マルチプロトコル BGP for IPv6 の実装方法
マルチプロトコル BGP for IPv6 拡張を設定する場合は、BGP ルーティング プロセスを作成し、ピアリング関係を設定し、特定のネットワーク用に BGP をカスタマイズする必要があります。
(注) 次の各項では、IPv6 マルチプロトコル BGP ルーティング プロセスの作成、そのルーティング プロセスへのピア、ピア グループ、およびネットワークの関連付けに関する設定作業について説明します。次の各項では、マルチプロトコル BGP のカスタマイズについては詳しく説明していません。IPv6 でのプロトコルの機能は、IPv4 の場合と同じであるためです。BGP とマルチプロトコル BGP の設定およびコマンド リファレンス情報の詳細については、「関連資料」の項を参照してください。
次の各項の作業では、マルチプロトコル BGP for IPv6 拡張の設定方法について説明します。一覧内の各作業は、必須と任意に分けています。
• 「IPv6 BGP ルーティング プロセスおよび BGP ルータ ID の設定」(必須)
• 「IPv6 マルチプロトコル BGP ピアの設定」(必須)
• 「リンクローカル アドレスを使用した IPv6 マルチプロトコル BGP ピアの設定」(任意)
• 「IPv6 マルチプロトコル BGP ピア グループの設定」(任意)
• 「IPv6 マルチプロトコル BGP へのルートのアドバタイズ」(必須)
• 「IPv6 マルチプロトコル BGP プレフィクスのルート マップの設定」(任意)
• 「IPv6 マルチプロトコル BGP へのプレフィクスの再配布」(任意)
• 「IPv6 BGP ピア間での IPv4 ルートのアドバタイズ」(任意)
• 「BGP の管理ディスタンスの割り当て」(任意)
• 「IPv6 マルチキャスト BGP の変換アップデートの生成」(任意)
• 「IPv6 BGP グレースフル リスタート機能の設定」(任意)
• 「BGP セッションのリセット」(任意)
• 「外部 BGP ピアのクリア」(任意)
• 「IPv6 BGP ルート減衰情報のクリア」(任意)
• 「IPv6 BGP フラップ統計情報のクリア」(任意)
• 「IPv6 マルチプロトコル BGP の設定および動作の確認」(任意)
IPv6 BGP ルーティング プロセスおよび BGP ルータ ID の設定
IPv6 BGP ルーティング プロセスを設定し、オプションの BGP スピーキング ルータ用 BGP ルータ ID を設定するには、次の作業を実行します。
IPv6 の BGP ルータ ID
BGP では、ルータ ID を使用して、BGP スピーキング ピアを識別します。BGP ルータ ID は、32 ビット値であり、多くの場合、IPv4 アドレスで表されます。デフォルトでは、Cisco IOS ソフトウェアによって、ルータ ID がルータ上のループバック インターフェイスの IPv4 アドレスに設定されます。ルータ上でループバック インターフェイスが設定されていない場合は、BGP ルータ ID を表すためにルータ上の物理インターフェイスに設定されている最上位の IPv4 アドレスがソフトウェアによって選択されます。IPv6 だけがイネーブルになっているルータ(IPv4 アドレスを持っていないルータ)で BGP を設定する場合、そのルータの BGP ルータ ID を手動で設定する必要があります。IPv4 アドレス構文を使用して 32 ビット値で表される BGP ルータ ID は、ルータの BGP ピアで一意である必要があります。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. router bgp as-number
4. no bgp default ipv4-unicast
5. bgp router-id ip-address
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • 必要に応じてパスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
router bgp as-number
Router(config)# router bgp 65000 |
BGP ルーティング プロセスを設定し、指定したルーティング プロセスのルータ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
no bgp default ipv4-unicast
Router(config-router)# no bgp default ipv4-unicast |
前の手順で指定した BGP ルーティング プロセスの IPv4 ユニキャスト アドレス ファミリをディセーブルにします。 コマンドを設定している場合は除きます。 |
ステップ 5 |
bgp router-id ip-address
Router(config-router)# bgp router-id 192.168.99.70 |
(任意)固定 32 ビット ルータ ID を、BGP を実行するローカル ルータの ID として設定します。 コマンドを使用してルータ ID を設定すると、アクティブな BGP ピアリング セッションがすべてリセットされます。 |
制約事項
デフォルトでは、ルータ コンフィギュレーション モードで neighbor remote-as コマンドを使用して定義したネイバーは、IPv4 ユニキャスト アドレス プレフィクスだけを交換します。IPv6 プレフィクスなどの他のアドレス プレフィクス タイプを交換するには、その他のプレフィクス タイプ(IPv6 プレフィクスなど)のアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで neighbor activate コマンドを使用して、ネイバーをアクティブ化する必要もあります。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. router bgp as-number
4. neighbor { ip-address | ipv6-address [ % ] | peer-group-name } remote-as autonomous-system-number [ alternate-as autonomous-system-number ...]
5. address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
6. neighbor { ip-address | peer-group-name | ipv6-address % } activate
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • 必要に応じてパスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
router bgp as-number
Router(config)# router bgp 65000 |
指定したルーティング プロセスのルータ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
neighbor { ip-address | ipv6-address [ % ] | peer-group-name } remote-as autonomous-system-number [ alternate-as autonomous-system-number ...]
