Cisco Unity Connection クラスタの概要
Cisco Unity Connection は、2 つの Connection サーバの Connection クラスタ設定をサポートし、高可用性と冗長性を提供します。Connection クラスタ内の Connection サーバは 1 つのサイト内にあり、LAN によって接続されます。Connection サーバは、コール、HTTP要求、および IMAP 要求を処理します。Connection クラスタ内の 1 つのサーバだけが機能している場合、残りのサーバは、Connection クラスタのすべてのコール、HTTP 要求、および IMAP 要求を処理することによって、システム機能を保持します。Connection クラスタ内の各サーバは、Connection クラスタのすべてのコールを処理するのに十分な数のボイス メッセージ ポートを持っている必要があります。
最初にインストールされたサーバは Connection クラスタのパブリッシュ サーバになり、2 番目にインストールされたサーバはサブスクライバ サーバになります。これらの関係は、インストール時にデータベース リレーションシップを定義するために使用されます。ロールの分類は、常に 1 つのパブリッシュ サーバと複数のサブスクライバ サーバが存在する Cisco Unified Communications Manager クラスタのスキーマと一致します (Connection は Cisco Unified CM のプラットフォームで実行されることに注意してください)。ただし、Cisco Unified CM クラスタとは異なり、Connection は Connection クラスタの 2 つの Connection サーバだけをサポートします。Cisco Unified CM と連動する Connection クラスタのネットワーク図については、図 8-1 を参照してください。
図 8-1 Cisco Unified Communications Manager と連動する Cisco Unity Connection クラスタ
Web または Cisco Unity Inbox や IMAP クライアントなどの電子メール クライアントを使用しないシステムの場合、Connection クラスタ サーバ ペアは最大 10,000 ユーザをサポートします。この設定では、両方のサーバはそれぞれ最大 144 個のボイス メッセージ ポートをサポートし、両方のサーバがアクティブである場合は累計で 288 個のボイス メッセージ ポートをサポートできます。1 つのサーバだけがアクティブである場合、ポート キャパシティは最大の 144 個よりも少なくなります。
Web または Cisco Unity Inbox や IMAP クライアントなどの電子メールを使用するシステムの場合、Connection クラスタ サーバ ペアは最大 7,500 ユーザをサポートします。この設定では、両方のサーバはそれぞれ最大 72 個のボイス メッセージ ポートをサポートし、両方のサーバがアクティブである場合は累計で 144 個のボイス メッセージ ポートをサポートできます。1 つのサーバだけがアクティブである場合、ポート キャパシティは最大の 72 個よりも少なくなります。
Connection クラスタのキャパシティ計画の詳細については、『Cisco Unity Connection Supported Platform List』を参照してください。このドキュメントは、 http://www.cisco.com/en/US/products/ps6509/products_data_sheets_list.html から入手可能です。
(注) Connection クラスタ サーバ ペアは、最大 7,500 の IMAP Idle クライアントをサポートします。Connection サーバに接続する IMAP クライアントが IMAP Idle をサポートしていない場合、これらの各クライアントは 4 つの IMAP Idle クライアントとして数える必要があります。たとえば、4 つの IMAP Idle 以外のクライアントを配置することは、16 個の IMAP Idle クライアントを配置することと同じです。IMAP Idle クライアントと IMAP Idle 以外のクライアントの説明については、「Connection ボイス メッセージへのアクセスに使用する IMAP クライアント」を参照してください。
パブリッシャ サーバ
Connection クラスタ内にパブリッシャ サーバが必要であり、Connection クラスタ サーバ ペアには 1 つのパブリッシャ サーバだけを配置できます。パブリッシャ サーバは最初にインストールされるサーバであり、Connection クラスタ サーバ ペアのサブスクライバ サーバに対してデータベースとメッセージ ストア サービスを提供します。
Connection クラスタ サーバ ペアのインストールの詳細については、『 Installation Guide for Cisco Unity Connection Release 7.x 』の「 Overview of Mandatory Tasks for Installing a Cisco Unity Connection 7.x System 」の章を参照してください。
クライアント トラフィック(IMAP や Cisco Personal Communications Assistant など)と管理トラフィック(Cisco Unity Connection Administration、Bulk Administration Tool、バックアップ操作など)の大部分を、Connection クラスタ サーバ ペアのパブリッシャ サーバに転送することをお勧めします。ただし、コール トラフィック(SCCP、SIP、PIMG/TIMG など)の大部分は、パブリッシャ サーバではなく Connection クラスタ サーバ ペアのサブスクライバ サーバに転送することをお勧めします。必要に応じて、その他のコール トラフィックをパブリッシャ サーバに転送できますが、コール トラフィックは最初にサブスクライバ サーバに転送する必要があります。
サブスクライバ サーバ
Connection クラスタ サーバ ペアにサブスクライバ サーバをインストールする場合は、パブリッシャ サーバの IP アドレスまたはホスト名を入力します。ソフトウェアをインストールしたら、サブスクライバ サーバをパブリッシャ サーバに登録して、データベースとメッセージ ストアのコピーを取得します。1 つの Connection クラスタ サーバ ペアに配置できるサブスクライバ サーバは 1 つだけです。
コール トラフィック(SCCP、SIP、PIMG/TIMG など)の大部分は、Connection クラスタ サーバ ペアのサブスクライバ サーバに転送することをお勧めします。必要に応じて、その他のコール トラフィックをパブリッシャ サーバに転送できますが、コール トラフィックは最初にサブスクライバ サーバに転送する必要があります。クライアント トラフィック(IMAP や Cisco Personal Communications Assistant など)と、管理トラフィック(Cisco Unity Connection Administration、Bulk Administration Tool、バックアップ操作など)の大部分を、Connection クラスタ サーバ ペアのパブリッシャ サーバに転送する必要があります。必要に応じて、その他のクライアント トラフィックや管理トラフィックをサブスクライバ サーバに転送できますが、クライアント トラフィックと管理トラフィックは最初にパブリッシャ サーバに転送する必要があります。
