無線設定値の入力と確認
Wireless サブメニューには、電話機がアクセス ポイントでの認証に使用する設定値が含まれています。 これらの設定値には、SSID、認証、電話機が使用する暗号化データが含まれます。
現在の電話機のネットワーク設定値に関する詳細情報を Cisco 無線 IP 電話 7920 に表示できます。 この情報を使用して、問題のトラブルシューティングや設定値の変更ができます。 802.11b Configuration メニューを使用して、 表 6-1 に示す無線ネットワーク設定値にアクセスできます。
ここでは、無線設定値に関する次の情報について説明します。
• Service Set Identifier(SSID)の設定
• 認証タイプの選択
• Wired Equivalent Privacy キーの設定
• 無線設定のアクティブ化
Service Set Identifier(SSID)の設定
SSID は、複数の Cisco 無線 IP 電話 7920 が 1 つ以上のアクセス ポイント(AP)を介して相互に通信する際に使用する、一意の ID です。 無線ネットワークの AP に割り当てた SSID を電話機にも割り当てる必要があります。 1 つのネットワークまたはサブネットワークで、複数の AP が同じ SSID を共有できます。
電話機には 4 つまでの SSID を割り当てることができます。 SSID1 に「Any」を選択すると、すべての AP にアクセスできるようになります。 「Specify」を選択して、特定の SSID を入力することもできます。 SSID には任意の値を使用できますが、最大 32 桁です。SSID 設定を構成する手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 2 Network Config > 802.11b Configuration > Wireless Settings を選択します。
ステップ 3 SSID までスクロールして、 Select を押します。
SSID オプションが表示されます。
ステップ 4 SSID1 までスクロールして、 Select を押します。
ステップ 5 Any または Specify を選択します。
ステップ 6 「Specify」を選択した場合は、 Edit を押して、SSID 値を入力します。
(注) 「Specify」を選択し、SSID フィールドをブランクのままにすると、「SSID Required!」というメッセージが表示されます。
ステップ 7 SSID 2 までスクロールして、 Select を押します。
ステップ 8 Any、None、または Specify を選択します。 「Specify」を選択した場合は、別の SSID 値を入力する必要があります。
値の入力方法については、「Network Configuration メニューの設定を編集するときのガイドライン」を参照してください。
ステップ 9 ステップ 8 と同じ方法で、SSID 3 と SSID4 を選択します。
ステップ 10 入力を終了したら、 Save を押します。
ステップ 11 Back を押して Wireless オプションに戻ります。
関連項目
• 認証タイプの選択
• Wired Equivalent Privacy キーの設定
• 無線設定のアクティブ化
認証タイプの選択
Cisco 無線 IP 電話 7920 は、3 種類の認証をサポートします。
• Open :すべての AP にアクセスでき、オプションで、ローカル アクセス ポイントで WEP キーを使用する認証ができます。
• Shared Key :ローカル アクセス ポイントで WEP キーを使用する共有キー認証を行います。
• LEAP : 802.11 無線 LAN 環境で使用する専用プロトコルで、パスワードおよびユーザ名をネットワークの RADIUS サーバと交換します。
手順
ステップ 1 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 2 Network Config > 802.11b Configuration > Wireless Settings を選択します。
ステップ 3 Authentication までスクロールして、 Select を押します。
Authentication オプションが表示されます。
ステップ 4 次のいずれかのオプションまでスクロールして、 Select を押します。
• Open
• Shared Key
• LEAP
選択した認証タイプの横にチェック マークが表示されます。
(注) Shared Key 認証タイプを選択する前に、WEP キー暗号化を有効にする必要があります。 有効でない場合、「Enable WEP key first!」というメッセージが表示されます。
関連項目
• Wired Equivalent Privacy キーの設定
• Service Set Identifier(SSID)の設定
• 無線設定のアクティブ化
Wired Equivalent Privacy キーの設定
802.11b 規格には、Wired Equivalent Privacy(WEP)というオプションの暗号化方式が用意されています。 無線ネットワークで WEP 暗号化を使用している場合は、WEP キーをアクティブにしてから 16 進数キーを入力する必要があります。
電話機の WEP 送信キーは、アクセス ポイントに割り当てられた WEP キーと同じである必要があります。Cisco 無線 IP 電話 7920 と Cisco Aironet Access Point は、40 ビット暗号化キーと 128 ビット暗号化キーの両方をサポートします。 WLAN で WEP 暗号化を使用しない場合は、None を選択します。
手順