Router(config-router)# neighbor 2001:0DB8:0:CC00::1 remote-as 64600 |
指定した自律システム内のネイバーの IPv6 アドレスを、ローカル ルータの IPv6 マルチプロトコル BGP ネイバーテーブルに追加します。 |
ステップ 5 |
address-family ipv6 [ unicast | multicast ]
Router(config-router)# address-family ipv6 |
IPv6 アドレス ファミリを指定し、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。 • unicast キーワードでは、IPv6 ユニキャスト アドレス ファミリを 指定します。デフォルトでは、 address-family ipv6 コマンドで unicast キーワードが指定されていない場合、ルータは IPv6 ユニキャスト アドレス ファミリのコンフィギュレーション モードになります。 • multicast キーワードでは、 IPv6 マルチキャスト アドレス プレフィクス を指定します。 |
ステップ 6 |
neighbor { ip-address | peer-group-name | ipv6-address % } activate
Router(config-router-af)# neighbor 2001:0DB8:0:CC00::1 activate |
ローカル ルータとの間で IPv6 アドレス ファミリを交換できるようにネイバーを設定します。 |
リンクローカル アドレスを使用した IPv6 マルチプロトコル BGP ピアの設定
リンクローカル アドレスを使用したマルチプロトコル BGP ピアリング
リンクローカル アドレスを使用して 2 台の IPv6 ルータ(ピア)間に IPv6 マルチプロトコル BGP を設定する場合は、ネイバーのインターフェイスが update-source コマンドを使用して識別され、IPv6 グローバル ネクストホップを設定するようにルート マップが設定されている必要があります。
制約事項
• デフォルトでは、ルータ コンフィギュレーション モードで neighbor remote-as コマンドを使用して定義したネイバーは、IPv4 ユニキャスト アドレス プレフィクスだけを交換します。IPv6 プレフィクスなどの他のアドレス プレフィクス タイプを交換するには、その他のプレフィクス タイプ(IPv6 プレフィクスなど)のアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで neighbor activate コマンドを使用して、ネイバーをアクティブ化する必要もあります。
• デフォルトでは、 neighbor route-map コマンドを使用してルータ コンフィギュレーション モードで適用されるルート マップは、IPv4 ユニキャスト アドレス プレフィクスだけに適用されます。IPv6 アドレス ファミリなどのその他のアドレス ファミリのルート マップは、 neighbor route-map コマンドを使用してアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで適用される必要があります。ルート マップは、指定したアドレス ファミリの下にあるネイバーの着信ルーティング ポリシーまたは発信ルーティング ポリシーとして適用されます。各アドレス ファミリ タイプで個別のルート マップを設定すると、各アドレス ファミリの複雑なポリシーまたはさまざまなポリシーを簡単に管理できるようになります。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. router bgp autonomous-system-number
4. neighbor { ip-address | ipv6-address [ % ] | peer-group-name } remote-as autonomous-system-number [ alternate-as autonomous-system-number ...]
5. neighbor { ip-address | ipv6-address [ % ] | peer-group-name } update-source interface-type interface-number
6. address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
7. neighbor { ip-address | peer-group-name | ipv6-address % } activate
8. neighbor { ip-address | peer-group-name | ipv6-address [ % ]} route-map map-name { in | out }
9. exit
10. ステップ 9 を繰り返します。
11. route-map map-tag [ permit | deny ] [ sequence-number ]
12. match ipv6 address { prefix-list prefix-list-name | access-list-name }
13. set ipv6 next-hop ipv6-address [ link-local-address ] [ peer-address ]
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • 必要に応じてパスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
router bgp autonomous-system-number
Router(config)# router bgp 65000 |
指定したルーティング プロセスのルータ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
neighbor { ip-address | ipv6-address [ % ] | peer-group-name } remote-as autonomous-system-number [ alternate-as autonomous-system-number ...]
Router(config-router)# neighbor FE80::XXXX:BFF:FE0E:A471% remote-as 64600 |
指定したリモート自律システム内のネイバーのリンクローカル IPv6 アドレスをローカル ルータの IPv6 マルチプロトコル BGP ネイバーテーブルに追加します。 • 省略可能な % キーワードは、IPv6 リンクローカル アドレス ID です。このキーワードは、リンクローカル IPv6 アドレスがそのインターフェイスのコンテキスト外で使用される場合は、追加する必要があります。 |
ステップ 5 |
neighbor { ip-address | ipv6-address [ % ] | peer-group-name } update-source interface-type interface-number
Router(config-router)# neighbor FE80::XXXX:BFF:FE0E:A471% update-source fastethernet0 |
ピアリングが発生するリンクローカル アドレスを指定します。 • 省略可能な % キーワードは、IPv6 リンクローカル アドレス ID です。このキーワードは、リンクローカル IPv6 アドレスがそのインターフェイスのコンテキスト外で使用される場合は、追加する必要があります。 • ネイバーへの接続が複数存在し、 neighbor update-source コマンドで interface-type 引数と interface-number 引数を使用してネイバー インターフェイスを指定していない場合は、リンクローカル アドレスを使用してネイバーとの TCP 接続を確立することはできません。 |
ステップ 6 |
address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
Router(config-router)# address-family ipv6 |
IPv6 アドレス ファミリを指定し、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。 • unicast キーワードでは、IPv6 ユニキャスト アドレス ファミリを 指定します。デフォルトでは、 address-family ipv6 コマンドで unicast キーワードが指定されていない場合、ルータは IPv6 ユニキャスト アドレス ファミリのコンフィギュレーション モードになります。 • multicast キーワードでは、 IPv6 マルチキャスト アドレス プレフィクス を指定します。 |
