Cisco Unified IP Phone サービス
Cisco Unified Communications Manager の管理を使用すると、サポートされている Cisco Unified IP Phone のモデルで表示できる IP Phone サービスを定義または保守できます。IP Phone サービスは、XML アプリケーションまたはシスコの署名が付加された Java MIDlet から構成されています。これにより、一部の Cisco Unified IP Phone モデルに、テキストとグラフィックスを使用した対話式のコンテンツを表示できます。
Cisco Unified Communications Manager には、Cisco Unified Communications Manager とともに自動的にインストールされる、シスコ提供のデフォルトの IP Phone サービスが用意されています。また、使用中のサイトに合せてカスタマイズされた Cisco Unified IP Phone サービスを作成することもできます。
IP Phone サービスをプロビジョニングした後、次のタスクを実行できます。
• サービスがエンタープライズ登録としてマークされていない場合に、サービスを電話機に割り当てる。
• サービスがエンタープライズ登録としてマークされていない場合に、電話機で IP Phone サービスを短縮ダイヤル(サービス URL ボタン)としてプロビジョニングする。
これらの IP Phone サービスがエンタープライズ登録として分類されていない場合、ユーザは、Cisco Unified CM のユーザ オプションにログインして、各自の Cisco Unified IP Phone をこれらのサービスに登録できます。
この章の構成は、次のとおりです。
• 「Cisco Unified IP Phone サービス設定チェックリスト」
• 「Cisco Unified IP Phone サービスの概要」
• 「インストールまたはアップグレード時の IP Phone サービスに関する考慮事項」
• 「IP Phone サービスの電話機サポート」
• 「ガイドラインとヒント」
• 「依存関係レコード」
• 「参考情報」
Cisco Unified IP Phone サービス設定チェックリスト
Cisco Unified Communications Manager の管理を使用すると、サポートされている Cisco Unified IP Phone のモデルで表示できる IP Phone サービスを定義または保守できます。IP Phone サービスは、XML アプリケーションまたはシスコの署名が付加された Java MIDlet から構成されています。これにより、一部の Cisco Unified IP Phone モデルに、テキストとグラフィックスを使用した対話式のコンテンツを表示できます。
Cisco Unified Communications Manager には、Cisco Unified Communications Manager とともに自動的にインストールされる、シスコ提供のデフォルトの IP Phone サービスが用意されています。また、ご使用のサイトに合せてカスタマイズされた Cisco Unified IP Phone アプリケーションを作成することもできます。
IP Phone サービスをプロビジョニングした後、次のタスクを実行できます。
• サービスがエンタープライズ登録としてマークされていない場合に、サービスを電話機に割り当てる。
• サービスがエンタープライズ登録としてマークされていない場合に、電話機で IP Phone サービスを短縮ダイヤル(サービス URL ボタン)としてプロビジョニングする。
これらの IP Phone サービスがエンタープライズ登録として分類されていない場合、ユーザは、Cisco Unified CM のユーザ オプションにログオンして、各自の Cisco Unified IP Phone をこれらのサービスに登録できます。
表 35-1 では、Cisco Unified IP Phone サービスを設定する際のチェックリストを示しています。詳細については、「参考情報」を参照してください。
表 35-1 Cisco Unified IP Phoneサービス設定チェックリスト
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ステップ 1 |
サービスを個別設定するパラメータのリストを含め、Cisco Unified IP Phone サービスをプロビジョニングします ([デバイス(Device)] > [デバイスの設定(Device Settings)] > [IP Phoneサービス(Phone Service)])。 Cisco Unified Communications Manager のインストールまたはアップグレード後、[IP Phoneサービスの検索と一覧表示(Find and List IP Phone Services)] ウィンドウに、シスコが提供するデフォルトのサービスが表示されます。 必要に応じて、これらのサービスを更新できます。これらのサービスを更新した場合は、[サービスのプロビジョニング(Services Provisioning)] ドロップダウン リスト ボックスを更新する必要がある場合があります。 |
『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の 「インストールまたはアップグレード時の IP Phone サービスに関する考慮事項」 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の IP Phone サービスのパラメータを決定する場合は、使用する IP Phone サービスに対応したマニュアルを参照してください。 |
ステップ 2 |