ステップ 1 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 2 Network Config > 802.11b Configuration > Wireless Settings を選択します。
ステップ 3 Encryption までスクロールして、 Select を押します。
WEP Key オプションが表示されます。
ステップ 4 アクティブにする WEP キーまでスクロールして、 Select を押します。
ステップ 5 Activate までスクロールして、 OK を押し、キーをアクティブにします。
アクティブになったキーの横にチェック マークが表示されます。
ステップ 6 Back を押して Wireless Setting オプションに戻ります。
WEP キーの設定
WEP キーをアクティブにした後、パスワードを設定する必要があります。 次の種類の暗号化方式を選択できます。
• 40 ビット暗号化 :0 ~ 9、A ~ F の 16 進数形式を使用する 10 桁のパスワードを入力する必要があります(ABCD123456 など)。
• 128 ビット暗号化 :0 ~ 9、A ~ F の 16 進数形式を使用する 26 桁のパスワードを入力する必要があります(AB123456789CD01234567890EF など)。
• なし(None) :WEP キー機能を無効にします。
WEP パスワードを設定する手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 2 Network Config > 802.11b Configuration > Wireless Settings を選択します。
ステップ 3 Encryption までスクロールして、 Select を押します。
WEP Key オプションが表示されます。
ステップ 4 アクティブにした WEP キーまでスクロールして、 Select を押します。
ステップ 5 WEP Key Settings までスクロールして、 Select を押します。
ステップ 6 次のいずれかのオプションを選択します。
• None:WEP キー機能を無効にします。チェック マークが表示されます。
• 40 Bits:10 桁のパスワードを入力します。
• 128 Bits:26 桁のパスワードを入力します。
ステップ 7 入力を終了したら、 Back を押します。
選択したオプションの横にチェック マークが表示されます。
関連項目
• 無線設定のアクティブ化
• Service Set Identifier(SSID)の設定
• 認証タイプの選択
無線設定のアクティブ化
Wireless Settings メニューのエントリを追加または変更した後、アクティブにする必要があります。 設定値をアクティブにする手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 2 Network Config > 802.11b Configuration > Wireless Settings を選択します。
ステップ 3 Activate までスクロールして、 Select を押します。
Service Set Identifier(SSID)、認証タイプ、または Wired Equivalent Privacy(WEP)キーがアクティブになります。
関連項目
• 「802.11b 設定値の入力と確認」
• 電話機の無線ネットワーク設定値へのアクセス(P.6-2)
802.11b 設定値の入力と確認
802.11b Configuration サブメニューには、電話機が使用する無線設定値が含まれています。 また、アクセス ポイントや ACS サーバなど、他の無線ネットワーク コンポーネントのオプションも含まれています。
ここでは、802.11B 設定値に関する次の情報について説明します。
• 「関連付けられているアクセス ポイントの MAC アドレスの表示」
• 「関連付けられている AP の SSID の表示」
• 「ネットワーク タイプの表示」
• 「Light Extensible Authentication Protocol(LEAP)の設定」
関連付けられているアクセス ポイントの MAC アドレスの表示
Cisco 無線 IP 電話 7920 が現在関連付けられているアクセス ポイントを識別する手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 2 Network Config > 802.11b Configuration を選択します。
ステップ 3 Associated AP MAC までスクロールします。
ステップ 4 Select を押して、電話機に関連付けられている AP の MAC アドレスを表示します。
ステップ 5 Back を押して 802.11b Configuration メニュー オプションに戻ります。
関連項目
• 関連付けられている AP の SSID の表示(P.6-12)
• 「ネットワーク タイプの表示」
関連付けられている AP の SSID の表示
AP と Cisco 無線 IP 電話 7920 に現在関連付けられている SSID を識別する手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 2 Network Config > 802.11b Configuration を選択します。
ステップ 3 Associated AP SSID までスクロールします。
ステップ 4 Select を押して、電話機と AP を関連付けるために使用している AP の SSID を表示します。
ステップ 5 Back を押して 802.11b Configuration メニュー オプションに戻ります。
関連項目
• 関連付けられているアクセス ポイントの MAC アドレスの表示(P.6-11)