ステップ 7 |
neighbor { ip-address | peer-group-name | ipv6-address % } activate
Router(config-router-af)# neighbor FE80::XXXX:BFF:FE0E:A471% activate |
ネイバーが、指定したリンクローカル アドレスを使用して IPv6 アドレス ファミリのプレフィクスをローカル ルータと交換できるようにします。 • 省略可能な % キーワードは、IPv6 リンクローカル アドレス ID です。このキーワードは、リンクローカル IPv6 アドレスがそのインターフェイスのコンテキスト外で使用される場合は、追加する必要があります。 |
ステップ 8 |
neighbor { ip-address | peer-group-name | ipv6-address [ % ]} route-map map-name { in | out }
Router(config-router-af)# neighbor FE80::XXXX:BFF:FE0E:A471% route-map nh6 out |
着信ルートまたは発信ルートにルート マップを適用します。 • 省略可能な % キーワードは、IPv6 リンクローカル アドレス ID です。このキーワードは、リンクローカル IPv6 アドレスがそのインターフェイスのコンテキスト外で使用される場合は、追加する必要があります。 |
ステップ 9 |
exit
Router(config-router-af)# exit |
アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを終了し、ルータをルータ コンフィギュレーション モードに戻します。 |
ステップ 10 |
ステップ 9 を繰り返します。
Router(config-router)# exit |
ルータ コンフィギュレーション モードを終了し、ルータをグローバル コンフィギュレーション モードに戻します。 |
ステップ 11 |
route-map map-tag [ permit | deny ] [ sequence-number ]
Router(config)# route-map nh6 permit 10 |
ルート マップを定義し、ルート マップ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 12 |
match ipv6 address { prefix-list prefix-list-name | access-list-name }
Router(config-route-map)# match ipv6 address prefix-list cisco |
プレフィクス リストで許可されている宛先 IPv6 ネットワーク番号アドレスを持つすべてのルートを配布するか、パケットに対してポリシー ルーティングを実行します。 |
ステップ 13 |
set ipv6 next-hop ipv6-address [ link-local-address ] [ peer-address ]
Router(config-route-map)# set ipv6 next-hop 2001:0DB8::1 |
ポリシー ルーティング用のルート マップの match 句を渡す IPv6 パケットのピアにアドバタイズされるネクストホップを上書きします。 • ipv6-address 引数では、ネクストホップの IPv6 グローバル アドレスを指定します。隣接ルータである必要はありません。 • link-local-address 引数では、ネクストホップの IPv6 リンクローカル アドレスを指定します。隣接ルータである必要があります。 引数で指定したインターフェイスのリンクローカル アドレスが、BGP アップデートのネクストホップとして含まれています。したがって、リンクローカル アドレスを使用する複数の BGP ピアに必要となるのは、BGP アップデートにグローバル IPv6 ネクストホップ アドレスを設定する 1 つのルート マップだけとなります。 |
トラブルシューティングのヒント
この作業でピアリングが確立されなかった場合、ルート マップの set ipv6 next-hop コマンドの欠落が原因である可能性があります。 debug bgp ipv6 update コマンドを使用して、アップデートに関するデバッグ情報を表示し、ピアリングの状態の識別に役立てます。
IPv6 マルチプロトコル BGP ピア グループの設定
制約事項
• デフォルトでは、ルータ コンフィギュレーション モードで neighbor remote-as コマンドを使用して定義したネイバーは、IPv4 ユニキャスト アドレス プレフィクスだけを交換します。IPv6 プレフィクスなどの他のアドレス プレフィクス タイプを交換するには、その他のプレフィクス タイプ(IPv6 プレフィクスなど)のアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで neighbor activate コマンドを使用して、ネイバーをアクティブ化する必要もあります。
• デフォルトでは、 neighbor peer-group コマンドを使用してルータ コンフィギュレーション モードで定義されたピア グループは、IPv4 ユニキャスト アドレス プレフィクスだけを交換します。IPv6 プレフィクスなどの他のプレフィクス タイプを交換するには、その他のプレフィクス タイプ(IPv6 プレフィクスなど)のアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで neighbor activate コマンドを使用して、ピア グループをアクティブ化する必要があります。
• ピア グループのメンバは、そのピア グループのアドレス プレフィクス設定を自動的に継承します。
• アクティブな IPv4 ネイバーは、アクティブな IPv6 ネイバーと同じピア グループに存在することはできません。IPv4 ピアと IPv6 ピア用に個別のピア グループを作成します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. router bgp as-number
4. neighbor peer-group-name peer-group
5. neighbor { ip-address | ipv6-address [ % ] | peer-group-name } remote-as autonomous-system-number [ alternate-as autonomous-system-number ...]
6. address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
7. neighbor { ip-address | peer-group-name | ipv6-address % } activate
8. neighbor { ip-address | ipv6-address } send-label
9. neighbor { ip-address | ipv6-address } peer-group peer-group-name
10. exit
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • 必要に応じてパスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
router bgp as-number
Router(config)# router bgp 65000 |
指定した BGP ルーティング プロセスのルータ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
neighbor peer-group-name peer-group
Router(config-router)# neighbor group1 peer-group |
マルチプロトコル BGP ピア グループを作成します。 |
ステップ 5 |
neighbor { ip-address | ipv6-address [ % ] | peer-group-name } remote-as autonomous-system-number [ alternate-as autonomous-system-number ...]