[サービスのプロビジョニング(Services Provisioning)] ドロップダウン リスト ボックスを設定します。 この設定方法は、ネットワーク内にある電話機モデルに応じて異なります。ネットワーク内のすべての電話機モデルで、電話機の設定ファイルからサービス設定情報を解析できる場合には、[内部(Internal)] を選択できます。ネットワーク内に、電話機の設定ファイルからサービス設定情報を解析できない電話機モデルがある場合には、[両方(Both)] を選択します。 [両方(Both)] を選択すると、電話機の設定ファイルからサービス情報を解析できる電話機と、サービス URL からだけサービス情報を取得できる電話機モデルの両方をサポートできます。Cisco Unified IP Phone 7960 などの一部の電話機モデルでは、サービス URL からだけサービス情報を取得できます。ネットワーク内のあらゆる電話機モデルをサポートする場合には、[両方(Both)] を選択します。 |
このドロップダウン リスト ボックスは、[エンタープライズパラメータ設定(Enterprise Parameters Configuration)] ウィンドウ([システム(System)] > [エンタープライズパラメータ(Enterprise Parameter)])、[共通の電話プロファイル(Common Phone Profile)] ウィンドウ([デバイス(Device)] > [デバイスの設定(Device Settings)] > [共通の電話プロファイル(Common Phone Profile)])、および [電話の設定(Phone Configuration)] ウィンドウ([デバイス(Device)] > [電話(Phone)])に表示されます。 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の |
ステップ 3 |
メッセージ、ディレクトリ、またはサービス ボタン(あるいはオプション)がある電話機では、電話機のどのボタンまたはオプションにサービスを表示するかを指定できます (これは、[IP Phoneサービスの設定(IP Phone Services Configuration)] ウィンドウで行います)。 電話機の短縮ダイヤル ボタンとしてサービスを表示する場合は、サービス URL ボタンを含む電話ボタン テンプレートを作成およびカスタマイズして、サービス URL ボタンに IP Phone サービスを割り当てます。サービスがエンタープライズ登録としてマークされていない場合にだけ、サービスを短縮ダイヤルとして追加できます。 |
『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の 『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の |
ステップ 4 |
Cisco Unified IP Phone サービスが使用可能であることをユーザに通知します。 |
ユーザが Cisco Unified IP Phone サービスにアクセスするための手順については、電話機のマニュアルを参照してください。 |
Cisco Unified IP Phone サービスの概要
Cisco Unified IP Phone サービスは、XML アプリケーションまたはシスコの署名が付加された Java MIDlet から構成されています。これにより、Cisco Unified IP Phone に、テキストとグラフィックスを使用した対話式のコンテンツを表示できます。電話機に提供される一般的なサービスには、気象情報、株価情報、ニュースなどがあります。
IP Phone サービスのプロビジョニングでは、次のタスクを実行できます。
• 電話機におけるサービスのプロビジョニング方法の設定。
電話機において、電話機の設定ファイルからサービスを取得するか、カスタムのサービス URL からサービスを取得するか、またはこれら両方のオプションをサポートするかを指定できます。
• 電話機に IP Phone サービスを表示するかどうかの設定。
Cisco Unified Communications Manager の管理で、サービスを有効または無効にできます。これにより、サービスをデータベースから削除することなく、サービスの表示と非表示を切り替えることができます。
たとえば、電話機にコール履歴情報を表示しない場合は、[デバイス(Device)] > [デバイスの設定(Device Settings)] > [IP Phoneサービス(Phone Services)] を選択して、各設定ウィンドウで 不在着信、受信履歴、発信履歴、およびインターコム コールの [有効(Enable)] チェックボックスをオフにします。
• 電話機上での IP Phone サービスを表示する場所の設定。
デフォルトでは、ディレクトリ、メッセージ、またはサービス ボタン(あるいはオプション)がある電話機の場合、電話機のこれらのいずれかのボタンまたはオプションの下に、サービスが表示されます。必要に応じて、Cisco Unified Communications Manager の管理でこの割り当てを変更できます。
IP Phone サービスを電話機の短縮ダイヤルとして表示することもできます (「Cisco Unified IP Phone サービス設定チェックリスト」を参照)。
• サービスを、クラスタ内のそのサービスをサポートするすべての電話機に表示するかどうか、または Cisco Unified CM のユーザ オプションを使用して電話機ユーザがサービスに登録できるかどうかの設定。
サービスがエンタープライズ登録としてマークされていない場合、管理者またはエンド ユーザは、電話機をサービスに登録できます。たとえば、ロビーにある電話機などの共有デバイスをエンタープライズ登録としてマークされていないサービスに登録できます。
