHCP サーバが正しくセットアップされていることを確認します。
3. DHCP のリース期間を確認します。 シスコは、これを 8 日に設定することを推奨しています。
Cisco IP Phone は、要求タイプ 151 でメッセージを送信し、DHCP アドレスのリースを更新します。 DHCP サーバが要求タイプ 150 のメッセージを想定している場合、リースは拒否され、電話機は再起動して DHCP サーバに新しい IP アドレスを要求しなければなりません。
スタティック IP アドレス設定の確認
電話機にスタティック IP アドレスが割り当てられている場合は、正しい設定値が入力されていることを確認します。「静的な設定値の設定」を参照してください。
音声 VLAN 構成の確認
Cisco IP Phone が過密なネットワーク使用状況(電話機と同じ AP およびスイッチに接続されたコンピュータで膨大な Web サーフィンを処理しているなど)の中でリセットされるようであれば、音声 VLAN が存在しないか、適切な QoS 設定値が設定されていないことが考えられます。
無線電話を別の補助 VLAN に分離することにより、QoS を使用して音声トラフィックをデータ トラフィックより優先し、音声品質を改善することができます。 詳細については、「無線ネットワークにおける音声品質」を参照してください。
電話機が意図的にリセットされていないことの確認
Cisco CallManager にアクセスする管理者が 1 人だけではない場合は、他の管理者が誰も意図的に電話機をリセットしていないことを確認する必要があります。
DNS などの接続エラーの排除
電話機のリセットが継続する場合は、Cisco CallManager サーバに対してホスト名または IP アドレスを使用しているかどうかを確認します。 DNS などの接続エラーを排除するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 電話機を出荷時のデフォルト設定にリセットします。 詳細については、「ローカル設定の消去」を参照してください。
ステップ 2 DHCP と IP の設定を変更します。
a. DHCP を無効にします。 詳細については、「DHCP 設定の修正」を参照してください。
b. 電話機に静的な IP 値を割り当てます。 詳細については、「静的な設定値の設定」を参照してください。 機能している他の Cisco IP Phone に使用されているものと同じデフォルト ルータ設定を使用します。
c. TFTP サーバを割り当てます。 詳細については、「TFTP オプションの設定」を参照してください。 機能している他の Cisco IP Phone に使用されているものと同じ TFTP サーバを使用します。
ステップ 3 Cisco CallManager サーバで、正しい IP アドレスにマッピングされた正しい Cisco CallManager サーバ名がローカル ホスト ファイルに指定されていることを確認します。 ホスト名を使用している場合は、DNS サービスを使用して、電話機がホスト名を IP アドレスに解決できるようにする必要があります。 URL
http://www.cisco.com/warp/customer/788/AVVID/cm_hosts_file.html にある、
『 Configuring the IP Hosts File on a Windows 2000 CallManager Server 』を参照してください。
ステップ 4 Cisco CallManager から、 System > Server を選択し、サーバがホスト名ではなく、IP アドレスで参照されていることを確認します。
(注) シスコは、電話機の登録処理での DNS 解決がなくなるように、ホスト名ではなく、IP アドレスのみを設定することを推奨します。
ステップ 5 Cisco CallManager から、 Device > Phone を選択し、 Cisco IP 電話に正しい MAC アドレスが割り当てられていることを確認します。
電話機の MAC アドレスを判別する場合は、「メディア アクセス制御(MAC)アドレスの表示」を参照してください。
ステップ 6 電話機の電源を入れ直します。
症状:Cisco 無線 IP 電話に音声の問題がある
ユーザから、実際の通話中に音声品質が不安定であったり、雑音や途切れがあったり、まったく音声が聞こえないという報告があった場合は、次の指示に従って問題の原因を確認します。
接続中のコールの無音状態
接続中のコールが無音になる場合、最も一般的な理由は AP で TKIP と MIC が有効になっていることです。 これらの機能は、Cisco 無線 IP 電話 7920 ではまだサポートされていません。 AP でこれらの機能を無効にしてください。
接続中のコールの単方向音声
AP をチェックして、AP の送信電力の設定が電話機の送信電力の設定と一致していることを確認します。 単方向音声は、AP の電力設定(100mW)が電話機の電力設定(20mW)より大きい場合に多く発生します。