Router(config-router)# neighbor 2001:0DB8:0:CC00::1 remote-as 64600 |
指定した自律システム内のネイバーの IPv6 アドレスを、ローカル ルータの IPv6 マルチプロトコル BGP ネイバーテーブルに追加します。 • neighbor remote-as コマンドの ipv6-address 引数は、RFC 2373 に記載された形式にする必要があり、16 ビット値をコロンで区切った 16 進でアドレスを指定します。 |
ステップ 6 |
address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
Router(config-router)# address-family ipv6 unicast |
IPv6 アドレス ファミリを指定し、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。 • unicast キーワードでは、IPv6 ユニキャスト アドレス ファミリを 指定します。デフォルトでは、 address-family ipv6 コマンドで unicast キーワードが指定されていない場合、ルータは IPv6 ユニキャスト アドレス ファミリのコンフィギュレーション モードになります。 • multicast キーワードでは、 IPv6 マルチキャスト アドレス プレフィクス を指定します。 |
ステップ 7 |
neighbor { ip-address | peer-group-name | ipv6-address % } activate
Router(config-router-af)# neighbor 2001:0DB8:0:CC00::1 activate |
ネイバーが、指定したファミリ タイプのプレフィクスをネイバーおよびローカル ルータと交換できるようにします。 • 各ネイバーでの追加の設定手順を回避するために、この手順の代替として、 peer-group-name 引数を指定して neighbor activate コマンドを使用します。 |
ステップ 8 |
neighbor { ip-address | ipv6-address } send-label
Router(config-router-af)# neighbor 192.168.99.70 send-label |
BGP ルートとともに MPLS ラベルを送信するルータの機能をアドバタイズします。 • IPv6 アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードでは、このコマンドによって、BGP の IPv6 プレフィクスのアドバタイズ時に集約ラベルをバインドおよびアドバタイズできるようになります。 |
ステップ 9 |
neighbor { ip-address | ipv6-address } peer-group peer-group-name
Router(config-router-af)# neighbor 2001:0DB8:0:CC00::1 peer-group group1 |
BGP ネイバーの IPv6 アドレスをピア グループに割り当てます。 |
ステップ 10 |
exit
Router(config-router-af)# exit |
アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを終了し、ルータをルータ コンフィギュレーション モードに戻します。 • このステップを繰り返して、ルータ コンフィギュレーション モードを終了し、ルータをグローバル コンフィギュレーション モードに戻します。 |
IPv6 マルチプロトコル BGP へのルートのアドバタイズ
制約事項
デフォルトでは、 network コマンドを使用してルータ コンフィギュレーション モードで定義されたネットワークは、IPv4 ユニキャスト データベースに挿入されます。ネットワークを IPv6 BGP データベースなどの他のデータベースに挿入するには、他のデータベース(IPv6 BGP データベースなど)のアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで network コマンドを使用して、ネットワークを定義する必要があります。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. router bgp as-number
4. address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
5. network { network-number [ mask network-mask ] | nsap-prefix } [ route-map map-tag ]
6. exit
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • 必要に応じてパスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
router bgp as-number
Router(config)# router bgp 65000 |
指定した BGP ルーティング プロセスのルータ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
Router(config-router)# address-family ipv6 unicast |
IPv6 アドレス ファミリを指定し、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。 • unicast キーワードでは、IPv6 ユニキャスト アドレス ファミリを 指定します。デフォルトでは、 address-family ipv6 コマンドで unicast キーワードが指定されていない場合、ルータは IPv6 ユニキャスト アドレス ファミリのコンフィギュレーション モードになります。 • multicast キーワードでは、 IPv6 マルチキャスト アドレス プレフィクス を指定します。 |
ステップ 5 |
network { network-number [ mask network-mask ] | nsap-prefix } [ route-map map-tag ]
Router(config-router-af)# network 2001:0DB8::/24 |
指定したプレフィクスを IPv6 BGP データベースにアドバタイズ(挿入)します(ルートは、まず IPv6 ユニキャスト ルーティング テーブルで検索される必要があります)。 • 具体的には、前の手順で指定したアドレス ファミリのデータベースにプレフィクスが挿入されます。 • ルートには指定したプレフィクスによって「local origin」のタグが付けられます。 • network コマンドの ipv6-prefix 引数は、RFC 2373 に記載された形式にする必要があり、16 ビット値をコロンで区切った 16 進でアドレスを指定します。 • prefix-length 引数は、アドレスのうち連続する上位何ビットがプレフィクス(アドレスのネットワーク部)を構成するかを示す 10 進数値です。10 進数値の前にスラッシュ記号が必要です。 |
ステップ 6 |
exit
Router(config-router-af)# exit |
アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを終了し、ルータをルータ コンフィギュレーション モードに戻します。 • この手順を繰り返して、ルータ コンフィギュレーション モードを終了し、ルータをグローバル コンフィギュレーション モードに戻します。 |
IPv6 マルチプロトコル BGP プレフィクスのルート マップの設定
制約事項
• デフォルトでは、ルータ コンフィギュレーション モードで neighbor remote-as コマンドを使用して定義したネイバーは、IPv4 ユニキャスト アドレス プレフィクスだけを交換します。IPv6 プレフィクスなどの他のアドレス プレフィクス タイプを交換するには、その他のプレフィクス タイプ(IPv6 プレフィクスなど)のアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで neighbor activate コマンドを使用して、ネイバーをアクティブ化する必要もあります。
• デフォルトでは、 neighbor route-map コマンドを使用してルータ コンフィギュレーション モードで適用されるルート マップは、IPv4 ユニキャスト アドレス プレフィクスだけに適用されます。IPv6 アドレス ファミリなどのその他のアドレス ファミリのルート マップは、 neighbor route-map コマンドを使用してアドレス ファミリ コンフィギュレーション モードで適用される必要があります。ルート マップは、指定したアドレス ファミリの下にあるネイバーの着信ルーティング ポリシーまたは発信ルーティング ポリシーとして適用されます。各アドレス ファミリ タイプで個別のルート マップを設定すると、各アドレス ファミリの複雑なポリシーまたはさまざまなポリシーを簡単に管理できるようになります。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. router bgp as-number
4. neighbor { ip-address | ipv6-address [ % ] | peer-group-name } remote-as autonomous-system-number [ alternate-as autonomous-system-number ...]
5. address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
6. neighbor { ip-address | peer-group-name | ipv6-address % } activate
7. neighbor { ip-address | peer-group-name | ipv6-address [ % ]} route-map map-name { in | out }
8. exit
9. ステップ 8 を繰り返します。
10. route-map map-tag [ permit | deny ] [ sequence-number ]
11. match ipv6 address { prefix-list prefix-list-name | access-list-name }
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • 必要に応じてパスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
router bgp as-number
Router(config)# router bgp 65000 |
指定したルーティング プロセスのルータ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
neighbor { ip-address | ipv6-address [ % ] | peer-group-name } remote-as autonomous-system-number [ alternate-as autonomous-system-number ...]