サービスがエンタープライズ登録としてマークされている場合、このサービスは、Cisco Unified Communications Manager の管理の [IP Phoneサービスの設定(IP Phone Services Configuration)] ウィンドウで [有効(Enable)] チェックボックスをオフにすることによって無効にしない限り、クラスタ内のすべての電話機に表示されます。
ユーザが [登録(Subscribe)] ボタンをクリックすると、この登録用のカスタム URL が Cisco Unified Communications Manager によって作成され、データベースに保存されます。その後、このサービスはデバイスのサービス リストに表示されます。
• IP Phone サービスのパラメータのリストの設定。これらのパラメータによって、個々のユーザ用にサービスが個別設定されます。パラメータの例には、株価表示用の記号、市町村名、郵便番号、ユーザ ID などがあります。IP Phone サービスのパラメータを決定する場合は、使用する IP Phone サービスに対応したマニュアルを参照してください。
ヒント IP Phone サービスのプロビジョニングでは、シスコの署名が付加された Java MIDlet または XML アプリケーションを電話機にインストールできます。また、IP Phone サービスのプロビジョニングでは、インストールまたはアップグレードの後に、シスコ提供のデフォルト サービスが提供されます。
インストールまたはアップグレード時の IP Phone サービスに関する考慮事項
Cisco Unified Communications Manager をアップグレードする前にサービスをプロビジョニングした場合は、アップグレード後に追加の設定タスクを実行する必要がある場合があります。たとえば、特定のサービス URL を指すカスタム ディレクトリを使用している場合は、[サービスのプロビジョニング(Services Provisioning)] ドロップダウン リスト ボックスを更新する必要がある場合があります。
Cisco Unified Communications Manager をアップグレードした後、電話機にサービスが表示されない場合、またはサービスが動作しない場合は、[サービスのプロビジョニング(Services Provisioning)] 設定を [両方(Both)] に変更します。
Cisco Unified Communications Manager 7.0(1) 以降、シスコ提供のデフォルト サービスが Cisco Unified Communications Manager によって自動的にプロビジョニングされます。これらのデフォルト サービスについては、『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』のを参照してください。 これらのサービスは、[IP Phoneサービスの検索と一覧表示(Find and List IP Phone Services)] ウィンドウ([デバイス(Device)] > [デバイスの設定(Device Settings)] > [IP Phoneサービス(Phone Services)])に表示されます。これらのサービスを更新するには、ウィンドウ内のリンクをクリックします。サービスの名前、デフォルト サービスが電話機に表示される場所、およびサービス URL を変更できます。デフォルト サービスのサービス URL を変更する場合は、[サービスのプロビジョニング(Services Provisioning)] ドロップダウン リスト ボックスで [両方(Both)] を選択します。これにより、ネットワーク内のさまざまな電話機モデルをサポートできます。つまり、電話機の設定ファイルからサービス情報を取得できる電話機モデル、および外部のサービス URL からサービス情報を取得できる電話機モデル(Cisco Unified IP Phone 7960 など)をネットワークでサポートできます。
IP Phone サービスの電話機サポート
次のプロセスでは、XML サービスおよびシスコの署名が付加された Java MIDlet が Cisco Unified IP Phone でどのようにサポートされているかを示します。
1. 電話機は、リセット、再起動、または起動後に、電話機の設定ファイルを取得し、設定に変更がある場合はローカルのサービス設定を更新します。
2. 設定ファイルのサービスにシスコの署名が付加された Java MIDlet が含まれている場合、電話機では、プロビジョニングされている Java MIDlet サービスとインストールされている Java MIDlet サービスのリストが比較され、サービスをインストール、アンインストール、アップグレード、またはダウングレードする必要があるかどうかが判断されます。電話機によって、必要な処理が自動的に実行されます。電話機への Java MIDlet のインストールに失敗した場合は、電話機によって必要な処理が再試行されます。
3. XML サービスについては、電話機の設定ファイル内の情報が Web スクリプトまたは Web ファイルを指しており、これらのスクリプトやファイルによって XML オブジェクトが返されます。これらのサービスは電話機にインストールされないため、ユーザが電話機でサービスのオプションを選択した場合にだけ、サービス URL が起動されます。
次の場合には、シスコの署名が付加された Java MIDlet が電話機によって自動的にアンインストールされます。
• Cisco エクステンション モビリティを使用して、電話機の現在アクティブなユーザが変更された場合(この処理は、ログイン時やログアウト時に実行されます)。
• 電話機ユーザが Cisco エクステンション モビリティから電話機にログインしていないが、Cisco Unified Communications Manager の管理で [オーナーのユーザID (Owner User ID)] フィールドが更新された場合(これにより、デバイスの現在アクティブなユーザが変更されます)。