AP が ARP キャッシング用に設定されていることを確認します。 詳細については、「無線ネットワークとアクセス ポイントの設定」を参照してください。
ゲートウェイおよび IP ルーティングをチェックして、音声の問題がないことを確認します。
ファイアウォールまたは NAT が RTP パケットのパスに含まれているかどうかを確認します。 含まれている場合は、Cisco IOS と PIXNAT を使用して接続を修正し、双方向の音声を使用できるようにできます。
電話機と AP のデータ レートの設定が同じであることを確認します。 これらの設定が一致しているか、電話機が Auto に設定されている必要があります。
電話機のハードウェアをチェックして、スピーカが正常に機能していることを確認します。 Profiles メニューで音量の設定を確認します。
症状:Cisco 無線 IP 電話 が適切にローミングしない
ユーザから、実際の通話中にある場所から別の場所に移動したときに、音声品質が悪化したり、接続が失われるという報告があった場合は、次のリストを確認して問題の原因を特定します。
ローミング中に音声品質が悪化する
宛先 AP の RSSI をチェックして、信号強度が十分かどうかを確認します。 次の AP は、35 より大きい RSSI 値を持つ必要があります。
サイト調査をチェックして、チャネルが十分にオーバーラップされ、電話機と AP がコールを次の AP に渡すまで前の AP からの信号が失われないようになっているかどうかを確認します。
カバレッジ区域のノイズまたは干渉が大きすぎるかどうかを確認します。
ローミング中に会話が遅延する
Cisco 無線 IP 電話 7920 のサイト調査ユーティリティを使用して、ローミング オプションとして許容できる別の AP がないかどうかを確認します。 正常にローミングするには、次の AP が 35 より大きい RSSI 値を持つ必要があります。
Cisco Catalyst 4500 スイッチなどのネットワーク スイッチをチェックして、正しいバージョンの Supervisor(SUP)ブレードが搭載されているかどうかを確認します。 ローミングによる遅延を防ぐには、ブレードは SUP2+ または SUP 3 である必要があります。
Cisco 無線 IP 電話がローミング中に Cisco CallManager との接続を失う
RF 信号強度が十分であることを確認します。 サイト調査ツールを使用して、次の AP の RSSI 値を確認します。
次の AP が Cisco CallManager に接続できることを確認します。
次の AP の認証タイプが電話機と同じであることを確認します。 不一致である可能性があります。
AP が前の AP と同じサブネット内に存在することを確認します。 Cisco 無線 IP 電話 7920 では、レイヤ 2 のローミングのみが可能です。
LEAP 認証を使用している場合は、AP で TCP ポートをブロックするフィルタが使用されていないことを確認します。 ACS サーバはポート 1645 を使用し、RADIUS サーバはポート 1812 を使用します。
関連項目
• 「起動と接続の問題の解決」
• 「音声品質とローミングの問題の解決」
• 「一般的なトラブルシューティング情報」
一般的なトラブルシューティング情報
次の各トピックでは、Cisco 無線 IP 電話 7920 のトラブルシューティングに関する一般的な情報とヒントを提供します。
• 「Cisco 無線 IP 電話 7920のトラブルシューティングのヒント」
• 「トラブルシューティング用の情報のロギング」
• 「ローカル設定の消去」
Cisco 無線 IP 電話 7920のトラブルシューティングのヒント
表 9-1 は、Cisco 無線 IP 電話の一般的なトラブルシューティング情報を説明したものです。
表 9-1 Cisco 無線 IP 電話のトラブルシューティング
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電話機が熱くなる |
通話中や、RF 信号が弱く電話機が絶えず新しい AP をスキャンしている場合は、電話機が暖かくなる場合があります。 RF カバレッジを調整して、環境をより安定させることを検討してください。 Cisco CallManager サーバに登録されていない場合、電話機は絶えずスキャンを実行するため、電話機が熱くなります。 |
バッテリの寿命が仕様より短い |
不安定な RF 環境では、電話機が絶えず AP を探索するため、電話機がずっとアクティブ モードになる場合があります。 これにより、バッテリの寿命はかなり減少します。 一定のカバレッジ区域を出るときには、電話機をシャットダウンしてください。 バイブレーション モードでバッテリの寿命が減少する場合がありますが、バックライトはバッテリに影響しません。 電話機の送信電力が高い場合は、バッテリの寿命に影響する場合があります。 電話機のアイドル時間を最大化し、バッテリの寿命を維持するには、登録時間を最適化して、電話機がより長く省電力モードに入れるようにする必要があります。 |