Router(config-router)# neighbor 2001:0DB8:0:cc00::1 remote-as 64600 |
指定したリモート自律システム内のネイバーのリンクローカル IPv6 アドレスをローカル ルータの IPv6 マルチプロトコル BGP ネイバーテーブルに追加します。 |
ステップ 5 |
address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
Router(config-router)# address-family ipv6 |
IPv6 アドレス ファミリを指定し、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。 • unicast キーワードでは、IPv6 ユニキャスト アドレス ファミリを 指定します。デフォルトでは、 address-family ipv6 コマンドで unicast キーワードが指定されていない場合、ルータは IPv6 ユニキャスト アドレス ファミリのコンフィギュレーション モードになります。 • multicast キーワードでは、 IPv6 マルチキャスト アドレス プレフィクス を指定します。 |
ステップ 6 |
neighbor { ip-address | peer-group-name | ipv6-address % } activate
Router(config-router-af)# neighbor 2001:0DB8:0:cc00::1 activate |
ネイバーが、指定したリンクローカル アドレスを使用して IPv6 アドレス ファミリのプレフィクスをローカル ルータと交換できるようにします。 |
ステップ 7 |
neighbor { ip-address | peer-group-name | ipv6-address [ % ]} route-map map-name { in | out }
Router(config-router-af)# neighbor 2001:0DB8:0:cc00::1 route-map rtp in |
着信ルートまたは発信ルートにルート マップを適用します。 • ルート マップへの変更は、ピアリングがリセットされるまで、またはソフト リセットが実行されるまで、現在のピアでは有効になりません。 soft キーワードと in キーワードを指定して clear bgp ipv6 コマンドを使用すると、ソフト リセットが実行されます。 |
ステップ 8 |
exit
Router(config-router-af)# exit |
アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを終了し、ルータをルータ コンフィギュレーション モードに戻します。 |
ステップ 9 |
ステップ 8 を繰り返します。
Router(config-router)# exit |
ルータ コンフィギュレーション モードを終了し、ルータをグローバル コンフィギュレーション モードに戻します。 |
ステップ 10 |
route-map map-tag [ permit | deny ] [ sequence-number ]
Router(config)# route-map rtp permit 10 |
ルート マップを定義し、ルート マップ コンフィギュレーション モードを開始します。 • match コマンドを使用して、この手順を実行します。 |
ステップ 11 |
match ipv6 address { prefix-list prefix-list-name | access-list-name }
Router(config-route-map)# match ipv6 address prefix-list cisco |
プレフィクス リストで許可されている宛先 IPv6 ネットワーク番号アドレスを持つすべてのルートを配布するか、パケットに対してポリシー ルーティングを実行します。 |
IPv6 マルチプロトコル BGP へのプレフィクスの再配布
IPv6 用の再配布
再配布は、あるルーティング プロトコルから別のルーティング プロトコルにプレフィクスを再配布(挿入)するプロセスです。ここでは、あるルーティング プロトコルのプレフィクスを IPv6 マルチプロトコル BGP に挿入する方法について説明します。具体的には、 redistribute ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用して IPv6 マルチプロトコル BGP に再配布されたプレフィクスが、IPv6 ユニキャスト データベースに挿入されます。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. router bgp as-number
4. address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
5. redistribute bgp [ process-id ] [ metric metric-value ] [ route-map map-name ] [ source-protocol-options ]
6. exit
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • 必要に応じてパスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
router bgp as-number
Router(config)# router bgp 65000 |
指定した BGP ルーティング プロセスのルータ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
Router(config-router)# address-family ipv6 |
IPv6 アドレス ファミリを指定し、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。 • unicast キーワードでは、IPv6 ユニキャスト アドレス ファミリを 指定します。デフォルトでは、 address-family ipv6 コマンドで unicast キーワードが指定されていない場合、ルータは IPv6 ユニキャスト アドレス ファミリのコンフィギュレーション モードになります。 • multicast キーワードでは、 IPv6 マルチキャスト アドレス プレフィクス を指定します。 |
ステップ 5 |
redistribute bgp [ process-id ] [ metric metric-value ] [ route-map map-name ] [ source-protocol-options ]
Router(config-router-af)# redistribute bgp 64500 metric 5 metric-type external |
あるルーティング ドメインから別のルーティング ドメインへ IPv6 ルートを再配布します。 |
ステップ 6 |
exit
Router(config-router-af)# exit |
アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを終了し、ルータをルータ コンフィギュレーション モードに戻します。 • このステップを繰り返して、ルータ コンフィギュレーション モードを終了し、ルータをグローバル コンフィギュレーション モードに戻します。 |
IPv6 BGP ピア間での IPv4 ルートのアドバタイズ
IPv6 ピア間で IPv4 ルートをアドバタイズするには、次の作業を実行します。IPv6 ネットワークが 2 つの個別の IPv4 ネットワークに接続されている場合、IPv6 を使用して IPv4 ルートをアドバタイズできます。IPv4 アドレス ファミリ内で IPv6 アドレスを使用してピアリングを設定します。アドバタイズされるネクストホップは、通常、到着不能であるため、スタティック ルートまたはインバウンド ルート マップを使用してネクストホップを設定します。2 つの IPv4 ピア間での IPv6 ルートのアドバタイズでは、同じモデルを使用することもできます。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. router bgp as-number
4. neighbor peer-group-name peer-group
5. neighbor { ip-address | ipv6-address [ % ] | peer-group-name } remote-as autonomous-system-number [ alternate-as autonomous-system-number ...]
6. address-family ipv4 [ mdt | multicast | tunnel | unicast [ vrf vrf-name ] | vrf vrf-name ]
7. neighbor ipv6-address peer-group peer-group-name
8. neighbor { ip-address | peer-group-name | ipv6-address [ % ]} route-map map-name { in | out }
9. exit
10. ステップ 11 を繰り返します。
11. route-map map-tag [ permit | deny ] [ sequence-number ]
12. set ip next-hop ip-address [ ... ip-address ] [ peer-address ]
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • 必要に応じてパスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
router bgp as-number
Router(config)# router bgp 65000 |
指定したルーティング プロセスのルータ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
neighbor peer-group-name peer-group
Router(config-router)# neighbor 6peers peer-group |
マルチプロトコル BGP ピア グループを作成します。 |
ステップ 5 |
neighbor { ip-address | ipv6-address [ % ] | peer-group-name } remote-as autonomous-system-number [ alternate-as autonomous-system-number ...]
