デジタル ネットワーク
組織内のユーザ数が、1 つの Cisco Unity Connection サーバまたはクラスタ ペアで処理可能なユーザ数を超過する場合、複数の Connection システムのインターネットワークにデジタル ネットワークを使用できます。Cisco Unity Connection 7.x は、デジタル ネットワークをサポートする最初の Connection リリースです。Connection 7.0 は、最大 5 つのシステムを接続するデジタル ネットワークをサポートします。この場合、システムはスタンドアロン Connection サーバまたは Connection クラスタ ペアです(図 4-1 を参照)。Connection 7.1 以降は、最大 10 台のシステムを接続するデジタル ネットワークをサポートします。
デジタル ネットワークは、Cisco Unified Communications Manager Business Edition で使用する場合にはサポートされません。
図 4-1 5 つの Connection システムで構成される Cisco Unity Connection 7.x のデジタル ネットワーク
デジタル ネットワークで接続された Connection システムは、自動的にディレクトリ情報を交換するため、発信側ユーザの検索範囲で着信側ユーザに到達できる限り、いずれかの Connection システムのユーザが名前または内線番号を使用して、他のシステムのユーザにダイヤルしたり、メッセージの宛先に指定したりできます。ネットワーク接続されたシステムは、1 つのディレクトリを共有しているかのように機能します。ユーザが別のユーザの場所を知る必要はありません。ディレクトリ内のユーザまたはシステム同報リストをメッセージの宛先に指定するために必要なのは、名前または内線番号だけです。
デジタル ネットワークで接続されているシステムは、ディレクトリ レプリケーションおよびメッセージ転送の両方に SMTP 転送を使用するため、Connection ロケーションを地理的な境界を超えて展開することができます。デジタル ネットワークに参加する各サーバは、TCP/IP ポート 25 を介してデジタル ネットワーク上の他のすべてのサーバに直接アクセスできる必要があります。または、SMTP メッセージが、SMTP スマート ホストによりサーバ間でルーティング可能であることが必要です。
デジタルネットワークに Connection クラスタが含まれている場合は、パブリッシャ サーバがダウンする場合に備えて、クラスタ サブスクライバ サーバにメッセージ トラフィックが到達できるように、パブリッシャ サーバとサブスクライバ サーバの両方にクラスタの SMTP ドメインを解決するスマート ホストを用意しておく必要があります。
デジタル ネットワークでは、各 Connection オブジェクトは Connection ロケーションと呼ばれる単一の Connection システムで作成され、そのシステムがオブジェクトのホームになります。オブジェクトは、オブジェクトが作成された Connection システムだけで変更または削除できます。各ロケーションにはユーザおよびその他のオブジェクトの独自のディレクトリが存在し、これらのオブジェクトとそのプロパティのサブセットを、他のロケーションにレプリケートします。
Connection デジタル ネットワークでレプリケートされるオブジェクトは、次のとおりです。
• ユーザ
• 連絡先(システムおよび VPIM)
• システム同報リスト(メンバシップを含む)
• ロケーション(Connection および VPIM)
• パーティション
• サーチ スペース
• 名前の録音
Connection 7.x では、デジタル ネットワーク内のユーザ、システム連絡先、および個人連絡先の組み合せの合計件数が 50,000 件を超えることはできません。
オプションで、デジタル ネットワーク内のシステム間で追加のクロスサーバ機能を展開することもできます。クロスサーバ ログオンを使用すると、ユーザがどの Connection サーバをホームとしているかにかかわらず、組織外から発信して Connection にログオンする場合にすべてのユーザが同じ番号にダイヤルできます。クロスサーバ転送機能では、ある Connection システムの自動受付からの通話を、着信側ユーザの着信転送とスクリーニングの設定に従って、ネットワーク接続されている別の Connection システムのユーザに転送できます。クロスサーバ転送機能を有効にすると、クロスサーバ Live Reply も有効になり、着信側ユーザの着信転送とスクリーニングの設定に従って、ネットワーク接続されている別の Connection システムのユーザであるメッセージの送信者に電話をかけ直すことができます。
デジタル ネットワーク、設計の考慮事項、および設定の詳細については、『 System Administration Guide for Cisco Unity Connection Release 7.x 』の「 Using Digital Networking 」の章を参照してください。
VPIM ネットワーク
Cisco Unity Connection 7.x は、業界標準の Voice Profile for Internet Mail(VPIM; インターネット メッセージ用音声プロファイル)プロトコルをサポートしています。このプロトコルによって、異なるボイス メッセージ システム間で、ボイス メッセージとテキスト メッセージをインターネットまたは任意の TCP/IP ネットワーク経由で交換できます。VPIM は、Simple Mail Transfer Protocol(SMTP; シンプル メール転送プロトコル)および Multi-Purpose Internet Mail Extension(MIME; 多目的インターネット メール拡張)プロトコルを基礎としています。
VPIM ネットワークは、Cisco Unified Communications Manager Business Edition で使用する場合にサポートされます。
VPIM ネットワークはライセンスが必要な機能です。Connection は、Internet RFC 3801 に規定された VPIM バージョン 2 プロトコルをサポートするボイス メッセージング システムとのインターネットワーキングをサポートしています。Connection によって VPIM ネットワークがサポートされるメッセージング システムの一覧については、『 System Requirements for Cisco Unity Connection Release 7.x 』の「 Requirements for VPIM Networking 」の項を参照してください。
Connection 7.x は、Connection ディレクトリ内で最大 10 の VPIM ロケーションおよび 15,000 の VPIM 連絡先をサポートします。この制限は、1 つの Connection サーバまたはクラスタ ペア内のディレクトリにも、デジタル ネットワーク内のグローバル ディレクトリにも、同様に適用されます。VPIM とデジタル ネットワークの両方を展開する場合は、デジタル ネットワーク上の 1 つの Connection ロケーションを、VPIM ロケーションと VPIM 連絡先の設定を処理するブリッジヘッドとして指定することをお勧めします。これらのオブジェクトを 1 つのロケーションから管理すると、メンテナンス作業を簡略化できます。また、ユーザがメッセージの宛先を指定するときに混乱の原因となる可能性のある、連絡情報のオーバーラップを回避できます。
VPIM ネットワーク、設計の考慮事項、および設定の詳細については、『 System Administration Guide for Cisco Unity Connection Release 7.x 』の「 Using VPIM Networking 」の章を参照してください。