電話機がリセットされる |
電話機は、Cisco CallManager ソフトウェアとの接続を失うとリセットされます。 接続が失われる場合は、AP の問題、スイッチの停止、スイッチのリブートなど、ネットワークの接続に何らかの障害があったことが原因となっている可能性があります。 「症状: Cisco 無線 IP 電話が突然リセットされる」を参照してください。 |
電話機の時刻が不正確である |
電話機の時刻や日付が不正確な場合があります。 Cisco 無線 IP 電話 7920 は、Cisco CallManager に登録するときに時刻と日付を取得します。 電話機の電源を入れ直して、時刻または日付をリセットします。 |
呼び出し音量が低すぎる |
電話機で呼び出し音の音量が正しく設定されているかどうかを確認するには、 Menu > Profiles > Ring Volume を選択します。 最も高い音量の 6 を選択します。 Cisco.com の Software Download ページから、音の大きい呼び出しトーンをダウンロードできます。「大きな音の呼び出しトーンのダウンロード」を参照してください。 |
電話機の呼び出し音が鳴らない |
電話機で呼び出し音が鳴るように設定されているかどうかを確認するには、 Menu > Profiles > Incoming Call Alert を選択し、 On に設定されていることをチェックします。 電話機に呼び出しトーンが設定されているかどうかを確認するには、 Menu > Phone Settings > Ring tones を選択します。 何も設定されていない場合は、電話機に呼び出しトーンを追加します。 スピーカが正常に機能しているかどうかを確認するには、呼び出し音量の設定を調整して最高レベルにします。 キーパッド トーンを有効にするか、その電話機に電話をかけて、スピーカを確認します。 |
電話機の単方向音声 |
スピーカが正常に機能していることを確認します。 スピーカの音量設定を調整し、その電話機に電話をかけてスピーカを確認します。 AP に ARP キャッシングが設定されていることを確認します。 「無線ネットワークとアクセス ポイントの設定」を参照してください。 |
別の場所へのローミング時の遅延 |
ネットワークで Cisco Catalyst 4500 シリーズ スイッチがメインのレイヤ 3 スイッチとして使用されている場合は、Supervisor ブレードが少なくとも SUP2+ または SUP3 バージョンであることを確認します。 これより前のバージョン(SUP1 または SUP2)のブレードが使用されている場合、Cisco 無線 IP 電話 7920 (または任意の無線クライアント)ではローミングで遅延が発生します。 |
電話機がロックされる |
キーを押したときに、「KeyLocked」というメッセージが表示される場合は、キーパッドが一時的にロックされています。 パスワードなしでロックを解除するには、シャープ(#)キーを押し続けます。 「Keylock off?」というメッセージでプロンプトが表示されたら、 OK を押してキーパッドのロックを解除します。 電話機の電源を入れたときに、パスワードの入力を求めるプロンプトが表示される場合は、デフォルトのパスワード、 12345 を入力して、 OK を押してみてください。 このパスワードで電話機のロックが解除される場合、電話機は AP に関連付けられています。 これらの方法で電話機のロックを解除できない場合は、Cisco Technical Assistance Center(TAC)に電話して、電話機のロックを解除する必要があります。
(注) TAC がマスター パスワードを使用して電話機のロックを解除すると、電話帳のエントリを含むすべての設定が失われます。
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電話機のファームウェアがダウングレードされる |
現在の Cisco 無線 IP 電話 7920 のファームウェアより古い Cisco CallManager のアップグレードまたはパッチを適用した後で、電話機が自動的にそのパッチに含まれているロードにダウングレードされることがあります。 Cisco CallManager 7920 デバイスのデフォルト イメージと、TFTP フォルダの OS7920.txt ファイルを確認して、この問題を修正してください。 |
関連項目
• 「トラブルシューティング用の情報のロギング」
• 「ローカル設定の消去」
システム ログ サーバの使用
ローミングの遅延や接続できない状態を引き起こす可能性のある有線ネットワークの問題について情報を収集するには、システム ログ サーバをセットアップします。 システム ログ サーバにログを記録するネットワーク スイッチとアクセス ポイントで、「syslog」を有効にします。 また、ネットワーク タイム プロトコル(NTP)を有効にして、すべての AP とスイッチで同じ時刻を使用するようにします。