Router(config-router)# neighbor 6peers remote-as 65002 |
指定した自律システム内のネイバーの IPv6 アドレスを、ローカル ルータの IPv6 マルチプロトコル BGP ネイバーテーブルに追加します。 |
ステップ 6 |
address-family ipv4 [ mdt | multicast | tunnel | unicast [ vrf vrf-name ] | vrf vrf-name ]
Router(config-router)# address-family ipv4 |
アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始し、標準 IPv4 アドレス プレフィクスを使用するルーティング セッションを設定します。 |
ステップ 7 |
neighbor ipv6-address peer-group peer-group-name
Router(config-router-af)# neighbor 2001:0DB8:yyyy::2 peer-group 6peers |
BGP ネイバーの IPv6 アドレスをピア グループに割り当てます。 |
ステップ 8 |
neighbor { ip-address | peer-group-name | ipv6-address [ % ]} route-map map-name { in | out }
Router(config-router-af)# neighbor 6peers route-map rmap out |
着信ルートまたは発信ルートにルート マップを適用します。 • ルート マップへの変更は、ピアリングがリセットされるまで、またはソフト リセットが実行されるまで、現在のピアでは有効になりません。 soft キーワードと in キーワードを指定して clear bgp ipv6 コマンドを使用すると、ソフト リセットが実行されます。 |
ステップ 9 |
exit
Router(config-router-af)# exit |
アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを終了し、ルータをルータ コンフィギュレーション モードに戻します。 |
ステップ 10 |
ステップ 11 を繰り返します。
Router(config-router)# exit |
ルータ コンフィギュレーション モードを終了し、ルータをグローバル コンフィギュレーション モードに戻します。 |
ステップ 11 |
route-map map-tag [ permit | deny ] [ sequence-number ]
Router(config)# route-map rmap permit 10 |
ルート マップを定義し、ルート マップ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 12 |
set ip next-hop ip-address [... ip-address ] [ peer-address ]
Router(config-route-map)# set ip next-hop 10.21.8.10 |
ピアにアドバタイズされる IPv4 パケットのネクストホップを上書きします。 |
BGP の管理ディスタンスの割り当て
RPF ルックアップでユニキャスト ルートとの比較に使用されるマルチキャスト BGP ルートの管理ディスタンスを指定するには、次の作業を実行します。
注意 BGP 内部ルートの管理ディスタンスを変更することは、推奨されません。発生する可能性のある 1 つの問題は、ルーティング テーブルの不整合が累積され、それによってルーティングが中断する可能性があることです。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. router bgp as-number
4. address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
5. distance bgp external-distance internal-distance local-distance
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • 必要に応じてパスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
router bgp as-number
Router(config)# router bgp 65000 |
指定したルーティング プロセスのルータ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
Router(config-router)# address-family ipv6 |
IPv6 アドレス ファミリを指定し、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。 • unicast キーワードでは、IPv6 ユニキャスト アドレス ファミリを 指定します。デフォルトでは、 address-family ipv6 コマンドで unicast キーワードが指定されていない場合、ルータは IPv6 ユニキャスト アドレス ファミリのコンフィギュレーション モードになります。 • multicast キーワードでは、 IPv6 マルチキャスト アドレス プレフィクス を指定します。 |
ステップ 5 |
distance bgp external-distance internal-distance local-distance
Router(config-router-af)# distance bgp 10 50 100
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BGP ルートの管理ディスタンスを設定します。 |
IPv6 マルチキャスト BGP の変換アップデートの生成
ピアから受信したユニキャスト IPv6 アップデートに対応する IPv6 マルチキャスト BGP アップデートを生成するには、次の作業を実行します。
MBGP 変換アップデート機能は、一般に、BGP 対応ルータだけを持つカスタマー サイト(つまり、ルータを MBGP 対応イメージにアップグレードしていない、またはアップグレードできないカスタマー サイト)とピアリングする MBGP 対応ルータで使用されます。そのカスタマー サイトでは MBGP アドバタイズメントを発信できないため、カスタマー サイトがピアリングするルータは、BGP プレフィクスを、マルチキャストソース Reverse Path Forwarding(RPF)ルックアップに使用される MBGP プレフィクスに変換します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. router bgp as-number
4. address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
5. neighbor ipv6-address translate-update ipv6 multicast [ unicast ]
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • 必要に応じてパスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
router bgp as-number
Router(config)# router bgp 65000 |
指定したルーティング プロセスのルータ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
Router(config-router)# address-family ipv6 |
IPv6 アドレス ファミリを指定し、アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始します。 • unicast キーワードでは、IPv6 ユニキャスト アドレス ファミリを 指定します。デフォルトでは、 address-family ipv6 コマンドで unicast キーワードが指定されていない場合、ルータは IPv6 ユニキャスト アドレス ファミリのコンフィギュレーション モードになります。 • multicast キーワードでは、 IPv6 マルチキャスト アドレス プレフィクス を指定します。 |
ステップ 5 |
neighbor
ipv6-address
translate-update ipv6 multicast
[
unicast
]
Router(config-router-af)# neighbor 7000::2 translate-update ipv6 multicast
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ピアから受信したユニキャスト IPv6 アップデートに対応するマルチプロトコル IPv6 BGP アップデートを生成します。 |
IPv6 BGP グレースフル リスタート機能の設定
IPv6 BGP グレースフル リスタート機能を設定することで、NSF 機能をイネーブルにするには、次の作業を実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. router bgp as-number
4. address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
5. bgp graceful-restart [ restart-time seconds | stalepath-time seconds ] [ all ]