Cisco Unity Connection サーバが処理するコールのロード バランシング
Connection クラスタで Cisco Unity Connection サーバが処理するコールの負荷を分散できますが、大部分のコール トラフィックをサブスクライバ サーバに転送することをお勧めします。この設定は、サブスクライバ サーバだけでコール トラフィックを許可する Cisco Unified Communications Manager クラスタ モデルに従います。
Skinny Client Control Protocol(SCCP)を使用した Cisco Unified Communications Manager
Skinny Client Control Protocol(SCCP)を使用して Connection と Cisco Unified CM を連動させる場合、次のいずれかの方法を使用して Cisco Unity Connection サーバ ペアが処理するボイス トラフィックを分散させることができます。
• (推奨) Cisco Unified Communications Manager Administration([コール ルーティング] > [ルート/ハント] > [回線グループ] ページ)で、回線グループの分散アルゴリズムに [優先度順] を使用します。回線グループには、Connection クラスタの両方のサーバでコールに応答するポートの電話番号が含まれます。
Connection Administration では、同一のデバイス名プレフィックスを共有しているポートはすべて 1 つのポート グループ内に収まっています (異なるデバイス名プレフィックスを共有しているポートがある場合は、それらのポートは別のポート グループにする必要があります)。表示名で一番小さい番号を持つ応答ポートから開始し、半分の応答ポートをサブスクライバ サーバに割り当て、サブスクライバ サーバが大部分の着信コールに応答できるようにします。残りの応答ポートをパブリッシャ サーバに割り当てます。次に、表示名で一番小さい番号を持つ発信ポートから開始し、半分の発信ポートをプライマリ サーバに割り当て、プライマリ サーバが MWI や通知コールを処理できるようにします。残りの発信ポートをサブスクライバ サーバに割り当てます。
• Cisco Unified Communications Manager Administration([コール ルーティング] > [ルート/ハント] > [回線グループ] ページ)で、回線グループの分散アルゴリズムに [最長アイドル時間] を使用します。回線グループには、Connection クラスタの両方のサーバでコールに応答するポートの電話番号が含まれます。
Connection Administration では、すべてのポートが 1 つのポート グループに所属します。応答ポートと発信ポートの前半はパブリッシャ サーバに割り当てられ、残りのポートは Connection クラスタのサブスクライバ サーバに割り当てられます。
SIP トランクを使用した Cisco Unified Communications Manager
SIP を使用して Cisco Unified CM と連動させる場合、次のいずれかの方法を使用して Connection クラスタ サーバ ペアが処理するボイス トラフィックを分散させることができます。
• (推奨) Cisco Unified CM でルート リストを使用する
• DNS-SRV - RFC 2782 を使用する
• SIP ゲートウェイ DNS-SRV を使用する
PIMG/TIMG 装置を使用した TDM ベースの(回線交換)電話システム
PIMG/TIMG 装置を使用して TDM ベースの(回線交換)電話システムと連動させる場合、次のいずれかの方法を使用して Connection クラスタ サーバ ペアが処理するボイス トラフィックの負荷を分散させることができます。
• (推奨) PIMG/TIMG 装置でロード バランシングをオンにします。
• TDM ベースの PBX でロード バランシングを使用します。
(注) PIMG/TIMG 装置で耐障害性をオンにしておくこともお勧めします。これにより、片方のサーバがコールを受信できない場合に、PIMG/TIMG 装置が Connection クラスタのいずれかのサーバにコールを転送できます。
Cisco Unity Connection クラスタのロード バランシング クライアント
Cisco Unity Connection クラスタ サーバ ペアが処理する、Cisco Personal Communications Assistant(PCA)、IMAP、Cisco Unity Connection Administration などからのクライアント要求と管理要求を分散させることができますが、大部分のクライアント トラフィックと管理トラフィックをパブリッシャ サーバに転送することをお勧めします。
クライアント要求を分散するには、DNS A レコードを使用する必要があります。DNS A レコードによって、ラウンドロビン方式でどちらのサーバに対してもクライアントの DNS lookup を解決できます。
(注) Connection クラスタ サーバ ペアの 1 つのサーバが機能を停止してフェールオーバーが発生すると、Cisco PCA や IMAP クライアントなどのクライアントは再びログインして認証を受けることが必要になる場合があります。
複数の A レコードを使用してロード バランシングを行うために DNS を使用することは推奨しません。これは、この方法ではサーバが使用不能になった場合(たとえば、Connection クラスタ サーバ ペアの 1 つが機能を停止した場合)が考慮されていないためです。DNS サーバは、A レコードに記述されたサーバの IP アドレスの可用性を判断できません。Connection クラスタ サーバ ペアで機能している Connection サーバに接続する前に、クライアントが複数回 DNS 解決を試みることが必要になる場合があります。
発信用のボイス メッセージ ポートの設定
Connection クラスタの各 Cisco Unity Connection サーバは、どちらかのサーバが停止した場合のために、次の発信機能用に指定されたボイス メッセージ ポートを持つ必要があります。
• Message waiting indication(MWI; メッセージ受信インジケータ)の送信。
• メッセージ到着通知の実行。
• Telephone Record And Playback(TRAP; 電話での録音および再生)接続の許可。
これらの発信機能のために、適切な数のボイス メッセージ ポートを確保してことをお勧めします。これらの専用発信ポートでは着信コールを受信しないでください。また、コールに応答できないようにしてください。