Cisco 無線 IP 電話の Trace Route オプションの使用
Cisco CallManager への登録やコールの接続で問題がある場合は、この機能を使用して、電話機から Cisco CallManager へのパケットのパスをトレースすることができます。 結果には、Cisco CallManager サーバに到達するまでのホップ数と、各ホップの IP アドレスが表示されます。 この情報を使用して、電話機、Cisco CallManager サーバおよびゲートウェイの間の通話中の接続を確認できます。
Trace Route オプションの使用方法については、「Cisco 無線 IP 電話の Trace Route オプションの使用」を参照してください。
ローカル設定の消去
Phone Settings メニューを使用して、電話機でローカルに保存されたすべての設定オプションをクリアできます。 出荷時のデフォルト設定に復元するオプションを使用すると、短縮ダイヤル、プロファイル、電話設定、および通話履歴のすべてのユーザ定義エントリが消去されますが、電話帳のエントリはそのまま残ります。
(注) また、Cisco 7920 設定ユーティリティを使用してローカル設定を消去することもできます。
電話メニューを使用してローカル設定を消去するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Menu > Phone Settings > Factory Default を押します。
電話機に「Restore to Default?」と表示されます。
ステップ 2 OK ソフトキーを押します。 すべての設定が削除されます。
電話機は、通常の起動手順を順に実行します。
ステップ 3 Menu > Network Config を押して、使用している WLAN 用のネットワーク設定値を再設定します。
注意 ローカル設定を消去すると、短縮ダイヤル、電話設定、およびプロファイルについて Cisco 無線 IP 電話でローカルに行われたユーザ定義の変更が削除されます。 通話履歴のエントリはすべて削除され、すべてのネットワーク設定がデフォルト値に戻されます。 保持されるのは、個人電話帳エントリだけです。 再びネットワークにアクセスするには、電話機のネットワーク設定値を再設定する必要があります。
関連項目
• 「起動と接続の問題の解決」
• 「音声品質とローミングの問題の解決」
• 「電話メニューの管理オプション」
• 「Cisco 7920 設定ユーティリティのトラブルシューティングのヒント」
電話メニューの管理オプション
Network Config および Phone Settings メニューの管理オプションは、ユーザが電話機の動作に影響を与えるおそれのある変更を行わないように、デフォルトでは非表示になっています。 このようなオプションを使用するには、電話機で管理モードを開始する必要があります。詳細については、次の各トピックを参照してください。
• 「電話メニューの非表示のオプションへのアクセス」
• 「電話メニューの非表示のオプションの使用」
電話メニューの非表示のオプションへのアクセス
Cisco 無線 IP 電話 7920 で管理オプションを開くには、次の手順を実行します。 これらの設定は、電話機の電源を切ると自動的に非表示になります。
手順
ステップ 1 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 2 、 、 の順に押します。
ステップ 3 次に、緑の キーを押して管理モードを開きます。
Network Config および Phone Settings メニューが表示されます。
ステップ 4 オプションを非表示にするには、第 1 レベルのサブメニューの任意のキーを押します。 次に、緑の キーを押します。
関連項目
• 「電話メニューの非表示のオプションの使用」
• 「基本的な問題のトラブルシューティング情報」
電話メニューの非表示のオプションの使用
非表示の管理設定値は、トラブルシューティング専用です。 管理モードの間は、省電力など、一部のパラメータ設定を一時的に変更することができます。 電話の電源を切り、もう一度電源を入れると、電話機のデフォルト設定が復元されます。
管理者は、トラブルシューティングの目的で、次の非表示のオプションを使用できます。
• 「省電力モードの無効化」
• 「ルートのトレースの実行」
• 「データ レートの選択」
• 「送信電力の選択」
• 「Cisco ディスカバリ プロトコル(CDP)の設定の変更」
(注) Cisco 無線 IP 電話 7920 で管理モードの機能にアクセスすると、上記の機能以外に追加の非表示のオプションや管理モード パラメータが表示される場合があります。 このようなオプションは、TAC が電話機や無線ネットワークの問題のトラブルシューティングに使用します。
省電力モードの無効化
省電力モードを一時的に無効にすると、電話機の無線がアクティブ モードに保たれ、スタンバイ モードに入らないようになります。 標準バッテリの場合、バッテリの寿命は通話持続時間である 3.5 時間だけしか持続しません。