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • 必要に応じてパスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
router bgp as-number
Router(config)# router bgp 65000 |
指定したルーティング プロセスのルータ コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
address-family ipv6 [ vrf vrf-name ] [ unicast | multicast | vpnv6 ]
Router(config-router)# address-family ipv6 |
IPv6 アドレス ファミリを指定します。 |
ステップ 5 |
bgp graceful-restart [ restart-time seconds | stalepath-time seconds ] [ all ]
Router(config-router)# bgp graceful-restart |
BGP グレースフル リスタート機能をイネーブルにします。 |
手順の概要
1. enable
2. clear bgp ipv6 { unicast | multicast } { * | autonomous-system-number | ip- address | ipv6-address | peer-group-name } [ soft ] [ in | out ]
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • 必要に応じてパスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
clear bgp ipv6 { unicast | multicast } { * | autonomous-system-number | ip-address | ipv6-address | peer-group-name } [ soft ] [ in | out ]
Router# clear bgp ipv6 unicast peer-group marketing soft out |
IPv6 BGP セッションをリセットします。 |
手順の概要
1. enable
2. clear bgp ipv6 { unicast | multicast } external [ soft ] [ in | out ]
3. clear bgp ipv6 { unicast | multicast } peer-group [ name ]
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • 必要に応じてパスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
clear bgp ipv6 { unicast | multicast } external [ soft ] [ in | out ]
Router# clear bgp ipv6 unicast external soft in |
外部 IPv6 BGP ピアをクリアします。 |
ステップ 3 |
clear bgp ipv6 { unicast | multicast } peer-group [ name ]
Router# clear bgp ipv6 unicast peer-group |
IPv6 BGP ピア グループのすべてのメンバをクリアします。 |
IPv6 BGP ルート減衰情報のクリア
IPv6 BGP ルート減衰情報をクリアするには、次の作業を実行します。また、抑制されたルートの抑制を解除する方法も示します。
手順の概要
1. enable
2. clear bgp ipv6 { unicast | multicast } dampening [ ipv6-prefix / prefix-length ]
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • 必要に応じてパスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
clear bgp ipv6 { unicast | multicast } dampening [ ipv6-prefix / prefix-length ]
Router# clear bgp ipv6 unicast dampening 2001:0DB8::/64
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IPv6 BGP ルート減衰情報をクリアし、抑制ルートの抑制を解除します。 |
手順の概要
1. enable
2. clear bgp ipv6 { unicast | multicast } flap-statistics [ ipv6-prefix / prefix-length | regexp regexp | filter-list list ]
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • 必要に応じてパスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
clear bgp ipv6 { unicast | multicast } flap-statistics [ ipv6-prefix / prefix-length | regexp regexp | filter-list list ]
Router# clear bgp ipv6 unicast flap-statistics filter-list 3
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IPv6 BGP フラップ統計情報をクリアします。 |
IPv6 マルチプロトコル BGP の設定および動作の確認
手順の概要
1. show bgp ipv6 { unicast | multicast } [ ipv6-prefix / prefix-length ] [ longer-prefixes ] [ labels ]
2. show bgp ipv6 { unicast | multicast } summary
3. show bgp ipv6 { unicast | multicast } dampening dampened-paths
4. enable
5. debug bgp ipv6 { unicast | multicast } dampening [ prefix-list prefix-list-name ]
6. debug bgp ipv6 { unicast | multicast } updates [ ipv6-address ] [ prefix-list prefix-list-name ] [ in | out ]
手順の詳細
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ステップ 1 |
show bgp ipv6 { unicast | multicast } [ ipv6-prefix / prefix-length ] [ longer-prefixes ] [ labels ]
Router> show bgp ipv6 unicast |
(任意)IPv6 BGP ルーティング テーブルのエントリを表示します。 |
ステップ 2 |
show bgp ipv6 { unicast | multicast } summary
Router> show bgp ipv6 unicast summary |
(任意)すべての IPv6 BGP 接続のステータスを表示します。 |
ステップ 3 |
show bgp ipv6 { unicast | multicast } dampening dampened-paths
Router> show bgp ipv6 unicast dampening dampened-paths |
(任意)IPv6 BGP 減衰ルートを表示します。 |
ステップ 4 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードなど、高位の権限レベルをイネーブルにします。 • 必要に応じてパスワードを入力します。 |
ステップ 5 |
debug bgp ipv6 { unicast | multicast } dampening [ prefix-list prefix-list-name ]
Router# debug bgp ipv6 unicast dampening |
(任意)IPv6 BGP 減衰パケットのデバッグ情報を表示します。 • プレフィクス リストが指定されていない場合は、すべての IPv6 BGP 減衰パケットのデバッグ メッセージが表示されます。 |
ステップ 6 |
debug bgp ipv6 { unicast | multicast } updates [ ipv6-address ] [ prefix-list prefix-list-name ] [ in | out ]
Router# debug bgp ipv6 unicast updates |
(任意)IPv6 BGP アップデート パケットのデバッグ情報を表示します。 • ipv6-address 引数が指定されている場合は、指定したネイバーへの IPv6 BGP アップデートのデバッグ メッセージが表示されます。 • in キーワードを使用して、インバウンド アップデートのデバッグ メッセージだけを表示するようにします。 • out キーワードを使用して、アウトバウンド アップデートのデバッグ メッセージだけを表示するようにします。 |
例