• 「ネットワーク タイプの表示」
Light Extensible Authentication Protocol(LEAP)の設定
ネットワークで Cisco LEAP を使用してユーザ認証と音声の暗号化を行う場合は、アクセス コントロール サーバ(ACS)と電話機に、ユーザ名とパスワードの両方を設定する必要があります。
電話機に LEAP 要求を設定する手順は、次のとおりです。
LEAP ユーザ名の設定
LEAP ユーザ名を入力または変更するには、ACS サーバで設定した電話オプションのユーザ名と同一のユーザ名を使用する必要があります。
(注) LEAP ユーザ名の最大長は 32 文字です。
手順
ステップ 1 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 2 Network Config > 802.11b Configuration を選択します。
ステップ 3 LEAP までスクロールして、 Select を押します。
LEAP オプションが表示されます。
ステップ 4 Username までスクロールして、 Select を押します。
ステップ 5 Edit ソフトキーを押します。
ステップ 6 ユーザ名を入力または修正します。
値の入力方法については、「Network Configuration メニューの設定を編集するときのガイドライン」を参照してください。
ステップ 7 OK を押して、変更を確認します。
ステップ 8 Back を押して LEAP オプションに戻ります。
LEAP パスワードの設定
LEAP パスワードを入力または変更するには、ACS サーバで設定した電話オプションの文字列と同一の文字列を使用する必要があります。
(注) LEAP パスワードの最大長は 32 文字です。
手順
ステップ 1 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 2 Network Config > 802.11b Configuration を選択します。
ステップ 3 LEAP までスクロールして、 Select を押します。
LEAP オプションが表示されます。
ステップ 4 Password までスクロールして、 Select を押します。
ステップ 5 Edit ソフトキーを押します。
ステップ 6 パスワードを入力または修正します。
ステップ 7 OK を押して、変更を確認します。
値の入力方法については、「Network Configuration メニューの設定を編集するときのガイドライン」を参照してください。
ステップ 8 Back を押して LEAP オプションに戻ります。
LEAP プロンプト モードのオンとオフの切り替え
LEAP プロンプト モードがオンの場合、Cisco 無線 IP 電話 7920 の電源をオンにするたびに、LEAP ユーザ名とパスワードを入力するように要求するメッセージが電話機に表示されます。
手順
ステップ 1 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 2 Network Config > 802.11b Configuration を選択します。
ステップ 3 LEAP までスクロールして、 Select を押します。
LEAP オプションが表示されます。
ステップ 4 Prompt Mode までスクロールして、 Select を押します。
ステップ 5 プロンプト モードをオフにするには、 Off までスクロールします。
プロンプト モードをオンにするには、 On までスクロールします。
ステップ 6 Select を押して、変更を確認します。
選択したオプションの横にチェック マークが表示されます。
ステップ 7 Back を押して LEAP オプションに戻ります。
関連項目
• 「電話機の無線ネットワーク設定値へのアクセス」
• 「無線設定値の入力と確認」
• 「サイト調査の確認の実行」
• 「最適化された無線音声環境のための要件」
サイト調査の確認の実行
WLAN で最初に無線電話を配置した後、定期的にサイト調査を実行し、AP が適切なカバレッジを提供していることや、ある AP から別の AP に音声の問題がなく無線電話がローミングできることを確認することをお勧めします。
無線電話と Aironet Client Utility(ACU)を使用して、信号範囲と送信電力が、最適化された無線音声環境の推奨値を満たしていることを確認する必要があります。「最適化された無線音声環境のための要件」を参照してください。
ここでは、サイト調査の実行について説明します。内容は次のとおりです。
• 「サイト調査の確認手順」
• 「Cisco 無線 IP 電話 7920 サイト調査ユーティリティの使用方法」
• 「最適化された無線音声環境のための要件」
サイト調査の確認手順
サイト調査の確認の実行の詳細については、『 Cisco Wireless IP Phone 7920 Design and Deployment Guide 』の「Wireless IP Telephony Verification section」を参照してください。
サイト調査の確認を実行し、問題が発生したときは、 第 9 章「Cisco 無線 IP 電話 7920 のトラブルシーティング」 を参照して問題の原因を探します。
サイト調査の確認を実行する手順は、次のとおりです。
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ステップ 1 |
Cisco 無線 IP 電話 が WLAN のすべての AP に関連付けられていることを確認します。 |
ステップ 2 |
Cisco 無線 IP 電話 が WLAN のすべての AP で認証されていることを確認します。 |
ステップ 3 |
Cisco 無線 IP 電話 が Cisco CallManager に登録されていることを確認します。 |