• 電話機が、シスコの署名が付加された Java MIDlet がサポートされていない別の Cisco Unified Communications Manager クラスタに登録された場合(または、デバイスのサービス設定が異なっている、別のクラスタに登録された場合)。
• 何らかの方法によって電話機の設定がクリアされた場合。たとえば、電話機の [設定(Settings)] メニューを使用して設定をクリアしたり、電話機を工場出荷時の設定にリセットしたりした場合。
ヒント Cisco Unified IP Phone のモデルによって、IP Phone サービスのプロビジョニングのサポート方法が異なります。たとえば、Cisco Unified IP Phone 7941G、7941G-GE、7961G、7961G-GE、7942G、7962G、7945G、7965G、7970G、7971G、および 7975G では、電話機の設定ファイルからサービス情報を解析したり、電話機のメッセージ、ディレクトリ、またはサービス ボタン(あるいはオプション)にサービスを移動したりできます。また、Cisco Unified IP Phone 7906G、7911G、および 7931G では、シスコの署名が付加された Java MIDlet はサポートされていませんが、これらの電話機では電話機の設定ファイルからサービス情報を解析できます。使用する電話機モデルに対応したサービス プロビジョニングのサポート状況を特定するには、使用する電話機モデルおよびこのリリースの Cisco Unified Communications Manager に対応する『Cisco Unified IP Phone Administration Guide』を参照してください。
ガイドラインとヒント
Cisco Unified Communications Manager の管理で IP Phone サービスをプロビジョニングする場合には、次のガイドラインとヒントを考慮してください。
Cisco Unified Communications Manager のパフォーマンスおよびコール処理への影響を最小限に抑えるために、IP Phone サービスは、サイトの Cisco Unified Communications Manager サーバ上、または Cisco Unified Communications Manager に関連付けられているサーバ、たとえば、TFTP サーバやパブリッシャ データベース サーバ上に設定しないでください。
電話機にサービスを表示しない場合は、[IP Phoneサービスの設定(IP Phone Services Configuration)] ウィンドウ([デバイス(Device)] > [デバイスの設定(Device Settings)] > [IP Phoneサービス(Phone Services)])で [有効(Enable)] チェックボックスをオフにします。
デフォルトとして指定されているボタン以外のボタンに IP Phone サービスを表示する場合は、[サービスタイプ(Service Type)] 設定を更新します。
シスコ提供のデフォルト サービスのデフォルトのサービス URL を変更した場合、たとえば社内ディレクトリのサービス URL を Application:Cisco/CorporateDirectory からカスタム URL に変更した場合は、[サービスのプロビジョニング(Services Provisioning)] ドロップダウン リスト ボックスで [両方(Both)] を選択します (「Cisco Unified IP Phone サービス設定チェックリスト」を参照)。
必要に応じて、[サービスのプロビジョニング(Services Provisioning)] エンタープライズ パラメータを設定できます。これにより、クラスタ内の IP Phone サービスをサポートするすべての電話機に設定が適用されます (Cisco Unified Communications Manager の管理で、[システム(System)] > [エンタープライズパラメータ(Enterprise Parameters)] を選択します)。
エンド ユーザまたは管理者が無効化されたサービスに登録した場合、そのサービスは、電話機のボタンまたはメニューに表示されません。
Cisco Unified Communications Manager をアップグレードした後、電話機にサービスが表示されない場合、またはサービスが動作しない場合は、[サービスのプロビジョニング(Services Provisioning)] 設定を [両方(Both)] に変更します。
依存関係レコード
特定の Cisco Unified IP Phone サービスが使用しているデバイスを知るには、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [IP Phoneサービスの設定(IP Phone Services Configuration)] ウィンドウの [関連リンク(Related Links)] ドロップダウン リスト ボックスで [依存関係レコード(Dependency Records)] を選択し、[移動(Go)] をクリックします。 [依存関係レコード要約(Dependency Records Summary)] ウィンドウに、Cisco Unified IP Phone サービスを使用しているデバイスに関する情報が表示されます。デバイスについて詳細な情報を検索するには、デバイスをクリックして [依存関係レコード詳細(Dependency Records Detail)] ウィンドウを表示します。依存関係レコードがシステムで有効にされていない場合は、[依存関係レコード要約(Dependency Records Summary)] ウィンドウにメッセージが表示されます。
依存関係レコードの詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』のおよび 「IP Phone サービスの設定」 を参照してください。