• show bgp ipv6 コマンドの出力例
• show bgp ipv6 summary コマンドの出力例
• show bgp ipv6 dampened-paths コマンドの出力例
• debug bgp ipv6 dampening コマンドの出力例
• debug bgp ipv6 updates コマンドの出力例
show bgp ipv6 コマンドの出力例
次の例では、IPv6 BGP ルーティング テーブルのエントリが、 show bgp ipv6 コマンドを使用して表示されています。
Router> show bgp ipv6 unicast
BGP table version is 12612, local router ID is 192.168.99.70
Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete
Network Next Hop Metric LocPrf Weight Path
*> 2001:0DB8:E:C::2 0 3748 4697 1752 i
* 2001:618:3::/48 2001:0DB8:E:4::2 1 0 4554 1849 65002 i
*> 2001:620::/35 2001:0DB8:0:F004::1
* 2001:0DB8:E:9::2 0 1251 1930 559 i
* 2001:0DB8::A 0 3462 10566 1930 559 i
* 2001:0DB8:E:4::2 1 0 4554 1849 1273 559 i
* 2001:0DB8:E:B::2 0 237 3748 1275 559 i
* 2001:0DB8:E:C::2 0 3748 1275 559 i
show bgp ipv6 summary コマンドの出力例
次の例では、すべての IPv6 BGP 接続のステータスが、 unicast キーワードを指定した show bgp ipv6 summary コマンドを使用して表示されています。
Router# show bgp ipv6 unicast summary
BGP router identifier 172.30.4.4, local AS number 200
BGP table version is 1, main routing table version 1
Neighbor V AS MsgRcvd MsgSent TblVer InQ OutQ Up/Down State/PfxRcd
2001:0DB8:101::2 4 200 6869 6882 0 0 0 06:25:24 Active
show bgp ipv6 dampened-paths コマンドの出力例
次の例では、IPv6 BGP 減衰ルートが、 unicast キーワードを指定した show bgp ipv6 dampened-paths コマンドを使用して表示されています。
Router# show bgp ipv6 unicast dampening dampened-paths
BGP table version is 12610, local router ID is 192.168.7.225
Status codes: s suppressed, d damped, h history, * valid, > best, i - internal
Origin codes: i - IGP, e - EGP, ? - incomplete
*d 3FFE:1000::/24 3FFE:C00:E:B::2 00:00:10 237 2839 5609 i
*d 2001:228::/35 3FFE:C00:E:B::2 00:23:30 237 2839 5609 2713 i
debug bgp ipv6 dampening コマンドの出力例
次の例では、IPv6 BGP 減衰パケットのデバッグ メッセージが、 unicast キーワードを指定した debug bgp ipv6 dampening コマンドを使用して表示されています。
(注) デフォルトでは、debug コマンドからの出力、およびシステム エラー メッセージがコンソールに送信されます。デバッグ出力をリダイレクトするには、コンフィギュレーション モードで logging コマンド オプションを使用します。指定できる宛先として、コンソール、仮想端末、内部バッファ、および syslog サーバを実行している UNIX ホストがあります。debug コマンドおよびデバッグ出力のリダイレクトの詳細については、『Cisco IOS Debug Command Reference, Release 12.4』を参照してください。
Router# debug bgp ipv6 unicast dampening
00:13:28:BGP(1):charge penalty for 2001:0DB8:0:1::/64 path 2 1 with halflife-time 15 reuse/suppress 750/2000
00:13:28:BGP(1):flapped 1 times since 00:00:00. New penalty is 1000
00:13:28:BGP(1):charge penalty for 2001:0DB8:0:1:1::/80 path 2 1 with halflife-time 15 reuse/suppress 750/2000
00:13:28:BGP(1):flapped 1 times since 00:00:00. New penalty is 1000
00:13:28:BGP(1):charge penalty for 2001:0DB8:0:5::/64 path 2 1 with halflife-time 15 reuse/suppress 750/2000
00:13:28:BGP(1):flapped 1 times since 00:00:00. New penalty is 1000
00:16:03:BGP(1):charge penalty for 2001:0DB8:0:1::/64 path 2 1 with halflife-time 15 reuse/suppress 750/2000
00:16:03:BGP(1):flapped 2 times since 00:02:35. New penalty is 1892
00:18:28:BGP(1):suppress 2001:0DB8:0:1:1::/80 path 2 1 for 00:27:30 (penalty 2671)
00:18:28:halflife-time 15, reuse/suppress 750/2000
00:18:28:BGP(1):suppress 2001:0DB8:0:1::/64 path 2 1 for 00:27:20 (penalty 2664)
00:18:28:halflife-time 15, reuse/suppress 750/2000
debug bgp ipv6 updates コマンドの出力例
次の例では、IPv6 BGP アップデート パケットのデバッグ メッセージが、 unicast キーワードを指定した debug bgp ipv6 updates コマンドを使用して表示されています。
Router# debug bgp ipv6 unicast updates
14:04:17:BGP(1):2001:0DB8:0:2::2 computing updates, afi 1, neighbor version 0, table version 1, starting at ::
14:04:17:BGP(1):2001:0DB8:0:2::2 update run completed, afi 1, ran for 0ms, neighbor version 0, start version 1, throttled to 1
14:04:19:BGP(1):sourced route for 2001:0DB8:0:2::1/64 path #0 changed (weight 32768)
14:04:19:BGP(1):2001:0DB8:0:2::1/64 route sourced locally
14:04:19:BGP(1):2001:0DB8:0:2:1::/80 route sourced locally
14:04:19:BGP(1):2001:0DB8:0:3::2/64 route sourced locally
14:04:19:BGP(1):2001:0DB8:0:4::2/64 route sourced locally
14:04:22:BGP(1):2001:0DB8:0:2::2 computing updates, afi 1, neighbor version 1, table version 6, starting at ::
14:04:22:BGP(1):2001:0DB8:0:2::2 send UPDATE (format) 2001:0DB8:0:2::1/64, next 2001:0DB8:0:2::1, metric 0, path
14:04:22:BGP(1):2001:0DB8:0:2::2 send UPDATE (format) 2001:0DB8:0:2:1::/80, next 2001:0DB8:0:2::1, metric 0, path
14:04:22:BGP(1):2001:0DB8:0:2::2 send UPDATE (prepend, chgflags:0x208) 2001:0DB8:0:3::2/64, next 2001:0DB8:0:2::1, metric 0, path
14:04:22:BGP(1):2001:0DB8:0:2::2 send UPDATE (prepend, chgflags:0x208) 2001:0DB8:0:4::2/64, next 2001:0DB8:0:2::1, metric 0, path