省電力モードを無効にする手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 2 Phone Settings メニューを選択します。
ステップ 3 Power Save にスクロールし、 Select を押して Power Save メニューを開きます。
ステップ 4 Disable にスクロールして、省電力モードを無効にします。
ステップ 5 Save を押して変更内容を保存します。
選択した省電力モードの横にチェック マークが表示されます。
電話機の電源を切ると、省電力の設定が Enabled に戻ります。
ルートのトレースの実行
この機能を使用すると、電話機から Cisco CallManager へのパケットのパスをトレースできます。 結果には、Cisco CallManager サーバに到達するまでのホップ数と、各ホップの IP アドレスが表示されます。
ルートのトレースを実行する手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 2 Network Config メニューを選択します。
ステップ 3 Trace Route にスクロールし、 Select を押して Trace Route メニューを開きます。
ステップ 4 トレースするルート(Cisco CallManager など)の IP アドレスを入力し、 Save を押します。
電話機はトレース プロセスを開始し、トレース結果が表示されます。
ステップ 5 Back を押して Network Config メニューに戻ります。
データ レートの選択
デフォルトの設定は自動で、電話機は自動的に AP のデータ レートに調整されます。 この設定を 11 Mbps より低い値に変更してもかまいませんが、音声品質が低下し、AP で同時に処理できる通話数が少なくなります。
データ レートを選択する手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 2 Network Config メニューを選択します。
ステップ 3 802.11b Configuration > Wireless Settings > Data Rate にスクロールして選択します。
ステップ 4 1 メガビット/秒(Mbps)、2 Mbps、5.5 Mbps、11Mbps、または Automatic の中で、目的のデータ レート オプションにスクロールします。
ステップ 5 Select を押して変更します。
選択したデータ レートの横にチェック マークが表示されます。
送信電力の選択
送信電力を変更して、AP の高ゲイン アンテナの使用を調節しなければならない場合があります。 電話機の送信電力を変更する手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 2 Network Config メニューを選択します。
ステップ 3 802.11b Configuration > Wireless Settings > Transmit Power にスクロールして選択します。
ステップ 4 1 ミリワット(mW)、5 mW、20 mW、50 mW、100 mW の中で、目的の送信電力オプションにスクロールします。 デフォルトの設定は 20 mW です。
ステップ 5 Select を押して変更します。
選択した送信電力の横にチェック マークが表示されます。
Cisco ディスカバリ プロトコル(CDP)の設定の変更
一部のネットワーク デバイスは、CDP を使用しません。 電話機が CDP パケットを送信するかどうかと、CDP に関連する設定を変更する手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 2 Network Config メニューを選択します。
ステップ 3 CDP TX Enable/Disable にスクロールして、 Select を押します。
ステップ 4 Enable または Disable にスクロールして、 Select を押します。
選択した項目の横に、チェック マークが表示されます。 デフォルトは Enable です。 Back を押してメニューに戻ります。
ステップ 5 CDP TTL (存続可能時間)にスクロールして、 Select を選択します。
ステップ 6 Edit を押して、適切な値(デフォルトは 180)を入力します。続いて、 Back を押します。
ステップ 7 CDP TX Interval にスクロールして、 Select を押します。
ステップ 8 Edit を押して、適切な値(デフォルトは 60)を入力します。続いて、 Back を押します。
関連項目
• 「起動と接続の問題の解決」
• 「音声品質とローミングの問題の解決」
• 「一般的なトラブルシューティング情報」
• 「Cisco 7920 設定ユーティリティのトラブルシューティングのヒント」