ステップ 4 |
Cisco 無線 IP 電話 から固定電話への通話の音声の品質が良いことを確認します。 |
ステップ 5 |
Cisco 無線 IP 電話 からローミングしている電話機への通話の音声の品質が良く、接続解除されないことを確認します。 |
ステップ 6 |
特に、使用密度が高いエリアでは、複数の Cisco 無線 IP 電話 で通話を行い、負荷テストを実行します。 |
ステップ 7 |
Cisco 無線 IP 電話 の使用に関するフィードバックをユーザから受け取ります。 |
関連項目
• 「Cisco 無線 IP 電話 7920 サイト調査ユーティリティの使用方法」
• 「最適化された無線音声環境のための要件」
• Cisco Wireless IP Phone 7920 Design and Deployment Guide
Cisco 無線 IP 電話 7920 サイト調査ユーティリティの使用方法
Cisco 無線 IP 電話 7920 の Network Config メニューには、現在電話機の範囲にあるアクセス ポイントに関する情報を提供する、サイト調査ユーティリティが含まれています。 サイト調査ユーティリティを使用する手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 AP と同じ SSID および暗号化と認証の設定を使用して、Cisco 無線 IP 電話 7920 を設定します。
ステップ 2 電話機の電源をオンにして、WLAN と接続します。
ステップ 3 Menu ソフトキーを押します。
ステップ 4 Network Config > Site Survey を選択します。
電話機の範囲内にあり、同じ SSID およびセキュリティ設定のアクセス ポイントのリストが、電話機に表示されます。 サイト調査リストの例を示します。
この表示によって、AP に関する次の情報がわかります。
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1 |
アクティブ(A) |
abcd1234 |
20 |
0 |
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6 |
接続中(C) |
abcd1234 |
51 |
0 |
* |
11 |
アクティブ(A) |
abcd1234 |
10 |
0 |
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ステップ 5 AP の詳細を表示するには、目的の行までスクロールして、 Detail を押します。 特定の AP に関する次の情報が表示されます。
(注) 完全な SSID と MAC アドレスが表示されます。 接続中の同じチャネルに複数の AP がある場合、MAC アドレスの横の(C)によって、電話機がこの AP に接続していることが示されます。
ステップ 6 AP 間のローミング機能を確認するには、電話機を使用するすべてのエリアを移動し、表示を読みます。 良好なローミング状態を保証するには、異なる方向からエリアに近づきます。
ステップ 7 「最適化された無線音声環境のための要件」で説明する適切な無線音声環境を満たすように、AP とアンテナの位置、および AP の出力設定を調整します。
Cisco 無線 IP 電話 7920 のサイト調査ユーティリティのほかに、ラップトップ PC から Cisco Aironet Client Utility Site Survey Utility を使用することもできます。 ご使用のシステム用の『 Cisco Aironet Wireless LAN Client Adapters Installation and Configuration Guide (ワイヤレス LAN クライアント アダプタ インストレーション コンフィギュレーション ガイド)』の「Performing a Site Survey(サイト調査の実行)」を参照してください。
関連項目
• 「サイト調査の確認手順」
最適化された無線音声環境のための要件
インストール後にサイト調査を実行するときに、次のガイドラインに従って、アクセス ポイントに Cisco 無線 IP 電話 をローミングするために適切なカバレッジがあることを確認します。次のガイドラインは、無線環境で良好な音声導入を行うために役立ちます。
(注) 無線音声の要件の詳細については、『Cisco Wireless IP Phone 7920 Design and Deployment Guide』を参照してください。
• チャネルが重ならない 2 つ以上のアクセス ポイントが、常に 7920 サイト調査ユーティリティに表示されること。
• 受信信号強度表示(RSSI)が 35 未満の AP が、1 つのチャネルに 2 つ以上存在しないこと。
• 接続中(C)AP を含む 2 つの AP の RSSI が 35 より大きいこと。AP が 2 つあることで、電話機は容易にローミングでき、1 つの AP が使用中または利用不可になった場合にバックアップ AP を使用できます。
• 使用可能なリンク速度が、常に 11 Mbps であること。
• AP カバレッジが 20 パーセント重なっていること。
• パケット誤り率(PER)が 1 パーセントを超えないこと。
• 最低信号対雑音比(SNR)が 25 db であること。
• 送信電力が AP と電話機で同じであること。
• すべての AP にダイバシティ アンテナがあり、ダイバシティ設定を使用していること。
• 会議室などの高トラフィック エリアでは、追加の AP を使用して負荷を分散すること。
関連項目
• 「サイト調査の確認手順」
• 「無線 LAN の概要」
• 「Cisco Aironet アクセス ポイントとの対話」
• 「無線ネットワークにおける音声品質」